JP3840406B2 - ロールカーテン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロールカーテンに関する。さらに詳述すると、本発明はカーテン生地の交換が可能なロールカーテンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カーテン生地の交換が可能なロールカーテンとして、例えば特開平10−292756号公報に開示されたものがある。このロールカーテンでは、図14に示すように、スライダ101を図示しないガイドレールに沿って上げ下げすることでカーテン生地102を図示しない巻き取りローラで巻き取ったり、カーテン生地102を巻き取りローラから引き出している。
【0003】
スライダ101は、ガイドレールに案内されて移動するスライダ本体103と、カーテン生地102が取り付けられる着脱体104と、着脱体104をスライダ本体103に係止する係止片105を備えている。スライダ本体103と着脱体104には孔106,107が形成されており、これらの孔106,107に係止片105を挿入することで着脱体104とスライダ本体103を一体化させている。係止片105には爪108が形成されており、当該爪108をスライダ本体103の内側に引っ掛けることで係止片105の脱落が防止されている。また、係止片105はねじ109によっても脱落が防止されている。
【0004】
カーテン生地102を交換する場合には、ねじ109を外して係止片105を各孔106,107から引き抜き、着脱体104をスライダ本体103から取り外す。そして、スライダ本体103を図示しない内パネルの裏側に残したまま、着脱体104を傾けて窓枠に通し内パネルの裏側から取り出す。着脱体104にはカーテン生地102の下端縁102aが取り付けられているので、カーテン生地102の下端縁102aも一緒に内パネルの裏側から取り出される。この状態でカーテン生地102の下端縁102aを着脱体104から取り外すことで、内パネルの手前側でカーテン生地102の交換作業を行うことができる。
【0005】
カーテン生地102を取り替えた後、着脱体104を傾けて窓枠に通し内パネルの裏側に戻す。そして、着脱体104をスライダ本体103に被せた後、係止片105を各孔106,107に挿入して着脱体104とスライダ本体103を一体化させねじ109で固定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のロールカーテンでは、スライダ101のスライダ本体103と着脱体104とを係止片105によって一体化させており、しかも係止片105の脱落を防止するためにねじ109を取り付けているので、構成部品の点数が多くなり、また、着脱体104の取り外し作業や取付作業が煩雑になっていた。これらのため製造コストが増加し、また、作業性に劣っていた。
【0007】
本発明は、構成部品の点数を減少させることができると共に、簡単な作業で着脱体の取り付け・取り外しを行うことが可能なロールカーテンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明は、窓枠を形成するパネルに隠されてカーテン生地を巻き取る巻き取りローラと、パネルに隠されてカーテン引き出し方向に対向配置される一対のガイドレールと、ガイドレールに沿って窓枠内を移動しカーテン生地の先端を引き出すスライダとを備え、カーテン生地をスライダの移動によって引き出すロールカーテンにおいて、スライダは、両端がガイドレールに案内されて移動するスライダ本体と、カーテン生地の先端縁が取り付けられた着脱体と、スライダ本体に着脱体を係止する係止手段と、スライダ本体と着脱体との間に配置され係止手段の係止が強くなる方向に弾性力を発揮する弾性部材を有し、係止手段は弾性部材の弾性力を受けて着脱体をスライダ本体に係止し且つ弾性部材の弾性力に抗して着脱体をスライダ本体に対して所定距離ずらした状態で係止を解くものである。
【0009】
したがって、着脱体をスライダ本体に取り付けると弾性部材の弾性力が係止手段を係止させる方向に作用し、スライダ本体と着脱体を一体化する。着脱体をスライダ本体から取り外す場合には、弾性部材の弾性力に抗して着脱体をスライダ本体に対してずらせば良い。着脱体を所定距離ずらすことで係止手段の係止が解かれ、着脱体をスライダ本体から取り外すことが可能になる。また、着脱体をスライダ本体に取り付けこれらを一体化する場合には、弾性部材の弾性力に抗して着脱体をスライダ本体に取り付ければ良い。着脱体をスライダ本体の所定位置に取り付けることで係止手段が弾性部材の弾性力を受けて着脱体をスライダ本体に係止し、着脱体とスライダ本体が一体化される。
【0010】
また、請求項2記載のロールカーテンは、着脱体がスライダ本体に対して所定距離を越えてずれると着脱体をスライダ本体から押し離す離間手段を備えている。
【0011】
したがって、着脱体をずらしてスライダ本体との係止を解いた後、さらに着脱体をずらすと、離間手段によって着脱体がスライダ本体から押し離されて外される。また、この状態では係止手段の位置関係がずれているので、弾性部材の弾性力によって着脱体が押し戻されたとしても、再び着脱体が係止手段によってスライダ本体に係止されることはない。
【0012】
さらに、請求項3記載のロールカーテンは、着脱体のスライダ本体に対するずれを阻止する外れ防止手段を備えている。
【0013】
したがって、外れ防止手段が働いている場合には着脱体がスライダ本体に対してずれることがなく、着脱体がスライダ本体から外れることがない。一方、外れ防止手段を解除することで着脱体をスライダ本体に対してずらすことが可能になり、着脱体をスライダ本体から取り外すことが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1から図3に、本発明を適用したロールカーテンの実施形態の一例を示す。このロールカーテンは、例えば鉄道車両の窓用のもので、窓の中、即ち窓枠1を形成する内パネル(側パネル)2と図示しない外パネルとの間に設置され、巻き取りローラ3に巻き取られているカーテン生地4が左右のガイドレール5に沿って窓枠内を移動するスライダ8によって引き出され、窓を覆い隠すものである。
【0016】
ロールカーテンは、一端縁(上端縁)6aが巻き取りローラ3に取り付けられた捨て布6と、この捨て布6の他端縁(下端縁)6bに取り付けられたジョイント材7と、内パネル2側に支持された左右のガイドレール5に案内されて移動するスライダ8と、基端側(上端縁)4aがジョイント材7に、先端側(下端縁)4bがスライダ8にそれぞれ取り外し可能に取り付けられ、巻き取りローラ3にジョイント材7とともに巻き取り可能なカーテン生地4とにより構成されている。
【0017】
巻き取りローラ3は窓枠1の幅よりも若干長く形成されたほぼ円柱形状を成し、その両端は、内パネル2に溶接やビス止めなどで固着された左右一対の支持プレート9によって回転自在に支持されている。この支持プレート9,9の一方、本実施形態の場合には、図中左側の支持プレートは、捨て布6側の係合ピン29と巻き取りローラ3の回転方向において係合する係合手段を兼ねている。各支持プレート9は内パネル2の窓枠1の左右上方の内パネル2に隠れた位置に設置されており、巻き取りローラ3が窓枠1の内方に露出しないように配置されている。巻き取りローラ3は、内部に収納する図示していないトーションコイルスプリングなどの付勢手段によって巻き取り方向に回転するように常時付勢されている。この巻き取りローラ3の外周面には、平面座に形成された切り欠き部3a及び取付溝3bが当該巻き取りローラ3の全長にわたり形成されている。切り欠き部3aには、図2において2点鎖線で示すように、捨て布6を巻き取った場合にジョイント材7が配置される。一方、取付溝3bは捨て布6を取り付けるためのもので、開口部分が溝奥の底部に比べて狭く形成されている。
【0018】
一方、捨て布6の上端縁6a及び下端縁6bは、各々例えば折り返し縫製されて芯材11,12を通す袋部6a,6bが設けられている。この上端縁の袋部6aは巻き取りローラ3の取付溝3b内に差し込まれており、その袋部6aに芯棒11を挿入することで取付溝3bからの抜けが阻止される継手を構成している。また、捨て布6の下端縁の袋部6bはジョイント材7に形成された第1取付溝7a内に差し込まれており、その袋部6bに芯棒12を挿入することで第1取付溝7aからの抜けが阻止される継手を構成している。この捨て布6の長さは、例えばカーテン生地4の交換作業の行い易さ等を考慮して決定されるが、少なくとも巻き取りローラ3に巻き付けられたときに切欠部3aにジョイント材7が嵌まるように当接する長さとすることが必要である。
【0019】
ジョイント材7は、カーテン生地4の幅とほぼ同じ幅を有している。即ち、ジョイント材7は窓枠1の幅よりも若干長く形成されており、その両端が内パネル2の裏側に隠れているのでそのまま手前側に引きだそうとしても窓枠1に引っかかって取り出すことはできない。しかし、巻き取り方向に傾けることでその両端が窓枠1内に収まるので、窓枠1の手前のパネル表側に取り出すことが可能となる。そこで、窓枠1の手前にジョイント材7を引き出してからカーテン生地4をジョイント材7から切り離す作業が実施できる。
【0020】
このジョイント材7には、2つの取付溝7a,7bが当該ジョイント材7の全長にわたって形成されている。各取付溝7a,7bは、開口部分が溝奥の底部分に比べて狭くなっている。したがって、捨て布6あるいはカーテン生地4の縁の袋部6b,4aに芯材12,13を通した状態で各溝7a,7bの側方の開口部から差し込むことによって、あるいは各溝7a,7bにあらかじめ差し込まれた捨て布6及びカーテン生地4の縁の袋部6b,4aに芯材12,13を後から挿入することによって継手を構成できる。第1取付溝7aはジョイント材7の上端面に、第2取付溝7bはジョイント材7の下端面にそれぞれ形成されている。また、ジョイント材7の表側の面7cは、巻き取りローラ3の外周面と同じ曲率の曲面から成り、裏側の面は平坦面に形成されている。したがって、ジョイント材7が巻き取りローラ3の切欠部3aに配置されると、図2中2点鎖線で示すように、当該ジョイント材7が巻き取りローラ3の円周の一部となってこれらの横断面形状の輪郭が円形になる。このジョイント材7は、例えばアルミ合金を押し出し成形することで安価に製造される。
【0021】
なお、ジョイント材7の第1取付溝7aは、例えばかしめられて、捨て布6の下端縁6bの外れが防止されることもある。
【0022】
カーテン生地4は、窓枠1を塞ぐのに十分な大きさを有している。カーテン生地4の上端縁及び下端縁は、例えば折り返し縫製されて袋部4a,4bが形成されている。カーテン生地4の上端縁の袋部4aはジョイント材7の第2取付溝7b内に差し込まれており、その袋部4aに芯棒13を挿入することで先端が膨出した突条を形成して、カーテン生地4の引き出し方向への第2取付溝7bからの抜けを阻止する継手が構成されている。また、カーテン生地4の下端縁の袋部4bは、図3に示すように、スライダ8の着脱体16に形成されたスリット16a内に差し込まれており、その袋部4bに芯棒14を挿入することで先端が膨出した突条を形成して、カーテン生地の巻き取り方向へのスリット16aからの抜けを阻止する継手が構成されている。
【0023】
スライダ8は、両端が左右のガイドレール5に案内されて移動するスライダ本体15と、カーテン生地4の下端縁(先端縁)4bが取り付けられた着脱体(外枠体)16と、スライダ本体15に着脱体16を係止する係止手段17と、スライダ本体15と着脱体16との間に配置され係止手段17を係止させる方向に作用する弾性力を発揮する弾性部材32を有している。
【0024】
弾性部材32は例えば板ばねであり、例えば着脱体16に取り付けられている。弾性部材32は着脱体16の天板16dの内側面に配置され、着脱体16に一体成形された凸片16eをかしめることで着脱体16に固定されている。弾性部材32は例えば2個設けられており、例えば着脱体16の両端の近傍位置にそれぞれ取り付けられている。
【0025】
係止手段17は、弾性部材32の弾性力を受けて着脱体16をスライダ本体15に係止するものであり、また、着脱体16をスライダ本体15に対して弾性部材32を圧縮する方向に所定距離ずらした状態で、その係止を解くものである。係止手段17は、例えば着脱体16に形成された爪33とスライダ本体15に形成された凹部34より構成されている。弾性部材32を圧縮させながら着脱体16をスライダ本体15に被せて取り付けると、爪33が凹部34に嵌り込み、係止手段17が着脱体16をスライダ本体15に係止する。
【0026】
また、スライダ8には、着脱体16がスライダ本体15に対して所定距離を越えてずれると着脱体16をスライダ本体15から押し離す離間手段35が設けられている。離間手段35は、例えばスライダ本体15に設けられた凸部36と、着脱体16に設けられた凹部37より構成されている。凸部36は、着脱体16の側板16cに対向するスライダ本体15の側板15aに一体成形されている。凹部37は、着脱体16の側板16cの凸部36に対向する位置に設けられている。係止手段17によって着脱体16がスライダ本体15に係止されている図3の状態では、凸部36は凹部37に対向している。一方、弾性部材32を圧縮しながら着脱体16をスライダ本体15に対してずらすと、即ち、本実施形態では着脱体16をスライダ本体15に対して下方に動かすと、凸部36が凹部37から外れて着脱体16の側板16cに当たりこれを押し離す。
【0027】
なお、スライダ8の下部にはクッション26が取り付けられており、スライダ8を最後まで下ろした場合の衝撃を吸収する。
【0028】
スライダ本体15の両端には、スライダの移動を任意の位置で固定するためのフリクション機構18が設けられている。各フリクション機構18は、例えば図4から図6に示すように、スライダ本体15の両端面を塞ぐ蓋19と、この蓋19から突出するロッド20と、ロッド20の先端に取り付けられてガイドレール5内に配置される樹脂駒21と、ロッド20の基端と蓋19の内側との間に圧縮された状態で設置されるスプリング22により構成されている。スプリング22は、樹脂駒21をスライダ本体15内に引き込む方向に引っ張り、ガイドレール5に摩擦係合させる。スプリング22は、巻き取りローラ3がカーテン生地4を巻き取る力、即ちスライダ8を持ち上げる力に抗して当該スライダ8を静止させるに適したばね力が得られるように調整されている。
【0029】
なお、樹脂駒21には、ガイドレール5の内側面に当接する2本の弾性アーム21aが形成されている。各弾性アーム21aは、樹脂駒21を反対側に押しつけて当該樹脂駒21と各ガイドレール5との間のがた付きを防止している。また、各ガイドレール5の上端には、各樹脂駒21が各ガイドレール5から抜けてしまうのを防止するストッパ(図示せず)が取り付けられている。即ち、スライダ本体15は、各樹脂駒21が各ストッパに当たる位置まで移動することができる。
【0030】
着脱体16の上面16bには、カーテン生地4の下端縁4bを挿入するためのスリット16aが当該着脱体16の全長にわたって形成されている。この着脱体16はスライダ本体15の上に被せられるカバーとして機能し、係止手段17によってスライダ本体15と一体化される。着脱体16は、カーテン生地4の幅とほぼ同じ長さに形成されている。即ち、着脱体16は窓枠1の幅よりも若干長く形成されており、カーテン生地4の幅方向(水平方向)に沿わせた状態ではその両端が内パネル2の裏側に隠れているので窓枠1を通してそのまま取り出すことはできないが、傾けることでその両端を窓枠1内に露出させ、窓枠1を通して内パネル2の裏側から取り出すことが可能になる。
【0031】
このロールカーテンは、ジョイント材7が窓枠1から露出した状態で巻き取りローラ3の回転を固定するロック機構27を備えている。このロック機構27は、例えば図7及び図8に示すように、巻き取りローラ3に対して捨て布6をその幅方向へスライド可能に取り付けると共に該捨て布6側に係合ピン29を設ける一方、係合ピン29と巻き取りローラ3の回転方向で係合する係合溝28を設けた係合手段(支持フレームを兼ねる)9を巻き取りローラ3の一端に対向させて内パネル2側に配置し、捨て布6の幅方向へのスライドによって係合手段9の係合溝28に係合ピン29を貫通させて係合させ、巻き取りローラ3の巻き取り方向への回転を阻止する。本実施形態では、係合溝28は、内パネル2に固着された一方の支持プレート9に設けられ、巻き取りローラ3の一端3cに対向して配置されている。ただし、必ずしも一方の支持プレート9に係合溝28を設ける必要はなく、パネル側、即ち車両の窓を構成する側の部材に設けていれば良い。
【0032】
また、係合溝28は、係合ピン29の抜け止め部29aが通過する導入部28bと巻き取りローラ3が巻き取り方向に回転したときに当接する端部付近で係合ピン29の抜け止め部29aよりも溝幅が狭い係止部28aとを有し、例えば支持プレート9に円弧状のスリットとして形成されている。即ち、このスリットから成る係合溝28の一方の端部、具体的には巻き取りローラ3の巻き取り回転方向の端部は、他の部分に比べて細くなっている。一方、係合ピン29は、例えば捨て布6の上端縁6aの折り返し内に挿入されている芯棒11の一端で構成されている。即ち、芯棒11の一端を捨て布6よりも側方に突出させることで当該一端を係合ピン29としている。係合ピン29は先端に係合溝28内を移動する部分よりも大径の抜け止め部29aを有する。したがって、カーテン生地4の取り外し時には係合ピン29の抜け止め部29aと係合手段9とが係合して捨て布6が元の位置にスライド不能とされる。
【0033】
次に、ロールスクリーンの使用方法について説明する。
【0034】
ロールスクリーンを使用する場合には、スライダ8を所望の位置まで下げれば良い。スライダ8を下げることでカーテン生地4が巻き取りローラ3から引き出され、窓枠1を塞ぐ。スライダ8の両端には、フリクション機構18が設けられているので、各樹脂駒21と各ガイドレール5との摩擦力によってスライダ8が各ガイドレール5に対して止められる。また、カーテン生地4は窓枠1を塞ぐのに十分な大きさを有しているので、図1に示すように、スライダ8を最後まで下ろした場合であってもジョイント材7及び捨て布6が窓枠1から露出することがなく、使用時において美観が害されることはない。
【0035】
一方、ロールスクリーンを収納状態にするには、スライダ8を持ち上げれば良い。スライダ8の上昇に伴って、巻き取りローラ3が捨て布6、ジョイント材7並びにカーテン生地4の順番でこれらを巻き取る。このとき、最初に捨て布6が巻き取られてジョイント材7が巻き取りローラ3の切欠部3aに配置されると、このジョイント材7が巻き取りローラ3の一部となって横断面形状の輪郭がほぼ円形となる。したがって、捨て布6に比べて非常に長いカーテン生地4を横断面形状の輪郭がほぼ円形となった巻き取りローラ3によって巻き取ることができ、巻き形状を崩すことなく巻き取りローラ3をバランス良く回転させることができ、振動や騒音の発生等を抑えることができる。また、捨て布6及びジョイント材7は、カーテン生地4と一緒に巻き取りローラ3によって巻き取られるので、これらが邪魔になることはない。
【0036】
このロールスクリーンにおいてカーテン生地4を交換する場合には、先ず、スライダ8を下ろした後、カーテン生地4の途中を摘んでカーテン生地4をさらに引き出し、巻き取りローラ3に巻かれていた捨て布6を全て引き出す。これにより、ジョイント材7が窓枠1から露出する。また、この状態では、巻き取りローラ3の取付溝3bが下側に位置しており、当該取付溝3b内の芯棒11の一端の係合ピン29が支持プレート9に形成された係止溝に対向する。
【0037】
次に、カーテン生地4を巻き取りローラ3の一端3c側に寄せ、捨て布6を巻き取りローラ3に対して幅方向にスライドさせる。捨て布6の上端縁の袋部6aは、巻き取りローラ3の取付溝3b内を一端3c側に向けてスライドし、したがって、図7中2点鎖線で示すように、芯棒11の一端29が係止溝28内に挿入される。
【0038】
この状態でカーテン生地4を引き出す力を弱めると、巻き取りローラ3が巻き取り方向に回転して捨て布6を僅かに巻き取る。即ち、図8中矢印で示すように、芯棒11の一端29が係止溝28内を移動する。そして、図8中二点鎖線で示すように、一端29が係止溝28の端部28aまで移動すると、一端29が支持プレートを兼ねる係止手段9に当たって巻き取りローラ3の回転がロックされる。以後、カーテン生地4を引き出す力を完全に解除しても、捨て布6及びカーテン生地4は巻き取られることがなく、カーテン生地4及び捨て布6を弛ませた状態で作業を行うことができる。また、この状態では係合ピン29が係合溝28の係止部28aに位置しているので、たとえ捨て布6に巻き取りローラ3の他端側に向かう力が作用しても、即ち芯棒11に引き抜き方向の力が作用しても、その一端29が係止溝28の係止部28aより抜けてしまうことがなく、巻き取りローラ3のロック状態が維持される。
【0039】
次に、スライダ8の着脱体16をスライダ本体15から取り外す。弾性部材32の弾性力に抗して係止手段17の爪33を凹部34から外す方向、即ち、本実施形態では着脱体16を下方にずらす。スライダ本体15に対して着脱体16をずらすことで係止手段17の爪33が凹部34から抜け始め、そのずれが所定距離に達すると、爪33が凹部34から完全に抜けて係止が解かれ、着脱体16を取り外し可能になる。そして、この状態で着脱体16の側板16cをスライダ本体15から離す方向に動かすことで、即ち図9に示すように弾性部材32の付近を中心に側板16cの先端を回転させるように動かすことで、図10に示すように、着脱体16をスライダ本体15から取り外すことができる。
【0040】
このように係止手段17の係止を解いた後、作業者自身がスライダ本体15から着脱体16を離す動作を行うことで着脱体16をスライダ本体15から取り外すようにしても良いが、離間手段35を利用して自動的に取り外すようにしても良い。
【0041】
つまり、スライダ本体15に対して着脱体16を所定距離、即ち爪33が凹部34から抜ける距離ずらして係止手段17の係止を解いた後、さらに着脱体16をずらすと、図11に示すように、離間手段35の凸部36が凹部37から外れて着脱体16の側板16cに当たり、側板16cをスライダ本体15から離れる方向に押し出す。これにより、着脱体16がスライダ本体15から外れる。即ち、作業者自身が着脱体16をスライダ本体15から取り外す動作を行わなくても、着脱体16をスライダ本体15から取り外すことができる。
【0042】
なお、凸部36が着脱体16の側板16cを押し出すことで係止手段17の爪33と凹部34の対向関係がずれるので、作業者が着脱体16をずらしている力を弱め、弾性部材32の弾性力によって着脱体16が押し戻されても、再び着脱体16がスライダ本体15に係止されることはない。
【0043】
そして、スライダ本体15から取り外した着脱体16を傾けて窓枠1に通し、カーテン生地4の下端縁4bと一緒に内パネル2の裏側から取り出す。同様にして、ジョイント材7を傾けて窓枠1に通し、カーテン生地4の上端縁4aと一緒に内パネル2の裏側から取り出す。
【0044】
この後、カーテン生地4の両端縁の袋部4a,4bを芯棒13,14ごとそれぞれ引き抜き、ジョイント材7及び着脱体16からカーテン生地4を外す。このとき、芯棒13,14はそれぞれ先にカーテン生地の袋部から取り外した。そして、新しいカーテン生地4の上端縁の袋部4aをジョイント材7の第2取付溝7bに、下端縁の袋部4bを着脱体16の係止溝16aにそれぞれ挿入し、各芯棒13,14を挿入して脱落を防止する。捨て布6の長さは作業性を考慮して決定されているので、ジョイント材7を窓枠1から十分に取り出してカーテン生地4の交換作業を行うことができ、当該作業は非常に効率的に行われる。
【0045】
次に、ジョイント材7を傾けて窓枠1に通し、カーテン生地4の上端縁4aと一緒に内パネル2の裏側に配置させる。また同様にして、着脱体16を傾けて窓枠1に通し、カーテン生地4の下端縁4bと一緒に内パネル2の裏側に配置させる。そして、着脱体16をスライダ本体15に被せるようにして取り付ける。つまり、着脱体16をスライダ本体15に被せ、弾性部材32を圧縮変形させながら着脱体16をスライダ本体15に取り付ける。着脱体16の取り付けによって係止手段17の爪33が凹部34に嵌り込み、弾性部材32の弾性力が爪33を凹部34に食い込ませる方向に作用するので、着脱体16がスライダ本体15に係止され固定される。
【0046】
この状態で、カーテン生地4を若干引き出すと、巻き取りローラ3が回転して係合ピンである一端29が係止溝28の端部28aより離れ、係止溝28内からの引き抜きが可能になる。即ち、捨て布6を巻き取りローラ3の他端側にスライドさせてこの巻き取りローラ3に対するカーテン生地4の位置を元に戻すことで、係止ピン29が係止溝28の導入部28b部分から抜けて巻き取りローラ3のロック状態が解除される。
【0047】
この後、カーテン生地4を引き出す力を弱めると、捨て布6が巻き取りローラ3に巻き取られ、当該捨て布6とジョイント材7が内パネル2の裏側に隠れると共にカーテン生地4の弛みがとられる。これにより、ロールカーテンのカーテン生地4の交換作業が終了する。即ち、内パネル2を外すことなく、また、スライダ8の着脱体16の取り付け・取り外しを簡単に行うことが出来るので、カーテン生地4の交換作業が迅速に行われる。
【0048】
本発明では、カーテン生地の交換作業を行う際、スライダ8のスライダ本体15に対して着脱体16をずらすだけで着脱体16とスライダ本体15の係止を解いて着脱体16をスライダ本体15から取り外すことができるので、着脱体16の取り外し作業が簡単なものとなる。また、着脱体16を弾性部材32の弾性力に抗してスライダ本体15に取り付けるだけで係止手段17が着脱体16をスライダ本体15に係止しこれらを一体化するので、着脱体16の取付作業が簡単なものとなる。これらのため、作業性が向上する。
【0049】
また、着脱体16をスライダ本体15に係止するために別部品を準備する必要がないので、部品点数も減少し、製造コストを削減することができる。
【0050】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、スライダ8の弾性部材32を着脱体16に取り付けていたが、弾性部材32をスライダ本体15に取り付けても良い。
【0051】
また、上述の説明では、スライダ8に離間手段35を設けていたが、離間手段35を省略しても良い。
【0052】
さらに、スライダ8に、着脱体16のスライダ本体15に対するずれを阻止する外れ防止手段41を設けても良い。外れ防止手段41の例を図12に示す。この外れ防止手段41は、係止手段17の爪33を押さえ付けるプレート38と、このプレート38をスライダ本体15の底板15bに固定するねじ39と、スライダ本体15の底板15bに設けられ且つねじ孔を有するワッシャ40より構成されている。ねじ39をワッシャ40にねじ込んでプレート38によって爪33を押さえ付けると、着脱体16をスライダ本体15に対してずらすことが出来なくなり、係止手段17がロックされる。このため、着脱体16をスライダ本体15から取り外すことが出来なくなり、ロールカーテンの使用中に着脱体16がスライダ本体15から外れてしまうのを防止することができる。一方、カーテン生地4の交換作業を行う場合には、ねじ39を外すか、あるいはねじ39を緩めれば良い。これらによってプレート38による爪33の押し付けが解除され、着脱体16をスライダ本体15に対してずらすことが可能になるので、着脱体16をスライダ本体15から取り外すことが可能になる。
【0053】
また、上述の説明では、ロック機構27の係合溝28を支持プレート9に形成されたスリットとしているが、必ずしもスリットに限るものではなく、例えば切り欠き、溝、窪み等でも良い。
【0054】
また、上述の説明では、ロック機構27の係合ピン29を芯棒11の一端を利用して構成しているが、芯棒11とは別個の部材を設けて係合ピン29としても良い。
【0055】
また、上述の説明では、ロック機構27の係合溝28を内パネル2側に、係合ピン29を捨て布6にそれぞれ設けているが、係合溝28を捨て布6又は巻き取りローラ3に、係合ピン29を内パネル2側にそれぞれ設けても良い。
【0056】
また、上述の説明では、ジョイント材7及び着脱体16をカーテン生地4の全幅にわたる1本の部材としているが、これらジョイント材7及び着脱体16を幅方向に複数に分割しても良い。これらジョイント材7及び着脱体16を複数に分割することで、カーテン生地4の上端縁4a及び下端縁4bを山状又は谷状に折り曲げるようにしながらジョイント材7及び着脱体16を窓枠1から取り出すことが可能になる。
【0057】
さらに、上述の説明では、ジョイント材7とカーテン生地4を取り外し可能に取り付けるための手段として、ジョイント材7の下端に第2取付溝7bを形成しているが、必ずしもこの取り付け方法に限るものではない。例えば、図13に示すように、ジョイント材7の下部にスプリング31によってカーテン生地4の上端縁4aを強固に挟み付けるクリップ機構30を形成し、カーテン生地4の上端縁4aを挟み付ける方法で取り外し可能に取り付けても良い。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載のロールカーテンでは、スライダが、両端がガイドレールに案内されて移動するスライダ本体と、カーテン生地の先端縁が取り付けられた着脱体と、スライダ本体に着脱体を係止する係止手段と、スライダ本体と着脱体との間に配置され係止手段を係止させる方向に作用する弾性力を発揮する弾性部材を有し、係止手段は弾性部材の弾性力を受けて着脱体をスライダ本体に係止し且つ弾性部材の弾性力に抗して着脱体をスライダ本体に対して所定距離ずらした状態で係止を解くものであるので、着脱体をスライダ本体に対して所定距離ずらすだけで着脱体とスライダ本体の係止を解くことができると共に、着脱体をスライダ本体に取り付けるだけで着脱体をスライダ本体に係止して一体化させることができる。即ち、着脱体の取り付け、取り外し作業がいわばワンタッチ作業となり、作業性を向上させることができる。また、部品点数を減少させることができるので、製造コストを削減することができる。
【0059】
また、請求項2記載のロールカーテンでは、着脱体がスライダ本体に対して所定距離を越えてずれると着脱体をスライダ本体から押し離す離間手段を備えているので、着脱体をずらして係止を解いた後、さらに着脱体をずらすことで着脱体をスライダ本体から取り外すことができる。このため、着脱体の取り外し作業がより一層簡単なものとなり、作業性を更に向上させることができる。
【0060】
さらに、請求項3記載のロールカーテンでは、着脱体のスライダ本体に対するずれを阻止する外れ防止手段を備えているので、ロールカーテンの使用中に着脱体がスライダ本体から外れてしまうのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したロールカーテンの実施形態の一例を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1のスライダの断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図5の矢印VI方向からみたフリクション機構の側面図である。
【図7】図1のロールカーテンのロック機構を示す断面図である。
【図8】図7の矢印VIII方向からみたロック機構の側面図である。
【図9】スライダの着脱体の係止を解いてスライダ本体から外す様子を示す断面図である。
【図10】スライダの着脱体をスライダ本体から取り外した状態を示す断面図である。
【図11】離間手段がスライダ本体から着脱体を押しは成す様子を示す断面図である。
【図12】スライダの他の実施形態を示す断面図である。
【図13】ジョイント材の他の実施形態を示す断面図である。
【図14】従来のロールカーテンを示し、そのスライダの断面図である。
【符号の説明】
1 窓枠
2 内パネル(パネル)
3 巻き取りローラ
4 カーテン生地
5 ガイドレール
8 スライダ
15 スライダ本体
16 着脱体
17 係止手段
32 弾性部材
35 離間手段
41 外れ防止手段
Claims (3)
- 窓枠を形成するパネルに隠されてカーテン生地を巻き取る巻き取りローラと、前記パネルに隠されてカーテン引き出し方向に対向配置される一対のガイドレールと、前記ガイドレールに沿って前記窓枠内を移動し前記カーテン生地の先端を引き出すスライダとを備え、前記カーテン生地を前記スライダの移動によって引き出すロールカーテンにおいて、前記スライダは、両端が前記ガイドレールに案内されて移動するスライダ本体と、前記カーテン生地の先端縁が取り付けられた着脱体と、前記スライダ本体に前記着脱体を係止する係止手段と、前記スライダ本体と前記着脱体との間に配置され前記係止手段を係止させる方向に作用する弾性力を発揮する弾性部材を有し、前記係止手段は前記弾性部材の弾性力を受けて前記着脱体を前記スライダ本体に係止し且つ前記弾性部材の弾性力に抗して前記着脱体を前記スライダ本体に対して所定距離ずらした状態で前記係止を解くことを特徴とするロールカーテン。
- 前記着脱体が前記スライダ本体に対して前記所定距離を越えてずれると前記着脱体を前記スライダ本体から外す離間手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のロールカーテン。
- 前記着脱体の前記スライダ本体に対するずれを阻止する外れ防止手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のロールカーテン。
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