JP3846395B2 - Mos型半導体装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板の表面層に分散して金属−酸化膜−半導体(MOS)構造のゲートを持つ複数のソース領域が設けられるMOS型電界効果トランジスタ(以下MOSFETと記す)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタなどのMOS型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング回路において、オン抵抗の低さやスイッチング速度の速さからMOS型半導体装置が多用されている。図4(a)〜(c)はMOS型半導体装置の一つである従来のMOSFETの例を示し、(a)が平面図、(b)が(a)のC−C線断面図、(c)が(a)のD−D線断面図である。すなわち、n型半導体層1の表面層に複数のp+ ウェル領域2とその周囲のpチャネル領域3が方形に形成され、さらにその表面層にn+ ソース領域4が形成されている。そして、例えば多結晶シリコンからなるゲート電極5がpチャネル領域3のn+ ソース領域4とn型層1の露出面とに挟まれた部分の上にゲート酸化膜6を介して設けられている。p+ ウェル領域2及びn+ ソース領域4に共通に接触して、Al−Si合金からなるソース電極8が設けられ、ホウ素燐シリカガラス(BPSG)からなる層間絶縁膜7によって絶縁されて、ゲート電極5の上に延長されている。図示していないが、n型半導体層1の裏面側にAl−Si合金からなるドレイン電極が設けられている。図のようなpチャネル領域3の上下にn+ ソース領域4、ソース電極8などを持った単位の構造をセル構造と呼ぶことにする。図4(a)に方形のセル構造を描き、説明も方形としているが、実際の半導体装置においては、角部が直角或いはそれ以下の角度をもつことは少なく、通常、多少丸みを持ったアール形状とするか、角を少し削った八角形にすることが多い。ここでは、また以降でも、二組の平行線からなる四つの主辺をもち、それらの延長が直角に近い角度で交わるものを方形と呼ぶ。実際のMOSFETにおいては、このようなセル構造が多数並置されている。なお、n型層1は、n型半導体基板自体でも、p型或いはn型半導体基板上にエピタキシャル法等により積層された半導体層でもよい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、スイッチング回路において、そのスイッチングデバイスであるMOSFETはスナバ回路の省略等の回路の簡略化、装置の小型化等により、発生したサージ電圧を受けやすくなってきている。このことは、MOSFETにとって破壊の原因につながり、その破壊耐量(アバランシェ耐量)の向上が求められてきている。このようなMOSFETのアバランシェ耐量を向上させるため、p+ ウェル領域2の拡散深さを深くすることが行われる。しかし、p+ ウェル領域2の拡散深さを深くすると、オン抵抗などの他の特性に影響がでてしまう。図5は、900V、5A級の素子におけるp+ ウェル領域2の拡散深さとアバランシェ耐量(実線)およびオン抵抗(破線)の関係を示す。横軸がp+ ウェル領域2の拡散深さ、たて軸がアバランシェ耐量およびオン抵抗である。p+ ウェル領域2を深くすると、アバランシェ耐量は向上するが、オン抵抗も増大してしまうことがわかる。従って、アバランシェ耐量の向上と他の特性との両立を図るためには、製造プロセス条件等の決定のための実験を行わなければならず、時間がかかってしまう。その上、各特性との両立を図るため、アバランシェ耐量の向上も制限されてしまう等の問題点があった。
【0004】
以上の問題に鑑み、本発明の目的は、他の特性を犠牲にすることなく、アバランシェ耐量を向上させたMOS型半導体装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、第一導電型半導体層の表面層に形成された第二導電型チャネル領域と、そのチャネル領域の表面層に形成された第一導電型ソース領域とを有するセル構造の複数個を備えたものにおいて、前記セル構造の複数個のチャネル領域が全て連結され、かつ半導体チップのセル構造を並べた部分の最外周部の角部と辺部のうちの辺部に、セル構造のチャネル領域の外側の辺が半導体チップの辺と平行である外周セル構造を複数備え、全ての外周セル構造が内側のセル構造より面積が広いものとする。
【0006】
更に、外周セル構造が、セル構造のチップの中央に近い部分にのみ第一導電型ソース領域を有することとする。
また、半導体チップのセル構造を並べた部分の最外周部の角部に、チャネル領域の外側の辺が半導体チップの角に向かう円弧状もしくは円弧を模した折れ線状である外角セル構造を設けることが有効である。そして、角部の外角セル構造が、辺部の外周セル構造より面積が広いことが有効である。
【0007】
【0008】
そして、第二導電型チャネル領域の表面層の一部にチャネル領域より不純物濃度が高く、拡散深さの浅い第二導電型の浅ベース領域を有することとする。浅ベース領域の下方に第二導電型の領域としてチャネル領域のみを有することとしてもよい。また、第一導電型半導体層の表面近傍に該第一導電型半導体層より低抵抗率の第一導電型半導体領域を備えたことが有効である。
【0009】
図6(a)および(b)に、それぞれ従来のMOSFETと本発明の実施例のMOSFETでのアバランシェ電流の流れ方を示す。図6(a)の従来の方形のセル構造の配置では、セル構造のチャネル領域3の角部での間隔が辺の間隔より広い。pチャネル領域3の角部では、pn接合の曲率が大きいため耐圧が低く、アバランシェ降伏によるアバランシェ電流I1 が、図6(a)に示すように、四つの角部に囲まれた領域から四つの角部に集中するためアバランシェ耐量が低下する。これに対し、図6(b)に示すように、チャネル領域の辺同士を連結すれば、チャネル領域の角は無くなり、アバランシェ電流が角に集中することが無く、アバランシェ電流I2 は対向する直線状の二辺に流れるので耐量が増すことになる。この結果、図7のMOSFETのセル構造内の寄生バイポーラトランジスタを示す断面図において、n+ ソース領域4の直下のpチャネル領域3の抵抗Rb を流れるアバランシェ電流が減少し、n型層1、pチャネル領域3及びn+ ソース領域4からなる寄生バイポーラトランジスタの誤点弧を起こりにくくし、MOSFETの破壊を防ぐ。しかもpn接合の曲率が小さくなり、耐圧も大きくなる。
【0010】
また、半導体チップのセル構造を並べた部分の最外周部のセル構造を、チャネル領域の外側の辺が半導体チップの辺とほぼ平行にすれば、pn接合が直線に近く形成され、電界集中を生じ難くなる。また、外周セル構造のチップ中央側部分にのみ第一導電型ソース領域を設ければ、外側部分には第一導電型ソース領域が形成されていないので、大きなアバランシェ電流が流れても、寄生トランジスタ が動作することがなく、アバランシェ耐量が向上する。さらに、外周セル構造の面積を、内側のセル構造より広くすれば、アバランシェエネルギの吸収力が大きくなり、アバランシェ耐量が向上する。
【0011】
半導体チップのセル構造を並べた部分の最外周部の角部に、チャネル領域の外側の辺が半導体チップの角に向かう円弧状または円弧を模した折れ線状である外角セル構造を設ければ、pn接合の曲率を小さくでき、電界集中が避けられる。また、外角セル構造の面積を他の外周セル構造より広くすれば、アバランシェエネルギの吸収力を増すことができる。
【0012】
更に、第二導電型チャネル領域の表面層の一部にチャネル領域より不純物濃度が高く、拡散深さの浅い第二導電型の浅ベース領域を形成すれば、チャネル領域の伝導率が増大し、寄生トランジスタのベース抵抗が減少し、寄生トランジスタが動作しにくくなるので、アバランシェ耐量の向上に寄与する。特に、浅ベース領域の下方に第二導電型の領域としてチャネル領域のみで第二導電型ウェル領域がなくても、アバランシェ耐量の顕著な向上が見られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1及び図2(a)、(b)は、本発明の第一の実施例のMOSFETを示し、図1が上部構造を除いた平面図、図2(a)が図1のA−A線断面図、図2(b)が図1のB−B線断面図で、図4と共通の部分には同一の符号が付されている。
【0014】
図1において、n型半導体層1の表面層に、中にn+ ソース領域4とp+ ウェル領域2を持つ長方形のpチャネル領域3が、長方形の短辺を連結して配置されている。連結した境界を図では一点鎖線で示している。この図では、pチャネル領域3が長方形であるが、正方形でも良い。なお、pチャネル領域3やn+ ソース領域4等の角部は実際は直角でなく、多少丸みがあり、例えば、半径1.5〜2μmのアール形状となっている。抵抗率45Ωcm厚さ100μmのn型層1の表面層にpチャネル領域3と、その内部にpチャネル領域3より拡散深さの深いp+ ウェル領域2、表面層にn+ ソース領域4が形成されている。n+ ソース領域4とn型層1の表面露出部とに挟まれたpチャネル領域3の表面にはゲート酸化膜6を介して多結晶シリコンからなるゲート電極5が設けられている。n+ ソース領域4とp+ ウェル領域2の表面に共通に接触してソース電極8が設けられ、層間絶縁膜7を介してゲート電極5の上に延長されている。図示していないが、n型層1の裏面側にはn+ サブストレートを介してドレイン電極が設けられている。図1、図2の第一の実施例のMOSFETの動作は次のように行われる。ゲート電極5に或る値以上の正の電圧が印加されると、ゲート電極5の直下のpチャネル領域3の表面近傍に反転層を生じ、n+ ソース領域4とn型層1との間が導通する。そして、n型層1の裏面側に設けられたドレイン電極とソース電極8との間に電圧が印加されていれば、電流が流れる。従って、電流が流れるために、n型層1の表面露出部も、ある程度の面積が必要である。
【0015】
図2(b)において、二つのpチャネル領域3の連結した様子が良くわかる。この断面では、pチャネル領域3の表面層にn+ ソース領域は無い。pチャネル領域3が連結した部分の表面上には、ゲート酸化膜6を介して多結晶シリコンの細いゲート電極5があり、図の紙面に垂直な方向にある隣接する二つのセル構造の広いゲート電極5をつないでいる。ゲート電極5とソース電極8とは層間絶縁膜7で絶縁されている。
【0016】
再び図1に戻るが、図において、pチャネル領域3は格子状に形成されていて、従来のMOSFETのようにpチャネル領域3の外側凸状になって突き出た角が無いので、通常、空乏層の曲率が小さいため最も降伏の起きやすいセル構造の角部での耐圧低下や、角部へのアバランシェ電流の集中が起きず、アバランシェ耐量が向上する。セル構造で囲まれた部分は広く、アバランシェ電流も大きいが、対向するpn接合はほぼ直線で、大きなアバランシェ電流に耐えられる。また、図2(a)の二つのセル構造の辺部分の間の断面においては、ゲート電極5の下のn型層1が広くあるので、MOSFETの導通時の電流の通路が広く、オン抵抗を低く抑えられる。
【0017】
図1において、左辺及び下辺は、MOSFETのチップ12の端である。半導体チップ12のセル構造が並べられた部分の最外周部には、セル構造のチャネル領域の外側の辺が半導体チップ12の辺と平行である外周セル構造19及びチャネル領域の外側の辺が半導体チップ12の角に向かう円弧状である外角セル構造20が設けられている。このようにすると、最外周のpn接合の曲率が小さくなるので、電界集中が生じ難くなり、アバランシェ耐量が向上する。また、外周セル構造19及び外角セル構造20が、セルのチップ中央に近い側の部分にのみ第一導電型ソース領域を有している。このようにすると、次の理由で、アバランシェ耐量が向上するのである。すなわち、アバランシェ降伏は通常最外周のpn接合から先ず始まるが、この部分にn+ ソース領域が形成されていないので、大きなアバランシェ電流が流れても、寄生トランジスタが動作することがなく、アバランシェ耐量が向上する。しかも、外周セル構造19および外角セル構造20が、内側の方形セル構造より面積が広いため、アバランシェエネルギの吸収力も大きくなり、アバランシェ耐量が向上する。外周セル構造19付近の点線は、多結晶シリコンリング18の境界である。外角セル構造20のpチャネル領域の外側の辺は、必ずしも半導体チップの角に向かう円弧である必要はなく、円弧を模した折れ線状であっても電界集中は回避できる。
【0018】
図3にMOSFETのチップ12の端部の断面図を示す。n型層1の裏面側にはn+ サブストレートを介してドレイン電極13が設けられている。セル構造を並べた最外周部のp+ ウェル領域2の上に厚いフィールド酸化膜14を介してゲートリード取り出しのための多結晶シリコンリング18が設けられ、チップ12の最外縁の表面層にp周辺領域16とその上に周辺電極17が設けられている。
【0019】
各部のパラメータは次のとおりである。n型層1:不純物濃度1×1013〜3×1016cm-3、厚さ5〜150μm、p+ ウェル領域2:ホウ素イオンのドーズ量5×1014〜2×1015cm-2、拡散深さ5〜10μm、pチャネル領域3:ホウ素イオンのドーズ量3×1013〜5×1014cm-2、拡散深さ2〜4μm、n+ ソース領域4:砒素イオンのドーズ量4×1015〜5×1015cm-2、拡散深さ0.2〜0.3μm、ゲート電極5:多結晶シリコン厚さ500〜1000nm、ゲート酸化膜6:厚さ25〜120nm、層間絶縁膜7:BPSG厚さ0.6〜1.1μm、ソース電極8:Al−Si厚さ3〜5μm、フィールド酸化膜14:厚さ500〜1100nm、パッシベーション膜15:SiN厚さ800nm、図1の多結晶シリコンのゲート電極5の幅L1:6〜40μm、ゲート電極5間の距離L2:6〜20μm、n+ ソース領域4の長さL3:12〜200μm、細いゲート電極5の幅L4:2〜6μm。なお、pベース領域については、(1)pチャネル領域3とp+ ウェル領域2、(2)pチャネル領域3とp浅ベース領域11、(3)pチャネル領域3、p+ ウェル領域2とp+ 浅ベース領域11の三通りの構造を用いることができる。
【0020】
図1、2のMOSFETは概ね次のような製造工程により製造される。まず、n+ サブストレート上にn型半導体層1を積層したエピタキシャルウェハを用意し、表面から選択的にアクセプタ形成型不純物を導入してpウェル領域2を形成する。次に熱酸化によりゲート酸化膜6を形成しその上に減圧CVD法により、多結晶シリコン膜を堆積する。その多結晶シリコン膜にフォトエッチング技術を用いてゲート電極5のパターン形成をし、そのゲート電極5の端を利用して不純物のイオン注入および熱拡散により、pチャネル領域3とn+ ソース領域4とを自己整合的に形成する。ゲート電極5の上にBPSGの層間絶縁膜7をCVD法により堆積し、p+ ウェル領域2およびn+ ソース領域4上の窓明けを行い、Al−Si合金からなるソース電極8を設ける。ソース電極8上に窒化膜のパッシベーション膜15を更に積層する。最後にn+ サブストレートの裏面にAl−Si合金からなるドレイン電極13を形成する。又、図1において、ゲート電極5及び多結晶シリコンリング18の多結晶シリコンが上に堆積される部分をハッチングで示した。n型層1上のゲート電極5を結ぶ細いゲート電極5があるが、その下では、不純物の横方向拡散によりpチャネル領域3が連結している。不純物の横方向拡散によって、pチャネル領域3が連結するような細いゲート電極5でも、沢山あればゲート電極内を流れる電流に対する抵抗を下げ、ゲートバイアスの均一化に極めて有効である。このように、第一の実施例のMOSFETはセル構造を形成するためのマスクを変更するだけで、従来のMOSFETの製造工程に何ら余分な工程を付加することなく製造できる。
【0021】
図8は、図1、図2のMOSFETと、図4に示した従来のMOSFETのアバランシェ耐量の温度特性を示し、線21で示す本発明の実施例のMOSFETのアバランシェ耐量は、線22で示す従来のMOSFETのアバランシェ耐量に比し、25℃において約1.6倍、125℃において約4.7倍になっている。
図9及び図11(a)、(b)は、本発明の第二の実施例のMOSFETを示す。図9が上部構造を除いた平面図、図11(a)が図9のE−E線断面図、図11(b)が図9のF−F線断面図で、他の図と共通の部分には同一の符号が付されている。図9のこの実施例では、図1に示した第一の実施例の変形例で、長方形のセル構造が、短辺で連結しているだけでなく、連結している部分の側方から別のセル構造が連結しているものである。その別のセル構造にもpチャネル領域3の内側にn+ ソース領域4、その更に内側にp+ ウェル領域2が見られる。これらたて横に連結したpチャネル領域3に囲まれて、方形にn型層1の露出表面が見えている。図11(a)の断面図は、図2(a)の断面図とほぼ同じである。すなわち、n型半導体層1の表面層に深いp+ ウェル領域2を持ったpチャネル領域3が形成され、その表面層にn+ ソース領域4が形成されている。n+ ソース領域4とn型半導体層1とに挟まれたpチャネル領域3の表面上にゲート酸化膜6を介してゲート電極5が設けられ、n+ ソース領域4とp+ ウェル領域の表面に共通に接触するソース電極8が設けられている。図9のG−G線に沿った断面もほぼ図11(a)と同様になることは容易に察せられる。図9のF−F線に沿った断面では、図11(b)のように二つのpチャネル領域3が連結している。すなわち、n型層1の表面層でpチャネル領域3が連結し、その上部にゲート酸化膜6を介して細いゲート電極5が設けられている。このようにして、セル構造のpチャネル領域3を連結して、セル構造の角での耐圧低下を防ぎ、またアバランシェ耐量の低下を防いでいる。この連結部でのゲート電極5の幅L8は、2〜6μmである。図11(a)の断面図では、二つのセル構造間の距離は十分大きく、ゲート電極5の下において、広いn型層1の露出部があり、MOSFETの導通時にもオン抵抗が低く抑えられる。この部分でのゲート電極5の幅L5は、16〜190μmであり、ゲート電極5間の距離L6は、6〜20μm、n+ ソース領域4の長さL7は、12〜200μmである。なお、この例においても、図9に示したように半導体チップのセル構造が並べられた部分の最外周部の外周セル構造19は、pチャネル領域3の外側の辺が半導体チップの辺と平行であり、セル構造の内側部分にのみn+ ソース領域4を有し、内側の方形セル構造より面積が広くなっている。そして、外角セル構造20は、pチャネル領域3の外側の辺が半導体チップの角に向かう円弧状であり、他の外周セル構造19より面積が広い。これらは、上記の例と同様にアバランシェ耐量の向上に寄与している。
【0022】
図9の第二の実施例の構造では、図1の第一の実施例のMOSFETより、pチャネル領域3およびn+ ソース領域4の面積が広いので、オン抵抗を低減できる。なお、第二の実施例のMOSFETもセル構造を形成するためのマスクを変更するだけで、従来のMOSFETの製造工程に何ら余分な工程を付加することなく製造できる。
【0023】
図10は、本発明の第三の実施例のMOSFETを示し、図10が上部構造を除いた平面図で、他の図と共通の部分には同一の符号が付されている。この実施例は、図9の第二の実施例の変形例である。セル構造がたて横に連結されているのは同じであるが、セル構造内のn+ ソース領域4が、角環状に形成されている点が異なっている。従って、図10のH−H線における断面は、図11(a)の断面図とほぼ同じになる。但し、図10のI−I線における断面は、図11(b)の断面図と違って、図12のようになる。すなわち、細いゲート電極5の下の二つのpチャネル領域3の連結部にもn+ ソース領域4がある。この実施例の構造では、図9の第二の実施例のMOSFETより、n+ ソース領域4の面積が広いので、オン抵抗を更に低減できる。
【0024】
図13は、本発明の第四の実施例のMOSFETのセル構造の断面図で、他の図と共通の部分には同一の符号が付されている。この場合は、図1のpチャネル領域3の表面層の一部にpチャネル領域3より不純物濃度が高く、拡散深さの浅いp浅ベース領域11が、例えばホウ素のドーズ量1×1015〜3×1015cm-2、拡散深さ0.5〜1μmのイオン注入および拡散熱処理により形成されている。これにより、チャネル抵抗を低下させることによって、寄生トランジスタの動作が抑制され、アバランシェ耐量が向上する。
【0025】
図14は、本発明の第五の実施例のMOSFETのセル構造の断面図で、他の図と共通の部分には同一の符号が付されている。この場合は、pチャネル領域3の表面層の一部にpチャネル領域3より不純物濃度が高く、拡散深さの浅いp浅ベース領域11が形成されている点は、図12の第四の実施例と同じであるが、p+ ウェル領域は形成されていない。セル構造の配置を改良している上、p浅ベース領域11を形成することにより、チャネル抵抗を低下させることによって、寄生トランジスタの動作が抑制され、アバランシェ耐量が十分向上するので、p+ ウェル領域2を形成しなくても、実用に耐えるアバランシェ耐量が得られ、しかも以前に述べたオン抵抗が増大する問題を解決できる。特に拡散深さの深いp+ ウェル領域2の形成が省略できれば、時間的にもコスト上でもメリットが大きい。
【0026】
図15は、本発明の第六の実施例のMOSFETを示す断面図である。この実施例は第一乃至第五実施例の変形例であり、図13に対応する図である。この実施例で第一乃至第五実施例と異なる点は、n型半導体層(便宜上(n- )とする)1より低抵抗率のn型半導体領域(n+ ソース領域4より高抵抗率)31を形成したことである。このn型半導体領域31のパラメータはリン(P)イオンのドーズ量5×1012cm-2、拡散深さ2〜4μmである。このn型半導体領域31により、従来技術よりドーピング濃度を上げることができ、この低抵抗率化しただけその面積を小さくすることによりゲート・ドレイン間容量を小さくし、スイッチング速度を速くすることもできる。この第六実施例は、前記第一乃至第五実施例の全てにおいて適用できる。
【0027】
以上、MOSFETの実施例について説明してきたが、本発明はMOS構造のゲートをもつ絶縁ゲートバイポーラトランジスタやMCT(MOS制御サイリスタ)等のMOS型半導体装置にも適用でき、同様に画期的な効果を得られるものである。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、セル構造のチャネル同士を連結することで、チャネル領域の角部へのアバランシェ電流の集中がなくなり、セル構造が並べられた部分の外周部の外周セル構造、外角セル構造のpn接合を曲率の小さいものにし、面積を広くして、アバランシェ耐量を向上させることができる。更にチャネル領域内に高不純物濃度の浅ベース領域を設け、チャネル抵抗を減じて、アバランシェ耐量を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施例のMOSFETの上部構造を除いた平面図
【図2】(a)は第一の実施例のMOSFETの図1のA−A線断面図、(b)は図1のB−B線断面図
【図3】 図1のMOSFETの周辺部の断面図
【図4】 従来のMOSFETを示し、(a)は上部構造を除いての平面図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は(a)のD−D線断面図
【図5】 MOSFETのpウェル領域の拡散深さに対するアバランシェ耐量およびオン抵抗の関係線図
【図6】 アバランシェ電流を示し、(a)は従来のMOSFETでの平面図、(b)は本発明の実施例のMOSFETでの平面図
【図7】 MOSFETの表面付近に生ずる寄生バイポーラトランジスタを示す断面図
【図8】 本発明の実施例のMOSFETと従来のMOSFETとのアバランシェ耐量の温度特性線図
【図9】 本発明の第二の実施例のMOSFETの上部構造を除いた平面図
【図10】 本発明の第三の実施例のMOSFETの上部構造を除いた平面図
【図11】(a)は図9の本発明の第二の実施例のMOSFETのE−E線断面図、(b)はF−F線断面図
【図12】 図10の第三の実施例のMOSFETのI−I線断面図
【図13】 本発明の第四の実施例のMOSFETの要部断面図
【図14】 本発明の第五の実施例のMOSFETの要部断面図
【図15】 本発明の第六の実施例のMOSFETの要部断面図
【符号の説明】
1 n型層
2 p+ ウェル領域
3 pチャネル領域
4 n+ ソース領域
5 ゲート電極
6 ゲート酸化膜
7 層間絶縁膜
8 ソース電極
11 p+ 浅ベース領域
12 チップ
13 ドレイン電極
14 フィールド酸化膜
15 パッシベーション膜
16 p周辺領域
17 周辺電極
18 多結晶シリコンリング
19 外周セル構造
20 外角セル構造
31 n型半導体層

Claims (8)

  1. 第一導電型半導体層の表面層に形成された第二導電型チャネル領域と、そのチャネル領域の表面層に形成された第一導電型ソース領域とを有するセル構造の複数個を備えたものにおいて、前記セル構造の複数個のチャネル領域が全て連結され、かつ半導体チップのセル構造を並べた部分の最外周部の角部と辺部のうちの辺部に、セル構造のチャネル領域の外側の辺が半導体チップの辺と平行である外周セル構造を複数備え、全ての外周セル構造が内側のセル構造より面積が広いことを特徴とするMOS型半導体装置。
  2. 外周セル構造が、セル構造のチップの中央に近い部分にのみ第一導電型ソース領域を有することを特徴とする請求項1に記載のMOS型半導体装置。
  3. 半導体チップのセル構造を並べた部分の最外周部の角部に、チャネル領域の外側の辺が半導体チップの角に向かう円弧状である外角セル構造を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のMOS型半導体装置。
  4. 半導体チップのセル構造を並べた部分の最外周部の角部に、セル構造のチャネル領域の外側の辺が半導体チップの角に向かう円弧を模した折れ線状である外角セル構造を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のMOS型半導体装置。
  5. 角部の外角セル構造が、辺部の外周セル構造より面積が広いことを特徴とする請求項3または4に記載のMOS型半導体装置。
  6. 第二導電型チャネル領域の表面層の一部にチャネル領域より不純物濃度が高く、拡散深さの浅い第二導電型の浅ベース領域を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のMOS型半導体装置。
  7. 浅ベース領域の下方に第二導電型の領域としてチャネル領域のみを有することを特徴とする請求項に記載のMOS型半導体装置。
  8. 第一導電型半導体層の表面近傍に該第一導電型半導体層より低抵抗率の第一導電型半導体領域を備えたことを特徴とする請求項1に記載のMOS型半導体装置。
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