JP3846612B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、アクティブマトリクス型の液晶画素により構成される液晶パネルを有し、信号ラインを介して液晶画素に印加する信号極性を、液晶画素の対向電極のコモン信号Vcomに対して、信号ライン1本毎に反転するように設定するドット反転駆動用の信号ドライバを備えた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化社会への急激な進展に伴って、パーソナルコンピュータのモニタや、大型ディスプレイ、テレビジョンの代替えとして液晶表示装置の普及が著しい。
液晶表示装置(Liquid Crystal Display;以下、LCDと略記する)は、従来ディスプレイの主流であったブラウン管(CRT)に比較して、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を有しており、今後のディスプレイの主流になるものと期待されている。そのため、更なる大画面化、高精細化、高品質化に対応した技術の確立が求められている。
従来のLCDの構成について、図面を参照して簡単に説明する。
図8は、従来採用されてきた片側駆動方式のLCDの概略構成図である。
図8において、10は液晶パネル、20は信号ドライバ(ソースドライバともいう)、30は走査ドライバ(ゲートドライバともいう)、40はLCDコントローラ、50はRGBデコーダである。
【0003】
液晶パネル10は、マトリクス状に配置された画素電極と、画素電極にソースが接続された、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下、TFTと略記する)と、マトリクスの行方向に延伸し、複数のTFTのゲートに接続された走査ラインと、列方向に延伸し、複数のTFTのドレインに接続された信号ラインと、画素電極に対向して配置された対向電極(共通電極ともいう)と、画素電極と対向電極の間に充填された液晶により構成される。
信号ドライバ20には各信号ラインが接続され、水平制御信号に基づいて、所定の画像データを1行単位で記憶し、対応する画像信号を各信号ラインに順次供給する。また、走査ドライバ30には各走査ラインが接続され、垂直制御信号に基づいて、走査ラインに走査信号を順次印加して選択状態とし、上記信号ラインと交差する位置の画素電極に、上記信号ラインに供給された画像信号の電圧を印加する。
【0004】
LCDコントローラ40は、RGBデコーダ50から供給される水平クロック信号、垂直クロック信号及び同期信号に基づいて、水平制御信号及び垂直制御信号を生成して、信号ドライバ20及び走査ドライバ30に供給することにより、所定のタイミングで画素電極に信号電圧を印加して、液晶パネル10に画像データを表示させる制御を行う。また、RGBデコーダ50は、液晶パネル10に表示する画像データに含まれる色成分を、例えば各8ビット幅のデジタルRGB信号(D00〜D07、D10〜D17、D20〜D27;計24ビット)に変換して信号ドライバ20に供給するとともに、画像データの表示タイミングを設定する水平クロック信号、垂直クロック信号及び同期信号を生成する。
【0005】
上記構成のLCDにおいて、各行の走査信号がオンの期間に、信号ラインに供給された画像信号電圧をTFTを介して画素電極に印加することにより、画素電極及び対向電極間に液晶を介在させた画素容量に、印加電圧と対向電極に印加される一定電圧のコモン信号Vcomとの電位の差が充電され、印加された画像信号に対応した表示が実現される。ここで、LCDの駆動方法としては、液晶画素に印加される電圧の変化方向によって画面がちらついて見える、交流駆動が行われるが、液晶画素に印加される電圧の反転周期や反転する画素間隔によっては画面がちらついて見える、いわゆるフリッカ現象が生じる。このフリッカー現象を低減させるために、1フィールド毎(フィールド反転駆動)、1ゲートライン毎(ライン反転駆動)、あるいは1ドット毎(ドット反転駆動)に液晶素子への印加電圧の極性を、コモン信号Vcomに対して正負に反転させる駆動方式が採用されており、その中でドット反転駆動方式がフリッカー低減に最も効果があるため、採用されることが多くなっている。
また、近年においては、液晶表示装置の額縁部分をできるだけ小さくすることが要求され、信号ドライバを片側だけに配置することが行われている。その構成でドット反転駆動を行えるようにするために、出力端子に出力される信号のコモン信号Vcomに対する極性が1端子毎、すなわち、1信号ライン毎に自動的に反転された状態に設定されるドット反転駆動用の信号ドライバ(以下、ドット反転用ドライバという)が開発され、信号ドライバとしてはこの形式が主流となっている。
【0006】
ところで、XGAあるいは1280×1024ドットのSXGAのように画素数が極めて多く、高精細なLCDにおいて、上述したドット反転用ドライバを液晶パネルの片側に配置した片側駆動方式の構造を採用した場合、クロック周波数が高くなり、現状のドライバでは対応できない場合がある、という問題がある。そこで、図9に示すように、信号ドライバを液晶パネル10の上方及び下方の両側に設け、隣り合う信号ラインを櫛歯状に上下に引き出し、各々の信号ラインDL1、DL2、DL3、…を上方及び下方の各信号ドライバ20a、20bに交互に接続配線することによって、クロック周波数を半減するとともに、液晶パネル10との接続ピッチを拡げた構成が採用されるようになってきている。しかしながら、このような構成のLCDにおいては、以下に示すような問題が指摘されている。
【0007】
ドット反転専ドライバを液晶パネルの上方及び下方の両側に配置した場合の問題点については、特開平10−187097号公報に記載されている。すなわち、液晶パネルの上方及び下方に信号ドライバ(信号ドライバ20a、20b)を配置した両側駆動方式のLCDにおいて、信号ドライバに上記ドット反転用ドライバを用いた場合には、信号ドライバ20aにより信号ラインに印加される極性は、図10(a)に示すように、偶数フレームの場合、R1(+)、B1(−)、G2(+)、R3(−)、…であり、一方、信号ドライバ20bではG1(+)、R2(−)、B2(+)、…となるため、液晶パネルにおける偶数フレームの画素電極に印加される信号極性は、図10(b)に示すように、R1(+)、G1(+)、B1(−)、R2(−)、G2(+)、B2(+)、…となる。なお、奇数フレームの場合では、上述した偶数フレームの場合とは反対の極性が印加される。
したがって、ドット反転用ドライバを液晶パネルの上方及び下方に配置し、信号ラインを交互に上下に引き出して接続して駆動した場合には、連続する2本の信号ラインに同一の極性の信号電圧が印加されることになり、1ドット毎に信号電圧の極性を反転する本来のドット反転駆動とはならず、表示画面全体にわたって縦縞状に輝度差が生じ、表示画質が損なわれるという問題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平10−187097号公報には、このような問題点に着目し、図11に示すように、液晶パネル10の上方及び下方に設けられたドット反転用ドライバである信号ドライバ20a、20bに対して、隣り合う信号ライン(ソースバス)を2本ずつ櫛歯状に上下に取り出して接続配線し、1クロック毎に入力される2組のRGB信号(合計6信号)をマルチプレクサ60により入れ替えて信号ドライバ20a、20bに供給することにより、各信号ラインに出力する信号極性を信号ライン1本毎に反転させ、ドット反転駆動を実現する構成が記載されている。
しかしながら、このような構成のLCDにおいては、信号ドライバ20a、20bに入力する画像信号の構成がクロック毎に異なるため、信号ドライバの前段にマルチプレクサ60を設置し、入力データの入れ替えを行うことが必要となるため、周辺回路構成が複雑になるとともに、入力データの処理が煩雑になるという問題を有している。
【0009】
そこで、本発明は、液晶パネルの上方及び下方にドット反転用ドライバを備えつつ、簡易な回路構成でドット反転駆動を良好に実現して表示画質の向上を図ることができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の液晶表示装置は、マトリクス状に配列された複数の液晶画素と、前記複数の液晶画素を行方向及び列方向に接続する複数の信号ライン及び走査ラインと、所定の走査信号を順次シフトさせて印加し、前記走査ラインを順次選択する走査ドライバと、前記信号ラインに画像信号を印加する信号ドライバと、を備えた液晶表示装置において、前記信号ドライバは、前記信号ラインに印加するa(aは正の整数)個のRGB画素分の画像信号を入力する入力系を有する第1及び第2のドット反転用ドライバから構成され、前記第1のドット反転用ドライバは、前記複数の信号ラインの隣接する3a×n本(nは正の整数)を一組とする複数のグループのうち、nが奇数番目のグループに属する信号ライン群を駆動し、また、前記第2のドット反転用ドライバは、nが偶数番目のグループに属する信号ライン群を駆動することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の液晶表示装置は、請求項1記載の液晶表示装置において、前記第1及び第2のドット反転用ドライバは、前記信号ラインに印加する3ドット(RGB画素1個分)の画像信号を入力する入力系を有するドット反転用ドライバから構成され、前記第1のドット反転用ドライバは、前記複数の信号ラインの隣接する3本を一組とする複数のグループのうち、奇数番目のグループに属する信号ライン群を駆動し、また、前記第2のドット反転用ドライバは、偶数番目のグループに属する信号ライン群を駆動することを特徴とする。また、請求項3記載の液晶表示装置は、請求項1記載の液晶表示装置において、前記第1及び第2のドット反転用ドライバは、前記信号ラインに印加する6ドット(RGB画素2個分)の画像信号を入力する入力系を有するドット反転用ドライバから構成され、前記第1のドット反転用ドライバは、前記複数の信号ラインの隣接する6本を一組とする複数のグループのうち、奇数番目のグループに属する信号ライン群を駆動し、また、前記第2のドット反転用ドライバは、偶数番目のグループに属する信号ライン群を駆動することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
本実施形態に係る液晶表示装置は、信号ドライバへの画像信号の入力が、3ドット(RGB画素1個分)の画像信号を入力する1入力系統であって、かつ、液晶パネルの信号ラインが3n(nは正の整数)本ずつを1グループとして交互に上下に引き出され、液晶パネルの上方及び下方に配置された個別の信号ドライバに接続されるとともに、この信号ドライバが、信号ラインを介して画素電極に印加する信号極性を、隣り合う信号ライン相互でコモン信号Vcomに対して反転して供給するドット反転用ドライバであることを特徴としている。
図1は、本発明に係る液晶表示装置の第1の実施形態を示す要部構成図である。ここで、上述した従来技術と同等の構成については、その説明を簡略化する。図1において、10は液晶パネル、20a、20bは信号ドライバ、30は走査ドライバ、DL1、DL2、DL3、DL4、DL5、…は信号ライン、SL1、SL2、SL3、SL4、SL5、…は走査ラインである。ここで、液晶パネル10は、上述したように、SVGAやXGA等に対応する画素数を有するものであるが、説明に都合上、簡略化して図示した。
【0013】
各構成の機能は概略以下の通りである。
液晶パネル10は、2枚の透明絶縁基板間に液晶が封入、封止され、各基板の対向面に複数の信号ライン及び走査ラインをマトリクス状に配線し、その交点にTFTを介して画素電極と対向電極からなる画素容量を有して構成される。
信号ドライバ20aは、液晶パネル10の上方に配置され、信号ドライバ20bは、液晶パネル10の下方に配置される。そして、液晶パネル10に配置された信号ラインDL1、DL2、DL3、DL4、DL5、…のうち、互いに隣り合う3本の信号ライン群(DL1、DL2、DL3)、(DL4、DL5、DL6)、(DL7、DL8、DL9)、…をそれぞれ一組としてグループ化し、奇数番目となる信号ライン群(DL1、DL2、DL3)、(DL7、DL8、DL9)、…を液晶パネルの上方に引き出して、信号ドライバ20aに接続配線し、一方、偶数番目となる信号ライン群(DL4、DL5、DL6)、(DL10、DL11、DL12)、…を液晶パネルの下方に引き出して、信号ドライバ20bに接続配線する。
また、信号ドライバ20a、20bは、例えば各8ビット幅(D00〜D07、D10〜D17、D20〜D27)の3ドット(RGB画素1個分)の画像信号を入力処理する1入力系統を有するとともに、互いに隣り合う信号ラインを介して画素電極に印加されるR、G、Bの各信号の極性を、画素容量を構成する対向電極のコモン信号Vcomに対して交互に反転するように設定する、ドット反転用ドライバが採用されている。
【0014】
走査ドライバ30は、液晶パネル10の行方向に配線された走査ラインに走査信号を順次供給して選択状態とし、信号ラインに供給されるR、G、B各信号に応じて、画素電極への書き込みを可能とする。
ここで、本実施形態の信号ドライバ20a、20bに良好に適用されるデジタルドライバの構成について、図2を参照して説明する。
図2において、21はシフトレジスタ、22はデータレジスタ、23はラッチ回路、24はレベルシフタ、25はD/Aコンバータ、26は出力バッファである。
図2に示すようなデジタル方式のドライバは、まず、時系列的に供給される所定のデジタルRGB信号を、シフトレジスタ21から送出されるサンプリングクロックのタイミングにしたがって、R、G、Bの3信号を一組として順次サンプリングして、液晶パネルの1行分のRGB信号をデータレジスタ22に取り込み、ラッチパルスLPのタイミングでラッチ回路23に保持する。次いで、ラッチ回路23に保持されたRGB信号をレベルシフタ24で駆動電源レベルへレベルシフトした後、D/Aコンバータ25により階調電圧V0〜V9に基づいてディジタル・アナログ変換処理することによりアナログ信号化する。このとき、奇数出力と偶数出力とでコモン信号Vcomに対して逆極性となる階調電圧を用いて変換し、出力バッファ26を介して各信号ラインに供給する。これにより出力端子1本毎にコモン信号Vcomに対して極性が反転された出力信号が各信号ラインに供給される。これにより、図示を省略した走査ドライバにより選択状態にある走査ラインに接続された液晶画素に所定の信号電圧を印加して駆動するものである。
【0015】
次に、本実施形態における液晶表示装置の動作について、図面を参照して説明する。
図3は、信号ドライバ20a、20bへの入力信号内容と出力される信号の極性、及び、液晶パネルの各フレームにおける信号ラインごとの信号極性を示す図である。
上述した構成を有する液晶表示装置によれば、信号ドライバ20aに印加される入力信号はR1G1B1,R3G3B3,…であり、それにより各信号ラインDL1、DL2、DL3、DL7、DL8、DL9、…に印加される極性は、図3(a)に示すように、偶数フレームの場合、R1(+)、G1(−)、B1(+)、R3(+)、G3(−)、B3(+)、…となり、信号ライン群(DL1、DL2、DL3)、(DL7、DL8、DL9)内において、コモン信号Vcomに対して極性が交互に反転する。一方、信号ドライバ20bに印加される入力信号はR2G2B2,R4G4B4,…であり、それにより各信号ラインDL4、DL5、DL6、DL10、DL11、DL12、…に印加される極性は、R2(−)、G2(+)、B2(−)、R4(−)、G4(+)、B4(−)、…となり、信号ライン群(DL4、DL5、DL6)、(DL10、DL11、DL12)内においても、コモン信号Vcomに対して極性が交互に反転する。これらによって、液晶パネルにおける偶数フレームの画素電極に印加される信号極性は、図3(b)に示すように、R1(+)、G1(−)、B1(+)、R2(−)、G2(+)、B2(−)、…となって、1ドット毎に信号極性が反転する、ドット反転駆動が実現される。
【0016】
また、奇数フレームの場合、上述した偶数フレームの場合とは反対に、信号ドライバ20aにより出力される信号極性は、R1(−)、G1(+)、B1(−)、R3(−)、G3(+)、B3(−)、…となり、一方、信号ドライバ20bにより出力される信号極性は、R2(+)、G2(−)、B2(+)、R4(+)、G4(−)、B4(+)、…となるため、信号ライン群(DL1、DL2、DL3)、(DL4、DL5、DL6)、(DL7、DL8、DL9)のそれぞれにおいても、コモン信号Vcomに対して極性が交互に反転する。これらによって、各画素電極に印加される信号極性も、R1(−)、G1(+)、B1(−)、R2(+)、G2(−)、B2(+)、…となって、ドット反転駆動が実現される(図3(a)、(b)参照)。
【0017】
このように、ドット反転用ドライバを液晶パネルの上方及び下方に配置し、信号ラインをRGB信号に対応する3本ずつグループ化して、交互に上下に引き出して接続配線して、信号ライン毎に印加される信号の極性を反転させることにより、同一の信号極性の連続が阻止され、各フレームにおいてドット反転駆動が実現されることになり、表示画質の向上を図ることができる。ここで、信号ドライバ20a、20bに入力される画像信号は、R、G、Bの3信号を一組として規則的なパターンで入力処理することができるため、従来技術に示したように、入力信号の入れ替え等の複雑な処理を行う必要がない。そのため、マルチプレクサ等の周辺回路を必要としないので、簡易な構成で上記効果を奏することができる。
【0018】
また、色表示を決定する一組のRGB画素を、1つの信号ドライバにより駆動するので、RGB画素を異なる信号ドライバに分けて駆動する場合に比較して、ドライバ自体が有する特性差の影響を受けにくくなり、RGBの表示バランスを良好に維持することができる。
さらに、液晶パネルの上方及び下方に信号ドライバを設けたことにより、片側駆動の場合に比較して、クロック速度を1/2に低減することができるため、回路構成を容易に実現することができ、また、信号ドライバと液晶パネルの接続ピッチを広くすることができる。
なお、本実施形態においては、信号ラインのグループ化を一組のRGB信号に対応させた場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、色表示を決定する一組のRGB画素のn倍に対応する信号ライン、すなわち、3、6、9、…本をグループ化して、上方あるいは下方の信号ドライバに交互に接続配線するものであってもよい。
【0019】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る液晶表示装置の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る液晶表示装置は、信号ドライバへの画像RGB信号の入力が、3ドット(RGB画素1個分)の画像信号を入力する1入力系統であって、かつ、液晶パネルの信号ラインが6n(nは正の整数)本ずつを1グループとして交互に上下に引き出され、液晶パネルの上方及び下方に配置された個別の信号ドライバに接続されるとともに、この信号ドライバが、信号ラインを介して画素電極に印加する信号極性を、隣り合う信号ライン相互でコモン信号Vcomに対して反転して供給するドット反転用ドライバであることを特徴としている。
【0020】
図4は、本実施形態に係る液晶表示装置の要部構成図である。ここで、上述した従来技術と同等の構成については、その説明を省略する。
図4において、信号ドライバ20a、20bは、液晶パネル10の上方及び下方に配置され、液晶パネル10に配置された信号ラインDL1、DL2、DL3、DL4、DL5、…のうち、互いに隣り合う6本の信号ライン群(DL1〜DL6)、(DL7〜DL12)、(DL13〜DL18)、…をそれぞれ一組としてグループ化し、奇数番目となる信号ライン群(DL1〜DL6)、(DL13〜DL18)、…を液晶パネルの上方に引き出して、信号ドライバ20aに接続配線し、一方、偶数番目となる信号ライン群(DL7〜DL12)、(DL19〜DL24)、…を液晶パネルの下方に引き出して、信号ドライバ20bに接続配線する。
また、信号ドライバ20a、20bは、上述した実施形態と同様に、例えば各8ビット幅(D00〜D07、D10〜D17、D20〜D27)のR、G、Bの3信号を一組として入力処理する1入力系統を有するとともに、互いに隣り合う信号ラインを介して画素電極に印加されるR、G、Bの各信号の極性を、画素容量を構成する対向電極のコモン信号Vcomに対して交互に反転するように設定する、ドット反転用ドライバが採用されている。
【0021】
次に、本実施形態における液晶表示装置の動作について、図面を参照して説明する。
図5は、信号ドライバ20a、20bから出力される信号の極性と、液晶パネルの各フレームにおける信号極性を示す図である。
上述した構成を有する液晶表示装置によれば、信号ドライバ20aに印加される入力信号はR1G1B1,R2G2B2,…であり、それにより各信号ラインDL1、DL2、DL3、DL4、DL5、DL6、…に印加される極性は、図5(a)に示すように、偶数フレームの場合、信号ドライバ20aではR1(+)、G1(−)、B1(+)、R2(−)、G2(+)、B2(−)、…となり、信号ライン群(DL1〜DL6)、(DL13〜DL18)内において、コモン信号Vcomに対して極性が交互に反転する。一方、信号ドライバ20bに印加される入力信号はR3G3B3,R4G4B4,…であり、それにより各信号ラインDL7、DL8、DL9、DL10、DL11、DL12、…に印加される極性は、R3(+)、G3(−)、B3(+)、R4(−)、G4(+)、B4(−)、…となり、信号ライン群(DL7〜DL12)、(DL19〜DL24)内においても、コモン信号Vcomに対して極性が交互に反転する。これらによって、液晶パネルにおける偶数フレームの画素電極に印加される信号極性は、図5(b)に示すように、R1(+)、G1(−)、B1(+)、R2(−)、G2(+)、B2(−)、…となって、1ドット毎に信号極性が反転する、ドット反転駆動が実現される。
【0022】
また、奇数フレームの場合、上述した偶数フレームの場合とは反対に、信号ドライバ20aではR1(−)、G1(+)、B1(−)、R2(+)、G2(−)、B2(+)、…となり、一方、信号ドライバ20bではR3(−)、G3(+)、B3(−)、R4(+)、G4(−)、B4(+)、…となるため、信号ライン群(DL1〜DL6)、(DL7〜DL12)、(DL13〜DL18)のそれぞれにおいても、コモン信号Vcomに対して極性が交互に反転する。これらによって、画素電極に印加される信号極性も、R1(−)、G1(+)、B1(−)、R2(+)、G2(−)、B2(+)、…となって、ドット反転駆動が実現される(図5(a)、(b)参照)。
ここで、信号ドライバ20a、20bは、図2に示した構成において、時系列的に供給される所定のデジタルRGB信号を、信号ラインのグループ化に対応させて2つに分周し、シフトレジスタ21から送出されるサンプリングクロックのタイミングにしたがって、R、G、Bの3信号を2回(6信号分を一組として)ずつ順次サンプリングして、液晶パネルの1行分のRGB信号をデータレジスタ22に取り込むように入力処理を実行する。
【0023】
このように、ドット反転用ドライバを液晶パネルの上方及び下方に配置し、信号ラインをRGB信号に対応する6本ずつグループ化して、交互に上下に引き出して接続配線して、信号ライン毎に印加される信号の極性を反転させることにより、同一の信号極性の連続が阻止され、各フレームにおいてドット反転駆動が実現されることになり、表示画質の向上を図ることができる。また、信号ドライバ20a、20bに入力される画像信号は、R、G、Bの3信号を一組として規則的なパターンで入力処理することができるため、入力信号の入れ替え等の複雑な処理を行う必要がなく、簡易な構成で上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態においては、信号ラインのグループ化を一組のR、G、B、R、G、Bの6信号に対応させた場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、6信号のn倍に対応する信号ライン、すなわち、6、12、…本をグループ化して、上方あるいは下方の信号ドライバに交互に接続配線するものであってもよい。
【0024】
<第3の実施形態>
次に、本発明に係る液晶表示装置の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る液晶表示装置は、信号ドライバへの画像信号の入力が、6ドット(RGB画素2個分)の画像信号、すなわち、R、G、B、R、G、Bの6信号を一括して入力する2入力系統であって、かつ、液晶パネルの信号ラインが6n(nは正の整数)本ずつを1グループとして交互に上下に引き出され、液晶パネルの上方及び下方に配置された個別の信号ドライバに接続されるとともに、この信号ドライバが、信号ラインを介して画素電極に印加する信号極性を、隣り合う信号ライン相互でコモン信号Vcomに対して反転して供給するドット反転用ドライバであることを特徴としている。
【0025】
図6は、本実施形態に係る液晶表示装置の要部構成図である。ここで、上述した従来技術と同等の構成については、その説明を省略する。
図6において、上述した第2の実施形態と同様に、信号ドライバ20a、20bは、液晶パネル10の上方及び下方に配置され、液晶パネル10に配置された互いに隣り合う6本の信号ライン群(DL1〜DL6)、(DL7〜DL12)、(DL13〜DL18)、…をそれぞれ一組としてグループ化し、奇数番目となる信号ライン群(DL1〜DL6)、(DL13〜DL18)、…を液晶パネルの上方に引き出して、信号ドライバ20aに接続配線し、偶数番目となる信号ライン群(DL7〜DL12)、(DL19〜DL24)、…を液晶パネルの下方に引き出して、信号ドライバ20bに接続配線する。
また、信号ドライバ20a、20bは、例えば各8ビット幅(D00〜D07、D10〜D17、D20〜D27、D30〜D37、D40〜D47、D50〜D57)のR、G、B、R、G、Bの6信号、すなわち、二組のRGB信号を入力処理する2入力系統を有するとともに、互いに隣り合う信号ラインを介して画素電極に印加されるR、G、Bの各信号の極性を、画素容量を構成する対向電極のコモン信号Vcomに対して交互に反転するように設定する、ドット反転用ドライバが採用されている。
【0026】
次に、本実施形態における液晶表示装置の動作について、図面を参照して説明する。
図7は、信号ドライバ20a、20bから出力される信号の極性と、液晶パネルの各フレームにおける信号極性を示す図である。
上述した構成を有する液晶表示装置によれば、信号ドライバ20aに印加される入力信号はR1G1B1R2G2B2,R5G5B5R6G6B6,…であり、それにより各信号ラインDL1、DL2、DL3、DL4、DL5、DL6、…に印加される極性は、図7(a)に示すように、偶数フレームの場合、信号ドライバ20aではR1(+)、G1(−)、B1(+)、R2(−)、G2(+)、B2(−)、…となり、信号ライン群(DL1〜DL6)、(DL13〜DL18)内において、コモン信号Vcomに対して極性が交互に反転する。一方、信号ドライバ20bに印加される入力信号はR3G3B3R4G4B4,R7G7B7R8G8B8,…であり、それにより各信号ラインDL7、DL8、DL9、DL10、DL11、DL12、…に印加される極性は、R3(+)、G3(−)、B3(+)、R4(−)、G4(+)、B4(−)、…となり、信号ライン群(DL7〜DL12)、(DL19〜DL24)内においても、コモン信号Vcomに対して極性が交互に反転する。これらによって、液晶パネルにおける偶数フレームの画素電極に印加される信号極性は、図7(b)に示すように、R1(+)、G1(−)、B1(+)、R2(−)、G2(+)、B2(−)、…となって、第2の実施形態の場合と同様に、1ドット毎に信号極性が反転する、ドット反転駆動が実現される。
【0027】
また、奇数フレームの場合においても、第2の実施形態の場合と同様に、信号ライン群(DL1〜DL6)、(DL7〜DL12)、(DL13〜DL18)のそれぞれにおいても、コモン信号Vcomに対して極性が交互に反転し、かつ、画素電極に印加される信号極性も、R1(−)、G1(+)、B1(−)、R2(+)、G2(−)、B2(+)、…となって、ドット反転駆動が実現される(図7(a)、(b)参照)。
ここで、信号ドライバ20a、20bは、図2に示した構成において、時系列的に供給される所定のデジタルRGB信号を、信号ラインのグループ化に対応させて2つに分周し、シフトレジスタ21から送出されるサンプリングクロックのタイミングにしたがって、R、G、B、R、G、Bの6信号を一組として順次サンプリングして、液晶パネルの1行分のRGB信号をデータレジスタ22に取り込むように入力処理を実行する。
【0028】
このように、ドット反転用ドライバを液晶パネルの上方及び下方に配置し、信号ラインをRGB信号に対応する6本ずつグループ化して、交互に上下に引き出して接続配線して、信号ライン毎に印加される信号の極性を反転させることにより、同一の信号極性の連続が阻止され、各フレームにおいてドット反転駆動が実現されることになり、表示画質の向上を図ることができる。また、信号ドライバ20a、20bに入力される画像信号は、R、G、B、R、G、Bの6信号を一組として規則的なパターンで入力処理することができるため、入力信号の入れ替え等の複雑な処理を行う必要がなく、簡易な構成で上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態においては、信号ラインのグループ化を一組のR、G、B、R、G、Bの6信号に対応させた場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、6信号のn倍に対応する信号ライン、すなわち、6、12、…本をグループ化して、上方あるいは下方の信号ドライバに交互に接続配線するものであってもよい。
さらに、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、信号ドライバに入力される画像信号がRGB画素のa個分である場合に、信号ラインのグループ化本数を3a×n本として、上方あるいは下方の信号ドライバに交互に接続配線するものであってもよい。
【0029】
【発明の効果】
請求項1乃至3記載の液晶表示装置によれば、液晶パネルの上方及び下方にドット反転用ドライバを備えた液晶表示装置において、上方及び下方のドット反転用ドライバが、信号ラインに印加するa(aは正の整数)個のRGB画素分の画像信号を入力する入力系を有するとともに、上方又は下方のドット反転用ドライバにより、複数の信号ラインの隣接する3a×n本ずつの複数のグループのうち、nが偶数番目又は奇数番目のグループに属する信号ライン群を個別に駆動することにより、同一の信号極性の連続が阻止され、各フレームにおいてドット反転駆動が良好に実現されるため、表示画質の向上を図ることができる。また、信号データを規則的なパターンとして信号ドライバに入力することができるため、入力信号の入れ替え等の複雑な処理を行う必要がなく、簡易な構成で上記効果を奏することができる。さらに、色表示を決定する一組のRGB画素を、1つの信号ドライバにより駆動するので、RGB画素を異なる信号ドライバに分けて駆動する場合に比較して、信号ドライバ自体が有する特性差の影響を受けにくくなり、RGBの表示バランスを良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る液晶表示装置の要部構成図である。
【図2】本実施形態に適用されるデジタルドライバの構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態における信号極性を示す図である。
【図4】第2の本実施形態に係る液晶表示装置の要部構成図である。
【図5】第2の実施形態における信号極性を示す図である。
【図6】第3の本実施形態に係る液晶表示装置の要部構成図である。
【図7】第3の実施形態における信号極性を示す図である。
【図8】片側駆動方式のLCDの概略構成図である。
【図9】両側駆動方式のLCDの概略構成図である。
【図10】従来技術における信号極性を示す図である。
【図11】従来技術における両側駆動方式のLCDの他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10 液晶パネル
20、20a、20b 信号ドライバ
30 走査ドライバ
40 LCDコントローラ
50 RGBデコーダ
60 マルチプレクサ

Claims (3)

  1. マトリクス状に配列された複数の液晶画素と、前記複数の液晶画素を行方向及び列方向に接続する複数の信号ライン及び走査ラインと、所定の走査信号を順次シフトさせて印加し、前記走査ラインを順次選択する走査ドライバと、前記信号ラインに画像信号を印加する信号ドライバと、を備えた液晶表示装置において、
    前記信号ドライバは、前記信号ラインに印加するa(aは正の整数)個のRGB画素分の画像信号を入力する入力系を有する第1及び第2のドット反転用ドライバから構成され、
    前記第1のドット反転用ドライバは、前記複数の信号ラインの隣接する3a×n本(nは正の整数)を一組とする複数のグループのうち、nが奇数番目のグループに属する信号ライン群を駆動し、また、前記第2のドット反転用ドライバは、nが偶数番目のグループに属する信号ライン群を駆動することを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶表示装置において、前記第1及び第2のドット反転用ドライバは、前記信号ラインに印加する3ドット(RGB画素1個分)の画像信号を入力する入力系を有するドット反転用ドライバから構成され、
    前記第1のドット反転用ドライバは、前記複数の信号ラインの隣接する3本を一組とする複数のグループのうち、奇数番目のグループに属する信号ライン群を駆動し、また、前記第2のドット反転用ドライバは、偶数番目のグループに属する信号ライン群を駆動することを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶表示装置において、前記第1及び第2のドット反転用ドライバは、前記信号ラインに印加する6ドット(RGB画素2個分)の画像信号を入力する入力系を有するドット反転用ドライバから構成され、
    前記第1のドット反転用ドライバは、前記複数の信号ラインの隣接する6本を一組とする複数のグループのうち、奇数番目のグループに属する信号ライン群を駆動し、また、前記第2のドット反転用ドライバは、偶数番目のグループに属する信号ライン群を駆動することを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
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