JP3841211B2 - ヒンジ及びそれを用いた画像入出力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はヒンジ及びそれを用いた画像入出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像入出力装置として、プリンタと画像読み取り装置としてのイメージスキャナとを一体化した所謂複合機が知られている。こうした複合機の中には、イメージスキャナを収容するスキャナハウジングを開閉体とし、プリンタを収容するプリンタハウジングを本体として両者をヒンジで揺動自在に連結しているものが知られている。
【0003】
しかしながら、スキャナハウジングとプリンタハウジングとを揺動自在に連結した複合機の場合、イメージスキャナを収容するためスキャナハウジングの重量が重く、スキャナハウジングが自重により急激に閉方向に落下して手を挟むなどの事故が起きる危険性がある。このため、従来は制動機構を備えるヒンジを用いてスキャナハウジングとプリンタハウジングとを連結している(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
図9は従来のヒンジ5を示す図である。ヒンジ5では、固定側ヒンジ体52の上端縁が軸孔中心を円弧中心とする凸円弧縁として形成され、凸円弧縁の円周方向に小さい突子53が設けられている。また、可動側ヒンジ体54には軸孔中心を円弧中心とする凹円弧面が形成され、その凹円弧面に隆起段部55が形成されている。ヒンジ5によると、可動側ヒンジ体54を閉じる途上で隆起段部55が突子53の上に乗り上がるため、隆起段部55と突子53との間に所定の摩擦力を生じさせることができる。ヒンジ5はその摩擦力を利用して開閉体の閉じ回動を制動している。従ってヒンジ5によると、重い開閉体の閉じ過程での急激な落下を防止できる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−98839号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ヒンジ5では、突子53と隆起段部55とを摺接させるため、図9に示すように可動側ヒンジ体54に固定側ヒンジ体52の上端縁を覆う部分51を設ける必要がある。更に、外周縁を覆う部分51は突子53から強い力を受けるため、強度を持たせるよう大きくしなければならない。このためヒンジ5では、その分、形状が大きくなるという問題がある。
【0007】
また、ヒンジ5では、開閉体が更に重くなる場合、形状をより大きくしなければならないという問題がある。具体的には、開閉体が更に重くなればより大きな摩擦力が必要になる。ヒンジ5では、ヒンジの大きさを変えずに摩擦力だけを大きくしようとすると突子53の摩耗による劣化が早くなる。このため、より重い開閉体を制動するには、摩擦力の大きさを変えることなくより大きな開方向のモーメントが得られるよう突子53と軸孔中心との距離を長くする必要がある。従って形状を大きくしなければならない。ここで開方向のモーメントとは、プリンタハウジングからスキャナハウジングを離間させる方向に作用する回転力のことをいう。
【0008】
本発明は、かかる問題に鑑みて創作されたものであって、閉じ過程での開閉体の急激な落下を防止しつつ、形状を小型化できるヒンジ及びそれを用いた画像入出力装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のヒンジは、本体又は開閉体の一方に取り付けられる筒状のケースと、前記本体又は前記開閉体の他方に取り付けられ、前記ケースの互いに向き合う側壁端部に回動自在に支持され、カム部を有する回動体と、前記ケースに往復移動自在に収容され、前記回動体が回動すると前記カム部と摺接する斜面を有するくさび体と、前記ケースに収容され、前記くさび体を回動体側に付勢する弾性部材と、前記ケースの内壁の前記回動体の回動軸よりくさび体側に形成され、前記回動軸とほぼ平行な線分の平行移動軌跡に相当する凹に湾曲した摺接面と、前記回動体に形成され、前記回動体が回動すると前記摺接面と摺接する摺接部であって、前記カム部の先端部近傍に形成されている摺接部と、を備える。このヒンジによると、弾性部材によりくさび体を回動体側へ付勢することで開閉体に開方向のモーメントを作用させる他、摺接部が摺接面に摺接することで生じる摩擦力により、開閉体の閉じ回動時に閉方向のモーメントに抗する開方向のモーメントを作用させることができる。これにより開閉体の閉方向への急激な落下を防止できる。更に、このヒンジではケース内部において摺接部と摺接面とが摺接して制動に必要な摩擦力を生じているため、摩擦力を生じるために回動体にケースの開口部側上端縁を覆う部分を設ける必要がない。よってこのヒンジによると、その分、小型化できる。
更に、請求項1に記載のヒンジによると、摺接部をカム部の先端部近傍に形成しているので、摺接部と回動体の回動軸との距離を長くできる。距離を長くすると同じ摩擦力で開閉体の開方向のモーメントを増大させることができる。従って、摺接部と回動軸との距離が短いヒンジに比べてより重量の重い開閉体を制動できる。逆にいえば、摺接部と回動軸との距離が短いヒンジに比べて小型のヒンジで同じ重量の開閉体を制動できる。よってこのヒンジによると、形状を更に小型化できる。
【0010】
請求項2に記載のヒンジは、本体又は開閉体の一方に取り付けられる筒状のケースと、前記本体又は前記開閉体の他方に取り付けられ、前記ケースの互いに向き合う側壁端部に回動自在に支持され、カム部を有する回動体と、前記ケースに往復移動自在に収容され、前記回動体が回動すると前記カム部と摺接する斜面を有するくさび体と、前記ケースに収容され、前記くさび体を回動体側に付勢する弾性部材と、前記ケースの内壁の前記回動体の回動軸よりくさび体側に形成され、前記回動軸とほぼ平行な線分の平行移動軌跡に相当する凹に湾曲した摺接面と、前記回動体に形成され、前記回動体が回動すると前記摺接面と摺接する摺接部と、を備え、前記摺接部と前記摺接面との間に生じる摩擦力が前記回動体の回動角度に応じて変動するように前記回動軸から前記摺接面上の任意の点までの距離が変動している。このヒンジによると、弾性部材によりくさび体を回動体側へ付勢することで開閉体に開方向のモーメントを作用させる他、摺接部が摺接面に摺接することで生じる摩擦力により、開閉体の閉じ回動時に閉方向のモーメントに抗する開方向のモーメントを作用させることができる。これにより開閉体の閉方向への急激な落下を防止できる。更に、このヒンジではケース内部において摺接部と摺接面とが摺接して制動に必要な摩擦力を生じているため、摩擦力を生じるために回動体にケースの開口部側上端縁を覆う部分を設ける必要がない。よってこのヒンジによると、その分、小型化できる。
更に、請求項2に記載のヒンジによると、開閉体の角度に応じて摩擦力を変動させることができる。
【0011】
請求項3に記載のヒンジのくさび体は、ケースに圧入されていることを特徴とする。このヒンジによると、開閉体を閉じるとき、くさび体とケースとの間に生じる摩擦力がカム部を介して回動体に開方向のモーメントを与え、それにより開閉体の閉方向への急激な落下を更に防止できる。
【0012】
請求項4に記載のヒンジの摺接面と摺接部とは、開閉体が全閉姿勢のとき又は全開姿勢のとき圧接しないことを特徴とする。このヒンジによると、全閉姿勢のとき及び全開姿勢のときは摺接部が圧接されず弾性変形しないため、摺接部の無用な劣化を防止できる。
【0014】
請求項5に記載の画像入出力装置は、印刷手段を収容しているプリンタハウジングと、前記プリンタハウジングの上部に載置され画像読み取り手段を収容しているスキャナハウジングと、前記プリンタハウジングに前記スキャナハウジングを揺動自在に連結する請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒンジと、を備える。この画像入出力装置によると、閉じ過程でのスキャナハウジングの急激な落下を防止しつつ、スキャナハウジングとプリンタハウジングとを小型のヒンジで連結できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の一実施例によるヒンジ1を用いた画像入出力装置としての複合機4を示す模式図である。複合機4は、画像読み取り手段としての走査部30と、印刷手段としての印刷部20とを備えている。走査部30はイメージスキャナとして画像の読み取り入力機能を実現し、印刷部20はプリンタとして画像の印刷出力機能を実現する。更に複合機4は、走査部30で読み取った画像を印刷部20で印刷することにより電子複写機としての機能も実現する。
【0016】
開閉体としてのスキャナハウジング3は、走査部30を収容している。スキャナハウジング3は樹脂等で箱形に形成され、プリンタハウジング2とは反対側に原稿台39を備え、所謂フラットベッド型のスキャナを構成している。スキャナハウジング3の外部には、原稿台39の盤面を覆う原稿台カバー32が揺動可能に装着されている。走査部30は、キャリッジ38、光源34、ミラー35、レンズ36、リニアイメージセンサ37などで構成されている。キャリッジ38は、原稿台39の盤面と平行な水平方向に往復移動可能に設けられ、光源34、ミラー35及びレンズ36からなる光学系とリニアイメージセンサ37とをA方向に運搬する。破線で示すように、光学系は光源34により照射された被写体Mの反射光像をミラー35及びレンズ36でリニアイメージセンサ37に結像する。
【0017】
本体としてのプリンタハウジング2は、印刷部20を収容している。プリンタハウジング2は樹脂等で箱形に形成され、天板25側においてスキャナハウジング3を揺動可能に支持している。これによりスキャナハウジング3はプリンタハウジング2の上部に載置される。印刷部20のキャリッジ22は水平方向に往復移動可能に設けられ、搭載した複数のカートリッジ23及び記録ヘッド24をB方向に運搬する。各カートリッジ23に収容されているインクは記録ヘッド24により印刷用紙Nに滴状に噴射される。印刷部20の搬送機構26は、プリンタハウジング2の図示しない給紙口に供給された印刷用紙Nを所定の印刷位置まで搬送する。さらに搬送機構26は、記録ヘッド24により画像を印刷された印刷用紙Nをプリンタハウジング2の図示しない排紙口から排出する。
【0018】
制御部40は、ケーブル41を通じて入力されたリニアイメージセンサ37の出力信号に基づき被写体像を表す画像データを生成する。さらに制御部40は、生成した画像データに基づき搬送機構26及び記録ヘッド24の作動を制御することで、被写体像を表す画像を印刷用紙Nに印刷する。
【0019】
図3は、本発明の一実施例に係るヒンジ1を複合機4に取り付けた様子を拡大して示す図である。本実施例ではヒンジ1のケース14を複合機4の本体としてのプリンタハウジング2に取り付け、回動体11を開閉体としてのスキャナハウジング3に取り付けている。尚、ケース14をスキャナハウジング3に取り付け、回動体11をプリンタハウジング2に取り付けてもよい。
【0020】
図4は、ヒンジ1の構成を説明する図である。ヒンジ1は、回動体11、くさび体12、弾性部材としての圧縮コイルばね13、ケース14、金属シャフト15及び金属シャフト15の抜けを防止するリング部材16を備える。ケース14には圧縮コイルばね13、くさび体12の順で収容され、それらが収容された後に回動体11が金属シャフト15で回動自在にケース14に連結される。
【0021】
ケース14は、ポリアセタールなどを原料として有底筒状に形成され、開口部143を有している。ケース14は図3においてI−I線の断面が概ねロ字型に形成され、4つの側壁部を有している。4つの側壁部の互いに向き合う一対の側壁部141及び142の開口部143側の端部には金属シャフト15を貫設するための軸孔144及び145が形成されている。また、図示するようにケース14の軸孔144及び145が設けられていない壁部の一方は、回動体11を取り付けるため開口部から後述する摺接面までが取り除かれている。
【0022】
くさび体12は、後述するカム部112と摺接する斜面121を有し、ケース14に往復移動自在に収容される。くさび体12の底面は概ね矩形状であり、くさび体12は底面の縦横の幅がそれぞれケース14の側壁部の内壁面間の距離より長く形成されている。従って、くさび体12は組み付け時にケース14に圧入され、往復移動時にくさび体12とケース14の内壁面との間で摩擦力が生じる。
スキャナハウジング3を閉じる場合、その摩擦力は回動体11に開方向のモーメントを与える。
【0023】
図5は、図3におけるII−II線の断面のうち、開口部側の断面を示す断面図である。側壁部141及び142の回動軸心15aより反開口部側には、ケース14の内側に張り出す段差146がそれぞれ設けられ、開口部側を向く段差面149が形成されている。段差面149は図5に示すように側壁部141及び142の壁面にほぼ垂直に交差するよう形成されている。
【0024】
図1は、摺接部と摺接面とを示す断面図である。尚、図1はスキャナハウジング3が全閉姿勢のときのヒンジ1を表している。段差面149には図示するように段差148が形成されており、段差面149のうち段差148より右側の所定の高さだけ高くなっている面が摺接面147である。摺接面147は後述する摺接部113に摺接されて所定の摩擦力を生じさせるための面であり、回動軸としての金属シャフト15の回動軸心15aを円弧中心とする略凹円弧状に形成されている。すなわち摺接面147は、回動軸心15aとほぼ平行な線分の平行移動軌跡に相当する凹に湾曲した面として形成されている。摺接面147上の任意の点と回動軸心15aとの距離は一定ではなく、その距離は摺接部113と摺接面147との間に生じる摩擦力が回動体11の回動角度に応じて変動するよう設定されている。例えば、ある角度のときには摩擦力を小さくするよう距離が短く設定され、別のある角度のときには摩擦力を大きくするよう距離が長く設定されている。これにより角度に応じて摩擦力が変動する。例えば全開姿勢に近い角度のときに摩擦力が小さくなるよう設定すると、小さい閉じ操作力で閉じ操作を開始できる。
【0025】
回動体11は、ナイロンなどからなり、スキャナハウジング3の回動基端側に螺設されるL字状の取付基板部111、回動体11の系方向に突出するカム部112を有し、摺接面147に摺接する摺接部113及び金属シャフト15を貫通させる軸受け部114が形成されている。回動体11は金属シャフト15が軸受け部114を貫通することでケース14の互いに向き合う側壁部141及び142の端部に回動自在に支持される。尚、回動体11に端部から円柱状に突出する一対の軸部を設け、その軸部により側壁端部に回動自在に支持されるようにしてもよい。回動体11には、回動軸心15a方向の端部に、カム部112の先端部近傍までカム部112に沿って延びる摺接部113が形成されている。すなわち摺接部113はカム部112の先端部近傍に形成されている。摺接部113をカム部112の先端部近傍に形成すると、カム部112の基端側近傍に設ける場合に比べて同じ摩擦力で大きなモーメントを得ることができる。摺接部113の先端部は図示するように回動軸心15aを円弧中心とする略凸円弧状に形成されている。摺接部113は先端から回動軸心15aまでの距離が摺接面147上の任意の点から回動軸心15aまでの距離より長く形成されており、摺接部113は摺接面147に摺接するとき弾性変形して摺接面147上に乗り上がり、所定の摩擦力を生じる。
【0026】
尚、図1に示す全閉姿勢のとき及び図6に示す全開姿勢のときは、摺接部113と摺接面147とは圧接せず、摺接部113は弾性変形しない。全閉姿勢のとき及び全開姿勢のときに摺接部113を摺接面147に圧接させないと、摺接部113の無用な弾性疲労による劣化を防止できる。
【0027】
次に、くさび体12、圧縮コイルばね13及びカム部112の作動について説明する。
図7(A)はスキャナハウジング3が全閉姿勢のときのヒンジ1を示す図であり、図7(B)は全開姿勢のときのヒンジ1を示す図である。全閉姿勢ではスキャナハウジング3はプリンタハウジング2の上部に載置されて定位する。この状態のとき圧縮コイルばね13はカム部112によって反開口部側に圧縮されている。この状態から図7(B)に示す全開姿勢になるようスキャナハウジング3を開いていくと、その過程でくさび体12は圧縮コイルばね13により回動体11側へ付勢され、それにより斜面121がカム部112に摺接し、回動体11に開方向のモーメントが作用する。従って重いスキャナハウジング3であっても小さい開き操作力で軽快に開くことができる。逆に、スキャナハウジング3を閉じるときは開方向のモーメントは自重あるいは閉じ操作力による閉方向のモーメントに抗する力、すなわち制動力として作用するため、スキャナハウジング3の閉方向の急激な落下を防止できる。
【0028】
次に、摺接部113及び摺接面147の作動について説明する。
図8は全閉姿勢と全開姿勢との中間姿勢のときの摺接部113と摺接面147とを示す断面図である。スキャナハウジング3を全開姿勢から全閉姿勢に、あるいは全閉姿勢から全開姿勢にする過程では、摺接部113は図示するように弾性変形して段差148または角部150を乗り越えて摺接面147に乗り上がり、これにより摺接部113と摺接面147とが摺接する。これにより摺接面147と摺接部113との間に回転角度に応じた所定の摩擦力が生じる。全開姿勢から全閉姿勢にする場合、生じた摩擦力はスキャナハウジング3の閉方向のモーメントに抗する開方向のモーメントとして作用する。すなわちスキャナハウジング3の閉じ方向への落下に対する制動力として作用する。従って、スキャナハウジング3が所定の重量より重い場合、スキャナハウジング3は落下速度を落してゆっくり閉じる。これによりスキャナハウジング3の自重による急激な落下は防止され、スキャナハウジング3とプリンタハウジング2との間で手を挟むなどの事故を防ぐことができる。また、スキャナハウジング3が所定の重量より軽い場合、全開と全閉との間の任意の角度で停止する。
【0029】
以上説明した本発明の一実施例に係るヒンジ1は、圧縮コイルばね13によりくさび体12を回動体11側に付勢することでスキャナハウジング3に開方向のモーメントを作用させる他、摺接部113を摺接面147に摺接させることで生じる摩擦力により、スキャナハウジング3の閉じ回動時に閉方向のモーメントに抗する開方向のモーメントを作用させる。よってヒンジ1によると、スキャナハウジング3の閉方向への急激な落下を防止できる。
【0030】
更に、ヒンジ1では、ケース14内部において摺接部113と摺接面147とが摺接して制動に必要な摩擦力を生じているため、摩擦力を生じるために回動体11にケース14の開口部側上端縁を覆う部分を設ける必要がない。よってヒンジ1によると、従来のヒンジ5に比べて回動体11を小型化できる。従って、ヒンジ1の形状を小型化できる。
【0031】
更に、ヒンジ1では、摺接部113が図1に示すように反開口部側に延びているため、ケース14や回動体11の大きさを変えることなく摺接部113の長さのみを長くすることできる。このため、ヒンジ1の大きさがヒンジ5と概ね同じ大きさである場合、摺接部113と回動軸心15aとの距離を、ヒンジ5の軸孔中心と突子53との距離より長くすることができる。よってヒンジ1によると、ヒンジ1の大きさがヒンジ5と概ね同じ大きさである場合、ヒンジ5より開方向のモーメントを大きくでき、ヒンジ5より重いスキャナハウジング3を制動できる。逆にいえば、小さな形状でヒンジ5と同じ重さのスキャナハウジング3を制動できる。従って、形状を小型化できる。
【0032】
更に、ヒンジ1によると、くさび体12とケース14の内壁面との間に生じる摩擦力により、スキャナハウジング3の閉じ回動時に回動体11に開方向のモーメントを与えるため、摺接部113や圧縮コイルばね13にかかる負担を緩和できる。よってヒンジ1によると、形状を更に小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るヒンジの全閉姿勢のときの摺接部と摺接面とを示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係るヒンジを用いた画像入出力装置の模式図である。
【図3】本発明の一実施例に係るヒンジを画像入出力装置に取り付けた様子を拡大して示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係るヒンジの構成を説明する図である。
【図5】本発明の一実施例に係るヒンジが備えるケースの側壁端部の断面図である。
【図6】本発明の一実施例に係るヒンジの全開姿勢のときの摺接部と摺接面とを示す断面図である。
【図7】(A)は本発明の一実施例に係るヒンジの全閉姿勢のとき断面図であり、(B)は全開姿勢のときの断面図である。
【図8】本発明の一実施例に係るヒンジの中間姿勢のときの摺接部と摺接面とを示す断面図である。
【図9】従来のヒンジを示す図である。
【符号の説明】
1 ヒンジ
4 複合機(画像入出力装置)
2 プリンタハウジング(本体)
3 スキャナハウジング(開閉体)
11 回動体
12 くさび体
13 圧縮コイルばね(弾性部材)
14 ケース
15a 回動軸心(回動軸)
15 金属シャフト
20 印刷部(印刷手段)
30 走査部(画像読み取り手段)
112 カム部
113 摺接部
121 斜面
147 摺接面
Claims (5)
- 本体又は開閉体の一方に取り付けられる筒状のケースと、
前記本体又は前記開閉体の他方に取り付けられ、前記ケースの互いに向き合う側壁端部に回動自在に支持され、カム部を有する回動体と、
前記ケースに往復移動自在に収容され、前記回動体が回動すると前記カム部と摺接する斜面を有するくさび体と、
前記ケースに収容され、前記くさび体を回動体側に付勢する弾性部材と、
前記ケースの内壁の前記回動体の回動軸よりくさび体側に形成され、前記回動軸とほぼ平行な線分の平行移動軌跡に相当する凹に湾曲した摺接面と、
前記回動体に形成され、前記回動体が回動すると前記摺接面と摺接する摺接部であって、前記カム部の先端部近傍に形成されている摺接部と、
を備えることを特徴とするヒンジ。 - 本体又は開閉体の一方に取り付けられる筒状のケースと、
前記本体又は前記開閉体の他方に取り付けられ、前記ケースの互いに向き合う側壁端部に回動自在に支持され、カム部を有する回動体と、
前記ケースに往復移動自在に収容され、前記回動体が回動すると前記カム部と摺接する斜面を有するくさび体と、
前記ケースに収容され、前記くさび体を回動体側に付勢する弾性部材と、
前記ケースの内壁の前記回動体の回動軸よりくさび体側に形成され、前記回動軸とほぼ平行な線分の平行移動軌跡に相当する凹に湾曲した摺接面と、
前記回動体に形成され、前記回動体が回動すると前記摺接面と摺接する摺接部と、
を備え、
前記摺接部と前記摺接面との間に生じる摩擦力が前記回動体の回動角度に応じて変動するように前記回動軸から前記摺接面上の任意の点までの距離が変動していることを特徴とするヒンジ。 - 前記くさび体は、前記ケースに圧入されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒンジ。
- 前記摺接面と前記摺接部とは、前記開閉体が全閉姿勢のとき又は全開姿勢のとき圧接しないことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のヒンジ。
- 印刷手段を収容しているプリンタハウジングと、
前記プリンタハウジングの上部に載置され画像読み取り手段を収容しているスキャナハウジングと、
前記プリンタハウジングに前記スキャナハウジングを揺動自在に連結する請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒンジと、
を備えることを特徴とする画像入出力装置。
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