JP3846629B2 - 車両床下洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の床下を洗浄する装置に係り、特に鉄道車両の床下を洗浄するのに好適な車両床下洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両は、一定距離を走行すると定期検査が行なわれる。この定期検査においては、車両床下に取り付けた各種機器を車体から取り外し、機器の性能をチェックする工程がある。そして、機器を車両床下から取り外す場合、機器が汚れているために、機器の取り外しに先立って車両床下の全面を洗浄する作業を実施している。
【0003】
従来、鉄道車両の床下の洗浄は、図13に示したようにして行なっていた。すなわち、図13(1)に示したように、洗車場10には、洗浄ブース12が設けてある。そして、鉄道車両(車両)14の床下を洗浄する場合、まず、車両14を矢印16のように洗浄ブース12内に移動する。その後、粉塵の飛散を防止するために、矢印18、20、22等のように、車両床下の周囲全体を洗浄ブース12で覆う(同図(2)参照)。次に、数名の作業員が防具を着用して洗浄ブース12内に入り、手作業によって洗浄ノズルを操作して車両14の床下を洗浄する。
【0004】
この手作業による洗浄作業は、きつい、汚い、危険のいわゆる3K作業であって、作業者にとって負担が大きい。このため、車両床下を自動洗浄する装置が開発されている。その一例が特開2001−106038号公報に示されている。この特許公開公報に示された洗浄装置(以下、従来装置という)は、支持台に洗浄ノズルと水切り用の空気噴出ノズルとを水平方向に配置し、各ノズルを水平方向の軸回りに回転可能にしている。そして、車両の通過領域にピットを形成し、このピット内とピット上部の側部とに上記した従来装置を複数配置し、車両を移動させて車両床下を洗浄するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、鉄道車両の床下には、モータやアキュムレータなどの各種機器が配設してあって、機器間狭隘部などが多数形成される。ところが、上記した従来装置は、洗浄ノズルが定置式であって、洗浄ノズルを上下方向に移動させることができない。このため、従来装置では、床下機器の陰になる部分、特に機器間の狭隘部に洗浄液を当てることが困難で、完全に汚れを落とすことができないのが現状である。また、従来装置は、洗浄ノズルから最も遠い位置に対しても十分な洗浄能力が得られるようにするため、洗浄液の噴射圧力を高くする必要があり、より近い位置にある配線などに洗浄液が当たると、これらを損傷する可能性がある。
【0006】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、機器間の狭隘部などを確実に洗浄できるようにすることを目的としている。
また、本発明は、配線などを損傷しないようにすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る車両床下洗浄装置は、車両に沿って移動可能な台車に設けられて車両床下に挿入可能に伸縮自在とされたアームと、このアーム先端に設けられ伸縮自在のポールとを有し、前記アームとポールには洗浄液供給ホースを内挿し、前記ポールには前記ホース先端部に取り付けた洗浄ノズルを設けるとともに、当該洗浄ノズルを前記ポール先端部に回転可能に取り付けてなり、前記アーム部分には前記ホースの回転機構とホースの繰り出しと繰り入れをなす洗浄ノズル昇降機構を設けたことを特徴としている。
【0008】
また、アームに取り付けられて前記洗浄ノズルと前記車両床下との距離を検出する高さセンサと、この高さセンサの基準位置に対する水平方向位置を検出する位置センサと、この位置センサと前記高さセンサとの検出信号に基づいて、前記アームを伸縮するとともに前記ノズル昇降機構を制御し、前記洗浄ノズルを前記車両床下の形状に沿って移動させる制御部と、を設けるとよい。そして、制御部は、前記アームの伸長時に前記位置センサと前記高さセンサとの検出信号に基づいて前記車両床下の形状を計測し、前記アームの縮退時に前記洗浄ノズルを前記車両床下の形状に沿って移動させつつ洗浄を行なう、ようにできる。
【0009】
【作用】
上記のごとくなっている本発明は、洗浄ノズルが昇降自在となっているため、機器間の狭隘部に洗浄ノズルを挿入することができ、狭隘部の洗浄を容易、確実に行なうことができる。しかも、洗浄ノズルを洗浄箇所に接近させて洗浄できるため、洗浄液の噴射圧力を低くすることが可能で、ランニングコストの低減が図れ、配線などを損傷するおそれがない。
【0010】
洗浄装置による鉄道車両の床下の洗浄は、15MPa程度の高圧の洗浄液を噴射して洗浄を行なう。このため、洗浄ノズルに洗浄液を供給する管は、通常、ゴム製の耐圧ホースが用いられる。この耐圧ホースは、比較的大きな剛性を有している。したがって、洗浄ノズルに接続した耐圧ホース(管)を繰り出し、繰り入れることによって洗浄ノズルを昇降させることができ、耐圧ホースを軸回りに回転させることによって洗浄ノズルを回転させることができる。そして、耐圧ホースを介して洗浄ノズルの昇降と回転とを行なうようにすると、洗浄ノズルを設けたヘッド部に昇降用アクチュエータや回転用アクチュエータを設ける必要がなく、ヘッド部を小型にできて洗浄ノズルをより狭隘な部分に挿入することができるとともに、アームの剛性を小さくすることができ、装置の小型化が図れる。
【0011】
また、位置センサと高さセンサとによって車両床下の形状(凹凸状態)を把握し、制御部がその凹凸に沿って洗浄ノズルを移動させることにより、洗浄ノズルと洗浄箇所との距離をほぼ一定に保持することができる。したがって、洗浄むらをなくせるとともに、洗浄液の噴射圧力を従来より低くすることが可能で、ランニングコストの低減が図れるとともに、配線などに損傷を与えるおそれがない。そして、アームの伸長時に車両床下の形状を計測し、アームの縮退時に洗浄をするようにすると、洗浄を効率的に行なうことができ、洗浄時間の短縮が図れる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係る車両床下洗浄装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両床下洗浄装置の概略を示す模式図である。図1において、洗浄装置30は、自走式の台車32を有している。この台車32には、水平方向に突出して伸縮自在なアーム34が設けてある。アーム34は、図示しない駆動モータにより、矢印36のようにテレスコピックに伸縮する。そして、アーム34の先端部には、図2に示したように、CCDカメラ38と照明装置40とが上方に向けて取り付けてあって、車両床下の洗浄状態などを図示しないモニタなどに表示できるようにしてある。
【0013】
アーム34の先端部上面には、ポール42が立設してある。このポール42の先端には、洗浄ノズル44が取り付けてある。そして、ポール42は、図2の矢印46のようにテレスコピックに伸縮自在となっていて、詳細を後述するように、洗浄ノズル44が昇降できるようにしてある。また、洗浄ノズル44は、矢印48に示したように、昇降方向と交差する面内(実施形態の場合、鉛直方向と直交した水平面内)において回転可能となっていて、温水等の洗浄液50を上方に向けて噴射する。
【0014】
洗浄ノズル44は、図3に示したように、ポール42に設けたノズルホルダ52を介してポール42に取り付けてある。このノズルホルダ52には、さらに、高さセンサ56が取り付けてある。高さセンサ56は、洗浄ノズル44と車両床下までの距離を計測するもので、超音波センサなどから構成してあって、実施形態の場合、洗浄ノズル44とほぼ同じ高さに取り付けてある。そして、洗浄ノズル44と高さセンサ56とは、ポール42の直径方向両側の対称位置に設けてある。この高さセンサ56の検出信号は、台車32に設けた制御ユニット(図示せず)に入力するようになっている。
【0015】
台車32は、図1に示したように、制御ユニットを内蔵した操作盤60が搭載してある。そして、台車32は、操作盤60を介して洗浄装置30を操作、操縦する作業者62が搭乗できるようになっている。また、操作盤60には、CCDカメラ38によって得られた画像を表示するモニタ表示パネル(図示せず)が設けてあり、作業者62がモニタ表示パネルによって車両床下の機器の配置状態、狭隘部や、汚れの状態、洗浄状態などを確認することができるようにしてある。さらに、台車32には、アーム34の伸縮量を検出できる位置センサとしての伸縮センサ(図示せず)が設けてあって、この伸縮センサの検出信号が操作盤60に内蔵した制御ユニットに入力するようになっている。そして、制御ユニットは、伸縮センサの検出信号に基づいて、アーム34の先端部に設けた高さセンサ56の水平方向位置を求めるようになっていて、伸縮センサと高さセンサ56との検出信号から車両床下の凹凸形状(水平方向位置における洗浄ノズル44と車両床下との距離)を求める。
【0016】
また、台車32の上面には、高圧ポンプユニット64とヒータ付貯水槽66とが搭載してある。貯水槽66には、給水ホース68が接続してあって、給水ホース68を介して洗浄用の水が供給される。そして、高圧ポンプユニット64は、ヒータ付貯水槽66によって所定の温度に加熱された温水(洗浄液)を15MPa程度の高圧に昇圧し、洗浄ノズル44に供給する。すなわち、アーム34とポール42との内部には、図3に示したように、給水用の管である耐圧ホース(高圧ホース)70が通してあって、この耐圧ホース70の一端が洗浄ノズル44に接続してあり、他端が高圧ポンプユニット64に接続してある。すなわち、図4および図5に示した耐圧ホース70の一部である先端側ホース70aは、図7に示したネック部140を介して洗浄ノズル44に接続されている。
【0017】
アーム34を形成している内側筒体34aには、図4〜図6に示したように、洗浄ノズル44を昇降させるノズル昇降機構80と、洗浄ノズル44を回転させるノズル回転機構100とが内蔵してある。これらのノズル昇降機構80とノズル回転機構100とは、耐圧ホース70を介して洗浄ノズル44を昇降させ、回転させるようになっている。すなわち、耐圧ホース70は、硬質ゴムによって形成してあって、比較的大きな剛性を有する。したがって、ノズル昇降機構80は、耐圧ホース70を繰り出し、繰り入れることによって洗浄ノズル44を昇降させる。また、ノズル回転機構100は、耐圧ホース70を軸回りに回転させることによって洗浄ノズル44を回転させる。
【0018】
ノズル昇降機構80は、図4、図6に示したように、昇降モータ82を備える。昇降モータ82は、減速機84が取り付けられているとともに、タイロッド85を介して内側筒体34aの内部に固定した取付け板86に固着してある。そして、減速機84の出力軸には、カップリング88を介してねじ軸90が接続してある。ねじ軸90は、先端が取付け板86を貫通し、前方側の取付け板92に回転自在に支持されている。また、ねじ軸90には、ナット部材94が螺合している。このナット部材94には、固定板96が固定してある。固定板96には、図5に示したように、ノズル回転機構100を構成している回転モータ102が取り付けてあるとともに、移動ブロック104が固定してある。したがって、昇降モータ82を駆動するとねじ軸90が回転し、ナット部材94がねじ軸90に沿って移動することにより、回転モータ102と移動ブロック104とが固定板96を介してナット部材94と一体にアーム34の長手方向(伸縮方向)に移動する。
【0019】
ノズル回転機構100の回転モータ102は、図5に示されているように、後方側に配置した支持板106にブラケット108を介して支持されている。そして、支持板106は、背面に取付け板86を貫通させた支持シャフト110が連結してあるとともに、下端がスイベルジョイント112に支持されている。支持シャフト110は、支持板106を介して回転モータ102を支持する。なお、実施形態の場合、支持シャフト110は、パイプを使用して軽量化を図っている。
【0020】
回転モータ102には、減速機114が取り付けてあって、この減速機114の出力軸に駆動歯車116が固定してある。そして、駆動歯車114は、ステンレスなどから形成した中継パイプ118に固定した歯車120と噛み合っている。中継パイプ118は、移動ブロック104に回転自在に支持されており、後端がスイベルジョイント112に連結され、先端がステンレスなどからなる前側パイプ122に接続してある。この前側パイプ122は、先端部が取付け板92を貫通しており、その先端に耐圧ホース70の先端側ホース70aが連結してある。この先端側ホース70aの先端は、洗浄ノズル44に接続してある(図7参照)。
【0021】
一方、スイベルジョイント112の後端側には、ステンレスなどからなる後側パイプ124を介して耐圧ホース70の基端側ホース70bが接続してある。この基端側ホース70bは、前記した高圧ポンプユニット64に接続してある。したがって、回転モータ102を駆動すると、駆動歯車116、歯車120を介して中継パイプ118に回転力が伝達される。中継パイプ118は、スイベルジョイント112を介して後側パイプ124に接続してあるため、後側パイプ124に対して軸心回りに回転し、前側パイプ122、先端側ホース70aを一体に回転させる。これにより、先端側ホース70aに接続してある洗浄ノズル44が先端側ホース70aと一体に回転する。
【0022】
なお、回転モータ102の減速機114には、回転角センサ126が取り付けてあって、中継パイプ118、すなわち洗浄ノズル44の回転角度を検出できるようにしてある。移動ブロック104の両側には、図4、図6に示したように、ねじ軸90と平行に設けたガイドシャフト130、132を貫通させたブッシュユニット134、136が配設してある。これらのブッシュユニット134、136は、それぞれ固定板96に固定してあって、ナット部材94と一体にガイドシャフト130、132に沿って移動する。そして、ガイドシャフト130、132の両端は、取付け板86、92に支持させてある。
【0023】
アーム34は、実施形態の場合、先端に図7に示したネック部140を備えている。ネック部140は、先端側が上方に傾斜するように形成されており、その上端にテレスコピックに伸縮自在なポール42が設けてある。そして、ネック部140の内部には、長手方向に沿って複数のガイドローラ142が略千鳥状に配設してある。これらのガイドローラ142は、先端側ホース70aを洗浄ノズル44に案内するとともに、先端側ホース70aが繰り出されたときや、回転させられたときに、先端側ホース70aが撓んだりするのを防止できるようにしてある。すなわち、ガイドローラ142は、図8に示したように、軸方向中央部の周面に凹部144が形成された糸巻状をなし、この凹部144に先端側ホース70aを配置するようになっている。したがって、ノズル昇降機構80の昇降モータ82を駆動して耐圧ホース70を繰り出すと、比較的大きな剛性を有する耐圧ホース70によって洗浄ノズル44が押し上げられ、図9に示したように、ポール42が伸長させられる。
【0024】
すなわち、ノズル昇降機構80の昇降モータ82を正方向に回転させると、前記したようにねじ軸90が回転し、ナット部材94が図4、図6の左側、すなわちアーム34の先端側に移動する。このため、ノズル回転機構100の回転モータ102、移動ブロック104が固定板96を介してナット部材94と一体にアーム34の先端側に移動する。そして、移動ブロック104に回転自在に支持されている中継パイプ118が移動ブロック104とともにアーム34の先端側に移動し、中継パイプ118に接続されている前側パイプ122、後側パイプ124を介して耐圧ホース70がアーム34の先端側に繰り出され、洗浄ノズル44を押し上げてポール42を伸長させる。昇降モータ82を逆回転させると、回転モータ102、移動ブロック104がナット部材94と一体にねじ軸90に沿って後退し、耐圧ホース70が繰り入れられて洗浄ノズル44が下降し、ポール42が縮退する。なお、ネック部140は、ブラケット146を介してアーム34の内側筒体34aに結合するようになっている。
【0025】
上記の実施形態に係る洗浄装置30は、マニュアル洗浄と自動洗浄とが可能となっている。マニュアル操作による鉄道車両の床下の洗浄は、通常、全面粗洗浄と狭隘部局部洗浄とを組み合わせて行なわれるが、これに限定させるものではない。
【0026】
《全面粗洗浄》
全面粗洗浄は、車両床下の全面を洗浄するものである。車両床下を洗浄する場合、まず、作業者62は、洗浄装置30の台車32に搭乗し、図10に示したように、台車32を洗浄する車両14に横付けする。次に、作業者62は操作盤60を操作し、アーム34を伸長して車両14の側方より床下に挿入するとともに、洗浄ノズル44から温水等の洗浄液50を車両床下に向けて噴射する。そして、図10の矢印150に示したように、アーム34を伸縮させて床下の洗浄を行なう。このとき、伸縮自在なポール42は、原則として伸長させない。ただし、洗浄ノズル44は、適宜の周期で往復回転(首振り)させるようにしてよい。この洗浄ノズル44の首振り角度は、図5に示した回転角センサ126によって検出され、設定値となるように制御される。そして、台車32は、床下の全面を洗浄するために、適度の等速度で車両14に沿って走行させる。この際、アーム34を通過させることができない車輪152の部分においては、アーム34を車両床下から引き出し、車輪部を通過した位置で再度車両床下に挿入する。以上の作業を繰り返すことによって、車両床下の全面粗洗浄が行なわれる。
【0027】
《狭隘部局部洗浄》
全面粗洗浄を終了したならば、作業者62は、アーム34の先端に取り付けたCCDカメラ38による画像を、台車32に設けた操作盤60のモニタ表示パネルに表示させる。また、作業者62は、図11の矢印150のようにアーム34を伸縮させ、車両床下の洗浄状態をチェックする。そして、床下に取り付けた機器154a、154b間の狭隘部156のように、粗洗浄では充分に洗浄されていない部分が見つかった場合、同図の矢印158のようにポール42を伸長して洗浄ノズル44を狭隘部156に挿入し、洗浄ノズル44を矢印160のように首振り運動させながら狭隘部156の洗浄を行なう。
【0028】
《自動洗浄》
車両14の床下の自動洗浄は、次のようにして行なわれる。図12(1)に示したように、作業者62が台車32を車両14に横付けし、操作盤60を介して自動洗浄を選択すると、図示しない制御ユニットが駆動モータを駆動して矢印163のようにアーム34を伸長し、車両床下に挿入する。このアーム34の伸長時に、ポール42の上端に設けた高さセンサ56の基準位置(例えば、アーム34の基端)からの水平位置が伸縮センサ(図示せず)によって検出され、制御ユニットに入力される。また、高さセンサ56が洗浄ノズル44に対する床下までの距離を検出し、検出信号を制御ユニットに入力する。そして、制御ユニットは、これらの検出信号に基づいて、図12(2)に示したように、水平方向距離と、洗浄ノズル44から床下(車両床下面および機器145a、154bの下面)までの距離との関係を求め、この床下の形状データを記憶する。なお、このデータは、操作盤60のモニタ表示パネルに表示させるようにしてもよい。また、この床下形状の計測においても、アーム34に内蔵した洗浄ノズル44の回転機構100を制御し、高さセンサ56を洗浄ノズル44と一体に首を振らせて床下形状の測定を行なってもよい。
【0029】
この場合、高さセンサ56の首振り角度を図5に示した回転角センサ126によって検出し、高さセンサ56の検出信号との関係を求めることによって、二次元的に高さを計測することができる。また、高さセンサ56は、ノズルホルダ52に取り付けた例について説明したが、CCDカメラ38や照明装置40と同様に、アーム34の先端部に取り付けてもよい。この場合、高さセンサ56の検出距離から洗浄ノズル44と高さセンサ56の高さの差を差し引くことにより、洗浄ノズル44から車両床下までの距離を検出することができる。
【0030】
制御ユニットは、アーム34を車両14の反対側端まで伸長すると、アーム34を伸縮させる駆動モータを逆転させ、アーム34を縮退させるとともに、洗浄ノズル44から洗浄液50を噴射し、さらにアーム34に内蔵したノズル回転機構100を制御して洗浄ノズル44を首振り運動させ、床下の洗浄を開始する。さらに、制御ユニットは、記憶した車両床下の形状データに基づいて、アーム34に内蔵させたノズル昇降機構80を制御し、洗浄ノズル44を床下形状に沿って昇降、移動させる。すなわち、制御ユニットは、例えば洗浄ノズル44が機器154a、145b間の狭隘部156に移動してくると、図11に示したように、洗浄ノズル44を狭隘部156に挿入して狭隘部156の洗浄を行なう。そして、アーム34の伸縮一往復による洗浄が終了したならば、台車32を所定距離だけ車両14に沿って移動させ、前記と同様にして次の箇所の洗浄を行なう。
【0031】
このように、アーム34の伸長時に車両床下の形状を計測し、アーム34の縮退時に床下の洗浄を行なうようにすると、洗浄作業の効率を高めることが可能で、洗浄時間を短縮することができる。しかも、実施形態の洗浄装置30は、洗浄ノズル44が昇降可能となっているため、洗浄ノズル44を洗浄箇所に近づけて洗浄することができ、洗浄液50の噴射圧力を低下させることが可能で、ランニングコストを削減できるとともに、配線などに損傷を与えるおそれがない。また、実施形態の洗浄装置30は、洗浄ノズル44を昇降、回転させるアクチュエータが洗浄ノズル44を設けたヘッド部に設けられていないため、ヘッド部を小型化することができ、より狭隘な部分に洗浄ノズル44を挿入することができる。
【0032】
なお、前記自動洗浄においては、床下形状を測定したのちに洗浄する場合について説明したが、洗浄ノズルから床下までの距離を計測しつつ洗浄するようにしてもよい。また、前記実施形態においては、作業者62が台車32に搭乗してマニュアル洗浄を行なう場合について説明したが、作業者62が洗浄装置30から離れた位置で遠隔操作によりマニュアル洗浄や自動洗浄を行なってもよい。さらに、前記自動洗浄においては、アーム34の伸長時に床下形状を計測し、アーム34の縮退時に洗浄する場合について説明したが、車両14の床下全面の形状を計測したのちに洗浄するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、洗浄ノズルを昇降可能に形成したことにより、洗浄ノズルを機器間の狭隘部などに挿入することができ、狭隘部などを容易、確実に洗浄することができる。
また、本発明は、洗浄液を供給する管を介して洗浄ノズルを昇降、回転させるようにしているため、洗浄ノズルを設けたヘッド部を小さくすることができてより狭隘な部分に洗浄ノズルを挿入することができる。そして、位置センサと高さセンサとによって車両床下の凹凸状態を把握し、制御部がその凹凸に沿って洗浄ノズルを移動させることにより、洗浄ノズルと洗浄箇所との距離をほぼ一定に保持することができ、洗浄液の噴射圧力を従来より低くすることが可能で、ランニングコストの低減が図れるとともに、配線などに損傷を与えるおそれがない。さらに、アームの伸長時に車両床下の形状を計測し、アームの縮退時に洗浄をするようにすると、洗浄を効率的に行なうことができ、洗浄時間の短縮が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る車両床下洗浄装置の概略を示す斜視図である。
【図2】 図1のA部分の詳細説明図である。
【図3】 実施の形態に係る耐圧ホースの配置状態を示す模式図である。
【図4】 実施形態のアームに内蔵したノズル昇降機構の平面図である。
【図5】 実施の形態のアームに内蔵したノズル回転機構の説明図であって、(1)は側面図、(2)は(1)のB−B方向矢視図である。
【図6】 実施の形態に係るアームに内蔵したノズル昇降機構の側面図である。
【図7】 実施の形態に係るアームの先端の設けたネック部の断面図である。
【図8】 実施の形態に係るネック部の平面図である。
【図9】 実施の形態に係るポールを伸長させた状態の断面図である。
【図10】 実施の形態に係る車両床下洗浄装置による車両床下の全面粗洗浄の説明する図である。
【図11】 実施の形態に係る車両床下洗浄装置による狭隘部部分洗浄の説明図である。
【図12】 実施の形態に係る車両床下洗浄装置による自動洗浄の説明図である。
【図13】 従来の車両床下の洗浄方法を説明する図である。
【符号の説明】
14………車両、30………洗浄装置、32………台車、34………アーム、38………CCDカメラ、42………ポール、44………洗浄ノズル、50………洗浄液、56………高さセンサ、60………操作盤、64………高圧ポンプユニット、66………ヒータ付貯水槽、70………管(耐圧ホース)、70a………先端側ホース、70b………基端側ホース、80………ノズル昇降機構、82………昇降モータ、90………ねじ軸、94………ナット部材、100………ノズル回転機構、102………回転モータ、116………駆動歯車、118………中継パイプ、112………スイベルジョイント、104………移動ブロック、122………前側パイプ、124………後側パイプ、126………回転角センサ。
Claims (3)
- 車両に沿って移動可能な台車に設けられて車両床下に挿入可能に伸縮自在とされたアームと、このアーム先端に設けられ伸縮自在のポールとを有し、前記アームとポールには洗浄液供給ホースを内挿し、前記ポールには前記ホース先端部に取り付けた洗浄ノズルを設けるとともに、当該洗浄ノズルを前記ポール先端部に回転可能に取り付けてなり、前記アーム部分には前記ホースの回転機構とホースの繰り出しと繰り入れをなす洗浄ノズル昇降機構を設けたことを特徴とする車両床下洗浄装置。
- 請求項1記載の車両床下洗浄装置において、
前記アームに取り付けられて前記洗浄ノズルと前記車両床下との距離を検出する高さセンサと、
この高さセンサの基準位置に対する水平方向位置を検出する位置センサと、
この位置センサと前記高さセンサとの検出信号に基づいて、前記アームを伸縮するとともに前記ノズル昇降機構を制御し、前記洗浄ノズルを前記車両床下の形状に沿って移動させる制御部と、
を有することを特徴とする車両床下洗浄装置。 - 請求項2に記載の車両床下洗浄装置において、
前記制御部は、前記アームの伸長時に前記位置センサと前記高さセンサとの検出信号に基づいて前記車両床下の形状を計測し、前記アームの縮退時に前記洗浄ノズルを前記車両床下の形状に沿って移動させつつ洗浄を行なう、
ことを特徴とする車両床下洗浄装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002211214A JP3846629B2 (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 車両床下洗浄装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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