JP3845563B2 - 炭化珪素膜のcvd方法、cvd装置及びcvd装置用サセプター - Google Patents

炭化珪素膜のcvd方法、cvd装置及びcvd装置用サセプター Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高純度の炭化珪素膜のCVD方法、CVD装置及びこのCVD装置に用いられるサセプターに関する。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素(以下「SiC」と略記)は高い熱伝導率、耐熱性、2.2〜3.3×10Vの広いバンドギャップ、高い絶縁破壊電界、高い飽和電子速度を収支、電子デバイス材料として期待されている、またAlやGaN等とも格子定数が近くこれらの材料の堆積膜よりなるデバイスのための基板としても期待されている。
【0003】
半導体材料としてのSiCの製膜方法として、アチソン法やレーリー法により得られた6H乃至4HのSiCの(0001)Si面を基板としてCVD法によりエピタキシャル膜が形成されることが一般的である。松波等により基板として(0001)Si面から[1120]方向に3〜10度程度の傾斜をつけたものを用いることにより高品質な膜が成長出来ることが見出された。このような方法では成長温度Tgは1550℃程度とすることが一般的であり、成長速度は一般に20μm/h以下と遅い。更に近年[1100]方向に傾斜させたウェハを用いても良質なエピタキシャル成長が可能となることが見出されているが、この場合、成長速度を1〜2μm/h程度の極めて小さい値にとる必要がある。
【0004】
SiCの電子デバイスにおいては1×1015cm-3以下のキャリア密度を制御する必要があり、高性能のデバイス作成のためには、バックグラウンドの不純物密度をこの値よりも略2桁以上低くする必要がある。SiCのCVD成長において高純度のエピタキシャル膜を成長するにはグラファイトのサセプターからの不純物の混入を防ぐ必要があり、グラファイトにSiCコーティングを施すことが効果的と考えられている。
【0005】
実際SiCコーティング膜がはげると深いレベルからの発光が増大することが報告されている。通常のSiCのCVD条件では、SiCのエッチングがかなり活発に起こっている。特にSiCウェハの裏面部分ではサセプターとサセプター上のSiCウェハの温度差によりサセプターのSiCコート膜が昇華やエッチングされやすく、SiCコート膜はごく短期間で劣化してしまう。
【0006】
このようなSiCコート膜の問題を解決することを目標に、炭化タンタル(TaC)コート膜やパイログラファイト膜も検討されているが今のところエピタキシャル膜中の窒素の密度を下げる技術としては確立していない。
【0007】
CVD法でSiCのエピタキシャル成長を行うと、基板の面方位により窒素とAlの添加効率が異なっている。(0001)C面では(0001)Si面よりも窒素の取り込まれ効率が高くキャリア密度が1×1015cm-3以下の高純度エピタキシャル膜が形成されにくい。このため従来、SiCのデバイスにおいては(0001)Si面が主に用いられている。
【0008】
SiCの半導体デバイスでは少数キャリアのライフタイムが短いことが問題となっている。この点に関してはキャリア密度が高いとライフタイムが短くなること、補償比が高いとライフタイムが短くなることが報告されている。しかしどのような元素に起因した不純物密度が高いとキャリアのライフタイムが短くなるかに関しては全く分かっていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記述べたように従来のCVD法で高純度の結晶を成長しようとするとグラファイトサセプターにSiCコートする必要がある。しかし、このようなSiCコートを行った場合、従来のSiのCVD等ではグラファイトサセプターを用いるとB等の混入が起こるためにサセプターにSiCコートが行われることが多い。しかし高温で行われるSiCのCVDにおいてはこの手法を実用に適用することは難しい。何故なら、通常のSiCの成長条件においてはSiCコート膜のエッチングレートは数〜数十μm/hrに達しており、SiCのCVD中にSiCコート膜が劣化してしまう。SiCコート膜の劣化が起きてもその影響が小さくなるように、SiCコート膜は200μm程度の厚い膜が利用されているが、それでも数回の結晶成長で劣化してしまい、時には一回の結晶成長の間に劣化してしまうということが知られている。特にこの現象は基板周辺のような温度分布が生じやすい部分におきやすいことが知られている。上記したように、SiCのCVDではSiCのエッチングレートも高く基板周辺の温度分布に伴い、100μm以上の厚さのSiCコート膜が劣化してしまう。SiCコート膜が劣化するということはSiCが昇華して気相中に供給されるということである。従来この点に関してはほとんど注目されていないが、本発明者らがこの点を検討した結果、SiCコート膜を用いるとCVD成長したSiC膜の堆積速度が大きく影響を受けており、SiCコートを用いた場合には成長速度の制御性に問題があることを見出した。この様子を図12に示す。
【0010】
SiCコート膜を形成した場合にはその劣化を防ぐために成長温度Tgを下げる必要がある。成長温度Tgを下げることによって、高品質な結晶成長が可能な成長速度の上限が小さくなってしまう。この点は高耐圧の電子デバイスを作成する上で大きな問題となる。何故なら、耐圧が数千ボルトのデバイスを作成しようと思うと、結晶成長しなければならないエピタキシャル層の厚さは数十μmとなる。結晶成長速度が10μm/hr程度の遅い値しか用いられないとすると結晶成長に要する時間が数時間かかってしまいこのようなデバイスを作成する上でのコストを大幅に押し上げることとなる。またCVD炉の中で高純度な状態を維持する必要があるサセプターのSiCコートの劣化をコンスタントに精査することは難しく、再現性の確保という点でも問題があった。
【0011】
さて、従来SiCコートは不純物がCVD成長膜中に混入することを防ぐ効果があると考えられており、SiCコート膜が劣化するとCVD膜の質が劣化すると考えられていた。しかしSiCのCVDでは、高温でSiC自体が昇華する条件で行われる。このため前記したように、本発明者らはSiCのコート膜が成長速度に悪影響を与えるというSi等のCVDでは起こらない問題を見出した。本発明者らは更に、高温でSiCコート膜がどのような機能を有しているかを調べるために、更に詳細な検討を行った。以下、SiCコート膜が劣化する過程でどのような不純物がCVD膜中に混入することを調べることで、SiCコートのCVD膜に与える影響を調べた。
【0012】
前述したように、SiCのCVDではSiCコート膜のエッチングレートが高いためにSiCコート膜が劣化してグラファイトが出ると不純物密度が高まると考えられていた。しかし、本発明者らは、以下の新しい事実を見出した。SiCコートがはげるまで結晶成長を行うと、不純物種によってはSiCコート膜が劣化するほど結晶中の密度が高くなる。AlやTiの場合には、SiC膜のはげた面積が増えるにつれてCVD膜中のAlやTiの濃度が上がっており、グラファイト中のTiやAlがCVD膜中のTiやAlのソースであることが示唆されている。しかし窒素の場合にはSiCコート膜が劣化してSiCコート膜とグラファイトの界面部分が表面に出た段階でCVD膜中の不純物密度が最も高くなる。この様子を図5に示す。この理由については明確ではないが、SiCコート膜の形成方法、除去方法や除去程度を変えたときに、SiC結晶中に取り込まれる不純物の密度を予想することはアプリオリには出来ないことが明らかになった。換言するならば、従来のグラファイト中の不純物がCVD膜中に取り込まれるという常識は、SiCでの窒素の取り込みに関しては成り立たない。CVD膜中に入っている窒素が、SiCコートによるものか、グラファイトによるものか、SiCコート膜の形成方法によるものか、分からないことが明確になった。
【0013】
このように、サセプターから不純物が取り込まれていることを示唆する結果は多々あるが、従来の考え方はSiCには適用出来ず、対策も明確に出来ないことが明らかになった。
【0014】
このような状況下で、本発明はSiCのCVD成長において、CVD膜に取り込まれる不純物を半導体プロセスで適用可能なレベルまで下げることが可能なCVD方法、これに用いるCVD装置及びこのCVD装置用のサセプターを提供することを目的とする。
【0015】
本発明の他の目的は、SiCコート膜を施さないでも高純度な結晶がコンスタントに成長出来るグラファイトのサセプター、このサセプターを用いたCVD方法、CVD装置を提供することである。
【0016】
本発明の更に他の目的は、良質で、キャリアのライフタイムが長いSiC膜を得ることが可能なCVD方法、CVD装置及びこのCVD装置用のサセプターを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、(イ)反応容器の内部に、窒素密度が1×1017cm-3以下のグラファイトサセプターを挿入する工程;(ロ)グラファイトサセプターを真空ベークする工程;(ハ)グラファイトサセプターを室温近傍の温度にし、且つグラファイトサセプターを大気に曝さないようにして、グラファイトサセプターに基板を配置する工程;(ニ)反応容器の内部を減圧状態に制御して、グラファイトサセプターをベーキング温度よりも高温の成長温度まで加熱し、基板上に、炭化珪素膜を気相エピタキシャル成長する工程とを含む炭化珪素膜のCVD方法であることを要旨とする。例えば、CVDを行う前に、このグラファイトサセプターを2mPa以下の圧力を維持しながら加熱して1200度以上まで加熱し、そのサセプターを空気或いは窒素含有気体に触れさせることなくウェハをサセプター上に載置することにより、成長膜中に含まれる不純物の量を極めて低く出来る。
【0018】
本発明の第1の特徴において、真空ベークする工程と基板を配置する工程の間に、グラファイトサセプターを、ベーキング温度からこのベーキング温度と室温の間の第1温度まで、降温する工程と、第1温度から、ベーキング温度より高温のコーティング温度にまでグラファイトサセプターを加熱し、コーティング温度において、グラファイトサセプターの表面に珪素及び炭化珪素の少なくとも一方からなる被膜をコーティングする工程とを更に含むことが好ましい。このコーティング温度は、1200℃〜1450℃の間の温度とすればよい。更に、このコーティングする工程と基板を配置する工程の間に、グラファイトサセプターを、コーティング温度からこのベーキング温度と室温の間の第2温度まで、降温する工程と、反応容器の内部を減圧状態に制御して、グラファイトサセプターを、第2温度から剥離温度まで昇温し、コーティングされた被膜の少なくとも一部を除去する工程とを更に含むことが好ましい。
【0019】
本発明の第2の特徴は、(イ)反応容器の内部に、グラファイトサセプターを挿入する工程;(ロ)グラファイトサセプターを真空ベークする工程;(ハ)グラファイトサセプターを、真空ベークに用いたベーキング温度から室温近傍の温度まで、降温する工程;(ニ)この降温後、グラファイトサセプターを反応容器中から搬出し、グラファイトサセプターの表面層を除去する工程;(ホ)この表面層を除去する工程の後、グラファイトサセプターに基板を配置する工程;(ヘ)反応容器の内部を減圧状態に制御して、グラファイトサセプターをベーキング温度よりも高温の成長温度まで加熱し、基板上に、炭化珪素膜を気相エピタキシャル成長する工程とを含む炭化珪素膜のCVD方法であることを要旨とする。
【0020】
本発明の第3の特徴は、(イ)反応容器の内部に、グラファイトサセプターを挿入する工程;(ロ)グラファイトサセプターを真空ベークする工程;(ハ)グラファイトサセプターを、真空ベークに用いたベーキング温度から室温近傍の温度まで、降温する工程;(ニ)ベーキング温度より高温のコーティング温度にまでグラファイトサセプターを加熱し、コーティング温度において、グラファイトサセプターの表面に珪素及び炭化珪素の少なくとも一方からなる被膜をコーティングする工程;(ホ)グラファイトサセプターを、コーティング温度から室温近傍の温度まで、降温する工程;(ヘ)この室温近傍の温度まで降温後、グラファイトサセプターを反応容器中から搬出し、グラファイトサセプターの表面層を除去する工程;(ト)この表面層を除去する工程の後、グラファイトサセプターに基板を配置する工程;(チ)反応容器の内部を減圧状態に制御して、グラファイトサセプターをコーティング温度よりも高温の成長温度まで加熱し、基板上に、炭化珪素膜を気相エピタキシャル成長する工程とを含む炭化珪素膜のCVD方法であることを要旨とする。第3の特徴におけるコーティング温度は、1200℃〜1450℃の間の温度とすればよい。
【0021】
なお、本発明の第1〜第3の特徴における「真空ベークする工程」は、反応容器の内部にグラファイトサセプターを挿入する工程の後、反応容器の内部を減圧状態に排気する工程と、反応容器の内部を減圧状態に制御して、グラファイトサセプターを段階的にベーキング温度に至るまで昇温し、グラファイトサセプター中の水分及びカーボンを含むガスを離脱する工程とを備えることが好ましい。
【0022】
本発明の第4の特徴は、(イ)窒素密度が1×1017cm-3以下のグラファイトサセプターに基板を配置する工程;(ロ)反応容器の内部に、グラファイトサセプターを挿入する工程;(ハ)反応容器の内部を減圧状態に制御して、グラファイトサセプターを成長温度まで加熱し、基板上に炭化珪素膜を気相エピタキシャル成長する工程とを含む炭化珪素膜のCVD方法であることを要旨とする。
【0023】
本発明の第1〜第4の特徴において、成長温度における炭化珪素膜の気相エピタキシャル成長は、露点が−85℃〜−75℃の間のキャリアガスを用いることが好ましい。更に、基板は、(0001)C面を有するSiC基板を使うことも可能である。
【0024】
本発明の第5の特徴は、(イ)反応容器;(ロ)この反応容器にガスを導入するガス導入部;(ハ)反応容器を真空排気する真空排気部;(ニ)反応容器の内部に配置され、窒素密度が1×1017cm-3以下の複数のグラファイト部材;(ホ)この複数のグラファイト部材の間に嵌合し、このグラファイト部材よりも抵抗率の高い材料からなる領域を少なくともグラファイト部材との嵌合部に有する抵抗性部材とを筒型に組み合わせたサセプター;(ヘ)サセプターの周方向に沿って電流を環流させ、複数のグラファイト部材を加熱する高周波誘導加熱手段とを備えるCVD装置であることを要旨とする。
【0025】
本発明の第6の特徴は、窒素密度が1×1017cm-3以下のグラファイト部材を備えるCVD装置用サセプターであることを要旨とする。
【0026】
発明の第6の特徴は、窒素密度が1×1017cm-3以下の複数のグラファイト部材と、この複数のグラファイト部材の間に嵌合し、このグラファイト部材よりも抵抗率の高い材料からなる領域を少なくともグラファイト部材との嵌合部に有する抵抗性部材とを筒型に組み合わせてなり、高周波誘導加熱により、筒型の周方向に沿って電流を環流し、加熱されるCVD装置用サセプターであることを要旨とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第8の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0028】
(CVD装置)
図1は、本発明の第1〜第8の実施形態に係るCVD法に用いるLPCVD装置の概略構造を示す。石英製の反応容器(反応管)1の上流側フランジには、ガス導入部を構成するガス導入管36が接続されている。反応管1の下流側フランジを介して、図2及び図3に示すグラファイト製のサセプター2が、固形カーボンウール断熱材3に収納された後、反応管1中に配置されている。このグラファイト製のサセプター(以下において「グラファイトサセプター」という。)2には、図2及び図3に示すようにSiC基板(ウェハ)31が搭載される。更に、反応管1の下流側フランジには、真空配管35が接続され、反応管1の内部を真空に排気し、或いは、反応管1の内部に導入されたガスを排出出来る構成になっている。真空配管35の排気側には、圧力制御バルブ6が接続されている。そして、この圧力制御バルブ6の排気側に更に他の真空配管38が接続され、この真空配管38の排気側に、排気ポンプ系7が接続されている。排気ポンプ系7は、反応管1の内部を排気するために、例えば、メカニカルブースターポンプとドライポンプとを直列接続して構成される。圧力制御バルブ6は必要に応じて反応管1と排気ポンプ系7とを分離し、排気コンダクタンスを調整する。
【0029】
反応容器(反応管)1の周りには高周波誘導加熱ヒータ(RFコイル)33が配置されている。このRFコイル33にRF発振器34からの500KHz乃至5MHzの高周波(RF)を印加することにより、グラファイトサセプター2が加熱される。したがって、グラファイトサセプター2の上に直接置かれたSiC基板(ウェハ)31も、所定の温度に加熱される。ガス導入配管系からは、TMAl等のドーピングガス等がそれぞれ、図示を省略したタンク回路に設けられたマスフローコントローラで流量制御されて供給される。これらのガスは真空配管35より排出される。図1では、ガス導入管36は1本のみ示されているが、ガスの種類に対応させて、複数のガス導入管36を設けてガス導入部を構成してもかまわない。
【0030】
更に、反応管1の上流側フランジに接続されたガス導入管36には、複数のガス配管が、ストップバルブ13a,13b,13c,13dを介して接続されている。ストップバルブ13a,13b,13c,13dには、それぞれマスフローコントローラ12a,12b,12c,12gが接続され、ガス導入部を構成している。更に、ガス導入部には、マスフローコントローラ12dを介して、集合ガス供給系4から水素(H2)ガスが供給される。マスフローコントローラ12a,12b,12c,12gには、それぞれプロパン(C38)ガスのボンベ11a,モノシラン(SiH4)ガスのボンベ11b,窒素(N2)ガスのボンベ11c,トリメチルアルミニウム(TMAl)のバブラー14が接続されている。TMAlのバブラー14は、恒温槽により一定の温度に保たれ、蒸気圧を所定の値に維持している。マスフローコントローラ12a,12b,12c,12gは、それぞれストップバルブ14a,14b,14c,14dを介してパージライン(バイパスライン)37に接続されている。パージライン37の下流側も圧力制御バルブ6を介して真空排気可能である。TMAlのバブラー14には、マスフローコントローラ12fを介して、集合ガス供給系4からの水素(H2)ガスが導入され、一部は、マスフローコントローラ12hを介してパージライン37に放出される。TMAlのバブラー14の出力側の圧力は、圧力計15でモニタされる。反応管1の内部の圧力は、反応管1に接続された圧力計5によって測定される。圧力計5,15としては、キャパシタンスマノメータやピラニゲージ等が使用可能である。圧力制御バルブ6には、図示を省略した圧力制御系が接続され、圧力計5によって測定された圧力測定値と設定圧力値との差異から、そのコンダクタンスを調整し、反応管1の内部の圧力を設定値に到達させ、この設定値に維持させる。
【0031】
反応容器(反応管)1の内部の温度は、放射温度計(パイロメータ)8により測定され、RF発振器34フィードバックされ、温度制御される。減圧CVD法によるSiCの成膜は、反応管1の内部を一定の減圧下に真空排気し、ストップバルブ14a,14bを閉じ、ストップバルブ13a,13bを開放することにより、シリコンソースとしてモノシラン(SiH4)ガスがマスフローコントローラ12bを介して反応管1に導入され、炭素ソースとしてプロパン(C38)ガスがマスフローコントローラ12aを介して反応管1に導入される。これらのガスは、1400℃〜1800℃程度の高温の反応管1の内部で化学反応し、SiC基板31上にSiCを成膜する。マスフローコントローラ12cは、n型ドーパントとしての窒素(N2)ガスの流量を制御する。マスフローコントローラ12gは、p型ドーパントとしてのTMAlガスの流量を制御する。
【0032】
図2(a)に示すように、グラファイトサセプター2は、上部グラファイト2a,下部グラファイト2b,側壁グラファイト(側壁部材)2c及び2dに4分割されている。この下部グラファイト2bの上部にSiC基板(ウェハ)31が載置される。グラファイトサセプター2は、図2(b)に示す固形カーボンウール断熱材3に設けられた貫通孔3hに収納可能な大きさである。そして、図3に示すように、グラファイトサセプター2は固形カーボンウール断熱材3の貫通孔3hに収納され、図1に示す反応容器(反応管)1の内部に載置される。
【0033】
図4は、図1に示すLPCVD装置を用いたCVD成長のプロセス・シーケンスを示す。なお、以下の本発明の第1〜第8の実施形態に係るCVD法の説明においては、図4に示すプロセス・シーケンス中、一部の工程が省略される場合が含まれていることに留意されたい。図4に示すCVD成長のプロセス・シーケンスは、時刻t1〜t6の第1真空ベーク、時刻t6〜t8の水素(H2)パージ、時刻t8〜t11のSiC/Siコート、時刻t11〜t13の真空排気、時刻t13〜t18の第2真空ベーク、時刻t18〜t20のウェハロード、及び時刻t20〜t25のエピ成長の各段階から構成されている。
【0034】
(イ)時刻t1〜t6の第1真空ベーク:
時刻t1〜t6においては、エピタキシャル成長に用いるグラファイトサセプター2を、反応容器(反応管)1の内部の圧力を2mPa以下になるまで、排気ポンプ系7で排気して徐々に処理温度を上げる。先ず、時刻t1〜t6においては、グラファイトサセプター2の温度を200℃程度に昇温し、0.5〜2時間、200℃程度の一定温度に維持する。200℃程度のベーキングにより、主に水分の離脱により、圧力上昇が2段に起こるので、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t2において、500℃程度まで昇温する。時刻t2〜t3においても反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、0.5〜2時間、500℃程度の一定温度に維持する。500℃程度のベーキングにより、主に炭酸(CO2)ガス等のカーボン(C)を含むガスの離脱により、圧力上昇が起こるが、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t3において、800℃程度まで昇温する。時刻t3〜t4においても反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、0.5〜2時間、800℃程度の一定温度に維持する。800℃程度のベーキングにより、主にハイドロカーボン系のガスの離脱により、圧力上昇が起こるが、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t4において、1000℃程度まで昇温する。時刻t4〜t5においても反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、0.5〜2時間、1000℃程度の一定温度に維持する。1000℃程度のベーキングにより、主にハイドロカーボン系のガスの離脱により、圧力上昇が起こるが、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t5において、ベーキング温度の1200℃程度まで昇温する。時刻t5〜t6においても反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、0.5時間程度、1200℃程度の一定温度(ベーキング温度)に維持する。1200℃程度のベーキングにより、SiCのエッチングが明瞭に認められる。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t6において、降温を開始する。
【0035】
(ロ)時刻t6〜t8の水素(H2)パージ:
時刻t7で、グラファイトサセプター2の温度が500℃程度の第1温度まで下がったら、水素(H2)ガスを反応管1の内部に導入し、反応管1の内部を水素(H2)ガスでパージする。
【0036】
(ハ)時刻t8〜t11のSiC/Siコート:
一定時間の水素(H2)パージが終了したら、時刻t8において、グラファイトサセプター2の温度が1200℃程度になるまで第1温度から昇温する。時刻t9において、グラファイトサセプター2の温度が1200℃程度になったら、モノシラン(SiH4)ガスをマスフローコントローラ12bを介し、プロパン(C38)ガスをマスフローコントローラ12aを介して、反応管1に導入する。モノシランガスとプロパンガスを1200℃以上の反応管1の内部に導入することにより、グラファイトサセプター2上に表面にシリコン(Si)及びSiCが堆積を開始する。更に1400℃程度のコーティング温度になるまで昇温する。時刻t9〜t10の昇温時間は、約20分である。1400℃(コーティング温度)におけるSiCの堆積速度は、約7μm/hrであり、約1時間(時刻t9〜t11)、グラファイトサセプター2上に表面にSi及びSiCの少なくとも一方からなる被膜が堆積を開始する。時刻t11において、ストップバルブ13a,13bを閉じ、モノシランガスとプロパンガスの導入を停止し、コーティング温度からの降温を開始する。プロパンガスのボンベ11a及びモノシランガスのボンベ11bをシャットオフした後、配管に残留したモノシランガスとプロパンガスは、ストップバルブ14a,14bを開放することによりパージライン37から排気される。
【0037】
(ニ)時刻t11〜t13の真空排気:
時刻t11の降温開始後、グラファイトサセプター2の温度が100℃程度の第2温度まで下がったら、反応管1の内部を真空排気する。即ち、時刻t11〜t13において、反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、100℃程度の一定温度に維持する。
【0038】
(ホ)時刻t13〜t18の第2真空ベーク:
時刻t13〜t14においては、グラファイトサセプター2の温度を第2温度から200℃程度に昇温し、0.5〜2時間、200℃程度の一定温度に維持する。200℃程度のベーキングにより、圧力上昇が起こるが、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t14において、500℃程度まで昇温する。時刻t14〜t15においても反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、0.5〜2時間、500℃程度の一定温度に維持する。500℃程度のベーキングにより圧力上昇が起こるが、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t15において、800℃程度まで昇温する。時刻t15〜t16においても反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、0.5〜2時間、800℃程度の一定温度に維持する。800℃程度のベーキングにより圧力上昇が起こるが、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t16において、1000℃程度まで昇温する。時刻t16〜t17においても反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、0.5〜2時間、1000℃程度の一定温度に維持する。1000℃程度のベーキングにより圧力上昇が起こるが、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t17において、1200℃程度の剥離温度まで昇温する。時刻t17〜t18においても反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、0.5時間程度、1200℃程度の一定温度(剥離温度)に維持する。1200℃程度の剥離温度におけるベーキングにより、Si及びSiCの少なくとも一方からなる被膜(コーティング膜)が除去される。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t18において、降温を開始する。
【0039】
(ヘ)時刻t18〜t20のウェハロード:
時刻t18の降温開始後、グラファイトサセプター2の温度が室温近傍まで下がる(時刻t19)まで、反応管1の内部を真空排気する。そして、時刻t19において、反応管1の下流側フランジを開放し、水素雰囲気若しくは、ヘリウム(He)等の希ガス雰囲気のグローブボックス中に取り出す。そして、グローブボックス中で、グラファイトサセプター2にSiC基板(ウェハ)31を搭載し、再びグラファイトサセプター2を、反応管1の内部に収納し、排気ポンプ系7を用いて、真空排気を行う。或いは、図1では省略しているが、反応管1の下流側フランジに、基板搬送ゲートバルブを介して真空予備室を接続し、真空予備室の内部を水素若しくは希ガス雰囲気にして、グラファイトサセプター2にSiC基板(ウェハ)31を搭載するようにしても良い。更に、真空予備室(第1の真空予備室)に対し接続された第2の真空予備室を用意し、ローダーロボットアームを用いて、真空中で、グラファイトサセプター2にSiC基板31を搭載する処理をしても良い。そして、この真空予備室(第1の真空予備室)を真空排気後、基板搬送ゲートバルブを開け、真空予備室(第1の真空予備室)にセットされたSiC基板31をローダーロボットアームにより反応管1内に移すようにすることも可能である。この場合、その後、ローダーロボットアームを戻し、基板搬送ゲートバルブを閉じる。このようにして、グラファイトサセプター2を大気に開放しないで、反応管1内部に戻すようにすることが出来る。時刻t18〜t20のウェハロードの段階においては、グラファイトサセプター2を反応管1内部に戻した後、反応管1の内部の圧力が0.1mPa以下になるまで排気ポンプ系7で排気する。
【0040】
(ト)時刻t20〜t25のエピ成長:
反応管1の内部の圧力が0.1mPa以下になれば、時刻t20において、グラファイトサセプター2の温度を200℃程度まで昇温する。時刻t20〜t21においては、グラファイトサセプター2の温度を、0.5時間以上、200℃程度の一定温度に維持する。200℃程度のベーキングにより、圧力上昇が起こるが、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t21において、500℃程度まで昇温する。時刻t21〜t22においても反応管1の内部の圧力が2mPa以上にならないように排気ポンプ系7で排気して、0.5時間以上、500℃程度の一定温度に維持する。500℃程度のベーキングにより圧力上昇が起こるが、反応管1の内部の圧力が2mPa以下になるように圧力を維持する。更に、真空排気を続けると、圧力が下がるので、時刻t22において、マスフローコントローラ12dを介して水素(H2)ガスを、反応管1の内部に供給し、1400℃まで昇温する。時刻t23において、グラファイトサセプター2の温度が1400℃程度になったら、プロパン(C38)ガスをマスフローコントローラ12aを介して反応管1に導入する。更に、1400℃に到達後、1分後(時刻t24)、グラファイトサセプター2を成長温度Tg、例えば1500〜1800℃にまで昇温する。成長温度Tgに到達後、3分後に、モノシラン(SiH4)ガスをマスフローコントローラ12bを介して反応管1に導入し、SiCの成長を開始する。所望の膜厚が得られたら、時刻t25において、ストップバルブ13bを閉じ、モノシランガスの導入を停止する。更にその0.5分後、ストップバルブ13aを閉じ、プロパンガスの導入を停止し、同時に降温を開始する。プロパンガスのボンベ11a及びモノシランガスのボンベ11bをシャットオフした後、配管に残留したモノシランガスとプロパンガスは、ストップバルブ14a,14bを開放することによりパージライン37から排気される。
【0041】
(第1の実施の形態)
最初に、本発明の第1の実施の形態に係るCVD方法を用いた半導体素子(ショットキーダイオード)の製造方法を説明する。
【0042】
(イ)図16(a)に示すように、先ず、SiC基板51の上に、図1に示すLPCVD装置を用いて、純度n-SiCエピ層52をLPCVD法で堆積する。本発明の第1の実施の形態に係るCVD方法においては、図4に示した、プロセス・シーケンス中、時刻t1〜t6の第1真空ベーク、時刻t6〜t8の水素(H2)パージ、時刻t8〜t11のSiC/Siコート、時刻t11〜t13の真空排気、時刻t13〜t18の第2真空ベークの工程を省略し、時刻t20〜t25のエピ成長の工程のみを行う。CVDの条件は、成長温度Tgが1600℃,成長圧力が20kPa、SiH4の供給流量が6.67sccm、C38の供給流量が3.33sccm,ドーパント原料のN2の供給流量が0.12sccm,キャリアガスである水素の供給流量が40000sccmである。この結果、キャリア密度が5×1015cm-3の高純度n-SiCエピ層52がエピタキシャル成長する。
【0043】
(ロ)次に、図16(b)に示すように、SiC基板51の裏面に裏面金属63を、真空蒸着法、若しくはスパッタリング法で堆積する。更に、シンタリング(熱処理)を行い、SiC基板51と裏面金属63とのコンタクト抵抗を下げる。
【0044】
(ハ)次に、図16(c)に示すようにNi等のショットキー金属62を、真空蒸着法、若しくはスパッタリング法で堆積すれば、ショットキーダイオードが完成する。
【0045】
なお、厚さが10μmのn-SiCエピ層52をLPCVD法で堆積した後、そのn-SiCエピ層52の表面をSIMSで測定した結果を図7(a)に示す。図7(a)は、窒素密度が異なる複数個のグラファイトサセプター2を用意し、この複数のグラファイトサセプター2を用いた場合のLPCVD成長で得られた成長膜中の窒素密度とグラファイトサセプター中の窒素密度との関係を示す。グラファイトサセプター2中の窒素密度を1×1017cm-3以下とすると、グラファイトサセプター2に由来する成長膜中の窒素密度は1×1014cm-3以下となる。これは高純度n-SiCエピ層52の制御不純物密度に対して3%以下である。図16(c)に示すショットキーダイオードは順方向抵抗の7割以上が、高純度n-SiCエピ層52の走行抵抗となるので、本発明の第1の実施の形態に係るCVD方法によれば、ショットキーダイオードの素子抵抗のばらつきを、±数%以内と、通常のSi系半導体素子の設計マージン内に収めることが出来る。
【0046】
次に、アルミニウム(Al)密度が異なる複数個のグラファイトサセプター2を用意し、この複数のグラファイトサセプター2を用いて厚さが7μmのn-SiCエピ層52をLPCVD法で堆積した後、そのn-SiCエピ層52の表面をSIMSで測定した結果を図7(b)に示す。窒素の密度は1×1016cm-3に制御している。Alの密度に関してはSiCコートを行うとグラファイトサセプター2に用いるグラファイトサセプター中のAl密度が同一であっても、CVD膜中に取り込まれるAl密度が高くなることを見出した。この理由は明らかではないが、母材のグラファイトサセプター中のAl密度に対応してCVD膜中のAl密度も高くなっている。このことから、SiCコート膜が昇華する際に元来グラファイトサセプター中にあったAlがCVD膜中に移動するのを助けていることが推定される。
【0047】
図7(b)に示すように、SiCコートがない場合にはグラファイトサセプター2中のAl密度と成長膜中のSIMSで測定したAl密度の比は3:1である。したがって、グラファイトサセプター2中のAl密度を3×1014cm-3以下にすれば、高純度n-SiCエピ層52中のAl密度は1×1014cm-3以下となる。この場合成長膜中の制御不純物密度が1×1016cm-3なので、補償比が0.01となる。即ち、補償比0の設計値と比べて移動度の変化が数%で、素子全体の抵抗上昇は1%程度と実用的なレベルに抑えることが出来る。ここで全く同じ条件でAl密度が1×1016cm-3の通常レベルのグラファイトサセプター2を用いた場合、素子抵抗が設計値よりも数%以上高く,ショットキーダイオードとしては極めて不満足な特性しか示さない。
【0048】
次に、ボロン(B)密度が異なる複数個のグラファイトサセプター2を用意し、この複数のグラファイトサセプター2を用いて厚さが7μmのn-SiCエピ層52をLPCVD法で堆積した後、そのn-SiCエピ層52の表面をSIMSで測定した結果を図7(c)に示す。窒素の密度は1×1016cm-3に制御している。
【0049】
図7(c)に示するように、成長膜中の不純物密度はグラファイトサセプター2中のB密度低下とともに急激に下がることが分かる。グラファイトサセプター2中のB密度を1×1015cm-3以下とすれば、n-SiCエピ層52中のB密度は1×1014cm-3以下となることが分かる。この場合n-SiCエピ層52中の制御不純物密度が1×1016cm-3なので、補償比が1%程度であり、移動度の変化は数%以内であり、素子全体の抵抗上昇は数%以内と実用的なレベルに抑えられる。また本発明のSiC膜成長方法を用いて形成した4H-SiC膜の移動度をホール測定法により測定したところ、室温で1100cm2/v・sと良好な値が得られた。また低温で測定したところ、55Kにおいて35000cm2/v/sと従来得られなかった値が得られた。対応する従来例では25000cm2/v/sの値が最も高い値である。このように従来の報告例と比べて大きな移動度がが低温で得られたことは、結晶中の不純物密度が低いことを示しており、本発明の結晶成長方法がp型の不純物を減らす上で極めて有効であることを示している。
【0050】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係るCVD方法を図16に示す半導体素子の概略断面図を用いて説明する。
【0051】
(イ)図17(a)に示すように、先ず、SiC基板51の上に、図1に示すLPCVD装置を用いて、純度n-SiCエピ層52をLPCVD法で堆積する。本発明の第2の実施の形態に係るCVD方法においては、図4に示した、プロセス・シーケンス中、時刻t1〜t6の第1真空ベーク、時刻t6〜t8の水素(H2)パージ、時刻t8〜t11のSiC/Siコート、時刻t11〜t13の真空排気、時刻t13〜t18の第2真空ベークの工程を省略し、時刻t20〜t25のエピ成長の工程のみを行う。CVDの条件は、成長温度Tgが1600℃,成長圧力が20kPa、SiH4の供給流量が6.67sccm、C38の供給流量が3.33sccm,ドーパント原料のN2の供給流量が0.12sccm,キャリアガスである水素の供給流量が40000sccmである。この結果、キャリア密度が5×1015cm-3の高純度n-SiCエピ層52がエピタキシャル成長する。
【0052】
(ロ)更に、図17(a)に示すように、n-SiCエピ層52の上に、図1に示すLPCVD装置を用いて、p-SiCエピ層53をLPCVD法で堆積する。CVDの条件は、成長温度Tgが1600℃,成長圧力が20kPa、SiH4の供給流量が6.67sccm、C38の供給流量が3.33sccm,ドーパント原料のTMAlの供給流量が0.01sccm,キャリアガスである水素の供給流量が40000sccmである。
【0053】
(ハ)次に、図17(b)に示すように、オーミック金属を、真空蒸着法、若しくはスパッタリング法で堆積すれば、アノード電極64を形成する。そして、図17(c)に示すように、SiC基板51の裏面にオーミック金属を、真空蒸着法、若しくはスパッタリング法で堆積し、カソード電極65を形成する。更に、シンタリング(熱処理)を行い、p-SiCエピ層53とアノード電極64とのコンタクト抵抗、及びSiC基板51とカソード電極65とのコンタクト抵抗を下げれば、pn接合ダイオードが、完成する。
【0054】
次に、チタン(Ti)密度が異なる複数個のグラファイトサセプター2を用意し、この複数のグラファイトサセプター2を用いて厚さが10μmのn-SiCエピ層52、及び厚さが2μmのp-SiCエピ層53をLPCVD法で堆積した後、そのn-SiCエピ層52の表面をSIMSで測定した結果を図8(a)に示す。窒素の密度は1×1014cm-3に制御している。p-SiCエピ層53は、5×1018cm-3のAlが添加されている。ここで高純度n-SiCエピ層52をエピタキシャル成長する際のCVD条件は第1の実施の形態と同一である。図8(a)に示すように、グラファイトサセプター2中のTi密度が2×1014cm-3以下であれば、成長膜中のTiの密度が1×1013cm-3以下に出来ることが分かる。即ち、上記の成長条件では、グラファイトサセプター2中のTi密度と成長膜中の不純物密度の比は略1:20であり、高純度n-SiCエピ層52中24のTi密度は1×1013cm-3以下となる。
【0055】
図9(a)に成長膜中のTi密度とキャリアのライフタイムの関係を示す。ライフタイムはグラファイトサセプター2に対して、SiCコートのある場合とない場合で異なっており、SiCコートがあると、ライフタイムはより長くなることが分かる。SiCコートの有り/無しのいずれの場合にも、成長膜中のTi密度の低下とともにライフタイムが長くなる。但し、SiCコートがない場合には、Ti密度を1×1013cm-3以下とすることで通常のバイポーラ・デバイスの作製に不可欠な1μs以上のライフタイム値を得られることが分かる。
【0056】
また、本発明の第2の実施の形態に係るCVD方法により形成されたpn接合ダイオードでは、オン状態での抵抗値がSiCのバンドギャップとほぼ一致しており、走行抵抗はほとんど発生していないと判断される。
【0057】
次に、バナジウム(V)密度が異なる複数個のグラファイトサセプター2を用意し、この複数のグラファイトサセプター2を用いて、厚さが10μmのn-SiCエピ層52、及び厚さが2μmのp-SiCエピ層53をLPCVD法で堆積した後、そのn-SiCエピ層52の表面をSIMSで測定した結果を図8(b)に示す。窒素の密度は1×1014cm-3に制御している。ここで高純度n-SiCエピ層52をエピタキシャル成長する際の条件は第1の実施の形態と同一である。図8(b)に示すように、グラファイトサセプター2中のV密度を1×1014cm-3以下とすれば、高純度n-SiCエピ層52中のV密度は3×1010cm-3以下となることが分かる。
【0058】
図9(b)に示すように、キャリアのライフタイムは、V密度の減少とともに増大し、V密度3×1010cm-3の場合にはライフタイムが1μsを越えることが分かる。本発明のpn接合ダイオードにおいては、オン状態での抵抗値がSiCのバンドギャップとほぼ一致しており走行抵抗はほとんど発生していないと判断される。
【0059】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態に係るCVD方法を説明する。第1及び第2の実施の形態に係るCVD方法においては、図4に示した、プロセス・シーケンス中、時刻t1〜t6の第1真空ベーク、時刻t6〜t8の水素(H2)パージ、時刻t8〜t11のSiC/Siコート、時刻t11〜t13の真空排気、時刻t13〜t18の第2真空ベークの工程を省略し、時刻t20〜t25のエピ成長の工程のみを行う方法を実施した。第3の実施の形態に係るCVD方法においては、図4に示したプロセス・シーケンス中の時刻t1〜t6の第1真空ベークに対応して、SiC成長膜を成長する前に、グラファイトサセプター2を真空でベーキングする。
【0060】
この第1真空ベークを行う場合には、前述したように、反応管1内の圧力が2mPaを越えないようにする。2mPa以下の管内圧力を維持したまま、図4に示すように、5段階を経て、徐々に処理温度を上げ、最終的に1230℃程度のベーキング温度まで真空ベークする。
【0061】
制御性度良くグラファイトサセプター2を形成するために、グラファイトサセプター2を図2(a)に示すように、上部グラファイト2a,下部グラファイト2b,側壁グラファイト(側壁部材)2c及び2dに4分割して形成している。グラファイトサセプター2を4分割していると、グラファイトサセプター2をRFにより加熱すると真空中で放電が起こり、真空ベーク出来なくなる問題が発生する。本発明の第3の実施の形態に係るCVD方法においては、このグラファイトサセプター2の内ウェハ31から離れた、側壁グラファイト(側壁部材)2c及び2dの2つをSiCコートして加熱したところ、放電は起こらなかった。これはグラファイトサセプター2の一部に高抵抗部分が形成されたことにより、部分毎に電流が流れるようになり、部品間での接触部分での電流集中が防がれたためである。
【0062】
本発明の第3の実施の形態に係るCVD方法においては、このように第1真空ベークを行った後に、グラファイトサセプター2を空気に触れさせることなく、ウェハ31をローディングしてCVDを行った。CVDの温度は1550℃、成長圧力は20kPa、SiH4は6.67sccm、C38は3.33sccmである。このようにグラファイトサセプター2の第1真空ベークを行った後にCVD膜を成長すると、成長膜の不純物密度が5×1014cm-3以下の純度の膜が得られる。
【0063】
同様な手法を用いてグラファイトサセプター2をベーキングした後に、第1の実施の形態のショットキーダイオードを形成すると、高純度n-SiC膜52の不純物密度は制御精度10%で制御出来る。一方グラファイトサセプター2の第1真空ベークを行わない場合には、成長膜中の不純物密度は意図的に不純物を添加しない場合で、1×1015cm-3程度となる。第1の実施の形態のショットキーダイオードを形成する場合には、高純度n-SiC膜52の不純物密度は20%程度の誤差を含み、実用的な制御精度が得られない。なお、圧力を2mPa以上に上がるような条件で第1真空ベークを行うと、急激にグラファイトサセプター2からの脱ガスがあるために、CVD装置全体が汚染されてしまうので好ましくない。また、実際に成長した成長膜の不純物密度も8×1014cm-3程度であり、十分なベーキングの効果が得られない。
【0064】
なお、第3の実施の形態では、ウェハ31に近い部分での下部グラファイト2bは、無垢のグラファイト材料を使用した。ウェハ31に近い下部グラファイト2bにもSiCコートを行ったところ、成長前からウェハ31上の一部にSiCの堆積が起こり、均一な成長を制御性良行うことは出来なくなる問題が明らかになったため、下部グラファイト2bをSiCコートすることは、好ましくない。
【0065】
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態に係るCVD方法を説明する。SiC成長膜を成長する前に、グラファイトサセプター2を、第3の実施の形態と同一の条件で、第1真空ベークする。本発明の第4の実施の形態に係るCVD方法では、図4に示すCVD成長のプロセス・シーケンスの、時刻t6〜t8の水素(H2)パージを経て、時刻t8〜t11のSiC/Siコートを行う。
【0066】
即ち、水素(H2)ガスを流量4、0000sccmで供給して、グラファイトサセプター2を水素中で500℃〜1200℃まで加熱する。更に、時刻t9において、SiH4を20sccmとC38を3.33sccm供給しながら加熱温度を1200℃から1400℃まで上昇させる。時刻t9〜t10の昇温時間は、約20分である。1400℃のコーティング温度におけるSiCの堆積速度は、約7μm/hrであり、時刻t9〜t11の約1時間、グラファイトサセプター2上に表面にSi及びSiCの少なくとも一方からなる被膜を5〜15μmの厚さに堆積する。
【0067】
本発明の第4の実施の形態に係るCVD方法においては、この操作で、グラファイトサセプター2の表面にSi、及びSiCのコーティング膜が堆積する。このような処理を行った後に、コーティング温度から室温近傍まで降温し、グラファイトサセプター2を空気に触れさせることなく、ウェハ31をローディングしてCVDを行う。CVDの温度は1550℃、成長圧力は20kPa、SiH4は6.67sccm、C38は3.33sccmである。
【0068】
このように、図4に示すCVD成長のプロセス・シーケンスの内で、時刻t1〜t6の第1真空ベーク、時刻t6〜t8の水素(H2)パージ、時刻t8〜t11のSiC/Siコートの処理を行った後に、CVD膜を成長すると、不純物密度が5×1013cm-3以下の純度の膜が得られる。
【0069】
本発明の第4の実施の形態に係るCVD方法を用いてグラファイトサセプター2を第1真空ベーク、SiC/Siコートの処理した後に、第1の実施の形態のショットキーダイオードを製造すると、高純度n-SiC膜52の不純物密度は、制御精度数%以内で制御出来る。
【0070】
(第5の実施の形態)
本発明の第5の実施の形態に係るCVD方法においては、図4に示すCVD成長のプロセス・シーケンスの時刻t1〜t6の第1真空ベーク、時刻t6〜t8の水素(H2)パージ、時刻t8〜t11のSiC/Siコート、時刻t11〜t13の真空排気、時刻t13〜t18の第2真空ベーク、時刻t18〜t20のウェハロード、及び時刻t20〜t25のエピ成長の各段階のすべてを実施する場合に付いて説明する。
【0071】
即ち、SiC成長膜を成長する前に、グラファイトサセプター2を第4の実施の形態の条件で処理する。その後、反応管1の内部の圧力を2mPa以下に維持したまま、図4に示すように、徐々に5段階で、処理温度を上げ、最終的には、1230℃の剥離温度において、第2真空ベークをする。この剥離温度における第2真空ベークの操作を行うことで、第4の実施の形態の条件の処理でグラファイトサセプター2の表面に堆積したSi及びSiCの少なくとも一方からなる被膜(コーティング膜)の一部が除去された。このような時刻t13〜t18の第2真空ベークの処理を行った後に、時刻t18〜t20において、グラファイトサセプター2を空気に触れさせることなく、ウェハ31をローディングしてCVDを行う。
【0072】
CVDの温度は1550℃、成長時の反応管1の内部の圧力は20kPa、SiH4の流量は6.67sccm、C38の流量は3.33sccmである。このように、図4に示すCVD成長のプロセス・シーケンスの第1真空ベーク、水素(H2)パージ、SiC/Siコート、真空排気、第2真空ベークの各段階のすべてを実施した後に、CVD膜を成長すると、CVD膜中の不純物密度が2×1014cm-3以下の純度の膜が得られる。第4の実施の形態のグラファイトサセプター2の処理方法と比べると、若干成長膜中の不純物密度は高くなるが、この処理によりコーティング膜の状態が変わりにくくなる。そして、一度処理を施すとその後、再現性が良くなり、同程度の純度の膜を再現性が良く得ることが出来る。
【0073】
本発明の第5の実施の形態に係るCVD方法を用いて、図4に示すCVD成長のプロセス・シーケンスをすべて実施して、グラファイトサセプター2を処理した後に、第1の実施の形態のショットキーダイオード第1の実施の形態のショットキーダイオードを形成し、C−V測定により不純物密度を測定する、再現性良く、高純度n-SiC膜52の不純物密度は制御精度5%以内で制御出来る。
【0074】
(第6の実施の形態)
本発明の第6の実施の形態に係るCVD方法においては、第3の実施の形態で説明した第1真空ベークの処理をグラファイトサセプター2に対して行った後に、グラファイトサセプター2の表面を5〜20μm、例えば、10μm研削除去し、その後に第1の実施の形態と同一の条件でCVD成長膜の形成を行う。或いは、第4の実施の形態で説明した第1真空ベーク及びSiC/Siコートの処理を行った後に、グラファイトサセプター2の表面を5〜20μm、例えば、10μm研削除去し、その後に第1の実施の形態と同一の条件でCVD成長膜の形成を行う。更には、第5の実施の形態で説明した第1真空ベーク、SiC/Siコート、第2真空ベークの処理を行った後に、グラファイトサセプター2の表面を5〜20μm、例えば、10μm研削除去し、その後に第1の実施の形態と同一の条件でCVD成長膜の形成を行う。
【0075】
その結果、不純物密度が1×1014cm-3以下のCVD膜が得られる。これは第1真空ベーク、SiC/Siコート、第2真空ベークの処理により、グラファイトサセプター2の表面が崩れて、表面に不純物が蓄積される量が多くなっているために、グラファイトサセプター2の表面を除去すると、グラファイトサセプター2から放出される不純物量を低減出来るからである。
【0076】
本発明の第6の実施の形態に係るCVD方法を用いて、第1の実施の形態のショットキーダイオードを形成し、C−V測定により不純物密度を測定すると、再現性良く、高純度n-SiC膜52の不純物密度は制御精度5%以内で制御出来ることが分かる。
【0077】
(第7の実施の形態)
本発明の第7の実施の形態に係るCVD方法においては、SiC基板51として、(0001)Cの4H-SiC基板を用いる場合について説明する。
【0078】
CVD条件は、第1の実施の形態と同一である。但し、N2の供給流量は0.02sccmとする。第7の実施の形態の成長膜中のAl,B,Tiの密度は5×1013cm-3以下であり、SIMS測定では、検出されない。通常のように(0001)Si面を用いた場合には、これらの密度は10〜50×1013cm-3であり、明瞭な補償効果が確認され、意図的に加えた不純物の制御精度を下げる原因となっている。
【0079】
通常の窒素密度のグラファイトサセプター2を用いた場合には、(0001)C面では窒素の取り込まれ効率が高いために意図せずに添加した窒素密度が1×1015cm-3程度あり、不純物密度の制御性に影響がある。しかし、窒素密度が1×1017cm-3以下のグラファイトサセプター2を用いることで、窒素密度が1×1014cm-3まで下がる。このような低密度になっても補償比が小さいために、1×1014cm-3以上のキャリア密度領域においては、バックグラウンドの窒素密度を勘案することで制御性良く、1×1014cm-3以上のキャリア密度を制御することが出来る。
【0080】
CVD温度を1500℃から1600℃まで上げることにより(0001)Si面に成長したSiC中の窒素密度は1×1013cm-3から1×1014cm-3まで上がったが、(0001)C面に成長した場合は1×1015cm-3から1.5×1014cm-3まで下がった。このため、(0001)C面を用いても、1600℃以上の高温の成長では、(0001)Si面と比べて窒素の添加効率が大きく高くなることは無く、(0001)C面を用いることは1600℃以上の成長において特に有効であった。
【0081】
本発明の第7の実施の形態に係るCVD方法を用いて第1の実施の形態のショットキーダイオードを形成し、C−V測定により不純物密度を測定すると、高純度n-SiC膜52が不純物密度の再現性良く、即ち、5%以内で制御出来る。
【0082】
なお、(0001)C面を用いる場合には、通常は、SiCコートグラファイトサセプター2を用いると、成長膜中にエッチピット等の欠陥が認められる。しかし、ウェハ31の周辺の数cm以内のグラファイトサセプター2として、グラファイト基材を用いることで良質な表面モフォロジーの結晶を得ることが出来る。
【0083】
(第8の実施の形態)
本発明の第8の実施の形態に係るCVD方法においては、キャリアガスとして用いる水素ガスの露点について説明する。
【0084】
第8の実施の形態に係るCVDの条件は、図15の表に示すように、成長温度Tgが1600℃,成長圧力が25kPa、SiH4の供給流量が6.67sccm、C38の供給流量が3.33sccm、水素の供給流量が40000sccmである。
【0085】
水素ガスに関しては、図15の表に示すように、露点が−93℃、−85℃、−75℃の水素ガスを用いた。基板は4H-SiCの(0001)Si面である。図15の表に示すように、Ti、Al、Bの密度は、ともに露点が高いほど低く、露点が−93℃から−75℃まで上がることによりいずれの不純物密度も1014cm-3の半ばまで略一桁下がることが分かる。
【0086】
図10に示すように、露点を上げるにつれて、バンド端近傍での発光強度が増大する。このことは露点を上げることにより、結晶中でバンド端以外での遷移の小さい良質な結晶が得られていることを示している。なおこれらの成長条件で成長したキャリア密度1×1016cm-3厚さ10μmのウェハを用いて逆方向耐圧を測定すると、いずれの場合にも耐圧1000V以上が得られる。
【0087】
いずれの露点条件においても成長速度は2.5μm/hrであったが、露点が−75℃よりも高くなると成長速度の低下が認められる。また膜中に微粒子が含まれるようになり、実用的ではない。
【0088】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1〜第8の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0089】
例えば、第1〜第8の実施の形態においては、4H−SiCに付いて説明したが、6H−SiCや15R−SiC等の他の結晶構造のSiCのCVD成長でも同様であることは勿論である。
【0090】
したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0091】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係わるCVD方法、CVD装置及びCVD装置用サセプターによれば、意図的に添加した以外の不純物密度の低いSiC膜のエピタキシャル成長膜を提供することが出来る。
【0092】
本発明に係わるCVD方法、CVD装置及びCVD装置用サセプターによれば、不純物密度を制御性、再現性良制御することが出来、設計値通りの抵抗値を有するSiC膜を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第8の実施形態に係るCVD法に用いるLPCVD装置の概略構造を示す模式図である。
【図2】図2(a)は、図1のLPCVD装置に用いるグラファイトサセプターの詳細を示す鳥瞰図で、図2(b)は、図2(a)に示したグラファイトサセプターを挿入する固形カーボンウール断熱材を示す鳥瞰図である。
【図3】図2(a)のグラファイトサセプターと図2(b)の固形カーボンウール断熱材を組み合わせた状態を示す鳥瞰図である。
【図4】本発明の第1〜第8の実施形態に係るCVD法に用いるプロセス・シーケンスを例示し、特に、グラファイトサセプターの温度に着目したタイムチャートである。
【図5】ラン番号に伴う、成長膜中の不純物密度の変化を示す図である。
【図6】成長膜中のチタン(Ti)密度とフォトルミネッセンス発光強度との関係を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態において、不純物密度が異なる複数個のグラファイトサセプターを用意し、この複数のグラファイトサセプターを用いた場合のLPCVD成長で得られた成長膜中の不純物密度とグラファイトサセプター中の不純物密度との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の第2の実施の形態において、不純物密度が異なる複数個のグラファイトサセプターを用意し、この複数のグラファイトサセプターを用いた場合のLPCVD成長で得られた成長膜中の不純物密度とグラファイトサセプター中の不純物密度との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の第2の実施の形態において、不純物密度が異なる複数個のグラファイトサセプターを用意し、この複数のグラファイトサセプターを用いた場合のLPCVD成長で得られた成長膜中の少数キャリアのライフタイムとグラファイトサセプター中の不純物密度との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第8の実施の形態に係るCVD方法において、キャリアガスとして用いる水素ガスの露点と成長膜中の不純物密度との関係、及び水素ガスの露点とフォトルミネッセンス発光強度との関係を示す図である。
【図11】本発明の第8の実施の形態に係るCVD方法において、キャリアガスとして用いる水素ガスの露点と成長膜中のキャリア密度との関係を示す図である。
【図12】本発明の第1〜第8の実施形態に係るCVD法に用いるSiH4の供給流量と成長速度との関係を示す図である。
【図13】不純物密度が異なる10個のグラファイトサセプターを用意し、この10個のグラファイトサセプター中の不純物密度と成長膜中の不純物密度と対応関係を各不純物元素に付いて比較する表である。
【図14】図3の10個のグラファイトサセプターに対応して、それぞれのグラファイトサセプターを用いて成長した成長膜中のキャリア密度、フォトルミネッセンス発光強度、少数キャリアのライフタイムを示す表である。
【図15】露点が−93℃、−85℃、−75℃の水素ガスを用いた場合の、成長膜中のキャリア密度、フォトルミネッセンス発光強度、各元素毎の不純物密度等を示す表である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係るCVD方法を用いた、半導体素子(ショットキーダイオード)の製造方法を説明する工程断面図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係るCVD方法を用いた、半導体素子(pn接合ダイオード)の製造方法を説明する工程断面図である。
【符号の説明】
1 反応管(反応容器)
2 グラファイトサセプター
3 断熱材
3h 貫通孔
5,15 圧力計
6 圧力制御バルブ
7 排気ポンプ系
8 放射温度計(パイロメータ)
11a プロパン(C38)ガスのボンベ
11b モノシラン(SiH4)ガスのボンベ
11c 窒素(N2)ガスのボンベ
12a〜12h マスフローコントローラ
13a,13b,13c,13d ストップバルブ
14 トリメチルアルミニウム(TMAl)のバブラー
14a,14b,14c,14d ストップバルブ
31 SiC基板(ウェハ)
33 高周波誘導加熱ヒータ(RFコイル)
34 RF発振器
35,38 真空配管
36 ガス導入管(ガス導入部)
37 パージライン(バイパスライン)
51 SiC基板
52 n-SiCエピ層
53 p-SiCエピ層
62 ショットキー金属
63 裏面金属
64 アノード電極
65 カソード電極

Claims (13)

  1. 反応容器の内部に、窒素密度が1×1017cm-3以下のグラファイトサセプターを挿入する工程と、
    前記グラファイトサセプターを真空ベークする工程と、
    前記グラファイトサセプターを室温近傍の温度にし、且つ前記グラファイトサセプターを大気に曝さないようにして、前記グラファイトサセプターに基板を配置する工程と、
    前記反応容器の内部を減圧状態に制御して、前記グラファイトサセプターを前記ベーキング温度よりも高温の成長温度まで加熱し、前記基板上に、炭化珪素膜を気相エピタキシャル成長する工程
    とを含むことを特徴とする炭化珪素膜のCVD方法。
  2. 前記真空ベークする工程と前記基板を配置する工程の間に、
    前記グラファイトサセプターを、前記ベーキング温度から該ベーキング温度と室温の間の第1温度まで、降温する工程と、
    前記第1温度から、前記ベーキング温度より高温のコーティング温度にまで前記グラファイトサセプターを加熱し、前記コーティング温度において、前記グラファイトサセプターの表面に珪素及び炭化珪素の少なくとも一方からなる被膜をコーティングする工程
    とを更に含むことを特徴とする請求項1記載の炭化珪素膜のCVD方法。
  3. 前記コーティングする工程と前記基板を配置する工程の間に、
    前記グラファイトサセプターを、前記コーティング温度から該ベーキング温度と室温の間の第2温度まで、降温する工程と、
    前記反応容器の内部を減圧状態に制御して、前記グラファイトサセプターを、前記第2温度から剥離温度まで昇温し、前記コーティングされた前記被膜の少なくとも一部を除去する工程
    とを更に含むことを特徴とする請求項2記載の炭化珪素膜のCVD方法。
  4. 反応容器の内部に、グラファイトサセプターを挿入する工程と、
    前記グラファイトサセプターを真空ベークする工程と、
    前記グラファイトサセプターを、前記真空ベークに用いたベーキング温度から室温近傍の温度まで、降温する工程と、
    該降温後、前記グラファイトサセプターを前記反応容器中から搬出し、前記グラファイトサセプターの表面層を除去する工程と、
    該表面層を除去する工程の後、前記グラファイトサセプターに基板を配置する工程と、
    前記反応容器の内部を減圧状態に制御して、前記グラファイトサセプターを前記ベーキング温度よりも高温の成長温度まで加熱し、前記基板上に、炭化珪素膜を気相エピタキシャル成長する工程
    とを含むことを特徴とする炭化珪素膜のCVD方法。
  5. 反応容器の内部に、グラファイトサセプターを挿入する工程と、
    前記グラファイトサセプターを真空ベークする工程と、
    前記グラファイトサセプターを、前記真空ベークに用いたベーキング温度から室温近傍の温度まで、降温する工程と、
    前記ベーキング温度より高温のコーティング温度にまで前記グラファイトサセプターを加熱し、前記コーティング温度において、前記グラファイトサセプターの表面に珪素及び炭化珪素の少なくとも一方からなる被膜をコーティングする工程と、
    前記グラファイトサセプターを、前記コーティング温度から室温近傍の温度まで、降温する工程と、
    該室温近傍の温度まで降温後、前記グラファイトサセプターを前記反応容器中から搬出し、前記グラファイトサセプターの表面層を除去する工程と、
    該表面層を除去する工程の後、前記グラファイトサセプターに基板を配置する工程と、
    前記反応容器の内部を減圧状態に制御して、前記グラファイトサセプターを前記コーティング温度よりも高温の成長温度まで加熱し、前記基板上に、炭化珪素膜を気相エピタキシャル成長する工程
    とを含むことを特徴とする炭化珪素膜のCVD方法。
  6. 前記真空ベークする工程は、前記反応容器の内部にグラファイトサセプターを挿入する工程の後、
    前記反応容器の内部を減圧状態に排気する工程と、
    前記反応容器の内部を減圧状態に制御して、前記グラファイトサセプターを段階的に前記ベーキング温度に至るまで昇温し、前記グラファイトサセプター中の水分及びカーボンを含むガスを離脱する工程
    とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭化珪素膜のCVD方法。
  7. 前記コーティング温度は、1200℃〜1450℃の間の温度であることを特徴とする請求項2,3及び5のいずれか1項に記載の炭化珪素膜のCVD方法。
  8. 前記基板は、(0001)C面を有するSiC基板であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の炭化珪素膜のCVD方法。
  9. 窒素密度が1×1017cm-3以下のグラファイトサセプターに、(0001)C面を有するSiC基板を配置する工程と、
    前記グラファイトサセプターが挿入された反応容器の内部を減圧状態に制御して、前記グラファイトサセプターを成長温度まで加熱し、前記基板上に炭化珪素膜を1600℃以上で気相エピタキシャル成長する工程
    とを含むことを特徴とする炭化珪素膜のCVD方法。
  10. 前記気相エピタキシャル成長で成膜された前記炭化珪素膜中のAl,B,Tiの密度が5×1013cm-3以下であることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素膜のCVD方法。
  11. 前記成長温度における前記炭化珪素膜の気相エピタキシャル成長は、露点が−85℃〜−75℃の間のキャリアガスを用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の炭化珪素膜のCVD方法。
  12. 反応容器と、
    該反応容器にガスを導入するガス導入部と、
    前記反応容器を真空排気する真空排気部と、
    前記反応容器の内部に配置され、窒素密度が1×1017cm-3以下の複数のグラファイト部材と、該複数のグラファイト部材の間に嵌合し、該グラファイト部材よりも抵抗率の高い材料からなる領域を少なくとも前記グラファイト部材との嵌合部に有する抵抗性部材とを筒型に組み合わせたサセプターと、
    前記サセプターの周方向に沿って電流を環流させ、前記複数のグラファイト部材を加熱する高周波誘導加熱手段
    とを備えることを特徴とするCVD装置。
  13. 窒素密度が1×1017cm-3以下の複数のグラファイト部材と、
    該複数のグラファイト部材の間に嵌合し、該グラファイト部材よりも抵抗率の高い材料からなる領域を少なくとも前記グラファイト部材との嵌合部に有する抵抗性部材
    とを筒型に組み合わせてなり、高周波誘導加熱により、前記筒型の周方向に沿って電流を環流し、加熱されることを特徴とするCVD装置用サセプター。
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