JP3844656B2 - 動物細胞の形質転換のための方法 - Google Patents

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は外生(または外因性、exogenous)核酸による真核細胞、特に動物細胞の形質転換に全般的に関し、そのような細胞より生じたトランスジェニック生物の作成に関する。とりわけ本発明は、特別に設計された核酸/タンパク質複合体を使用することによって、一時的にトランスフェクト/形質転換された細胞または安定的に形質転換された細胞を生産するために核酸を細胞に導入する方法、およびそのようにしてトランスフェクトまたは形質転換された細胞に関する。
【0002】
(背景技術)
トランスジェニック細胞およびそのような細胞から発生した生物体、ならびに一時的にトランスフェクト/形質転換された細胞の生産への組換えDNA技術の応用による広範な利益を利用するために、外生DNA分子を真核細胞に導入するためのいくつかの方法が発展してきた。これらの方法は電気穿孔法、マイクロインジェクション、リン酸カルシウムまたはポリエチレングリコール(PEG)により媒介されたDNAの取り込みや細胞の融合、およびマイクプロジェクタイルボンバードメントのような物理的、非生物学的な系、ならびにアグロバクテリウムにより媒介されたT-DNAの植物細胞への輸送のような修正された生物学的な系を含む(一般的な概要は、“Plant Genetic Transformation and Gene Expression,A Laborartory Manual”,Draper,J.et al.編集、Blackwell Scientic Publications(1988)出版参照;Potrykus,et.al,“Direct Gene Transfer:State of the Art and Future Potential”,Plant Mol.Bio.Rep.3:117-128(1985)も参照)。
【0003】
これらの発展してきた方法により外生DNAによる広範な種類の細胞および生物体の安定的な形質転換が可能になった。特に“バイオリスティックス”のような物理的な技術の発展は、生体システムによる宿主の範囲に関する明白な制限を解消した。しかしながらこれらの物理的な方法に共通する欠点は、細胞ゲノムに対する送達核酸の注文どおりの組み込みのための方法が全くないことである。結果としてこれらの方法は未解明の機構による送達核酸の非制御的な組み込みによらねばならず、その結果外生DNAはランダム断片の多数コピーとして細胞ゲノムの通常一箇所に組み込まれることになる。
【0004】
外生核酸の細胞への物理的な導入による安定的な形質転換の結果の予測可能性を改善することは、導入遺伝子の安定的な発現を示す、遺伝的に安定な形質転換細胞または生物を生産するこれらの方法の利用性および全体的な効率を著しく向上させる。この目的を達成するためにとられているひとつのアプローチは、生物学的なシステムにおける形質転換および/または組み込みを促進するタンパク質と、非生物学的送達技術を結びつけることである。そのタンパク質が由来する生物学的なシステムをできるだけ模倣することによって、望ましい効果を達成するために、形質転換の標的細胞に送達する前にそのタンパク質と外生のDNA分子を結びつけることが必要だと考えられてきた。(例えば国際出願番号PCT/EP94/02566 to Hohn et al.、WO 95/05471として1995年2月23日公開;国際公開番号PCT/US95/07543 to Conary,J et al.WO 95/34647として1995年12月21日公開)。
【0005】
上述のアグロバクテリウムによる植物の形質転換系は高等植物の安定的な形質転換のために広く用いられている。この系では送達される遺伝子はT-DNA、すなわちアグロバクテリウムTiプラスミドとよく定義される領域により運ばれる。このTiプラスミドはアグロバクテリウム経由の植物細胞の形質転換に関連するタンパク質をコードしている病原性(vir)領域をも含む。少なくとも、これらのタンパク質のうちひとつであるVirD2が、植物核へのターゲティングおよび植物ゲノムへの組み込みに関連している(Tinland et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA89:7442;Tinland et.al(1995)EMBO J.14:3588-3595)。WO 95/05471は、表現型としては正常な外観であり、そして好ましくは稔性のある植物を含む、安定的に形質転換された植物体を生産する方法を記載しているが、この方法はアグロバクテリウムによる形質転換を含んでいない。特にそれは、例えばプロモーターおよび終結配列を含む適当な植物発現シグナルに作動可能なように連結され(operably linked)、そしてVirD2および任意にVirE2タンパク質ユニットがさらに共有結合された、発現可能DNAまたはオリゴヌクレオチドを含み得る、キメラ組換え核酸を含む特別に適合された核酸/タンパク質複合体を公開している。しかしながらその教示の中では、この形質転換技術の動物細胞の分野への応用の可能性については言及されていない。さらにその中では、真核生物細胞の(一時的な)トランスフェクション/形質転換のための、前述のアンチセンス、アンチジーンまたはオリゴザイムアプローチにおいて、該複合体の核酸構成要素として明確に設計されたオリゴヌクレオチドを使用することについては関連していない。
WO 9712046は真核生物細胞、特に、植物細胞へ外生DNAを組み込む方法を記載しているが、安定的なDNAの組み込みにおいて重要となりうる核ヘのターゲティングについては特に記載していない。Guralnick et al.(Plant Cell.1996.8(3):363;373)は、DNAの輸送における核ターゲティングの特異性において、植物および動物の間には機能的な相違がありうることを示唆している。
【0006】
例えばアンチセンスもしくはアンチジーンアプローチのためのオリゴヌクレオチドのような動物および植物細胞への核酸の導入、または動物細胞の永続的な形質転換のために役立つ更なる技術の継続した必要性は存在しているので、本発明の目的は核酸を真核生物細胞に導入するための新しい方法を提供することである。
【0007】
(発明の要約)
本発明は、例えば動物細胞好ましくは哺乳類の細胞を安定的に形質転換または一時的なトランスフェクト/形質転換するために、オリゴヌクレオチドまたは外生DNAを送達するような、核酸を核酸/タンパク質複合体として、真核生物細胞へ送達する方法を提供する。この改良された方法は、例えば、トランスフェクション/形質転換の標的とされた細胞に、導入されることが望まれ、もし望まれれば後の形質転換体の中に組み込まれる、例えば外生DNAまたはオリゴヌクレオチドのような核酸を含む特別に設計された核酸/タンパク質複合体を提供することを含む。
【0008】
例えば、本発明は特に、動物細胞を、DNAのような外生核酸によって一時的にトランスフェクト/形質転換または安定的に形質転換する改良された方法を提供する。この方法は、例えば、高効率の核ターゲティングおよび組み込みというAgrobacterium tumefaciensに媒介されたT-DNA移入の肯定的な特性と、非生物学的な送達方法とを組み合わせる。本発明の視点は、例えば、動物細胞に、T-DNAボーダーまたはその機能的部分に結合されている、核に導入され、そして動物細胞ゲノムに組み込まれることが望まれる外生DNA断片を、当該断片を核へターゲティングさせ、そして外生DNAの宿主細胞ゲノムへの組み込みを促進する、少なくとも一つのアグロバクテリウム由来タンパク質と共に、提供することを含む。本発明にしたがって使用されるアグロバクテリウム由来のタンパク質は、VirD1、VirD2、VirE2、およびVirCからなる群から選択される。好ましくはVirD2と、VirD1、VirC、VirE2、またはそのサブコンビネーションのいずれかとの組み合わせを使用する。あるケースではVirD2の単独使用で十分であり得るが、もっとも好ましくは、アグロバクテリウム由来タンパク質VirD2とVirE2の組み合わせを使用する。
【0009】
本発明によれば、例えばT-DNAボーダー配列またはその機能的部分によって結合されたDNA断片のような外生DNAを含む核酸/タンパク質複合体は、これに限定されるわけではないが、電気穿孔法、マイクロインジェクション、誘導された取り込み、マイクロプロジェクタイルボンバードメントまたは当分野で既知のほかの方法のような非生物学的方法によって動物細胞へ送達されうる。
【0010】
本発明のもう一つの視点において、別のDNA断片によって安定的に形質転換された動物細胞または組織が、安定的に望まれた同種性または異種性核酸を発現するトランスジェニック動物器官または動物全体を生産するように再生される。後者においては、導入遺伝子の安定的な発現がメンデル的形質として遺伝されるような後代に受け渡される。
【0011】
さらに本発明は、動物宿主細胞または宿主細胞において、特に遺伝子療法のために、発現されることが望まれる外生核酸のインビボおよびエクスビボ/インビトロにおける形質転換および組み込み、または一時的なトランスフェクション/形質転換のための新しい方法を提供する。
【0012】
もう一つの視点では、本発明は、アンチセンス、アンチジーン、オリゴザイムまたは突然変異誘発技術に使用するために、動物細胞および植物体へ小さい核酸断片を導入するための手順を提供する。
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明は例えばオリゴヌクレオチドまたは外生DNAを安定的に動物細胞を形質転換するために、核酸を真核生物細胞に核酸/タンパク質複合体として導入する改良された方法を提供する。本発明によれば“核酸/タンパク質複合体”の構成要素である“核酸”は、例えばRNA、修飾されたRNAまたはDNAのような任意のタイプの一本または二本鎖の核酸でありうる。ここでDNAが好ましい型である。この改良された方法は、例えば一般的に、後の形質転換体において組み込まれ、そして発現されることが望まれる外生核酸を含む、特別に設計された核酸/タンパク質複合体を、形質転換の標的とされる動物細胞へ供給することを含む。この文脈では“発現され”または“発現可能な”の語は、明細書を通じて、所定の核酸が一時的にまたは永続的にトランスフェクトまたは形質転換されるべき細胞の核内で、転写の標的として、少なくとも機能することができることを意味するものとする。“T-DNAボーダーまたはその機能的部分”の語は、T-DNAボーダー配列全体およびその一部であって機能的な共通性を有するか、または本発明に従って核酸と相互作用することが望まれるタンパク質に必要である切断部位または結合ドメイン配列を有するものを含むものとする。
【0014】
例えば本発明は、特に例えばDNAのような外生核酸により動物細胞を一時的にトランスフェクト/形質転換または安定的に形質転換する改良された方法を提供する。そしてその方法は、Agrobacterium tumefaciensに媒介されたT-DNAの輸送および組み込みという肯定的な特性と、非生物学的な送達方法による組み込みを組み合わせる。本発明の視点は、動物細胞に、T-DNAボーダーまたはその機能的部分に結合されている、動物細胞ゲノムに組み込まれることが望まれる外生DNA断片を、外生DNAの宿主細胞ゲノムへの組み込みを促進する、少なくとも一つのアグロバクテリウム由来タンパク質と共に、提供することを含む。本発明にしたがって使用されるアグロバクテリウム由来のタンパク質は、特にVirD1、VirD2、VirE2およびVirCを含む。好ましくはVirD2と、VirD1、VirC、VirE2、またはそのサブコンビネーションのいずれかとの組み合わせが使用される。もっとも好ましくは、アグロバクテリウム由来タンパク質VirD2とVirE2を組み合わせて使用する。しかしながらあるケースではVirD2の単独使用が十分であり得、また本発明の範囲に含まれる。
【0015】
本発明によれば、驚くべきことにさまざまな細胞系統に由来する動物細胞が、前述のとおりWO 95/05471において公開されているようなDNA/タンパク質複合体を使用することにより、形質転換に感受性であることが発見され、核酸構成要素がアンチセンス、アンチジーンおよびオリゴザイムアプローチを可能にするオリゴヌクレオチドの形である類似の複合体を使用することにより、効率的に一時的にトランスフェクトされることができる。さらにアグロバクテリウム由来のVirD1およびVirD2のような病原性タンパク質は哺乳類の細胞中で発現されたときに相互作用することが発見された。とくに上述の本発明の主な目的は、例えばVirD1、VirD2およびVirE2のようなアグロバクテリウムのvir領域により生産されたタンパク質の性質を用いることにより達成された。しかし動物細胞の非アグロバクテリウム形質転換においては特にVirD2タンパク質が用いられる。
【0016】
WO 95/05471にすでに記載されている核酸/タンパク質複合体は、すでに述べたエレメントへの作動可能な連結において、VirD2切断反応の基質として少なくとも一つのT-DNAボーダー配列またはその機能的部分を含む、組換え核酸構成体をまず提供することによって得られ得る。もし該基質が全部ではなく一部のみのT-DNAボーダー配列を含むならば、該部分配列は、VirD2タンパク質の認識部位および切断部位を含む、T-DNAボーダー配列のそれらの部分をなお含むことが確認されなければならない。
【0017】
前述のキメラ組換え核酸構成体は好ましくは一本鎖DNA構成体である。VirD2の基質である一本鎖の突出部を伴っている二本鎖分子、またはVirD1/VirD2触媒切断の好ましい基質としてボーダー配列もしくは少なくともその機能的部分を含む負のスーパーコイル(フォーム1)のキメラ組換えDNA構成体もまた本発明の範囲に含まれる。本発明の好ましい実施態様によれば、該キメラ組換え核酸/タンパク質複合体は、さらにVirE2および/またはRecAのようなその他の任意の核酸結合タンパク質を含む。そのタンパク質は、効率的な核内輸送に役立ち、好ましいことに形質転換またはトランスフェクトされるべき核酸をヌクレアーゼのアタックから守ることもできる。好ましくは、本発明はこうしてVirD2、と任意にVirE2、すなわちエクソビボ、インビトロおよびインビボの動物細胞の形質転換またはトランスフェクトのためのタンパク質、と共有結合したキメラ組換え核酸構成体の使用を提供する。この文脈では、本発明にしたがう核酸/タンパク質複合体の構成要素として前記したタンパク質は、オリゴペプチドもしくはそれに由来する誘導体またはそれらの機能的断片であって本発明の目的を達成するために必要な少なくとも一つの機能的特性を保持しているものをも意味することが、理解されるべきである。
【0018】
本発明によれば、使用できる核酸/タンパク質複合体の準備に関しては、詳細はWO 95/05471の完全な公開を参考にした。特にもし該複合体が一本鎖のオリゴヌクレオチドを含むならば、複合体においてVirD2タンパク質の単独使用もまた本発明の範囲に入るけれども、しかしながら本発明によれば最適な送達および/または形質転換効率を達成するためには、好ましくは核酸/タンパク質複合体はVirE2およびVir2タンパク質双方を含むことが注意されなくてはならない。核酸構成要素が、アンチセンス、アンチジーンまたはオリゴザイムアプローチを可能にするオリゴヌクレオチドの形である場合における複合体の準備に関しては、当分野の熟練者にとってはいかにしてそのようなタンパク質を構成したらよいかは明白である。
【0019】
動物細胞の形質転換のためにWO 95/05471にしたがってDNA/タンパク質複合体を使用すると、形質転換頻度およびまたその組み込まれたDNAの質をかなり改善することができた。従来の、タンパク質と会合されていないDNA構成体と比較して、より頻繁に存在する安定的な形質転換事象の点で、これは特に当てはまる。
【0020】
こうして本発明は動物細胞を、例えば、形質転換または一時的にトランスフェクト/形質転換するために核酸を細胞に導入する方法を含み、該方法は、
(a) 発現可能なDNAまたはオリゴヌクレオチドへの作動可能な連結において、先に定義したように、VirD2切断反応において基質として役立つ、少なくとも1つのT-DNAボーダー配列またはその機能的部分を含むキメラ組換え核酸構成体を準備すること;
(b)VirD2タンパク質、さらに例えばVirD1および/またはVirE2および/またはその他の任意の核酸結合タンパク質のような、該核酸をヌクレアーゼの攻撃から守ることのできる、Virタンパク質を伴い得るVirD2により(a)のステップによって準備された核酸基質を切断すること;
(c)少なくとも、切断部位の5'末端に共有結合したVirD2タンパク質を含むこうして切断された核酸を、当分野で既知の方法によって形質転換またはトランスフェクトすべき細胞に導入すること;
を含む。
【0021】
上記方法の好ましい具体例によれば、(b)の核酸基質の切断はインビトロにおいて行われる。
【0022】
本発明によれば、核酸/VirD2タンパク質複合体は、好ましくは、例えばssDNAに結合していることが知られているVirE2および/またはVirD1のようなさらなるVirタンパク質にともなわている。VirE2は、Christie et.al.によって述べられているような当技術分野における既知の方法によって精製されることができる[J Bacteriol 170(6):2659-2667(1988)]。VirD1タンパク質の精製はWO 95/05471において公開されている方法によって達成されることができる。一方VirD2タンパク質はPansegrau et al.において示されるように得られることができる[PANS 90,11538(1993)]。
【0023】
前述のように、本発明の大きな目的は、例えば発現可能なDNAまたはオリゴヌクレオチドへ作動可能なように連結されている、少なくとも一つのT-DNAボーダー配列またはその機能的部分であって、さらにVirD2タンパク質を共有結合しているものを含む核酸/タンパク質複合体を、核酸を動物細胞へ導入する過程において使用することである。核酸/VirD2タンパク質複合体は、好ましくは非共有結合されたさらなるVirタンパク質、例えば、VirD1および/またはVirE2を含み、特にもし一本鎖オリゴヌクレオチドと結合して使用されるならば、VirE2がもっとも好ましい。
【0024】
ここで使われている“ 外生”DNAまたは核酸の語は、組換え核酸技術によって得られた任意のDNAまたはその他の核酸を含むことが意図されている。本発明によれば標的細胞を形質転換またはトランスフェクトするための過程に使用されるべき外生核酸は、含まれる細胞型に関しては同種性または異種性な起源いずれか、または合成起源でもまたは双方でもよい。コーディング核酸配列は、例えばゲノムDNAまたはcDNAから通常の方法によって構成されることができる。その他の可能性としてはcDNAおよびゲノムDNAおよび/または合成のDNA双方を含むハイブリッドDNA配列の構成がある。cDNAはゲノムDNAと同じ遺伝子から起源しうる。あるいはcDNAおよびゲノムDNAはいずれも異なる遺伝子から起源しうる。しかしながら任意のケースでもゲノムDNAおよび/またはcDNAの双方はそれぞれ同じまたは異なる遺伝子から個々に準備されることができる。
【0025】
“合成”DNAまたは核酸の語は(a)完全にまたは少なくとも部分的に化学的な方法によって調整された核酸配列(b)アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドを含む。例えば合成DNA配列はネイティブDNA配列を修飾するためにコドンの使用、発現効率等の見地から、適当に使用される。
【0026】
本発明によればもう一つのアプローチは該細胞に逆方向に、宿主細胞ゲノムの一部となりうる核酸を導入することにより、ある宿主細胞においてアンチセンスもしくはアンチジーンRNAまたはリボザイム/オリゴザイムを生産することである。この内容では、標的とされる特有RNAまたはDNAの100bp以下の一致でさえもアンチセンスまたはアンチジーンオリゴヌクレオチドまたはオリゴザイムをコードしている核酸断片を導入することは、翻訳を阻害しまたは調整するのに十分である。
【0027】
もし受容細胞に輸送されるべき核酸配列は一遺伝子以上の部分を含んでいるならば、これらの遺伝子はひとつおよび同じ生物に起源していてもよいし、同じ属のひとつの種、変種、または株に属するいくつかの生物に起源してもよいし、または同じまたはほかの分類単位(界)の一つ以上の属に属するいくつかの生物に起源してもよい。
【0028】
本発明によれば、任意にさらに例えばシグナル配列のような5'および/または3'領域のコーディングおよび/または非コーディング配列を伴うだけでなく、発現可能なDNA、しかし特に構造遺伝子、好ましくは、エンハンサー、プローモーターおよび転写終結配列のような受容細胞において活性のある発現シグナルと作動可能なように連結された異種性の構造遺伝子を含む、キメラ組換え核酸分子もまた、核酸/タンパク質複合体の一部として形質転換の過程の中で好ましく使用されうる。プロモーター配列および隣接したコーディングDNA配列の間にリーダー配列を組み込むことはしばしば有効である。そのリーダー配列の長さが選択されるとプロモーターおよびその発現されるべきDNA配列の間の距離が結合された構造遺伝子の発現にとって最適な距離となる。
【0029】
さらに核酸/タンパク質複合体の一部を形作る外生DNAまたはほかの核酸は、一またはそれ以上の正の形質転換体をスクリーニングするのに使用可能な選択マーカーをコードする配列を付加的に含みうる。一般に、これらのマーカーは、選択培養培地において成長させたときに形質転換した宿主細胞の生存または成長が可能なために必要なタンパク質である。選択遺伝子を含んでいるベクターによって形質転換されていない宿主細胞はその培養培地で生存できないであろう。典型的な選択マーカーは、例えばアンシピリン、ヒグロマイシン、ネオマイシン、プロミシン、メソトレクセートもしくはテトラサイクリンのような抗生物質およびその他の毒物に対する抵抗性を付与し、栄養要求性の欠点を補足し、または複合培地から利用できない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードしている。さらに抗生物質耐性を付与する遺伝子の例は、Tn5(Bevan et al,Nature 304:184-187(1983))に由来するカナマイシン抵抗性(NTPII)遺伝子およびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードしているそれらを含んでいる。
【0030】
動物細胞特に哺乳類細胞にとって適当な選択可能なマーカーは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR,methotrexate resistance)、チミジンキナーゼ、またはG418またはヒグロマイシン(例えばBlochlinger and Diggelmann(1984),Molecular and Cellular Biology 4;2929-2931;Robertson and Whalley(1988),Nucl.Acid s Res.16:11303-11317;O'Brian et al.(1997),Gene 184:115-120参照)に対する抵抗性を付与する遺伝子のような該選択可能なマーカーをコードしている核酸を、取り込む能力を持つ細胞の同定を可能にするマーカーである。動物細胞形質転換体はそのマーカーを取り込み、発現している形質転換体のみが、生存適応できる選択圧力の下におかれる。DHFRまたはグルタミンシンターゼ(GS)マーカーの場合は、選択圧力は、その圧力が累進的に増加し、それにより選択遺伝子、および形質転換された細胞において発現されることが望まれる関心のある構造遺伝子をコードしている連結されたDNAの双方を増幅(その染色体の組み込み部位において)させるように導く条件で、形質転換体を培養することにより負わせることができる。増幅とは、望まれるタンパク質をコードすることができる遺伝子と密接に結合しており、成長にとって重要なタンパク質の生産の増大する要求におかれた遺伝子が、組換え細胞の染色体の中で縦列に反復されるプロセスである。多量の望まれるタンパク質は普通その増幅されたDNAから合成される。本発明によれば、適当な動物宿主細胞に導入された望まれた遺伝子の一時的な発現をスクリーニングするために、外生DNAはベータガラクトシダーゼ、緑蛍光タンパク質(gfp)、またはルシフェラーゼをコードする配列をもまた含みうる。前述のマーカーの発現の調査方法は当技術分野で周知の方法である。特有の核酸の配列の存在について、動物細胞およびそのような細胞に由来する動物のスクリーニングはサザン分析によってもできる[Southern,J.Mol.Bio.98:503(1975)]。その手順の詳細はManiatis et al,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Horbor,New York(1989)。このスクリーニングはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用によっても行うことができる。PCRの方法はMullis et al,Meth.Enzymol.155:335-350(1987)およびErlich,(ed.),PCR Technology,Stockton Press,New York(1989)に詳しく描かれている。
【0031】
標的細胞で活性を持つ発現シグナルは、普通、宿主生物体によって認識されるプロモーターを含み、形質転換体において発現されるべきDNAに作動可能なように連結されている。そのようなプロモーターは誘導可能または構成的でありうる。そのプロモーターは、元のDNAから制限酵素の消化によってそのプロモーターを取り除き、発現可能なDNAと単離されたプロモーター配列とを結合することによって該DNAに作動可能なように連結されている。関心のある構造遺伝子のネイティブプロモーター配列および多くの異種性のプロモーターの双方は、直接的な増幅および/または該構造遺伝子の発現に使用されうる。もし宿主細胞システムと両立できるならば、動物および特に哺乳類の宿主にとって適当なプロモーターは、ポリーオーマウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス、鳥肉腫、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、サイトメガロウイルス(CMV)、レトロウイルスおよびシミアンウイルス40(SV40)のゲノムに由来するもの、ベータアクチンプロモーターまたは超強力プロモーター、例えばリボゾームタンパク質のプロモーターのような、異種性の哺乳類のプロモーターに由来するもの、および発現されるべき構造遺伝子配列に通常結合されているプロモーターに由来するものである。
【0032】
本発明によれば、望まれる構造遺伝子をコードしている外生DNAの転写は、核酸/タンパク質複合体の構成要素として、エンハンサー配列をそのDNAに挿入することによって増大させることができる。エンハンサーは方向および位置について比較的非依存的である。(例えばエラスターゼおよびグロブリンのような)哺乳類の遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が知られている。しかしながらある真核細胞ウイルスからのエンハンサーが使用されるのが典型であろう。実施例では、複製開始点の遅い側(bp100-270)においてSV40エンハンサーおよびCMVプロモーターの早い側のエンハンサーを含んでいる。エンハンサーは組換えキメラ配列へコードDNA配列の5'または3'位置でスプライシングされるが、好ましくはプロモーターの5'位置に位置する。
【0033】
本発明の方法によれば核酸を送達することのできる宿主細胞は虫および脊椎動物の細胞を含む。最近では脊椎動物の細胞を培養(組織培養)により増殖させることはルーチンな手順となった。役に立つ脊椎動物宿主細胞系統の例は、チャイニーズハムスターの卵細胞(CHO)、COS1細胞(SV40のT抗原により形質転換されたサルの腎臓の細胞)、CV1細胞(前者の親系統)、Rat1(ラットの繊維芽)細胞、NIH3T3細胞、HeLa細胞、LLC-Pk1(豚の腎臓の上皮組織)細胞または293T細胞のような上皮細胞または繊維芽細胞の系統である。この公開に関して宿主細胞は、宿主動物内の細胞だけでなくインビトロ/エクソビボ培養細胞をも含む。
【0034】
アンチセンス、アンチジーンまたはオリゴザイムアプローチに関する本発明の更なる視点よれば、標的とされうる宿主細胞のグループは、植物細胞または組織をも含み、好ましくは全植物体に再生することができる。
【0035】
形質転換された細胞、組織または動物にとって有益である、例えば最終的なミュータテーション(mutatation)を補償し、または薬理学的な性質を有し、そして疾患の処置において薬剤として使用され得る、タンパク質またはポリペプチドを、発現すると生産するそれらのすべての構造遺伝子は、本発明に従う方法における使用のために特に好適である。ホルモン、免疫調節物質およびその他の生理学的に活性のある物質をコードしているものを含むそのような構造遺伝子の実施例がある。
【0036】
こうして、本発明の範囲において特に考慮に入れるべき遺伝子は、例えば、インシュリン遺伝子、ソマトスタチン遺伝子、インターロイキン遺伝子、t-PA遺伝子等のような哺乳類に特有な遺伝子、またはNPTII遺伝子等のような微生物起源の遺伝子、およびインシュリン遺伝子等のような合成遺伝子を含むがこれらに限定されない。
【0037】
本発明の範囲内で、有用で望ましい性質または薬理学的物質をコードしている天然に存在する構造遺伝子に加えて、化学的または遺伝子工学的方法を使用する特有な方法によりあらかじめ修飾された遺伝子を使用することも可能である。
【0038】
さらに、本発明の広い概念は、全体的または部分的に化学的合成によって生産された遺伝子をも含む。したがって、本発明の範囲において使用されうる遺伝子またはDNA配列は、本発明の範囲内で与えられる定義に従う同種性および異種性の遺伝子またはDNAおよびまた合成遺伝子またはDNAである。インシュリン遺伝子はこの点、合成遺伝子の例として説明されうる。
【0039】
オリゴヌクレオチドは標的とされるべき細胞の配列と配列に従って、同じ(アンチジーン)コーディング方向、それ自体としてまたは突然変異を搬送するものとして、またはアンチセンスコーディング方向で択一的に使用されるうる。
【0040】
本発明によれば、核酸/タンパク質複合体を直接細胞へ導入する可能な方法は例えば、ポリエチレングリコール処理、リポソームベース工学、熱ショック処理もしくは電気穿孔法またはこれらの手順の結合のような形質膜を修飾する手順を使用する細胞処理を含む(例えばChu et al.(1987),Nucl.Acids Res.15:1311-1326;Hodgson aand Solaiman(1996),Nature Biotech.14:339-342;Shillito et al.(1985),Bio Technology 3:1099-1103参照)。
【0041】
電気穿孔法において、細胞を、本発明にしたがって使用される核酸/タンパク質複合体と共に高電界力の電気パルスに付する。この結果、生体膜の浸透性が可逆的に増加し、これにより本発明による核酸/タンパク質複合体の挿入が可能である。電気穿孔された細胞は細胞膜を再生し、分裂しおよび形質転換細胞の集槐または単層を形成する。形質転換細胞の選択はすでに述べた表現型マーカーの助けを借りて実行することができる。
【0042】
本発明によれば、純粋に化学的方法に基づき、形質転換を非常に効率的および速やかに実行することを可能にする、使用された核酸/タンパク質複合体の細胞への直接的な導入の更なる方法はJordan et al.(1996),Nucl.Acids Res.24:596-601において述べられている)。
【0043】
共形質転換を使用する直接的な遺伝子の輸送は、例えば動物細胞の形質転換にも適当である[Schocher RJ et al,Bio/Technology,4:1093-1096(1986)]。共形質転換は、さまざまなDNA分子(非選択可能な、および選択可能な遺伝子)の受容ゲノムへの同時的な取り込みおよび組み込みを基本とし、こうして非選択可能な遺伝子により形質転換された細胞を検出することが可能になる方法である。
【0044】
本発明によれば、直接的に細胞へ核酸/タンパク質複合体を挿入する更なる方法は、例えば細かく引き伸ばされたマイクロピペットを使用するマイクロインジェクション[Neuhaus et al(1987)]、または形質転換もしくは一時的なトランスフェクト核酸によりコートされたマイクロプロジェクタイルによるボンバーディング[“Microprojectile Bombaedment”;Wang Y-C et al.Plant Mol.Biol.11:433-439(1988)]によるような純粋に物理的な手順を使用することを含む。それは圧力衝撃の結果として、形質転換されるべき細胞へ向かって、核酸を含む溶液を通って加速され、圧力衝撃によって溶液が細かい霧状になる[EP-A-434,616]。例えば動物細胞について、マイクロプロジェクタイルボンバードメントは効果的な形質転換技術として進歩してきた。
【0045】
実施例によって述べた、可能な形質転換およびトランスフェクト方法のリストは完全には述べられていないが、とにかく本発明の内容について限定することを意図するものではない。
【0046】
本発明は、本発明による方法の使用により得られた細胞および動物のみならず、卵母細胞、精母細胞および接合体等を含むトランスジェニック動物細胞、トランスジェニック器官/臓器およびトランスジェニック動物の準備にも関する。
【0047】
本発明によれば、生産されることができるトランスジェニック動物は好ましくは哺乳類、もっとも好ましくはブタ、ゲッ歯動物および反芻動物である。さらに本発明は、人間の体細胞遺伝子治療に使用されることもでき、その使用も本発明の一部である。
【0048】
例えば常套的な技術と比較して形質転換用のDNA必要量が少ない点で、本発明にしたがう方法を有利に使用し、非アグロバクテリウム媒介形質転換手順の形質転換の効率を増加させることができる。加えて、組み込まれたDNAの質を組み込みプロセスの正確さによって改善することができ、そして裸のDNAにおこりがちな有り得る再配列を回避することができる。
【0049】
こうして本発明による方法は、裸のDNAの組み込み効率が限定要因になっている、遺伝子治療に感受性のさまざまな異常の処置のための貴重な方法を提供し、およびトランスジェニック動物の生産を可能とする。さらにこの方法は、LTRを使用せずかつそれに伴うありうる害のない新しい非ウイルス的方法として癌細胞の処置に役立つ。本発明にしたがって使用する複合体の特別な特徴は、そのDNAアーゼ抵抗性、およびその核にターゲティングする能力のおかげで非分裂細胞をも標的とすることができる点である。
本発明はさらに、次の実施例においてただ例証のために説明される。
【0050】
実施例1;VirD2タンパク質の細胞内位置特定についてのモニタリングのためのプラスミドの構成
ベータアクチンプロモーターおよびSV40ターミネーターを含むN末端gfp融合ベクターpβact-NGFPが使用される(Ludin et al.(1996)Gene 173:107-111)。virD2は全遺伝子として、またはN末端(Rossi et al.(1993)Mol.Gen. Genet 239:345-353)もしくはC末端NSLのみを含む変異遺伝子として、または双方の核酸位置特定(NSL)配列が欠失された変異遺伝子として、クローニングされる。抗VirD2抗体によるタンパク質の検出のため、virD2は哺乳類発現ベクターpcDNA3(invitrogen)においてクローニングされる。
【0051】
実施例2;VirD1タンパク質の細胞内位置特定についてのモニタリングのためのプラスミドの構成
VirD1遺伝子はpVCK225(V.C.Knauf and E.W.Nester,Plasmid 8,45-54(1982))を鋳型として使用しPCRにより増幅される。ヘマグルチニン(HA)エピトープタグ化構成体pHA-D1は、HAエピトープをコードするオリゴヌクレオチドを、メチオニン開始コドンの読み枠で、哺乳類発現ベクターpcDNA3(invitrogen)内で、virD1PCR産物の5'末端へライゲートすることにより調整される。
【0052】
実施例3;哺乳類の細胞におけるVirD2タンパク質の細胞内位置特定のモニタリング
哺乳類細胞(HeLa,293)において過剰発現されるとき、VirD2タンパク質はもっぱら核での局在を示し、GFP-VirD2融合体により、または抗VirD2抗体によるvirD2トランスフェクト細胞の免疫反応によりモニターされる。VirD2のNおよびC末端における、任意の2つの、VirD2のNおよびC末端における位置特定シグナルの存在は、効率的な核の位置特定にとって重要である。一方双方のNSL配列の欠失はタンパク質を細胞質にさせる。哺乳類細胞におけるVirD2タンパク質の過剰発現は、その成長および分裂に目に見える否定的な影響を与えない。
【0053】
実施例4;哺乳類細胞におけるVirD1タンパク質の細胞内位置特定のモニタリング
哺乳類細胞(HeLa,293)において過剰発現されるとき、VirD1タンパク質は、もっぱら細胞質局在を示し、pHA-D1トランスフェクトされた細胞の抗HAエピトープ12CA5モノクローナル抗体(Boehringer)による免疫反応によりモニターされる。哺乳類細胞におけるVirD1タンパク質の過剰発現は、その成長および分裂に目に見える否定的な影響を与えない。
【0054】
実施例5;遺伝子発現による核ターゲティングの分析のためのM13ssDNAの生産
まずgfpcycle3遺伝子はpαGFPcycle3ベクター(Crameri et al.(1996)Nature Biotechnolgy 14:315-319)からpBluescript SKIIのSmal siteにStul fragmentとしてクローンニングされる。Stul末端はT4 DNAポリメラーゼにより平滑末端化される。それからgfpcycle3遺伝子は、Y3(M13EBMCS)とよばれるライト(right)ボーダー配列を含むM13ベクターの一致する部位にNotl/Pstl断片としてクローニングされる。ファージ感染はE.coli NM522においておこなわれる。バクテリアは37℃で5時間培養し、ssDNAはQiagen plasmid purification kitによって上清から単離される。
【0055】
実施例6;タンパク質の導入およびマイクロインジェクションのための直接的なアッセイに使用された複合体の生産。
DNAはPCR反応産物にローダミンdUTPを導入することによって蛍光ラベルされる。PCRに使用されるプライマーは、DNAのそれぞれの端に、いずれも反対方向にライトボーダー(RB)配列を含んでいる。それからPCR産物は熱変性され、結果物である1kbの長さのssDNAはVirD2タンパク質と37℃で1時間反応される。その反応は氷で停止され、さらに30秒間VirE2タンパク質といっしょに氷上でインキュベートされる。
【0056】
実施例7;T-DNA複合体の哺乳類細胞へのマイクロインジェクション
前述と同様な方法により生産されたT-DNA複合体は哺乳類細胞(HeLa)の細胞質にマイクロインジェクションされ、核へのターゲティングがモニターされる。このアッセイにおいては少量のssDNAが使用されるため、シグナルの強度はアンチローダミン抗体によって増強されなければならない。核へのターゲティングはssDNA上に存在する活性遺伝子を使用することによってもモニターされる。緑色蛍光タンパク質遺伝子(gfp)はライトボーダー配列を含むM13ベクターにおいてクローンニングされる。(gfpの機能はHeLa細胞の核へのdsおよびssDNA双方のマイクロインジェクションによって試験される。)ファージssDNAはVirD2によってプロセシングされ、VirE2が付加される。複合体はHeLa細胞の細胞質へマイクロインジェクトションされGFPの発現は12-24時間後にモニタリングされる。
【0057】
実施例8;人工的複合体に由来するT-DNAの安定的な組み込み
人工的複合体の、哺乳類ゲノムへT-DNAを組み込む能力をテストするために、ヒグロマイシンレポーター遺伝子はライトボーダー配列を含むM13ベクターにおいてクローンニングされる。あるいはそれぞれのプライマーがライトボーダー配列を含むようなDNAがPCRによって生産される。ssDNAはVirD2およびVirE2タンパク質と複合され、HeLa細胞の細胞質へ注入される。選択の後、抵抗性のあるクローンが採集され、そのDNAの組み込みのパターンが分析される。
【0058】
実施例9;T-DNA複合体の核ヘのターゲティング
一本鎖DNAと共有結合されたVirD2タンパク質、およびVirE2タンパク質を含む人工的な複合体は、直接アッセイによりHeLa核へのタンパク質の移送について試験される。ssDNAはPCRによりローダミンでラベルされ、ジギトニンが透過できるようにされたHeLa核が標的として用いられる(Adam et al.(1990)Journal of Cell Biology 111:807-816)。実際T-DNA複合体は効率的にHeLa核にターゲティングされた。効率的なターゲティングはVirD2の核局在シグナルの機能に依存している。
【0059】
実施例10;哺乳類細胞におけるVirD2-VirD2およびVirD1-VirD2相互作用の分析
タンパク質―タンパク質相互作用は、哺乳類システムにおいて、VirD2位置特定のためのGFP-VirD2融合体およびVirD1位置特定のためのHAエピトープを使用し、VirD1、VirD2、ならびに欠失のあるその誘導体の、HeLaおよびHEK293細胞におけるNLSs双方における細胞内局在の検定により、確かめられる。哺乳類細胞において発現されるときに、VirD2タンパク質は核においてもっぱら局在する。NLS配列双方の欠失はタンパク質を細胞質にさせる。しかし、この2重の変異体は野生型VirD2タンパク質の存在のもとで核に転位される。このことは哺乳類の細胞におけるVirD2-VirD2相互作用を示している。自動的に細胞質へ局在するVirD1タンパク質もまた、野生型VirD2タンパク質と共発現されるときに、核へ移動する。このことは哺乳類細胞におけるVirD1-VirD2の相互作用を示している。
【0060】
実施例11;VirD2タンパク質の精製
6ヒスチジン残基をコードしたタグ配列はVirD2タンパク質のC末端へ添加される。組換えタンパク質はE.coli BL21において発現され、当技術分野で標準的な方法に従い、ヒスチジンニッケルアフィニティークロマトグラフィー、その後ゲルろ過およびヘパリンアフィニティークロマトグラフィーによって精製される。
【0061】
実施例12;ヒグロマイシン抵抗性遺伝子を含む一本鎖VirD2プロセシング基質の生産
まず、pTK Hyg(Clonetech)の Dral/Fspl制限断片を含むヒグロマイシン抵抗性遺伝子はY3ベクター(実施例5において定義される)のHincll部位にクローンニングされる。組換えプラスミドはE.coli NM522に形質転換され、ssファージDNAは単離される。ファージDNA中のEcoRVおよびKasl部位についての相補的オリゴヌクレオチドは、EcoRVおよびKasl制限ヌクレアーゼによりssDNAの切断を媒介するために使用される。得られたEcoRV/Kasl ssDNA断片は、ライトボーダー配列の下流に位置するヒグロマイシン抵抗性遺伝子を含む。
【0062】
実施例13;人工的T-DNA複合体のHeLa細胞へのトランスフェクション
ssDNA EcoRV/Kasl断片はVirE2もしくはVirD2いずれかのみと反応され、またはまずvirD2と反応されその後virE2と反応される。結果物のタンパク質:ssDNA複合体、並びに未反応のssDNAは、HeLa細胞へFugene-6 transfestion試薬(Boehringer-Mannheim)を用いてトランスフェクトされる。ヒグロマイシン抵抗性クローンは二つの独立した実験によって選抜される。得られたヒグロマイシン抵抗性クローンの数は、ssDNA+VirD2およびssDNA+VirD2+VirE2複合体によってトランスフェクトされた細胞について有意により高率である(表1)。このことは、そのタンパク質が、ヒグロマイシン抵抗性遺伝の安定的な組み込みを、ssDNAの宿主細胞のヌクレアーゼによる分解から保護することにより、および/またはその複合体の核への移入(nuclear import)を容易化することにより、容易化することを示唆している。導入遺伝子のコピー数および導入遺伝子のインテグリティーは、実験1からのいくつかの系統について分析される。予備的なデーターは、ヒグロマイシン抵抗性遺伝子が、これまでに分析されたすべての系統についてはある単一の明確な遺伝子座に組み込まれることを指摘している。予備的なデーターは、VirE2およびVirD2タンパク質双方が、ゲノムへの組み込みに先立ってssDNAを保護することをも指摘している。期待されたように、VirE2の保護的作用は、ssDNAの全長にわたるタンパク質コーティングの結果であり、一方、VirD2タンパク質のT-DNAの5'末端への共有結合は、特にその5'末端を保護するようである。
【0063】
【表1】
Figure 0003844656

Claims (9)

  1. (a)発現可能なDNAまたはオリゴヌクレオチドに作動可能に連結する、少なくとも1つのT−DNAボーダー配列またはVirD2タンパク質の認識および切断部位を有するその機能的部分を含む、キメラ組換え核酸構成体を調製すること;
    (b)工程(a)によって調製された核酸構成体を、
    イ)VirD2タンパク質
    ロ)VirD2タンパク質とVirD1タンパク質、VirE2タンパク質または
    VirD1タンパク質+VirE2タンパク質とのコンビネーション
    または
    ハ)イ)のタンパク質またはロ)のタンパク質のコンビネーションとrecAとの
    コンビネーション
    によって、切断すること;および
    (c)工程(b)で切断された、少なくとも切断部位の5’末端に共有結合したVirD2タンパク質を含む核酸を、既知の方法によって形質転換すべき細胞に導入するこ
    含む哺乳類細胞に核酸を導入する方法。
  2. 工程(b)において、VirD2タンパク質とVirE2タンパク質のコンビネーションを使用する、請求項1記載の方法。
  3. 形質転換またはトランスフェクションが、マイクロインジェクション、細胞電気穿孔、直接遺伝子導入および粒子加速から選択される方法によって行われる、請求項1または2記載の方法。
  4. 請求項1の工程(b)で得られたVirD2タンパク質を含む核酸からなる、請求項1〜3のいずれか記載の方法によって哺乳類細胞を形質転換またはトランスフェクトするための試剤。
  5. キメラ組換え核酸構成体が、さらにVirD1および/またはVirE2を含む、請求項4記載の試剤。
  6. キメラ組換え核酸構成体が、動物またはウイルス発現シグナルの制御のもとに発現可能なDNA配列を含む、請求項4または5記載の試剤。
  7. 発現可能なDNA配列が、構造遺伝子をコードしている、請求項4〜6のいずれか記載の試剤。
  8. 動物発現シグナルが、動物細胞において機能的なプロモータおよび終配列である、請求項6記載の試剤。
  9. キメラ組換え核酸構成体が、アンチセンス、アンチジーンまたはオリゴザイムアプローチのためにオリゴヌクレオチドを含む、請求項4または5のいずれか記載の試剤。
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