JP3841471B2 - 電解コンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミニウム電解コンデンサに関し、特にオープンモードの保安機構を備えた電解コンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム電解コンデンサは、民生機器、産業機器等幅広く使用されており、その代表的な構造を図6に示す。アルミニウム箔からなる陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子5に電解液を含浸し、該コンデンサ素子5を金属ケース4に収納し、金属ケース4の開口部は電極引出しリード2を貫通させた弾性封口体3により密封して形成されている。従来、アルミニウム電解コンデンサは、通電中発生する水素ガスによりアルミニウムケース4の内部圧力が上昇してしまうという問題がある。そして、内部圧力の上昇により、例えば弾性封口体3が爆音とともに飛び出す等の不具合が生ずる。このため通常はアルミニウムケース4の底面側等に形成された薄肉部によって、アルミニウムケース4の内部圧力が異常に高くなる前に、内部のガスを放出する保安機構、すなわち、防爆構造が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような防爆構造は、内部のガスを放出させる構造が採用されているため、弁の作動と共にコンデンサ素子5に含浸されていた電解液がミスト状となって吹き出してしまうという問題が発生する。ここで、電解液としては、導電性のものが使用されており、しかも可燃性の物が殆どであることから、噴出した電解液が回路パターン等に付着すると、パターンの間をショートさせたり、場合によっては、発火の原因となる危険性もある。
【0004】
このような事態に対処するため、アルミニウム電解コンデンサに異常が発生したときには、コンデンサ自身がオープン状態となり、ショートあるいは発火等の不具合を防止できる装置が、種々検討されている。
しかしながら、従来検討されている装置は、いずれもコンデンサ内部に大きなスペースを必要としたり、あるいは、極めて構造が複雑なものであり、アルミニウム電解コンデンサの小型で安価であるという長所を減ずるものでしかなかった。
【0005】
そこで、本発明においては、上記の問題点に鑑みて、小型で安価なアルミニウム電解コンデンサであって、かつ、オープンモードの保安機構を有するものを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電極引出しリード2a、2bを接続したアルミニウム箔からなる陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子5に電解液を含浸し、該コンデンサ素子5を金属ケース4に収納し、該金属ケース4の開口部を弾性封口体3で封止してなる電解コンデンサにおいて、
該弾性封口体3に設けた中空部を有する凸部12と、コンデンサ素子との接続を遮断する脆弱部13a、13bを設けた電極引出しリード2a、2bを挿入する中空のハトメ形外部引出し電極9a、9bを装着固定した電極保持材11とを当接し、かつ該電極引出しリード2a、2bを中空のハトメ形外部引出し電極9a、9b内に挿入し固定したことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサである。
【0007】
上記の中空のハトメ形外部引出し電極9a、9bは、鉄、銅、真鍮等の半田付け可能な金属からなり、これに電極引出しリード2a、2bを挿入し、外側よりプレスにて固定される。
【0008】
また、上記弾性封口体3は、主たる材質がイソブチレン・イソプレン・ラバーIIRからなり、該弾性封口体3にケース内圧上昇により外側に変形可能な薄肉部を有する中空の凸部12が設けられている。
【0009】
上記電極保持部材11の中央に変形防止用突起15を設け、該突起の周辺部に該突起とほぼ同一平面をなすように複数の突起16が設けられている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係るアルミニウム電解コンデンサにおいては、該弾性封口体3に設けた中空部を有する凸部12と、コンデンサ素子との接続を遮断する脆弱部13a、13bを設けた電極引出しリード2a、2bを挿入する中空のハトメ形外部引出し電極9a、9bを装着固定した電極保持材11とを当接し、かつ該電極引出しリード2a、2bを中空のハトメ形外部引出し電極9a、9b内に挿入し固定したことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサである。
【0011】
上記の中空のハトメ形外部引出し電極9a、9bは鉄、銅、真鍮等の半田付け可能な金属からなり、これに電極引出しリード2a、2bを挿入し、外側よりプレスし固定される。
【0012】
また、上記弾性封口体3は、主たる材質がイソブチレン・イソプレン・ラバーIIRからなり、該弾性封口体3にケース内圧上昇により外側に変形可能な薄肉部を有する中空の凸部12が設けられている。
【0013】
上記電極保持部材11の中央に変形防止用突起15を設け、該突起の周辺部に該突起とほぼ同一平面をなすように複数の突起16が設けられている。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を図1〜図5に示す実施例により説明する。
【0015】
図1は本発明の保安機構付きアルミニウム電解コンデンサの断面図であり、電極保持部材11に中空のハトメ形外部引出し電極9a、9bに電極引出しリード2a、2bを、弾性封口部材3の中空の凸部12が当接するまで挿入し、プレス10a、10bによって固定し外部電極端子とする。
【0016】
図2は電極保持部材11で、電極引出しリードが挿入できるハトメ形外部引出し電極9a、9bが固定され、該電極保持部材11の内面にコンデンサ本体14が挿入される。
【0017】
図3はコンデンサケース内の圧力上昇によって外側に変形可能な変形部12を設けた弾性封口体3と、薄肉部13a、13bを有する電極引出しリード2a、2bを用いたアルミニウム電解コンデンサ本体であり、その他の部材は従来通りの物を使用している。
【0018】
図4は本発明の保安機構付きアルミニウム電解コンデンサの斜視図であって、電極保持部材11の中央に変形防止用突起15が設けられ、該突起とほぼ同一平面をなすように複数の突起16が設けられているため、コンデンサを基板に半田付けするとき基板との間に空間ができ、半田付け時に発生するフラックスガスを逃すことができる。
【0019】
図5は本発明の保安機構付きアルミニウム電解コンデンサが作動したときの断面図であって、コンデンサケース内の圧力上昇によって外側に向かって変形した弾性封口部材3の変形部12が、電極保持部材11を押圧し、その反発応力によりコンデンサ本体が変位し、電極保持部材にプレス固定された電極引出しリードに引張り応力が生じ、電極引出しリードに予め設けてある薄肉部13a、13bを破断させオープン状態となる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るアルミニウム電解コンデンサにおいては、コンデンサケース内の圧力が上昇すると、弾性封口体3の変形部12が電極保持部材11を押し上げ、この押圧力で、電極引出しリード(2a、2b)の脆弱部(13a、13b)を破断することにより、電極引出しリード(2a、2b)とコンデンサ素子5間の接続を遮断するため、コンデンサに異常が発生したとき、コンデンサ自体がオープン状態となり、ショートあるいは発火等の不具合を防止できる。
また、上記電極保持部材11の中央に変形防止用突起15が設けられているので、電極保持部材11の変形が防止でき、かつ変形防止用突起15の周辺部に該突起とほぼ同一平面をなすように複数の突起16が設けられているので、コンデンサを基板に半田付けするとき、基板との間に空間ができ、半田付け時に発生するフラックスガスを逃すことができる。
従って、簡単な構造で、しかも信頼性の高い保安機構を組み込んだアルミニウム電解コンデンサを小型かつ安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る保安機構付きアルミニウム電解コンデンサの断面図である。
【図2】本発明の実施例にかかる電極保持部材の断面図である。
【図3】本発明の実施例に係るアルミニウム電解コンデンサ本体の断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る保安機構付きアルミニウム電解コンデンサの斜視図である。
【図5】本発明の実施例に係る保安機構付きアルミニウム電解コンデンサの作動時の断面図である。
【図6】従来の構造に係るアルミニウム電解コンデンサの断面図である。
【符号の説明】
1a、1b・・・外部引出し電極
2a、2b・・・電極引出しリード
3・・・弾性封口体
4・・・金属ケース
5・・・コンデンサ素子
6・・・スリーブ
7・・・リード肩部
8・・・ケース防爆弁
9a、9b・・・ハトメ形外部引出し電極
10a、10b・・・電極引出しリード固定プレス
11・・・電極保持部材
12・・・凸部
13a、13b・・・電極引出しリード薄肉部
14・・・コンデンサ本体
15・・・変形防止用突起
16・・・突起
Claims (4)
- 電極引出しリード(2a、2b)を接続したアルミニウム箔からなる陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子(5)に電解液を含浸し、該コンデンサ素子(5)を金属ケース(4)に収納し、該金属ケース(4)の開口部を弾性封口体(3)で封止してなる電解コンデンサにおいて、
弾性封口体(3)に設けた中空部を有する凸部(12)と、コンデンサ素子との接続を遮断する脆弱部(13a、13b)を設けた電極引出しリード(2a、2b)を挿入する中空のハトメ形外部引出し電極(9a、9b)を装着固定した電極保持材(11)とを当接し、かつ該電極引出しリード(2a、2b)を中空のハトメ形外部引出し電極(9a、9b)内に固定したことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。 - 上記の中空のハトメ形外部引出し電極(9a、9b)は、鉄、銅、真鍮等の半田付け可能な金属からなり、これに電極引出しリード(2a、2b)を挿入し、外側よりプレスにて固定することを特徴とする請求項1のアルミニウム電解コンデンサ。
- 上記弾性封口体(3)は、主たる材質がイソブチレン・イソプレン・ラバー(IIR)からなり、該弾性封口体(3)にケース内圧上昇により外側に変形可能な薄肉部を有する中空の凸部(12)を設けたことを特徴とする請求項1の電解コンデンサ。
- 上記電極保持部材(11)の中央に変形防止用突起(15)を設け、該突起の周辺部に該突起とほぼ同一平面をなすように複数の突起(16)を設けたことを特徴とする請求項1のアルミニウム電解コンデンサ。
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JP (1) | JP3841471B2 (ja) |
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- 1996-04-10 JP JP08800096A patent/JP3841471B2/ja not_active Expired - Fee Related
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