JP3840909B2 - 糊付け製本方法、糊付け製本装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成処理済みの用紙に対して、用紙側縁近傍に線状に糊を塗布し、用紙束の一側縁を表紙により覆って冊子を作製する糊付け製本方法、糊付け製本装置に関し、特に、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ等の画像形成装置に接続されたり、画像形成装置に適用可能な糊付け製本装置及び糊付け製本装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、及びこれらの複合機等の画像形成装置本体により画像が記録された用紙は、後処理として、例えば、孔あけ、ステイプル綴じ、中綴じ中折り、表紙付け、折り、スタンプ、糊付け製本等の種々の加工が施される。
【0003】
糊付け製本装置としては、
(1)糊吐出ノズルを用いて用紙に糊を吐出する装置、
(2)糊収容箱に糊車を設置し、該回転する糊車の外周に糊を付着させ、糊車の外周を用紙に接触させて接触転写する装置、
(3)ノズルよりホットメルト剤(熱融着剤)と加熱圧縮空気の混合体を吐出するホットメルト塗布装置、
(4)粘着性を有する糊が予め塗布されたテープを加熱しながら用紙束の一側縁に貼り付けるテープ貼り装置、
等が用いられている。
【0004】
特開平7−80377号公報に記載の糊付け方法及び装置は、糊吐出ノズルから吐出した糊に高圧空気を吹き付けて薄膜状にするものである。
【0005】
特表昭59−500907号公報に記載の製本装置は、第1の方向に搬送する用紙を、その搬送方向と直交する第2の搬送方向に偏向し、その後、走行する用紙の端部に線状に糊を塗布し、積載、整合後に加圧して製本するものである。
【0006】
背面テープ貼り製本方法としては、加熱時に粘着性を有する糊が予め塗布されたテープを加熱しながら貼り付けたり、水を含むと粘着性を有する糊が予め塗布されたテープを用いる方法が知られている。従来のテープ貼りの方式は、特開昭62−284795号公報、米国特許第4,985,729号、特開平3−151286号公報等に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の糊付け製本装置では、以下の課題がある。
【0008】
(1) 背面テープ貼りの方式では、テープを用紙束の背表紙に貼り付けた後、表表紙側と裏表紙側に畳むので、用紙の種類や用紙束の厚さ等に対して高信頼度でテープを貼り付け可能にすると、装置の構造が複雑になり大型化する。
【0009】
(2) 表表紙と裏表紙とを一体化した表紙により、用紙束をくるんで用紙束の背面を接着する方式では、用紙束の最大厚さに対応する表紙長さを必要とし、特殊の大型サイズの表紙を用い、表紙を接着した後に、用紙束からはみ出した余分の表紙部分を切断して除去する工程が必要になる。
【0010】
(3) 用紙束、表表紙、裏表紙を高速且つ、正確に整合して仕上がり品質の高い製本を作製する糊付け製本装置は、装置の構造が複雑になり大型化する。
【0011】
(4) 画像形成装置本体から高速で排出された用紙を糊付け製本するため、高速生産性を維持するためには、装置の構造が複雑になり大型化する。
【0012】
(5) ホットメルト塗布装置により熱接着されて作製された冊子は、再生紙として再利用する事が困難である。
【0013】
本発明は上記の各課題を解消して糊付け製本装置を改良し、用紙束の形成と表表紙、裏表紙の整合と接着を確実化して、製本の仕上がり品質の低下を防止し、高速処理の生産性を維持する糊付け製本方法、糊付け製本装置、及び糊付け製本装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の下記の方法及び装置により解決される。
【0015】
(1) 用紙束の表紙面側と裏表紙面側と背部とを、表表紙及び裏表紙により、くるんで糊付けして冊子を作製する糊付け製本方法において、前記表表紙は前記用紙束の表紙面側と背部と裏表紙面側の一部に回り込む大きさを有し、前記裏表紙は用紙束をなす用紙と同サイズの大きさを有し、前記表表紙における表紙面部と背表紙部との間を第1折り曲げ手段で折り曲げた後、前記表表紙の上に糊塗布処理された用紙を順次積載し、その後、前記表表紙を前記用紙束の裏表紙面側に第2折り曲げ手段で折り返し、前記表表紙の折り返し部上に前記裏表紙を接着した後、前記用紙束の糊塗布部を加圧して冊子を作製することを特徴とする糊付け製本方法。
【0016】
(2) 画像形成装置から排出された用紙の搬送中に糊吐出手段により用紙面上に線状の糊塗布部を形成し、糊塗布処理された用紙を用紙載置台に搬送して積載し、用紙間の糊塗布部を加圧して用紙束を形成する用紙束作製機能と、前記用紙載置台に表紙を搬送して整合し、第1折り曲げ手段によりほぼ直角に折り曲げ、その後、糊塗布処理された用紙を順次前記表紙に積載し、更に第2折り曲げ手段により前記表紙を折り返して前記用紙束の背部をくるんで接着して冊子を作製するくるみ製本作製機能と、を有することを特徴とする糊付け製本装置。
【0017】
(3) 本発明の画像形成装置は、画像書き込み手段、画像形成手段、用紙搬送手段から成る画像形成装置本体と、前記(2)に記載の糊付け製本装置とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の糊付け製本装置、及び糊付け製本装置を備えた画像形成装置を図面に基づいて説明する。
【0019】
[画像形成装置の一実施形態]
図1は画像形成装置本体A、画像読み取り装置B、糊付け製本装置Cから成る画像形成システムの全体構成図である。
【0020】
画像形成装置本体Aは、回転する像担持体(以下、感光体と称す)1の周囲に、帯電手段2、像露光手段(書き込み手段)3、現像手段4、転写手段5A、除電手段5B、分離爪5C、及びクリーニング手段6を配置し、帯電手段2によって感光体1の表面に一様帯電を行った後に、像露光手段3のレーザビームによって原稿から読み取られた画像データに基づく露光走査を行って潜像を形成し、該潜像を現像手段4により反転現像して感光体1の表面にトナー像を形成する。
【0021】
一方、用紙収納手段7Aから給紙された転写紙(以下、用紙と称す)Sは転写位置へと送られる。転写位置において転写手段5Aにより前記トナー像が用紙S上に転写される。その後に、用紙Sは除電手段5Bにより裏面の電荷が消去され、分離爪5Cにより感光体1から分離され、中間搬送部7Bにより搬送され、引き続き定着手段8により加熱定着され、排紙ローラ7Cにより排出される。
【0022】
用紙Sの両面に画像形成を行う場合には、定着手段8により加熱定着された用紙Sを、搬送路切り替え板7Dにより通常の排紙通路から分岐し、反転搬送7Eにおいてスイッチバックして表裏反転した後、排紙ローラ7Cにより装置外に排出される。排紙ローラ7Cから排出された用紙Sは、糊付け製本装置Cの受入部11に送り込まれる。
【0023】
一方、感光体1の画像処理後の表面は、分離爪5Cの下流においてクリーニング手段6により表面に残留している現像剤が除去され、次の画像形成に備える。
【0024】
画像形成装置本体Aの上部には、原稿移動型読み取り方式の自動原稿送り装置を備えた画像読み取り装置Bが設置されている。
【0025】
[糊付け製本装置態]
糊付け製本装置Cは、最上段の排紙手段10、その下方の水平搬送手段20、方向変換搬送手段30、用紙収納部40、排出手段50、排紙手段60、表表紙紙給紙手段70A、裏表紙給紙手段70Bから成る用紙搬送装置、及び第1糊吐出手段80A、糊供給装置89から成る糊塗布装置から構成されている。
【0026】
[用紙束作製機能]
図2は糊付け製本装置Cの正面断面図である。
【0027】
受入部11に導入された用紙Sは、切り換え板12により、上部の排紙手段10と水平搬送手段20との何れかに選択される。
【0028】
排紙手段10に導入された用紙Sは、上方に搬送され、搬送ローラ13,14に挟持されて排出ローラ15により固定排紙皿16上に排出される。
【0029】
シフト処理又はノンソート大量排紙の搬送モードに設定されると、切り替え板12は排紙手段10の搬送路を閉鎖し、水平搬送手段20の搬送路を開放し用紙Sの通過を可能にする。水平搬送手段20に導入された用紙Sは、搬送ローラ21,22,23,24に挟持されて搬送され、糊塗布処理を行わない用紙Sは図示しないシフト手段を経て排出ローラ61により挟持されて、第1の排出口62から機外の昇降排紙皿63上に排出される。昇降排紙皿63上には、例えば、最大3000枚の大量の用紙Sを積載する事が可能である。
【0030】
・(糊塗布処理の用紙搬送)
図3は糊付け製本装置Cの側面図、図4は平面図である。図5及び図6は糊塗布処理時の用紙搬送経路と糊塗布処理を説明する模式斜視図である。
【0031】
・方向変換搬送手段30による用紙の直交Uターン搬送
糊付け製本処理のモードに設定されると、画像形成装置本体Aから排出される用紙Sは、モータM1により駆動回転される搬送ローラ21〜24により挟持されて搬送される。用紙Sの先端部が位置決め部材25に当接すると、用紙Sの曲がりが修正され、搬送方向に位置決めが行われる(図2、図4〜図6の矢示方向の第1搬送路X1)。その後、モータM1の駆動が停止され、図示されていない駆動手段により搬送ローラ21〜24の各上ローラが用紙面から上方に待避して圧接が解除される。
【0032】
更に、用紙SはモータM2により駆動回転される搬送ローラ31,32に挟持されて、90度偏向された搬送方向に搬送される(図3〜図6の矢示方向の第2搬送路Y1)。用紙Sは引き続き搬送ローラ33,34により挟持されてUターン搬送され用紙収納部40に送り込まれる(図3〜図6の矢示方向の第3搬送路Z)。
【0033】
・(用紙Sへの糊塗布処理)
第1糊吐出手段80Aは、搬送ローラ31〜34により第2搬送路Y1から第3搬送路Zに走行する用紙Sの一方の側縁部に線状又は断続する破線状に糊を吐出して、用紙Sの上面に糊塗布部Nを形成する(図8参照)。
【0034】
図7は第1糊吐出手段80Aの断面図である。
第1糊吐出手段80Aは、糊を吐出する開口部81aを有するノズル部材81、開口部81aを開閉する移動可能なニードル部材(以下、ニードルと称す)82、ニードル82を移動可能に収容するケーシング83、ニードル82を移動可能に駆動するソレノイドSL等から構成されている。
【0035】
復帰バネ85は、第1糊吐出手段80Aの筐体84の底部と、フランジ部82bの上面との間に嵌挿され、ニードル82を下方に押圧している。ソレノイドSLの非作動時には、復帰バネ85によりニードル82の先端部82aはノズル部材81の開口部81aを閉止している。
【0036】
ソレノイドSLに電圧を印加すると、プランジャSLaが上方に移動され、プランジャSLaに直結するニードル82が引き上げられ、ノズル部材81の開口部81aを開放し、糊吐出を可能にする。
【0037】
ケーシング83の側面には入口部材87が固定され、後述の糊供給装置89から供給された糊を供給管88を経て糊収容室83a内に導入する。
【0038】
図8は、用紙Sの側縁部近傍に形成された各種糊塗布部を示す平面図である。図8(a)は連続する直線状の糊塗布部N1を示す。図8(b)は所定の長さと間隔を有して断続する破線状の糊塗布部N2を示す。図8(c)は所定の間隔を有して断続する点線状の糊塗布部N3を示す。図8(d)は用紙Sの短辺側に形成された直線状の糊塗布部N4を示す。
【0039】
直線状の糊塗布部N1,N4は、用紙Sの側縁部近傍の全長にわたって、用紙間を強固に接着するから、冊子の耐久性があり、仕上がり品質も良い。破線状の糊塗布部N2、点線状の糊塗布部N3は、何れも接着剤塗布面積が小さいから、用紙間の接着力が糊塗布部N1,N4よりは弱く、引っ張り強度がやや低いが、糊塗布処理後の用紙の波打ちの発生が少ない。また、用紙間の接着力が弱いから、接着処理後に用紙を簡単に剥離させることが可能である。従って、用紙間を仮止め接着した後に、用紙間を分離して、用紙Sの並び替え、除去、挿入等の操作を、用紙Sを損傷することなく容易に行うことができるから、簡易資料の配付に適している。
【0040】
本発明の実施の形態で使用される糊は、水溶性の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン糊で、粘度は常温で750〜1500mPa・sである。この水溶性の糊により接着された冊子は、再生紙として再利用可能である。
【0041】
・(用紙Sの積載、整合、加圧処理)(図3、図5参照)
1枚目の糊塗布処理されない用紙Sは、駆動回転される搬送ローラ33,34によって挟持搬送されて第4搬送路Y2に搬送され、用紙載置台41上に載置される。後続の2枚目以降の糊塗布処理された用紙Sは、搬送ローラ33,34により挟持搬送されて第4搬送路Y2に搬送され、用紙載置台41上の先行の用紙S上に積載される。
【0042】
即ち、搬送ローラ34により挟持搬送された用紙Sの先端部は、回動する無端状ベルト42に保持された把持手段(グリッパ)43に把持されて、用紙載置台41の上方を第4搬送路Y2に搬送される。移動する把持手段43に保持された加圧手段44は、用紙載置台41上に載置された先行の用紙束の糊塗布部N形成面の背面側を加圧して移動し、用紙間の接着を確実にする。把持手段43に把持された用紙Sの先端部は、先端ストッパ45に当接して、先端揃えされる。先端ストッパ45は図示しない駆動手段により移動可能であり、用紙Sのサイズ設定により所定位置に停止する。用紙Sの後端部は、移動可能に駆動される用紙整合押圧手段46により、用紙後端部の整合及び用紙後端上面部の押圧が行われる。用紙Sの両側端部は、幅整合手段47により位置決めされる。なお、用紙Sの先端部、後端部、両側端部の整合、位置決めは、加圧手段44による加圧処理の前に行う。加圧手段44による用紙Sの加圧処理は、2枚目以降の用紙Sが用紙載置台41上に載置される都度行っても良い。又は、用紙Sが複数枚積載される毎に加圧処理を行ってもよい。
【0043】
以上の工程により糊付け処理された1冊の製本が完成する。この糊付け製本装置Cでは、例えば、最大200枚の用紙Sを糊付け処理して製本化する事ができる。
【0044】
・(排紙)
用紙載置台41の用紙積載面の一部には、駆動ローラ51と従動ローラ52に巻回された複数本の排出ベルト53が回動可能に配置されている。
【0045】
最終枚目の用紙Sが用紙載置台41上に積載され、加圧処理されて、糊付け製本された冊子は、モータM3により回動される排出ベルト53の排出爪53aにより冊子の後端部を保持されて、用紙載置台41の載置面上を滑走して、排紙手段60の第2の排出口65に設けた排出ローラ64に挟持されて、昇降排紙皿63上に排出、積載される(矢示方向の第5搬送路X2)。この排紙処理に先立って、加圧手段44及び幅整合手段47を図示しない駆動手段により搬送路の上方に待避させておく。
【0046】
昇降排紙皿63には、第1の排出口62から排出された糊塗布処理されない用紙Sと、第2の排出口65から排出された糊塗布処理された冊子とが積載可能であり、昇降駆動により大量の用紙S及び冊子を収容する事ができる。
【0047】
[くるみ製本作製機能]
本発明の糊付け製本装置Cは、用紙間を糊付け製本する用紙束作製機能と、用紙束Saの表裏面に表表紙と裏表紙を接着して糊付け製本するくるみ製本作製機能とを有する。
【0048】
くるみ製本作製機能の機構は、図6に示すように、折り目付けローラ91、第2糊吐出手段80B、表表紙給紙手段70A、裏表紙給紙手段70Bを備える。
【0049】
折り目付けローラ91は、第2搬送路Y1の下流側に設けられ、搬送される表表紙Kaに第1の折り目aを付けて、緩いV字型に折り曲げ、用紙Sと同一サイズの表紙面部bと、背表紙部cを形成する。
【0050】
第2糊吐出手段80Bは、第1糊吐出手段80Aと同一の構造をなす。第2糊吐出手段80Bは、第1糊吐出手段80Aの下方で、第4搬送路Y2の上流側に設けられ、用紙束Saを形成する最終用紙Snの上面(裏面側)の側縁部近傍に用紙搬送中に糊塗布部Naを形成する(図15参照)。従って、最終用紙Snの側縁部近傍には、第1糊吐出手段80Aによる用紙表面側の糊塗布部Nと、第2糊吐出手段80Bによる用紙裏面側の糊塗布部Naとが形成される。
【0051】
図2に示す上段の表表紙給紙手段70Aは、表表紙Kaを収容する給紙カセット71A、給紙部72Aから構成されている。給紙部72Aにより給紙カセット71Aから給紙された1枚の表表紙Kaは、搬送ローラ73,74を通過し、水平搬送手段20、方向変換搬送手段30を経て、折り目付けローラ91により第1の折り目aが付けられて用紙収納部40に送り込まれる。
【0052】
図2に示す下段の裏表紙給紙手段70Bは、裏表紙Kbを収容する給紙カセット71B、給紙部72Bから構成されている。給紙部72Bにより給紙カセット71Bから給紙された1枚の裏表紙Kbは、搬送ローラ73,74を通過し、水平搬送手段20に送り込まれ、方向変換搬送手段30を経て、用紙収納部40に送り込まれ、用紙束Saの上面に重ねられて糊付け製本される。
【0053】
図9は、表表紙Kaと裏表紙Kbを用紙束Saへ糊付けくるみ製本する過程を示す斜視図、図10〜図14は、糊付け製本装置による糊付けくるみ製本作製過程の詳細を示す斜視図である。
【0054】
(1) 搬送ローラ32により第2搬送路Y1方向に搬送される表表紙Kaは、一対の折り目付けローラ91により第1の折り目aが付けられて、緩いV字型に折り曲げられ、用紙Sと同一サイズの表紙面部bと、背表紙部cを形成する。折り曲げられた表表紙Kaは、第3搬送路Z方向に送られ、更に、第4搬送路Y2方向に送られる(図10(a),(b)参照)。
【0055】
折り曲げられた表表紙Kaは、第3搬送路Z、第4搬送路Y2に沿って反転搬送され、背表紙部cを上側にして用紙載置台41上に搬送され、用紙整合押圧手段46により幅方向が規制されて、先端ストッパ45に当接して停止する(図10(c)、図9(1)参照)。
【0056】
(2) 用紙載置台41の上方の待避位置に支持された背折り支持板92が下降して、用紙載置台41上に載置された表表紙Kaの表紙面部bの第1の折り目aの近傍を垂直に押圧して支持する。次に、用紙載置台41の下方の待避位置に支持された第1折り曲げ手段93が背折り支持板92の背面側に近接して上昇し、背表紙部cを加圧して、緩く折り曲げられた背表紙部cを、第1の折り目aに沿ってほぼ直角に折り曲げる(図11(a)、図9(2)参照)。
【0057】
(3) 表表紙Kaの直角折り曲げ後に、背折り支持板92が上昇し待避位置に停止し、ほぼ同時に、用紙整合押圧手段46も整合位置から待避し、後続の用紙Sの受け入れを可能にする。糊塗布部Nを形成した後続の用紙Sは、表表紙Kaと同様な搬送路を通過して、糊塗布部Nを下側にして用紙収納部40に搬送される。用紙Sの先端部は、先端ストッパ45に当接して停止し、用紙Sは、表表紙Kaの表紙面部bの上面に載置される。用紙整合押圧手段46は用紙Sが表表紙Kaの上面に載置される都度、用紙搬送方向に直交する方向に移動して、用紙Sの側端部を押圧して、表表紙Kaの背表紙部cに突き当てて、用紙Sの幅揃えを行う(図11(b)、図9(3)参照)。
【0058】
(4) 後続の2枚目以降の糊塗布処理された用紙Sは、用紙載置台41上の先行の用紙S上に積載され、用紙整合押圧手段46により用紙幅方向整合される。下降して走行する加圧手段44は、用紙Sの糊塗布部Nの背面側が順次加圧され、用紙束Saを形成する(図12(a)、図9(4)参照)。
【0059】
加圧手段44による用紙Sの加圧処理は、2枚目以降の用紙Sが用紙載置台41上に載置される都度行っても良い。又は、用紙Sが複数枚積載される毎に加圧処理を行ってもよい。
【0060】
図15は、用紙載置台41上に積載される用紙Sの部分拡大断面図である。糊塗布部Nを形成した用紙Sは、先行の表表紙Ka又は用紙S上に積載され用紙幅方向整合時に、用紙Sの糊付けされた側端部と、表表紙Kaの背表紙部cとが接着され、且つ、表表紙Kaと用紙S、及び用紙間が糊塗布部Nにより接着される。
【0061】
(5) 図15において、最終用紙Snの側縁部近傍には、第1糊吐出手段80Aによる用紙表面側の糊塗布部Nと、第2糊吐出手段80Bによる用紙裏面側の糊塗布部Naとが形成された後、先行の用紙S上に積載され、用紙幅方向整合時に、最終用紙Snの糊付けされた側端部と、表表紙Kaの背表紙部cとが接着され、表表紙Kaと用紙S、及び用紙間が糊塗布部Nにより接着される。
【0062】
最終用紙Snの1枚前の用紙Sn−1に対する整合、接着、加圧が終了した後、加圧手段44は最終用紙Snへの加圧を行わず、上方に待避する。最終用紙Snが用紙束Sa上に載置されて接着された後、第1折り曲げ手段93は下降し、その先端部が用紙束Saの最上面位置まで下降して停止する(図12(b)、図9(5)参照)。
【0063】
(6) 第2折り曲げ手段94が駆駆動手段により水平方向に前進して、表表紙Kaに第2の折り目dを形成して、直角に折り曲げ、折り返し部を形成する。(図12(c)、図9(6)参照)。
【0064】
(7) 第2折り曲げ手段94が後退して初期位置に待避し、背折り支持板92が下降し、表表紙Kaの折り返し部の上面側を加圧し、折り返し部を最終用紙Snの糊塗布部Naに接着する(図13(a)、図9(7)参照)。
【0065】
(8) 裏表紙Kbを用紙Sと同様にして搬送し、糊塗布部Nを下側にして用紙載置台41上に送り込み、用紙整合押圧手段46により裏表紙Kbの側端部を押圧して幅整合を行い、用紙束Saの最上層、及び表表紙Kaの折り返し部上に載置し、最終用紙Snの糊塗布部Naに接着する(図13(b)、図14(a)、図9(8)参照)。
【0066】
(9) 表表紙Kaの折り返し部と裏表紙Kbとの接合面の上面側を、加圧手段44により加圧して接着を強化する(図14(b)、図9(9)参照)。
【0067】
(10) 第1折り曲げ手段93を下降させ、下方の初期位置に待避させる。糊付け製本された用紙束Saは、回動する排出ベルト53の排出爪53aにより冊子後端部を保持されて、昇降排紙皿63上に排出、積載される(矢示方向の第5搬送路X2)。(図14(c)、図9(10)参照)。
【0068】
図16(a)は、くるみ製本の仕上がりを示す斜視図、図16(b)は、裏表紙を半開きにした状態のくるみ製本を示す斜視図である。
【0069】
なお、本発明の糊付け製本装置Cを独立した装置に形成し、他の画像形成装置により処理された用紙に対して糊付け製本を作製することも可能である。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の糊付け製本方法、糊付け製本装置及び画像形成装置により以下の効果が奏せられる。
【0071】
(1)本発明の請求項1〜6に記載の糊付け製本方法及び糊付け製本装置により、用紙間を接着して冊子を作製する用紙束作製機能と、表表紙と裏表紙と用紙束とを接着して冊子を作製するくるみ製本作製機能とを、一体化した構成の糊付け製本装置にする事により、装置の構成を簡素化し、高品質の冊子を作製する事ができる。
【0072】
(2)本発明の請求項7に記載の糊付け製本装置を備えた画像形成装置により、画像形成装置本体から高速で搬出された用紙に対して、画像形成装置本体の高速生産性を低下させることなく、糊付け製本装置により、安定した用紙搬送と均一な糊塗布部を形成する糊付け処理を行い、連続して自動的に製本化処理する事が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置本体、画像読み取り装置、糊付け製本装置から成る画像形成システムの全体構成図。
【図2】糊付け製本装置の正面断面図。
【図3】糊付け製本装置の側面図。
【図4】糊付け製本装置の平面図。
【図5】糊塗布処理時の用紙搬送経路と糊塗布処理を説明する模式斜視図。
【図6】糊塗布処理時の用紙搬送経路と糊塗布処理を説明する模式斜視図。
【図7】糊吐出手段の断面図。
【図8】用紙の側縁部近傍に形成された各種糊塗布部を示す平面図。
【図9】表表紙と裏表紙を用紙束へ糊付けくるみ製本する過程を示す斜視図。
【図10】糊付け製本装置による糊付けくるみ製本作製過程の詳細を示す斜視図。
【図11】糊付け製本装置による糊付けくるみ製本作製過程の詳細を示す斜視図。
【図12】糊付け製本装置による糊付けくるみ製本作製過程の詳細を示す斜視図。
【図13】糊付け製本装置による糊付けくるみ製本作製過程の詳細を示す斜視図。
【図14】糊付け製本装置による糊付けくるみ製本作製過程の詳細を示す斜視図。
【図15】用紙載置台上に積載される用紙の部分拡大断面図。
【図16】くるみ製本の仕上がりを示す斜視図、及び裏表紙を半開きにした状態のくるみ製本を示す斜視図。
【符号の説明】
41 用紙載置台
44 加圧手段
45 先端ストッパ
46 用紙整合押圧手段
47 幅整合手段
50 排出手段
60 排紙手段
70A 表表紙給紙手段
70B 裏表紙給紙手段
80A 第1糊吐出手段
80B 第2糊吐出手段
91 折り目付けローラ
92 背折り支持板
93 第1折り曲げ手段
94 第2折り曲げ手段
A 画像形成装置本体
C 糊付け製本装置
Ka 表表紙
Kb 裏表紙
N,N1,N2,N3,N4,Na 糊塗布部
S 転写紙(用紙)
Sa 用紙束
Sn 最終用紙
a 第1の折り目
d 第2の折り目
Claims (7)
- 用紙束の表紙面側と裏表紙面側と背部とを、表表紙及び裏表紙により、くるんで糊付けして冊子を作製する糊付け製本方法において、
前記表表紙は前記用紙束の表紙面側と背部と裏表紙面側の一部に回り込む大きさを有し、前記裏表紙は用紙束をなす用紙と同サイズの大きさを有し、
前記表表紙における表紙面部と背表紙部との間を第1折り曲げ手段で折り曲げた後、
前記表表紙の上に糊塗布処理された用紙を順次積載し、
その後、前記表表紙を前記用紙束の裏表紙面側に第2折り曲げ手段で折り返し、
前記表表紙の折り返し部上に前記裏表紙を接着した後、
前記用紙束の糊塗布部を加圧して冊子を作製することを特徴とする糊付け製本方法。 - 画像形成装置から排出された用紙の搬送中に糊吐出手段により用紙面上に線状の糊塗布部を形成し、糊塗布処理された用紙を用紙載置台に搬送して積載し、用紙間の糊塗布部を加圧して用紙束を形成する用紙束作製機能と、
前記用紙載置台に表紙を搬送して整合し、第1折り曲げ手段によりほぼ直角に折り曲げ、その後、糊塗布処理された用紙を順次前記表紙に積載し、更に第2折り曲げ手段により前記表紙を折り返して前記用紙束の背部をくるんで接着して冊子を作製するくるみ製本作製機能と、
を有することを特徴とする糊付け製本装置。 - 前記用紙束をくるんで接着する前記表紙は、前記用紙束の表紙面側を接着する表表紙と、前記用紙束の裏表紙面側を接着する裏表紙とから成ることを特徴とする請求項2に記載の糊付け製本装置。
- 前記表表紙は前記用紙束の表紙面側と背部と裏表紙面側の一部に回り込む大きさを有し、前記裏表紙は用紙束をなす用紙と同サイズの大きさを有することを特徴とする請求項3に記載の糊付け製本装置。
- 前記用紙載置台に積載される用紙束の各用紙は、線状の糊塗布部を下面にして前記表表紙上に積載され、最終の用紙は線状の糊塗布部が用紙の両面に形成されて積載されることを特徴とする請求項3または4に記載の糊付け製本装置。
- 前記用紙束の用紙間、前記表表紙、前記裏表紙を接着する糊は、水溶性の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン糊であることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の糊付け製本装置。
- 画像書き込み手段、画像形成手段、用紙搬送手段から成る画像形成装置本体と、請求項2〜6の何れか1項に記載の糊付け製本装置とを備えて成ることを特徴とする画像形成装置。
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