JP3847949B2 - 光触媒機能転写箔 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PVC樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の各種プラスチックシート及び板材または木材、ガラス等の表面に抗菌、抗黴機能、防汚機能、脱臭機能及び防曇機能等の光触媒酸化チタンの持つ光触媒機能を付与することを可能にした転写箔であり、従来からの転写方法により表面処理加工を施し、各種プラスチックシート及び板材または木材、ガラス等の表面に装飾性は勿論のこと、機能性を付与することにより付加価値を付け、製品価値を高めることを可能にした光触媒機能転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から各種プラスチックシート及び板材または木材、ガラス等の表面に抗菌、抗黴機能や、防汚機能を付与するために、転写方式を利用して表面処理加工を施し、各種機能を付与した転写箔が多く用いられていた。しかしながら、各種機能性を付与するためには、それぞれの機能を有した材料が必要であった。すなわち抗菌、抗黴機能を付与するためには抗菌、抗黴剤を塗膜中に添加配合する必要があり、また防汚機能を付与するためには防汚機能に優れた耐汚染防止材料を添加する必要があり、また防曇機能性を付与するためには、撥水機能に優れた添加剤を添加する必要がある等、多種類の機能性材料を併用する必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を勘案し、従来から白色顔料として幅広く使用されているアナターゼ型酸化チタンの光触媒作用を生かし、転写箔を発明することで各種プラスチックシート及び板材または木材、ガラス等の表面に半影響的に多くの機能性を付与することを可能にするものである。しかしながら、光触媒酸化チタンは、紫外線照射を受けると電子・正孔対が生成し、この正孔が表面の水分と反応して強い酸化力を有するヒドロキシラジカルが生成する。この酸化力により、大部分の有機化合物を水と二酸化炭素に分解する作用があるため、有機化合物の積層加工には充分注意する必要があった。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】
本発明は上記課題を解決するために、透明もしくは不透明なプラスチックフィルムを基材として、該基材上に密着性の良い離型層、光触媒機能を有した機能性保護層、無機金属または無機金属酸化物薄膜層、接着層を順次形成したたものである。本発明において、光触媒酸化チタンによる機能性保護層を転写箔構成材料に使用することで各種被転写材料表面に多くの機能を付与することが可能となった。
【0005】
すなわち本発明は、プラスチックフィルムである基材上に、該基材と密着性の良好な離型層、該離型層上に光触媒機能酸化チタンを分散した塗料からなる機能性保護層、さらに該機能性保護層上に無機金属または無機金属酸化物薄膜層のバリアー層、該無機金属または無機金属酸化物薄膜層のバリアー層上に密着性に優れた熱可塑性接着剤層を形成したことを特徴とする光触媒機能転写箔であり、バリアー層が、Al、Sn、In、Au、Ag等の無機金属の一種以上、またはケイ素酸化物、アルミナ等の無機金属酸化物の一種以上からなる薄膜層である前記の光触媒機能転写箔であり、離型層が、フッ素樹脂系塗膜、シリコン樹脂系塗膜等の樹脂塗膜、またはケイ素酸化物等の金属酸化物薄膜である前記の光触媒機能転写箔であり、プラスチックフィルム基材に形成する密着性の良い離型層として、基材フィルムを通過する紫外線による光触媒酸化チタン作用の発現を抑制するために紫外線遮断機能を有する無機金属薄膜層を設けた前記の光触媒機能転写箔である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明におけるプラスチックフィルム基材としては、透明または不透明のものでよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド、アクリル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS等各種合成樹脂フィルムまたはシートを用途に応じて使用することが可能である。厚さにおいては特に限定されないが、操作性、経済性、機能性等の点から、4〜100μmの範囲であるものが好ましい。
【0007】
本発明における基材と密着性の良好な離型層としては、光触媒酸化チタンの作用によって酸化分解しないために、フッ素樹脂系塗膜、シリコン樹脂系塗膜等の樹脂塗膜、またはケイ素酸化物等の金属酸化物の薄膜から選ばれたものが好ましく、その厚さは特に限定されないが0.01〜5μmの範囲であるものが好ましく、その形成方法は、種々のコーテイング方法を使用するか、または蒸着などの方法を使用することができる。
【0008】
本発明における光触媒機能酸化チタンを分散した塗料からなる機能性保護層としては、公知の酸化チタン系触媒機能を有する組成物を種々のコーテイング方法を使用することによって形成する。その厚さは、特に限定されないが、1〜10μmの範囲であるものが好ましい。
【0009】
本発明における無機金属または無機金属酸化物薄膜層のバリアー層としては、Al、Sn、In、Au、Ag等の無機金属の一種以上、またはケイ素酸化物、アルミナ等等の無機金属酸化物の一種以上からなる薄膜層が好ましく、蒸着やスパッタリング等の方法によって形成される。これらのバリアー層の厚さは、特に限定されないが、10〜200nmの範囲であるものが好ましく、10nmより薄い時にはバリアー層としての機能が不充分な場合が多く、200nmより厚い時には、バリアー機能のそれ以上の向上は見られず、経済的に不利である。
【0010】
本発明における熱可塑性接着剤層としては、EVA樹脂(エチレン・酢ビ樹脂)、アクリル系樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、等の熱可塑性樹脂から適宜選択して使用し、溶剤に溶解したり、そのまま融解した状態で塗布形成する。これらの接着剤層の厚さは、特に限定されないが、0.5〜5μmの範囲であるものが好ましい。
【0011】
本発明においては、前記の離型層に無機金属薄膜層を使用する場合は、バリアー層としての効果だけではなく、金属光沢を有する装飾蒸着転写箔としても有効である。
【0012】
以下、本発明を実施例を用いて説明する。
{実施例1}
25μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムの片側に離型層としてフッ素樹脂硬化膜をグラビアコーティングにより乾燥膜厚約1μm塗布形成した後、機能性保護層として光触媒酸化チタン塗料である溶融系シリカゾル(TiO2濃度10重量%、TiO2/バインダー比=60/40)をリバースコーティングにより乾燥膜厚約3μm塗布形成した。さらに機能性保護層面上にケイ素酸化物を真空蒸着法により、約50nm形成した後、EVA樹脂からなる熱可塑性接着剤層をロールコーティングにより乾燥膜厚約8μmに塗布形成し、本発明の転写箔を得た。
{実施例2}
25μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムの片側に離型層として約20nmのケイ素酸化物薄膜層を真空蒸着法で形成し、その後機能性保護層として光触媒酸化チタン塗料である溶融系シリカゾル(TiO2濃度10重量%、TiO2/バインダー比=60/40)をリバースコーティングにより乾燥膜厚約3μm塗布形成した。さらにその上にAl金属薄膜を真空蒸着法により、約50nm形成した後、アクリル樹脂からなる熱可塑性接着剤層をグラビアコーティングにより乾燥膜厚約2μmに塗布形成し、本発明の転写箔を得た。
{実施例3}
12μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムの片側に離型層としてアルミ金属薄膜層を真空蒸着法で約80nm形成した以外は実施例2に準じて各層を形成し、本発明の転写箔を得た。このようにして作製した実施例1記載のの光触媒機能転写箔を木材表面に転写加工、実施例2記載の光触媒機能転写箔をポリカーボネート板に転写加工、実施例3記載の光触媒機能転写箔をPVCシートに転写加工し、それぞれ成型後、内装建材として施工したところ、いづれも水、油、菌、黴等の生活汚染に対する防汚性機能効果が認められ、光触媒酸化チタンの作用である超親水化現象による流滴促進効果も発現した。
【0013】
【発明の効果】
本発明は、従来から白色顔料として幅広く使用されている酸化チタンの光触媒作用を生かし、転写箔を発明することで各種プラスチックシート及び板材または木材、ガラス等の表面に簡便な転写方法により、多くの機能性を付与することを可能にする光触媒機能転写箔を提供することができた。
Claims (2)
- プラスチックフィルムである基材上に、
前記基材に対して密着性が良好であり、かつ、前記基材を通過する紫外線を遮断する無機金属による離型層と、
光触媒機能を有した酸化チタンを分散した塗料からなる機能性保護層と、
無機金属又は無機金属酸化物により構成される薄膜であるバリアー層と、
熱可塑性接着剤による接着層と、
を、この記載順に積層してなること、
を特徴とする、光触媒機能転写箔。 - 請求項1に記載の光触媒機能転写箔において、
前記バリアー層が、
アルミニウム、スズ、インジウム、金、銀の何れか1つ又は複数、
又は、珪素酸化物、アルミナの何れか又は双方、
の何れかにより形成されてなること、
を特徴とする、光触媒転写箔。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP09099998A JP3847949B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 光触媒機能転写箔 |
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JP09099998A Expired - Fee Related JP3847949B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 光触媒機能転写箔 |
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- 1998-03-18 JP JP09099998A patent/JP3847949B2/ja not_active Expired - Fee Related
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