JP3845885B2 - 光ディスク再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ディスク再生装置に係り、詳しくは、主ビームと主ビームの両隣に位置する2つの副ビームとの3ビームを、光ディスクの隣接する3トラックへそれぞれ照射し、各副ビームの反射光検出信号(各副ビームによる読み出し信号)に基づいてトラッキングサーボ動作を行なうとともに、各副ビームの反射光検出信号に基づいて、主ビームの反射光検出信号(主読み出し信号)中に含まれている隣接トラックの信号成分を除去するようにした光ディスク再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラッキングサーボ制御を行なうためのトラッキング誤差信号検出手法の一つとして、3ビーム法が知られている。図10は従来の3ビーム法のビーム配置ならびにトラッキング誤差信号の出力特性を示す説明図である。図10(a)に示すように、従来の3ビーム法は、信号を読み出すための主ビーム(Mビーム)の他に2つの副ビーム(Eビーム,Fビーム)を用いる。2つの副ビームは、主ビームの中央に対して1/4(または1/2)トラックピッチ分だけずらしている。主ビームがトラックの中央を正確に走査しているとき、2つの副ビームの反射光検出出力(E−RF,F−RF)は等しい。主ビームが左右にずれると、2つの副ビームの反射光検出出力に差が生ずる。そこで、2つの副ビームの反射光検出出力を差動増幅することで、図10(b)に示すS字形特性のトラッキング誤差信号が得られる。そして、トラッキング誤差信号がゼロとなるよう光学ピックアップの位置をサーボ制御することで、主ビームがトラックの中央を照射するようトラッキング制御している。
【0003】
光ディスクでは、トラックピッチを狭めることで、記録密度を高めることができる。しかしながら、トラックピッチが狭くなるほど、再生時にクロストーク(隣接トラックの信号の混入)が増大し、読み取りエラーが発生しやすくなる。そこで、3つの光ビームを隣接する3つのトラックにそれぞれに照射してそれぞれのトラックを読み取り、中央のトラックの読み取り信号に混入しているクロストーク成分を、その両側の2つのトラックの読み取り信号に基づいてキャンセルさせる技術が知られている(例えば、特開平3−40225号公報,特開平7−249230号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
クロストークキャンセル機能を備えた従来の光ディスク再生装置では、隣接するトラックの信号を積極的に読み出すために、隣接トラックの中央に副ビームを照射している。このため、クロストークキャンセル用の副ビームを利用して、3ビーム法によるトラッキング誤差信号を得ることができない。そこで、中央のビームの反射光検出出力を用いて、プッシュプル法によるトラッキングサーボを行なうことになる。しかしながら、プッシュプル法によるトラッキングサーボ制御では、光ディスクが傾いたときに、トラッキング誤差検出出力信号にオフセットが発生するという問題がある。
【0005】
クロストークキャンセルのために3つのビームを照射しているので、これらのビームを利用して3ビーム法によるトラッキングサーボ制御ができれば、光ピックアップ内にプッシュプル法の反射光検出器を設ける必要がなくなり、光ピックアップの構成を簡略化できる。
【0006】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、3つのビームとそれらのビームによる読み出し信号を共用して、3ビーム法によるトラッキングサーボ動作と、クロストークキャンセル動作とを実現できるようにした光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、主ビームが読み出しを行なうトラックの中心に照射された状態で、主ビームが読み出しを行なうトラックの両隣のそれぞれのトラックの中心に対して、主ビームが読み出しを行なうトラック側または2つの隣接トラックの両外側へ同一量だけずれた位置へ副ビームをそれぞれ照射するとともに、主ビームと2つの副ビームのそれぞれの反射光を独立に検出して3系統の読み出し信号を出力する光学ピックアップと、副ビームによって読み出された第1および第2の隣接トラック読み出し信号に基づいてトラッキング制御を行なうトラッキングサーボ回路部と、主ビームによって読み出された主読み出し信号ならびに副ビームによって読み出された第1および第2の隣接トラックの読み出し信号に基づいて、主読み出し信号中に含まれている隣接トラックの信号成分を低減させるクロストーク除去回路部とを備えた光ディスク再生装置であって、前記クロストーク除去回路部は、前記副ビームによって読み出された第1および第2の隣接トラックの読み出し信号を、それぞれ適当な振幅に調整して第1および第2のクロストーク成分信号を出力するクロストーク成分信号生成回路と、このクロストーク成分信号生成回路で生成した第1および第2のクロストーク成分信号を、主ビームによって読み出された主読み出し信号から減算するクロストーク成分減算回路とを備え、前記クロストーク成分信号生成回路は、ラジアルスキューの比較的大きい範囲においては周波数特性を有する周波数特性補正回路の周波数特性を最適化することにより、前記副ビームによって読み出された第1および第2の隣接トラックの読み出し信号のそれぞれに対して、高い周波数成分を抑制するとともに、ラジアルスキューの比較的小さい範囲においては上記周波数特性補正回路の周波数特性を変えないことを特徴とする。
【0008】
2つの副ビームは、読み出しを行なうトラックの両隣のそれぞれのトラックの中心に対して、読み出しを行なうトラック側または2つの隣接トラックの両外側へ同一量だけずれた位置を照射するようにしているので、第1および第2の隣接トラック読み出し信号の差を求めることで、読み出しトラックの両隣のトラックに対するトラッキング誤差検出信号を得ることができる。そして、この両隣のトラックに対するトラッキング誤差検出信号に基づいてトラッキングサーボ制御を行なうことで、読み出しトラックの両隣のトラックの中央位置に主ビームを位置させることができる。よって、主ビームを読み出しトラック上に位置させることができる。
【0009】
また、各副ビームは、両隣のトラックの信号をほぼ確実に読み出せる程度の位置(例えば、1/4トラックピッチ分だけずれた位置)を照射するようにしているので、各副ビームの反射光を検出することで、両隣のトラックの信号をほぼ確実に読み出すことができる。したがって、各副ビームによって読み出された隣接トラック読み出し信号に基づいて、主ビームによって読み出された主読み出し信号中に含まれている隣接トラックの信号成分を低減させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る光ディスク再生装置の全体ブロック構成図である。この発明に係る光ディスク再生装置1は、光ディスク2を回転駆動させるスピンドルモータ3と、信号読み出し用の主ビームと2つの副ビームとからなる3本のレーザビームを光ディスク2に対して照射し、光ディスク2からの各反射光をそれぞれ独立に検出して3系統の読み出し信号M−RF,E−RF,F−RFを出力する光学ピックアップ4と、光ディスク2のラジアルスキューを検出するスキューセンサ5と、2つの副ビームによる読み出し信号E−RF,F−RFに基づいてトラッキング制御を行なうトラッキングサーボ回路部6と、主ビームによって読み出された主読み出し信号M−RFに基づいてフォーカス制御を行なうフォーカスサーボ回路部7と、主読み出し信号M−RFに基づいてスピンドルモータ3の回転数を制御するスピンドルサーボ回路部8と、光学ピックアップ4から出力される各読み出し信号M−RF,E−RF,F−RFならびにスキューセンサ5から出力されるスキュー信号SKに基づいて、主読み出し信号M−RF中に含まれている隣接トラックの信号成分を除去するクロストーク除去回路部9と、主読み出し信号M−RFに基づいて主読み出し信号M−RFに同期するクロックCLKを再生するクロック再生回路部10と、クロストーク除去回路9から出力される主読み出し信号9aをクロック再生回路部10から供給されるクロックCLKに同期するタイミングで2値レベルへ変換した復調信号11aを出力する復調回路部11と、復調信号11a内に含まれている誤り訂正符号に基づいて復調信号11aの誤りを検出して訂正し、誤り訂正がなされたユーザデータ12aを出力する誤り訂正回路部12とからなる。
【0011】
図2はこの発明に係る光学ピックアップのビーム配置ならびにトラッキング誤差信号の出力特性を示す説明図である。図2(a)に示すように、光学ピックアップ4は、主ビーム(Mビーム)がトラックの中央が照射された状態で、各副ビーム(Eビーム,Fビーム)は隣接トラックの信号をほぼ確実に読み出される範囲で、隣接トラックの中央よりも主ビーム(Mビーム)が照射されている読み出しトラック側にオフセットした位置を照射するようにしている。オフセット量は1/4トラックピッチ分である。
【0012】
したがって、光学ピックアップ4は、主ビーム(Mビーム)の反射光を検出することで読み出しトラックの主読み出し信号M−RFを出力するとともに、各副ビーム(Eビーム,Fビーム)の反射光を検出することで隣接トラックの読み出し信号E−RF,F−RFを出力する。ここで、各副ビーム(Eビーム,Fビーム)の照射位置は、隣接トラックの中央から読み出しトラック側へ隣接トラックの信号を充分に読み出せる範囲でそれぞれ同一量(1/4トラックピッチ分)だけオフセットさせているので、図1に示したトラッキングサーボ回路部6内で、一方の隣接トラック読み出し信号E−RFと他方の隣接トラック読み出し信号F−RFとの差を演算することで、トラッキング誤差信号を得ることができる。図2(b)は、一方の隣接トラック読み出し信号E−RFから他方の隣接トラック読み出し信号F−RFを減算して得たトラッキング誤差の出力特性を示している。そして、このトラッキング誤差信号がゼロとなるよう光学ピックアップ4の位置、もしくは、光学ピックアップ4内の対物レンズ等の光学系の位置をサーボ制御することで、各隣接トラックの中央位置と各副ビームの照射位置とがそれぞれ同一量となるよう位置制御がなされ、結果として主ビームが読み出しトラックの中央に照射される。
【0013】
図3はこの発明に係る光学ピックアップの他のビーム配置ならびにトラッキング誤差信号の出力特性を示す説明図である。図2では、各副ビームの照射位置を各隣接トラックの内側にそれぞれ同一量(1/4トラックピッチ分)だけオフセットさせているが、図3(a)に示すように、各副ビームの照射位置を各隣接トラックの外側にそれぞれ同一量(1/4トラックピッチ分)だけオフセットさせてもよい。図3(b)は、一方の隣接トラック読み出し信号E−RFから他方の隣接トラック読み出し信号F−RFを減算して得たトラッキング誤差の出力特性を示している。
【0014】
図4はクロストーク除去回路部の回路ブロック構成図である。クロストーク除去回路部9は、各副ビームによって読み出された隣接トラックの読み出し信号E−RF,F−RFに対して周波数特性補正を施し、さらに適当な振幅に調整して第1および第2のクロストーク成分信号20a,20bを出力するクロストーク成分信号生成回路20と、主ビームによって読み出された読み出し対象トラックの読み出し信号M−RFを遅延させる遅延回路31と、第1および第2のクロストーク成分信号20a,20bをそれぞれ遅延させる遅延回路32,33と、読み出し対象トラックの読み出し信号M−RFを遅延させた信号31aから第1および第2のクロストーク成分信号20a,20bをそれぞれ遅延させた信号32a,33aをそれぞれ減算するための加算(減算)回路34A,34Bを備えた減算回路34と、ラジアルスキュー角度に応じた電圧のスキュー信号SKをA/D変換してスキュー角度データ35aを出力するA/D変換器35と、ラジアルスキュー角度と一方の隣接トラックからのクロストーク量との関係を予め登録した第1変換テーブル36と、ラジアルスキュー角度と他方の隣接トラックからのクロストーク量との関係を予め登録した第2変換テーブル37と、各変換テーブル36,37からそれぞれ出力されるクロストーク量データ36a,37aをD/A変換して増幅利得制御電圧信号38a,39aを出力する各D/A変換器38,39とを備える。
【0015】
クロストーク成分信号生成回路20は、各副ビームによって読み出された隣接トラックの読み出し信号E−RF,F−RFに対してそれぞれ周波数特性の補正を施す周波数特性補正回路(イコライザ)21,22と、周波数特性が補正された各隣接トラックの読み出し信号21a,22aをそれぞれ可変利得増幅する可変利得増幅回路(可変減衰器)23,24とを備える。
【0016】
各周波数特性補正回路21,22の周波数特性は、主ビームによって読み出された主読み出し信号M−RF中に含まれる隣接トラックの信号成分の周波数特性を考慮して設定している。
【0017】
図5はラジアルスキューが0.5度のときの光学ピックアップのMTF(空間周波数特性:Modulation Transfer Function)の計算機シミュレーション結果を示すグラフ、図6は各周波数特性補正回路の周波数特性を示すグラフである。なお、図中の2つの特性曲線A,Bはどちらもそれぞれ空間周波数が0のときにゲインが1となるよう正規化してある。
【0018】
実線で示した特性曲線Aは、レーザビームスポットが光ディスク上のトラック中心から1/4トラックピッチ分オフセットした位置にある場合のMTFを示している。また、点線で示した特性曲線Bは、レーザビームスポットが光ディスク上のトラック中心からちょうど1トラックピッチ分オフセットした位置にある場合のMTFを示している。すなわち、特性曲線Aは、各副ビームによって読み出された信号E−RF,F−RFの周波数特性を表わしており、また、特性曲線Bは、主ビームによって読み出された主読み出し信号M−RFに混入しているクロストーク成分の周波数特性を表わしている。
【0019】
したがって、各副ビームによって読み出された信号E−RF,F−RFに基づいて、主読み出し信号M−RFからクロストーク成分を除去する場合には、各副ビームによって読み出された信号E−RF,F−RFに対して、図5の特性曲線Bで示したクロストークの周波数特性を考慮して設定した周波数特性で補正した信号を減算することで、より高いクロストーク成分除去効果を得ることができる。
【0020】
このとき必要となる周波数特性補正回路(イコライザ)21,22の周波数特性は、図6に一点鎖線で示す特性曲線Cとなる。一般に、他の光ディスク再生装置で用いられている周波数特性補正回路(イコライザ)は、入力信号の高周波成分を強調する特性となっているのに対して、この発明に係る周波数特性補正回路(イコライザ)21,22は、全体として高い周波数成分を抑制する特性を有しており、この点が特徴としてあげられる。
【0021】
なお、周波数特性補正回路(イコライザ)21,22における最適な周波数特性は、ラジアルスキューの大きさに依存するので、厳密にはラジアルスキューの度合に応じて周波数特性を最適化するのが望ましい。しかしながら、ラジアルスキューが比較的小さい範囲においてはクロストーク自体があまり大きくないため、周波数特性補正回路(イコライザ)21,22の周波数特性を精密に最適化する必要は少ない。そのため、周波数特性補正回路(イコライザ)21,22の周波数特性は、ラジアルスキューの比較的大きい範囲において最適化し、ラジアルスキューの度合が変化しても、周波数特性補正回路(イコライザ)21,22の周波数特性を変えずに、ラジアルスキューの比較的大きい範囲において最適化した周波数特性を利用することで、周波数特性補正回路(イコライザ)21,22の回路構成を簡略化することができる。
【0022】
次に、各変換テーブルの内容を図7〜図9を参照に説明する。図7は周波数特性補正回路から出力された隣接トラックの読み出し信号の周波数特性ならびに主読み出し信号に混入しているクロストーク信号成分の周波数特性を示すグラフである。図7は、ラジアルスキューが0.5度のときで、周波数特性補正回路21によって周波数特性が補正された一方の副ビームによる読み出し信号(隣接トラックの読み出し信号)21aの周波数特性を実線で示した特性曲線Dで、主読み出し信号M−RFに混入しているクロストーク信号成分の周波数特性を点線で示した特性曲線Eで示している。なお、図7に示した各特性曲線D,Eは、空間周波数が0のときの一方の周波数特性が補正された一方の副ビームによる読み出し信号(隣接トラックの読み出し信号)21aのゲインが1となるように正規化されている。
【0023】
図7に示した2つの特性曲線D,Eは比例関係にあるので、空間周波数が0のときに両者のゲインが一致するように、図4に示した可変利得増幅回路23で、周波数特性補正回路21の出力21a(E−RFに対して周波数特性補正を施した信号)の増幅率を調節する。
【0024】
ラジアルスキューが0.5度の場合は、図7のグラフから、周波数特性補正回路21の出力21aを増幅する可変増幅回路23の増幅率を0.15程度にすればよいことが判る。
【0025】
しかしながら、各副ビームによって読み出した読み出し信号E−RFならびに主ビームによって読み出した主読み出し信号M−RFに混入しているクロストークの特性は、ラジアルスキューの大きさによって異なる。そこで、様々なラジアルスキュー角度において、周波数特性補正を施した後の副ビームによる読み出し信号21a(E−RF)の増幅率を上述の方法によって予め計算して、ラジアルスキュー角度と増幅率との対応テーブルを作成しておき、作成したテーブルデータを図4に示した第1変換テーブル36に格納しておくことで、図1に示したスキューセンサ5によって検出したラジアルスキュー角度に係る信号SKに基づいて、可変増幅回路23の増幅率を設定することができる。
【0026】
図8は第1変換テーブルに格納されているラジアルスキュー角度−副ビームによる読み出し信号E−RFの増幅率特性の内容を示すグラフである。図9は第2変換テーブルに格納されているラジアルスキュー角度−副ビームによる読み出し信号F−RFの増幅率特性の内容を示すグラフである。他方の副ビームによる読み出し信号F−RFに周波数特性補正を施した信号(周波数特性補正回路22の出力信号)22aの増幅率を設定する第2変換テーブル37には、図8に示したグラフの横軸について正負の極性を反転した特性を格納している。
【0027】
図4に示した各遅延回路31〜33は、クロストーク成分信号生成回路20で生成した第1および第2のクロストーク成分信号20a,20bを、主読み出し信号M−RFから減算するに際して、各信号20a,20b,M−RF間の時間にずれを補正するためのものである。図2ならびに図3に示したように、光学ピックアップから放射される主ビームならびに各副ビームは、ディスクの中心に対して放射状に並んでおらず、そのためこれらのビームによって読み出される3系統の読み出し信号の間には時間ずれが生じている。また、各副ビームによる読み出し信号E−RF,F−RFは、クロストーク成分信号生成回路20内の周波数特性補正回路21,22ならびに可変利得増幅器23,24によって信号処理を受けるため、これらの回路21〜24による遅延が発生している。このような各種の時間ずれを、各遅延回路31〜33によって補正する構成としている。なお、最も遅延時間が長い信号系統に対しては遅延回路を設けずに、他の信号系統に遅延回路を設けるようにしてもよい。
【0028】
減算回路34は、2つの加算器34A,34Bを縦続接続する構成としている。前段の加算器34Aの+入力端子に、遅延回路31で時間ずれを調整した主読み出し信号31a(M−RF)を供給し、前段の加算器34Aの−入力端子に、遅延回路32で時間ずれを調整した第1のクロストーク成分信号32aを供給して、この前段の加算器34Aで、主読み出し信号31a(M−RF)から第1のクロストーク成分信号32aを減算している。そして、前段の加算器34Aの出力を後段の加算器34Bの+入力端子に供給し、後段の加算器34Bの−入力端子に、遅延回路33で時間ずれを調整した第2のクロストーク成分信号33aを供給して、この後段の加算器34Bで、主読み出し信号31a(M−RF)から第2のクロストーク成分信号32aを減算して、クロストーク信号成分を除去した主読み出し信号9aを出力する構成としている。
【0029】
以上の構成であるから、図1に示した光ディスク再生装置1は、光学ピックアップ4によって読み出された主読み出し信号M−RFに基づいて、スピンドルサーボ回路部8が光ディスク2が所定の回転速度となるようスピンドルモータ3の回転を制御し、主読み出し信号M−RFに基づいて、フォーカスサーボ回路部7が光学ピックアップ4と光ディスク2のディスク面との距離を一定に保持する。
【0030】
トラッキングサーボ回路部6は、2つの副ビームによってそれぞれ読み出された隣接トラックの信号を主に含む隣接トラックの読み出し信号E−RF,F−RFに基づいて、主ビームが読み出しトラック上を照射するようトラッキング制御を行なう。
【0031】
図4に示したように、クロストーク除去回路9内のクロストーク成分信号生成回路20は、各副ビームによる読み出し信号E−RF,F−RFのそれぞれに対して、周波数特性の補正を施すとともに、ラジアルスキューの度合の応じて設定される増幅率に基づいて振幅を調整することで、各クロストーク成分信号20a,20bを生成して出力する。
【0032】
そして、各遅延回路31〜33によって時間ずれを調整した各信号31a,32a,33aを減算回路34へ供給し、この減算回路34で、主読み出し信号M−RF中に含まれている両隣接トラックからのクロストーク成分の信号32a,33aを減算することで、クロストーク成分を除去した主読み出し信号9aを得る。このクロストーク除去回路部9から出力される主読み出し信号9aを、復調回路部11で復調して復調信号11aを得る。そして、誤り訂正回路部12で誤りを検出して訂正し、誤り訂正がなされたユーザデータ12aを得ることができる。
【0033】
図2ならびに図3に示したように、2本の副ビームは各隣接トラックの中心に対して所定量(1/4トラックピッチ分)だけオフセットした位置をそれぞれ照射するようにしているので、この2本の副ビームによる読み出し信号E−RF,F−RFに基づいて、3ビーム法でのトラッキング制御を行なうことができるとともに、各読み出し信号E−RF,F−RFには隣接トラックに信号を充分に含んでいるので、各読み出し信号E−RF,F−RFから主ビームによって読み出した主読み出し信号M−RF中の含まれている両隣接トラックからのクロストーク信号成分を生成することができ、生成した各クロストーク信号成分20a,20bを主読み出し信号M−RFから減算することで、クロストーク成分を除去した主読み出し信号9aを得ることができる。
【0034】
光学ピックアップ4は、3本のビームを放射し、各ビームの反射信号を検出する構成でよいので、光学ピックアップ4の構成を複雑にすることなく、トラッキング制御とクロストークの低減を行なうことができる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明のようにこの発明に係る光ディスク再生装置は、2つの副ビームが、読み出しを行なうトラックの両隣のそれぞれのトラックの中心に対して、読み出しを行なうトラック側または2つの隣接トラックの両外側へ同一量だけずれた位置を照射するようにしたので、第1および第2の隣接トラック読み出し信号の差を求めることで、読み出しトラックの両隣のトラックに対するトラッキング誤差検出信号を得ることができ、この両隣のトラックに対するトラッキング誤差検出信号に基づいてトラッキングサーボ制御を行なうことで、読み出しトラックの両隣のトラックの中央位置に主ビームを位置させることができる。よって、主ビームを読み出しトラック上に位置させることができる。
【0036】
さらに、各副ビームは、両隣のトラックの信号をほぼ確実に読み出せる程度の位置(例えば、1/4トラックピッチ分だけずれた位置)を照射するようにしているので、各副ビームの反射光を検出することで、両隣のトラックの信号をほぼ確実に読み出すことができる。したがって、各副ビームによって読み出された隣接トラック読み出し信号に基づいて、主ビームによって読み出された主読み出し信号中に含まれている隣接トラックの信号成分を低減させることができる。
【0037】
また、クロストーク除去回路部内にラジアルスキューの比較的大きい範囲において最適化した周波数特性を有する周波数特性補正回路を設けて、各副ビームによって読み出された隣接トラック読み出し信号の高域成分を減衰させた信号を生成し、この高域成分を減衰させた信号に基づいてクロストーク成分の信号を生成して、主読み出し信号からクロストーク成分の信号を除去する構成としてので、主読み出し信号に混入している隣接トラックの信号成分を効果的に除去・低減することができる。
【0038】
さらに、クロストーク除去回路部内に可変利得増幅回路を設け、スキューセンサで検出したラジアルスキューの度合に応じて、可変利得増幅回路の増幅率を調整して、スキューが大きくクロストークが大となる場合は、クロストーク成分信号の振幅を大きくする構成としているので、主読み出し信号に混入している隣接トラックの信号成分を効果的に除去・低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る光ディスク再生装置の全体ブロック構成図である。
【図2】この発明に係る光学ピックアップのビーム配置ならびにトラッキング誤差信号の出力特性を示す説明図である。
【図3】この発明に係る光学ピックアップの他のビーム配置ならびにトラッキング誤差信号の出力特性を示す説明図である。
【図4】この発明に係るクロストーク除去回路部の回路ブロック構成図である。
【図5】ラジアルスキューが0.5度のときの光学ピックアップのMTF(空間周波数特性)の計算機シミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】周波数特性補正回路の周波数特性を示すグラフである。
【図7】周波数特性補正回路から出力された隣接トラックの読み出し信号の周波数特性ならびに主読み出し信号に混入しているクロストーク信号成分の周波数特性を示すグラフである。
【図8】第1変換テーブルに格納されているラジアルスキュー角度−副ビームによる読み出し信号E−RFの増幅率特性の内容を示すグラフである。
【図9】第2変換テーブルに格納されているラジアルスキュー角度−副ビームによる読み出し信号F−RFの増幅率特性の内容を示すグラフである。
【図10】従来の3ビーム法のビーム配置ならびにトラッキング誤差信号の出力特性を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光ディスク再生装置
2 光ディスク
4 光学ピックアップ
5 スキューセンサ
6 トラッキングサーボ回路部
9 クロストーク除去回路部
20 クロストーク成分信号生成回路
21,22 周波数特性補正回路
23,23 可変利得増幅回路
35 A/D変換器
36,37 変換テーブル
38,39 D/A変換器
31,32,33 遅延回路
34 減算回路
E−RF 一方の副ビームによる読み出し信号(第1の隣接トラック読み出し信号)
F−RF 他方の副ビームによる読み出し信号(第2の隣接トラック読み出し信号)
M−RF 主ビームによる主読み出し信号
Claims (4)
- 主ビームが読み出しを行なうトラックの中心に照射された状態で、主ビームが読み出しを行なうトラックの両隣のそれぞれのトラックの中心に対して、主ビームが読み出しを行なうトラック側または2つの隣接トラックの両外側へ同一量だけずれた位置へ副ビームをそれぞれ照射するとともに、主ビームと2つの副ビームのそれぞれの反射光を独立に検出して3系統の読み出し信号を出力する光学ピックアップと、副ビームによって読み出された第1および第2の隣接トラック読み出し信号に基づいてトラッキング制御を行なうトラッキングサーボ回路部と、主ビームによって読み出された主読み出し信号ならびに副ビームによって読み出された第1および第2の隣接トラックの読み出し信号に基づいて、主読み出し信号中に含まれている隣接トラックの信号成分を低減させるクロストーク除去回路部とを備えた光ディスク再生装置であって、
前記クロストーク除去回路部は、前記副ビームによって読み出された第1および第2の隣接トラックの読み出し信号を、それぞれ適当な振幅に調整して第1および第2のクロストーク成分信号を出力するクロストーク成分信号生成回路と、このクロストーク成分信号生成回路で生成した第1および第2のクロストーク成分信号を、主ビームによって読み出された主読み出し信号から減算するクロストーク成分減算回路とを備え、
前記クロストーク成分信号生成回路は、ラジアルスキューの比較的大きい範囲においては周波数特性を有する周波数特性補正回路の周波数特性を最適化することにより、前記副ビームによって読み出された第1および第2の隣接トラックの読み出し信号のそれぞれに対して、高い周波数成分を抑制するとともに、ラジアルスキューの比較的小さい範囲においては上記周波数特性補正回路の周波数特性を変えないことを特徴とする光ディスク再生装置。 - 前記2つの副ビームは、主ビームによって読み出しを行なうトラックの両隣のそれぞれのトラックの中心に対して、主ビームによって読み出しを行なうトラック側または2つの隣接トラックの両外側へ1/4トラックピッチ分ずれた位置を照射することを特徴とする請求項1記載の光ディスク再生装置。
- 光ディスクの半径方向の傾きを検出するラジアルスキューセンサを備えるとともに、前記クロストーク除去回路部は、ラジアルスキューセンサで検出した光ディスクの半径方向の傾きに応じて、前記副ビームによって読み出された第1および第2の隣接トラック読み出し信号のそれぞれの振幅を調整する可変利得増幅器を備えたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク再生装置。
- 前記クロストーク除去回路部は、ラジアルスキュー角度とクロストーク量との関係を予め登録したスキュー角度とクロストーク量との変換テーブルを備え、この変換テーブルから出力されるクロストーク量に基づいて前記可変利得増幅器の利得をラジアルスキュー角度に応じて制御することを特徴とする請求項3記載の光ディスク再生装置。
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