JP3841754B2 - スリーブ - Google Patents
スリーブ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3841754B2 JP3841754B2 JP2003007367A JP2003007367A JP3841754B2 JP 3841754 B2 JP3841754 B2 JP 3841754B2 JP 2003007367 A JP2003007367 A JP 2003007367A JP 2003007367 A JP2003007367 A JP 2003007367A JP 3841754 B2 JP3841754 B2 JP 3841754B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylindrical
- main body
- sleeve
- cylindrical main
- cylindrical body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B9/00—Blowing glass; Production of hollow glass articles
- C03B9/13—Blowing glass; Production of hollow glass articles in gob feeder machines
- C03B9/14—Blowing glass; Production of hollow glass articles in gob feeder machines in "blow" machines or in "blow-and-blow" machines
- C03B9/16—Blowing glass; Production of hollow glass articles in gob feeder machines in "blow" machines or in "blow-and-blow" machines in machines with turn-over moulds
- C03B9/165—Details of such machines, e.g. guide funnels, turn-over mechanisms
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブローアンドブロー方式によるガラスびん成形機のパリソン成形過程でパリソンの口部内面を成形するプランジャーをガイドするスリーブに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4〜7を参照して従来のブローアンドブロー方式によりガラスびんを成形する工程の概略を説明する。図4a〜cでは、粗型20を用いて溶融ガラスの塊(ゴブ)Gから半製品としてのパリソンPを製造する。図4aでは、粗型20内にゴブGが投入され、図4bではバッフル22を通じて上から圧搾空気で加圧され(セッツルブロー)、粗型20の下にある口型21にガラスが入って口部が作られる。このときプランジャー12は所定の位置にセットされている。図4cでは、プランジャー12が下降し、空洞部に空気を吹き込み(カウンターブロー)、粗型20と上部のバッフル22でパリソンPが成形される。図4dでは、パリソンPを反転装置(メカニズム)26を用いて仕上型24に移し、図4e〜fではこの仕上型24内で最終製品としてのガラスびんBを成形し(最終吹き込み)、図4gではこの仕上型24からガラスびんBを取り出す。
【0003】
図5〜7は、図4bのガラスびんの口部を成形する工程をやや詳細に示したものである。図5はプランジャダウンポジション、図6はローディングポジション、図7はプランジャアップポジションを表している。図5のプランジャダウンポジションからスリーブ10とプランジャ12が上昇し、図6のローディングポジションに移る。このとき、プランジャ12をガイドするスリーブ10はその上端部11が口型21と嵌合する。次に、プランジャ12がスリーブ10の内面をガイドとして決められた位置まで上昇し図7のプランジャアップポジションとなる。この状態でセッツルブローが行われ口部が成形される。スリーブ10はもっとも一般的に用いられているスリーブで、概略円筒形状をなし、上部が内径、外径共に縮小した上端部11となっており、上端部を含む全体が一体に形成されている。
【0004】
図5から図6のローディングポジションに移ると、スリーブ10の上端部11が口型21に侵入して嵌合する。ところで、口型21のセンター(中心)とスリーブ10のセンターとは完全に一致しているとは限らず、むしろ微妙に(10分の数mm程度)ずれている場合のほうが多い。このようなずれがあると、スリーブ10が口型21に無理に干渉しながら、やや斜めになった状態で進入するので、プランジャの到達時間の遅れや、プランジャが決められた位置まで到達しない事態が発生する。このような場合、ガラスびんの口部にはいわゆる「天咬みだし」と呼ばれる欠点が発生する。また、口部の成形が終了し、図7のプランジャアップポジションから図5のプランジャダウンポジションに移る際、スリーブと口型のセンターが一致していないと、スリーブが口型から外れる際に口型と粗型に機械的衝撃が発生する。この衝撃で口型の上部にいわゆる「首びり」と呼ばれる欠点が発生する。
【0005】
特開2002−293549には、このようなスリーブと口型の芯ずれによる不具合を解消し、ガラスびんの口部の欠点の発生を減少させるスリーブが開示されている。これは、スリーブを上端部と筒状本体の2つのパーツを組み合わせたものとし、上端部を筒状本体に対して水平方向に微動可能としたものである。上端部は筒状本体に緩く内嵌され、筒状本体の内周に設けた環状棚板上で支持される。更に、上端部と筒状本体とは周壁に水平方向に設けたピンにより緩く結合される。上端部が筒状本体に対して水平方向に微動可能なので、スリーブの筒状本体と口型とのセンターがずれていたとしても、口型と嵌合する上端部が筒状本体に対して水平方向に微動し、上端部が口型と完全にセンターが一致した状態で全く干渉することなく真っ直ぐに嵌合することができるので、上記した口型とスリーブ上端部のセンターが一致しないことによる不具合を解消できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開2002−293549に開示されるスリーブは、ピンによって筒状本体と上端部を結合するものであるので、上端部が筒状本体に対して微動する衝撃により、ピン及び上端部のねじが損傷しやすく、定期的に交換しなければならず面倒だった。本発明は、口型とスリーブ上端部のセンターが一致するものであって、しかも定期的なパーツの交換が不要で、耐久性に優れたスリーブを開発することを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ブローアンドブロー方式によるガラスびん成形機のパリソン成形課程でパリソンの口部内面を成形するプランジャー12をガイドするスリーブにおいて、上端内周に環状突条2aを有する筒状本体2と、前記環状突条2aの内径よりやや小さい外径の筒状をなし、下端外周に突出部3aを有し、該突出部3aの突出寸法がその外接円において前記筒状本体2内径よりやや小さく前記環状突条2aの内径よりも大きくなっている上部筒体3と、前記筒状本体2に内嵌可能な外径と前記上部筒体3の内径よりも大きな内径の筒状をなす内側筒体4とからなり、前記筒状本体2に、下側から前記上部筒体3を挿入し、更に前記内側筒体4を所定長さ挿入して内側筒体4の頂面で上部筒体3の底面を支持したとき、前記上部筒体3の上部が筒状本体2の頂面から所定長さ突出し、かつ、前記上部筒体3が前記筒状本体2に対し水平方向に微動可能であることを特徴とするスリーブである。
【0008】
上部筒体が筒状本体に対して水平方向に微動可能であるので、スリーブの筒状本体と口型とのセンターがずれていたとしても、口型と嵌合する上部筒体の上端部が筒状本体に対して水平方向に微動し、上端部が口型と完全にセンターが一致した状態で全く干渉することなく真っ直ぐに嵌合することができる。プランジャはスリーブの上端部をガイドとしてスリーブ内面と何ら干渉することなく上昇し、プランジャと口型のセンターも完全に一致する。したがって、プランジャの到達時間の遅れや、プランジャが決められた位置まで到達しないことによるいわゆる「天咬みだし」と呼ばれる欠点は発生しなくなる。また、プランジャが下降するときも、スリーブの上端部が口型からスムースに外れ、機械的衝撃が発生しないので、いわゆる「首びり」と呼ばれる欠点も発生しなくなる。
【0009】
また、本発明のスリーブは筒状本体に上部筒体と内側筒体を内嵌するのみで、ピンなどの損傷しやすいパーツを必要としないため、パーツの定期交換が不要で、耐久性に優れるものである。上部筒体は内側筒体によって支持され、筒状本体の環状突条によって上部への抜け出しが防止されている。
【0010】
筒状本体2に、下側から前記上部筒体3を挿入し、更に前記内側筒体4をその底面が前記筒状本体2の底面と同じレベルとなるまで挿入して内側筒体4の頂面で上部筒体3の底面を支持したとき、前記上部筒体3の上部が前記筒状本体2の頂面から所定長さ突出するようにすることができる。このようにすると、図3に示すように、スリーブ1を駆動手段27の支持面28上にセットしたとき、内側筒体4の底面と筒状本体2の底面が同じレベルとなり、上部筒体3の上部が所定寸法突出するようになる。
【0011】
内側筒体4の下端外周にフランジ部6を形成し、筒状本体2下端内周に該フランジ部が納まる環状切欠部7を形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を表した図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は実施例のスリーブ1の上面図、図2は図1におけるXX線断面図、図3はスリーブ1の使用状態の説明図である。
【0013】
図1〜3に示すごとく、スリーブ1は筒状本体2、上部筒体3及び内側筒体4からなる。筒状本体2は概略円筒形で、内部は内側筒体4を挿通できる円筒形状の空洞となっている。上端内周に環状突条2aを、下端内周には環状切欠部を有し、下端外周には鍔部5が突出形成され、鍔部5の一部は上面を切り欠いた肉薄部5aとなっている。符号8はレンチ溝である。鍔部5、肉薄部5a、レンチ溝8は駆動手段に取り付けるためのものである。
【0014】
上部筒体3は概略円筒形で、内部はプランジャ12を挿通できる空洞となっている。外径は環状突条2aの内径より0.5mm(好ましくは0.3〜1.0mm)小さく、このため環状突条2aとの間に隙間sを生じ、上部筒体3は筒状本体2に対して水平方向に微動することができる。下端外周には突出部3aが形成されている。この場合突出部3aは全周にわたって環状に形成されているが、断続的に複数形成されていてもよい。突出部3aの突出寸法はその外接円において(この場合は環状の突出部の外径)筒状本体2の内径より0.5mm(好ましくは0.3mm以上)小さく、環状突条2aの内径より5.74mm(好ましくは4mm以上)大きくなっている。突出部3aの突出寸法は、上部筒体3が筒状本体2に対して水平方向に微動でき、かつ、上部筒体3が筒状本体2から上部に抜け出さない範囲で適宜設計すればよい。
【0015】
内部筒体4は概略円筒形で、内部はプランジャ12及びその駆動手段を挿通できる円筒形状の空洞となっている。外径は筒状本体2の内径よりも0.5mm小さく(好ましくは0.3〜1mm)なっている。下端外周にはフランジ部6が形成されており、これは図2に示すように、前記の環状切欠部7内に納まる。
【0016】
図2に示すごとく、筒状本体2に、下側から上部筒体3を挿入し、更に内側筒体4をその底面が前記筒状本体2の底面と同じレベルとなるまで挿入して内側筒体4の頂面で上部筒体3の底面を支持したとき、前記上部筒体3の上部が前記筒状本体2の頂面から所定長さ突出する。これは、図3に示すように、スリーブの駆動手段27の支持面28上にセットした状態である。この状態で環状突条2a下面と突出部3aの上面との間に僅かな隙間tが、フランジ部6の上面とと環状切欠部7の下面との間に僅かな隙間t’が存在する。t、t’は、スリーブを構成する部材の熱膨張を考慮し、上部筒体3が水平方向に容易に微動できるように設けられている。
【0017】
【発明の効果】
本発明のスリーブは、スリーブと口型(及び粗型)のセンターずれを吸収し、プランジャがスリーブ内面と干渉することなくスムースに昇降するので、ガラスびん口部の欠点の発生を防ぐことができる。更に、、本発明のスリーブは筒状本体に上部筒体と内側筒体を内嵌するのみで、ピンなどの損傷しやすいパーツを必要としないため、パーツの定期交換が不要で、耐久性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスリーブ1の上面図である。
【図2】図1におけるXX線断面図である。
【図3】スリーブ1の使用状態の説明図である。
【図4】ブローアンドブロー方式によるガラスびん成形工程の説明図である。
【図5】従来のスリーブ10の説明図である。
【図6】従来のスリーブ10の説明図である。
【図7】従来のスリーブ10の説明図である。
【符号の説明】
1 スリーブ
2 筒状本体
3 上部筒体
4 内側筒体
5 鍔部
6 フランジ部
7 環状切欠部
8 レンチ溝
10 スリーブ
11 上端部
12 プランジャ
20 粗型
21 口型
22 バッフル
23 ガイドリング
24 仕上型
25 底型
26 メカニズム
27 駆動手段
28 支持面
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブローアンドブロー方式によるガラスびん成形機のパリソン成形過程でパリソンの口部内面を成形するプランジャーをガイドするスリーブに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4〜7を参照して従来のブローアンドブロー方式によりガラスびんを成形する工程の概略を説明する。図4a〜cでは、粗型20を用いて溶融ガラスの塊(ゴブ)Gから半製品としてのパリソンPを製造する。図4aでは、粗型20内にゴブGが投入され、図4bではバッフル22を通じて上から圧搾空気で加圧され(セッツルブロー)、粗型20の下にある口型21にガラスが入って口部が作られる。このときプランジャー12は所定の位置にセットされている。図4cでは、プランジャー12が下降し、空洞部に空気を吹き込み(カウンターブロー)、粗型20と上部のバッフル22でパリソンPが成形される。図4dでは、パリソンPを反転装置(メカニズム)26を用いて仕上型24に移し、図4e〜fではこの仕上型24内で最終製品としてのガラスびんBを成形し(最終吹き込み)、図4gではこの仕上型24からガラスびんBを取り出す。
【0003】
図5〜7は、図4bのガラスびんの口部を成形する工程をやや詳細に示したものである。図5はプランジャダウンポジション、図6はローディングポジション、図7はプランジャアップポジションを表している。図5のプランジャダウンポジションからスリーブ10とプランジャ12が上昇し、図6のローディングポジションに移る。このとき、プランジャ12をガイドするスリーブ10はその上端部11が口型21と嵌合する。次に、プランジャ12がスリーブ10の内面をガイドとして決められた位置まで上昇し図7のプランジャアップポジションとなる。この状態でセッツルブローが行われ口部が成形される。スリーブ10はもっとも一般的に用いられているスリーブで、概略円筒形状をなし、上部が内径、外径共に縮小した上端部11となっており、上端部を含む全体が一体に形成されている。
【0004】
図5から図6のローディングポジションに移ると、スリーブ10の上端部11が口型21に侵入して嵌合する。ところで、口型21のセンター(中心)とスリーブ10のセンターとは完全に一致しているとは限らず、むしろ微妙に(10分の数mm程度)ずれている場合のほうが多い。このようなずれがあると、スリーブ10が口型21に無理に干渉しながら、やや斜めになった状態で進入するので、プランジャの到達時間の遅れや、プランジャが決められた位置まで到達しない事態が発生する。このような場合、ガラスびんの口部にはいわゆる「天咬みだし」と呼ばれる欠点が発生する。また、口部の成形が終了し、図7のプランジャアップポジションから図5のプランジャダウンポジションに移る際、スリーブと口型のセンターが一致していないと、スリーブが口型から外れる際に口型と粗型に機械的衝撃が発生する。この衝撃で口型の上部にいわゆる「首びり」と呼ばれる欠点が発生する。
【0005】
特開2002−293549には、このようなスリーブと口型の芯ずれによる不具合を解消し、ガラスびんの口部の欠点の発生を減少させるスリーブが開示されている。これは、スリーブを上端部と筒状本体の2つのパーツを組み合わせたものとし、上端部を筒状本体に対して水平方向に微動可能としたものである。上端部は筒状本体に緩く内嵌され、筒状本体の内周に設けた環状棚板上で支持される。更に、上端部と筒状本体とは周壁に水平方向に設けたピンにより緩く結合される。上端部が筒状本体に対して水平方向に微動可能なので、スリーブの筒状本体と口型とのセンターがずれていたとしても、口型と嵌合する上端部が筒状本体に対して水平方向に微動し、上端部が口型と完全にセンターが一致した状態で全く干渉することなく真っ直ぐに嵌合することができるので、上記した口型とスリーブ上端部のセンターが一致しないことによる不具合を解消できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特開2002−293549に開示されるスリーブは、ピンによって筒状本体と上端部を結合するものであるので、上端部が筒状本体に対して微動する衝撃により、ピン及び上端部のねじが損傷しやすく、定期的に交換しなければならず面倒だった。本発明は、口型とスリーブ上端部のセンターが一致するものであって、しかも定期的なパーツの交換が不要で、耐久性に優れたスリーブを開発することを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ブローアンドブロー方式によるガラスびん成形機のパリソン成形課程でパリソンの口部内面を成形するプランジャー12をガイドするスリーブにおいて、上端内周に環状突条2aを有する筒状本体2と、前記環状突条2aの内径よりやや小さい外径の筒状をなし、下端外周に突出部3aを有し、該突出部3aの突出寸法がその外接円において前記筒状本体2内径よりやや小さく前記環状突条2aの内径よりも大きくなっている上部筒体3と、前記筒状本体2に内嵌可能な外径と前記上部筒体3の内径よりも大きな内径の筒状をなす内側筒体4とからなり、前記筒状本体2に、下側から前記上部筒体3を挿入し、更に前記内側筒体4を所定長さ挿入して内側筒体4の頂面で上部筒体3の底面を支持したとき、前記上部筒体3の上部が筒状本体2の頂面から所定長さ突出し、かつ、前記上部筒体3が前記筒状本体2に対し水平方向に微動可能であることを特徴とするスリーブである。
【0008】
上部筒体が筒状本体に対して水平方向に微動可能であるので、スリーブの筒状本体と口型とのセンターがずれていたとしても、口型と嵌合する上部筒体の上端部が筒状本体に対して水平方向に微動し、上端部が口型と完全にセンターが一致した状態で全く干渉することなく真っ直ぐに嵌合することができる。プランジャはスリーブの上端部をガイドとしてスリーブ内面と何ら干渉することなく上昇し、プランジャと口型のセンターも完全に一致する。したがって、プランジャの到達時間の遅れや、プランジャが決められた位置まで到達しないことによるいわゆる「天咬みだし」と呼ばれる欠点は発生しなくなる。また、プランジャが下降するときも、スリーブの上端部が口型からスムースに外れ、機械的衝撃が発生しないので、いわゆる「首びり」と呼ばれる欠点も発生しなくなる。
【0009】
また、本発明のスリーブは筒状本体に上部筒体と内側筒体を内嵌するのみで、ピンなどの損傷しやすいパーツを必要としないため、パーツの定期交換が不要で、耐久性に優れるものである。上部筒体は内側筒体によって支持され、筒状本体の環状突条によって上部への抜け出しが防止されている。
【0010】
筒状本体2に、下側から前記上部筒体3を挿入し、更に前記内側筒体4をその底面が前記筒状本体2の底面と同じレベルとなるまで挿入して内側筒体4の頂面で上部筒体3の底面を支持したとき、前記上部筒体3の上部が前記筒状本体2の頂面から所定長さ突出するようにすることができる。このようにすると、図3に示すように、スリーブ1を駆動手段27の支持面28上にセットしたとき、内側筒体4の底面と筒状本体2の底面が同じレベルとなり、上部筒体3の上部が所定寸法突出するようになる。
【0011】
内側筒体4の下端外周にフランジ部6を形成し、筒状本体2下端内周に該フランジ部が納まる環状切欠部7を形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を表した図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は実施例のスリーブ1の上面図、図2は図1におけるXX線断面図、図3はスリーブ1の使用状態の説明図である。
【0013】
図1〜3に示すごとく、スリーブ1は筒状本体2、上部筒体3及び内側筒体4からなる。筒状本体2は概略円筒形で、内部は内側筒体4を挿通できる円筒形状の空洞となっている。上端内周に環状突条2aを、下端内周には環状切欠部を有し、下端外周には鍔部5が突出形成され、鍔部5の一部は上面を切り欠いた肉薄部5aとなっている。符号8はレンチ溝である。鍔部5、肉薄部5a、レンチ溝8は駆動手段に取り付けるためのものである。
【0014】
上部筒体3は概略円筒形で、内部はプランジャ12を挿通できる空洞となっている。外径は環状突条2aの内径より0.5mm(好ましくは0.3〜1.0mm)小さく、このため環状突条2aとの間に隙間sを生じ、上部筒体3は筒状本体2に対して水平方向に微動することができる。下端外周には突出部3aが形成されている。この場合突出部3aは全周にわたって環状に形成されているが、断続的に複数形成されていてもよい。突出部3aの突出寸法はその外接円において(この場合は環状の突出部の外径)筒状本体2の内径より0.5mm(好ましくは0.3mm以上)小さく、環状突条2aの内径より5.74mm(好ましくは4mm以上)大きくなっている。突出部3aの突出寸法は、上部筒体3が筒状本体2に対して水平方向に微動でき、かつ、上部筒体3が筒状本体2から上部に抜け出さない範囲で適宜設計すればよい。
【0015】
内部筒体4は概略円筒形で、内部はプランジャ12及びその駆動手段を挿通できる円筒形状の空洞となっている。外径は筒状本体2の内径よりも0.5mm小さく(好ましくは0.3〜1mm)なっている。下端外周にはフランジ部6が形成されており、これは図2に示すように、前記の環状切欠部7内に納まる。
【0016】
図2に示すごとく、筒状本体2に、下側から上部筒体3を挿入し、更に内側筒体4をその底面が前記筒状本体2の底面と同じレベルとなるまで挿入して内側筒体4の頂面で上部筒体3の底面を支持したとき、前記上部筒体3の上部が前記筒状本体2の頂面から所定長さ突出する。これは、図3に示すように、スリーブの駆動手段27の支持面28上にセットした状態である。この状態で環状突条2a下面と突出部3aの上面との間に僅かな隙間tが、フランジ部6の上面とと環状切欠部7の下面との間に僅かな隙間t’が存在する。t、t’は、スリーブを構成する部材の熱膨張を考慮し、上部筒体3が水平方向に容易に微動できるように設けられている。
【0017】
【発明の効果】
本発明のスリーブは、スリーブと口型(及び粗型)のセンターずれを吸収し、プランジャがスリーブ内面と干渉することなくスムースに昇降するので、ガラスびん口部の欠点の発生を防ぐことができる。更に、、本発明のスリーブは筒状本体に上部筒体と内側筒体を内嵌するのみで、ピンなどの損傷しやすいパーツを必要としないため、パーツの定期交換が不要で、耐久性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスリーブ1の上面図である。
【図2】図1におけるXX線断面図である。
【図3】スリーブ1の使用状態の説明図である。
【図4】ブローアンドブロー方式によるガラスびん成形工程の説明図である。
【図5】従来のスリーブ10の説明図である。
【図6】従来のスリーブ10の説明図である。
【図7】従来のスリーブ10の説明図である。
【符号の説明】
1 スリーブ
2 筒状本体
3 上部筒体
4 内側筒体
5 鍔部
6 フランジ部
7 環状切欠部
8 レンチ溝
10 スリーブ
11 上端部
12 プランジャ
20 粗型
21 口型
22 バッフル
23 ガイドリング
24 仕上型
25 底型
26 メカニズム
27 駆動手段
28 支持面
Claims (3)
- ブローアンドブロー方式によるガラスびん成形機のパリソン成形過程でパリソンの口部内面を成形するプランジャー(12)をガイドするスリーブにおいて、上端内周に環状突条(2a)を有する筒状本体(2)と、前記環状突条(2a)の内径よりやや小さい外径の筒状をなし、下端外周に突出部(3a)を有し、該突出部(3a)の突出寸法がその外接円において前記筒状本体(2)内径よりやや小さく前記環状突条(2a)の内径よりも大きくなっている上部筒体(3)と、前記筒状本体(2)に内嵌可能な外径と前記上部筒体(3)の内径よりも大きな内径の筒状をなす内側筒体(4)とからなり、前記筒状本体(2)に、下側から前記上部筒体(3)を挿入し、更に前記内側筒体(4)を所定長さ挿入して内側筒体(4)の頂面で上部筒体(3)の底面を支持したとき、前記上部筒体(3)の上部が筒状本体(2)の頂面から所定長さ突出し、かつ、前記上部筒体(3)が前記筒状本体(2)に対し水平方向に微動可能であることを特徴とするスリーブ
- 請求項1のスリーブにおいて、前記筒状本体(2)に、下側から前記上部筒体(3)を挿入し、更に前記内側筒体(4)をその底面が前記筒状本体(2)の底面と同じレベルとなるまで挿入して内側筒体(4)の頂面で上部筒体(3)の底面を支持したとき、前記上部筒体(3)の上部が前記筒状本体(2)の頂面から所定長さ突出することを特徴とするスリーブ
- 請求項1又は2のスリーブにおいて、前記内側筒体(4)の下端外周にフランジ部(6)が形成され、前記筒状本体(2)下端内周に該フランジ部が納まる環状切欠部(7)が形成されていることを特徴とするスリーブ
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003007367A JP3841754B2 (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | スリーブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003007367A JP3841754B2 (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | スリーブ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004217475A JP2004217475A (ja) | 2004-08-05 |
JP3841754B2 true JP3841754B2 (ja) | 2006-11-01 |
Family
ID=32897491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003007367A Expired - Fee Related JP3841754B2 (ja) | 2003-01-15 | 2003-01-15 | スリーブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3841754B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103370284A (zh) * | 2011-03-16 | 2013-10-23 | 东洋玻璃株式会社 | 玻璃瓶的成型方法 |
-
2003
- 2003-01-15 JP JP2003007367A patent/JP3841754B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103370284A (zh) * | 2011-03-16 | 2013-10-23 | 东洋玻璃株式会社 | 玻璃瓶的成型方法 |
CN103370284B (zh) * | 2011-03-16 | 2015-10-21 | 东洋玻璃株式会社 | 玻璃瓶的成型方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004217475A (ja) | 2004-08-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
MX2007002753A (es) | Procedimiento para la produccion de una botella de plastico y premolde y moldeo de soplado adecuados para ello. | |
US4432530A (en) | Mold-core rod combination for forming an injection molded plastic parison | |
JP4805040B2 (ja) | Petボトルブロー成形用ノズル | |
JP3841754B2 (ja) | スリーブ | |
JP2009241429A (ja) | 上隅部に口部を有する容器の延伸ブロー用金型装置 | |
WO2019022231A1 (ja) | 中空物品の成形方法及び成形装置並びに中空物品 | |
JP3628975B2 (ja) | スリーブ | |
JP4170948B2 (ja) | プランジャー | |
US4588620A (en) | Parison for making molecularly oriented plastic bottles | |
US7905719B2 (en) | Blow mold | |
JP3984410B2 (ja) | ガイドリング | |
JP4940211B2 (ja) | ガラス容器成形装置の金型装置 | |
US4521369A (en) | Method of making molecularly oriented plastic bottles | |
JP4558603B2 (ja) | ガラス容器の製造装置及びガラス容器の製造方法 | |
JP3592613B2 (ja) | プランジャー | |
JP3996120B2 (ja) | キャップ付びん及びびんの製造方法 | |
JP2003095671A (ja) | プランジャ及びガラス食器の成形方法 | |
JP3589943B2 (ja) | バッフル | |
JP4266433B2 (ja) | 把手付き容器成形用プリフォーム | |
JP2007126295A (ja) | バッフル、ファンネル又はブローヘッド駆動装置 | |
JP4026699B2 (ja) | 粗型及び仕上型 | |
JP2020090399A (ja) | ガラス容器の製造方法及びガラス容器 | |
JP4126028B2 (ja) | 口型 | |
JP2999879B2 (ja) | バッフルメカニズム | |
JP4170970B2 (ja) | 底型 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20040506 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051101 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060801 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060808 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |