JP3847629B2 - 光学装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学装置、詳しくはカメラ等に適用される光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複数の光学素子(レンズ群)等を有する撮影光学系に入射する被写体からの光束(以下、被写体光束という)に基づいて形成される被写体像を所定の位置に配置した被写体像取得手段、例えば写真撮影用フイルムもしくは電荷結合素子(CCD;Charge Coupled Device)等の撮像素子等の受光面上に結像させることで、所望の被写体像を取得し、これを所定の形態で記録し得るように構成された、いわゆるフイルムカメラもしくは電子スチルカメラ・ビデオカメラ等の電子カメラについては、一般的に実用化され広く普及している。
【0003】
このような従来のフイルムカメラや電子カメラ(以下、両者をカメラと総称する)においては、被写体像を所定の位置に結像させるために光学素子(複数のレンズ)等の撮影光学系からなる光学装置(以下、レンズユニットという)を備えて構成されているのが普通である。
【0004】
また、一般的なカメラの主な使用方法としては、使用者によって野外等に持ち出されて使用されるのが普通である。このことから、カメラの携帯性については、従来より重要視されている点であり、カメラ自体のより一層の薄型化及び小型化が要望されている。
【0005】
近年においては、特に電子的静止画像データを取得するのを主な目的として構成される電子カメラが急速に普及しているが、このような電子カメラでは、レンズユニットの一部を構成する部材であって、変倍動作や焦点調節動作等のために撮影光学系を構成する一部の光学素子(以下、レンズ群という)等を所定の方向へ移動させるための駆動機構やアクチュエータ及びこれを制御する電気回路等を実装した回路基板等の各種構成部材を備えてなるのが普通である。
【0006】
したがって、カメラ自体を小型化するためには、カメラの内部に配設するべき各種の構成部材を当該カメラ内部において適切に配設すると共に、各構成部材自体の小型化についても考慮する必要が生じている。
【0007】
一方、従来のカメラにおけるレンズユニットとしては、例えば複数のレンズ群を介してカメラの内部に向けて入射する被写体光束を、撮像素子等の受光面上に導くために、その光路中に反射鏡やプリズム等の所定の反射手段を配置して、被写体光束の光路を所定の方向、例えば入射光軸に対して略直角方向へと折り曲げるように構成されたもの等、様々な形態のものが一般的に知られている。
【0008】
そして、上述したようないわゆる折り曲げ光学系を適用したレンズユニットについては、例えば特開2001−75162号公報等によって、種々の提案がなされている。
【0009】
上記特開2001−75162号公報等によって開示されているレンズユニットは、被写体光束が透過する撮影光学系の光路中に被写体光束の光軸を略直角方向に折り曲げる反射手段を配置することで、画像を取得するのに必要となる光路長を確保しながら電子カメラ自体の小型化を実現している。
【0010】
このように、電子カメラの撮影光学系の光路中に反射手段等を配置したいわゆる折り曲げ光学系を採用することは、電子カメラ自体の小型化を実現する上で非常に有利な手段であるといえる。
【0011】
他方、従来におけるカメラにおいては、撮影光学系を構成する複数のレンズ群のうち変倍動作や焦点調節動作に寄与するレンズ群のそれぞれを各別に駆動するためのアクチュエータとして小型のステッピングモータやDCモータ等(以下、単に小型モータという)が広く利用されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、変倍動作や焦点調節動作に寄与するレンズ群を駆動するのに際して、小型モータ等の一般的なアクチュエータを利用した場合には、当該小型モータの回転駆動力を伝達するための駆動力伝達機構が複雑化してしまうという問題点がある。
【0013】
即ち、変倍動作や焦点調節動作を行なうためには、所定のレンズ群のそれぞれを撮影光学系の光軸に沿う方向に直線的に移動させる必要があるが、小型モータの駆動力は、回転方向に働くのが普通である。したがって、駆動源である小型モータから被駆動部材となる変倍用レンズ群又は焦点調節用レンズ群へと駆動力を伝達すると共に、駆動力の駆動方向を変換する駆動力変換機構や駆動力伝達機構等が必要となる。
【0014】
この場合において、駆動力伝達機構等は、例えば歯車等によって構成されるのが普通であるが、駆動力を確実に損失無く被駆動部材へと伝達させるためには、歯車等の構成部材は、機械的に精密に製造される必要がある。
【0015】
しかし、より小型化を要求されているカメラにおいて、駆動力伝達機構等を構成する歯車等の構成部材を精密にかつ安価に量産することは、困難が伴うという問題点がある。したがって、より小型の駆動力伝達機構等を構成するためには、より高度な精密加工技術が必要となり、よって製造コストが上昇してしまう傾向にある。
【0016】
また、駆動力伝達機構等を歯車等によって構成した場合、駆動力を機械的に伝達することになるために、駆動力の伝達過程において駆動力の損失を伴うことは免れない。その上に、駆動音の発生を完全に抑えることは、不可能であるという問題点がある。
【0017】
さらに、一般的なカメラにおいては、その駆動電源として、電力容量の小さな乾電池やリチウム電池等の二次電池を利用するのが一般的である。このことから、カメラの内部に設けられる電気的な構成部材については、その消費電力の省電化が要求されている。
【0018】
しかし、従来のカメラの駆動源として一般的に用いられる小型モータ等は、これを駆動させるために必要となる電力が大きいという問題点がある。例えば、カメラにおいて用いられる一般的な小型モータの場合、3V/300mA(およそ1W)の電力が必要とされている。
【0019】
そこで、従来のカメラでは、カメラの制御系を工夫して、小型モータの駆動時間を少なくする等によって、消費電力の消耗を防ぐようにしているのが普通である。この場合において、例えば焦点調節動作(AF動作)は、撮影時において必要な時期にしか行なわないような制御としたり、焦点調節動作と変倍動作とが同時に実行されることのないように制御する等の工夫がなされている。したがって、このような制御を行なうと一連の撮影動作に必要となる作動時間が長くなってしまう傾向にある。そのために、カメラの使用者がシャッターレリースボタンを操作した時点と、実際にシャッターが駆動されて露出動作が実行される時点との間に時差(タイムラグ)が長くなってしまう等の問題が生ずる傾向がある。
【0020】
このように、カメラにおける駆動源(アクチュエータ)として従来の小型モータ等を利用した場合において、カメラの小型化及び省電力化を実現するためには限界があると言える。
【0021】
ところで、近年においては、超小型精密機器等に用いられる駆動源(アクチュエータ)として、上述の小型モータとは異なる駆動方式のアクチュエータについて種々のものが開発されつつある。
【0022】
例えば、「平成12年度 マイクロマシン技術の研究開発(発電施設用高機能メンテナンス技術開発)委託研究成果報告書」(財団邦人マイクロマシンセンター.平成13年3月刊)には、電歪アクチュエータについての記述が見られる。
【0023】
図17は、上述の文献に記載の電歪アクチュエータの概略的な構成を示す図である。
【0024】
図17に示すように、この電歪アクチュエータ100は、薄膜状に形成される重合体であるポリマー材(polymer)101と、このポリマー材101の表面に一体的に形成される導電性の部材からなる電極層102・103とによって構成されるものである。
【0025】
ここで、ポリマー材101は、例えばシリコーンゴム(silicone elastomer)・アクリルゴム(acrylic elastomer)・ポリウレタン(polyurethane)等、外力を受けると容易に変形可能で柔軟な材質の部材によって形成されているものである。
【0026】
なお、エラストマー(elastomer)とは、エラスティックポリマー材(elastic polymer)の略であって、常温付近においてゴム状弾性を示す高分子材料、即ち伸び率が100%以上の弾性体からなり、外力を与えると容易に変化するが、この外力を除去すると直ちに原形に回復するような性質を備え、弾性の顕著な高分子物質の総称である。
【0027】
また、電極層102・103は、例えばカーボン含有グリース等の材質からなり、ポリマー材101に一体に形成された場合には、当該ポリマー材101の変形方向と同方向に変形可能に形成されてなるものである。
【0028】
このように構成される電歪アクチュエータ100において、一方の電極層102に対してプラス(+)の電圧を、他方の電極層103に対してマイナス(−)の電圧をそれぞれかけると、両電極層102・103には互いに引き合う方向(図17の矢印X方向)への力量が働くことになる。これによって、ポリマー材101は、押し潰されるように変形するようになっている。
【0029】
この場合において、ポリマー材101自体は、上述したように柔軟な材質の部材からなるものであるので、当該ポリマー材101は、自身の体積を保持するために、図17に示す矢印Y方向、即ち当該ポリマー材101の平面方向に沿う方向(水平方向)に向けて伸長するようになっている。
【0030】
さらに、両電極層102・103への給電を停止すると、ポリマー材101に働く矢印X方向への力量が除去されることになるので、当該ポリマー材101は、元の形態に復帰するようになっている。なお、このような性質を電歪効果といい、電歪アクチュエータは、この電歪効果を利用して駆動力を生ぜしめるようにしたものである。
【0031】
図18は、電歪アクチュエータに電圧を印加した場合における電圧と歪み量との関係を示す図である。この図18に示すように、電歪アクチュエータの歪み量(ΔL/L0(%))は、与えた電圧E(V)に対して非線形で変位するようになっているが、原形に復元する際には、ヒステリシスを生じないような性質を有している。なお、ここで、ΔLは、電歪アクチュエータの伸び量を示し、L0は、電圧を印加していない状態における電歪アクチュエータの変形(伸長)方向の長さを示している。
【0032】
このような電歪アクチュエータ100は、自身が変形することによって駆動力を生じさせることができるようになっていることから、複雑な駆動力伝達機構等を必要とせず、従来の小型モータ等のアクチュエータに比較して、非常に小型でかつ単純な構成で所望の駆動力を得ることができるというものである。また、歯車等の駆動力伝達機構を必要としないことから、省電力化及び静音化を実現することができるというものである。
【0033】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、従来のカメラ等において一般的に利用されている小型モータ等のアクチュエータに代えて、電歪効果を利用する電歪アクチュエータによって、駆動力伝達機構等を簡略化し、装置の小型化に寄与し得ると共に、省電力化にも寄与することのできる光学装置を提供することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明による光学装置は、光学素子と、上記光学素子を特定の方向に案内する軸部材を有する案内手段と、表裏に形成された電極への電圧印加により、予め伸長処理された方向と直交する方向に伸長する性質を有するポリマー材からなり電歪効果を利用して上記光学素子を駆動するための駆動手段と、を備え、上記駆動手段は、上記電圧印加による電界が上記軸部材の径方向に一致し、かつ電圧印加により軸部材の軸方向に伸縮するよう、上記軸部材の外周に巻きつけて配置されることを特徴とする。
【0035】
したがって、第1の発明による光学装置は、主としてポリマー材からなり電歪効果を利用して光学素子を駆動するための駆動手段を用いたことにより少ない電力で駆動することができる。また、この駆動方式の駆動手段は、機械的な駆動力伝達機構を簡略化することができるので静音化に寄与することができると共に、小型化に寄与することができる。
【0036】
また、第2の発明は、上記第1の発明による光学装置において、上記駆動手段は、円筒状の形態で上記軸部材の外周を囲み、円筒状の一方の端面が上記光学素子を押圧して駆動することを特徴とする。
【0037】
また、第3の発明は、上記第2の発明による光学装置において、上記駆動手段は、上記電極への非通電時には、上記円筒状の一方の端面が上記光学素子に対して隙間を供えることを特徴とする。
【0038】
また、第4の発明は、上記第3の発明による光学装置において、上記駆動手段の電極への非通電時に、上記光学素子が上記案内手段の一部に当接して、上記駆動手段の一方の端面に対して隙間を空けることを特徴とする。
【0039】
また、第5の発明は、上記第1の発明による光学装置において、上記駆動手段は、薄膜状のポリマー材が積層されてなるものであることを特徴とする。
【0040】
第6の発明は、上記第2の発明〜上記第5の発明のいずれか一つによる光学装置において、上記ポリマー材は、シリコーンゴム又はアクリルゴム又はポリウレタンのいずれかであることを特徴とする。
【0041】
第7の発明は、上記第3の発明又は上記第4の発明のいずれかによる光学装置において、上記電極層に電圧を印加して上記光学素子を駆動させる駆動制御手段を備えてなることを特徴とする。
【0042】
第8の発明は、上記第1の発明〜上記第7の発明のいずれか一つによる光学装置において、上記光学素子は、レンズからなり、上記駆動手段は、上記レンズを当該レンズの光軸に沿う方向へと移動させ得るように構成されていることを特徴とする。
【0043】
第9の発明は、上記第8の発明による光学装置において、上記レンズは、少なくとも変倍動作又は焦点調節動作のいずれか一方の用途に供されるものであることを特徴とする。
【0044】
したがって、第9の発明による光学装置は、変倍動作又は焦点調節動作を少ない電力によって実行することができ、装置の省電力化に寄与することができる。
【0045】
第10の発明は、上記第8の発明による光学装置において、上記レンズ以外の他のレンズを駆動すべく、上記駆動手段とは異なる駆動方式からなる第2の駆動手段を、さらに具備することを特徴とする。
【0046】
したがって、第10の発明による光学装置は、大きな移動量を必要とするレンズに対応するために、異なる駆動方式からなる第2の駆動手段を利用するように構成したので、駆動に適した方式の駆動手段を複数組み合わせて使用することで、より広い用途に対応することができる。
【0047】
第11の発明は、上記第1〜第7の発明のいずれか一つによる光学装置において、上記案内手段は、上記光学素子の移動方向に対して平行となるように設けられ、上記駆動手段は、上記案内手段に沿わせて配設されていることを特徴とする。
【0048】
したがって、第11の発明による光学装置は、
案内手段の同軸上に駆動手段を配設することができるので、光学装置自体の小型化に寄与することができる。
【0049】
第12の発明は、上記第11の発明による光学装置において、上記駆動手段は、上記光学素子を当該光学素子の上記案内手段との嵌合部近傍を押圧することで、当該光学素子を駆動するようになされていることを特徴とする。
【0050】
したがって、第12の発明による光学装置は、駆動手段と被駆動部材との間に駆動力変換手段や駆動力伝達手段を設ける必要がないので、伝達する駆動力の損失や機械的な誤差等を抑えることができ、よって安定した駆動力の伝達を行なうことができ、さらに駆動精度の向上に寄与することができる。
【0051】
第13の発明は、上記第12の発明による光学装置において、上記駆動手段による上記光学素子の駆動方向とは反対の方向に向けて当該光学素子を付勢する付勢手段を具備したことを特徴とする。
【0052】
したがって、第13の発明による光学装置は、付勢手段を備えたことで、被駆動部材を常に安定した状態で位置決めすることができる。
【0053】
第14の発明は、上記第13の発明による光学装置において、上記案内手段は、直線状に形成される軸部材からなり、上記付勢手段は、上記軸部材を巻回するように形成される弦巻き状のばね部材であることを特徴とする。
【0054】
したがって、第14の発明による光学装置は、付勢部材を単純な形態のばね部材によって形成することができ、よって製造コストの低減化に寄与することができる。
【0055】
第15の発明は、上記第11の発明又は上記第12の発明又は上記第13の発明のいずれかによる光学装置において、上記案内手段は、直線状に形成される軸部材からなり、上記駆動手段は、上記軸部材の外周側に巻き付けた形態に設けられ、当該駆動手段の一方の端部は固定部に当接し、他方の端部は上記光学素子を押圧し得る位置に配置されていることを特徴とする。
【0056】
第16の発明は、上記第15の発明による光学装置において、上記駆動手段は、上記軸部材に嵌合し得る円筒形状からなることを特徴とする。
【0057】
第17の発明は、上記第11〜第16の発明のいずれか一つによる光学装置において、上記光学素子は、レンズからなり、上記駆動手段は、上記レンズを当該レンズの光軸に沿う方向へと移動させ得るように構成されていることを特徴とする。
【0058】
第18の発明は、上記第17の発明による光学装置において、上記レンズは、少なくとも変倍動作又は焦点調節動作のいずれか一方の用途に供されるものであることを特徴とする。
【0059】
したがって、第18の発明による光学装置は、上述の第9の発明と同様に変倍動作又は焦点調節動作を少ない電力によって実行することができ、装置の省電力化に寄与することができる。
【0060】
第19の発明は、上記第1〜第17の発明のいずれか一つによる光学装置において、上記案内手段は、複数の光学素子のそれぞれを各別に移動自在となるよう案内し、上記駆動手段は、上記複数の光学素子のそれぞれに応じて各別に複数設けられ、かつそれぞれ上記案内部材に沿わせて配設されていることを特徴とする。
【0061】
したがって、第19の発明による光学装置は、光軸に沿う方向に並べて配置される複数の光学素子のそれぞれを各別に移動自在となるように光学素子を案内部材に嵌合させ、この案内部材に沿うように複数の光学素子のそれぞれに応じた駆動手段を各別に配設したので、光学装置自体の小型化に寄与することができる。
【0062】
第20の発明は、上記第19の発明による光学装置において、上記駆動手段は、それぞれ対応する上記光学素子の上記案内手段との嵌合部近傍を押圧することで上記光学素子を駆動することを特徴とする。
【0063】
したがって、第20の発明による光学装置は、駆動手段と被駆動部材との間に駆動力変換手段や駆動力伝達手段を設ける必要がないので、伝達する駆動力の損失や機械的な誤差等を抑えることができ、よって安定した駆動力の伝達を行なうことができ、さらに駆動精度の向上に寄与することができる。
【0064】
第21の発明は、上記第19の発明又は上記第20の発明又は上記第13の発明のいずれかによる光学装置において、上記複数の光学素子をそれぞれの駆動方向に抗する方向に付勢する付勢手段を具備したことを特徴とする。
【0065】
したがって、第21の発明による光学装置は、上述の第13の発明と同様に付勢手段を備えたことで、被駆動部材を常に安定した状態で位置決めすることができる。
【0066】
第22の発明は、上記第19の発明による光学装置において、上記案内手段は、直線状に形成される軸部材からなり、上記付勢手段は、上記軸部材に巻回される弦巻状のばね部材からなり、上記複数の光学素子によって挟まれる位置に配置されていることを特徴とする。
【0067】
したがって、第22の発明による光学装置は、上述の第14の発明と同様に付勢部材を単純な形態のばね部材によって形成することができ、よって製造コストの低減化に寄与することができる。
【0068】
第23の発明は、上記第19の発明による光学装置において、上記複数の駆動手段は、上記複数の光学素子を挟むようにして配置されていることを特徴とする。
【0069】
第24の発明は、上記第19〜第23の発明のいずれか一つによる光学装置において、上記案内手段は、直線状に形成される軸部材からなり、上記駆動手段は、上記軸部材の外周側に巻き付けた形態に設けられ、当該駆動手段の一方の端部は固定部に当接し、他方の端部は上記光学素子を押圧し得る位置に配置されていることを特徴とする。
【0070】
第25の発明は、上記第24の発明による光学装置において、上記駆動手段は、上記軸部材に嵌合し得る円筒形状からなることを特徴とする。
【0071】
第26の発明は、上記第17の発明による光学装置において、上記レンズは、少なくとも変倍動作又は焦点調節動作のいずれか一方の用途に供されるものであり、上記駆動手段は、上記複数のレンズを当該レンズの光軸に沿う方向へと移動させ得るように構成されていることを特徴とする。
【0072】
したがって、第26の発明による光学装置は、上述の第9の発明又は上記第18の発明と同様に変倍動作又は焦点調節動作を少ない電力によって実行することができ、装置の省電力化に寄与することができる。
【0073】
第27の発明は、上記第1〜第26の発明のいずれか一つによる光学装置において、カメラの撮影光学系に供されるものであることを特徴とする。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
本発明の光学装置は、写真撮影用フイルムを用いて写真撮影を行なういわゆるフイルムカメラや、電荷結合素子(CCD)等の撮像素子を用いて電子的な静止画像又は動画像を取得し、これをデジタルデータ等の形態で記録媒体に記録するように構成される電子スチルカメラやビデオカメラ等の電子カメラ等に適用することができるものである。以下の説明においては、主に静止画像の取得及び記録を行ない得る電子スチルカメラ(以下、単に電子カメラという)に対して本発明の光学装置を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0075】
図1〜図7は、本発明の第1の実施形態を示す図であって、このうち、図1は、本実施形態の光学装置を適用した電子カメラの外観斜視図である。図2は、本電子カメラの主な内部構成部材を概略的に示す透視図である。図3は、本電子カメラの主に電気的な内部構成部材を概略的に示すブロック構成図である。図4は、本実施形態の光学装置(レンズユニット)を取り出して示す斜視図である。図5は、図4の光学装置(レンズユニット)の一部の構成部材(案内手段(主ガイド軸)及び駆動手段(アクチュエータ)等)を取り出して拡大して示す要部拡大分解斜視図である。図6は、図4の光学装置(レンズユニット)の所定の部位(案内手段及び駆動手段の部位)の断面を示す縦断面図である。図7は、図4の光学装置(レンズユニット)の所定の部位の断面、即ち図6のA−A線に沿う縦断面図である。
【0076】
まず、本実施形態の光学装置が適用される電子カメラについて、図1・図2を用いて説明する。
図1・図2に示すように、本実施形態の光学装置が適用される電子カメラ1は、各種の構成部材を内部に備え、奥行方向の寸法が比較的小さくなるように形成される外装部材11によってその筐体が構成されている。この外装部材11の上面には、露出動作の実行を指示する操作部材であるレリーズボタン12等、各種の操作部材が複数配設されている。なお、図1・図2においては、レリーズボタン12以外の操作部材の図示は省略している。
【0077】
また、外装部材11の前面には、閃光発光装置の一部を構成するストロボ光照射窓13が上縁部近傍の所定の位置に配設されている(図2には図示せず)。そして、このストロボ光照射窓13に隣接する所定の位置には、対物光学系窓である撮影レンズ窓14が設けられている。この撮影レンズ窓14は、撮影光学系等によって構成される光学装置である撮影レンズユニット(図2参照;以下、単にレンズユニットという)2の一部、即ち対物光学系の前面を保護する等の目的を備えると共に、被写体光束を当該電子カメラ1の外装部材11の内部に導き得る開口部の役目をしている。
【0078】
本電子カメラ1の内部には、図2に示すように略中央部の所定の位置に、複数の回路基板15が当該電子カメラ1の奥行方向に沿って積層するように配設されている。
【0079】
この回路基板15には、レリーズボタン12等、外装部材11の外表面上に配設される各種の操作部材に連動し、対応する所定の指示信号を発生させる各種の操作スイッチ(図示せず)等が実装されている。これにより、レリーズボタン12等の操作部材が操作されると、その操作に応じて所定の指示信号が発生するようになっている。
【0080】
また、回路基板15には、レンズユニット2に設けられ撮像素子28c(図2では図示せず。図3参照)等が実装される撮像基板28等が所定の手段(図2では図示せず。図4のコネクタ部28a及びフレキシブルプリント基板28b等を参照)によって電気的に接続されている。
【0081】
本電子カメラ1の内部であって、一端部近傍の所定の位置、即ち上述の回路基板15の両端部に形成される空間のうち一方の端部の空間には、当該電子カメラ1の主電源となる電池16が配置されている。この電池16と回路基板15とは、所定の電源接続線(特に図示せず)によって電気的に接続されている。これによって、電池16の電力は、所定の電源回路等を介して回路基板15へと供給されるようになっている。
【0082】
また、本電子カメラ1の内部空間における他方の端部には、本実施形態の光学装置、即ちレンズユニット2が固設されている。
【0083】
次に、本電子カメラ1における電気的な内部構成部材のうち主要なものについての概略構成を図3によって、以下に説明する。
本電子カメラ1は、被写体からの光束(以下、被写体光束という)の進行方向を変換する光学素子である反射部材21aや変倍動作に寄与する光学素子である変倍用レンズ群22a及び焦点調節動作に寄与する光学素子である焦点調節用レンズ群23a等、複数の光学素子等によって構成される撮影光学系20と、撮像基板28(図2参照)に実装され、撮影光学系20を透過した被写体光束により形成される被写体像を受けて光電変換を行なう電荷結合素子(CCD)等の撮像素子28cと、この撮像素子28cからの出力信号を受けてCDS(相関二重サンプリング;Correlated Double Sampling)信号処理やAGC(Auto GainControl)信号処理・AD(Analog−Digital)信号変換処理等、各種の信号処理を施して所定の形態の画像データを生成する撮像回路28dと、この撮像回路28dによって生成された画像データを一時的に保存する記録部であるDRAM(Dynamic Random Access Memory)41と、本電子カメラ1の動作制御を行なうためのプログラムを格納した記録媒体であるフラッシュメモリ(flash memory)43と、画像データの外部記録媒体であり、当該電子カメラ1に対して着脱自在に設けられ、取得した画像データを保存するための記録媒体44(例えば半導体メモリや磁気記録媒体・光記録媒体等)と、画像データの圧縮伸長処理や記録媒体44との間で画像データの読み出し及び書き込み等を行なう画像処理回路42と、画像データを表示するのに最適な形態の表示用データに変換すると共に、この表示用データに基づいく画像を表示する液晶表示(LCD;Liquid Crystal Display)装置等の表示装置45と、本電子カメラ1の外装部材11の外表面上に配設される各種の操作部材(レリーズボタン12(図1・図2参照)やズームレバー・各種モード切換ダイヤル等)を含み、これに連動して所定の指示信号を発生させる各種の操作スイッチ等からなる操作部46と、DC−DCコンバータ・電源回路等を含み電池16から給電される電力を受けてこれを制御し各電気部材へと配電する電源部47と、主電源であり乾電池やリチウム電池等の二次電池等からなる電池16と、焦点調節動作に寄与するAF(Auto Foucus)回路31aを含み
本電子カメラ1の全体の電気的な制御を統括的に行なう制御回路(CPU(Central Processing Unit);中央演算回路:以下、単にCPUという)31と、焦点調節用レンズ群23aを駆動する焦点調節用アクチュエータ36と、CPU31からの指令を受けて焦点調節用アクチュエータ36の駆動制御を行なって焦点調節動作に寄与する駆動制御手段である第1ドライバ35と、焦点調節用レンズ群23aの基準位置を検出する検出部材である位置基準用センサ37と、変倍用レンズ群22aを駆動する変倍用アクチュエータ33と、CPU31からの指令を受けて変倍用アクチュエータ33の駆動制御を行なって変倍動作に寄与する駆動制御手段である第2ドライバ32と、変倍用レンズ群22aの変位を検出する検出部材であるエンコーダ34等によって構成されている。
【0084】
なお、上述の画像処理回路42によって行なわれる圧縮伸張処理とは、撮像回路28dによって生成された画像データを記録媒体44の所定の記録領域に記録するのに最適な形態の圧縮データに変換し書き込む(記録する)圧縮処理と、記録媒体44において圧縮された形態で記録されている画像データを読み出して所定の形態の画像データとなるように変換する伸張処理等の信号処理である。
【0085】
次に、本電子カメラに適用される本実施形態のレンズユニットの構成について図4〜図7を用いて、以下に詳述する。
上述したように本電子カメラ1の内部には、レンズユニット2が所定の位置に配設されている。このレンズユニット2は、図4に示すように撮影(被写体像の形成)に寄与する光学素子である複数のレンズ群(22a・23a・24a)と、これらの光学素子(レンズ群)をそれぞれ保持する複数の枠部材(22・23・24)と、これらの枠部材のうちの一部を所定の方向(光軸O2に沿う方向)へと移動させるためのレンズ枠駆動部材としてのアクチュエータ(33・36)と、当該レンズユニット2の内部へと入射する被写体光束の光路を折り曲げて、所定の位置に配置される撮像素子28c(図4では図示せず。図3参照)の受光面の側へと導く光学素子である反射部材21a等によって構成される。
【0086】
なお、ここで反射部材21aにおける光束の入射側(被写体側)の光軸は、図3に示すように符号O1で示し、この符号O1で示される光軸を第1の光軸というものとする。また、この第1の光軸O1に対して直交する光軸は、図3に示すように符号O2で示し、この符号O2で示される光軸を第2の光軸というものとする。この第2の光軸O2は、上述の変倍用レンズ群22a・焦点調節用レンズ群23a・固定レンズ群24aの略中心を透過して撮像基板28上の撮像素子28c(図3参照)の受光面へと至る光束の中心軸を示している。
【0087】
レンズユニット2の具体的な構成は、次に示す通りである。即ち、レンズユニット2を構成する各種の構成部材は、レンズユニット基台(以下、単に基台という)25の上面の所定の位置にそれぞれ配設されている。
【0088】
レンズユニット2の撮影光学系20(図3参照)は、折り曲げ光学系を構成している。この撮影光学系20は、光学ガラス等からなるプリズムや反射鏡等の反射部材21aと、所定の指示信号に基づいて光軸O2に沿う方向に移動することで変倍動作に寄与する変倍用レンズ群22aと、焦点調節動作を行なうと共に、変倍動作に伴って生じる焦点調節状態のずれ等を補正する焦点調節用レンズ群23aと、被写体像を撮像素子28c(図4では図示せず。図3参照)の受光面上に結像させる固定レンズ群24aとの複数の光学素子(レンズ群)等によって構成されている。
【0089】
そして、これらの光学素子(レンズ群)等は、最も被写体寄りの位置から反射部材21a・変倍用レンズ群22a・焦点調節用レンズ群23a・固定レンズ群24aの順に並べて配置されていて、固定レンズ群24aの後方の所定位置であって光軸O2と直交する位置に撮像素子28c(図3参照)を実装した撮像基板28が配設されている。
【0090】
撮像基板28の実装面上の所定の位置には、コネクタ部28aが実装されており、このコネクタ部28aに接続されるフレキシブルプリント基板28b等を介して撮像基板28は、画像信号処理回路等を実装した回路基板15の一部と電気的に接続されている。
【0091】
反射部材21aは、反射部材支持枠21bによって保持されており、この反射部材支持枠21bは、基台25の一端部近傍に固設される支持壁21に対して一体的に固設されている。つまり、支持壁21には、反射部材21aが保持された反射部材支持枠21bがネジ部材等の締結手段によって固設されている。これにより、反射部材21aは、基台25の上面の所定の位置に固定保持されている。
【0092】
ここで、反射部材21aは、本電子カメラ1の前面に対向する位置に存在する被写体からの光束、即ち被写体光束を略直角に折り曲げて、撮像基板28(撮像素子28c;図示せず)の側へと導くようにする光学素子である。
【0093】
反射部材支持枠21bに取り付けられる反射部材21aは、図4に示す光軸O1及び光軸O2のそれぞれに対して角度略45度の傾斜角度を有するように配置される反射面を備えて形成されている。この反射面は、光軸O1の延長線上に位置する被写体と、光軸O2の延長線上に位置する各レンズ(22a・23a・24a)及び撮像基板28上の撮像素子28c(図示せず)に対向するように配置されている。
【0094】
一方、固定レンズ群24aは、基台25の他端部近傍に固設される固定枠24によって基台25の上面の所定の位置に固設保持されている。
【0095】
そして、支持壁21と固定枠24との間には、変倍用レンズ枠22(変倍用レンズ群22a)と焦点調節用レンズ枠23(焦点調節用レンズ群23a)とを所定の方向、即ち光軸O2に沿う方向へと移動自在に案内する案内手段の一部を構成する案内部材であって、直線状に形成される二本の軸部材からなる主副ガイド軸(26・27)が懸架されている。
【0096】
つまり、主副ガイド軸(26・27)は、光軸O2に沿う方向に並べて配置される複数の光学素子(22a・23a)を保持するレンズ枠(22・23)のそれぞれを各別に移動自在となるように当該各レンズ枠(22・23)に対して嵌合している。
【0097】
この案内手段を構成する二本の案内部材(主副ガイド軸26・27)のうち一方の主ガイド軸26は、変倍用レンズ枠22と焦点調節用レンズ枠23とが光軸O2方向へと移動するのを案内する役目をしているものである。
【0098】
また、他方の副ガイド軸27は、変倍用レンズ枠22と焦点調節用レンズ枠23とが主ガイド軸26を中心として回転してしまうことを防ぐ役目をすると共に、両レンズ枠22・23が光軸O2に沿う方向へと移動する際の移動を案内する役目をするものである。
【0099】
そのために、主副ガイド軸26・27は、両レンズ枠22・23の移動方向(光軸O2に沿う方向)に対して平行となるように設けられている。そして、この主副ガイド軸26・27には、両レンズ枠22・23が移動可能に嵌合している。
【0100】
主ガイド軸26は、図5〜図7に示すように構成されている。即ち、主ガイド軸26は、短軸部材26a及び長軸部材26bとによって形成される軸部材である。このうち短軸部材26aは、支持壁21に対して固設され得る突状部26eを一端に有しており、他端には、長軸部材26bと連結するためのネジ穴26dが形成されている。そして、この短軸部材26aの外周側には、変倍用アクチュエータ33が配設されるようになっている。
【0101】
また、長軸部材26bは、例えば伸長性の弦巻(コイル)状のばね部材等からなる付勢手段である付勢部材29が外周に巻回され、かつ変倍用レンズ枠22と焦点調節用レンズ枠23とが摺動自在に配設される細径部26cと、焦点調節用アクチュエータ36が外周側に配設される太径部26bbとが一体となって形成されている軸部材である。この場合において、太径部26bbの直径は、短軸部材26aの直径と略同径となるように形成されている。
【0102】
そして、細径部26cの一端には、短軸部材26aのネジ穴26dに対して螺合し得るネジ部26ddが形成されている。また、太径部26bbの他端には、固定枠24に対して固設され得る突状部26fが形成されている。
【0103】
つまり、主ガイド軸26は、短軸部材26aと長軸部材26bとがネジ穴26dとネジ部26ddとの螺合によって一体化されることにより一本の軸部材を形成している。そして、このように構成された主ガイド軸26は、その両端に形成される突状部26e・26fがそれぞれ支持壁21と固定枠24とによって固定支持されている。
【0104】
また、図4・図6に示すように主ガイド軸26の長軸部材26bの細径部26cには、変倍用レンズ枠22と焦点調節用レンズ枠23とが摺動自在に配設され、かつ両レンズ枠22・23との間の空間には、両レンズ枠22・23によって挟持されるように付勢部材29が細径部26cの外周側に巻回されている。
【0105】
したがって、通常の状態では、両レンズ枠22・23は、付勢部材29の伸長方向への付勢力によって所定の方向、即ち図6に示す矢印X1・X2方向にそれぞれが付勢されている。つまり、付勢部材29の伸長方向への付勢力によって変倍用レンズ枠22は図6に示す矢印X1方向へ、焦点調節用レンズ枠23は図6に示す矢印X2方向へと付勢されている。
【0106】
なお、付勢部材29の付勢力は、後述するように駆動手段(アクチュエータ33・36)による両レンズ枠22・23の駆動方向とは反対の方向へ向けて両レンズ枠22・23を付勢するように作用している。
【0107】
そして、両レンズ枠22・23は、それぞれが短軸部材26aの他端部26g及び長軸部材26bの太径部26bbの一端部26hに当接することで、所定の位置に位置決めされている。
【0108】
したがって、付勢部材29は、変倍用及び焦点調節用の両アクチュエータ33・36が駆動していない通常状態において、変倍用レンズ枠22と焦点調節用レンズ枠23とを所定の位置に位置決めする役目をしている。
【0109】
また、短軸部材26aの外周側には変倍用アクチュエータ33が配置され、長軸部材26bの太径部26bbには焦点調節用アクチュエータ36が配置されている。この場合において、両アクチュエータ33・36は、それぞれが短軸部材26a・長軸部材26bの外周側に巻回されるように設けられている。
【0110】
そして、変倍用アクチュエータ33の一端部は、支持壁21に当接するように、焦点調節用アクチュエータ36の他端部は、固定枠24に当接するように配置されている。
【0111】
さらに、両アクチュエータ33・36に対して通電されていない通常の状態では、変倍用アクチュエータ33の他端部は変倍用レンズ枠22との間に若干の隙間d1を有するように、そのサイズが設定されている。また、同状態において、焦点調節用アクチュエータ36の一端部は、焦点調節用レンズ枠23との間に若干の隙間d2を有するように、そのサイズが設定されている。
【0112】
つまり、両アクチュエータ33・36は、主ガイド軸26の外周側の所定の位置に巻き付けた形態で設けられており、両アクチュエータ33・36のそれぞれの一方の端部は、支持壁21又は固定枠24のうちの各対応する側の固定部に当接している。また、両アクチュエータ33・36のそれぞれの他方の端部は、変倍用レンズ枠22又は焦点調節用レンズ枠23のうちの各対応する側のレンズ枠を押圧し得る位置に配置されていて、通電されていない状態では、各対応する側のレンズ枠(22・23)との間に所定の隙間d1・d2を有するように配設されている。
【0113】
この場合において、変倍用アクチュエータ33に対して通電すると、変倍用アクチュエータ33の他端部は、変倍用レンズ枠22の主ガイド軸26との嵌合部近傍に当接してこれを押圧することで当該変倍用レンズ枠22を光軸O2に沿う方向であって、矢印X1に抗する方向へと移動させるようになっている。
【0114】
また、焦点調節用アクチュエータ36に対して通電すると、焦点調節用アクチュエータ36の他端部は、焦点調節用レンズ枠23の主ガイド軸26との嵌合部近傍に当接してこれを押圧することで当該焦点調節用レンズ枠23を光軸O2に沿う方向であって、矢印X2に抗する方向へと移動させるようになっている。
【0115】
さらにまた、この主ガイド軸26及び両アクチュエータ33・36の外周側を覆うようにしてカバー部材38が配設されている(図5・図6・図7参照。他の図4では図示を省略している)。このカバー部材38は、両アクチュエータ33・36の意図しない方向、主に主ガイド軸26の径方向への変形を抑止すると共に両アクチュエータ33・36の外面を保護する等の目的を有して設置されているものである。
【0116】
他方、副ガイド軸27の両端部も支持壁21と固定枠24とによって固定支持されている。
【0117】
主副ガイド軸26・27と変倍用レンズ枠22及び焦点調節用レンズ枠23とは、次に示すような手段によって嵌合している。
【0118】
即ち、焦点調節用レンズ枠23の一端部23bには、第2の光軸O2に沿う貫通孔が穿設されている。この貫通孔に対して主ガイド軸26が挿通している。このようにして焦点調節用レンズ枠23は、主ガイド軸26に対して嵌合しており、かつ摺動自在に支持されている。
【0119】
また、焦点調節用レンズ枠23の他端部23cには、断面が略U字形状となる軸受部が形成されており、この軸受部の内部に副ガイド軸27が配置されている。これにより副ガイド軸27は、主ガイド軸26を回転中心とする焦点調節用レンズ枠23の回転を防ぐと共に、同焦点調節用レンズ枠23が第2の光軸O2に沿う方向へと移動するのを案内する役目をしている。
【0120】
一方、変倍用レンズ枠22の一端部22bには、上述の焦点調節用レンズ枠23の貫通孔と同様の貫通孔が第2の光軸O2に沿う方向に穿設されている。この貫通孔に対して主ガイド軸26が挿通している。このようにして変倍用レンズ枠22は、主ガイド軸26に対して嵌合しており、かつ摺動自在に支持されている。
【0121】
また、変倍用レンズ枠22の他端部22cには、上述の焦点調節用レンズ枠23と同様に、断面が略U字形状となる軸受部が形成されており、この軸受部の内部に副ガイド軸27が配置されている。これにより、副ガイド軸27は、主ガイド軸26を回転中心とする変倍用レンズ枠22の回転を防ぐと共に、同変倍用レンズ枠22が第2の光軸O2に沿う方向へと移動するのを案内する役目をしているのは、上述の焦点調節用レンズ枠23の軸受部と全く同様である。
【0122】
このようにして主ガイド軸26及び副ガイド軸27は、変倍用レンズ群22aを固定保持する変倍用レンズ枠22と、焦点調節用レンズ群23aを固定保持する焦点調節用レンズ枠23とのそれぞれに対して嵌合しており、両レンズ枠22・23が第2の光軸O2に沿う方向にそれぞれ独立して移動し得るように支持している。
【0123】
上述したように、主ガイド軸26には、被駆動部材である変倍用レンズ枠22及び焦点調節用レンズ枠23を第2の光軸O2に沿う方向にそれぞれ独立して移動させるための駆動手段、即ちレンズ枠駆動部材としてのアクチュエータ33・36が、当該主ガイド軸26の外周側の所定の位置に巻き付けた形態で配設されている。
【0124】
つまり、本実施形態におけるアクチュエータ(33・36)は、主ガイド軸26に沿わせて設けられ、かつ変倍用レンズ枠22及び焦点調節用レンズ枠23のそれぞれに応じて各別に配設されている。
【0125】
そして、このアクチュエータ33・36は、電歪効果を利用して駆動力を得るように構成された電歪アクチュエータ(図17参照)からなるものであって、変倍用レンズ枠22及び焦点調節用レンズ枠23を駆動するための駆動手段である。
【0126】
アクチュエータ33・36は、所定の接続手段によって回路基板15と電気的に接続されており、この回路基板15に実装されるCPU31からの指令に基づいて、所定の動作が制御されるようになっている。
このように本実施形態の光学装置(レンズユニット2)は構成されている。
【0127】
ところで、一般的な電子カメラ等における光学装置において実行される変倍動作や焦点調節動作は、それぞれに対応する所定のレンズ群を光軸に沿う方向へと移動させることで実現しているのが普通である。
【0128】
図19は、一般的な電子カメラ等における光学装置の撮影光学系の構成と、この撮影光学系を構成する複数のレンズ群が動作した場合の配置状態を示す図である。
【0129】
図19において、第1レンズ群L1は対物レンズ群であり、第2レンズ群L2は変倍用レンズ群であり、第3レンズ群L3は焦点調節用レンズ群であり、第4レンズ群L4は固定レンズ群である。
【0130】
このような構成の撮影光学系を備えた電子カメラにおいて、変倍動作が実行される際の作用は、次のようになる。なお、本実施形態の電子カメラ1の作用は、以下に説明する電子カメラの作用と略同様のものである。したがって、以下の説明においては、図1〜図3の電子カメラ1の構成を参照するものとする。
【0131】
例えば、使用者が所望のときに変倍動作を実行するための所定の操作部材(ズームレバー(図示せず)等)を操作することにより開始される。これにより、所定の指示信号(この場合には変倍指示信号)が操作部(46)より発生する。この変倍指示信号は、短焦点(wide)側から長焦点(tele)側へ向けて変倍動作を行なうズームアップ指示や長焦点(tele)側から短焦点(wide)側へ向けて変倍動作を行なうズームダウン指示等である。そして、この変倍指示信号は、制御回路(CPU31)へと伝達される。
【0132】
すると、制御回路(CPU31)は、これを受けて変倍用ドライバ(第2ドライバ32)を介して変倍用アクチュエータ(33)の駆動制御を行なうと同時に、これに共働させて焦点調節用ドライバ(第1ドライバ35)を介して焦点調節用アクチュエータ(36)の駆動制御を行なう。
【0133】
これにより、第2レンズ群L2(変倍用レンズ群22a)を保持する変倍用レンズ枠(22)及び第3レンズ群L3(焦点調節用レンズ群23a)を保持する焦点調節用レンズ枠(23)は、それぞれが光軸O2に沿う所定の方向へ所定量だけ移動することになる。
【0134】
この場合において、第3レンズ群L3(焦点調節用レンズ群23a)をも同時に駆動制御しているのは、変倍動作に伴う焦点位置の変位を補正するための補正動作を行なわしめるためである。
【0135】
この補正動作は、撮像素子(28c)によって取得される被写体像を制御回路(CPU31)内のAF回路(31a)によって解析しつつ、この被写体像のコントラストが最大となるように第3レンズ群L3(焦点調節用レンズ群23a)の位置を変位させる(フィードバック)といった動作である。これは、従来の電子カメラ等において一般的に行なわれている制御である。
【0136】
なお、一般的な電子カメラ等の光学装置において変倍動作を行なう際には、第2レンズ群L2(変倍用レンズ群22a)を保持する変倍用レンズ枠(22)と第3レンズ群L3(焦点調節用レンズ群23a)を保持する焦点調節用レンズ枠(23)とは、それぞれ約10mm程度移動させるようにするのが普通である。
【0137】
一方、一般的な電子カメラの撮影光学系において実行される焦点調節動作は、通常の場合、露出動作を実行する直前に行なう撮影準備動作に含まれる動作である。
【0138】
つまり、通常の電子カメラ等においては、撮影動作を実行する際には、まずレリーズボタン(12)の第一段目の操作によって測光動作や焦点調節動作が行なわれ、これに続いてレリーズボタン(12)の第二段目の操作を行なうことで露出動作、即ち絞り装置やシャッター装置等の駆動制御が実行されるようになっているのが一般的である。
【0139】
つまり、使用者が所望のときに撮影準備動作を実行するための所定の操作部材(レリーズボタン12の第一段目の操作等)を履行することで、焦点調節動作等の撮影準備動作が開始されることになる。
【0140】
この場合において、レリーズボタン(12)等の操作部材が操作されると所定の指示信号(この場合には焦点調節指示信号等)が操作部(46)より発生する。この焦点調節指示信号は、制御回路(CPU31)へと伝達される。
【0141】
すると、制御回路(CPU31)は、これを受けて焦点調節用ドライバ(第1ドライバ35)を介して焦点調節用アクチュエータ(36)の駆動制御を行なう。これにより、第3レンズ群L3(焦点調節用レンズ群23a)を保持する焦点調節用レンズ枠(23)は、光軸O2に沿う所定の方向へ所定量だけ移動する。
【0142】
この焦点調節動作は、撮像素子(28c)によって取得される被写体像を制御回路(CPU31)のAF回路(31a)によって解析し、この被写体像のコントラストが最大となるように第3レンズ群L3(焦点調節用レンズ群23a)の位置を変位させる(フィードバック)動作である。このような焦点調節動作は、従来の電子カメラ等において一般的に行なわれている制御である。
【0143】
なお、一般的な電子カメラ等の光学装置において焦点調節動作を行なう際には、第3レンズ群L3(焦点調節用レンズ群23a)を保持する焦点調節用レンズ枠(23)をプラス及びマイナス方向(±)に約1mm程度移動させるようにするのが普通である。
【0144】
一方、本実施形態の光学装置におけるアクチュエータ(33・36)は、所定のポリマー材を使用して構成されてるものである(図17参照)。この場合において、例えば、ポリマー材として
「HS3 silicone(Prestrain(x,y)(%)=(280,0)」(*)
(*)「HS3 silicone」は製品名。ここで「シリコーン(silicone)」は、有機珪素化合物の重合体を指す。また「プリストレイン(Prestrain)」は、予備伸長の意である。したがって、「HS3 silicone(Prestrain(x,y)(%)=(280,0)」は、薄膜状の「HS3 シリコーン」という材料を、平面上において予めx方向に280%伸長させた形態のものを指している。
【0145】
を使用した電歪アクチュエータに対して、予備伸長(Prestrain)された方向とは略直交する方向に128V/μmの電圧を印加した場合の相対的な伸長(Relative Strain)率は117%となり、当該電歪アクチュエータが伸長する際に発生する有効圧力(Effective Compressive Stress)は、これらのデータより、0.4MPa(メガパスカル)と算出される。以上の実験計算の結果は、「SRIインターナショナル」(非営利の独立研究機関)によって公表されている(「平成12年度 マイクロマシン技術の研究開発(発電施設用高機能メンテナンス技術開発)委託研究成果報告書」(財団邦人マイクロマシンセンター.平成13年3月刊)第540頁〜第541頁及び第540頁の表4.1−2参照)。
【0146】
なお、この場合においてポリマー材が変形(伸長)する方向は、電極層に与えられる電界の方向、即ち電圧によって生じる圧力方向に対して略直交する方向に沿う平面上、即ちポリマー材の平面上において、予備伸長方向(x方向)に対して略直交する方向(y方向)である。
【0147】
ここで、上述した条件の電歪アクチュエータの長さ寸法を約10mmとした場合において、この電歪アクチュエータに対して128V/μmの電圧を印加することで、長さ10mmの当該電歪アクチュエータは、予備伸長方向(x方向)に略直交する所定の方向(y方向)に向けて約11.7mmの長さだけ伸長(変形)することになることは、上述の実験データより導き出すことができる。
【0148】
他方、一般的な電子カメラ等の小型機器における電源電圧の条件としては、例えば100V以下に抑えるように構成するのが普通である。
【0149】
したがって、このことを考慮すると、「HS3 silicone(Prestrain(x,y)(%)=(280,0)」に対して100Vの電圧を印加した場合において、128V/μmの電圧を印加した場合と同等の結果(117%の相対伸長率)を得るためのポリマー材の厚み寸法の条件は、次の式から求めることができる。
【0150】
128(V)/1(μm)=100(V)/T(μm)
T(μm)=0.78(μm)
即ち、電歪アクチュエータの厚さ方向の寸法(膜厚)T=0.78μmとすればよい。100Vの電圧で駆動制御するようにした場合でも、所望の伸長(変形)を得るように構成することができることになる。
【0151】
また、本実施形態の光学装置(レンズユニット2)においては、上述したように変倍用レンズ枠22と焦点調節用レンズ枠23とのそれぞれに対して付勢部材29の付勢力が常に作用している状態にある。したがって、付勢部材29の付勢力に抗して両レンズ枠22・23を所定量だけ所定方向に移動させるためには、当該付勢部材29の付勢力以上の駆動力が必要となる。
【0152】
なお、本実施形態の光学装置におけるアクチュエータ33・36による駆動力は、所定のポリマー材が変形(伸長)することにより生じるようになっているものである。
【0153】
そこで、例えば本実施形態のレンズユニット2において、付勢部材29の付勢力F=20gfであるものとした場合、アクチュエータ33・36が付勢部材29の付勢力F=20gfに抗して両レンズ枠22・23を移動させるために必要となる駆動力を得るには、当該アクチュエータ33・36長さ寸法の条件を次のように設定する必要がある。
【0154】
この場合において、電歪アクチュエータは、0.78μmの膜厚を有する「HS3 silicone(Prestrain(x,y)(%)=(280,0)」のポリマー材からなるものとする。また、上述したように付勢部材29の付勢力F=20gfとする。そして、電歪アクチュエータに与える電圧を100Vとすると、当該電歪アクチュエータが伸長する際の有効圧力は0.4MPaとなるから、求めるべきアクチュエータ33・36の長さ寸法L(m)は、次式より求めることができる。
【0155】
0.4(MPa)×(0.78×10−6(m))×L(m)
>(20×10−3(kg)×9.8(m/s2)
∴L(m)>0.6(m)
つまり、上述の条件を備えた電歪アクチュエータを用いて付勢部材29の付勢力F=20gfに抗し得るためには、少なくともL=60cm以上の長さ寸法が必要になることがわかる。
【0156】
しかし、本実施形態の光学装置では、小型の機器に適用するものであることを考慮すると、L=60cmをそのまま採用することはできない。そこで、適用する装置の小型化を維持しながら、長さ寸法60cmの電歪アクチュエータを適用するためには、例えば電歪アクチュエータを積層した形態の多層化構造にすることで、容易に問題を解決することができる。
【0157】
図8は、本実施形態の光学装置に適用するべく、多層化構造とした場合の電歪アクチュエータの概略的な構成を示す図である。また、図9は、この多層化構造とした電歪アクチュエータにおける電気的接続を概略的に示す図である。
【0158】
図8に示す電歪アクチュエータ100Aは、図17と同様に薄膜状に形成される重合体であるポリマー材101と電極層102とから構成されており、さらにこのアクチュエータ100Aでは、ポリマー材101と電極層102とが交互に配置された多層化構造を備えて形成されている。
【0159】
この場合において、電極層102は、電圧を印加する層(図8において「(+)」で示す層)と接地する層(図8において「0」(ゼロ)で示す層)とが交互に配置されることになる。つまり、多層化構造とするのに際して各層を構成する電歪アクチュエータは、図9に示すようにそれぞれが並列接続されることになる。
【0160】
また、電歪アクチュエータを多層化構造で形成するに際しては、例えば図10・図11・図12に示すように、様々な形態とすることが可能である。
【0161】
本実施形態のレンズユニット2においては、変倍用及び焦点調節用の二つのアクチュエータ33・36は、上述したように主ガイド軸26に嵌合し得るように、即ち主ガイド軸26の外周側の所定の位置に巻き付けた形態で設けられている。
【0162】
したがって、アクチュエータ33・36自体の形状は、略円筒形状を有して形成されるものとなる。ここで、当該円筒形状のアクチュエータ33・36の直径D=5mmであるとすると、その外周面に沿う長さは、D(mm)×π=約15mmとなる。したがって、次式より層数を求めると、
60(cm)/1.5(cm)=40(層)
となる。このことから、当該アクチュエータ33・36において、長さ寸法L=60cmの材料を直径D=5mmの略円筒形状に形成した場合には、少なくとも40層の多層化構造となることがわかる。
【0163】
なお、各層における厚さ寸法(膜厚)T(図8参照)は、上述したように、およそ0.78μmに設定されることになるので、多層化構造のアクチュエータ33・36自体の厚さ寸法tは、
t=40×0.78(μm)=約35(μm)
となる。
【0164】
以上のことを考慮すると、本実施形態のレンズユニット2に適用するアクチュエータ33・36は、次のような形態のものとすればよい。
【0165】
図13は、本実施形態の光学装置(レンズユニット)に適用されるアクチュエータのみを取り出して拡大して示す概略斜視図である。
【0166】
このアクチュエータ33・36は、少なくとも40層からなる多層化構造に形成されており、各層の膜厚はT=0.78μmに設定されているので、アクチュエータ33・36自身の厚さ方向の寸法tは、少なくともt=35μmとなる。
【0167】
また、アクチュエータ33・36の直径は、D=5mmに設定されており、その伸長方向の長さ寸法は、L0=10mmに設定されている。なお、ポリマー材としては、「HS3 silicone(Prestrain(x,y)(%)=(280,0)」を用いる。
【0168】
そして、このように形成されたアクチュエータ33・36において、100Vの電圧を印加した場合には、付勢部材29の付勢力F=20gfに抗して相対伸長率=117%で所定の伸長方向(主ガイド軸26に沿う方向であり光学素子の移動方向)に伸長する。
【0169】
したがって、このときのアクチュエータ33・36の伸び量は、ΔL=11.7mmとなる。これによって、当該アクチュエータ33・36は、これを適用する光学装置(レンズユニット2)における変倍動作及び焦点調節動作を実行するのに必要充分な伸び量を確保している。
【0170】
以上のように構成された本実施形態の光学装置を適用する電子カメラ1の作用の概略を、以下に簡単に説明する。
まず、電子カメラ1の使用者は、所定の操作部材、例えば電源スイッチに連動する電源操作部等(図示せず)を操作して、当該電子カメラ1を起動させる。
【0171】
次に、使用者は、撮影を所望する被写体を決定すると共に、その被写体を含む所望の撮影範囲をカバーする撮影光学系の撮影画角を決定する。そのために、使用者は、所定の操作部材、例えばズームレバー等を操作する。この操作によって、変倍動作を実行すべき旨の変倍指示信号が発生する。そして、この変倍指示信号はCPU31へと伝達される。これを受けてCPU31では、変倍動作を実行すべく、各種の制御の実行が開始される。
【0172】
CPU31は、まず、第2ドライバ32を介して変倍用アクチュエータ33の駆動制御を行なって、ズームレバーによって指示された変倍方向に指示変倍量だけ変倍用レンズ群22aを移動させる。つまり、第2ドライバ32は、変倍用アクチュエータ33に対して所定の電圧を印加する。これにより、変倍用アクチュエータ33は、所定の方向に所定量だけ伸長することになる。したがって、変倍用レンズ群22aを保持する変倍用レンズ枠22は、主副ガイド軸26・27に案内されながら光軸O2に沿う所定の方向へと移動し所望の変倍位置で停止する。この位置における停止状態を維持するために、第2ドライバ32は電圧の印加を継続して行なう。
【0173】
この変倍動作に並行してCPU31は、AF回路31aを制御して撮像素子28cにより取得される被写体像を解析し、この被写体像のコントラストが最大となるように焦点調節用レンズ群23aの位置を変位させるための焦点位置の補正制御を行なう。つまり、CPU31は、第1ドライバ35を介して焦点調節用アクチュエータ36の駆動制御を行なって、常に明確な状態の画像が表示装置45に表示されるように制御する。
【0174】
この場合において、第1ドライバ35は、焦点調節用アクチュエータ36に対して所定の電圧を印加することで、焦点調節用アクチュエータ36を所定の方向に所定量だけ伸長させる駆動制御を行なう。これにより、焦点調節用レンズ群23aを保持する焦点調節用レンズ枠23は、主副ガイド軸26・27に案内されながら光軸O2に沿う所定の方向へと変倍動作に連動して移動し、焦点が合致した状態となる所定の位置で停止する。この停止位置を維持するために、第1ドライバ35は電圧の印加を継続して行なう。
【0175】
このようにして所望の変倍動作が完了した後、本電子カメラ1の使用者は、続いて撮影動作を実行すべくレリーズボタン12の操作を行なう。即ち、レリーズボタン12の第一段目の操作が行なわれることにより、所定の撮影準備動作を実行すべき旨の指示信号が発生する。当該指示信号はCPU31へと伝達される。
【0176】
これを受けてCPU31では、所定の測光動作や焦点調節動作を実行すべく、各種の制御の実行が開始される。なお、以下の説明では、焦点調節動作についてのみ説明する。
【0177】
電子カメラ1がこの状態にあるときには、被写体光束は、撮影光学系20を透過して撮像素子28cへと至り、その受光面上の所定の位置に被写体像が形成されている。このとき撮像素子28cは、当該被写体像を光電変換し、これにより得られる電気的な信号を撮像回路28dを介してAF回路31aへと伝送する。
【0178】
AF回路31aは、受信した被写体像に基づく電気信号を解析する。この解析結果に基づいて、CPU31は、第1ドライバ35を介して焦点調節用アクチュエータ36を駆動制御する。つまり、第1ドライバ35は、焦点調節用アクチュエータ36に対して所定の電圧を印加する。これにより、当該焦点調節用アクチュエータ36は、所定の方向に所定量だけ伸長する。
【0179】
これを受けて、焦点調節用レンズ群23aを保持する焦点調節用レンズ枠23は、主副ガイド軸26・27に案内されながら光軸O2に沿う所定の方向へと移動して焦点が合致した状態となる所定の位置に停止する。この停止位置は、第1ドライバ35への電圧の印加を継続して行なうことにより維持される。
【0180】
この焦点調節動作に続いて、又は並行してCPU31は、所定の測光手段(図示せず)を制御して所望の被写体像を含む撮影画像に適した露出値を演算し、算出した露出値のデータを所定の記憶手段に一時的に記録する。こうして撮影準備動作が完了する。
【0181】
次いで、使用者がレリーズボタン12の第二段目の操作を行なうと、これに応じた露出指示信号が発生する。これを受けてCPU31は、算出された露出値に応じて絞り装置やシャッター装置(図示せず)及び撮像素子28c等を駆動制御して、所望の画像を取得するための露出動作が実行される。
【0182】
その後、CPU31は、撮像回路28d・画像処理回路42等を制御して、記録媒体44に記録するのに最適となる形態の画像データを生成し、これを記録媒体44に記録する。
【0183】
これと同時に、CPU31は、画像処理回路42・表示装置45等を制御して、取得された画像信号に基づく画像を表示するのに最適となる形態の画像データを生成し、これを表示装置45の表示画面上に所定の時間表示する。
【0184】
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、主としてポリマー材からなり電歪効果を利用して光学素子(変倍用レンズ群22a・焦点調節用レンズ枠23a)を駆動するための駆動手段(変倍用アクチュエータ33・焦点調節用アクチュエータ36)を適用したことにより、少ない電力で両レンズ群(22a・23a)を光軸O2に沿う方向に移動させることができ、よって省電力化に寄与することができる。
【0185】
また、この駆動方式の駆動手段(33・36)は、機械的な駆動力伝達機構を簡略化することができるので静音化に寄与することができると共に、これを適用する光学装置自体の小型化に寄与することができる。
【0186】
また、案内部材(主副ガイド軸26・27)は、光学素子(22a・23a)の移動方向であって、光軸O2に沿う方向に対して平行となるように設け、この案内部材(のうち主ガイド軸26)に光学素子(22a・23a)を移動可能に嵌合させて配置し、さらに一方の案内部材(26)に沿わせて同軸上となるように駆動手段(33・36)を配設したことから、部材配置の効率化を図ることができ、よって光学装置の小型化に寄与することができる。
【0187】
そして、駆動手段(33・36)は、光学素子(22a・23a)を保持するレンズ枠(22・23)と案内手段(のうち主ガイド軸26)とが嵌合する嵌合部近傍において、両レンズ枠(22・23)のそれぞれを直接押圧することで、光学素子(22a・23a)を移動させるようにしたので、駆動手段(33・36)と被駆動部材(光学素子22a・23a)との間に駆動力変換手段や駆動力伝達手段を設ける必要がない。したがって、伝達する駆動力の損失や機械的な誤差等を抑えることができ、よって安定した駆動力の伝達を行なうことができ、さらに駆動精度の向上にも寄与することができる。
【0188】
また、駆動手段(33・36)による光学素子(22a・23a)の駆動方向とは反対の方向に向けて当該光学素子(22a・23a)を付勢する付勢手段(付勢部材29)を案内手段(のうち主ガイド軸26)に配設したので、被駆動部材(光学素子22a・23a)を常に安定した状態で位置決めすることができる。
【0189】
さらに、この付勢手段(付勢部材29)を単純な形態のばね部材、即ち弦巻状のばね部材によって形成すると共に、複数の光学素子(22a・23a)によって挟まれる位置に配置したので、機構を単純化することができ、よって製造コストの低減化に寄与することができる。
【0190】
また、複数の被駆動部材(光学素子22a・23a)のそれぞれに対応するように複数の駆動手段(33・36)をそれぞれ配設したので、例えば単一の駆動手段によって複数の被駆動部材を駆動させるための駆動力伝達機構等を必要とせず、伝達経路の複雑化を抑えることができる。したがって、光学装置自体の小型化に寄与することができる。
【0191】
ところで、上述の第1の実施形態では、変倍用レンズ群22aと焦点調節用レンズ群23aとをそれぞれ独立して移動し得るように構成した光学装置において、二つのレンズ群22a・23aをそれぞれ別に保持する変倍用レンズ枠22と焦点調節用レンズ枠23とを、それぞれ独立して光軸O2に沿う方向へと移動させるための駆動手段として、電歪効果を利用して駆動力を発生させる方式の二つのアクチュエータ33・36を適用して構成している。
【0192】
しかしながら、この例に限らず、例えば変倍動作又は焦点調節動作のいずれか一方の用途に供されるレンズ群、即ち変倍用レンズ群22a又は焦点調節用レンズ群23aのいずれか一方の駆動手段に電歪アクチュエータを適用する一方、この電歪アクチュエータによって駆動されるレンズ群以外のレンズ群に対応する駆動手段として電歪アクチュエータとは異なる駆動方式からなる第2の駆動手段、例えば従来より一般的に利用されているステッピングモータ等を適用するようにしてもよい。
【0193】
この場合において、必要とする移動量が比較的少ない被駆動部材(レンズ群)の側の駆動手段に電歪アクチュエータを用いる一方、必要とする移動量が大となる被駆動部材(レンズ群)の側の駆動手段として第2の駆動手段(ステッピングモータ等)を適用するのが望ましい選択と考えられる。
【0194】
このことは、次に示すような理由による。即ち、必要とする移動量が大きい場合には、ステッピングモータ等の駆動手段を用いることで大きな駆動力を得る一方、必要とする移動量が少ない場合には、電歪アクチュエータを利用することによって、わずかな駆動電力で必要な駆動力を得ることができ、かつ駆動する際に発生する駆動音も抑えることができるという利点がある。
【0195】
上述の第1の実施形態に示すように構成され電子カメラ1に適用される光学装置2の撮影光学系20では、変倍用レンズ群22a(変倍用レンズ枠22)は、設定し得る最も短焦点(wide)側の位置から設定し得る最も長焦点(tele)側の位置までの間を移動することになる。このときの変倍用レンズ群22a(変倍用用レンズ枠22)の移動量は、上述したように、約10mm程となるのが一般的である。
【0196】
一方、上述の焦点調節用レンズ群23a(焦点調節用レンズ枠23)は、変倍時の結像位置補正用としては、設定し得る最も短焦点側の位置から設定し得る最も長焦点側の位置との間で、図19に示すような非線形な移動を行ない、例えば5mm以下の移動を行なう。また、焦点調節用としては、設定し得る最も近距離側の近距離位置から設定し得る最も遠距離側の無限遠(∞)位置となるまでの間で移動することになる。このときの焦点調節用レンズ群23a(焦点調節用レンズ枠23)の移動量は、例えば約1mm程度となるので、変倍動作時のレンズ群の移動量と比較して、極めてわずかの移動量で所望の作用を得ることができるのが一般的である。
【0197】
したがって、変倍用レンズ群(22a)の側の駆動手段としては、一般的なステッピングモータ等を適用する一方、焦点調節用レンズ群(23a)の側の駆動手段としては、上述の電歪アクチュエータ(36)を適用するように構成すればよい。このように構成した例を、本発明の第2の実施形態として、以下に説明する。
【0198】
図14は、本発明の第2の実施形態の光学装置(レンズユニット)を取り出して示す斜視図である。また、図15は、本実施形態の光学装置(レンズユニット)の一部の構成部材(案内手段(主ガイド軸)及び駆動手段(アクチュエータ)等)を取り出して拡大して示す要部拡大分解斜視図である。そして、図16は、本実施形態の光学装置(レンズユニット)の構成部材のうち変倍用レンズ枠のみを取り出して拡大して示す要部拡大分解斜視図である。
【0199】
本実施形態の光学装置であるレンズユニット2Aの基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様であって、駆動手段の形態が異なるのみである。したがって、以下の説明においては、上述の第1の実施形態と異なる構成のみについて詳述し、同様の構成部材については、同じ符号を附してその説明は省略する。
【0200】
なお、本実施形態の光学装置(レンズユニット2A)も、図1〜図3に示される電子カメラに適用されるものである。
【0201】
本実施形態のレンズユニット2Aにおいては、図14に示すように焦点調節用レンズ群23aを保持する焦点調節用レンズ枠23を駆動する駆動手段として電歪アクチュエータからなる焦点調節用アクチュエータ36Aを適用し、変倍用レンズ群22aを保持する変倍用レンズ枠22Aは、上記駆動手段とは異なる駆動方式からなる第2の駆動手段であるステッピングモータ51によって駆動するように構成されている。
【0202】
両レンズ枠22A・23を光軸O2に沿う方向に移動自在に案内する主ガイド軸26Aは、図15に示すように焦点調節用アクチュエータ36Aが外周側に巻き付けた形態で配設される太径部26Abと、付勢部材29が外周側に巻回して配置されると共に変倍用レンズ枠22Aと焦点調節用レンズ枠23とが移動自在に嵌合する細径部26Acとによって形成されている。
【0203】
焦点調節用レンズ枠23は、上述の第1の実施形態と全く同様に形成されている一方、変倍用レンズ枠22Aは、図14及び図16に示すような形態で構成されている。
【0204】
即ち、変倍用レンズ枠22Aの一端部22Abには、主ガイド軸26の細径部26Acが摺動自在に嵌合する嵌合孔22iが穿設されており、この嵌合孔22iの近傍には、ステッピングモータ51からの回転駆動力を当該変倍用レンズ枠22Aへと伝達し、これを光軸O2に沿う方向に向けて移動させるための連結部材22dが一体的に取り付けられている。
【0205】
この連結部材22dの一端部近傍には、貫通孔22gが穿設されている。これに対応して変倍用レンズ枠22Aの一端部22Abには、孔22hが形成されている。そして、孔22h及び貫通孔22gには、ピン22fが嵌合することで、変倍用レンズ枠22Aと連結部材22dとが一体となるように連結している。
【0206】
また、連結部材22dの先端部は略円筒形状に形成されていて、その内周面には内ネジ22eが形成されている。この内ネジ22eは、ステッピングモータ51の回転軸52の外周面に形成されるネジ部が螺合している。
【0207】
このような構成によって、CPU31の制御によって所定のときにステッピングモータ51が駆動されて、その回転軸52が回転すると、その回転駆動力は、回転軸52のネジ部と連結部材22dの内ネジ22eとを介して変倍用レンズ枠22Aに伝達されるようになっている。
【0208】
つまり、ステッピングモータ51の回転駆動に連動して変倍用レンズ枠22Aは、光軸O2に沿う所定の方向、即ち主ガイド軸26Aに沿う所定の方向に移動するようになっている。
【0209】
ステッピングモータ51は、固定金具53によって基台25の上面の所定の位置に固設されるようになっている。この固定金具53は、薄板状の部材よりなり、一端にはステッピングモータ51の一端面を固設するモータ支持部53bを備え、他端には回転軸52を回動自在に軸支する軸支持部53aを備えて形成されている。
【0210】
主ガイド軸26の太径部26Abには、上述したように焦点調節用アクチュエータ36Aが配設されている。この焦点調節用アクチュエータ36Aは、略円筒形状に形成されていて、太径部26Abの外周側に巻き付けた形態で配設されている。
【0211】
そして、この焦点調節用アクチュエータ36Aの外面側には、カバー部材55が配置されている。このカバー部材55は、断面が略チャンネル形状に形成される板状部材であって、その一端が固定枠24の側面部に固設されるようになっている。この場合において、カバー部材55の固設手段は、例えばネジ等の締結手段が用いられる。即ち、図14に示すように、カバー部材の一端部近傍に孔55aを設けると共に、固定枠24の側面部には、これに対応するネジ穴24bが形成されている。そして、ネジ部材56がカバー部材55の孔55aを介してネジ穴24bに螺合することで、当該カバー部材55を固定枠24の側面部に固設している。
【0212】
そして、焦点調節用レンズ群23a(焦点調節用レンズ枠23)を駆動する駆動手段である焦点調節用アクチュエータ36Aは、第1ドライバ35(図3参照)によって駆動制御されるようになっている一方、変倍用レンズ群22a(変倍用レンズ枠22)を駆動する第2の駆動手段である変倍用アクチュエータとしてのステッピングモータ51は、第2ドライバ32(図3参照)によって駆動制御されるようになっている。その他の構成については、上述の第1の実施形態と全く同様であり、また、その作用についても上述の第1の実施形態と同様である。
【0213】
以上説明したように上記第2の実施形態においては、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0214】
さらに、本実施形態では、焦点調節用レンズ枠23を移動させる駆動手段として電歪アクチュエータ(焦点調節用アクチュエータ36A)を用いる一方、より大きな移動量を必要とする被駆動部材(変倍用レンズ枠22)には、異なる駆動方式からなる他のアクチュエータ(ステッピングモータ51)を利用するように構成している。
【0215】
このように、複数のレンズ枠をそれぞれ独立して移動させるために必要となる複数の駆動手段として、電歪アクチュエータ(駆動手段;焦点調節用アクチュエータ36A)と、これとは異なる他の駆動方式のアクチュエータ(第2の駆動手段;変倍用アクチュエータとしてのステッピングモータ51)とを利用して、両者を組み合わせた形態で構成するようにしたので、複数の駆動手段を用途に応じて最適となるように適材適所に配置することができる。したがって、これにより効率的な部材配置による効率的な作用を行なうことができると共に、光学装置(レンズユニット2)自体の小型化に寄与することができる。
【0216】
なお、上述の各実施形態の光学装置は、主に静止画像を取得し記録するための電子カメラに適用する場合を例に挙げて説明しているが、本発明の光学装置は、電子カメラのみに限らず、例えば写真撮影用フイルムを使用するいわゆるフイルムカメラや映画撮影機、電子的な動画像を取得するビデオカメラ等のほかに、顕微鏡や双眼鏡・望遠鏡等の光学機器のほか、光記録装置等の光ピックアップ装置等等において具備される光学装置に対しても容易に適用することができる。
【0217】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、従来のカメラ等において一般的に利用されている小型モータ等のアクチュエータに代えて、電歪アクチュエータの電歪効果を利用することによって、駆動力伝達機構等を簡略化し小型化に寄与し得ると共に、省電力化にも寄与することのできる光学装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の光学装置を適用した電子カメラの外観斜視図。
【図2】図1の電子カメラの主な内部構成部材を概略的に示す透視図。
【図3】図1の電子カメラの主に電気的な内部構成部材を概略的に示すブロック構成図。
【図4】本発明の第1の実施形態の光学装置(レンズユニット)を取り出して示す斜視図。
【図5】図4に示す光学装置(レンズユニット)の一部の構成部材(案内手段及び駆動手段(アクチュエータ)等)を取り出して拡大して示す要部拡大分解斜視図。
【図6】図4に示す光学装置(レンズユニット)の所定の部位(案内手段及び駆動手段の部位)の断面を示す縦断面図。
【図7】図4に示す光学装置(レンズユニット)の所定の部位であって、図6のA−A線に沿う縦断面図。
【図8】図4に示す光学装置に適用される多層化構造の電歪アクチュエータを示す概略構成図。
【図9】図8に示す多層化構造の電歪アクチュエータにおける電気的接続を示す概略図。
【図10】図8に示す電歪アクチュエータを多層化構造とした場合の一形態を示す断面図。
【図11】図8に示す電歪アクチュエータを多層化構造とした場合の他の一形態を示す断面図。
【図12】図8に示す電歪アクチュエータを多層化構造とした場合のさらに他の一形態を示す断面図。
【図13】図4の光学装置(レンズユニット)に適用されるアクチュエータのみを取り出して拡大して示す概略斜視図。
【図14】本発明の第2の実施形態の光学装置(レンズユニット)を取り出して示す斜視図。
【図15】図14の光学装置(レンズユニット)の一部の構成部材(案内手段(主ガイド軸)及び駆動手段(アクチュエータ)等)を取り出して拡大して示す要部拡大分解斜視図。
【図16】図14の光学装置(レンズユニット)の構成部材のうち変倍用レンズ枠のみを取り出して拡大して示す要部拡大分解斜視図。
【図17】電歪アクチュエータの概略的な構成を示す図。
【図18】図17の電歪アクチュエータに電圧を印加した場合における電圧と歪み量との関係を示す図。
【図19】従来の一般的な電子カメラ等における光学装置の撮影光学系の構成と、この撮影光学系を構成する複数のレンズ群が動作した場合の配置状態を示す図。
【符号の説明】
1……電子カメラ
2・2A……光学装置(レンズユニット)
11……外装部材
12……レリーズボタン(操作部材)
20……撮影光学系
21……支持壁
21a……反射部材(プリズム)
21b……反射部材支持枠
22・22A……変倍用レンズ枠
22a……変倍用レンズ群(光学素子)
23……焦点調節用レンズ枠
23a……焦点調節用レンズ群(光学素子)
24……固定枠
24a……固定レンズ群
25……基台
26・26A……主ガイド軸(案内手段;案内部材)
27……副ガイド軸(案内手段;案内部材)
28……撮像基板
28c……撮像素子
29……付勢部材
31……CPU(制御回路)
32……第1ドライバ
32……第2ドライバ
33……変倍用アクチュエータ(駆動手段)
34……エンコーダ
35……第1ドライバ(変倍用)
36……焦点調節用アクチュエータ(駆動手段)
36A……焦点調節用アクチュエータ
37……位置基準用センサ
38……カバー部材(アクチュエータ)
51……ステッピングモータ(第2の駆動手段;変倍用アクチュエータ)
52……回転軸
55……カバー部材(アクチュエータ)
100……電歪アクチュエータ
101……ポリマー材
102・103……電極層
Claims (27)
- 光学素子と、
上記光学素子を特定の方向に案内する軸部材を有する案内手段と、
表裏に形成された電極への電圧印加により、予め伸長処理された方向と直交する方向に伸長する性質を有するポリマー材からなり電歪効果を利用して上記光学素子を駆動するための駆動手段と、
を備え、
上記駆動手段は、上記電圧印加による電界が上記軸部材の径方向に一致し、かつ電圧印加により軸部材の軸方向に伸縮するよう、上記軸部材の外周に巻きつけて配置されることを特徴とする光学装置。 - 上記駆動手段は、円筒状の形態で上記軸部材の外周を囲み、円筒状の一方の端面が上記光学素子を押圧して駆動することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 上記駆動手段は、上記電極への非通電時には、上記円筒状の一方の端面が上記光学素子に対して隙間を供えることを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
- 上記駆動手段の電極への非通電時に、上記光学素子が上記案内手段の一部に当接して、上記駆動手段の一方の端面に対して隙間を空けることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
- 上記駆動手段は、薄膜状のポリマー材が積層されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 上記ポリマー材は、シリコーンゴム又はアクリルゴム又はポリウレタンのいずれかであることを特徴とする請求項2〜請求項5のうちのいずれか一つに記載の光学装置。
- 上記電極層に電圧を印加して上記光学素子を駆動させる駆動制御手段を備えてなることを特徴とする請求項3又は請求項4のいずれかに記載の光学装置。
- 上記光学素子は、レンズからなり、
上記駆動手段は、上記レンズを当該レンズの光軸に沿う方向へと移動させ得るように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちのいずれか一つに記載の光学装置。 - 上記レンズは、少なくとも変倍動作又は焦点調節動作のいずれか一方の用途に供されるものであることを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
- 上記レンズ以外の他のレンズを駆動すべく、上記駆動手段とは異なる駆動方式からなる第2の駆動手段を、さらに具備することを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
- 上記案内手段は、上記光学素子の移動方向に対して平行となるように設けられ、上記駆動手段は、上記案内手段に沿わせて配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちのいずれか一つに記載の光学装置。
- 上記駆動手段は、上記光学素子を当該光学素子の上記案内手段との嵌合部近傍を押圧することで、当該光学素子を駆動するようになされていることを特徴とする請求項11に記載の光学装置。
- 上記駆動手段による上記光学素子の駆動方向とは反対の方向に向けて当該光学素子を付勢する付勢手段を具備したことを特徴とする請求項12に記載の光学装置。
- 上記案内手段は、直線状に形成される軸部材からなり、
上記付勢手段は、上記軸部材を巻回するように形成される弦巻き状のばね部材であることを特徴とする請求項13に記載の光学装置。 - 上記案内手段は、直線状に形成される軸部材からなり、
上記駆動手段は、上記軸部材の外周側に巻き付けた形態に設けられ、当該駆動手段の一方の端部は固定部に当接し、他方の端部は上記光学素子を押圧し得る位置に配置されていることを特徴とする請求項11又は請求項12又は請求項13のいずれか一つに記載の光学装置。 - 上記駆動手段は、上記軸部材に嵌合し得る円筒形状からなることを特徴とする請求項15に記載の光学装置。
- 上記光学素子は、レンズからなり、
上記駆動手段は、上記レンズを当該レンズの光軸に沿う方向へと移動させ得るように構成されていることを特徴とする請求項11〜請求項16のうちのいずれか一つに記載の光学装置。 - 上記レンズは、少なくとも変倍動作又は焦点調節動作のいずれか一方の用途に供されるものであることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
- 上記案内手段は、複数の光学素子のそれぞれを各別に移動自在となるように案内し、
上記駆動手段は、上記複数の光学素子のそれぞれに応じて各別に複数設けられ、かつそれぞれ上記案内部材に沿わせて配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちのいずれか一つに記載の光学装置。 - 上記駆動手段は、それぞれ対応する上記光学素子の上記案内手段との嵌合部近傍を押圧することで上記光学素子を駆動することを特徴とする請求項19に記載の光学装置。
- 上記複数の光学素子をそれぞれの駆動方向に抗する方向に付勢する付勢手段を具備したことを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の光学装置。
- 上記案内手段は、直線状に形成される軸部材からなり、
上記付勢手段は、上記軸部材に巻回される弦巻状のばね部材からなり、上記複数の光学素子によって挟まれる位置に配置されていることを特徴とする請求項19に記載の光学装置。 - 上記複数の駆動手段は、上記複数の光学素子を挟むようにして配置されていることを特徴とする請求項19に記載の光学装置。
- 上記案内手段は、直線状に形成される軸部材からなり、
上記駆動手段は、上記軸部材の外周側に巻き付けた形態に設けられ、当該駆動手段の一方の端部は固定部に当接し、他方の端部は上記光学素子を押圧し得る位置に配置されていることを特徴とする請求項19〜請求項23のいずれか一つに記載の光学装置。 - 上記駆動手段は、上記軸部材に嵌合し得る円筒形状からなることを特徴とする請求項24に記載の光学装置。
- 上記レンズは、少なくとも変倍動作又は焦点調節動作のいずれか一方の用途に供されるものであり、上記駆動手段は、上記複数のレンズを当該レンズの光軸に沿う方向へと移動させ得るように構成されていることを特徴とする請求項17に記載の光学装置。
- カメラの撮影光学系に供されるものであることを特徴とする請求項1〜請求項26のうちのいずれか一つに記載の光学装置。
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