JPH0996845A - 量子演算装置および量子暗号装置 - Google Patents
量子演算装置および量子暗号装置Info
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- JPH0996845A JPH0996845A JP7252991A JP25299195A JPH0996845A JP H0996845 A JPH0996845 A JP H0996845A JP 7252991 A JP7252991 A JP 7252991A JP 25299195 A JP25299195 A JP 25299195A JP H0996845 A JPH0996845 A JP H0996845A
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Abstract
にし、計算時間を短縮し、消費エネルギーを低減するこ
とができ、ノイズとの区別が出来る量子演算装置を得
る。 【解決手段】 単一光子生成部1と演算部3と結果検出
部4と判定部8とを備える。単一光子生成部1から単一
光子5と、光子の射出にともなう射出信号7が発生す
る。演算部3で、外部からの制御により分配され、結果
検出部4で演算部3から光子が出力されるかどうかを検
出し、判定部8で結果検出部4からの信号と単一光子生
成部1からの射出信号とを照合して処理する。
Description
よび量子暗号装置に関するものである。
さった波動関数を用い、その複数の状態ごとに波動関数
を、外部の入力関数に応じて制御することにより、その
波動関数によって表されている量子の測定結果から、入
力関数についての論理計算を行うものである。
きたが、本発明までは実際に製作可能なものは無かっ
た。その代表的な数学的モデルとして、Proc.R.Soc.Lon
d.,A439(1992)pp553、D.Deutsch「Rapid Solution of P
roblems by Quantum Computation」に示されているもの
がある。以下、このモデルについて説明する。
で示される2つの力学変数をもつものを考える。すなわ
ち |φ>=|i,j> i=0,...,2N-1, j=0,1 … (1) 入力関数として(2)式で示される、0から2N-1までの
2N個のiに対して、0または1の値をとる2Nビット2値
関数をf(i)とする。すなわち f(i)=0,1 i=0,1,...,2N-1 … (2) である。また、ユニタリー変換として、(3)式で示さ
れる次のようなUf,Sを考える。 Uf|i,0> = |i,f(i)> … (3) S|i,a> = (-1)a |i,a>
る。まず、状態iについての重ね合わせになっている式
(4)で示される波動関数を用意する。
るユニタリー変換Ufを作用させ
る
作用させる。
元の波動関数|φ>を重ね合わせ、観測を行う。この観測
による、粒子の存在確率Pは式(8)のように表され
る。
まり、一つの量子に対する一回の測定で、もし、粒子を
見いだしたならば、存在確率は0ではなく、式から、f
(i)は、ちょうどN個の0(または1)を含んでいること
はない。また、粒子を見いださなかった場合、存在確率
は1ではなく、式から、f(i)は、「全て0または全て
1」ではない。このように、このモデルのような量子演
算では、一種の論理演算を、少ない媒体で、高速に行う
ことができるのである。量子演算で可能な演算は、この
モデルのような簡単な物ばかりではなく、たとえば離散
的対数計算や、大きな桁数の因数分解を行えることが、
現在わかってきている。
実現されてこなかった理由は、量子演算におけるユニタ
リー変換を物理的に実現するのが困難であったこと、電
子等の量子波を用いた場合、量子演算で用いる重ね合わ
せ状態を維持することが困難であったこと、および光子
を量子波として用いた場合、最終的に観測した信号がノ
イズであるか有効な結果であるかの判別が困難であった
ことなどである。
として、量子暗号通信がある。これは、もし何らかの方
法で盗聴が行われた場合、非常に高い確率でそのことを
探知することのできる通信方法である。量子暗号通信に
ついて代表的な例として日経サイエンス1992年12
月号50頁に示された装置を図13によって説明する。
図13は従来の量子暗号装置の構成図であり、図13に
おいて、53は発光ダイオード、54は減衰フィルタ、
55、56は偏光板、57は検出器、58は入力信号、
59は選択信号である。
する。まず、発光ダイオード53から出た光は、減衰フ
ィルタ54によって減衰され、光強度は光子計数領域ま
で落とされる。光子計数領域とは、光の検出器を用いて
入射光強度を測定するとき、もはや連続的な出力の強度
としては測定されず、その光の周波数に応じた高さのパ
ルスの頻度として測定されるような領域のことである。
このとき、送信者は、0または1で表される入力信号に
対して、次のどちらかの方法で偏光板55を操作する。
ここで、偏光板の角度は0度から180度で表してい
る。 A:偏光板55を入力値1については0度に、入力値0
については90度にする。 B:偏光板55を入力値1については45度に、入力値
0については135度にする。
トごとに無作為に選び、どちらの方法を選んだかを時刻
とともに記録しておく。次に、受信者は、選択信号によ
って、偏光板56の次のどちらかの状態を、無作為に適
宜選択する。 C:0度の状態 D:45度の状態 どちらの状態を選んだかは、時刻とともに記録してお
く。そして、光子を検出した場合には1、検出しなかっ
た場合には0とする。送信者は、何らかの方法で、どの
時刻にAまたはBの方法を用いていたかを受信者に伝え
る。受信者は、受信した情報の内、送信者がAを用いて
いたときにCの方法で検出、またはBの方法を用いてい
たときにDの方法で検出していたもののみを有効とす
る。
る。送信者は、もとの送信データの一部を受信者に、何
らかの方法で伝達する。受信者は、送られてきたもとの
データの一部と、上記の手順によって有効としたデータ
とで、対応する部分を比較する。もし、比較した結果違
いが見つかれば、それは、何らかの盗聴者がいたことを
示している。というのは、盗聴者は、盗聴時に、Cまた
はDのどちらかの方向についての偏光方向を測定する。
その場合、たとえば送信者がAの方法で0を送信した場
合、Dの方法で偏光を検出する場合が、確率0.5で存
在する。この場合、盗聴者による測定の影響で、送信者
がAの状態で、0を送ったのか、1を送ったのかはわか
らなくなる。このため、受信者が送信者と対応する方
法、つまり、送信者がAを用いていたときにCの方法で
検出、またはBの方法を用いていたときにDの方法で検
出していたものでも、送信者の送った値と受信者の受け
取った値が異なってしまう。この異なる確率は0.5で
ある。つまり、盗聴者がどのような方法で盗聴を試みて
も、1つの光子に対する測定ごとに、0.25の確率で
盗聴がばれてしまう。
以上説明したように、高速でかつ少ないエネルギーによ
り演算を可能とするものである。しかし、量子演算の中
で数学的に与えられる量子波に対する演算を、実際の物
理系としてどのように実現するかは非常に困難な問題で
あった。また、演算部分では量子波に減衰および干渉性
の消失が殆ど許されないことも大きな困難であった。そ
れ以外にも、量子演算の特徴は「ひとつの量子」にたい
する「一度の測定」によって、外部入力関数についての
論理演算、計算が行えることが特徴であるが、測定した
結果が、はたしてノイズであるのかそれとも演算部を通
ってきた量子波を測定したのかの区別が困難であった。
この、ノイズとの区別がつかないことの困難性は、上記
量子暗号装置においても存在した。つまり、送信者と受
信者での結果の不一致が、ノイズによるものなのか盗聴
者によるものなのかを区別できない。つまり、これまで
の量子暗号装置では、ノイズレベル程度の盗聴に対して
はまったく無防備であった。
るためになされたもので、単一光子を複数の経路に分割
し、その経路ごとに外部入力に応じて単一光子を制御
し、その結果を検出することで、量子演算を行うことを
目的とする。その生成部における光子の射出にともなっ
て射出信号を発し、演算部から得られた結果と射出信号
とを照らし合わせることで、検出部での結果をノイズか
ら区別することも目的である。
な、いつ光子が射出されたかがわかる単一光子を生成す
ることである。
トロールが容易な、いつ光子が射出されたかがわかる単
一光子を生成することである。
における光子の射出にともなって射出信号を発し、演算
部から得られた結果と射出信号とを照らし合わすこと
で、検出部での結果をノイズから区別することである。
演算部において、独立した複数の経路へと光子を導き、
量子演算を行うことである。
演算部において、連続した複数の経路へと光子を導き、
量子演算を行うことである。
を制御し、また光子の偏光状態によって自発的に位相を
制御することで、量子演算を行うことである。
演算部における光子の偏光状態の制御を、散逸無く、か
つ高速に行うことである。
演算部における、光子の偏光制御を利用した光子の位相
制御を、簡単な構成で行うことである。
の演算部において、縦偏光と横偏光の重ね合わせ状態で
ある光子の偏光を、散逸無しに、どちらか一方の偏光に
揃えることである。
の演算部において、光子の位置についてのフーリエ変換
を行うことである。
の演算部において、単一光子生成部における光子の射出
にともなって射出信号を発し、受信部から得られた結果
と射出信号とを照らし合わすことで、検出部での結果を
ノイズから区別することである。
量の単一光子を用いた、量子暗号通信装置を得ることで
ある。
子演算装置は、単一光子を射出し、射出にともない射出
信号を発生する単一光子生成部と、単一光子を複数の経
路に分配し、外部からの制御により分配された単一信号
を制御する演算部と、演算部から光子が出力されるかど
うかを検出する結果検出部と、結果検出部からの信号と
単一光子生成部からの光子射出にともなう信号を処理す
る判定部を備えたものである。
は、2光子をほぼ同時に生成する光源と、光源からの光
の方向を選択するスリットと、2光子の内一方を検出し
て射出信号を発生する検出器とを備えたものである。
は、ポンプ光源と、ポンプ光源からの光が入射すると1
対のパラメトリック蛍光光子対を発生する非線形結晶
と、非線形結晶からのパラメトリック蛍光の波長を選択
する波長選択部と、波長選択されたパラメトリック蛍光
の光子対のうちの一方を検出して射出信号を発生する検
出器とを備えたものである。
一光子生成部として上記第1の単一光子生成装置を備え
たものである。
算部において、単一光子をそれぞれ互いに独立した位置
の複数の経路に導くための、1つまたは複数のビームス
プリッタ、およびミラーを備えたものである。
算部において、単一光子を連続した複数の経路に導く構
成を備えたものである。
算部において、分配された光子の偏光を制御する偏光制
御素子、光子の偏光によって光子の位相を制御する位相
制御装置を備えたものである。
気光学効果素子を用いた偏光制御素子を、演算部に備え
たものである。
算部において、分配された単一光子の偏光を外部からの
制御により回転する偏光制御素子と、偏光状態にしたが
い位相を変える位相制御素子と、光子を反射する反射器
とを備え、偏光制御素子、位相制御素子を通過した分配
された単一光子が、反射器により反射され、再び同じ偏
光制御素子を通る構成を備えたものである。
算部において、偏光状態により光子の経路を異ならせる
分配器と、どちらか一方の経路に設けた偏光制御素子、
ならびにそれぞれの経路を合成するための構成を備えた
ものである。
算部において、分配された単一光子波動関数の位置につ
いてのフーリエ変換を行うレンズを備えたものである。
一光子を射出し、射出にともない信号を発生する単一光
子生成部と、外部からの制御により単一光子の偏光を制
御送信部と、その単一光子を、ある偏光方向に受信する
受信部と、受信部からの信号と、単一光子生成部からの
射出信号を受ける同時計数部を備えたものである。
一光子生成部として、前記第1の単一光子生成装置を備
えたものである。
子演算装置の構成を示すブロック図である。図におい
て、1は単一光子生成部、5は生成部1から射出される
単一光子、2は外部入力信号、3は入射した単一光子5
を外部入力2に応じて制御をおこなう演算部、4は演算
部3から出力される光子を検出する結果検出部、6は単
一光子生成部1からの光子の射出にともなって出る射出
信号、7は結果検出部からの結果信号、8は射出信号6
と結果信号7を受ける判定部である。
る単一光子生成装置の構成図であり、図1における単一
光子生成部1の構成図である。図において、9はレー
ザ、18はレーザからのポンプ光、10はスリット、1
1は非線形結晶、12は非線形結晶からある一定の角度
に置かれるスリット、13はスリットからの光路上に置
かれるプリズム、5は射出される単一光子、17はレー
ザ9からの入射光軸上非線形結晶の後に設置されるミラ
ー、14はミラー17によって反射された光を吸収する
吸収材、19は参照光子、15は参照光子を受ける検出
器、6は射出信号である。
る演算部、結果検出部および判定部の構成を示す図であ
り、図1における演算部3、結果検出部4および判定部
8の構成図である。図において、5は図1における単一
光子生成部1から発射された単一光子、28は単一光子
の経路上に置かれ経路を分配するビームスプリッタ、2
0はミラー、21は単一光子の分配された経路上に置か
れ外部からの入力信号に接続する偏光制御素子、22は
位相制御素子、23は偏光制御素子、24は光路長調整
器、25はミラー、26は検出器、6は図1における単
一光子生成部からの射出信号、27は同時係数装置であ
る。
および図3を参照しながら説明する。単一光子生成部1
において、レーザ9からの出力光は、スリット10によ
ってビーム径を適当な値に調整された後、非線形結晶1
1へと入射する。入射した光子は、非線形結晶中で、そ
の結晶に固有の確率で、入射した光の周波数と異なる2
つの光子へと変換される。この過程はパラメトリック蛍
光過程とよばれ、2つの光子はパラメトリック蛍光と呼
ばれる。パラメトリック蛍光過程によって変換された2
つの光子の周波数の和は、もとの光子の周波数と等しい
性質がある。また、パラメトリック蛍光の射出方向は、
蛍光の周波数により異なる。これは、結晶の屈折率の周
波数による違いのためである。また、これらの2つの光
子は、同時に生成され非常に相関が強い。
度に比例する。このため、レーザ9の出力を調整するこ
とにより、パラメトリック蛍光の強度を光子計数領域ま
で落とすことが可能である。光子計数領域とは、光の検
出器を用いて入射光強度を測定するとき、もはや連続的
な出力の強度としては測定されず、その光の周波数に応
じた高さのパルスの頻度として測定されるような領域の
ことである。これは、光の量子力学的な性質を表してい
る。
度の周波数依存性を利用して、スリット12およびプリ
ズム13によって、ある一定周波数の蛍光を選び出すこ
とができる。このとき、パラメトリック蛍光のもう一つ
の光子が確実に検出されるように、スリット12および
プリズム13を調整する。
長選択にプリズムおよびスリットを用いた場合、下記実
施の形態2で述べるような波長選択フィルタを用いた場
合に比べて、任意の波長で、任意の帯域を切り出すこと
ができる利点がある。以上のように構成することで、パ
ラメトリック蛍光のうちの片方の光子である参照光子1
9を検出器15で測定することにより、単一光子5がい
つ射出されたのかを知ることができる。
A、CDA、LiNbO3、LiIO3、Ba2NaNb5O15、Ag3AsS3、AgGaS
2、KTP、BBOまたはLBOなどを用いることが可能である。
ることのできる検出器、たとえば光電子増倍管、ストリ
ークカメラ、フォトダイオードまたはアバランシェフォ
トダイオード等を用いることができる。なかでも、Siア
バランシェフォトダイオードは、量子効率が0.9と、既
存の検出器では最も大きくノイズの低減に非常に有効で
ある。Siアバランシェフォトダイオードを用いる場合、
検出回路としてアクティブクエンチング方式が大きなS
/N比を得ることができた。
ズム13を調整し、単一光子5の周波数と参照光子19
の周波数を等しくした。このことにより、図1における
単一光子生成部における参照光子19の検出器15、お
よび結果検出部での光子検出器の特性を等しくすること
ができ回路構成が簡単になった。
は、光の波長0.7μm付近に最も高い量子効率を持つた
め、この実施の形態ではレーザ9としてアルゴンイオン
レーザの0.351μm単一周波数CWレーザを用いた。ま
た、非線形結晶としては、KDPを用いた。
し、単一光子として用いる周波数の光を散乱しにくいも
のを用いた。
する。演算部3では、ビームスプリッタ28およびミラ
ー20によって、単一光子5の通り得る経路は複数の経
路に分けられる。このとき、単一光子5は、量子力学的
な効果によりどの経路を通るのかを観測されない限り
は、全ての経路を同時に通る。この実施の形態では、光
子は初期状態を表す一つの経路16と、演算に利用され
る4つの経路に分けられる。
で、入力信号に応じて、偏光制御素子21によって偏光
が90度回転される。すなわち、入力信号が0であれば
偏光は回転されず、1であれば90度偏光が回転され
る。この実施の形態では、演算部の経路数は4であり、
入力信号のビット数も4である。偏光の操作を受けた
後、位相制御素子22では、その偏光方向に応じて位相
が操作される。この実施の形態では、偏光方向が縦の場
合と横の場合で、光路差に半波長分のズレがでるため、
位相が反転される。そのあと、偏光制御素子23では、
ふたたび偏光が、単一光子5と同じ状態に戻される。
よび偏光制御素子23として、適当な角度に設置され、
偏光を90度回転させるだけの電圧で適時制御された電
気光学効果素子を用いた。また、位相制御素子22には
2分の1波長板を用いた。
くするものである。これは、単一光子生成部で生成され
る光子の一次干渉長が有限であるため、各光路の長さの
差を、その一次干渉長にくらべて充分に小さくする必要
があるからである。
経路と、光子の初期状態を表す1つの経路が合成され
る。合成された単一光子波動関数が、検出器26によっ
て検出される。
イオードまたはCCD等の光子計数領域で用いることの
可能な検出器を用いることができる。この実施の形態で
は、光子検出部6と同じ、Siアバランシェフォトダイオ
ードにアクティブクエンチング回路を組み合わせたもの
を検出器23として用いた。これは、量子効率が0.9と
大きいため、S/N比を大きくすることができるからで
ある。
生成部1からの射出信号6とともに、同時計数装置27
に入力される。同時計数装置では、射出信号6と検出器
26からの信号のうち、非線形結晶11における同一の
パラメトリック蛍光過程に由来すると考えられるものだ
けが出力信号とみなされる。従って、演算光子の起源を
特定でき、背景光の混入を確実に阻止できてS/N比を
著しく高めることができる。
に対する演算動作について説明する。まず、単一光子生
成部から射出された単一光子5の偏光は0度とする。最
初のビームスプリッタ28とミラー20によって、単一
光子5は分けられる。「分けられる」というのは、それ
ぞれの経路を通る重ね合わせ状態になるということであ
る。
と分かれる。分かれた後の単一光子波動関数は式(9)
のように書くことができる。
第2項の重ね合わせ状態に対してである。まず、各経路
に対応するビットが1か0かによって、次のような操作
を、分配された単一光子波動関数に加える。この実施の
形態では、外部入力関数は4ビットの2値関数である。 ・ 0ならば、その経路の偏光は操作しない。 ・ 1ならば、その経路の偏光は、90度回転させる。 つぎに、分配された単一光子波動関数は、位相制御素子
22で、次のような制御を受ける。 ・ 偏光が0度であれば、位相は変化しない。 ・ 偏光が90度であれば、位相は反転する。 つぎに、偏光制御素子23によって、偏光はもとの0度
へと戻される。以上の操作の結果、式(9)の第2項
は、式(10)のように変化する。
単一光子波動関数は重ね合わされる。光路長調整器24
を適切に調整すると、検出器位置での検出確率は式(1
1)のような形で表される。
うに単一光子が演算部に入射したとき、どちらかで必ず
検出されるようにするためである。検出結果は、射出信
号6と同時計数装置27によって照合される。この照合
によって、入射した単一光子5の検出器26における測
定をノイズの検出結果から区別することができる。
力関数f(x)についての論理演算は、式(12)のような
ものである。この装置に入力される4ビットの2値関数
を f(x) x=0,1,2,3, f(x)=0 or 1 … (12) とする。この場合、同時計数装置27での結果は次のよ
うに解釈される。 ○射出信号6に対応して、検出器26の一方が光子を検
出した場合→f(x)は、2個0、2個1を含むことはな
い。 ○射出信号6に対応して、もう一方の検出器26が光子
を検出した場合→f(x)は、「4個とも0」ではなく、ま
た「4個とも1」ではない。
種の論理演算を一つの光子を用いて一度の測定で行うこ
とが可能である。このため、高速でかつ消費エネルギー
の小さな計算機を実現できる。また、量子計算を遂行す
るのに光子を用いているため、外場との相互作用が特定
できるので情報の保存が容易である。また、本装置で
は、光子がいつ演算部に向け発射されたかを検出してい
るため、検出部でのショットノイズから演算結果の信号
を識別することが可能である。このため、より少ない試
行回数で確実な演算が可能である。
実施の形態に係る単一光子生成装置の構成図で、図1に
おける単一光子生成部1の他の例を示す構成図である。
図において、9はレーザ、29はレーザ光路上に置かれ
る減衰フィルタ、10はスリット、11は非線形結晶、
5は単一光子、12はスリット、30は波長選択フィル
タ、17は非線形結晶を通過したレーザ光路上に置かれ
るミラー、14は吸収材、19は参照光子、15は検出
器である。
ザ9からの光は、非線形結晶でのパラメトリック蛍光強
度が光子計数領域になるように、減衰フィルタ29によ
って減衰される。減衰された光は、スリット10によっ
て適当なビーム径に絞られた後非線形結晶11に入射す
る。この実施の形態では、レーザ光強度を減衰フィルタ
を用いて制御するため、出力の変更が困難なレーザ9に
対して有効である。非線形結晶でのパラメトリック蛍光
は、スリット12と波長選択フィルタ30によって、適
当な波長の単一光子が選択されて射出される。そのと
き、波長選択フィルタ30を単一光子5側と参照光子1
9側で適当に組み合わせて、単一光子が射出された場合
必ず参照光子が検出器15に入射するように調整する。
この実施の形態のように、波長選択フィルタを用いて単
一光子を生成した場合、プリズムを利用した場合に比
べ、単一光子の波長選択が容易である。なお、その他の
例として、実施の形態2のような波長選択フィルタと実
施の形態1のようなプリズムとスリットとを適宜組み合
わせた単一光子生成部を構成することができる。
実施の形態に係る単一光子生成装置の構成図で、図1に
おける単一光子生成部1の他の例を示す構成図である。
図において、31は光源、12はスリット、5は単一光
子、19は参照光子、15は検出器、32は波長選択フ
ィルタ、6は射出信号である。光源31としては、カル
シウムイオンなどの高速なカスケード緩和過程をもつ物
質を用いる。カスケード緩和とは、第1の緩和に引き続
いて第2の緩和がおこる過程である。このため、第一の
光子放出に引き続いて、その光子と相関の大きな第2の
光子の放出が起こる。カルシウムイオンでは、相関が充
分大きくそれらの光子は運動量保存則の影響で正反対方
向に射出されることが知られている。カスケード緩和過
程によって放出される2光子の内1つの光子は、スリッ
トおよび波長選択フィルタを通じて単一光子として射出
される。そのとき、光源においてほぼ同時刻に逆方向射
出される参照光子19を検出器15において検出するこ
とにより、いつ単一光子5が射出されたのかを知ること
ができる。
実施の形態に係る演算部の構成図で、図1における演算
部3の他の例を示す構成図であり、図中61はある指定
した時間だけ光を反射し、その他の場合は光を反射しな
いスイッチングミラー、60は光子波束時間分割装置で
ある。スイッチングミラー61は、縦偏光は透過し、横
偏光は反射する偏光依存性のビームスプリッタに、偏光
をある一定時間回転させる偏光制御素子を組み合わせる
ことで実現できる。また、光子波束時間分割装置60
は、ある時間範囲に局在している光子波束を、ある一定
の時間おきのいくつかの波束へと分ける装置である。こ
の実施の形態では1光子波束は光子波束時間分割装置6
0を通過することによって、時間間隔τおきに、離れた
4つの波束へと分割される。この装置は、時間的に制御
可能な光共振器、またはビームスプリッタと光学遅延器
の組合せ等により実現できる。実施の形態中の光路長調
整装置24は、それぞれの経路の光路差が時間にして丁
度τおきになり、かつ参照光路の時間に関して4つに分
割された光子波束のそれぞれと、ほぼ同時に検出器26
の直前のビームスプリッタ28に達するように調整す
る。また、スイッチングミラー61は、スイッチングミ
ラー61が設置されている演算部の分割された経路の光
子波束が通過する時間光を反射し、それ以外は光を反射
しないように制御する。これは、メカニカルにもしくは
電気光学素子と偏光依存性ビームスプリッタを組み合わ
せること等により実現できる。
時とみなす時間幅は、時間的に分割された後の全体とし
ての光子の時間的な広がりより長くしておく必要があ
る。この実施の形態のように構成することにより、検出
器の直前のビームスプリッタ28への入射する光軸をす
べて同じ軸に載せることができるため、実施の形態1の
装置に比べて干渉時の波面の違いが少なくできるため、
干渉性が向上し、装置を小型化でき、さらに精度の良い
演算を実現できる。また、光軸を同一にしながら調整が
可能なため、演算部の組立が容易になる。
3の偏光制御素子21に電気光学素子を用いた代わり
に、他の方法を用いた場合を示す。図7は、この発明の
第5の実施の形態に係る偏光制御素子の構成図で、図3
における偏光制御素子の他の例を示す構成図である。図
中、34は単一光子の分配された波動関数、21はファ
ラデー効果を用いた偏光制御素子、22は位相制御素
子、23はファラデー効果を用いた偏光制御素子であ
る。単一光子の分配された波動関数について説明する。
単一光子が分配された経路を通る場合に、それぞれある
振幅を持った波動関数として各経路を伝搬する。単一光
子の分配された波動関数34とは、たとえば図3におけ
るビームスプリッタ28やミラー20によって分配され
た経路における単一光子波動関数のことである。
光性を表す現象で、偏光の回転角度は式(13)により
表される。 θ=VHL … (13) ここで、Hは磁場、Lは物質中の通過距離、Vはヴェル
デ定数である。
御素子21、23には、入力信号2によって制御可能な
磁場がかけられている。その磁場は、コイル等によって
形成される。 この実施の形態では、外部入力が1の時
にはちょうど偏光を90度回転させるだけの磁場がかか
り、外部入力が0の時には、磁場がかからないようにな
っている。単一光子の分配された波動関数34は、上記
偏光制御素子21において、外部入力に応じた偏光の操
作を受けた後、位相制御素子22において、その偏光状
態に応じた位相の変化を受ける。その後、同じくファラ
デー効果を用いた偏光制御素子23で、単一光子の分配
された波動関数34と同じ偏光に戻される。この実施の
形態では、偏光制御素子にファラデー効果を用いること
により、光子の通過する媒質の選択の自由度が高まり、
量子散逸の小さな材料を用いることが可能になる。ま
た、ファラデー効果以外にも、音響光学素子や液晶を用
いた偏光コントローラ等を偏光制御素子に用いることも
可能である。
施の形態に係る演算部での偏光および位相の操作の他の
例を示す図であり、図3におけるその他の偏光制御素子
の構成図である。図中、34は単一光子の分配された波
動関数、37は経路上に置かれたミラー、35は偏光制
御素子、22は位相制御素子、36はプリズムである。
この実施の形態での偏光制御素子としては、電気光学素
子を用いた。後述するように、ファラデー効果を用いた
素子は使用できない。動作について説明する。単一光子
の分配された波動関数34は、ミラー37によって反射
され偏光制御素子35へ入射する。偏光制御素子では、
入力信号2が0であれば偏光を回転させず、1であれば
90度偏光を回転する。偏光を操作された単一光子の分
配された波動関数は、位相制御素子22によって、偏光
方向が0度と90度で、その位相差が180度になる。
その後、プリズム36によって逆方向へと反射される。
そして、ふたたび偏光制御素子へと入射する。35は電
気光学効果を用いた素子であるため、右向き入射時に偏
光を90度回転させるような状態では、左向きに入射す
る光子の偏光をー90度回転させる。このため、この実
施の形態の場合、2度目の通過時に、偏光は自動的に、
もとの単一光子の分配された波動関数と同じ状態に戻
る。ファラデー効果を用いた偏光制御素子では、2回の
通過時の偏光回転が同一方向となって加算されるため、
元に戻すことができない。この実施の形態では、実施の
形態1の図3の構成と比較して、部品点数を少なくする
ことができ、装置のコストの低下、装置の小型化の効果
がある。
施の形態に係る偏光統合装置の構成を示す。この偏光統
合装置は、演算部3での分配された単一光子波動関数に
対する偏光操作を行い、入力される光子波動関数の偏光
方向を揃えるものである。図9において、38は分配さ
れた単一光子波動関数、39はウォラストンプリズム、
40は縦偏光成分、41は横偏光成分、42は偏光制御
素子、43はミラー、44は光路長調整器である。この
実施の形態の動作を図9に従って説明する。分配された
波動関数は、偏光が縦成分と横成分の適当な重ね合わせ
状態であるとする。そのとき、ウォラストンプリズム
で、縦偏光成分成分40と横偏光成分41は分離され
る。横偏光成分は、偏光制御素子42によって縦偏光に
回転される。その後、ミラー43、光路長調整器44を
経て縦偏光成分と合わされる。この実施の形態では、偏
光が縦成分と横成分の適当な重ね合わせ状態で表されて
いる分配された波動関数を、減衰無く、縦偏光へと変換
することができる。また、演算部での制御によって、分
配された単一光子波動関数が、縦偏光と横偏光が混在し
ている状態として得られた場合、強度のみを検知する検
出器を用いると、縦偏光、横偏光それぞれに対して干渉
部を設け、参照光との干渉をさせる必要があるが、本装
置を用いると、混在する偏光方向を1つに揃えることが
できるので1つの干渉部だけを用いて演算部を構成する
ことができる。
の実施の形態に係る演算部の構成図で、図1における演
算部3の他の例を示す構成図であり、単一光子の経路を
連続的に変化するようにしたものである。図において、
5は単一光子、28は単一光子経路上に置かれたビーム
スプリッタ、20はミラー、24は光路長調整器、45
は凹レンズ、46は凸レンズ、21は偏光制御素子、2
2は位相制御素子、33はビームスプリッタ、26は検
出器である。
明する。入射した単一光子5は、ビームスプリッタ28
において、一つの参照用経路16と、一つの演算用経路
に分けられる。演算用経路では、単一光子は光路長調整
器で、参照用経路16との光路差の調整を受ける。その
あと、凹レンズ45および凸レンズ46によって、連続
的な複数の経路へと単一光子波動関数は分配される。分
配された波動関数は、その位置に応じて、偏光制御素子
21によって外部からの入力により、偏光を操作され
る。すなわち、外部入力2値関数がf(x,y)で表されると
き、偏光制御素子の位置(x,y)において、f(x,y)が1で
あれば偏光が90度回転され、0であれば偏光は操作を
受けない。その後、位相制御素子において、その各位置
での偏光状態の違いに応じて、位相が制御される。次
に、偏光制御素子22で再び単一光子5と同じ偏光に戻
され、凸レンズ47および凹レンズ48によって、一つ
の経路へと合成される。以上のようにして、入力信号2
によって制御を受けた、分配された単一光子波動関数
は、参照用経路を経た分配された波動関数と重ね合わさ
れ、検出器26によって検出される。
によって生成された単一光子は、断面にある一定の広が
りを持つ経路に分布する。単一光子の生成される位置
は、おもに非線形光学結晶のどの位置でパラメトリック
蛍光過程が生じたかによって決まるが、「どの位置で蛍
光過程が生じたか」は特定できず、それらの重ね合わせ
状態になっている。そのため、結局、単一光子は経路の
断面の位置について、重ね合わせ状態になっている。単
一光子波束は、レンズによって、その位置についての分
布の拡大に相当する操作を受ける。このため、レンズに
よって広げられた後、任意の広がりの位置についての連
続的な重ね合わせ状態を実現することができる。
一光子を分配するため、多ビットの入力関数に対応する
ことが可能である。また、一次元の外部入力関数に対し
ては、凹レンズ45、凸レンズ46、凸レンズ47、凹
レンズ48の各々をシリンドリカルレンズで構成すれば
よい。
とで、演算部3において、フーリエ変換に相当する操作
が可能である。図11はこの発明の第9の実施の形態に
係る演算部の構成図で、図1における演算部3の他の例
を示す構成図である。ここで38は単一光子の分配され
た波動関数、45は凹レンズ、46は凸レンズ、21は
偏光制御素子、47は凸レンズ、48は凸レンズであ
る。
明する。図11の演算用の経路において、凹レンズ45
および凸レンズ46によって、連続的な複数の経路に単
一光子波動関数は分配される。分配された単一光子波動
関数は、偏光制御素子21によって外部入力関数F(x,y)
に応じた偏光の分布をもつ。その後、レンズ47、レン
ズ48によって、空間的なフーリエ変換が行われる。行
われた後は、各位置において、縦偏光と横偏光の重ね合
わせ状態になっている。この状態は、実施の形態7のよ
うな偏光統合装置を用いることで、それぞれの偏光ごと
に分離したり、また再び偏光状態を揃えることが可能で
ある。
0の実施の形態の量子暗号装置の構成図であり、図にお
いて、1は単一光子生成部、2は入力信号、5は単一光
子、6は射出信号、49は送信部、50は受信部、52
は同時計数部であるこの実施の形態の動作を、図12に
従って説明する。まず、単一光子生成部1から単一光子
5が発射される。いつ発射されたかは、射出信号6によ
って、同時計数部へと伝えられる。単一光子5の偏光
は、送信部49において入力信号2に従って操作され
る。即ち、光子の偏光を、位相を除いて0度から180
度で表わすとき A:入力値1については偏光を0度に、入力値0につい
ては、偏光を90度にする。 B:入力値1については偏光を45度に、入力値0につ
いては、偏光を135度にする。 これらの2つの方法のどちらかを、外部入力の各ビット
ごとに無作為に選び、どちらの方法を選んだかを時刻と
ともに記録しておく。偏光を回転させる方法としては、
電気光学素子、ファラデー効果素子および液晶素子など
を用いることが出来る。
光板を次のどちらかの方向について、無作為に適宜選択
する。 C:0度の状態 D:45度の状態 なお、偏光板を用いる代わりに、ウォラストンプリズム
を、用いて偏光状態に応じて光子の経路が異なるように
し、それぞれの経路に検出器を設置してもよい。C、D
どちらの状態を選んだかは、時刻とともに記録してお
く。光子を検出したかどうかは、受信部50から同時計
数部52へと入力される。同時計数部では、射出信号6
と受信部50との信号を比較し、受信部50からの出力
が、単一光子生成部から射出された光子によるものか、
それともノイズであるかを判定する。単一光子生成部か
ら射出された光子を検出した場合には1、検出しなかっ
た場合には0とする。送信者は、何らかの方法で、どの
時刻にAまたはBの方法を用いていたかを受信者に伝え
る。受信者は、受信した情報の内、送信者がAを用いて
いたときにCの方法で検出またはBの方法を用いていた
ときにDの方法で検出していたもののみを有効とする。
単一光子生成部に、実施の形態1の図2または実施の形
態2の図4に記載した単一光子生成装置を用いることが
出来る。この場合、レーザ光強度を変化させる、減衰フ
ィルタの減衰率を調整すること等により、容易に、入力
信号のビット数に応じた程度の光子を容易に生成するこ
とが出来る。また、量子暗号装置では、光子の単色性は
必要でないため、レーザにくり返し回数の高い短パルス
レーザを用い、図2におけるスリット12やプリズム1
3による波長選択性を弱めることもできる。これによ
り、高密度の量子暗号通信が可能になる。
ば、単一光子を射出し、射出にともない信号を発生する
単一光子生成部と、単一光子を複数の経路に分配し、外
部からの制御により分配された単一信号を制御する演算
部と、演算部から光子が出力されるかどうかを検出する
結果検出部と、結果検出部からの信号と単一光子生成部
からの光子射出にともなう信号を受ける判定部を設けた
ことにより、数学的モデルであった量子演算を実際に可
能にし、計算時間を短縮し、また単一光子により演算が
遂行できるため、消費エネルギーを低減する効果があ
る。また、単一光子がいつ演算部に入射されたかを知
り、それと、結果検出部からの出力を判定することによ
り、結果検出部の出力が、単一光子生成部からの光子に
よるものなのか、またはノイズによるものなのかを区別
することができるので検出結果のS/N比を著るしく高
めることができる。
ば、2光子をほぼ同時に生成する光源と、光源からの光
の方向を選択するスリットと、2光子の内一方を検出す
る検出器とを備えることにより、いつ単一光子が射出さ
れたのかを信号として出力可能とする効果がある。
ば、ポンプ光源と、ポンプ光源からの光が入射する非線
形結晶と、非線形結晶からのパラメトリック蛍光の波長
を選択する波長選択部と、波長選択されたパラメトリッ
ク蛍光の光子対のうちの一方を検出する検出器とを備え
ることにより、いつ単一光子が射出されたのかを信号と
して出力可能とする効果がある。
記単一光子生成部として前記第2の単一光子生成装置を
用いることにより、波長選択性が大きく、また装置構成
が容易となる効果がある。
記演算部において、1つまたは複数のビームスプリッ
タ、およびミラーを備え、単一光子をそれぞれ互いに独
立した位置の複数の経路に導くことにより、位置を、波
動関数の離散的な力学変数として使用できる効果があ
る。
前記演算部において、単一光子を連続した複数の経路に
導くことにより、単一光子の位置を、波動関数の連続的
な力学変数として、または非常に多くの基底状態を持つ
離散的な力学変数として使用できる効果がある。
前記演算部において、分配された光子の偏光を制御する
偏光制御素子、光子の偏光によって光子の位相を制御す
る位相制御装置を備えることにより、光子の位置と偏光
を用いた、外部入力に対する量子演算を行うことの出来
る効果がある。
前記偏光制御素子として、電気光学効果を用いることに
より、量子散逸が少なく、また高速な時間応答が可能に
なる。
前記演算部において、分配された単一光子の偏光を外部
からの制御により回転する偏光制御素子と、偏光状態に
したがい位相を変える位相制御素子と、光子を反射する
反射器とを備え、偏光制御素子、位相制御素子を通過し
た分配された単一光子が、反射器により反射され、再び
同じ偏光制御素子を通るように構成することによって、
偏光および位相制御部の部品点数を少なくし、コストを
下げ、また小型化できる効果がある。
前記演算部において、偏光状態により光子の経路を異な
らせる分配器と、偏光制御素子を備え、偏光状態に従っ
て分かれたそれぞれの経路で、別々に偏光を回転させ、
再び合流させるように構成することにより、光子の量子
散逸なしに、偏光を一つの状態にそろえることが出来
る。
前記演算部において、分配された単一光子波動関数の位
置についてのフーリエ変換を行うレンズを備えることに
より、演算部での演算の一部として、フーリエ変換を行
うことが可能である。
単一光子を射出し、射出にともない信号を発生する単一
光子生成部と、外部からの制御により単一光子の偏光を
制御送信部と、その単一光子を、ある偏光方向に受信す
る受信部と、受信部からの信号と、単一光子生成部から
の射出信号を受ける同時計数部を備えることにより、S
/N比が大きく、かつ、盗聴されている場合の発見確率
が著しく大きくなる効果がある。
前記第1の量子暗算装置の単一光子生成部として、前記
第2の単一光子生成装置を備えることにより、単一光子
の頻度を、入力信号に応じて必要量だけを容易に得るこ
とが出来る。
の構成を示すブロック図である。
生成装置の構成図である。
結果検出部および判定部の構成図である。
生成装置の構成図である。
生成装置の構成図である。
構成図である。
素子の構成図である。
の偏光制御素子の構成図である。
装置の構成図である。
の構成図である。
の構成図である。
装置の構成図である。
結果検出部、5 単一光子、6 射出信号、7 結果信
号、8 判定部、9 レーザ、10,12 スリット、
11 非線形結晶、13 プリズム、14 吸収材、1
5,26 検出器、17,20,25 ミラー、21,
23 偏光制御素子、22 位相制御素子、24 光路
長調整器、27 同時計数回路、28,33 ビームス
プリッタ。
Claims (14)
- 【請求項1】 単一光子と光子の射出にともなう射出信
号とを発生する単一光子生成部と、前記単一光子を複数
の経路に分配し、外部からの制御により分配された単一
光子を制御する演算部と、前記演算部から光子が出力さ
れるかどうかを検出する結果検出部と、前記結果検出部
からの信号と前記単一光子生成部からの射出信号とを処
理する判定部とを備えた量子演算装置。 - 【請求項2】 前記判定部が、前記単一光子生成部から
の光子射出にともなう射出信号と前記結果検出部からの
信号との同時計数を行うことを特徴とする量子演算装
置。 - 【請求項3】 2光子をほぼ同時に生成する光源と、光
源からの光の方向を選択するスリットと、2光子の内一
方を検出して射出信号を発生する検出器とを備えること
を特徴とする単一光子生成装置。 - 【請求項4】 ポンプ光源と、ポンプ光源からの光が入
射すると、1対のパラメトリック蛍光光子対を発生する
非線形結晶と、非線形結晶からのパラメトリック蛍光の
波長を選択する波長選択部と、波長選択されたパラメト
リック蛍光の光子対のうちの一方を検出して射出信号を
発生する検出器とを備えることを特徴とする単一光子生
成装置。 - 【請求項5】 前記単一光子生成部として請求項3記載
の単一光子生成装置を用いることを特徴とする請求項1
記載の量子演算装置。 - 【請求項6】 前記演算部において、1つまたは複数の
ビームスプリッタおよびミラーを備え、単一光子をそれ
ぞれ互いに独立した位置の複数の経路に導くことを特徴
とする請求項第1項記載の量子演算装置。 - 【請求項7】 前記演算部において、単一光子を連続し
た複数の経路に導くことを特徴としする請求項第1項記
載の量子演算装置。 - 【請求項8】 前記演算部において、分配された光子の
偏光を制御する偏光制御素子と光子の偏光によって光子
の位相を制御する位相制御素子とを備えることを特徴と
する請求項第1項記載の量子演算装置 - 【請求項9】 前記偏光制御素子として、電気光学効果
素子を用いることを特徴とする請求項第8項記載の量子
演算装置。 - 【請求項10】 前記演算部において、分配された単一
光子の偏光を外部からの制御により回転する偏光制御素
子と、偏光状態にしたがい位相を変える位相制御素子
と、光子を反射する反射器とを備え、偏光制御素子、位
相制御素子を通過した分配された単一光子が、反射器に
より反射され、再び同じ偏光制御素子を通ることを特徴
とする請求項第8項記載の量子演算装置。 - 【請求項11】 前記演算部において、偏光状態により
光子の経路を異ならせる分配器と、偏光制御素子とを備
え、偏光状態に従って分かれたそれぞれの経路で別々に
偏光を回転させ、再び合流させることにより、偏光を一
つの状態に揃える偏光統合装置を備えることを特徴とす
る請求項第8項記載の量子演算装置。 - 【請求項12】 前記演算部において、分配された単一
光子波動関数の位置についてのフーリエ変換を行う偏光
制御素子およびレンズを備えることを特徴とする請求項
第1項記載の量子演算装置 - 【請求項13】 単一光子を射出し、射出にともない信
号を発生する単一光子生成部と、外部からの制御により
単一光子の偏光を制御し送信する送信部と、送信された
単一光子の偏光方向を検出する受信部と、受信部からの
信号と、単一光子生成部からの射出信号を受ける同時計
数部とを備えることを特徴とする量子暗号装置。 - 【請求項14】 請求項13項における単一光子生成部
として、請求項3記載の単一光子生成装置を備えること
を特徴とする量子暗号装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7252991A JPH0996845A (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 量子演算装置および量子暗号装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7252991A JPH0996845A (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 量子演算装置および量子暗号装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0996845A true JPH0996845A (ja) | 1997-04-08 |
Family
ID=17244987
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7252991A Pending JPH0996845A (ja) | 1995-09-29 | 1995-09-29 | 量子演算装置および量子暗号装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0996845A (ja) |
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