JP3843519B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機においては、エンジンによって発生させられた回転を、トルクコンバータを介して変速装置に伝達し、該変速装置において変速して駆動輪に伝達するようになっている。そして、前記変速装置には、複数の歯車要素から成るギヤユニットが配設され、クラッチ、ブレーキ等の摩擦係合要素を係脱し、歯車要素の回転を選択的に出力することによって、複数の変速段が達成されるようになっている。
【0003】
また、運転者がシフトレバーを操作することによって、ドライブレンジ、ニュートラルレンジ及び後進走行レンジのほか、サードレンジ、セカンドレンジ、ローレンジ等のマニュアルレンジを選択することができるようになっている。
ところで、ドライブレンジが選択されている場合に所定の変速段への変速が行われると、変速用の摩擦係合要素が係合させられるのに対して、マニュアルレンジが選択されている場合に前記変速段への変速が行われると、前記変速用の摩擦係合要素のほかにエンジンブレーキ用の摩擦係合要素を係合させる必要が生じることがある。
【0004】
例えば、ドライブレンジが選択されている場合に、1速から2速へのアップシフトの変速が行われたとき、すなわち、1−2変速時に、変速用の摩擦係合要素として第2ブレーキが係合させられるのに対して、マニュアルレンジ、例えば、セカンドレンジが選択されている場合の1−2変速時には、前記第2ブレーキのほかに、エンジンブレーキ用の摩擦係合要素として第1ブレーキを係合させる必要が生じる。
【0005】
したがって、マニュアルレンジが選択されている場合の1−2変速時には、第1ブレーキ及び第2ブレーキが同時に係合させられるので、ドライブレンジが選択されている場合の1−2変速時と比べて、トルク容量が過多になり変速ショックが発生してしまう。
図2は従来の自動変速機の変速制御装置における動作を示すタイムチャートである。
【0006】
図において、NE はエンジン回転数、TO は出力トルク、PB1は第1ブレーキの油圧サーボに供給される油圧、PB2は第2ブレーキの油圧サーボに供給される油圧、TB1は前記第1ブレーキのトルク容量、TB2は前記第2ブレーキのトルク容量である。
ところで、前記第2ブレーキは、所定の変速段への変速が行われるときに係合させられるものであるので、係合に伴って変速ショックが発生するのを防止するために、第2ブレーキの油圧サーボにアキュムレータが接続される。
【0007】
したがって、ドライブレンジが選択されている場合に、タイミングt1で1−2変速の変速指令が発生させられると、第2ブレーキの油圧サーボへの油圧PB2の供給が開始され、タイミングt2で油圧サーボに油が充満した後、油圧PB2は比較的緩やかに上昇させられる。
これに対して、前記第1ブレーキは、エンジンブレーキを効かせるときに係合させられるものであるので、マニュアルレンジが選択された場合に、速やかに係合させられるのが好ましい。
【0008】
したがって、タイミングt1で、例えば、3速から2速へのダウンシフトの変速、すなわち、3−2変速の変速指令が発生させられると、第1ブレーキの油圧サーボへの油圧PB1の供給が開始され、タイミングt3で油圧サーボに油が充満した後、油圧PB1は急激に上昇させられる。
ところが、前記第1ブレーキは、エンジンブレーキを効かせるときのほか、マニュアルレンジが選択されている場合の1−2変速時にも係合させられるようになっている。したがって、マニュアルレンジが選択されている場合の1−2変速時は、ドライブレンジが選択されている場合の1−2変速時と比べて、トルク容量が過多になり、図に示すように、タイミングt2からタイミングt3までの間に出力トルクTO が大きく上昇し、変速ショックが発生してしまう。
【0009】
そこで、マニュアルレンジが選択されている場合の1−2変速時に、変速ショックが発生するのを防止するためにバルブボディのオリフィスを絞って第1ブレーキの係合を遅らせることが考えられるが、エンジンブレーキを効かせるときの3−2変速時に、第1ブレーキの係合が遅れ、エンジンブレーキの応答性が低くなり、運転者に空走感を与えてしまう。
【0010】
また、第1ブレーキの油圧サーボに油圧PB1を供給する油路に、スロットル開度に対応させてオリフィスを切り換えるカットオフバルブを配設し、スロットル開度が大きく、アップシフトの変速が行われるときに、第1ブレーキを係合させるタイミングを遅くして変速ショックが発生するのを抑制し、スロットル開度が小さく、ダウンシフトの変速が行われるときに、第1ブレーキを係合させるタイミングを速くして第1ブレーキの応答性を向上させるようにしている(特開平2−80852号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の自動変速機の変速制御装置においては、既存のバルブボディにカットオフバルブを追加する必要があるだけでなく、前記オリフィスの切換構造を形成する必要もあるので、バルブボディのコストが高くなるだけでなく、バルブボディが大型化して車両への搭載性が低下してしまう。
【0012】
本発明は、前記従来の自動変速機の変速制御装置の問題点を解決して、マニュアルレンジが選択されている場合に変速ショックが発生するのを防止することができ、既存のバルブボディを使用することができ、バルブボディのコストが高くなったり、バルブボディが大型化して車両への搭載性が低下することがない自動変速機の変速制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の自動変速機の変速制御装置においては、第1の変速段で解放され、第1の変速段より高速段側の第2の変速段で係合させられる変速用の第1の摩擦係合要素と、前記第2の変速段で解放され、第3の変速段で係合させられる第2の摩擦係合要素と、マニュアルレンジが選択されている場合に、前記第1の変速段で解放され、前記第2の変速段で係合させられ、第3の変速段で解放されるエンジンブレーキ用の第3の摩擦係合要素と、第1〜第3の摩擦係合要素をそれぞれ係脱するための第1〜第3の油圧サーボと、第1、第2の位置を採り、第1の位置において、前記第2の油圧サーボから油圧を排出し、第3の油圧サーボに油圧を供給することによって第2の変速段を達成し、第2の位置において第2の油圧サーボに油圧を供給し、第3の油圧サーボから油圧を排出することによって第3の変速段を達成する切換弁と、ドライブレンジが選択された前記第1の変速段から第2の変速段への変速中において、前記切換弁を前記第1の位置に置くとともに、前記第1の摩擦係合要素を係合させ、マニュアルレンジが選択された前記第1の変速段から第2の変速段への変速中において、前記第2の摩擦係合要素の係合が完了しない所定の時間だけ前記切換弁を前記第2の位置に置いて、前記第3の摩擦係合要素の係合を前記第1の摩擦係合要素の係合より遅らせるシフト制御手段とを有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における自動変速機の変速制御装置の機能ブロック図、図3は本発明の実施の形態における自動変速機の概念図、図4は本発明の実施の形態における自動変速機の作動状態を示す図、図5は本発明の実施の形態における油圧回路の要部を示す図である。
【0017】
図1において、B2は、第1の変速段としての1速で解放され、該1速より高速段側の第2の変速段としての2速で係合させられる変速用の第1の摩擦係合要素としての第2ブレーキ、C2は、前記2速で解放され、第3の変速段としての3速で係合させられる第2の摩擦係合要素としての第2クラッチ、B1は、前記1速で解放され、2速で係合させられ、3速で解放されるエンジンブレーキ用の第3の摩擦係合要素としての第1ブレーキである。
【0018】
前記第2ブレーキB2、第2クラッチC2及び第1ブレーキB1を係脱するために第1〜第3の油圧サーボとして、それぞれ油圧サーボB−2、C−2、B−1が配設される。
また、71は1速から2速への変速を行うための1−2シフトバルブ、72は、第1、第2の位置を採り、第1の位置において前記油圧サーボB−1、B−2に油圧を供給し、第2の位置において油圧サーボC−2、B−2に油圧を供給する切換弁としての2−3シフトバルブ、132は、1速から2速への変速中において、第2クラッチC2の係合が完了しない所定の時間だけ前記2−3シフトバルブ72を第2の位置に置くシフト制御手段である。
【0019】
次に、自動変速機について説明する。
自動変速機は、エンジン(E/G)11に連結され、トルクコンバータ20、副変速ユニット40及び主変速ユニット60を有する。前記トルクコンバータ20は、ポンプインペラ21、タービンランナ22、ステータ23及びロックアップクラッチ24を有し、前記ポンプインペラ21は、エンジン11のクランク軸10と連結され、前記タービンランナ22は、副変速ユニット40におけるプラネタリギヤユニット12のキャリヤ41に入力軸25を介して連結される。
【0020】
前記副変速ユニット40においては、前記キャリヤ41によって回転可能に支持されたプラネタリピニオン42とサンギヤ43及びリングギヤ44とが噛(し)合させられ、前記サンギヤ43とキャリヤ41との間には、第3クラッチC0及び第3ワンウェイクラッチF0が配設され、サンギヤ43とハウジング15との間には第4ブレーキB0が配設される。
【0021】
また、前記主変速ユニット60には、フロント側プラネタリギヤユニット13及びリヤ側プラネタリギヤユニット14が配設され、前記フロント側プラネタリギヤユニット13及びリヤ側プラネタリギヤユニット14は、共通のサンギヤ61、並びにリングギヤ62、63、プラネタリピニオン64、65、及びキャリヤ66、67から成る。
【0022】
前記副変速ユニット40のリングギヤ44は、入力軸26及び第1クラッチC1を介して前記リングギヤ62に連結される。また、前記第1クラッチC1とサンギヤ61との間には第2クラッチC2が配設される。さらに、前記キャリヤ66と前記リングギヤ63とが連結され、前記キャリヤ66及びリングギヤ63と出力軸70とが連結される。一方、前記キャリヤ67とハウジング15との間には第3ブレーキB3及び第2ワンウェイクラッチF2が配設され、さらに、サンギヤ61とハウジング15との間には、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ブレーキB2が配設されるとともに、第1ワンウェイクラッチF1及び第2ブレーキB2と並列に第1ブレーキB1が配設される。
【0023】
そして、前記エンジン11の負荷状態に対応するスロットル開度θを検出するためにスロットルセンサ27が、第3クラッチC0の図示しないクラッチドラムと対向させて配設され、タービンランナ22の回転数、すなわち、タービン回転数NT を検出する回転数センサ28、シフトレバー29を操作することによって選択されたレンジ位置を検出し、シフトポジション信号SPを発生させるシフトポジションセンサ30、車速vを検出する車速センサ31等が配設され、各信号が制御装置としての自動変速機制御装置32に入力されるようになっている。
【0024】
該自動変速機制御装置32は、CPU33、RAM34、ROM35等を備え、ドライブレンジが選択されていると、ROM35内に格納された図示しない変速マップを参照し、検出された前記スロットル開度θ及び車速vに対応する変速段を設定し、変速出力を発生させる。そして、該変速出力に対応させて、油圧回路36内の第1〜第3のソレノイドバルブS1〜S3、図示しないリニアソレノイドバルブ等を操作し、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3及び第4ブレーキB0を係脱し、所定の変速段を達成する。なお、前記第1〜第3のソレノイドバルブS1〜S3をそれぞれオン状態及びオフ状態に置くために、前記自動変速機制御装置32は信号SG1〜SG3を発生させる。
【0025】
次に、図4に基づいて、前記構成の自動変速機の動作について説明する。
図4において、○印は係合状態、ロック状態及びオン状態を、×印は解放状態、フリー状態及びオフ状態を示す。また、Pはパーキングレンジ、Rは後進走行レンジ、Nはニュートラルレンジ、Dはドライブレンジ、Sはセカンドレンジ、Lはローレンジ、1stは1速、2ndは2速、3rdは3速、4thは4速を示す。
【0026】
そして、ドライブレンジ及びセカンドレンジの1速時に、第1のソレノイドバルブS1がオン状態、第2のソレノイドバルブS2がオフ状態になり、第1クラッチC1及び第3クラッチC0が係合させられ、第3ワンウェイクラッチF0及び第2ワンウェイクラッチF2がロックされる。
したがって、プラネタリギヤユニット12は、第3クラッチC0及び第3ワンウェイクラッチF0を介して直結状態になり、入力軸25の回転はそのまま主変速ユニット60の入力軸26に伝達される。また、主変速ユニット60においては、入力軸26の回転が第1クラッチC1を介してリヤ側プラネタリギヤユニット14のリングギヤ62に伝達され、さらに、キャリヤ66及び該キャリヤ66と一体的に形成された出力軸70に伝達される。このとき、サンギヤ61を介してフロント側プラネタリギヤユニット13のキャリヤ67に左方向の回転力が付与されるが、第2ワンウェイクラッチF2がロックされるので回転は阻止される。その結果、プラネタリピニオン64は自転して、出力軸70と一体的に形成されたリングギヤ63に減速された回転が伝達される。
【0027】
また、ドライブレンジの2速時に、第1、第2のソレノイドバルブS1、S2がオン状態になって、第1クラッチC1、第3クラッチC0及び第2ブレーキB2が係合させられ、第1ワンウェイクラッチF1及び第3ワンウェイクラッチF0がロックされる。
したがって、プラネタリギヤユニット12は直結状態になり、入力軸25の回転がそのまま主変速ユニット60の入力軸26に伝達される。また、主変速ユニット60においては、入力軸26の回転が第1クラッチC1を介してリヤ側プラネタリギヤユニット14のリングギヤ62に伝達され、プラネタリピニオン64を介してサンギヤ61に左方向の回転力が付与されるが、第2ブレーキB2の係合に伴って第1ワンウェイクラッチF1がロックされるので、前記サンギヤ61の回転は阻止される。したがって、プラネタリピニオン64は自転しながらキャリヤ66を回転させ、リヤ側プラネタリギヤユニット14だけを介して2速の回転が出力軸70に伝達される。
【0028】
また、ドライブレンジ及びセカンドレンジの3速時に、第1のソレノイドバルブS1がオフ状態、第2のソレノイドバルブS2がオン状態になり、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC0及び第2ブレーキB2が係合させられ、第3ワンウェイクラッチF0がロックされる。したがって、プラネタリギヤユニット12は直結状態になり、主変速ユニット60においては、第1クラッチC1及び第2クラッチC2の係合によってリヤ側プラネタリギヤユニット14が一体的に連結されるので、入力軸26の回転はそのまま出力軸70に3速の回転として伝達される。
【0029】
そして、ドライブレンジの4速時に、第1、第2のソレノイドバルブS1、S2がオフ状態になり、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第2ブレーキB2及び第4ブレーキB0が係合させられる。したがって、主変速ユニット60は3速時と同様に直結状態になり、プラネタリギヤユニット12のサンギヤ43が第4ブレーキB0によってロックされる。そして、キャリヤ41が回転するとプラネタリピニオン42が自転し、リングギヤ44に回転が伝達される。その結果、主変速ユニット60の入力軸26に増速回転が伝達され、出力軸70に4速の回転が伝達される。
【0030】
ところで、セカンドレンジ又はローレンジを選択したとき、シフトレバー29を操作することによって油圧回路36の図示しないマニュアルバルブが切り換えられ、該マニュアルバルブからセカンドレンジ圧又はローレンジ圧が発生させられるようになっている。
したがって、セカンドレンジ及びローレンジの2速時に、第1、第2のソレノイドバルブS1、S2がオン状態になって、第1クラッチC1、第3クラッチC0、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2が係合させられ、第1ワンウェイクラッチF1及び第3ワンウェイクラッチF0がロックされる。その結果、主変速ユニット60のサンギヤ61がロックされ、エンジンブレーキを効かせることができる。
【0031】
また、ローレンジの1速時に、第1のソレノイドバルブS1がオン状態、第2のソレノイドバルブS2がオフ状態になって、第1クラッチC1、第3クラッチC0及び第3ブレーキB3が係合させられ、第2ワンウェイクラッチF2及び第3ワンウェイクラッチF0がロックされる。その結果、フロント側プラネタリギヤユニット13のキャリヤ67がロックされ、エンジンブレーキを効かせることができる。
【0032】
次に、前記油圧回路36について説明する。
図5において、C−1は第1クラッチC1(図3)の油圧サーボ、C−2は第2クラッチC2の油圧サーボ、C−0は第3クラッチC0の油圧サーボ、B−1は第1ブレーキB1の油圧サーボ、B−2は第2ブレーキB2の油圧サーボ、B−3は第3ブレーキB3の油圧サーボ、B−0は第4ブレーキB0の油圧サーボ、S1は第1のソレノイドバルブ、S2は第2のソレノイドバルブである。
【0033】
また、70はマニュアルバルブであり、該マニュアルバルブ70は、シフトレバー29を操作することによって切り換えられ、ポートm1にライン圧PL を受け、ポートm2にDレンジ圧PD を、ポートm3にSレンジ圧P2 を、ポートm4にLレンジ圧P1 を、ポートm5にRレンジ圧PR をそれぞれ発生させる。なお、ポートEXはドレーン用である。
【0034】
そして、71は、1速時と2速時とで切り換えられる1−2シフトバルブ、72は、2速時と3速時とで切り換えられる2−3シフトバルブ、73は、3速時と4速時とで切り換えられる3−4シフトバルブである。
前記1−2シフトバルブ71は、制御油室71aに油路L−1、L−2を順に介して第2のソレノイドバルブS2からの信号圧を、背圧室71bに油路L−8、L−9及び2−3シフトバルブ72を順に介してマニュアルバルブ70からのDレンジ圧PD をそれぞれ受け、1速時に右半位置を、2速時〜4速時に左半位置を採る。また、2−3シフトバルブ72は、制御油室72aに油路L−3、L−4を順に介して第1のソレノイドバルブS1からの信号圧を、背圧室72bに油路L−10を介してLレンジ圧P1 をそれぞれ受け、1速時及び2速時に第1の位置としての左半位置を、3速時及び4速時に第2の位置としての右半位置を採る。そして、3−4シフトバルブ73は、制御油室73aに油路L−1、L−5を順に介して第2のソレノイドバルブS2からの信号圧を、背圧室73bに油路L−11及び2−3シフトバルブ72を順に介してSレンジ圧P2 をそれぞれ受け、1速時〜3速時に左半位置を、4速時に右半位置を採る。
【0035】
また、75はインタミーディエイトモジュレータバルブであり、該インタミーディエイトモジュレータバルブ75は、1−2シフトバルブ71及び油路L−12、L−13を順に介してマニュアルバルブ70からのSレンジ圧P2 を受け、油圧PB1を発生させ、該油圧PB1を油圧サーボB−1に供給する。そして、76はローコーストモジュレータバルブであり、該ローコーストモジュレータバルブ76は、2−3シフトバルブ72及び油路L−15を順に介してLレンジ圧P1 を受け、油圧PB3を発生させ、該油圧PB3を油路L−16、1−2シフトバルブ71、油路L−17を順に介して油圧サーボB−3に供給する。
【0036】
前記構成の油圧回路36において、ドライブレンジにおける1速時に、第1のソレノイドバルブS1はオン状態に、第2のソレノイドバルブS2はオフ状態にされる。このとき、油路L−1、L−2に信号圧が発生させられ、1−2シフトバルブ71の制御油室71aに信号圧が供給されるので、1−2シフトバルブ71は右半位置を採る。また、油路L−3、L−4内の油圧が0になるので2−3シフトバルブ72は左半位置を採る。そして、油路L−1に信号圧が発生させられ、3−4シフトバルブ73の制御油室73aに信号圧が供給されるが、前記2−3シフトバルブ72が左半位置を採ることによって、Dレンジ圧PD が油路L−21、2−3シフトバルブ72及び油路L−11を順に介して3−4シフトバルブ73の背圧室73bに供給されるので、3−4シフトバルブ73は左半位置を採る。
【0037】
この場合、ドライブレンジが選択されることによってマニュアルバルブ70のポートm2にDレンジ圧PD が発生させられ、該Dレンジ圧PD が油路L−21、L−24を順に介して油圧サーボC−1に供給され、第1クラッチC1が係合される。また、ライン圧PL が油路L−22、3−4シフトバルブ73及び油路L−23を順に介して油圧サーボC−0に供給され、第3クラッチC0が係合させられる。
【0038】
そして、ドライブレンジにおける2速時に、第1、第2のソレノイドバルブS1、S2はオン状態にされる。このとき、油路L−1、L−2内の油圧が0になるので、1−2シフトバルブ71は左半位置を採る。また、油路L−3、L−4内の油圧が0になるので、2−3シフトバルブ72は左半位置を採る。そして、油路L−1、L−5内の油圧が0になるので、3−4シフトバルブ73は左半位置を採る。
【0039】
この場合、1−2シフトバルブ71が右半位置から左半位置に切り換わるので、前記Dレンジ圧PD が油路L−21、L−25、1−2シフトバルブ71及び油路L−26を順に介して油圧サーボB−2に供給され、第2ブレーキB2が係合される。
次に、ドライブレンジにおける3速時に、第1のソレノイドバルブS1はオフ状態に、第2のソレノイドバルブS2はオン状態にされる。このとき、油路L−1、L−2内の油圧が0になるので、1−2シフトバルブ71は左半位置を採る。また、油路L−3、L−4に信号圧が発生させられ、2−3シフトバルブ72の制御油室72aに信号圧が供給されるので、2−3シフトバルブ72は右半位置を採る。
【0040】
この場合、2−3シフトバルブ72が左半位置から右半位置に切り換わるので、前記Dレンジ圧PD が油路L−21、L−8、L−27を順に介して油圧サーボC−2に供給され、第2クラッチC2が係合される。なお、2−3シフトバルブ72が右半位置から左半位置に切り換わると、油路L−8と油路L−33とが連通させられる。
【0041】
そして、ドライブレンジにおける4速時に、第1、第2のソレノイドバルブS1、S2はオフ状態にされる。このとき、油路L−3、L−4に信号圧が発生させられ、2−3シフトバルブ72の制御油室72aに信号圧が供給されるので、2−3シフトバルブ72は右半位置を採る。また、油路L−1、L−2に信号圧が発生させられ、1−2シフトバルブ71の制御油室71aに信号圧が供給されるが、前記2−3シフトバルブ72が右半位置を採ることによって、Dレンジ圧PD が油路L−21、2−3シフトバルブ72及び油路L−8を順に介して1−2シフトバルブ71の背圧室71bに供給されるので、1−2シフトバルブ71は左半位置を採る。そして、油路L−3、L−4に信号圧が発生させられ、3−4シフトバルブ73の制御油室73aに信号圧が供給されるので、3−4シフトバルブ73は右半位置を採る。
【0042】
この場合、3−4シフトバルブ73が左半位置から右半位置に切り換わるので、ライン圧PL が油路L−22、3−4シフトバルブ73及び油路L−28を順に介して油圧サーボB−0に供給され、第3ブレーキB0が係合させられる。これに伴って、第3クラッチC0が解放される。
また、セカンドレンジ及びローレンジにおける2速時には、第1、第2のソレノイドバルブS1、S2はオン状態にされる。このとき、油路L−1、L−2内の油圧が0になるので、1−2シフトバルブ71は左半位置を採る。また、油路L−3、L−4内の油圧が0になるので、2−3シフトバルブ72は左半位置を採る。そして、油路L−1、L−5内の油圧が0になるので、3−4シフトバルブ73は左半位置を採る。
【0043】
また、セカンドレンジが選択されることによって、マニュアルバルブ70のポートm3にSレンジ圧P2 が発生させられ、該Sレンジ圧P2 が油路L−31、2−3シフトバルブ72、油路L−34、1−2シフトバルブ71、油路L−12、L−13、インタミーディエイトモジュレータバルブ75及び油路L−14を順に介して油圧サーボB−1に供給され、第1ブレーキB1を係合させる。
【0044】
そして、Dレンジ圧PD が油路L−21、2−3シフトバルブ72及び油路L−11を順に介して3−4シフトバルブ73の背圧室73bに供給される。したがって、3−4シフトバルブ73は左半位置に拘束される。
また、ローレンジにおける1速時には、第1のソレノイドバルブS1はオン状態に、第2のソレノイドバルブS2はオフ状態にされる。このとき、油路L−1、L−2に信号圧が発生させられ、1−2シフトバルブ71の制御油室71aに信号圧が供給されるので、1−2シフトバルブ71は右半位置を採る。また、油路L−3、L−4内の油圧が0になるので2−3シフトバルブ72は左半位置を採る。そして、油路L−1に信号圧が発生させられ、3−4シフトバルブ73の制御油室73aに信号圧が供給されるが、前記2−3シフトバルブ72が左半位置を採ることによって、Dレンジ圧PD が油路L−21、2−3シフトバルブ72及び油路L−11を順に介して3−4シフトバルブ73の背圧室73bに供給されるので、3−4シフトバルブ73は左半位置を採る。
【0045】
さらに、ローレンジが選択されることによってマニュアルバルブ70のポートm4にLレンジ圧P1 が発生させられ、該Lレンジ圧P1 が油路L−10を介して2−3シフトバルブ72の背圧室72bに供給される。したがって、2−3シフトバルブ72は左半位置に拘束される。
そして、前記背圧室72bに供給されたLレンジ圧P1 は、更に、油路L−15、ローコーストモジュレータバルブ76、油路L−16、1−2シフトバルブ71及び油路L−17を順に介して油圧サーボB−3に供給され、第3ブレーキB3が係合させられる。
【0046】
ところで、ドライブレンジが選択されている場合に所定の変速段への変速が行われるとき、変速用の摩擦係合要素が係合させられるのに対して、マニュアルレンジが選択されている場合に、前記変速段への変速が行われるとき、前記変速用の摩擦係合要素のほかにエンジンブレーキ用の摩擦係合要素を係合させる必要が生じることがある。
【0047】
例えば、ドライブレンジが選択されている場合の1−2変速時に、第2ブレーキB2が係合させられるのに対して、マニュアルレンジ、例えば、セカンドレンジが選択されている場合の1−2変速時には、前記第2ブレーキB2のほかに、第1ブレーキB1を係合させる必要が生じる。
したがって、マニュアルレンジが選択されている場合の1−2変速時には、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2が同時に係合させられるので、ドライブレンジが選択されている場合の1−2変速時と比べて、トルク容量が過多になって変速ショックが発生してしまう。
【0048】
そこで、マニュアルレンジが選択されている場合の1−2変速時には、1−2変速の変速指令が発生させられると、変速中に所定の時間だけ3速の変速出力を繰り返し発生させることによって、第2ブレーキB2の油圧サーボB−2に油が充満した後に、第1ブレーキB1の油圧サーボB−1に油を充満させるようにしている。
【0049】
次に、自動変速機の変速制御装置の動作について説明する。
図6は本発明の実施の形態における自動変速機の変速制御装置の動作を示すフローチャート、図7は本発明の実施の形態における自動変速機の変速制御装置の動作を示すタイムチャートである。
図において、NE はエンジン回転数、TO は出力トルク、PB1は第1ブレーキB1(図3)の油圧サーボB−1(図5)に供給される油圧、PB2は第2ブレーキB2の油圧サーボB−2に供給される油圧、TB1は第1ブレーキB1のトルク容量、TB2は第2ブレーキB2のトルク容量、TC2は第2クラッチC2のトルク容量である。
【0050】
前記第2ブレーキB2は、1−2変速が行われるときに係合させられるものであり、係合に伴って変速ショックが発生させられるのを防止するために、第2ブレーキB2の油圧サーボB−2に図示しないアキュムレータが接続される。
そこで、タイミングt11で1−2変速の変速指令が発生させられると、油圧サーボB−2への油圧PB2の供給が開始され、該油圧PB2は、タイミングt12で油圧サーボB−2に油が充満した後に比較的緩やかに上昇させられ、タイミングt14で第2ブレーキB2の係合が終了すると、急激に高くなる。
【0051】
これに対して、前記第1ブレーキB1は、エンジンブレーキを効かせるときに係合させられるものであるので、マニュアルレンジが選択された場合に、速やかに係合させられるのが好ましい。
したがって、エンジンブレーキを効かせるために、例えば、3−2変速の変速指令が発生させられると、油圧サーボB−1への油圧PB1の供給が開始され、油圧サーボB−1に油が充満した後、油圧PB1は急激に上昇させられるようになっている。なお、前記3−2変速の変速指令は、スロットル開度θがほぼ0であるときに、2速の変速出力が発生させられたときに発生させられる。
【0052】
ところで、前記第1ブレーキB1は、エンジンブレーキを効かせるときのほか、マニュアルレンジが選択されている場合の1−2変速時にも係合させられるようになっている。この場合、1−2変速に伴って、第1ブレーキB1と第2ブレーキB2とが同時に係合させられると、ドライブレンジが選択されている場合の1−2変速時と比べて、トルク容量が過多になって変速ショックが発生してしまう。
【0053】
そこで、マニュアルレンジが選択されている場合に、タイミングt11で1−2変速の変速指令が発生させられると、第2ブレーキB2の係合に対して第1ブレーキB1の係合を遅らせるように、CPU33に内蔵された図示しない出力切換タイマの計時を開始し、タイミングt13までの設定時間τ1が経過するまでの間、2速の変速出力及び3速の変速出力が微小時間δずつ交互に発生させられる。なお、発生させるたびに微小時間δを変化させることもできる。
【0054】
ところで、2速の変速出力が発生させられると、第1、第2のソレノイドバルブS1、S2がいずれもオン状態になるのに対して、3速の変速出力が発生させけられると、第1のソレノイドバルブS1がオフ状態にされる。そして、油路L−3、L−4に信号圧が発生させられ、該信号圧が2−3シフトバルブ72の制御油室72aに供給される。
【0055】
したがって、2速の変速出力及び3速の変速出力が微小時間δずつ交互に発生させられるのに伴って、2−3シフトバルブ72は断続的に左半位置と右半位置とを採ることになる。この場合、油路L−10と油路L−15との間が断続的に連通状態と非連通状態とに置かれるので、油圧サーボB−1への油圧PB1の供給も断続的に行われることになる。したがって、前記油圧PB1は、設定時間τ1が経過するまではほとんど上昇せず、タイミングt13から極めて緩やかに上昇させられ、第2ブレーキB2の係合が終了した後、タイミングt15で第1ブレーキB1の係合が終了すると、急激に高くなる。
【0056】
ところで、2−3シフトバルブ72は断続的に左半位置と右半位置とを採るのに伴って、油路L−21と油路L−8とが断続的に連通状態と非連通状態とに置かれるので、油圧サーボC−2への油圧の供給も断続的に行われることになる。そこで、油圧サーボC−2に油が充満させられる前に油圧サーボC−2への油圧の供給を停止させることができるように、前記微小時間δが設定される。したがって、3速の変速出力が微小時間δの間発生させられても、油圧サーボC−2は完全に係合されることはないので、第2クラッチC2のトルク容量TC2は0のままである。なお、微小時間δが経過して3速の変速出力の発生が停止され、2速の変速出力が発生させられたときに、油圧サーボC−2内の油を直ちに排出することができるように、2−3シフトバルブ72の右半位置から左半位置への切換えに伴って、油路L−8と油路L−33とが連通させられるようになっている。そして、このとき、油圧サーボC−2とマニュアルバルブ70のポートm5とが連通させられ、油圧サーボC−2の油がポートEXから排出される。
【0057】
このように、2速の変速出力及び3速の変速出力を微小時間δずつ交互に発生させることによって、油圧PB1の上昇を遅らせ、第2ブレーキB2の係合に対して第1ブレーキB1の係合を遅らせることができる。したがって、マニュアルレンジが選択されている場合の1−2変速時に、ドライブレンジが選択されている場合の1−2変速時と比べてトルク容量が過多にならず、変速ショックが発生するのを防止することができる。
【0058】
この場合、図示しない既存のバルブボディにカットオフバルブを追加する必要がないだけでなく、図示しないオリフィスの切換構造を形成する必要もないので、バルブボディのコストが高くなったり、バルブボディが大型化して車両搭載性が低下したりすることがない。
また、自動変速機制御装置32による変速出力によって第1ソレノイドバルブS1を断続的にオフ状態にすることによって、第2ブレーキB2の係合に対して第1ブレーキB1の係合を遅らせることができるので、2−3シフトバルブ72の切換えを最適のタイミングで精度良く行うことができる。しかも、ROM35内に格納されたプログラムの内容を変更するだけでよいので、自動変速機の変速制御装置のコストを低くすることができる。
【0059】
なお、ドライブレンジが選択されている場合、及びマニュアルレンジが選択されている場合に、タイミングt11で、例えば、3−2変速の変速指令が発生させられたときには、油圧サーボB−1への油圧PB1の供給が開始された後、第1のソレノイドバルブS1はオフ状態に維持されるので、油圧サーボB−1の油圧PB1は迅速に上昇させられる。したがって、エンジンブレーキの応答性を高くすることができる。
【0060】
本実施の形態において、前記設定時間τ1が経過するまでの間、第1のソレノイドバルブS1を断続的にオフ状態にするようにしているが、第1のソレノイドバルブS1を断続的に設定回数だけオフ状態にすることもできる。また、タービン回転数NT と車速vとの比を計算し、該比が所定の値に到達したときに第2ブレーキB2の係合が終了したと判断し、第1のソレノイドバルブS1の断続を停止させることもできる。
【0061】
さらに、本実施の形態において、前記微小時間δはスロットル開度θに対応させて設定されるが、車速vに対応させて設定することもできる。
ステップS1 出力切換タイマの計時を開始する。
ステップS2 微小時間δが経過するのを待機する。
ステップS3 前回第1のソレノイドバルブS1がオン状態にあったかどうかを判断する。前回第1のソレノイドバルブS1がオン状態にあった場合はステップS4に、オン状態になかった場合はステップS5に進む。
ステップS4 第1のソレノイドバルブS1をオフ状態にする。
ステップS5 第1のソレノイドバルブS1をオン状態にする。
ステップS6 設定時間τ1が経過しているかどうかを判断する。設定時間τ1が経過している場合は処理を終了し、経過していない場合はステップS1に戻る。
【0062】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0063】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、自動変速機の変速制御装置においては、第1の変速段で解放され、第1の変速段より高速段側の第2の変速段で係合させられる変速用の第1の摩擦係合要素と、前記第2の変速段で解放され、第3の変速段で係合させられる第2の摩擦係合要素と、マニュアルレンジが選択されている場合に、前記第1の変速段で解放され、前記第2の変速段で係合させられ、第3の変速段で解放されるエンジンブレーキ用の第3の摩擦係合要素と、第1〜第3の摩擦係合要素をそれぞれ係脱するための第1〜第3の油圧サーボと、第1、第2の位置を採り、第1の位置において、前記第2の油圧サーボから油圧を排出し、第3の油圧サーボに油圧を供給することによって第2の変速段を達成し、第2の位置において第2の油圧サーボに油圧を供給し、第3の油圧サーボから油圧を排出することによって第3の変速段を達成する切換弁と、ドライブレンジが選択された前記第1の変速段から第2の変速段への変速中において、前記切換弁を前記第1の位置に置くとともに、前記第1の摩擦係合要素を係合させ、マニュアルレンジが選択された前記第1の変速段から第2の変速段への変速中において、前記第2の摩擦係合要素の係合が完了しない所定の時間だけ前記切換弁を前記第2の位置に置いて、前記第3の摩擦係合要素の係合を前記第1の摩擦係合要素の係合より遅らせるシフト制御手段とを有する。
【0064】
この場合、シフト制御手段が、マニュアルレンジが選択された第1の変速段から第2の変速段への変速中において、第2の摩擦係合要素の係合が完了しない所定の時間だけ前記切換弁を第2の位置に置くと、前記切換弁が、前記所定の時間だけ第2の油圧サーボに油圧を供給する。
したがって、この間、第3の油圧サーボに油圧が供給されないので、エンジンブレーキ用の第3の摩擦係合要素の係合を変速用の第1の摩擦係合要素の係合より遅らせることができる。その結果、トルク容量が過多にならず、変速ショックが発生するのを防止することができる。
【0065】
また、既存のバルブボディにカットオフバルブを追加する必要がないだけでなく、オリフィスの切換構造を形成する必要もないので、バルブボディのコストが高くなったり、バルブボディが大型化して車両搭載性が低下したりすることがない。
さらに、第2の変速段へのダウンシフトの変速を行うときには、前記切換弁は第2の位置に置かれないので、エンジンブレーキの応答性が低下することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における自動変速機の変速制御装置の機能ブロック図である。
【図2】従来の自動変速機の変速制御装置における動作を示すタイムチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における自動変速機の概念図である。
【図4】本発明の実施の形態における自動変速機の作動状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における油圧回路の要部を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における自動変速機の変速制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における自動変速機の変速制御装置の動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
32 自動変速機制御装置
72 2−3シフトバルブ
132 シフト制御手段
B1 第1ブレーキ
B2 第2ブレーキ
C2 第2クラッチ
C−2、B−1、B−2 油圧サーボ

Claims (2)

  1. 第1の変速段で解放され、第1の変速段より高速段側の第2の変速段で係合させられる変速用の第1の摩擦係合要素と、前記第2の変速段で解放され、第3の変速段で係合させられる第2の摩擦係合要素と、マニュアルレンジが選択されている場合に、前記第1の変速段で解放され、前記第2の変速段で係合させられ、第3の変速段で解放されるエンジンブレーキ用の第3の摩擦係合要素と、第1〜第3の摩擦係合要素をそれぞれ係脱するための第1〜第3の油圧サーボと、第1、第2の位置を採り、第1の位置において前記第2の油圧サーボから油圧を排出し、第3の油圧サーボに油圧を供給することによって第2の変速段を達成し、第2の位置において第2の油圧サーボに油圧を供給し、第3の油圧サーボから油圧を排出することによって第3の変速段を達成する切換弁と、ドライブレンジが選択された前記第1の変速段から第2の変速段への変速中において、前記切換弁を前記第1の位置に置くとともに、前記第1の摩擦係合要素を係合させ、マニュアルレンジが選択された前記第1の変速段から第2の変速段への変速中において、前記第2の摩擦係合要素の係合が完了しない所定の時間だけ前記切換弁を前記第2の位置に置いて、前記第3の摩擦係合要素の係合を前記第1の摩擦係合要素の係合より遅らせるシフト制御手段とを有することを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記シフト制御手段は、前記切換弁を切り換える信号圧を発生させるソレノイドバルブ、及び走行状態に応じて該ソレノイドバルブをオン状態とオフ状態とに置く制御装置から成り、該制御装置は、前記第1の変速段から第2の変速段への変速中に、第2の変速段の変速出力と第3の変速段の変速出力とを交互に発生させる請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置
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