JP3841521B2 - サーボプレスおよびその段取寸動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動サーボモータによりスライドが上下駆動されるサーボプレスおよびその段取寸動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーボプレスは、プレス機械の上部に電動サーボモータによって上下駆動されるスライドを有し、前記電動サーボモータをサーボアンプにより速度制御している。そして、前記スライドの下面に取着された上型と、サーボプレスの下部に設けられたボルスタの上面に取着された下型との間でプレス加工を行うように構成されている。
【0003】
従来、上記のようなサーボプレスにおいて、例えば金型交換等のため微速操作が必要なときは、プレスの操作モードを「寸動モード」にし、両手操作で左右の運転ボタンを同時に押下している。このとき、上型が下型に接近して来たら、インチング操作のように短時間に上記運転ボタンを押下して微小距離ずつスライドを下降させ、上型と下型とを重ね合わせるようにしている。そして、上型と下型が略重なり合ったことを目視で確認した後、上型をスライドから外し、下型をボルスタから外し、スライドを上昇させて退避させる。
【0004】
次に、上型と下型を重ねた状態でサーボプレスの外部に搬出し、新しい上型と下型とを重ね合わせた状態でボルスタ上に搬入する。そして、上記と同様にスライドを「寸動モード」でのインチング操作で上型に近づけ、略接触したら上型をスライドの下面に取り付け、下型をボルスタの上面に取り付ける。このようにして、金型交換を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の金型交換作業においては、以下のような問題がある。
上述のように、寸動モードでのインチング操作によって、上型を下型に接近させたり、金型交換後にスライドを金型に接近させたりしているが、前記運転ボタンによるインチング操作ではスライドの移動量のコントロールが非常に困難となっている。特に、作業者が熟練者でない場合にはインチング操作時のこの移動量のバラツキが大きく、微小移動量ずつ正確に作動させるのは非常に困難であり、金型の損傷を招く危険性が大きいという問題がある。
また、熟練した作業者でも、金型近傍でのインチング操作は非常に注意深く行う必要がある。このため、操作性が悪くなるとともに、精神的な負担が大きいので疲労度も大きくなっている。
【0006】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、熟練していない作業者でも、スライドを容易に、かつ、正確に微小移動させることができる、作業性の良いサーボプレスおよびその段取寸動方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
電動サーボモータ15によりスライド3が上下駆動されるサーボプレスにおいて、
金型交換等の段取作業時にスライド3を寸動動作させる段取寸動モードが選択されたとき段取寸動モード信号を出力するモード選択スイッチ12と、
作業者により設定された、寸動動作時のスライド3の移動量に応じて移動量指令を出力する移動量指令入力手段10と、
スライド3の移動許可指令を出力する微速運転スイッチ11と、
スライド3の位置を検出するスライド位置検出手段6と、
前記段取寸動モード信号および前記移動許可指令の双方が入力されているとき、前記移動量指令と前記スライド位置検出手段6からの信号とに基づいてサーボアンプ14に速度指令を出力する制御器13とを備えた構成としている。
請求項1に記載の発明によると、モード選択スイッチによって段取寸動モードが選択され、かつ、微速運転スイッチが操作されて移動許可指令が出力されているときのみ、移動量指令入力手段によるスライドの微小移動が可能となる。このとき、移動量指令入力手段の操作量を目標移動量に応じて調整すると、この操作量に比例した距離だけスライドが移動するように、スライドの目標位置が演算される。また、スライドの現在位置をスライド位置検出手段によってフィードバックし、上記目標位置とこの位置フィードバック信号との位置偏差が小さくなるように微速の速度指令が演算される。そして、この速度指令に基づいて電動サーボモータが速度サーボ制御されるので、スライドは前記目標位置に所定微速度で位置制御される。したがって、移動量指令入力手段の所定の操作量に対するスライドの移動量を、金型交換等の段取時に必要な最小単位の微小移動量に設定しておくことによって、微小移動が容易となる。また、電動サーボモータによりスライドを駆動しているので、作業者の前記操作量に応じて応答性良く位置決めされ、段取寸動モードでの移動操作性が良くなる。この結果、段取寸動モードでのスライドの微小移動操作を、熟練者以外でも容易に、そして精度良く行うことが可能となり、金型損傷の恐れが無く、金型交換等を短時間で行うことができる。これによって、段取作業時の操作性及び作業性を向上できる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、
電動サーボモータ15によりスライド3が上下駆動されるサーボプレスにおいて、
金型交換等の段取作業時にスライド3を寸動動作させる段取寸動モードが選択されたとき段取寸動モード信号を出力するモード選択スイッチ12と、
作業者により設定された、寸動動作時のスライド3の移動量に応じてパルス数を出力する手動パルサ20と、
前記パルス数の計数値を出力するパルス検出手段21と、
前記計数値の大きさに応じた移動量指令を出力する指令値発生手段22と、
スライド3の移動許可指令を出力する微速運転スイッチ11と、
スライド3の位置を検出するスライド位置検出手段6と、
前記段取寸動モード信号および前記移動許可指令の双方が入力されているとき、前記移動量指令と前記スライド位置検出手段6からの信号とに基づいてサーボアンプ14に速度指令を出力する制御器13とを備えた構成としている。
請求項2に記載の発明によると、モード選択スイッチによって段取寸動モードが選択され、かつ、微速運転スイッチが操作されて移動許可指令が出力されているときのみ、手動パルサによるスライドの微小移動が可能となる。このとき、手動パルサの操作回転角度に比例した所定数のパルス数が時系列的に並んだパルス列信号がパルス検出手段に出力され、パルス検出手段からパルス数の計数値が指令値発生手段に出力され、その計数値の大きさに応じた移動指令が指令値発生手段から出力される。こうして、手動パルサの操作回転角度を目標移動量に応じて調整することで、この操作量に比例した距離だけスライドが移動するように、スライドの目標位置が演算される。また、スライドの現在位置をスライド位置検出手段によってフィードバックし、上記目標位置とこの位置フィードバック信号との位置偏差が小さくなるように微速の速度指令が演算される。そして、この速度指令に基づいて電動サーボモータが速度サーボ制御されるので、スライドは前記目標位置に所定微速度で位置制御される。したがって、手動パルサの1パルスが出力される回転角度に対するスライドの移動量を、金型交換等の段取時に必要な最小単位の微小移動量に設定しておくことによって、微小移動が容易となる。また、電動サーボモータによりスライドを駆動しているので、作業者の前記操作量に応じて応答性良く位置決めされ、段取寸動モードでの移動操作性が良くなる。この結果、段取寸動モードでのスライドの微小移動操作を、熟練者以外でも容易に、そして精度良く行うことが可能となり、金型損傷の恐れが無く、金型交換等を短時間で行うことができる。これによって、段取作業時の操作性及び作業性を向上できる。
【0009】
次に、請求項3に記載の発明は、
電動サーボモータ15によりスライド3が上下駆動されるサーボプレスの段取寸動方法において、
作業者により設定された、寸動動作時のスライド3の移動量に応じた移動量指令を出力する工程と、
モード選択スイッチ12を、金型交換等の段取作業時にスライド3を寸動動作させる段取寸動モードに設定し、段取寸動モード信号を出力させる工程と、
微速運転スイッチ11を操作し、スライド3の移動許可指令を出力させる工程と、
前記段取寸動モード信号および前記移動許可指令の双方が入力されているとき、前記移動量指令とスライド3の位置を検出するスライド位置検出手段6からの信号とに基づいてサーボアンプ14に速度指令を出力する工程とを備える方法としている。
請求項3に記載の発明によると、モード選択スイッチによって段取寸動モードが選択され、かつ、微速運転スイッチが操作されて移動許可指令が出力されているときのみ、作業者により設定されたスライドの移動量に比例した距離だけスライドが移動するように、電動サーボモータが所定微速度で駆動される。したがって、作業者の所定の操作量に対するスライドの移動量を、金型交換等の段取時に必要な最小単位の微小移動量に設定しておくことによって、微小移動が容易となる。また、電動サーボモータによりスライドを駆動しているので、作業者の操作量に応じて応答性良く位置決めされ、段取寸動モードでの移動操作性が良くなる。この結果、段取寸動モードでのスライドの微小移動操作を、熟練者以外でも容易に、そして精度良く行うことが可能となり、金型損傷の恐れが無く、金型交換等を短時間で行うことができる。これによって、段取作業時の操作性及び作業性を向上できる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、
電動サーボモータ15によりスライド3が上下駆動されるサーボプレスの段取寸動方法において、
作業者により設定された、寸動動作時のスライド3の移動量に応じてパルス数を手動パルサ20から出力する工程と、
前記パルス数の計数値を出力する工程と、
前記計数値の大きさに応じた移動量指令を出力する工程と、
モード選択スイッチ12を、金型交換等の段取作業時にスライド3を寸動動作させる段取寸動モードに設定し、段取寸動モード信号を出力させる工程と、
微速運転スイッチ11を操作し、スライド3の移動許可指令を出力させる工程と、
前記段取寸動モード信号および前記移動許可指令の双方が入力されているとき、前記移動量指令とスライド3の位置を検出するスライド位置検出手段6からの信号とに基づいてサーボアンプ(14)に速度指令を出力する工程とを備える方法としている。
請求項4に記載の発明によると、モード選択スイッチによって段取寸動モードが選択され、かつ、微速運転スイッチが操作されて移動許可指令が出力されているときのみ、手動パルサにより設定されたスライドの移動量に比例した距離だけスライドが移動するように、電動サーボモータが所定微速度で駆動される。したがって、作業者の所定の操作量に対するスライドの移動量を、金型交換等の段取時に必要な最小単位の微小移動量に設定しておくことによって、微小移動が容易となる。また、電動サーボモータによりスライドを駆動しているので、作業者の操作量に応じて応答性良く位置決めされ、段取寸動モードでの移動操作性が良くなる。この結果、段取寸動モードでのスライドの微小移動操作を、熟練者以外でも容易に、そして精度良く行うことが可能となり、金型損傷の恐れが無く、金型交換等を短時間で行うことができる。これによって、段取作業時の操作性及び作業性を向上できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る実施形態を図1〜図4を参照して詳述する。
【0012】
図1は、サーボプレスの一例を表す要部側面図を示している。
サーボプレス1の本体のフレーム2の前面下部にはベッド9が設けられ、ベッド9の上部にボルスタ7が設置されている。また、フレーム2の上部には回転動力を上下方向の直動に変換する例えばボールネジ等で構成される動力変換装置4が配設されており、この動力変換装置4の直動部(例えば、ボールネジ装置のナット部)の下端で、かつ、ボルスタ7と対向した位置にスライド3が上下動自在に配設されている。動力変換装置4の回転部(例えば、ボールネジ装置のボールネジ部)の上端部は回転伝達部材16を介して電動サーボモータ15の出力回転軸15bに連結されている。本実施形態では、回転伝達部材16の一例として図示したようにベルト(以後、ベルト16と呼ぶ)が用いられており、動力変換装置4の前記回転部の上端部、及び電動サーボモータ15の前記出力回転軸15bにはこのベルト16に係合するベルトプーリ16a及びベルトプーリ16bがそれぞれ取着されている。このように、スライド3は電動サーボモータ15の回転によって上下駆動されるようになっており、このスライド3の上下駆動に伴って、ボルスタ7の上面に設けられた下型(図示せず)と、スライド3の下面に設けられた上型(図示せず)との間でプレス加工が行われる。
【0013】
電動サーボモータ15の出力回転軸15bと反対側で、かつ、出力回転軸15bと同軸上に、例えばエンコーダ等の速度センサ15aが取着されており、この速度センサ15aからの速度信号は後述するサーボアンプに入力されている。なお、電動サーボモータ15は、ACサーボモータ又はDCサーボモータのいずれで構成されてもよい。
【0014】
また、フレーム2の前面にはC字状に開口した開口部2aがあり、この開口部2aの近傍には開口部2aと略同様のC字形状を成す補助フレーム5が配設されている。そして、この補助フレーム5は、上下方向に変位自在となるように、その下端側がピン8によってフレーム2の側面に取着されている。さらに、補助フレーム5の上端側とスライド3の後部側との間に、リニアセンサ等よりなるスライド位置検出手段6が配設されている。
【0015】
このスライド位置検出手段6は、軸心方向がスライド3の移動方向と平行で、かつ、スライド3の後部に支持されたセンサロッド6aと、このセンサロッド6aに嵌挿され、かつ、上記補助フレーム5の上端側に取着されたセンサヘッド6b とからなっている。そして、スライド3の上下動に伴ってセンサロッド6aがセンサヘッド6b に対して上下動し、これによって、センサヘッド6b の内部の位置検出部によりスライド3の位置がボルスタ7の上面からの高さとして検出されるようになっている。このスライド位置検出手段6が検出した位置信号は後述する制御器に入力され、この制御器はこの位置信号に基づいて前記電動サーボモータ15を駆動してスライド3の位置を制御する。
なお、このスライド位置検出手段6の検出精度はスライド3の微小移動の制御を可能とするものであり、金型交換時に必要な最小単位の微小移動距離よりも更に小さい距離(例えば、最小移動距離の1/10程度)に設定している。
【0016】
図2は、本発明に係わる段取寸動装置のハード構成ブロック図である。
移動量指令入力手段10はスライド3を所定の微小移動量ずつ移動させる移動量指令を制御器13に出力するものであり、この移動量指令は移動量指令入力手段10の作業者の操作量に比例して出力する。すなわち、移動量指令入力手段10が例えば手動パルサ等により構成されている場合は、手動パルサの操作回転角度の大きさに応じた所定パルス数の移動指令パルス列が出力され、この移動指令パルス列の各パルスは所定の最小移動量に相当するように構成されている。また、微速運転スイッチ11は上記移動量指令入力手段10による微小移動を可能とするものであり、このスイッチが操作されている間、移動許可指令を制御器13に出力する。さらに、モード選択スイッチ12は運転モードを選択するスイッチであり、少なくとも、移動量指令入力手段10による微小移動が行えるような「段取寸動モード」を選択でき、この段取寸動モード信号を制御器13に出力している。
【0017】
制御器13は、例えばマイクロコンピュータ等を主体にして構成されている。そして、制御器13は、前記モード選択スイッチ12からの段取寸動モード信号が入力されているとき、かつ、前記微速運転スイッチ11からの移動許可指令が入力されている間だけ、前記移動量指令入力手段10からの移動量指令の大きさ(手動パルサでは、移動指令パルスの数)に比例した距離だけスライド3を移動させるための速度指令をサーボアンプ14に出力する。段取寸動モードでの移動中は、制御器13はスライド位置検出手段6からのスライド位置信号を入力すると共に、上記移動距離だけ離れた目標位置に到達したかを判断する。
【0018】
また、サーボアンプ14は、制御器13からの前記速度指令を入力すると共に、速度センサ15aからの速度信号をフィードバック信号として入力し、この速度指令とフィードバック信号との速度偏差が小さくなるように、電動サーボモータ15の電流を制御して速度サーボ制御を行う。このサーボアンプ14はサーボモータを駆動する一般的なサーボアンプにより構成することができ、演算増幅器等を使用したアナログサーボ回路や、あるいは、コンピュータ又はディジタル信号処理IC(いわゆる、DSP)等を主体にしたディジタルサーボ回路により構成することができる。
【0019】
図3は、本段取寸動装置の機能構成ブロック図を示している。
移動量指令入力手段10は、例えば手動パルサ20とパルス検出手段21と指令値発生手段22とから構成されている。手動パルサ20は回転操作可能な手動ハンドル等の操作部を有しており、この手動ハンドルが作業者により所定角度回転されると、この回転角度に比例した所定数のパルスが時系列的に並んだパルス列信号がパルス検出手段21に出力される。パルス検出手段21はこのパルス列信号のレベル変化を検出してパルス数を計数し、このパルス数の計数値を指令値発生手段22に出力する。指令値発生手段22は、入力したこの計数値の大きさに比例した移動量指令を指令出力有効判定手段23に出力する。
【0020】
また、微速運転スイッチ11は前述したように上記移動量指令入力手段10(つまり、手動パルサ20等)によるスライド3の微小移動を可能としており、このスイッチが操作されている間、移動許可指令を指令出力有効判定手段23に出力する。同様に、モード選択スイッチ12は「段取寸動モード」が選択されたとき、この段取寸動モード信号を指令出力有効判定手段23に出力する。
【0021】
指令出力有効判定手段23は、前記段取寸動モード信号及び前記移動許可指令を入力しているときのみ、前記移動量指令の大きさに比例した距離だけスライド3が移動するように、目標位置を算出して位置指令を速度指令出力手段24に出力する。
速度指令出力手段24はこの位置指令と前記スライド位置検出手段6からの位置フィードバック信号とを入力して両者の位置偏差を演算し、この位置偏差を小さくするように速度指令をサーボアンプ14に出力する。このときの速度指令の大きさは、例えば、予め設定された所定の定速値であっても、あるいは、前記手動パルサ20からのパルス列の周期時間に比例した値であってもよい。また、速度指令を定速値とする場合、スライド3の速度が(1/100)mm/s〜1mm/sの範囲で選択的に制御可能としてもよい。
【0022】
サーボアンプ14は前述の如くこの速度指令に基づいて電動サーボモータ15の速度を制御する。この結果、スライド3は移動量指令入力手段10からの移動量指令の大きさに応じた距離だけ所定の微速度で上下駆動される。
【0023】
なお、手動パルサ20を用いた場合、その出力の単位パルス当たりのスライド移動量は例えば(1/100)mm程度の極めて微小距離としており、これによって、微小移動の制御が可能となる。
【0024】
次に、これまでに説明した段取寸動装置による段取寸動モード時のスライド3の移動制御フローチャートを図4に基づいて説明する。
まず、ステップ101で(指令出力有効判定手段23)、制御器13は、モード選択スイッチ12の段取寸動モード信号が入力され、かつ、微速運転スイッチ11の移動許可指令が入力されているか否かを判定する。そして、両者が共に入力されているときはステップ102に移行し、少なくともいずれか一方が入力されてないときは、エンド処理に移行して無処理で終了する。
【0025】
ステップ102では(指令出力有効判定手段23)、制御器13は移動量指令入力手段10からの移動量指令、すなわち、手動パルサ20からの指令パルス数に比例した移動量指令を入力し、つぎにステップ103で、この移動量指令の大きさに比例した移動量だけ移動するように、目標位置指令を算出する。この後、ステップ104で(速度指令出力手段24)、この目標位置指令と、スライド位置検出手段6から入力する位置フィードバック信号との位置偏差を演算する。そして、次にステップ105で(速度指令出力手段24)、この演算した位置偏差が0になるように速度指令を演算し、この速度指令をサーボアンプ14に出力する。これによって、サーボアンプ14は速度指令に基づいて電動サーボモータ15の速度を制御している。そして、上記ステップ104〜105の処理を通常のフィードバック制御ループ処理と同様に繰り返し処理することによって、スライド3は手動パルサ20により指令された移動量だけ正確に移動し、目標位置に位置決めされる。
【0026】
以上に説明したように、本サーボプレスの段取寸動装置によると、段取寸動モード時に、移動量指令入力手段10の操作量(例えば、手動パルサ20の操作回転角度)に比例した微小移動量ずつスライド3を移動させることができるので、この操作量を調整することによって、容易に、かつ、精度良く微小移動が行える。また、電動サーボモータによりスライドを駆動しているので、作業者の前記操作量に応じて応答性良く位置決めされ、段取寸動モードでの移動操作性が良くなる。この結果、作業者が熟練度にかかわらずにスライド3の微小移動を容易に行うことができるので、金型交換時の操作性の向上、及び作業者の負荷の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるサーボプレスの一例を示す側面図である。
【図2】本発明に係わる段取寸動装置のハード構成ブロック図である。
【図3】本発明に係わる段取寸動装置の機能構成ブロック図である。
【図4】本発明に係わる段取寸動装置の制御フローチャート例を示す。
【符号の説明】
1…サーボプレス、2…フレーム、3…スライド、4…動力変換装置、5…補助フレーム、6…スライド位置検出手段、7…ボルスタ、9…ベッド、10…移動量指令入力手段、11…微速運転スイッチ、12…モード選択スイッチ、13…制御器、14…サーボアンプ、15…電動サーボモータ、15a…速度センサ、16…回転伝達部材(ベルト)、20…手動パルサ、21…パルス検出手段、22…指令値発生手段、23…指令出力有効判定手段、24…速度指令出力手段。
Claims (4)
- 電動サーボモータ(15)によりスライド(3) が上下駆動されるサーボプレスにおいて、
金型交換等の段取作業時にスライド(3) を寸動動作させる段取寸動モードが選択されたとき段取寸動モード信号を出力するモード選択スイッチ(12)と、
作業者により設定された、寸動動作時のスライド(3)の移動量に応じて移動量指令を出力する移動量指令入力手段(10)と、
スライド(3) の移動許可指令を出力する微速運転スイッチ(11)と、
スライド(3) の位置を検出するスライド位置検出手段(6) と、
前記段取寸動モード信号および前記移動許可指令の双方が入力されているとき、前記移動量指令と前記スライド位置検出手段(6) からの信号とに基づいてサーボアンプ(14)に速度指令を出力する制御器(13)とを備えている
ことを特徴とするサーボプレス。 - 電動サーボモータ(15)によりスライド(3) が上下駆動されるサーボプレスにおいて、
金型交換等の段取作業時にスライド(3) を寸動動作させる段取寸動モードが選択されたとき段取寸動モード信号を出力するモード選択スイッチ(12)と、
作業者により設定された、寸動動作時のスライド(3)の移動量に応じてパルス数を出力する手動パルサ(20)と、
前記パルス数の計数値を出力するパルス検出手段(21)と、
前記計数値の大きさに応じた移動量指令を出力する指令値発生手段(22)と、
スライド(3) の移動許可指令を出力する微速運転スイッチ(11)と、
スライド(3) の位置を検出するスライド位置検出手段(6) と、
前記段取寸動モード信号および前記移動許可指令の双方が入力されているとき、前記移動量指令と前記スライド位置検出手段(6) からの信号とに基づいてサーボアンプ(14)に速度指令を出力する制御器(13)とを備えている
ことを特徴とするサーボプレス。 - 電動サーボモータ(15)によりスライド(3) が上下駆動されるサーボプレスの段取寸動方法において、
作業者により設定された、寸動動作時のスライド(3)の移動量に応じた移動量指令を出力する工程と、
モード選択スイッチ(12)を、金型交換等の段取作業時にスライド(3) を寸動動作させる段取寸動モードに設定し、段取寸動モード信号を出力させる工程と、
微速運転スイッチ(11)を操作し、スライド(3) の移動許可指令を出力させる工程と、
前記段取寸動モード信号および前記移動許可指令の双方が入力されているとき、前記移動量指令とスライド(3) の位置を検出するスライド位置検出手段(6) からの信号とに基づいてサーボアンプ(14)に速度指令を出力する工程とを備えている
ことを特徴とするサーボプレスの段取寸動方法。 - 電動サーボモータ(15)によりスライド(3) が上下駆動されるサーボプレスの段取寸動方法において、
作業者により設定された、寸動動作時のスライド(3)の移動量に応じてパルス数を手動パルサ(20)から出力する工程と、
前記パルス数の計数値を出力する工程と、
前記計数値の大きさに応じた移動量指令を出力する工程と、
モード選択スイッチ(12)を、金型交換等の段取作業時にスライド(3) を寸動動作させる段取寸動モードに設定し、段取寸動モード信号を出力させる工程と、
微速運転スイッチ(11)を操作し、スライド(3) の移動許可指令を出力させる工程と、
前記段取寸動モード信号および前記移動許可指令の双方が入力されているとき、前記移動量指令とスライド(3) の位置を検出するスライド位置検出手段(6) からの信号とに基づいてサーボアンプ(14)に速度指令を出力する工程とを備えている
ことを特徴とするサーボプレスの段取寸動方法。
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JP22092997A JP3841521B2 (ja) | 1997-07-31 | 1997-07-31 | サーボプレスおよびその段取寸動方法 |
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- 1997-07-31 JP JP22092997A patent/JP3841521B2/ja not_active Expired - Lifetime
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