JP3841261B2 - 位相変調装置及び位相変調方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光信号を高速に位相変調する位相変調装置及び方法に関するものである。例えば、位相変調方式量子暗号における高速変調装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14,図15は、例えば、文献:内山「量子力学の基礎と量子暗号」数理科学No.402,DECEMBER 1996に示された従来の位相変調方式量子暗号における位相変調を行う方法である。
位相変調方式暗号では、通常、図14のような構成で位相変調器(PM)を配置する。送信装置と受信装置とで、各々1つの位相変調器(PMA,PMB)を配し、位相変調(0,π/2,π,3π/2)に対応する印加電圧を位相変調器にかける。
【0003】
位相変調方式量子暗号は、光ファイバなどを使用した光学系で、2種類の同じ長さの光路を通ってきた位相の異なる光子の干渉を利用して物理的に系を構成している。通常の位相変調方式量子暗号における変調は、送信装置と受信装置との2者間で各々1つ位相変調器を配し、希望の位相変調をかけて動作させる。
位相変調方式量子暗号における従来の位相の変調の仕方を、1つの例を使って具体的に説明すると次の通りである。
【0004】
例えば、光ファイバを使用した接合点でカプラを使用したB92プロトコルの1つの実現例を図14,図15を用いて説明する。
レーザーからある繰り返し周波数で光子が発振され、それが光信号となり、光ファイバなどを通ってカプラ1に行く。ここから先は、量子暗号で重要な2つの光路のみ説明する。
1つ目は、カプラ1で図14において上に行き、位相変調器PMAを通りカプラ2を通って、次に、カプラ3で位相変調器PMBを通らない路を通りカプラ4を通って検出器に行く第1の光路。
2つ目は、カプラ1で位相変調器PMAを通らない路を通りカプラ2を通って、次に、カプラ3で図14において上に行き、位相変調器PMBを通りカプラ4を通って検出器に行く第2の光路。
第1の光路と第2の光路とは、同じ長さである。
この同じ長さの光路で、位相が、1つは位相変調器PMAでかけられた位相Φa、もう1つは位相変調器PMBでかけられた位相Φbとすると、その差Φa−Φbの値に従って光の干渉が起きる。位相変調方式量子暗号は、この干渉を利用している。このように、従来の位相を変調させる方法は、単純に位相変調器を送信装置と受信装置とに各々1つ配置し、希望の位相変調を行っていた。
例えば、0,π/2,π,3π/2の位相変調を行うためには、0V,4V,8V,12Vの電圧を位相変調器に印加する。図15に示すように、電圧を印加するためには、電圧の立ち上がり期間LPと立ち下がり期間TPが必ず存在する。また、1つの位相変調器で連続して異なるランダムな位相を順次変調する場合には、ブランク期間BP(BP>0)を設けなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の位相変調の方式では、変調させるために、位相変調器に電圧を異なる値で高速に印加する必要があるが、電圧の立ち上がり期間LP、立ち下がり期間TPが高速化のネックとなる。例えば、パルスレーザーを使用して、光子をある繰り返し周波数で発振し、このタイミングと同期して位相変調も施す必要があるわけで、これを行うために変調量に対応した何種類かの電圧を上記タイミングに同期して印加する必要がある。量子暗号におけるビットレートは、パルスレーザーの周波数に比例するため、高速化を行うためには位相変調器に電圧を高速に切り替えて印加する必要がある。そのため、電圧の立ち上がり期間LP、立ち下がり期間TPが大きいと、一般には前の値とは異なる次の電圧がかけられるまでの時間は大きくなってしまう。これを無視して(例えば、パルスレーザーの)繰り返し周波数を上げると、ブランク期間BPがとれなくなり(BP≦0)、次のタイミングの電圧の立ち上がりと前のタイミングの電圧の立ち下がりとが重なり、正常に機能しなくなる。このため、高速化の障害になるという問題点があった。
【0006】
この発明は、位相変調の高速処理を目的としている。例えば、位相干渉方式量子暗号におけるビットレートの向上、即ち、高速動作化を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る位相変調装置は、光路を流れる光信号に位相変調をかけるN個(Nは2以上の整数)の位相変調器と、
上記N個の位相変調器を並列に配置して、N個の位相変調器のいずれかを選択的に光路に接続する第1と第2の光スイッチと、
上記第1と第2の光スイッチに対して切り替え信号を出力してN個の位相変調器のいずれかを光路に接続させる制御部と
を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記制御部は、
位相変調データを記憶する位相変調データメモリと、
N個の位相変調器に対して位相変調に対応する電圧をそれぞれ発生するN個の電圧発生部と、
位相変調データメモリに記憶された位相変調データを順次読み込んで読み込んだ位相変調データを、上記第1と第2の光スイッチにより光路に接続される位相変調器に対して電圧を発生させる電圧発生部に順次供給する切替部と
を有することを特徴とする。
【0009】
上記制御部は、
N個の値をとる位相変調データを記憶する位相変調データメモリと、
N個の位相変調器に対して、位相変調データのN個の値に対応したN個の一定の電圧をそれぞれ発生させて各位相変調器に対して一定の電圧を供給する電圧発生部と、
位相変調データメモリに記憶された位相変調データを読み込んで読み込んだ位相変調データの値に対応した電圧が供給されている位相変調器を選択する切り替え信号を上記第1と第2の光スイッチに対して出力する切替部と
を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明に係る位相変調装置は、光路に対して直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の位相変調器と、
上記N個の位相変調器に印加する電圧の和が光信号にかける位相変調に対応する電圧と等しくなるように、N個の位相変調器に対してN個の電圧を発生させ、発生させたN個の電圧をN個の位相変調器にそれぞれ供給する制御部と
を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記制御部は、
位相変調データを記憶する位相変調データメモリと、
位相変調データメモリに記憶された位相変調データに対応する電圧VをN等分した均等電圧(V/N)を発生させ、発生させたN個の均等電圧(V/N)をN個の位相変調器にそれぞれ供給する電圧発生部と
を備えたことを特徴とする。
【0012】
この発明に係る位相変調方法は、第1と第2の光信号を順次位相変調する位相変調方法において、
第1の光信号を第1の位相変調器で位相変調する第1の変調工程と、
上記第1の変調工程の終了する前に、第2の光信号を第2の位相変調器で位相変調する第2の変調工程と
を備えたことを特徴とする。
【0013】
この発明に係る位相変調方法は、光信号を所定量だけ位相変調する位相変調方法において、
光信号を第1の位相変調器で位相変調する第1の変調工程と、
第1の変調工程により位相変調された光信号を第2の位相変調器で更に位相変調する第2の変調工程と
を備え、
上記第1の変調工程と第2の変調工程との両方を実行することにより光信号に上記所定量の位相変調をかけることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この実施の形態1においては、位相変調方式を使用した量子暗号方式において、複数並列に位相変調器を配置し、光スイッチで高速切り替えることを特徴とする位相変調方式量子暗号の高速変調方式を説明する。
【0015】
図1は、位相変調方式の量子暗号における高速変調システムを示す図である。
この変調システムは、送信装置100と伝送路200と受信装置300から構成されている。送信装置100において、レーザー91は、光信号を繰り返し周波数Cで発振し、光信号を連続して発生させるものである。第1のカプラ94、第2のカプラ95は、光信号を分離し、合流させるものである。第1の位相変調器71と第2の位相変調器73は、光信号に位相変調を施すものである。第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35は、第1の位相変調器71と第2の位相変調器73を切り替えるものである。また、レーザー91から同期出力信号93が切替部55に出力される。
【0016】
制御部51は、位相変調を制御するものである。制御部51は、位相変調データメモリ53と切替部55と第1の電圧発生部57と第2の電圧発生部59を有している。位相変調データメモリ53は、位相変調データ31を入力し、記憶しておく。切替部55は、レーザー91から同期出力信号93が出力された場合に、第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35を交互に切り替え、第1の位相変調器71と第2の位相変調器73を交代で使用するように切り替えるものである。また、切替部55は、位相変調データメモリ53に記憶された位相変調データ31の値に基づいて、第1の位相変調器71及び第2の位相変調器73に対して位相変調のための電圧を発生するよう第1の電圧発生部57と第2の電圧発生部59に指示する。第1の電圧発生部57は、第1の位相変調器71に対して位相電圧を発生させる。また、第2の電圧発生部59は、第2の位相変調器73に対して位相変調電圧を発生させる。
【0017】
伝送路200は、光ファイバ等の伝送路である。
受信装置300は、送信装置100と同じ構成を有している。受信装置300が送信装置100と異なる点は、送信装置100のようにレーザー91を有しておらず、検出器98を有している点である。検出器98は、光の干渉を検出するものである。
【0018】
図2は、第1の位相変調器71と第2の位相変調器73及び第1の位相変調器81と第2の位相変調器83の動作を示す図である。
図2の(a)は、第1の光信号に対して加えられた電圧を示し、図2の(b)は、第2の光信号に対して加えられた電圧を示している。
図2に示すように、第1の位相変調器71と第2の位相変調器73の動作時間は、期間OPだけ重なっている。即ち、第1の光信号を第1の位相変調器71で位相変調する第1の変調工程の終了する前に、第2の光信号を第2の位相変調器73で位相変調する第2の変調工程が開始されている。このように、第1の変調工程と第2の変調工程がオーバーラップした期間OPを持つことができるのは、第1の位相変調器71と第2の位相変調器73が並列に接続されているからである。
【0019】
図3は、制御部51の切替部55の動作を示すフローチャート図である。
切替部55は、まず、S11において、位相変調データメモリ53から位相変調データ31を順次取得する。次に、S12において、位相変調データ31がない場合には、位相変調処理を終了する。次に、S13において、第1の位相変調器71と第2の位相変調器73とのいずれの位相変調器を次の光信号の位相変調のために用いるかを決定する。この場合には、第1の位相変調器71と第2の位相変調器73を交互に用いる。そして、S14において、第1の位相変調器71を用いる場合には、第2の電圧発生部59に対して位相変調データ31を送信しておく。第2の位相変調器73を用いる場合には、第1の電圧発生部57に対して位相変調データ31を送信しておく。次に、S15において、レーザー91からの同期出力信号93を待つ。レーザー91からの同期出力信号93がきた場合には、切替部55は、S16において、第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35に対して第1の位相変調器71への又は第2の位相変調器73への切り替えを行う。そして、S17において、第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35により接続された位相変調器に対して位相変調用の電圧を与える電圧発生部に対して、位相変調データ31に基づいた電圧を発生するよう起動信号を送る。この結果、第1の電圧発生部57又は第2の電圧発生部59は、位相変調データ31に基づいた電圧を第1の位相変調器71又は第2の位相変調器73に出力する。
図2においては、時刻T1において、第1の電圧発生部57の起動が行われ、また、時刻T2において、第2の電圧発生部59の起動が行われたことを示している。
【0020】
以上のように、2個の位相変調器を並列に接続して切り替えて用いることにより、最大で2倍の速さで位相変調を行うことができる。また、N個の位相変調器を並列に接続して切り替えて用いる場合には、最大でN倍の速さで位相変調を行うことができる。
【0021】
実施の形態2.
図4は、送信装置100(又は受信装置300)の他の例を示す図である。
図4においては、第1の位相変調器71、第2の位相変調器73、第3の位相変調器75、第4の位相変調器77の4つの位相変調器を並列に接続し、第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35で切り替える場合を示している。電圧発生部58は、0,π/2,π,3π/2という4つの量の位相変調を行うために、0V,4V,8V,12Vを常時発生させている。0Vは、第1の位相変調器71に供給される。4Vは、第2の位相変調器73に供給される。8Vは、第3の位相変調器75に供給される。12Vは、第4の位相変調器77に供給される。
【0022】
図5は、図4に示した第1の位相変調器71、第2の位相変調器73、第3の位相変調器75、第4の位相変調器77の動作説明図である。
第1の位相変調器71は、常に0Vの位相変調を行う。第2の位相変調器73は、常に4Vの位相変調を行う。第3の位相変調器75は、常に8Vの位相変調を行う。第4の位相変調器77は、常に12Vの位相変調を行う。切替部55は、位相変調データメモリ53に記憶された位相変調データ31の4つの値(0,π/2,π,3π/2)に基づいて第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35の切り替えを行う。例えば、図5に示すように、位相変調データ31が3π/2である場合には、切替部55は、第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35をS4に切り替える。こうして、第1の光信号は、12Vの電圧で位相変調される。次に、位相変調データ31がπであるときは、切替部55は、第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35をS3に切り替える。このようにして、第2の光信号は、8Vで位相変調される。
【0023】
図6は、図4に示す制御部51の切替部55の動作フローチャート図である。
まず、S21において、切替部55は、位相変調データメモリ53に記憶された位相変調データ31を順次取得する。次に、S22において、位相変調データ31がない場合には、位相変調処理を終了する。位相変調データ31が存在する場合には、S23において、レーザー91からの同期出力信号93を待つ。レーザー91からの同期出力信号93がきた場合には、S24において、位相変調データ31の値により第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35の切り替えを指示する。
【0024】
この実施の形態においては、4つの位相変調器の各々が常にある1つの位相変調(0又はπ/2又はπ又は3π/2)を行うようにし、第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35により位相変調器を選択しているため、電圧の立ち上がり立ち下がり期間を全く考慮することなく、高速な位相変調を行うことができる。
この実施の形態において、第1の光スイッチ33と第2の光スイッチ35のスイッチング時間がレーザー91から発生する光子の繰り返し周波数Cよりも早い周波数Sで切り替えることができればよく、非常に高速な位相変調を行うことができる。
【0025】
実施の形態3.
この実施の形態施3において、位相変調方式を使用した量子暗号方式において、複数直列に位相変調器を配置し、変調したい位相を分割して変調することを特徴とする位相変調方式量子暗号の高速変調方式を説明する。
【0026】
この実施の形態においては、送信装置100(又は受信装置300)の他の例について説明する。
この実施の形態においては、位相変調器を直列に接続した場合を図7を用いて説明する。
図7において、第1の位相変調器71と第2の位相変調器73と第3の位相変調器75と第4の位相変調器77は、直列に接続されている。電圧発生部56は、これら4つの位相変調器に対して等しい電圧を発生させて同時に供給する。
【0027】
図8は、4つの位相変調器の印加電圧を示す図である。
図9は、πの位相変調を行う場合の電圧V(V=8V)を示す図である。
8Vの電圧を発生させるために、立ち上がり期間がLP、立ち下がり期間がTPだけ必要であるとする。位相変調を行う場合、8Vの電圧を一度に印加してもπの位相変調を行うことができるし、2Vの印加電圧を4回印加してもπの位相変調を行うことができる。2Vの電圧を発生させるための立ち上がり期間をWとし、立ち下がり期間をUとすると、立ち上がり期間と立ち下がり期間とは、電圧の大きさに比例しているため、W=LP/4及びU=TP/4となる。そこで、この実施の形態においては、本来位相変調を行うために必要な電圧を分割して与えることにより、本来与えるべき電圧発生させるために必要な立ち上がり期間及び立ち下がり期間を短縮しようとしたものである。例えば、図7のように、4つの位相変調器で、本来印加すべき電圧を加える場合には、1/4の電圧を4つの位相変調器でそれぞれ印加すればよくなる。従って、立ち上がり期間及び立ち下がり期間は、1/4で済む。
図8においては、2Vの電圧を4つの位相変調器に同時に与えている。その理由は、第1の位相変調器71から第4の位相変調器77までの配置距離が小さいため、第1の位相変調器71から第4の位相変調器77を通過する光信号の通過時間をほぼ0と捉えることができるからである。もし、第1の位相変調器71から第4の位相変調器77への通過時間が無視できないほど長い場合には、各位相変調器に与える印加電圧のタイミングを少しずつずらせばよい。
【0028】
図10は、制御部51の電圧発生部56の動作をフローチャート図である。
電圧発生部56は、S31において、位相変調データメモリ53から位相変調データ31を取得する。次に、S32において、位相変調データ31がない場合には、位相変調処理を終了する。次に、S33において、同期出力信号93の入力を待つ。そして、S35において、電圧発生部56は、位相変調データ31が示す本来の電圧Vの1/4の電圧(V/4)を発生させて4つの位相変調器へ同時に出力する。
【0029】
前述した例においては、8Vを1/4にする場合を示したが、印加電圧が4Vのときには、4つの位相変調器にそれぞれ1Vを印加し、印加電圧が12Vのときには、4つの位相変調器にそれぞれ3Vを印加すればよい。
【0030】
この実施の形態によれば、N個の位相変調器を直列に接続することにより、立ち上がり期間及び立ち下がり期間をそれぞれ1/Nに短縮することができる。
【0031】
この実施の形態においては、光信号を第1の位相変調器71で位相変調する第1の変調工程と、この第1の変調工程により位相変調された光信号に対して第2の位相変調器73で更に位相変調する第2の変調工程とを備え、更に、第3の変調工程、第4の変調工程を備え、これらの第1から第4の変調工程を全てシリアルに実行することにより、所望の所定量の位相変調を行うものである。このように、位相変調器を複数直列に配置し、変調した位相を分割して印加することにより、電圧の立ち上がり期間、立ち下がり期間が小さくなり、高速動作が可能になる。
【0032】
図11から図13は、送信装置100と受信装置300の位相変調器の接続例である。
図11は、位相変調器をN個直列に接続した場合を示している。
図12は、位相変調器を直列に接続し、一部並列にした場合を示している。
図13は、位相変調器を並列にし、かつ、直列に接続した場合を示している。
また、図示していないが、その他の組み合わせも可能である。
【0033】
前述した位相変調装置は、位相変調方式量子暗号における高速変調装置に用いることができる。また、量子暗号に限らず、光信号を位相変調する場合に用いることができる。また、送信装置と受信装置の一方にのみ前述した構成を用いることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、この発明の好適な実施の形態によれば、位相変調方式を使用した量子暗号で、ビットレートの値を向上させる、即ち、高速動作化を図ろうとする場合に、位相変調させるために印加する電圧の立ち上がり期間、立ち下がり期間などに影響を受けず、又は大幅に影響を少なくでき、高速化できるという効果がある。
【0035】
また、この発明の好適な実施の形態によれば、位相変調器を並列に切り替え接続するようにしたので、位相変調動作中の位相変調器の電圧が0Vに立ち下がるまで待つことなく、他の位相変調器の位相変調動作を開始することができ、高速な位相変調が可能となる。
【0036】
また、この発明の好適な実施の形態によれば、位相変調器に常に一定の電圧を印加しておき、スイッチにより光信号を切り替えて供給するようにしたので、立ち上がり期間、立ち下がり期間を0にした高速な位相変調を行うことができる。
【0037】
また、この発明の好適な実施の形態によれば、位相変調器を直列に配置し、分割して電圧を印加するようにしたので、立ち上がり期間及び立ち下がり期間を小さくすることができ、高速な位相変調を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の位相変調装置を示す図。
【図2】 実施の形態1の位相変調器の動作説明図。
【図3】 実施の形態1の切替部の動作フローチャート図。
【図4】 実施の形態2の位相変調装置を示す図。
【図5】 実施の形態2の位相変調器の動作説明図。
【図6】 実施の形態2の切替部の動作フローチャート図。
【図7】 実施の形態3の位相変調装置を示す図。
【図8】 実施の形態3の位相変調器の動作説明図。
【図9】 印加電圧の波形図。
【図10】 実施の形態3の電圧発生部の動作フローチャート図。
【図11】 位相変調器の他の配置構成図。
【図12】 位相変調器の他の配置構成図。
【図13】 位相変調器の他の配置構成図。
【図14】 従来の位相変調器の配置図。
【図15】 従来の位相変調器の動作説明図。
【符号の説明】
31,41 位相変調データ、33,43 第1の光スイッチ、35,45 第2の光スイッチ、51,61 制御部、53,63 位相変調データメモリ、55,65 切替部、56,58,66,68 電圧発生部、57,67 第1の電圧発生部、59,69 第2の電圧発生部、71,81 第1の位相変調器、73,83 第2の位相変調器、75,85 第3の位相変調器、77,87第4の位相変調器、7n,8n 第nの位相変調器、91 レーザー、93 同期出力信号、94 第1のカプラ、95 第2のカプラ、96 第3のカプラ、97 第4のカプラ、98 検出器、100 送信装置、200 伝送路、300 受信装置。

Claims (3)

  1. 光路に対して直列に接続されたN個(Nは2以上の整数)の位相変調器と、
    上記N個の位相変調器に印加する電圧の和が光信号にかける位相変調に対応する電圧と等しくなるように、N個の位相変調器に対してN個の電圧を発生させ、発生させたN個の電圧をN個の位相変調器にそれぞれ供給する制御部と
    を備えたことを特徴とする位相変調装置。
  2. 上記制御部は、
    位相変調データを記憶する位相変調データメモリと、
    位相変調データメモリに記憶された位相変調データに対応する電圧VをN等分した均等電圧(V/N)を発生させ、発生させたN個の均等電圧(V/N)をN個の位相変調器にそれぞれ供給する電圧発生部と
    を備えたことを特徴とする請求項記載の位相変調装置。
  3. 光信号を所定量だけ位相変調する位相変調方法において、
    光信号を第1の位相変調器で位相変調する第1の変調工程と、
    第1の変調工程により位相変調された光信号を第2の位相変調器で更に位相変調する第2の変調工程と
    を備え、
    上記第1の変調工程と第2の変調工程との両方を実行することにより光信号に上記所定量の位相変調をかけることを特徴とする位相変調方法。
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