JP3841900B2 - ホイップ済クリ−ム用包装袋、およびそれを使用した包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホイップ済クリ−ム用包装袋、およびそれを使用した包装体に関し、更に詳しくは、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口部を精確に開封し、該ホイップ済クリ−ムを容易に押し出すことができ、かつ、ホイップ済クリ−ムの充填包装適性を有するホイップ済クリ−ム用包装袋、およびそれを使用した包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ホイップ済クリ−ム用包装袋としては、筒状胴部、これに連接する三角形状の先端部とからなり、その使用に際しては、先端部の開口予定領域に相当する箇所の包装材料をカットしてホイップ済クリ−ムを押し出す開口部を形成し、そのまま、あるいはマウスピ−ス(口金)等を用いてホイップ済クリ−ムをケ−キ生地等の上に押し出して使用されている。
上記において、マウスピ−ス(口金)等は、包装袋内の先端部にシ−ルされていないで、別体として保有し、使用時に、包装袋の先端部をカットして開口部を形成し、該開口部にマウスピ−ス(口金)を取り付けて使用する場合、あるいは、予め、包装袋内の先端部にシ−ルされた状態で保有され、使用時に、包装袋の先端部をカットして開口部を形成してそのまま使用する場合等がある。
いずれにしても、ホイップ済クリ−ム用包装袋は、三角形状の先端部の開口予定領域に相当する箇所の包装材料をカットしてホイップ済クリ−ムを押し出す開口部を形成して使用されているものである。
ところで、上記の開口部の形成は、通常、ホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する三角形状の先端部の開口予定領域に相当する箇所の包装材料の上に、開封用のミシン目線、切れ目線のカット線等が、その部分をカットする旨の注意書き等と共に印刷表示され、而して、使用時に、そのカット線等に沿って、ハサミ、ナイフ、カッタ−等の道具を使用して開封しているのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなホイップ済クリ−ム用包装袋の開口部の形成方法においては、種々の問題点がある。
まず、開封に際し、ハサミ、ナイフ、カッタ−等の道具を使用するのは、極めて不便であり、業務用ならともかくとしても、家庭用としては、それらの道具が常に近くにあるものではなく、開封に際し、極めて不便を感じるものである。
業務用においても、道具等を使用して開封することは、それだけ手間がかかることであり、作業性が劣るものである。
また、開封に際し、開封用の印刷等が表示されていると、通常、その部分を手に持って包装袋を強く引っ張って開封することを試みるが、それによって、包装袋が僅かに開封しただけでも、その開口部から引っ張る力によってホイップ済クリ−ムが押し出され、思わず手や衣服等を汚すという問題点がある。
更に、包装袋の開封に際しては、開封用ノッチ等を刻設する手段もあるが、これとても、充分に満足し得るものではなく、例えば、開封用ノッチ等を設けても、包装材料の開封に際して、真っ直ぐに、精確に開封することはなかなか困難であり、開封途中から開封切り口が斜め方向に曲がったりして、好ましくないものである。
また、上記のようにマウスピ−ス(口金)等を有するホイップ済クリ−ム用包装袋においては、マウスピ−ス(口金)等を取り付ける位置と開封位置とが一致していなければならず、その位置ズレ等がある場合には、例えば、マウスピ−ス(口金)等が抜け落ちてしまうという問題点がある。
本発明者等は、上記のうよな問題点に対し、先に、ホイップ済クリ−ム用包装袋において、道具を用いずに、その開口部を精確に開封する方法として、炭酸ガスレ−ザ−等による開封用切れ目を刻設する方法を試みたが、この場合、開封用ノッチとレ−ザ−加工線との位置関係を精確に合わせることが必要となり、これがずれると、例えば、開封用ノッチから始まる開封切れ目がレ−ザ−加工線によるそれとずれて、真っ直ぐに、正確に開封することが困難になるという問題点がある。
そこで本発明は、ホイップ済クリ−ム用包装袋において、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口部を道具を用いずに、精確に開封し、該ホイップ済クリ−ムを容易に押し出すことができ、かつ、ホイップ済クリ−ムの充填包装適性を有するホイップ済クリ−ム用包装袋、およびそれを使用した包装体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究の結果、炭酸ガスレ−ザ−等を使用して、例えば、樹脂のフィルム等からなる基材フィルムに開封用切れ目を刻設し得ることに着目し、これを利用すべく、少なくとも、基材フィルムおよびヒ−トシ−ル性基材を順次に積層した積層体の2枚を、そのヒ−トシ−ル性基材面を対向させて重ね合わせ、更に、その外周端部の周辺部をヒ−トシ−ルしてなる筒状袋体からなり、かつ、該筒状袋体を構成し、更に、積層体を構成する基材フィルムの、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口予定領域に相当する箇所に、平行な、少なくとも2本以上の易開封用切れ目を刻設し、更に、該2本以上の易開封用切れ目部分の枠内に対応する外周端部のヒ−トシ−ル部に開封用ノッチを刻設してホイップ済クリ−ム用包装袋を製造し、該袋体内にホイップ済クリ−ムを充填包装したところ、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口部を、道具を用いずに、かつ、開封用ノッチによる切れ目と易開封用切れ目による開口部線とがずれることなく、精確に開封することができ、該ホイップ済クリ−ム用包装袋内のホイップ済クリ−ムを容易に押し出すことができ、かつ、内容物の保護適性等に優れ、ホイップ済クリ−ムの充填包装適性を有するホイップ済クリ−ム用包装袋、および包装体を製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、少なくとも、基材フィルムおよびヒ−トシ−ル性基材を順次に積層した積層体の2枚を、そのヒ−トシ−ル性基材面を対向させて重ね合わせ、更に、その外周端部の周辺部をヒ−トシ−ルしてなる筒状袋体からなり、かつ、該筒状袋体を構成し、更に、積層体を構成する基材フィルムの、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口予定領域に相当する箇所に、平行な、少なくとも2本以上の易開封用切れ目を刻設し、更に、該2本以上の易開封用切れ目部分に対応する外周端部のヒ−トシ−ル部に開封用ノッチを刻設してなることを特徴とするホイップ済クリ−ム用包装袋、およびそれを使用した包装体に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
本発明にかかるホイップ済クリ−ム用包装袋、およびそれを使用した包装体についてその二三の例を例示して図面を用いて説明すると、図1は、本発明にかかるホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する積層体の層構成の一例を示す断面図であり、図2は、図1に示す積層体から形成したホイップ済クリ−ム用包装袋の一例を示す平面図であり、図3は、図2に示すホイップ済クリ−ム用包装袋のX−X′における断面図であり、図4は、図2に示すホイップ済クリ−ム用包装袋にホイップ済クリ−ムを充填包装した包装体の一例を示す斜視図である。
【0007】
まず、本発明にかかるホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する積層体について説明すると、かかる積層体Aは、図1に示すように、少なくとも、基材フィルム1およびヒ−トシ−ル性基材2を順次に積層した積層体3からなり、更に、少なくとも、該積層体3を構成する基材フィルム1の、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口予定領域に相当する箇所に、易開封用切れ目4、4を、平行に、少なくとも2本以上を刻設した構成からなるものである。
【0008】
而して、本発明においては、図2および図3に示すように、上記で製造した積層体Aを使用し、該積層体Aの2枚を使用し、そのヒ−トシ−ル性基材2、2の面を対向させて重ね合わせ、次いでその外周端部の周辺部をヒ−トシ−ルして胴シ−ル部5を形成して筒状胴部6を構成し、更に、該筒状胴部6に連接して、その一方の端部に、例えば、三角形状に、その外周端部の周辺部をヒ−トシ−ルして斜めシ−ル部7を形成してホイップ済クリ−ムを押し出す、例えば、三角形状の先端部8を構成し、而して、本発明においては、上記の筒状袋体6の三角形状の先端部8を構成し、更に、積層体Aを構成する基材フィルム1の、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口予定領域に相当する箇所に、平行な、少なくとも2本以上の易開封用切れ目4、4を表裏に刻設し、更に、該2本以上の易開封用切れ目4、4部分に対応する外周端部の斜めシ−ル部7に開封用ノッチ9を刻設して、ホイップ済クリ−ム用包装袋Bを製造するものである。
図中、10は、前述のホイップ済クリ−ム用包装袋Bを構成する上端部を密封する上端シ−ル部を表す。
【0009】
上記において、ホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する筒状胴部6としては、例えば、共押し出しインフレ−ション法を利用して、少なくとも、基材フィルム1およびヒ−トシ−ル性基材2を順次に積層した筒状チュ−ブを製造し、該筒状チュ−ブをそのまま筒状胴部6として利用することができる。
あるいは、例えば、Tダイ等の共押し出し法を利用して、少なくとも、基材フィルム1およびヒ−トシ−ル性基材2を順次に積層した積層体3を製造し、該積層体3を丸めてその両端部を重ね合わせ、その対向する重合部分をヒ−トシ−ルして筒状胴部6を構成することができる。
更には、上記のように、例えば、Tダイ等の共押し出し法を利用して、少なくとも、基材フィルム1およびヒ−トシ−ル性基材2を順次に積層した積層体3を製造し、該積層体3の2枚をそのヒ−トシ−ル性基材2面を対向して重ね合わせ、しかる後その外周周辺部の端部をヒ−トシ−ルして筒状胴部6を構成することができる。
【0010】
次にまた、上記において、ホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する三角形状の先端部8には、図示しないが、マウスピ−ス(口金)等をシ−ルして取り付けられていてもよく、あるいは別体に取り付けられていてもよい。
更にまた、上記において、ホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する三角形状の先端部8の形状は、上記のように三角形状の他、ホイップ済クリ−ムを絞り出して押し出すことができればいずれの形状でもよく、例えば、四角形、五角形、六角形等の多角形状、円錐状、その他等の何れの形状でもよい。
【0011】
また、本発明において、開封用ノッチ9は、例えば、その形状は、単なる切れ目線、ミシン目状の切れ線、V字型、U字型、あるいはI字型等のいずれのカット形状でもよい。
更に、上記の開封用ノッチ9は、上記の平行な、少なくとも2本以上の開封用切れ目4、4の部分に対応した斜めシ−ル部7の部分であって、平行な、少なくとも2本の開封用切れ目4、4の枠内に設けることが望ましい。
このようにすることによって、開封用ノッチ9から開封した場合、該開封用ノッチ9による袋体の切れ目は、開封用切れ目4、4のいずれかに当たり、該開封用切れ目4、4の切れ目線に沿って精確に開封し、曲がって開封することを防止できるという利点を有するものである。
【0012】
次に、本発明においては、図4に示すように、上記で製造した図2に示すホイップ済クリ−ム用包装袋を使用し、まず、筒状胴部6を形成し、更に、該筒状胴部6に連接して、ホイップクリ−ムを押し出す、例えば、三角形状の先端部8を形成すべく、該三角形状の先端部8の斜め部をシ−ルして斜めシ−ル部7を形成し、更に、平行な、少なくとも2本以上の開封用切れ目4、4と、該平行な、少なくとも2本以上の開封用切れ目4、4の部分に対応した斜めシ−ル部7の部分であって、平行な、少なくとも2本の開封用切れ目4、4の枠内に開封用ノッチ9、9を設け、しかる後、該ホイップ済クリ−ム用包装袋Bを構成する上端部の開口部から、内容物であるホイップ済クリ−ム11を充填し、次いで該上端部の開口部をそのヒ−トシ−ル性基材2面を対向させ、その部分をヒ−トシ−ルして上端シ−ル部10を形成して、本発明にかかるホイップ済クリ−ム包装体Cを製造するものである。
【0013】
而して、本発明において、上記のようにして製造したホイップ済クリ−ム包装体Cを使用する方法について説明すると、図示しないが、まず、ホイップ済クリ−ム包装体Cを手に持って、その三角形状の先端部8に刻設されている易開封性切れ目4、4の部分を左右に引っ張ることにより、まず、開封用ノッチ9の切れ目から開封し、次に、該その切れ目が、開封用切れ目4、4の切れ目にあたり、その切れ目に沿って精確に開封することができ、これにより、道具を使用しないで、簡単に、ホイップ済クリ−ム11を押し出すための開口部が形成され、該開口部から内容物であるホイップ済クリ−ム11をケ−キ生地等の上に押し出すことによって、誰でも容易に、かつ、手、衣服等を汚すことなく使用することができるものである。
勿論、本発明においては、マウスピ−ス(口金)等を使用し得ることは言うまでもないことである。
【0014】
上記の例示は、本発明にかかるホイップ済クリ−ム用包装袋、およびそれを使用した包装体についての一例であり、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0015】
次に、本発明において、上記のような本発明にかかるホイップ済クリ−ム用包装袋、およびそれを使用した包装体等を構成する材料について説明すると、本発明において、基材フィルムとしては、包装袋を構成する基本素材となることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有する樹脂のフィルムないしシ−ト、あるいは各種の紙基材等を使用することができ、具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、あるいはカップ原紙、合成紙、模造紙、薄葉紙、クレイコ−ト紙、クラフト紙、その他、各種の板紙、加工紙等の紙基材を使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂のフィルムの厚さとしては、強度、剛性等について必要最低限に保持され得る厚さであればよく、約10μmないし50μm位、好ましくは、約12μmないし30μm位が最も望ましい。
また、本発明において、紙基材としては、70〜200g/m2 位のものを使用することができる。
【0016】
次に、本発明において、内層として使用するヒ−トシ−ル性基材としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテンポリマ−、酸変性ポリオレフィン樹脂、その他等の樹脂のフィルムないしシ−ト、あるいは各種のワックス類等を使用することができる。
上記の樹脂のフィルムの厚さとしては、10μmないし300μm位、好ましくは、20μmないし100μm位が望ましい。
【0017】
次にまた、本発明において、上記のような材料の他、例えば、必要ならば、太陽光等の光を遮光する性質、あるいは水蒸気、水、ガス等を透過しない性質等を有する材料を使用することができ、これは、単体の基材でもよく、あるいは二種以上の基材を組み合わせてなる複合基材等であってもよい。
具体的には、例えば、遮光性とバリア−性を有するアルミニュウム箔またはその蒸着膜を有する樹脂のフィルム、バリア−性を有する酸化珪素、酸化アルミニュウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、水蒸気、水等のバリア−性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ−ト、ガスバリア−性を有するポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ−ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムないしシ−ト、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト等を使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
更に、上記において、アルミニュウム箔としては、5μmないし30μm位の厚さのもの、また、アルミニュウムまたは無機酸化物の蒸着膜としては、厚さ100Åないし2000Å位のものを使用することができる。
また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカ−ボネ−トフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニ
ルアルコ−ルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、その他等を使用することができる。
【0018】
次に、本発明において、上記のような材料の他に、例えば、耐薬品性、耐溶剤性、耐衛生性、その他等の性質を充足するその他の材料を任意に使用することができ、具体的には、上記に挙げた樹脂のフィルム、あるいはそれ以外の樹脂のフィルム、セロハン等のフィルム、各種の紙基材、その他等をその包装目的に応じて任意に選択して使用することができる。
【0019】
次に、上記の本発明において、上記のような材料を使用して、少なくとも、基材フィルムおよびヒ−トシ−ル性基材を順次に積層した積層体を製造する方法について説明すると、かかる方法としては、通常の包装材料をラミネ−トする方法、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネ−ション法、共押し出しインフレ−ション法、その他等で行うことができる。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことができ、また、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアク他等のラミネ−ト用接着剤等の公知のアンカ−コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
【0020】
次に、本発明において、本発明にかかるホイップ済クリ−ム用包装袋を製造するに際し、筒状胴部を構成する胴シ−ル部、三角形状の先端部を構成する斜めシ−ル部、あるいは上端部を構成する上端シ−ル部等をヒ−トシ−ルして製袋するときに、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知のヒ−トシ−ル方法で行うことができる。
【0021】
次にまた、本発明において、少なくとも、上記のように製造した積層体を構成する基材フィルムの、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口予定領域に相当する箇所に易開封用切れ目を刻設する方法等について説明すると、かかる方法としては、例えば、加熱した針を押し付けるニ−ドルパンチ法、エンボスロ−ル、研磨ロ−ル、砥石、研磨テ−プ等を使用してフィルムを溶融し、穿孔する熱溶融穿孔法、ナイフ、カッタ−等を使用する物理的穿孔法、レ−ザ−ビ−ム加工、コロナ放電、プラズマ放電等の加工法、その他等の方法によって行うことができる。
而して、本発明において、少なくとも、基材フィルムに易開封用切れ目を刻設するに当たっては、該基材フィルムの単体の状態、あるいは上記のように積層した積層体の状態、更には積層体を使用して製袋してなる包装袋の状態、また包装袋を使用して内容物を充填包装してなる包装体の状態等のいずれの状態において刻設してもよく、これによって、少なくとも該基材フィルムに易開封用切れ目を設けることができる。
本発明において、易開封用切れ目の形状としては、直線状、曲線状、ミシン目線状、破線状、その他等の任意の形状でよく、その本数は、2本ないしそれ以上でよく、また連続状あるいは不連続状等のいずれでもよい。
また、その切れ目の構造は、貫通孔ないし透過孔の状態、あるいはハ−フカットの状態、あるいはそれらが混在するような状態のいずれの状態でもよく、本発明においては、少なくとも、基材フィルムに易開封用切れ目が刻設されていることが重要であり、更に積層体を構成する他の層に易開封用切れ目が刻設されていてもよい。
しかし、本発明において、易開封用切れ目は、内容物の保護適性の点から、積層体の層全部を貫通する貫通孔等は望ましいものではなく、例えば、水蒸気バリア−基材を使用する度合いには、その層に易開封用切れ目を刻設することは好ましくない。
本発明においては、易開封用切れ目は、包装袋あるいは包装体になったときの最適開封位置に相当する箇所の部分が弱体化して袋の開封用の切れ目として作用すればよいものである。
従って、その刻設位置としては、包装袋を構成する包装材料の片面または両面のいずれの位置に刻設してもよい。
【0022】
ところで、本発明においては、少なくとも、基材フィルムに易開封用切れ目を設ける方法としては、パルス発振タイプのレ−ザ−の照射を用いて連続状あるいは不連続状の易開封用切れ目を刻設してなるレ−ザ−照射による破壊傷痕からなることが最も好ましいものである。
上記において、レ−ザ−の種類としては、炭酸ガスレ−ザ−、YAGレ−ザ−、半導体レ−ザ−、アルゴンイオンレ−ザ−等を利用することができ、特に限定されるものではない。
しかしながら、本発明においては、レ−ザ−加工で、少なくとも、基材フィルムに易開封用切れ目を刻設する場合、該基材フィルムにレ−ザ−発振波長の吸収があることが必要となることから、炭酸ガスレ−ザ−を用いて易開封用切れ目を刻設してなる破壊傷痕からなることが最適である。
本発明において、その他のレ−ザ−でも、レ−ザ−光吸収層を印刷またはコ−ティングにより設けることにより、上記と同様な効果を奏することも可能である。
更に、本発明においては、炭酸ガスレ−ザ−光の10.6ミクロンの波長は、ナイロンフィルムまたはポリエステルフィルムに選択的に吸収されやすく、また低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とするフィルムではそのほとんどが透過されることから、本発明において、内層としてのヒ−トシ−ル性基材として、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とするフィルムを使用し、基材フィルムとして、ナイロンフィルムまたはポリエステルフィルムを使用し、その両者を組み合わせて積層してなる積層体を使用し、これに炭酸ガスレ−ザ−を照射してレ−ザ−加工を行うと、上記のナイロンフィルムまたはポリエステルフィルムのみに易開封用切れ目を刻設することができ、かつ該易開封用切れ目は、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、またはエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とするフィルムが溶融してその孔を閉塞することがなく、開封に際しては、極めて良好に袋を引き裂いて開封することができるという利点があって好ましいものである。
本発明においては、上記のようにレ−ザ−加工によって、その波長や強さ、照射時間等を選択することにより、易開封用切れ目の深さ等を調整して刻設することができるものである。
【0023】
次に、本発明において、開封用切れ目の部分に対応する枠内の斜めシ−ル部の部分に設ける開封用ノッチとしては、例えば、その両者の位置関係を対応させて、通常のカッタ−、ナイフ、エンボス板ないしロ−ル、その他等を使用してもうけることができる。
本発明においては、開封用切れ目の部分に対応する枠内に開封用ノッチを設け、これにより、開封用ノッチの切れ目とレ−ザ−加工線等からなる開封用切れ目の開口線との位置ずれを防止するものである。
【0024】
次に、上記のような本発明にかかるホイップ済クリ−ム用包装袋は、種々のホイップ済クリ−ムの充填包装に適し、家庭用、あるいは業務用等のケ−キ等を製造する際に使用することができるものである。
【0025】
【実施例】
次に、上記の本発明について以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
6−ナイロンと低密度ポリエチレンとを使用し、共押し出しインフレ−ション法により、下記の層構成からなる多層チュ−ブ状積層体を製造した。
厚さ30μmの6−ナイロンフィルム層/厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルム層
次に、上記で製造した積層体を使用し、これに、その6−ナイロンフィルム層側から、発振波長10.6ミクロンの炭酸ガスレ−ザ−機の2機を使用して出力を8Wとし搬送速度30m/分でレ−ザ−照射し、直線状の連続状の破壊傷痕からなる易開封用切れ目を6−ナイロンフィルム層の全周にわたり、かつ、間隔を2.0mmおいて平行に2本刻設した。
次に、上記でレ−ザ−加工した積層体を使用し、チュ−ブ状の胴部をそまま包装袋を構成する胴部として使用し、かつ、該チュ−ブ状胴部に連接し、かつ、上記の易開封用切れ目がホイップ済クリ−ムを押し出す開口部の位置に相当するように、その先端部を三角形状に切断し、更に、その切断部分の端部周辺をその対向する低密度ポリエチレン層面をヒ−トシ−ルして斜めシ−ル部を形成し、先端部が三角形状をなす袋体とした(図2参照)。
更に、上記の易開封用切れ目の部分であり、かつ、その平行な、2本の開封用切れ目の枠内に開封用ノッチを刻設して、ホイップ済クリ−ム用包装袋を製造した(図2参照)。
次に、上記で製造したホイップ済クリ−ム用包装袋を使用し、その上端部の開口部から常法によってホイップ済クリ−ムを充填し、しかる後該上端部の開口部をシ−トシ−ルして上端シ−ル部を形成して、ホイップ済クリ−ム包装体を製造した。
上記で製造したホイップ済クリ−ム包装体を、その三角形状の先端部を手に持って、開封用ノッチをから引き裂き、更に、易開封用切れ目に沿って引き裂いたところ、該ホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する積層体を極めて簡単に引き裂くことができて、ホイップ済クリ−ムを押し出す開口部を形成し、手、衣服等を汚すことなく、容易にホイップ済クリ−ムをケ−キ生地の上に押し出すことができた。
【0026】
実施例2
上記の実施例1に記載した積層体を使用し、更に、実施例1に記載した方法と同様にレ−ザ−照射を行なって、加工間隔0.2mmのミシン目状の、平行な、2本の破壊傷痕からなる易開封用切れ目を刻設し、それ以外は上記の実施例1と同様に行なって同様なホイップ済クリ−ム包装体を製造した。
上記で製造したホイップ済クリ−ム包装体を、その三角形状の先端部を手に持って易開封用切れ目に沿って引き裂いたところ、該ホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する積層体を極めて簡単に引き裂くことがてきて、ホイップ済クリ−ムを押し出す開口部を形成し、手、衣服等を汚すことなく、容易にホイップ済クリ−ムをケ−キ生地の上に押し出すことができた。
【0027】
実施例3
上記の実施例1において、実施例1で製造したホイップ済クリ−ム用包装袋の三角形状の先端部にマウスピ−ス(口金)を取り付け、それ以外は、上記の実施例1と同様にしてホイップ済クリ−ム包装体を製造した。
上記で製造したホイップ済クリ−ム包装体を、その三角形状の先端部を手に持って易開封用切れ目に沿って引き裂いたところ、該ホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する積層体をマウスピ−ス(口金)の部分において、極めて簡単に引き裂くことができ、そして、マウスピ−ス(口金)の脱落やズレを生じることなく、かつ、該マウスピ−ス(口金)からホイップ済クリ−ムを押し出すことができ、手、衣服等を汚すことなく、容易にホイップ済クリ−ムをケ−キ生地の上に押し出すことができた。
【0028】
比較例1
上記の実施例1で製造した積層体であって、そのレ−ザ−加工処理を施すことなくそのまま使用し、以下、実施例1と同様に行なってホイップ済クリ−ム包装体を製造した。
上記で製造したホイップ済クリ−ム包装体を、その包装袋を構成する積層体の端部を手に持って引き裂いたところ、包装体を構成する積層体は、なかなか、引き裂くことができず、ホイップ済クリ−ムを押し出す開口部を形成することができなかった。
更に、引き裂く力を強くして引き裂いたところ、積層体は引き裂かれたが、積層体の一部が引き裂かれ、その部分の開口部からホイップ済クリ−ムが飛び散り、手、衣服等ばかりでなく、周囲をも汚し、好ましくなかった。
更にまた、マウスピ−ス(口金)使用時には、マウスピ−ス(口金)の脱落やズレを生じることがあり、使用が極めて困難であった。
【0029】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、炭酸ガスレ−ザ−等を使用して、例えば、樹脂のフィルム等からなる基材フィルムに開封用切れ目を刻設し得ることに着目し、これを利用すべく、少なくとも、基材フィルムおよびヒ−トシ−ル性基材を順次に積層した積層体の2枚を、そのヒ−トシ−ル性基材面を対向させて重ね合わせ、更に、その外周端部の周辺部をヒ−トシ−ルしてなる筒状袋体からなり、かつ、該筒状袋体を構成し、更に、積層体を構成する基材フィルムの、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口予定領域に相当する箇所に、平行な、少なくとも2本以上の易開封用切れ目を刻設し、更に、該2本以上の易開封用切れ目部分の枠内に対応する外周端部のヒ−トシ−ル部に開封用ノッチを刻設してホイップ済クリ−ム用包装袋を製造し、該袋体内にホイップ済クリ−ムを充填包装して、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口部を道具を用いずに、精確に開封して該ホイップ済クリ−ムを容易に押し出すことができ、かつ、内容物の保護適性等に優れ、ホイップ済クリ−ムの充填包装適性を有するホイップ済クリ−ム用包装袋、および包装体を製造し得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるホイップ済クリ−ム用包装袋を構成する積層体の層構成の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す積層体から製造したホイップ済クリ−ム用包装袋の構成を示す平面図である。
【図3】図2に示すホイップ済クリ−ム用包装袋のX−X′における切断断面図である。
【図4】図2に示すホイップ済クリ−ム用包装袋にホイップ済クリ−ムを充填包装したホイップ済クリ−ム包装体の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム
2 ヒ−トシ−ル性基材
3 積層体
4 易開封性切れ目
5 胴シ−ル部
6 筒状袋体
7 斜めシ−ル部
8 三角形状の先端部
9 開封用ノッチ
10 上端シ−ル部
11 ホイップ済クリ−ム
A 積層体
B ホイップ済クリ−ム用包装袋
C ホイップ済クリ−ム包装体
Claims (7)
- 少なくとも、基材フィルムおよびヒ−トシ−ル性基材を順次に積層した積層体の2枚を、そのヒ−トシ−ル性基材面を対向させて重ね合わせ、更に、その外周端部の周辺部をヒ−トシ−ルしてなる筒状袋体からなり、かつ、該筒状袋体を構成し、更に、積層体を構成する基材フィルムの、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口予定領域に相当する箇所に、平行な、少なくとも2本以上の易開封用切れ目を刻設し、更に、該2本以上の易開封用切れ目部分に対応する外周端部のヒ−トシ−ル部に開封用ノッチを刻設してなることを特徴とするホイップ済クリ−ム用包装袋。
- 易開封用切れ目が、炭酸ガスレ−ザ−の照射による、平行な、少なくとも2本以上の破壊傷痕からなることを特徴とする上記の請求項1に記載するホイップ済クリ−ム用包装袋。
- 炭酸ガスレ−ザの照射による破壊傷痕が、平行な、少なくとも2本以上の連続の切れ目線または不連続のミシン目状の切れ目線からなることを特徴とする上記の請求項2に記載するホイップ済クリ−ム用包装袋。
- 開封用ノッチが、平行な、少なくとも2本以上の易開封用切れ目の部分の枠内に設けたことを特徴とする上記の請求項1、2または3に記載するホイップ済クリ−ム用包装袋。
- 基材フィルムが、ナイロンフィルムからなることを特徴とする上記の請求項1、2、3または4に記載するホイップ済クリ−ム用包装袋。
- ヒ−トシ−ル性基材が、ポリエチレン系樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1、2、3、4または5に記載するホイップ済クリ−ム用包装袋。
- 少なくとも、基材フィルムおよびヒ−トシ−ル性基材を順次に積層した積層体の2枚を、そのヒ−トシ−ル性基材面を対向させて重ね合わせ、更に、その外周端部の周辺部をヒ−トシ−ルしてなる筒状袋体からなり、かつ、該筒状袋体を構成し、更に、積層体を構成する基材フィルムの、ホイップ済クリ−ムを押し出す先端の細絞り状の開口予定領域に相当する箇所に、平行な、少なくとも2本以上の易開封用切れ目を刻設し、更に、該2本以上の易開封用切れ目部分に対応する外周端部のヒ−トシ−ル部に開封用ノッチを刻設してなるホイップ済クリ−ム用包装袋内にホイップ済クリ−ムを充填包装してなることを特徴とするホイップ済クリ−ム包装体。
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