JP3842176B2 - コンバイン - Google Patents

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JP3842176B2
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、圃場の穀稈を連続的に刈取って脱穀するコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンからの動力を走行変速装置を経て刈取部へ伝達し、車速と同調した速度で刈取部を駆動する技術があった。しかしながら、畦際での刈終わり時に刈取部にある穀稈を脱穀部へ送込む流込み作業を行う場合や隅刈り作業を行う場合、機体を低速で前進及び後進させながら(何回か切返しを行いながら)旋回させるために、刈取部の駆動速度も低速となり、稈こぼれや搬送姿勢の乱れを発生し、また後進時には刈取部への動力伝達が断たれ作業が中断してしまうという問題があった。
【0003】
そこで、車速と同調した速度で刈取部を駆動するための主伝動系に加え、脱穀部への伝動系から刈取部へ動力を伝達し、刈取部を車速と同調させずに一定速度で駆動するための副伝動系を備え、流込み作業や隅刈り作業を行う場合、人為的な切換え操作により一時的に副伝動系からの動力で刈取部を車速より速い一定速度で、かつ前進時だけでなく後進時にも駆動できるようにし、上記のような問題を解決していた。また圃場の未刈り部分の一部に倒伏穀稈があり、その部分を車速を低速にして刈取る場合にも、副伝動系からの動力で刈取部を車速より速い一定速度で駆動し、倒伏穀稈の引起こし性能を向上させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、エンジンからの動力を走行変速装置を経て車速と同調可能に刈取部へ伝達する主伝動系と、脱穀部への伝動系から刈取部へ伝達する副伝動系を備えた場合、主伝動系からの動力が副伝動系からの動力より速い状態で、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されると、脱穀部への伝動系にブレーキがかかるため、脱穀部及び伝動系を損傷させてしまう問題があった。また脱穀部及び伝動系を保護するためには、副伝動系中や脱穀部への伝動系中に一方向クラッチ等の保護装置が必要になる問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、エンジンからの動力を走行変速装置から一方向クラッチを経て車速と同調可能に刈取部へ伝達する主伝動系と、エンジンからの動力を脱穀部への伝動系から刈取部へ伝達する副伝動系を備え、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されたとき、車速センサにより検出する車速が設定値以下の場合に副伝動系からの動力で刈取部を駆動し、前記車速が設定値以上の場合に主伝動系からの動力で刈取部を駆動する伝動系切換え手段を具備したコンバインにおいて、前記伝動系切換え手段は、脱穀入力軸から刈取り入力軸にベルト伝動で、かつその伝動ベルトのテンションローラを主伝動系から副伝動系への伝動系切換え用クラッチである流込みクラッチとして用いて動力を継断自在に伝達するように構成した副伝動系の前記流込みクラッチを切り状態に保持することにより、刈取部への副伝動経路を断って主伝動系からの動力で刈取部を駆動する一方、流込みクラッチを切り状態から入り状態に切換えることにより、刈取部への副伝動経路を繋ぎ、副伝動系からの動力で刈取部を駆動するように構成して、流込みクラッチが入り状態に切換えられたとき、主伝動系からの動力で刈取部を駆動する状態から、副伝動系からの動力で刈取部を駆動する状態への切換え制御を行うと同時に、縦搬送チェンを扱深さ調節機構により最深扱ぎ位置に強制移動させ、この伝動系切換え制御は、伝動系切換え用操作部材である流込みペダルが踏込み操作されている間中行われ、一旦副伝動系からの動力で刈取部を駆動する状態に切換えられた後に検出車速が設定車速以上になると、自動的に流込みクラッチを入り状態から切り状態に切換えて、主伝動系からの動力で刈取部を駆動する状態に自動復帰させるように構成したもので、主変速レバーや副変速レバーの操作位置によって変化しない一定の設定車速により主伝動系と副伝動系の切換えを制御し得るから、主伝動系からの動力が副伝動系からの動力より速い状態で、主伝動系から副伝動系へ切換えられ、脱穀部への伝動系にブレーキがかかり、脱穀部及び伝動系を損傷させてしまうのを防止し得、また脱穀部及び伝動系を保護するために従来副伝動系中や脱穀部への伝動系中に必要であった一方向クラッチ等の保護装置を不要にし得るものである。
【0006】
また、エンジンからの動力を走行変速装置を経て車速と同調可能に刈取部へ伝達する主伝動系と、脱穀部への伝動系から刈取部へ伝達する副伝動系を備えたコンバインにおいて、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されたとき、副伝動系からの動力で刈取部を駆動すると共に、縦搬送チェンを扱深さ調節機構により深扱ぎ側へ調節するもので、例えば畦際での刈終わり時に、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為され、副伝動系からの動力で刈取部を駆動し、刈取部にある穀稈を脱穀部に送込む流込み作業を行うとき、即ち倒伏穀稈が多く存在する刈終わりの低流量時に、縦搬送チェンを扱深さ調節機構により深扱ぎ側へ調節するから、扱浅さ及び刈取部から脱穀部への穀稈受継部での稈こぼれを防止し得、また畦際での刈終わりに伴う縦搬送チェンの深扱ぎ側への手動調節操作を不要とし、畦際での繁忙な操作を緩和し得るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1はコンバインの全体側面図、図2はコンバインの全体平面図であり、図中1は左右走行クローラ2を装設するトラックフレーム、3はトラックフレーム1上に架設する機台、4はフィードチェン5を左側に張架し扱胴6及び処理胴7を内臓する脱穀部、8は刈刃9及び穀稈搬送装置10等を備える刈取部、11は機台3と刈取りフレーム12の間に張架し刈取部8を昇降させる油圧シリンダ、13は排藁チェン14の終端を臨ませる排藁処理部、15は脱穀部4からの穀粒を揚穀コンベア16を介して搬入する穀粒タンク、17は穀粒タンク15の穀粒を機外に排出する穀粒排出オーガ、18は運転席19の前側にステアリングコラム20を介して丸形ハンドル21を装備すると共に運転席19の左側のサイドコラム22に主変速レバー23及び副変速レバー24及び脱穀クラッチレバー25及び刈取クラッチレバー26等を配設する運転操作部、27は運転席19の下側に配設するエンジンであり、圃場を走行移動しながら穀稈を刈取部8で連続的に刈取り、脱穀部4で脱穀するように構成している。
【0008】
図3にも示す如く、分草板28を介して導入される未刈り穀稈を起立させる引起こしタイン29を有する4条分の引起こしケース30と、引起こされた穀稈の稈元側を掻込む4条分のスターホイル31及び掻込みベルト32と、掻込み時に穀稈の稈元を切断する4条分の刈幅を有する刈刃9と、掻込まれた右側2条分の刈取り穀稈を左斜め後上方に搬送する右下部搬送チェン33及び右上部搬送タイン34と、掻込まれた左側2条分の刈取り穀稈を後方の右下部搬送チェン33の送り終端位置近傍に搬送合流させる左下部搬送チェン35及び左上部搬送タイン36と、右下部搬送チェン33の送り終端部に合流する4条分の刈取り穀稈の稈元側をフィードチェン5の送り始端部に搬送受継ぎする縦搬送チェン37と、縦搬送チェン37の送り終端部に設けてフィードチェン5の送り始端部に適正姿勢で4条分の刈取り穀稈を搬送受継ぎする補助搬送チェン38を、4条用の刈取部8に備え、4条分の刈取り穀稈の稈元側を縦搬送チェン37によりフィードチェン5の送り始端部に搬送受継ぎさせ、刈取り穀稈の稈元側をフィードチェン5で挟持して扱胴軸と平行に移動させ、穂先だけを脱穀部4の扱室に供給して脱穀処理させるように構成している。
【0009】
また、扱深さ調節支点軸39を有する搬送入力ケース40を介して縦搬送チェン37の送り始端側を刈取フレーム12に取付け、扱深さ調節支点軸39を中心に縦搬送チェン37の送り終端側を揺動変位させることにより、フィードチェン5による刈取り穀稈の挟持位置を稈身方向に変位させ、脱穀部4の扱室に供給される穂先の供給長さ、即ち扱深さを変更するように構成している。
【0010】
図4は脱穀部の断面側面図であり、図中41は機体前後方向に軸架する軸流型の扱胴6を内設させる扱室、42は扱室41に穀稈を挿入する扱口、43は扱室41の下方に張架させるクリンプ網、44は扱室41の後端部右側より機体後方に向けて形成して扱胴6と平行な処理胴7を内設させる処理室、45は扱室41の後端部右側と処理室44の前端左側部を連通させる送塵通路、46は処理室44の左側面に張架させるクリンプ網、47は処理室44の後端左側面を開放して形成する排塵口、48は揺動リンク等を介して機体前後方向に揺動自在に支持する揺動選別盤であり、クリンプ網43の下方に配設するフィードパン49と、フィードパン49の後方に配設するチャフシーブ50と、チャフシーブ50の下方に配設させるグレンシーブ51と、排塵口47の下方でチャフシーブ50の後方に配設するストローラック52とで揺動選別盤48を構成している。
【0011】
また、図中53は揺動選別盤48方向に選別風を供給する唐箕、54は揚穀コンベア16に連通させて穀粒タンク15に一番物を取出す一番コンベア55を有する一番桶、56は二番還元コンベア57に連通させて二番物を揺動選別盤48前部のフィードパン49上に還元する二番コンベア58を有する二番桶、59はストローラック52の上方に吸引口60を臨ませる横断流式吸排塵ファン、61,62は排藁処理部13に配設して排藁を所定寸法に切断する排藁カッターである。
【0012】
図5は刈取部の駆動説明図であり、副変速レバー24により低速作業モード(低速)・標準作業モード(中速)・路上走行モード(高速)に切換える機械式変速機構を内蔵する走行ミッション63の入力部に、主変速レバー23により操作されて機体の前進・停止・後進とその車速を「0」から副変速レバー24により選択された各モードごとの最高速の間で変更するための油圧式無段変速機構(HST)64を組付けた走行変速装置65を備え、エンジン27の出力軸66から走行変速装置65の入力軸67にベルト伝動で、かつその伝動ベルトのテンションローラを主クラッチ68(主変速レバー23が停止位置に操作されると切り状態になり、前進側及び後進側に操作されたとき入り状態になる。)として用いて動力を継断自在に伝達し、走行変速装置65の油圧式無段変速機構64及び機械式変速機構を経て左右車軸69に動力を伝達して左右走行クローラ2を駆動すると共に、走行変速装置65の走行ミッション63に内蔵する機械式変速機構から一方向クラッチ70を介して、機体を前進走行させているときにのみ、刈取部8の駆動速度を車速と同調して変化させるように、刈取部8を駆動するための動力を取出すPTO軸である刈取り駆動軸71を走行変速装置65の走行ミッション63に設け、刈取り駆動軸71から刈取部8の刈取り入力軸72にベルト伝動で、かつその伝動ベルトのテンションローラを刈取りクラッチ73として用いて動力を継断自在に伝達し、刈取り入力軸72から伝達される動力で刈取部8の各部を駆動するように構成している。
【0013】
刈取り入力軸72から縦伝動軸74を介して横伝動軸75に動力を伝達し、横伝動軸75から刈刃駆動軸76に動力を伝達して刈刃9を駆動し、また横伝動軸75から縦引起こし駆動軸77を介して横引起こし駆動軸78に動力を伝達し、横引起こし駆動軸78から各引起こしケース30のタイン駆動スプロケット軸79に動力を伝達して各引起こしケース30の引起こしタイン29を駆動し、また刈取り入力軸72から右上部搬送タイン34と補助搬送チェン38の駆動スプロケット軸80に動力を伝達して右上部搬送タイン34と補助搬送チェン38を駆動し、また縦伝動軸74から右下部搬送チェン33の駆動スプロケット軸81と縦搬送チェン37の駆動スプロケット軸82に動力を伝達して右下部搬送チェン33と縦搬送チェン37を駆動すると共に、右下部搬送チェン33に連動連結した右側2条分のスターホイル31及び掻込みベルト32を駆動し、また縦引起こし駆動軸77から左下部搬送チェン35と左上部搬送タイン36の駆動スプロケット軸83に動力を伝達して左下部搬送チェン35と左上部搬送タイン36を駆動すると共に、左下部搬送チェン35に連動連結した左側2条分のスターホイル31及び掻込みベルト32を駆動するように構成している。
【0014】
図6は脱穀部の駆動説明図であり、エンジン27の出力軸66から脱穀部4の脱穀入力軸84にベルト伝動で、かつその伝動ベルトのテンションローラを脱穀クラッチ85として用いて動力を継断自在に伝達し、脱穀入力軸84から伝達される動力で脱穀部4の各部を駆動するもので、脱穀入力軸84から扱胴駆動軸86aに動力を伝達し、扱胴駆動軸86aから扱胴軸86と処理胴軸87に動力を伝達して扱胴6と処理胴7を駆動すると共に、扱胴軸86から排藁チェン14の駆動スプロケット軸88に動力を伝達して排藁チェン14を駆動し、また脱穀入力軸84から唐箕軸89と一番コンベア軸90に動力を伝達して唐箕53と一番コンベア55を駆動すると共に、一番コンベア軸90から揚穀コンベア軸91に動力を伝達して揚穀コンベア16を駆動し、また一番コンベア軸90から二番コンベア軸92と揺動駆動軸93とフィードチェン入力軸94に動力を伝達して、二番コンベア58を駆動すると共に、二番コンベア軸92から二番還元コンベア軸95に動力を伝達して二番還元コンベア57を駆動し、また揺動駆動軸93からクランク軸96に動力を伝達して揺動選別盤48を駆動し、またフィードチェン入力軸94から横断流式吸排塵ファン59のファン軸97に動力を伝達して横断流式吸排塵ファン59を駆動し、またファン軸97からフィードチェンカウンタ軸98に動力を伝達し、フィードチェンカウンタ軸98からフィードチェン5の駆動スプロケット軸99にフィードチェンクラッチ100を介して動力を継断自在に伝達してフィードチェン5を駆動し、またフィードチェン入力軸94から高速側の排藁カッター軸101に動力を伝達すると共に、高速側の排藁カッター軸101から低速側の排藁カッター軸102に動力を伝達して高速側と低速側の排藁カッター61,62を駆動するように構成している。
【0015】
また、走行部や脱穀部4の負荷が変化しても、燃料噴射量を制御して、エンジン27の回転を一定に保つ自動定回転制御機能により、脱穀部4を一定の速度で駆動するように構成している。
【0016】
そして、脱穀クラッチレバー25及び刈取りクラッチレバー26を入り位置に操作して脱穀クラッチ85及び刈取りクラッチ73を入り状態にし、かつ主変速レバー23及び副変速レバー24を操作して機体を任意の速度で前進走行させながら、脱穀部4を一定の速度で駆動し、また刈取部8を車速と同調して駆動速度が変化する状態で駆動させ、圃場の未刈り穀稈を刈取部8の刈刃9により4条ずつ刈取るもので、刈取部8で刈取られた穀稈は、刈取部8の縦搬送チェン37からフィードチェン5の送り始端部に搬送受継ぎされ、フィードチェン5で稈元を挾持して扱胴軸86と平行に移動させ、穂先だけを扱口42から扱室41に供給し、扱室41を通過する間に扱胴6の扱歯で脱穀される。また扱室41を通過した脱穀後の排藁はフィードチェン5の送り終端部から排藁チェン14に搬送受継ぎされ、排藁処理部13に送込まれて排藁カッター61,62により所定長さに切断後機外へ放出される。
【0017】
また、扱室41で脱穀された脱粒物の大部分はクリンプ網43から漏下して、唐箕53の風選作用及び揺動選別盤48の揺動選別作用を受け、整粒(一番物)と穂切れ粒(二番物)と細かい塵埃(三番物)とに別けられ、整粒は一番樋54に回収されて一番コンベア55及び揚穀コンベア16により穀粒タンク15に送られて貯留され、穂切れ粒は二番樋56に回収されて二番コンベア58及び二番還元コンベア57により揺動選別盤48前部のフィードパン49上に還元されて再選別処理され、細かい塵埃は横断流式吸排塵ファン59を経由し機外へ排出される。
【0018】
扱室41で発生した藁屑と脱粒物の一部はクリンプ網43で漏下せず、扱室41の後端部から送塵通路45を通じて処理室44の前端部に流入し、処理室44を通過する間に処理胴7の扱歯でさらに脱穀処理される。処理室44で脱穀された脱粒物はクリンプ網46から漏下して、唐箕53の風選作用及び揺動選別盤48の揺動選別作用を受け、整粒と穂切れ粒と細かい藁屑や塵埃とに別けられ、整粒は一番樋54に回収されて一番コンベア55及び揚穀コンベア16により穀粒タンク15に送られて貯留され、穂切れ粒は二番樋56に回収されて二番コンベア58及び二番還元コンベア57により揺動選別盤48前部のフィードパン49上に還元されて再選別処理され、細かい塵埃は横断流式吸排塵ファン59を経由し機外へ排出される。
【0019】
処理室44後端部の排塵口47から排出される藁屑は、下方のストローラック52上に落下し、選別風路後端部でストローラック52の揺動と櫛作用を受け、選別風路中で落差選別が行われ、藁屑と穀粒に別けられ、藁屑や塵埃は横断流式吸排塵ファン59を経由し機外へ排出され、穀粒は下方の二番樋56に回収されて二番コンベア58及び二番還元コンベア57により揺動選別盤48前部のフィードパン49上に還元されて再選別処理される。
【0020】
上記のようにして、刈取部8で刈取った穀稈を脱穀部4で脱穀し、整粒のみを穀粒タンク15に取出すものである。
【0021】
ところで、図5乃至図7に示す如く、刈取部8への伝動系は、上記のようにエンジン27からの動力を走行変速装置65さらには一方向クラッチ70を経て刈取部8へ伝達し、機体を前進走行させているときにのみ、刈取部8の駆動速度を車速と同調して変化させるように、刈取部8を駆動するための主伝動系に加え、エンジン27からの動力を脱穀部4への伝動系から刈取部8へ伝達し、主変速レバー23及び副変速レバー24の操作位置に関係無く、即ち機体の前進・停止・後進とその車速に関係無く、一定の速度で刈取部8を駆動するための副伝動系を備え、畦際での刈終わり時に、機体を低速で前進及び後進させながら(何回か切返しを行いながら)旋回させるのと並行して、刈取部8にある穀稈を脱穀部4へ送込む流込み作業を行う場合、圃場の隅の未刈り穀稈を、機体を低速で前進及び後進させながら(何回か切返しを行いながら)刈取る隅刈り作業を行う場合、圃場の未刈り部分の一部に倒伏穀稈があり、その部分を車速を低速にして刈取る場合等、一時的に副伝動系からの動力で刈取部8を駆動するもので、副伝動系は、脱穀入力軸84から刈取り入力軸72にベルト伝動で、かつその伝動ベルトのテンションローラを主伝動系から副伝動系への伝動系切換え用クラッチである流込みクラッチ103として用いて動力を継断自在に伝達し、流込みクラッチ103を切り状態に保持することにより、刈取部8への副伝動経路を断ち、主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する一方、流込みクラッチ103を切り状態から入り状態に切換えることにより、刈取部8への副伝動経路を繋ぎ、副伝動系からの動力で刈取部8を駆動するように構成している。
【0022】
また、流込みクラッチ103を入切り動作させる伝動系切換え用のアクチュエータである流込みクラッチモータ104を備え、その流込みクラッチモータ104を制御して、主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態(車速同調状態)から副伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態(非同調状態)に切換えるもので、図8に示す如く、脱穀クラッチレバー25の入り操作を検出する脱穀スイッチ105(脱穀クラッチレバー25が入り位置に操作されたときオンに、切り位置に操作されたときにオフになるスイッチ)と、刈取りクラッチレバー26の入り操作を検出する刈取りスイッチ106(刈取りクラッチレバー26が入り位置に操作されたときオンに、切り位置に操作されたときにオフになるスイッチ)と、運転操作部18のステアリングコラム20の右側に配設して流込みクラッチ103を切り状態から入り状態に切換え操作する伝動系切換え用の操作部材である流込みペダル107の踏込み操作(主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作である流込み操作)を検出する流込みスイッチ108(流込みペダル107が踏込み操作されているときオンに、踏込み操作されていないときオフになるスイッチ)と、左右走行クローラ2を駆動する左右車軸69の回転速度で機体の走行速度(車速)を検出する車速センサ109と、流込みクラッチ103を切り状態から入り状態に切換える最高車速(主伝動系からの動力が副伝動系からの動力と同じか遅くなるような車速範囲内の車速)を設定する車速設定器110を、コンバインに搭載するマイクロコンピュータ式のコントローラ111の入力ポートに接続すると共に、流込みペダル107が踏込み操作されている間、刈取部8が主/副どちらの伝動系からの動力で駆動されているかをオペレータに音、ランプ、モニターによる文字表示等の手段で認識させるための表示手段である表示器112を備え、流込みクラッチモータ104と表示器112をコントローラ111の出力ポートに接続している。
【0023】
そして、下記の表1にも示す如く、脱穀クラッチレバー25及び刈取りクラッチレバー26の両方が入り位置に操作され、脱穀クラッチ85及び刈取りクラッチ73の両方が入り状態のとき(脱穀スイッチ105及び刈取りスイッチ106の両方がオンになっているとき)、流込みペダル107が踏込み操作されると(流込みスイッチ108がオンになると)、車速センサ109で検出する車速と車速設定器110で予め設定した車速を比較し、検出車速が設定車速以下の場合に、流込みクラッチモータ104を作動させて流込みクラッチ103を切り状態から入り状態に切換え、刈取部8への副伝動経路を繋ぎ、副伝動系からの動力で、主変速レバー23及び副変速レバー24の操作位置に関係無く、即ち機体の前進・停止・後進とその車速に関係無く、一定の速度で刈取部8を駆動させ(この時の駆動速度は、主伝動系からの動力による刈取部8の駆動速度より高速となる)、一方検出車速が設定車速以上の場合は、流込みクラッチモータ104を作動させず停止保持させて流込みクラッチ103を切り状態から入り状態に切換えず切り状態に保持し、刈取部8への副伝動経路を繋がず切断保持し、そのまま主伝動からの動力で、刈取部8の駆動速度を車速と同調して変化させるように、刈取部8を駆動させる伝動系切換え制御を行い、またこの伝動系切換え制御は、流込みペダル107が踏込み操作されている間中行われ、一旦副伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態(非同調状態)に切換えられた後に、検出車速が設定車速以上になると、自動的に流込みクラッチモータ104を逆作動させて流込みクラッチ103を入り状態から切り状態に切換え、主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態(車速同調状態)に自動復帰させると共に、流込みペダル107が踏込み操作されている間で、例えば、流込みクラッチ103が入り状態に切換えられて副伝動系からの動力で刈取部8を駆動している間、表示器112により運転操作部18のサイドコラム22等に配設されるモニターに「流込み作業中」等の文字を映出し、流込みペダル107が踏込み操作されている間、刈取部8が主/副どちらの伝動系からの動力で駆動されているかをオペレータに認識させるように構成している。
【0024】
【表1】
Figure 0003842176
【0025】
上記から明らかなように、通常の刈取り作業(脱穀クラッチレバー25及び刈取りクラッチレバー26を入り位置に操作して脱穀クラッチ85及び刈取りクラッチ73を入り状態にし、主変速レバー23及び副変速レバー24の操作位置に応じた速度で機体を前進走行させながら、脱穀部4を一定の速度で駆動し、また流込みペダル107を踏込み操作せず、主伝動系からの動力で、刈取部8の駆動速度を車速と同調して変化させるように、刈取部8を駆動して、圃場の未刈り穀稈を刈取る作業)途中において、流込み作業、隅刈り作業、一部倒伏穀稈の刈取り作業等を行う際に、流込みペダル107を踏込み操作し、副伝動系からの動力で、主変速レバー23及び副変速レバー24の操作位置に関係無く、即ち機体の前進・停止・後進とその車速に関係無く、一定の速度で刈取部8を駆動させるのであるが、その流込みペダル107が踏込み操作されたときの車速同調状態(主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態)から非同調状態(副伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態)への切換えを、車速センサ109で検出する車速が、設定値以下の場合(主伝動系からの動力が副伝動系の動力より遅い場合)に許容し、設定値以上の場合(主伝動系からの動力が副伝動系の動力より速い場合)に禁止することにより、即ちエンジン27からの動力を走行変速装置65を経て車速と同調可能に刈取部8へ伝達する主伝動系と、脱穀部4への伝動系から刈取部8へ伝達する副伝動系を備えたコンバインにおいて、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されたとき、車速センサ109により検出する車速が、設定値以下の場合に副伝動系からの動力で刈取部8を駆動し、設定値以上の場合に主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する伝動系切換え手段を備えたことにより、主変速レバー23や副変速レバー24の操作位置によって変化しない一定の設定車速により主伝動系と副伝動系の切換えを制御できるから、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されたときに(流込みペダル107が踏込み操作されたときに)主伝動系からの動力が副伝動系の動力より速い状態で、車速同調状態から非同調状態へ切換えられ、脱穀部4への伝動系にブレーキがかかり、脱穀部4及び伝動系を損傷させてしまうのを防止でき、また脱穀部4及び伝動系を保護するための従来副伝動系中や脱穀部4への伝動系中に必要であった一方向クラッチ等の保護装置を不要にできるものである。
【0026】
また、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されている間(流込みペダル107が踏込み操作されている間)、刈取部8がどちらの伝動系からの動力で駆動されているかを(刈取部8が車速同調状態と非同調状態のどちらの状態で駆動されているかを)オペレータに認識させるための表示手段である表示器112を備えたもので、例えば通常の刈取り作業途中に、流込み作業、隅刈り作業、一部倒伏穀稈の刈取り作業等を行う際に、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為され(流込みペダル107が踏込み操作されたときに)、車速センサ109により検出する車速が、設定値以下で副伝動系からの動力で刈取部8を非同調状態で駆動し、その後車速センサ109により検出する車速が、設定値以上になり、主伝動系からの動力で刈取部8が車速同調状態で駆動されているにも拘わらず、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作(流込みペダル107の踏込み操作)が継続して為される等、無駄な操作を防止することができるものである。
【0027】
尚、刈取部8が副伝動系からの動力で非同調状態で駆動されているときには、副伝動系からの動力が主伝動系からの動力より速くなるが、その速度差を主伝動系中の一方向クラッチ70を空回りさせることにより吸収するので、主伝動系及び走行変速装置65は保護されると共に、主伝動経路を刈取りクラッチ73を切り状態にして断つことなく、この主伝動経路を繋いだ状態で副伝動経路を継断するだけで、車速同調状態(主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態)と非同調状態(副伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態)の切換えを行うことができるようになっている。
【0028】
図9は扱深さ調節機構の説明図であり、扱深さ調節支点軸39を中心に縦搬送チェン37の送り終端側を揺動変位させるためのアクチュエータである扱深さ調節モータ113を備え、扱深さ調節モータ113を前記コントローラ111の出力ポートに接続すると共に、運転操作部18に配設する図示しない扱深さ手動調節用スイッチと、縦搬送チェン37の揺動範囲(扱深さ調節範囲)を設定するリミットスイッチ114,115をコントローラ111の入力ポートに接続し、扱深さ手動調節スイッチに基づいて扱深さ調節モータ113を正転又は逆転作動させ、その回転運動を図示しないねじ送り機構やリンク機構等を介して往復運動に変換して縦搬送チェン37に与え、扱深さ調節支点軸39を中心に縦搬送チェン37の送り終端側を、深扱ぎ側のリミットスイッチ114で検出する最深扱ぎ位置と浅扱ぎ側のリミットスイッチ115で検出する最浅扱ぎ位置の間で揺動変位させる扱深さ手動調節を行うように構成している。
【0029】
また、縦搬送チェン37により稈元側が挟持されて搬送される刈取り穀稈の有無を検出する穀稈センサ116と、その刈取り穀稈の穂先位置を検出する一対の稈長センサである長稈側センサ117及び短稈側センサ118を備え、穀稈センサ116と長稈側センサ117及び短稈側センサ118と運転操作部18に配設する図示しない扱深さ自動調節スイッチを前記コントローラ111の入力ポートに接続し、脱穀クラッチレバー25及び刈取りクラッチレバー26の両方が入り位置に操作され、脱穀クラッチ85及び刈取りクラッチ73の両方が入り状態のとき(脱穀スイッチ105及び刈取りスイッチ106の両方がオンになっているとき)で、穀稈センサ116により刈取り穀稈を検出しているときに、扱深さ自動調節スイッチがオン操作されると、長稈側センサ117及び短稈側センサ118に基づいて扱深さ調節モータ113を正転又は逆転作動させる扱深さ自動調節制御が働くもので、縦搬送チェン37により稈元側が挟持されて搬送されている刈取り穀稈の穂先が、長稈側センサ117と短稈側センサ118の間を通過するように(長稈側センサ117がオフの状態で短稈側センサ118がオンの状態)、長稈側センサ117と短稈側センサ118の両方がオンになったとき扱深さ調節支点軸39を中心に縦搬送チェン37の送り終端側を浅扱ぎ側に移動させるように扱深さ調節モータ113を作動させる一方、長稈側センサ117と短稈側センサ118の両方がオフになったときは扱深さ調節支点軸39を中心に縦搬送チェン37の送り終端側を深扱ぎ側に移動させるように扱深さ調節モータ113を作動させ、扱深さを一定に保持するように構成している。
【0030】
そして、上記のように通常の刈取り作業途中において、流込み作業、隅刈り作業、一部倒伏穀稈の刈取り作業等を行う際に、流込みペダル107が踏込み操作されたとき、車速同調状態(主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態)から非同調状態(副伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態)への切換え制御を行うと同時に、扱深さ調節機構における深扱ぎ側のリミットスイッチ114が作動するまで扱深さ調節モータ113を深扱ぎ側に作動させ、縦搬送チェン37を最深扱ぎ位置に強制移動させ、流込み作業、隅刈り作業、一部倒伏穀稈の刈取り作業時には刈取り穀稈の脱穀処理を深扱ぎ状態で行うように構成している。
【0031】
上記から明らかなように、エンジン27からの動力を走行変速装置65を経て車速と同調可能に刈取部8へ伝達する主伝動系と、脱穀部4への伝動系から刈取部8へ伝達する副伝動系を備えたコンバインにおいて、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されたとき、副伝動系からの動力で刈取部8を駆動すると共に、縦搬送チェン37を扱深さ調節機構により深扱ぎ側へ調節するもので、例えば畦際での刈終わり時に、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為され、副伝動系からの動力で刈取部8を駆動し、刈取部8にある穀稈を脱穀部4に送込む流込み作業を行うとき、即ち倒伏穀稈が多く存在する刈終わりの低流量時に(隅刈り作業時や一部倒伏穀稈の刈取り作業時にもこの状態になる)、縦搬送チェンを37を扱深さ調節機構により深扱ぎ側へ調節するから、扱浅さ及び刈取部8から脱穀部4への穀稈受継部での稈こぼれを防止でき、また畦際での刈終わりに伴う縦搬送チェン37の深扱ぎ側への手動調節操作を不要とし、畦際での繁忙な操作を緩和できるものである。
【0032】
図10は揺動選別盤48のチャフシーブ開度調節機構の説明図であり、チャフシーブ50を構成する横桟119のうち一番樋54の上方位置の横桟119の揺動端部を連結杆120を介して連動連結すると共に、一つの横桟119の揺動支点軸121にチャフレバー122を一体連結し、チャフレバー122を揺動させることによって各横桟119を一体的に揺動させ、チャフシーブ50の開度を調節するもので、バネ123によってチャフレバー122を一方向(チャフシーブ50の開度を拡大する方向)に弾圧付勢すると共に、チャフレバー122を操作するためのアクチュエータであるチャフシーブ開度調節用のモータ124及びモータ124により伸縮させるチャフシーブ開度調節用のシリンダ125を備え、シリンダ125のピストンロッド126にワイヤシフター127及び操作ワイヤ128を介してチャフレバー122を連結し、モータ124駆動でシリンダ125のピストンロッド126を進出させて操作ワイヤ128を弛めることにより、チャフレバー122をバネ123力により揺動させ、チャフシーブ50の開度を拡大する(開く)一方、モータ124駆動でシリンダ125のピストンロッド126を退入させて操作ワイヤ128を緊張させることにより、チャフレバー122をバネ123力に抗して揺動させ、チャフシーブ50の開度を縮小する(閉じる)ように構成している。
【0033】
また、運転操作部18に配設するチャフシーブ開度手動調節用の操作部材である選別調節ダイヤル129と、シリンダ125のピストンロッドの進退位置によって横桟119の角度、即ちチャフシーブ50の開度を検出するポテンショメータ形のチャフ開度センサ130を備え、モータ124を前記コントローラ111の出力ポートに接続すると共に、選別調節ダイヤル129とチャフ開度センサ130を前記コントローラ111の入力ポートに接続し、選別調節ダイヤル129操作とチャフ開度センサ130に基づいてモータ124を正転又は逆転作動させ、選別調節ダイヤル129の調節位置に対応したチャフシーブ50の開度に手動調節するように構成している。
【0034】
また、揺動選別盤48上の籾層の層圧Tを検出するポテンショメータ形の選別量センサ131を備え、運転操作部18に配設する図示しないチャフシーブ開度自動調節スイッチと、選別量センサ131を前記コントローラ111の入力ポートに接続し、脱穀クラッチレバー25及び刈取りクラッチレバー26の両方が入り位置に操作され、脱穀クラッチ85及び刈取りクラッチ73の両方が入り状態のとき(脱穀スイッチ105及び刈取りスイッチ106の両方がオンになっているとき)に、チャフシーブ開度自動調節スイッチがオン操作されると、選別量センサ131とチャフ開度センサ130に基づいてモータ124を正転又は逆転作動させるチャフシーブ開度自動調節制御が働くもので、選別量センサ131により検出する揺動選別盤48上の籾層の層圧Tが、薄くなるに連れてチャフシーブ50の開度を縮小(閉じる)一方、厚くなるに連れてチャフシーブ50の開度を拡大し(開く)するようにモータ124を作動させ、選別精度を高レベルで維持するように構成して
いる。
【0035】
そして、上記のように通常の刈取り作業途中において、流込み作業、隅刈り作業、一部倒伏穀稈の刈取り作業等を行う際に、流込みペダル107が踏込み操作されたとき、車速同調状態(主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態)から非同調状態(副伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態)への切換え制御を行うと同時に、チャフシーブ開度調節機構における選別調節ダイヤル129の最閉じ調節位置に対応するチャフシーブ開度になるようにモータ124を作動させ、チャフシーブ開度を最閉じ状態に強制的に閉じ調節し、揺動選別盤48上の被選別物を二番樋56の上方まで後送りして二番樋56に回収し、二番処理を促進させるように構成している。尚、この制御は、選別量センサ131により検出する籾層の層圧Tが、例えば標準以下のときに行われ、標準以上のときは禁止され、穀粒の三番ロスが多量に発生するのを防止している。
【0036】
上記から明らかなように、エンジン27からの動力を走行変速装置65を経て車速と同調可能に刈取部8へ伝達する主伝動系と、脱穀部4への伝動系から刈取部8へ伝達する副伝動系を備えたコンバインにおいて、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されたとき、副伝動系からの動力で刈取部8を駆動すると共に、チャフシーブ50をチャフシーブ開度調節機構により閉じ側へ調節するもので、例えば畦際での刈終わり時に、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為され、副伝動系からの動力で刈取部8を駆動し、刈取部8にある穀稈を脱穀部に送込む流込み作業を行うとき、即ち枝梗が発生し易い刈終わりの低流量時に(隅刈り作業時や一部倒伏穀稈の刈取り作業時にもこの状態になる)、チャフシーブ50をチャフシーブ開度調節機構により閉じ側へ調節するから、被選別物の二番処理を促進でき、穀粒ロスの低減を図ることができ、また畦際での刈終わりに伴うチャフシーブ50の閉じ側への手動調節操作を不要とし、畦際での繁忙な操作を緩和できるのである。
【0037】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、エンジン27からの動力を走行変速装置65から一方向クラッチ70を経て車速と同調可能に刈取部へ伝達する主伝動系と、エンジン27からの動力を脱穀部への伝動系から刈取部へ伝達する副伝動系を備え、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されたとき、車速センサ109により検出する車速が設定値以下の場合に副伝動系からの動力で刈取部を駆動し、前記車速が設定値以上の場合に主伝動系からの動力で刈取部を駆動する伝動系切換え手段を具備したコンバインにおいて、前記伝動系切換え手段は、脱穀入力軸84から刈取り入力軸72にベルト伝動で、かつその伝動ベルトのテンションローラを主伝動系から副伝動系への伝動系切換え用クラッチである流込みクラッチ103として用いて動力を継断自在に伝達するように構成した副伝動系の前記流込みクラッチ103を切り状態に保持することにより、刈取部8への副伝動経路を断って主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する一方、流込みクラッチ103を切り状態から入り状態に切換えることにより、刈取部8への副伝動経路を繋ぎ副伝動系からの動力で刈取部8を駆動するように構成して、流込みクラッチ103が入り状態に切換えられたとき、主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態から、副伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態への切換え制御を行うと同時に、縦搬送チェン37を扱深さ調節機構により最深扱ぎ位置に強制移動させ、この伝動系切換え制御は、伝動系切換え用操作部材である流込みペダル107が踏込み操作されている間中行われ、一旦副伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態に切換えられた後に検出車速が設定車速 以上になると、自動的に流込みクラッチ103を入り状態から切り状態に切換えて、主伝動系からの動力で刈取部8を駆動する状態に自動復帰させるように構成したもので、主変速レバー23や副変速レバー24の操作位置によって変化しない一定の設定車速により主伝動系と副伝動系の切換えを制御できるから、主伝動系からの動力が副伝動系からの動力より速い状態で、主伝動系から副伝動系へ切換えられ、脱穀部4への伝動系にブレーキがかかり、脱穀部4及び伝動系を損傷させてしまうのを防止でき、また脱穀部4及び伝動系を保護するために従来副伝動系中や脱穀部4への伝動系中に必要であった一方向クラッチ等の保護装置を不要にできる等の顕著な効果を奏するものである。
【0038】
また、上記構成のものであるので、例えば畦際での刈終わり時に、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為され、副伝動系からの動力で刈取部8を駆動し、刈取部8にある穀稈を脱穀部4に送込む流込み作業を行うとき、即ち、倒伏穀稈が多く存在する刈終わりの低流量時に、縦搬送チェン37を扱深さ調節機構により深扱ぎ側へ調節するから、扱浅さ及び刈取部8から脱穀部4への穀稈受継部での稈こぼれを防止でき、また畦際での刈終わりに伴う縦搬送チェン37の深扱ぎ側への手動調節操作を不要とし、畦際での繁忙な操作を緩和できる等の顕著な効果を奏するものである。
【0039】
また、エンジン27からの動力を走行変速装置65を経て車速と同調可能に刈取部8へ伝達する主伝動系と、脱穀部4への伝動系から刈取部8へ伝達する副伝動系を備えたコンバインにおいて、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されたとき、副伝動系からの動力で刈取部8を駆動すると共に、チャフシーブ50をチャフシーブ開度調節機構により閉じ側へ調節するように構成することにより、例えば畦際での刈終わり時に、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為され、副伝動系からの動力で刈取部8を駆動し、刈取部8にある穀稈を脱穀部4に送込む流込み作業を行うとき、即ち枝梗が発生し易い刈終わりの低流量時に、チャフシーブ50をチャフシーブ開度調節機構により閉じ側へ調節するから、被選別物の二番処理を促進でき、穀粒ロスの低減を図ることができ、また畦際での刈終わりに伴うチャフシーブ50の閉じ側への手動調節操作を不要とし、畦際での繁忙な操作を緩和できる等の顕著な効果を奏するものである。
【0040】
さらに、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されている間、刈取部8がどちらの伝動系からの動力で駆動されているかをオペレータに認識させるための表示手段を備えたものに構成することにより、例えば畦際での刈終わり時に主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為され、車速センサ109により検出する車速が、設定値以下で副伝動系からの動力で刈取部8を駆動し、その後車速センサ109により検出する車速が、設定値以上になり、主伝動系からの動力で刈取部8が駆動されているにも拘わらず、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が継続して為される等、無駄な操作を防止できる等の顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】コンバインの全体平面図
【図3】刈取部の側面図
【図4】脱穀部の断面側面図
【図5】刈取部の駆動説明図
【図6】脱穀部の駆動説明図
【図7】刈取部への伝動系を示す説明図
【図8】刈取部への伝動系切換え制御を示すブロック図
【図9】扱深さ調節機構の説明図
【図10】チャフシーブ開度調節機構の説明図
【符号の説明】
4 脱穀部
8 刈取部
27 エンジン
37 縦搬送チェン
50 チャフシーブ
65 走行変速装置
103 流込みクラッチ
104 流込みクラッチモータ
107 流込みペダル
109 車速センサ
110 車速設定器
111 コントローラ
112 表示器

Claims (1)

  1. エンジン(27)からの動力を走行変速装置(65)から一方向クラッチ(70)を経て車速と同調可能に刈取部(8)へ伝達する主伝動系と、エンジン(27)からの動力を脱穀部(4)への伝動系から刈取部(8)へ伝達する副伝動系を備え、主伝動系から副伝動系への人為的な切換え操作が為されたとき、車速センサ(109)により検出する車速が設定値以下の場合に副伝動系からの動力で刈取部(8)を駆動し、前記車速が設定値以上の場合に主伝動系からの動力で刈取部(8)を駆動する伝動系切換え手段を具備したコンバインにおいて、前記伝動系切換え手段は、脱穀入力軸(84)から刈取り入力軸(72)にベルト伝動で、かつその伝動ベルトのテンションローラを主伝動系から副伝動系への伝動系切換え用クラッチである流込みクラッチ(103)として用いて動力を継断自在に伝達するように構成した副伝動系の前記流込みクラッチ(103)を切り状態に保持することにより、刈取部(8)への副伝動経路を断って主伝動系からの動力で刈取部(8)を駆動する一方、流込みクラッチ(103)を切り状態から入り状態に切換えることにより、刈取部(8)への副伝動経路を繋ぎ、副伝動系からの動力で刈取部(8)を駆動するように構成して、流込みクラッチ(103)が入り状態に切換えられたとき、主伝動系からの動力で刈取部(8)を駆動する状態から、副伝動系からの動力で刈取部(8)を駆動する状態への切換え制御を行うと同時に、縦搬送チェン(37)を扱深さ調節機構により最深扱ぎ位置に強制移動させ、この伝動系切換え制御は、伝動系切換え用操作部材である流込みペダル(107)が踏込み操作されている間中行われ、一旦副伝動系からの動力で刈取部(8)を駆動する状態に切換えられた後に検出車速が設定車速以上になると、自動的に流込みクラッチ(103)を入り状態から切り状態に切換えて、主伝動系からの動力で刈取部(8)を駆動する状態に自動復帰させるように構成したことを特徴とするコンバイン。
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