JP2000225663A - 光触媒フィルム - Google Patents

光触媒フィルム

Info

Publication number
JP2000225663A
JP2000225663A JP11029515A JP2951599A JP2000225663A JP 2000225663 A JP2000225663 A JP 2000225663A JP 11029515 A JP11029515 A JP 11029515A JP 2951599 A JP2951599 A JP 2951599A JP 2000225663 A JP2000225663 A JP 2000225663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
layer
thin film
oxide
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11029515A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshinori Machida
敏則 町田
Takashi Ishikawa
崇 石川
Atsushi Mikoshiba
淳 御子柴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP11029515A priority Critical patent/JP2000225663A/ja
Publication of JP2000225663A publication Critical patent/JP2000225663A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】光触媒作用を有する物質をプラスチックフィル
ムに短工程で固定化することができ、光触媒作用を有す
る物質のプラスチックフィルムに対する接着性が高く、
生産ロスが少なく、さらに生産コストの安い、光触媒コ
ートフィルムの提供。 【解決手段】プラスチックフィルム上に、けい素酸化物
及びまたはアルミニウム酸化物からなる薄膜層、及び光
触媒層を順次積層してなる光触媒フィルム、ならびにプ
ラスチックフィルム上に、けい素酸化物及びまたはアル
ミニウム酸化物と、金属フッ化物,マグネシウム酸化物
類,及びチタン酸化物から選ばれる一種または二種以上
の化合物とからなる薄膜層、及び光触媒層を順次積層し
てなる光触媒フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材表面を高度に
親水性にする光触媒層を有する光触媒フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光半導性物質の光触媒作用が、水
の光分解等の化学反応の触媒としてだけでなく、水中や
空気中の環境汚染物質の分解除去、脱臭、殺菌などの多
くの用途で注目をあつめている。例えば、特開平5−1
54473号公報には、流体に含まれている有機物の酸
化分解や殺菌を効果的に行う方法として、酸化チタンな
どの光半導性物質の光触媒作用を用いた光化学反応処理
方法が開示されている。また、特開平9−226042
号公報には、フィルム基体表面に、光触媒粒子を含有す
る表面層を備えてなり、基材表面に貼着すると、表面が
光触媒の光励起に応じて親水性を呈する光触媒フィルム
が開示されている。
【0003】特開平9−227161号公報には、窓ガ
ラスに直接及び窓ガラス貼着用のフィルムに光触媒性酸
化物粒子を含有する表面層を備え、光触媒の励起に応じ
て表面層が親水性を呈し、その結果付着した湿分の凝縮
水や水滴が表面層に一様に広がる窓ガラスや窓ガラス貼
着用のフィルムが開示されている。この他にも、特開平
9−59042号公報,特開平9−227169号公
報,特開平10−156190号公報に光触媒性能を有
する基材が開示されている。一般に、光半導性物質の光
触媒作用を有するフィルムを作成するには、基材である
プラスチックフィルムにコロナ放電処理を施し、シリコ
ーン樹脂からなるプライマー塗料を塗布、乾燥した後、
シリコン系ハードコート剤を塗布、乾燥し、さらにその
シリコン系ハードコート剤にコロナ放電処理を施した後
に酸化チタン含有塗料組成物(例えば、アナターゼ型酸
化チタンゾル,シリカゾル及びトリメトキシシランのエ
タノール希釈物)を塗布、熱処理硬化させて作成する。
【0004】このような多層にするのは理由があり、酸
化チタンを代表とする光触媒作用を有する光半導性物質
を固定化するには、その光触媒の作用で分解される有機
物のバインダーは使用できないので、必然的に分解され
にくい無機材料のバインダーが選択される。この光触媒
作用を有する物質(例えば酸化チタン)と無機バインダ
ーからなる塗工層はプラスチックフィルムとは接着し難
く、また接着したとしても光触媒作用を有する物質がこ
のプラスチックフィルムを分解してしまうために、プラ
スチックフィルム基材の劣化、プラスチックフィルム/
光触媒層の剥離が発生する。そのため、光触媒作用に対
し耐性を有するベースコーティングが必要である。この
ベースコーティングとしては、前述したようなシリコー
ン系ハードコート剤が用いられることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このシ
リコーン系ハードコート剤もプラスチックフィルムとは
直接接着し難く、シリコーン系プライマーのようなプラ
イマー剤が必要である。更により接着力をあげるため
に、コロナ放電処理等の易接着処理も必要である。光触
媒作用を有する物質をプラスチックフィルムに固定化す
るにはこのように非常に多工程の接着に関わるコーティ
ング剤を塗布せざるを得なく、また接着力も十分でな
く、多工程がゆえ、生産ロス増加やコスト高になってし
まっていた。
【0006】本発明の目的は、光触媒作用を有する物質
をプラスチックフィルムに短工程で固定化することがで
き、光触媒作用を有する物質のプラスチックフィルムに
対する接着性が高く、生産ロスが少なく、さらに生産コ
ストの安い、光触媒コートフィルムを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光触媒作
用を有する物質を含む光触媒層とプラスチックフィルム
の間に、けい素酸化物及びまたはアルミニウム酸化物か
らなる薄膜層、または、けい素酸化物及びまたはアルミ
ニウム酸化物と、金属フッ化物、マグネシウム酸化物
類、及びチタン酸化物から選ばれる一種または二種以上
の化合物とからなる薄膜層を設けることにより、光触媒
層の接着力が十分で、層構成数が少ないため生産ロスが
少ない光触媒フィルムが得られること見出し、本発明に
至った。
【0008】すなわち、本発明は、プラスチックフィル
ム上に、けい素酸化物及びまたはアルミニウム酸化物か
らなる薄膜層、及び光触媒層を順次積層してなる光触媒
フィルムによって達成できる。また、本発明は、プラス
チックフィルム上に、けい素酸化物及びまたはアルミニ
ウム酸化物と、金属フッ化物,マグネシウム酸化物類,
及びチタン酸化物から選ばれる一種または二種以上の化
合物とからなる薄膜層、及び光触媒層を順次積層してな
る光触媒フィルムによって達成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、プラスチックフ
ィルムとしては、ポリエチレンテレフタレ−トフィル
ム,ポリプロピレンフィルム,ポリエチレンフィルム,
塩化ビニルフィルム,塩化ビニリデンフィルム,アクリ
ルフィルム,ナイロンフィルム,フッ素フィルム,ポリ
フッ化ビニリデンフィルム,ポリカーボネートフィル
ム,ポリエチレン−2,6−ナフタレ−トフィルムがあ
げられる。この中でも、2軸延伸したポリエチレンテレ
フタレートフィルムが望ましい。プラスチックフィルム
の表面は、コロナ放電処理やフレーム処理,プラズマ処
理等の表面処理してあっても構わないが、これらの表面
処理は必須ではない。また、このプラスチックフィルム
の表面には何も付与されていない方が望ましいが、予め
界面活性剤や高分子電解質系等の有機系の導電剤やUV
吸収剤や光安定剤が塗工または練り込みされているもの
でも構わない。プラスチックフィルムの厚さは特に制限
されないが、6μm〜2mm が適当であり、特に12〜2
00μm が望ましい。
【0010】薄膜層は、プラスチックフィルムと強固に
接着すると共に、光触媒層とも強固に接着しなければな
らず、薄膜層の組成は、けい素酸化物単独からなるも
の,アルミニウム酸化物単独からなるもの,その混合物
・化合物、けい素酸化物と金属フッ化物,マグネシウム
酸化物類,チタン酸化物の1種または2種以上からなる
もの,アルミニウム酸化物と金属フッ化物,マグネシウ
ム酸化物類,チタン酸化物の1種または2種以上からな
るものに大別される。
【0011】薄膜層を構成するけい素酸化物は、SiO
x(x=0.5〜2)で表される化合物であり、具体的
にはSiO(一酸化けい素)やSiO2 (二酸化けい
素),Si23 等が挙げられる。けい素酸化物単独か
らなる薄膜層は、SiOxのxが2に近いほど無色透明
になり、反対にxの値が小さければ小さいほど褐色〜黄
色を呈する。真空薄膜形成技術を用いて薄膜層を形成す
る場合、SiOxのxを完全に2にすることはかなり困
難であり、薄膜層をけい素酸化物単独とした場合は、少
なくとも若干着色してしまう。薄膜層を構成するアルミ
ニウム酸化物は、Al23 (酸化アルミニウム)のよ
うな完全な酸化物でなくてもよく、Al2 Ox(x=
1.5〜3)のように多少酸素欠乏状態でも構わない。
真空薄膜形成技術のうち真空蒸着により薄膜層を形成す
る場合、この酸素欠乏状態になりやすい。
【0012】薄膜層を構成する金属フッ化物としては、
アルカリ土類金属のフッ化物およびアルカリ金属のフッ
化物があげられる。具体的には、フッ化マグネシウム,
フッ化カルシウム,フッ化ストロンチウム,フッ化バリ
ウム,フッ化リチウム,フッ化ナトリウム,フッ化カリ
ウム,フッ化ルビジウム,フッ化セシウム,フッ化フラ
ンシウム等があげられる。この中でも、特にフッ化マグ
ネシウムは屈折率が低い値を示すので、光線透過性に優
れている。マグネシウム酸化物類としては、酸化マグネ
シウム、酸化マグネシウムと二酸化けい素との共酸化物
(フォルステライトやステアタイトと呼称される共酸化
物),酸化マグネシウムと金属フッ化物との複合化合物
が挙げられる。チタン酸化物としては、一酸化チタン、
三二酸化チタン、二酸化チタンが挙げられる。二酸化チ
タンとしてはアナターゼ/ルチルのいずれでも構わな
い。
【0013】薄膜層を構成するけい素酸化物及びまたは
アルミニウム酸化物:金属フッ化物,マグネシウム酸化
物類及びチタン酸化物から選ばれる一種または二種以上
の化合物の組成比は、それぞれ98〜80モル%:2〜
20モル%の範囲が望ましく、特に95〜90モル%:
5〜10モル%の範囲が望ましい。薄膜層の組成におい
て、けい素酸化物とアルミニウム酸化物を混合する場合
は、特にその比は限定はない。同様に、金属フッ化物,
マグネシウム酸化物類及びチタン酸化物をを混合する場
合も、特にその比は限定はない。薄膜層と光触媒層の接
着性をより強固にしたい場合は、薄膜層がチタン酸化物
を含み、薄膜層中のチタン酸化物の比が2〜5モル%で
あることが望ましい。
【0014】薄膜層の原料は、金属酸化物,金属フッ化
物,金属,有機金属化合物等の無機化合物,有機化合物
の単独または混合物の何れでも構わない。中でも、薄膜
層の光線透過性の点から、けい素酸化物と金属フッ化物
の混合物、またはけい素酸化物と二酸化けい素と酸化マ
グネシウムの共酸化物の混合物を原料とすることが望ま
しい。その原料の組成比は、けい素酸化物及びまたはア
ルミニウム酸化物と金属フッ化物とを原料とする場合
は、けい素酸化物及びまたはアルミニウム酸化物:金属
フッ化物=98〜70モル%:2〜30モル%の範囲が
望ましく、特に95〜85モル%:5〜15モル%の範
囲が望ましい。
【0015】また、けい素酸化物及びまたはアルミニウ
ム酸化物と金属フッ化物とマグネシウム酸化物類とを原
料とする場合は、けい素酸化物及びまたはアルミニウム
酸化物:金属フッ化物:マグネシウム酸化物類=97.
5〜70モル%:2〜29.5モル%:0.5〜28モ
ル%の範囲が望ましく、特に95〜90モル%:4.5
〜9.5モル%:0.5〜5.5モル%の範囲が望まし
い。さらに、薄膜層にチタン酸化物を含有させる場合
は、上記原料組成に対して外割でチタン酸化物を5〜1
0モル%混合すると、前述の膜組成になる。
【0016】原料として用いるけい素酸化物の例として
は、けい素と二酸化けい素の混合物,一酸化けい素単
体、及びけい素と二酸化けい素と一酸化けい素の混合物
が挙げられる。けい素酸化物としてけい素(Si)と二
酸化けい素(SiO2 )の混合物を用いる場合、その組
成比は基本的には等モルが好ましいが、Si:SiO2
=40〜60モル%:60〜40モル%の範囲ならよ
い。また原料として用いるけい素酸化物が、Si、Si
O、SiO2 の混合物である場合は、Si:SiO 2
ほぼ等モルにすれば良く、(Si+SiO2 ):SiO
の比率は特に限定されない。
【0017】原料として用いるアルミニウム酸化物とし
ては、酸化アルミニウム、金属アルミニウム、有機アル
ミニウム化合物等が挙げられ、薄膜層の状態でアルミニ
ウム酸化物となればよい。原料として用いる金属フッ化
物、マグネシウム酸化物類、チタン酸化物も特に限定さ
れず、薄膜層の状態で前述の膜になればよい。薄膜層
は、真空薄膜形成技術により、プラスチックフィルム上
に形成することができる。真空薄膜形成技術の方式とし
ては、真空蒸着,イオンプレ−ティング,スパッタリン
グ等の物理気相蒸着(PVD)や,プラズマ等を用いる
化学気相蒸着(CVD)などが挙げられる。この中でも
蒸着スピードの点から、真空蒸着が特に望ましい。
【0018】真空蒸着の加熱方法としては、その蒸着中
にスプラッシュと呼称される蒸着飛沫が発生しなけれ
ば、あるいは支障なく取り除ける程度に少なければ特に
制限はなく、高周波誘導加熱,抵抗加熱,電子線加熱な
どの公知の加熱方法を用いることができる。この蒸着飛
沫が多量に発生すると、飛沫が薄膜層上に異物として残
り、後に光触媒層を積層する時に、黒点として外観不良
となる。真空蒸着の蒸発源としては一般的なルツボ方式
でもかまわないが、異なる昇華点,融点の物質が常時均
一に真空蒸着できる特開平1−252786号公報や特
開平2−277774号公報に記載される蒸発原料を連
続的に供給排出する方式や電子線加熱方式が望ましい。
【0019】プラスチックフィルムの上に薄膜層を形成
する場合、真空蒸着の方法により、原料組成をそのまま
薄膜層の組成に反映させてもよいが、反応蒸着により2
種以上の原料を反応させながら、薄膜層の組成としても
良い。反応蒸着による薄膜層の積層方法としては金属ま
たは有機金属酸化物のような金属を含む化合物を酸化ま
たはフッ化させながら真空蒸着する方法、金属フッ化物
をプラスチックフィルム上に蒸着層として形成させ後工
程でその蒸着層を酸化処理する方法があげられる。酸化
処理の方法としてはプラスチックフィルムの使用可能温
度範囲内で処理を行う方法なら特に限定されず、蒸着中
の酸素ガス導入法,放電処理法,酸素プラズマ法,熱酸
化法等が挙げられる。
【0020】薄膜層の膜厚は、プラスチックフィルムと
の接着性の点から、1〜100nmが望ましい。さら
に、5〜30nmが望ましく、特に5〜10nmが望ま
しい。ましい。薄膜層の膜厚が30nmを越えると徐々
に薄膜層の内部応力が内在し始め、100nmを越える
と完全に薄膜層の内部応力が大きくなり、それがプラス
チックフィルムと薄膜層の剥離に関係する。薄膜層は、
最終的に得られる層の必要機能が得られていれば、2層
積層や多重積層でも構わない。すなわち、積層を2回以
上に分けて行ってもよく、その時、異種類の金属フッ化
物,マグネシウム酸化物類,チタン酸化物を積層しても
構わない。また、2層以上を積層する場合には、薄膜層
の間に有機物質の樹脂等の層を入れてもかまわない。
【0021】光触媒層は、光触媒作用を有する物質とバ
インダーとから構成される。光触媒作用を有する物質と
は、その結晶の伝導帯と価電子帯との間のエネルギーギ
ャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の
光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励
起(光励起)が生じて、伝導電子と正孔を生成しうる物
質をいい、例えばアナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸
化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸
化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム
等が好適に利用できる。光触媒作用を有する物質につい
ては、例えば、特開平9−226042号公報、特開平
9−59042号公報、特開平10−195379号公
報、特開平10−156190号公報、特開平9−22
7161号公報、特開平9−227169号公報等に詳
細に述べられている。ここで、光触媒作用を有する物質
の光励起に用いる光源としては、太陽光、室内照明、特
殊ランプ等があり、例えば、蛍光灯、白熱電灯、メタル
ハライドランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯
等が挙げられる。
【0022】光触媒層を構成するバインダーは、基本的
には光触媒作用を有する物質の光励起による触媒活性効
果のうち、有機物の分解に耐えられるバインダーであれ
ば限定されないが、具体例としては、無機または有機け
い素化合物が挙げられる。詳しくは、無定型シリカの前
駆体(テトラアルコキシシランの部分加水分解、脱水縮
重合物である平均組成式(OR)xSiOy(0<x≦
4、0≦y<2)からなる4官能性シロキサン樹脂、シ
ラノール、その脱水縮重合物であるシラノール樹脂)や
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン等のシラン化合物が挙げられる。
【0023】光触媒層を構成するバインダーが無機また
は有機けい素化合物の場合は、薄膜層と光触媒層が化学
結合し、特に薄膜層と光触媒層が強固に接着するため望
ましい。具体的に説明すると、薄膜層がけい素酸化物を
含む場合は、薄膜層内のSiと、光触媒層を構成する無
機けい素化合物や有機けい素化合物内のSi分子とがシ
ロキサン結合(−Si−O−Si−)する。また、薄膜
層がアルミニウム酸化物の場合は、アルミニウム/シリ
カ酸化物結合(−Al−O−Si−)する。
【0024】光触媒層を薄膜層の上に積層するには、例
えば、無定型シリカの前駆体とアナターゼ型酸化チタン
粒子を分散・混合して、薄膜層の上にスプレーコーティ
ング法、ディップコーティング法、フォローコーティン
グ法、スピンコーティング法、ロールコーティング法、
グラビアコーティング法、リバースコーティング法、コ
ンマコーティング法、リップコーティング法、オフセッ
トグラビアコーティング法、ダイコーティング法等で塗
布後、硬化反応により、無定型シリカを生成すると共
に、アナターゼ型酸化チタン粒子を無定型シリカを結着
剤として固着させる。または、未反応の若しくは部分的
に硬化したシリコーン又はシリコーン前駆体からなる塗
料とアナターゼ型酸化チタンゾルとを混合し、シリコー
ンの前駆体を必要に応じて、加水分解させた後、混合物
を基材の表面に前述した、各種コーティング法で塗布
し、加熱等の方法でシリコーンの前駆体の加水分解物を
脱水縮重合に付して、アナターゼ型酸化チタン粒子とシ
リコーンからなる光触媒層を形成する。
【0025】光触媒層は、薄膜層との接着性を向上させ
るため、シランカップリング剤を含むことが望ましい。
光触媒層に含有させるシランカップリング剤としては、
けい素原子に直接、または酸素原子、または−OCO−
基を介して結合した炭化水素基を有し、これらの炭化水
素基の少なくとも一つが二重結合、ハロゲン原子、エポ
キシ基、酸無水物基、アルコキシカルボニル基、アミノ
基、アクロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミノ
基、メタクリルアミノ基またはハロアシルアミノ基を含
む化合物が挙げられる。このうち特にエポキシ基やアミ
ノ基を有する化合物が有効である。光触媒層は、光触媒
層の全量に対して0.1〜5重量%の範囲でシランカッ
プリング剤を含むことが望ましい。シランカップリング
剤の含有量が0.1重量%未満の場合は、充分な接着性
が得られず、5重量%を越える場合は、接着性の向上効
果が得られず、コスト面からも降りである。
【0026】更に、光触媒層にはAg,Cu,Zn等の
抗菌性金属を含有させても構わない。また、同様に光触
媒層には、光触媒層の酸化還元活性を増強するため、P
t,Pd,Ru,Rh,Ir,Os等の白金族金属を含
有させても構わない。光触媒層の厚みは、薄ければ薄い
ほど薄膜層との接着性が良好なため、0.4μm以下に
するのが好ましい。特に、0.2μm以下が望ましく、
概ね0.01μm以上である。更に、光触媒層の表面に
親水化可能な耐摩擦性又は耐食性の保護層や他の機能膜
を設けても良い。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例における試験方法は以下の通り
である。 耐候性試験:光触媒フィルムをサンシャインウエザーメ
ーターで500時間及び1000時間暴露後、光触媒面
について碁盤目テープ剥離試験を行った。
【0028】〔実施例1〕厚さ50μm のポリエチレン
テレフタレートフィルム(帝人社製 テトロンフィルム
HB)の片面に、特開平1−252786号公報に記
載された蒸発原料を連続的に供給排出する方式の連続巻
き取り式抵抗加熱方式の真空蒸着機を用い、けい素と二
酸化けい素の混合物(混合比50モル%:50モル%)
を原料として加熱真空蒸着した(薄膜層の厚みは約20
nm)。次いで、薄膜層の上に、光触媒コーティング液
(アナターゼ型酸化チタンゾル<日産化学社製 TA−
15 固形分15重量%>16重量部とシリカゾル<日
本合成ゴム社製 グラスカA液 固形分13重量%>9
重量%を混合し、エタノールで希釈後、更にトリメトキ
シシラン<日本合成ゴム社製 グラスカB液>3重量部
を添加したもの。)をダイコーティング法にて塗布後、
120℃で30分間熱処理して硬化させて光触媒層を積
層し、光触媒フィルムを得た。
【0029】〔実施例2〕厚さ50μm のポリエチレン
テレフタレートフィルム(帝人社製 テトロンフィルム
HB)の片面に、電子線加熱方式の連続巻き取り式真
空蒸着機を用い、けい素と二酸化けい素とフッ化マグネ
シウムの混合物(混合比46モル%:46モル%:8モ
ル%)を原料として加熱真空蒸着した(薄膜層の厚みは
約5nm)。次いで、薄膜層の上に、実施例1と同様に
して光触媒層を積層し、光触媒フィルムを得た。
【0030】〔実施例3〕厚さ50μm のポリエチレン
テレフタレートフィルム(帝人社製 テトロンフィルム
HB)の片面に、特開平1−252786号公報に記
載された蒸発原料を連続的に供給排出する方式の連続巻
き取り式抵抗加熱方式の真空蒸着機を用い、けい素と二
酸化けい素とフッ化マグネシウムとステアタイトの混合
物(混合比46モル%:46モル%:4モル%:4モル
%)を原料として加熱真空蒸着し(薄膜層の厚みは約1
00nm)た。次いで、薄膜層の上に、実施例1と同様
にして光触媒層を積層し、光触媒フィルムを得た。
【0031】〔実施例4〕厚さ50μm のポリエチレン
テレフタレートフィルム(帝人社製 テトロンフィルム
HB)の片面に、特開平1−252786号公報に記
載された蒸発原料を連続的に供給排出する方式の連続巻
き取り式抵抗加熱方式の真空蒸着機を用い、けい素と二
酸化けい素と酸化マグネシウムの混合物(混合比46モ
ル%:46モル%:8モル%)を原料として加熱真空蒸
着した(薄膜層の厚みは約5nm)。次いで、薄膜層の
上に、実施例1で作成した光触媒コーティング液100
重量部にシランカップリング剤(γ−グリシジルプロピ
ルトリメトキシシラン、信越シリコーン社製 KBM4
03)3重量部を添加した光触媒コーティング液を用い
て、実施例1と同様にして光触媒層を積層し、光触媒フ
ィルムを得た。
【0032】〔実施例5〕厚さ50μm のポリエチレン
テレフタレートフィルム(帝人社製 テトロンフィルム
HB)の片面に、実施例2で用いた電子線加熱方式の
連続巻き取り式真空蒸着機を用い、酸素を導入しながら
アルミニウムを原料として加熱真空蒸着した(薄膜層の
厚みは約5nm)。次いで、薄膜層の上に、実施例1と
同様にして光触媒層を積層し、光触媒フィルムを得た。
【0033】〔実施例6〕厚さ50μm のポリエチレン
テレフタレートフィルム(帝人社製 テトロンフィルム
HB)の片面に、反応性スパッタリング方式のスパッ
タリング機を用い、金属シリコンと金属チタンをターゲ
ット(モル比は95:5)として、酸素を導入しながら
(スパッタリング機内を5×10-4torrにする)スパッ
タリングした(薄膜層の厚みは約5nm)。薄膜層をE
SCAで組成分析したところ、酸化チタンが3モル%含
まれていた。次いで、薄膜層の上に、実施例1と同様に
して光触媒層を積層し、光触媒フィルムを得た。
【0034】〔比較例1〕実施例1で用いたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに、プライマー塗料(信越シ
リコーン社製、PC−7A)をフローコーティング法に
て塗布後、120℃で20分間乾燥させて、フィルムを
プライマー樹脂層で被覆した。次に、プライマー樹脂層
で被覆したプラスチックフィルムに、シリコーン系ハー
ドコーティング剤(信越シリコーン社製、KP−85)
をフローコーティング法にて塗布後、120℃で60分
間乾燥させて、ハードコート層を形成し、そのハードコ
ート層をコロナ処理した。次に、ハードコート層の上
に、実施例1と同様にして光触媒層を積層し、光触媒フ
ィルムを得た。
【0035】〔比較例2〕実施例1で用いたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに、特開平1−252786
号公報に記載された蒸発原料を連続的に供給排出する方
式の連続巻き取り式抵抗加熱方式の真空蒸着機を用い、
金属アルミニウムを原料として加熱真空蒸着した(薄膜
層の厚みは約20nm)。次いで、薄膜層の上に、実施
例1と同様にして光触媒層を積層し、光触媒フィルムを
得た。
【0036】実施例および比較例で得られた光触媒フィ
ルムについて、耐候性試験を行った。結果を表1に示
す。
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチックフィルム
と光触媒層の間に、けい素酸化物及びまたはアルミニウ
ム酸化物からなる薄膜層、またはけい素酸化物及びまた
はアルミニウム酸化物と特定の化合物とからなる薄膜層
を形成することにより、光触媒フィルムにおける光触媒
層の接着性を向上させることができる。つまり、従来に
比べて光触媒フィルムの構成を簡略化することができ、
さらに製造工程を圧倒的に短縮できるようになったこと
で、安価な光触媒フィルムを市場に出せるようになっ
た。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F006 AA35 AB67 AB73 AB74 AB76 DA01 DA04 4F100 AA05B AA06B AA18B AA19B AA20B AA21B AB11 AK01A AK42 AK52C AS00C AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C EH46 EH66 EJ59 EJ59B JA20B JB20 JK06 JL02 JL08C JM02B JN30C YY00B 4G069 AA01 AA08 BA01A BA02A BA02B BA04A BA04B BA06A BA06B BA37 BA48A BB06A BB08A BC09A BC10A BC10B BC12A BC13A BD15A BD15B BE32A EA08 EB15X ED02 EE08 FB02 FB23 FB30 FC05 4K029 AA11 BA41 BA42 BA43 BA44 BA46 BA48 BA50 BB02 BD00 CA01 KA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム上に、けい素酸化物
    及びまたはアルミニウム酸化物からなる薄膜層、及び光
    触媒層を順次積層してなる光触媒フィルム。
  2. 【請求項2】プラスチックフィルム上に、けい素酸化物
    及びまたはアルミニウム酸化物と、金属フッ化物,マグ
    ネシウム酸化物類,及びチタン酸化物から選ばれる一種
    または二種以上の化合物とからなる薄膜層、及び光触媒
    層を順次積層してなる光触媒フィルム。
  3. 【請求項3】薄膜層を構成する金属フッ化物が、フッ化
    マグネシウム,フッ化カルシウム,フッ化ストロンチウ
    ム及びフッ化バリウムから選ばれる一種または二種以上
    である請求項2記載の光触媒フィルム。
  4. 【請求項4】薄膜層を構成するマグネシウム酸化物類
    が、酸化マグネシウム,酸化マグネシウムと二酸化けい
    素との共酸化物及び酸化マグネシウムと金属フッ化物と
    の複合化合物から選ばれる一種または二種以上である請
    求項2記載の光触媒フィルム。
  5. 【請求項5】光触媒層がシランカップリング剤を含む請
    求項1ないし4いずれか1項に記載の光触媒フィルム。
  6. 【請求項6】薄膜層の膜厚が5nm〜30nmの範囲で
    ある請求項1ないし5いずれか1項に記載の光触媒フィ
    ルム。
  7. 【請求項7】薄膜層を真空薄膜形成技術により形成する
    請求項1ないし6いずれか1項に記載の光触媒フィル
    ム。
JP11029515A 1999-02-08 1999-02-08 光触媒フィルム Pending JP2000225663A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11029515A JP2000225663A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 光触媒フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11029515A JP2000225663A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 光触媒フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000225663A true JP2000225663A (ja) 2000-08-15

Family

ID=12278246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11029515A Pending JP2000225663A (ja) 1999-02-08 1999-02-08 光触媒フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000225663A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160096166A (ko) 2014-03-13 2016-08-12 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 항균성 부재
CN110295355A (zh) * 2019-08-12 2019-10-01 肇庆市华师大光电产业研究院 一种实现连续光解水的钨酸亚锡薄膜的制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160096166A (ko) 2014-03-13 2016-08-12 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 항균성 부재
CN110295355A (zh) * 2019-08-12 2019-10-01 肇庆市华师大光电产业研究院 一种实现连续光解水的钨酸亚锡薄膜的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3926117B2 (ja) ハードコートフィルム
JP3385850B2 (ja) 親水性を備えた複合材
CA2458725A1 (en) Self-cleaning uv reflective coating
JP4542990B2 (ja) 光触媒体
WO2002100634A1 (fr) Element antibuee et procede de fabrication associe
US7488524B2 (en) High-durability photocatalyst film and structure having photocatalytic functions on surface
WO2002100633A1 (en) Antifogging element and method for forming the same
JPH07507829A (ja) 耐磨耗性被覆組成物および耐磨耗性エネルギー制御シート
JP2002346393A (ja) 光触媒体およびその製造方法
JP4014284B2 (ja) ハードコートフィルム
JP2000225663A (ja) 光触媒フィルム
JP3027739B2 (ja) 光触媒体およびその製造方法
JP2004309931A (ja) 表示素子用基材、その製造方法、表示パネル、表示装置、及び表示素子基材用アンカー組成物
JPH1110781A (ja) ケイ酸塩含有シート
JP2002316380A (ja) 光触媒転写体並びに光触媒付き基材及びその製造方法
JP4108405B2 (ja) 光触媒積層体
JPH10278168A (ja) 光触媒フィルム及びその製造方法
JP2007187795A (ja) 反射シート及び反射板
JP2003010696A (ja) 光触媒体およびその製造方法
JP2003320614A (ja) 加工性,塗膜密着性,光触媒活性に優れたプレコート金属板
JPH11188272A (ja) 光触媒体およびその製造方法
JP4118060B2 (ja) 光触媒フィルム
JPH0753241A (ja) 紫外線透過防止ガラス及びその製造方法
JP5097682B2 (ja) 光触媒膜およびそれを有する物品
JP2013154282A (ja) 光触媒体およびその製造方法