JP3839943B2 - 階段昇降搬送車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は階段の昇降を行う階段昇降搬送車、殊に背の高い荷物を載せる荷車に好適に用いることができる階段昇降搬送車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
荷物を載せた本体にモータ駆動の無限軌道(クローラ)等からなる階段昇降用走行部を設けて、階段走行を行うことができるようにした運搬車が特開平5−170104号公報に示されている。これは荷物を載せるための搭載部の背面に無限軌道を配したもので、階段の複数段のステップの角部と噛み合いながら回転する無限軌道が搭載部を昇降させる。このような運搬車であれば、重い荷物を載せている時も階段の昇降を楽に行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のものは、搭載部に乗せた荷物が例えば背の高い冷蔵庫(180cm以上の高さ)であれば、荷物が階段室の天井面に当たってしまうことが多々生じる。この場合、搭載部の上に荷物を寝かせて昇降させることになるが、これでは狭い階段の踊り場を通過する時、搭載部の下方が未だ階段部分に位置するにもかかわらず、荷物の上方が壁などに当たってしまい、踊り場での方向転換ができないことがある。
【0004】
荷物搭載部としてその傾斜角度が可変のものを用いて、階段の昇降中は荷物を寝かせておき、踊り場などでは荷物を直立させることによって、荷物が天井面に当たったり踊り場の壁などに当たることがないようにすることができるが、大重量の荷物を寝かせたり起こしたりすることは重労働であり、このために荷物搭載部の傾斜角度を例えば電動で変更できるようにすると、階段昇降用走行部の運転操作に加えて、荷物搭載部の傾斜角度の変更操作も行わなくてはならない上に、実際に階段を昇降させるにあたっては、この2つの操作を同時に並行して行わなくてはならず、スムーズな動作を得られるように操作することはきわめて困難である。
【0005】
本発明はこのような点に鑑み為されたものであり、その目的とするところは階段昇降動作と荷物搭載部の傾斜角度調整動作とを容易に行うことができて、スムーズな階段昇降動作を確実に得ることができる階段昇降搬送車を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明に係る階段昇降搬送車は、階段昇降用走行部を備えた本体に、該本体に対する傾斜角を可変とした荷物搭載部を設けた階段昇降搬送車であり、操作入力用のハンドルと、該ハンドルに加えられる前後方向の力に応じて階段昇降用走行部を作動させるとともに上記ハンドルに加えられる上下方向の力に応じて上記本体に対する荷物搭載部の傾斜角の変更用の角度調整部を作動させる制御手段を備え、操作入力用の上記ハンドルは荷物搭載部に設けられているとともに、荷物搭載部の傾斜角に応じてハンドルの向きを補正する補正手段を介して荷物搭載部に設けられて、操作入力用のハンドルに加えられる力の検出方向が、荷物搭載部の本体に対する傾斜角の値にかかわらず本体に対して一定の向きとなっていることに特徴を有している。ハンドルを所望の方向に引っ張ったり押したりすれば、その力に応じた走行動作と荷物搭載部の角度調整とが共になされるものであり、このために容易に操作することができるものであって、熟練を要しないものである。
【0007】
しかも、荷物搭載部の傾斜角に応じてハンドルの向きを補正する補正手段を介して荷物搭載部にハンドルを設けて、操作入力用のハンドルに加えられる力の検出方向は、荷物搭載部の本体に対する傾斜角の値にかかわらず本体に対して一定の向きとなっているために、上記傾斜角で操作感覚が変化してしまうということがない。この場合、上記補正手段としては、本体に対する荷物搭載部の回転角を荷物搭載部におけるハンドル支持部に伝達して荷物搭載部に対するハンドル取付角を変更するものを好適に用いることができる。
【0008】
操作入力用のハンドルは平行リンク機構を介して設けてもよいまた、操作入力用のハンドルの位置を荷物搭載部の傾斜角に応じて荷物搭載部の上方側に相対的にずらす位置調整機構を備えたものとすることも好ましい。荷物の背が高い場合に荷物搭載部を傾けても荷物のためにハンドルが持ちにくくなることがない。
【0009】
上記位置調整機構として、荷物搭載部の傾斜角に応じて荷物搭載部をスライドさせるスライド機構や、荷物搭載部の傾斜角に応じてハンドル支持部材を伸縮させる伸縮機構を好適に用いることができる。
また本願の請求項7の発明は、階段昇降用走行部を備えた本体に、該本体に対する傾斜角を可変とした荷物搭載部を設けた階段昇降搬送車であり、操作入力用のハンドルと、該ハンドルに加えられる前後方向の力に応じて階段昇降用走行部を作動させるとともに上記ハンドルに加えられる上下方向の力に応じて上記本体に対する荷物搭載部の傾斜角の変更用の角度調整部を作動させる制御手段を備え、操作入力用のハンドルは荷物搭載部に固定的に設けられており、制御手段はハンドルに加えられた力のうちの前後方向成分と上下方向成分とを荷物搭載部の傾斜角度に応じて演算して、操作入力用のハンドルに加えられる力の検出方向を荷物搭載部の本体に対する傾斜角の値にかかわらず本体に対して一定の向きとしているものであることに特徴を有している。この場合においても、熟練を要さずに容易に操作することができる上に、上記傾斜角で操作感覚が変化してしまうということがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
図中1は走行手段2が下面に配されるとともに上面側に荷物9を載せるための搭載部6が配されている本体であり、縦枠60と横枠61とからなるL字形をなす搭載部6は、その縦枠60と横枠61との連結点付近が本体1上面から突設された支持枠11の上端に軸10によって連結されて、該軸10の回りに搭載部6が回動自在とされている。また本体1と搭載部6との間には本体1に対する搭載部6の傾斜角を変更するためのリニアアクチュエータ3が設けられている。そして搭載部6の縦枠60をリンクの1つとするとともに上記軸10を回動点C1,C2,C3,C4の1つとする平行リンク機構(平行クランク機構)Pを介してハンドル7が設けられており、該ハンドル7には前後方向(図1中の左右方向)についての力センサー71と上下方向の力センサー72とが設けられている。これら力センサー71,72は、ハンドル7に加えられた外力の検出を行う。
【0013】
本体1下面に配された走行手段2は、駆動モータ21と、該駆動モータ21によって駆動される主無限軌道20a及び副無限軌道20bとからなるもので、後方側の主無限軌道20aは本体1下面に位置しているのに対して、前方側(ハンドル7側)の副無限軌道20bは斜め上方に立ち上がるように設けられている。なお、ここにおける主無限軌道20aと副無限軌道20bとは、単一の無限軌道20の途中にローラ29aと押さえローラ29bとを配して、これらローラ29a,29bの部分で無限軌道20を屈曲させることで、前方側の無限軌道20bと後方側の無限軌道20aの2系統としている。図中23は無限軌道20用の駆動輪、25は無限軌道20用の従動輪であり、26は無限軌道20(20a,20b)の各内周側に配されたバックアッププレートである。
【0014】
リニアアクチュエータ3は、モータ30と該モータ30の回転で軸方向移動を行う軸31とからなるもので、モータ30側が本体1に枢支され、軸31の先端が搭載部6の横枠61下面に枢支されており、リニアアクチュエータ3の作動(伸縮)により、本体1に対する搭載部6の傾斜角が変わる。リニアアクチュエータ3を縮めた時には搭載部6の横枠61が本体1と平行に且つ縦枠60が直立状態となり、リニアアクチュエータ3を伸ばした時には縦枠61が前方側へと倒れるように前記軸10を中心として搭載部6は傾く。
【0015】
なお、搭載部6を直立させた状態においては、搭載部6の横枠61に設けた平地走行用のキャスター65が主無限軌道20aの下面より下方に突出するために、無限軌道20a,20bは接地しない。しかし、搭載部6を上記のように傾けたならば、キャスター65は無限軌道20a,20bの下面より上方側に移動するために、無限軌道20a,20bによる走行が可能となる。
【0016】
前記ハンドル7に設けた2つの力センサー71,72のうち、力センサー71はハンドル7の前後方向に加えられた力を検出するもので、走行手段2における前記駆動用モータ21は、該力センサー71で検出された外力に応じて制御されるものとなっている。力センサー71で検出された力の値(方向を含む)Fbとアシストゲインとに応じてモータ21の回転方向制御を含む電流制御が行われるように、つまり力検出値Fbが大きいほど、より大きい出力トルクとなるようにモータ21が制御される。
【0017】
他方の力センサー72はハンドル7の上下方向に加えられた力を検出するもので、リニアアクチュエータ3におけるモータ30は、該力センサー72で検出された外力に応じて制御される。力センサー72で検出された力の値(方向を含む)Faとアシストゲインとに応じてモータ30の回転方向制御を含む電流制御がなされるものであり、力検出値Faが大きいほど、より大きい出力トルクとなるようにモータ30が制御される。そしてモータ30が一方向に回転する時、リニアアクチュエータ3が伸長して搭載部6を傾け、傾斜角制御モータ30が逆方向に回転する時、リニアアクチュエータ3が縮んで搭載部6を直立させる。
【0018】
なお、力センサー71,72の具体例は後述するが、ばねによって懸架支持したハンドル7に力が加えられた時のばねの撓み量(ハンドル7の移動量)を検出するものを用いることができ、この場合の外力の値は上記撓み量とばねのばね定数とから演算によって得る。
図3中の77は駆動モータ21の上記力センサー71,72で検出される外力に応じた制御を行う制御回路、78a,78bはモータ21,30用のドライバーである。制御回路77は、検出された外力にアシストゲインを乗じた出力トルクが出力されるようにモータ21,30を制御してパワーアシストを行い、軽い力をハンドル7に加えただけでその力の何倍かの力での走行や搭載部6の傾斜調整がなされるものである。制御回路77や電源としてのバッテリー等の機器は搭載部6の縦枠60に設けた制御ボックス66内に納めてある。
【0019】
しかして、該階段昇降搬送車の搭載部6に荷物9を載せて階段を昇降させるにあたっては、直立状態(水平状態)の搭載部6に対して荷物9を載せ、ハンドル7を引いてキャスター65による平地走行で階段の直前まで移動し、その後、電源を投入してハンドル7を下方に引き降ろしつつ手前に引っ張れば、ハンドル7に加えられた上下方向の外力に応じたリニアアクチュエータ3の伸長で搭載部6が傾くと同時にハンドル7に加えられた前後方向の外力に応じた駆動用モータ21による無限軌道20a,20bの駆動で走行がなされるものであり、斜め上方に立ち上がっている副無限軌道20bが階段にかみ合った位置から階段を昇り始める。その後も荷物9の上端が天井面に当たることを避けるためにハンドル7に下方に向けた力を加えつつ、ハンドル7を手前に引っ張り続けることで、搭載部6が傾いた状態のままで、階段を昇っていく。
【0020】
そして踊り場に差しかかったり階段の終わりに達したならば、ハンドル7をゆっくりと引っ張りつつ引き上げれば、この時の上下方向の外力に応じてリニアアクチュエータ3が縮むとともに前後方向の外力に応じて無限軌道20が作動するために、搭載部6及び荷物9が徐々に立ち上がりつつ階段を昇り終えるものであり、そしてハンドル7に力を加えなくなれば、無限軌道20及びリニアアクチュエータ3はその動作を停止するものであり、また再度キャスター65が接地して主無限軌道20a,20bを浮かせるために、方向転換を容易に行うことができる状態となる。階段を降りる場合には荷物9側を先行させて上述の逆の操作を加えればよい。
【0021】
背の高い荷物9でも搭載部6を傾けて荷物9を斜めに寝かせながら階段を昇降するために、荷物9の上端が階段室の天井面に当たるようなことがないものであり、しかも踊り場に差しかかったり階段の終わりに達した時点では斜めに寝かせていた荷物9を搭載部6の角度制御によって徐々に立てるために、荷物9の先端が壁に当たってしまうということもないものである。
【0022】
しかも、ハンドル7に搭載部6を寝かせようとする力と走行方向(前後方向)についての力とを少し加えるだけで、搭載部6が傾いたり無限軌道20が作動したりするものであり、個々の動きを個別に考えつつ操作する必要がなく、思い通りの動きを行わせることができる。なお、力の入力に対して出力も力となるようにしているが、出力は速度や加速度となるようにしてもよい。
【0023】
また、ここではハンドル7を前述のように平行リンク機構Pを介して取り付けており、このために傾斜角が変化する搭載部6にハンドル7を設けているにもかかわらず、図4に示すように本体1に対するハンドル7の向きは一定となっている。つまり、本体1に対して搭載部6を傾けても、本体1に対するハンドル7の向きは変わらないために、力センサー71,72で検出する力の方向が搭載部6の傾斜角度によって変わってしまうということがないものであり、従って使用者にしてみれば、ハンドル7に加える力の方向が搭載部6の傾斜角度によって変わったりせず、力を加えるべき方向が変化してしまうことによる戸惑いや誤操作を招くことがないものである。
【0024】
搭載部6の本体1に対する傾斜角の値にかかわらずハンドル7の向きが一定となるようにすることは、上記平行リンク機構P以外の構成によっても得ることができる。たとえば、図5に示すものでは、搭載部6に回転自在に設けたハンドル7にスプロケット80を固着し、軸10を備えた支持枠11にスプロケット81を固着して、両スプロケット80,81間にチェーン82を架け渡している。この場合においても、搭載部6の傾斜角の値にかかわらず、ハンドル7は本体1と平行な前後方向を向いた状態となる。
【0025】
また、図6及び図7に示すように、搭載部6にハンドル角制御用モータ83を介してハンドル7を取り付けるとともに、搭載部6の傾斜角を検出する位置検出機84(図6では図示を省略)を設けて、位置検出機84の出力に応じてハンドル角制御用モータ83を動かすことで、ハンドル7が常に一定の方向を向くようにしてもよい。
【0026】
搭載部6の傾きを電動で制御する関係で、図8に示すように、搭載部6の傾きの影響を受けない本体1にハンドル7を取り付けることもでき、この場合、もっとも簡単な構成となるが、ハンドル7の位置によっては搭載部6の傾斜角度に大きな制限を与えてしまうことになる。従って、本体1に取り付ける時も、図11に示すように平行リンク機構Pを介して取り付ける方が好ましい。
【0027】
なお、搭載部6にハンドル7を設ける場合、ハンドル7の向きが搭載部6の傾斜角度にかかわらず一定となるようにせずに、搭載部6の傾斜角度に応じて、力センサー71,72の出力に対し次のような演算を行うことでも対処することができる。すなわち、図9に示すように、ある傾きθwの時にハンドル7に加えた力Fは、力センサー71,72によって力Fa,Fbとして検出されるが、この時、図10にも示すように、リニアアクチュエータ3の長さの検出機から該長さLaも同時に検出し、該長さLaから上記傾斜角度θwを演算f(La)によって求め、(Fa,Fb)から幾何学的に求めた(F,θf)と傾斜角度θwとから、
Fh=F*cos(θf−θw)
Fv=F*sin(θf−θw)
を求めて、これらFh,Fvの値に基づいて、モータ21,30の制御を行うのである。この場合においても、搭載部6の傾斜角度θwによるハンドル7の向きの影響を受けない制御を行うことができる。
【0028】
ところで、搭載部6に載せる荷物9の背が高い時、搭載部6及び荷物9を寝かせていくと、図6からもわかるように、荷物9の上端部が邪魔になってハンドル7が持ちにくくなることが生じるが、この点に対しては、図11〜図15、あるいは図16〜図18に示すように、ハンドル7の位置を搭載部6の傾斜角に応じて搭載部6の上方側に相対的にずらす位置調整機構を設けることで対処することができる。
【0029】
図11〜図15に示すものは、搭載部6の傾斜角に応じて搭載部6を後方側へスライドさせるスライド機構を設けたもので、本体1の上面から突設されて上端に搭載部6が軸10で連結される支持部11を本体1に前後に回動自在なものとして設けるとともに、本体1の上面に前後方向のスライドレール12と、このスライドレール12の両端に位置するスプロケット13,13を設けてスプロケット13,13間にチェーン14をかける。図中15はチェーン駆動用のモータである。また、搭載部6の前端側にスライドレール12に沿って摺動するころ68を設けるとともに、上記チェーン14に搭載部6を連結する。
【0030】
さらに、搭載部6の縦枠60に上下方向のスライドレール64を設けて、ハンドル7を本体1に連結している平行リンク機構Pに設けたころ63をスライドレール64に係合させる。
搭載部6の傾斜に応じて上記チェーン駆動用モータ15を駆動することで、搭載部6を寝かせるにつれて搭載部6が後方へスライドしていくようにすることで、図14及び図15に示すように、ハンドル7が荷物9の下に潜り込んでしまうことを避けるのである。
【0031】
図16〜図18は、搭載部6の傾斜角に応じてハンドル支持部材を伸縮させる伸縮機構を設けることで、ハンドル7の位置調整を行うようにしたものを示しており、搭載部6の縦枠60を1つのリンクとする平行リンク機構Pにおける上部リンク40にスライドガイド41を設けて、ハンドル7が取り付けられたスライドブロック42におけるころ43をスライドガイド41で受け、さらに搭載部6の縦枠60の上端部とスライドブロック42の連結部44とをリンク45で連結している。
【0032】
搭載部6を寝かせても平行リンク機構Pのためにハンドル7の向き(角度γ)が変わらないのに加えて、搭載部6を寝かせるにつれてリンク45でスライドブロック42が押されるために、図18に示すようにスライドブロック42がリンク40に対してスライドしていき、荷物9の下にハンドル7が潜り込んでしまうことがない。
【0033】
力センサー71,72を備えたハンドル7としては、各種のものを用いることができるが、前後方向及び上下方向に加えられた力を夫々検出することができるものとして、図19に示すような2軸検出型の市販のジョイスティックを用いることがコスト的に最も有利であり、この場合、片手のみで操作することができる。片手のみで操作し得るものでは、あいた手で別の荷物を持ったり、あいた手を非常時の対処のために使うことができる。
【0034】
図20及び図21は、同じく片手のみで操作することができるものの一例を示しており、ハンドル支持部73に一対の上下に対向する平行な板ばね74,74を介して中間部材75を取り付けるとともに、該中間部材75に上記板ばね74とは90度向きが異なる前後に対向する一対の平行な板ばね76,76を介して可動部材77を取り付けて、該可動部材77にハンドル7を装着している。また、力センサー71,72としては、板ばね74,76の変位量を検出するリニアポテンショメータを用いている。図中78はハンドル支持部73に設けた固定ハンドルである。
【0035】
ハンドル7を前後に動かせば、図21(b)に示すように板ばね76が撓むとともにこの時の変位量から前後方向に加えられた力を検出することができ、ハンドル7を上下に動かせば、図21(a)に示すように板ばね74が撓むとともにこの時の変位量から上下方向に加えられた力を検出することができる。ハンドル7の動きが平行移動となるために、動作させたい方向とハンドル7の動きの方向とを一致させることができ、感覚的にわかりやすいものを得ることができるほか、ジョイスティック型のものに比して、がたつきが無く、しかも剛性を大きくとることができるために、歪みが小さくて良好な操作感のものを得ることができる。
【0036】
上記可動板77の左右両面に夫々ハンドル7,7を取り付ければ、図22及び図23に示すように、左右いずれのハンドル7,7を操作した時にも加えられた力を検出することができ、ハンドル7正面に操作者がいなくても左右どちらかでも操作することができる。また、このものでは両ハンドル7,7に同時に力を加えることができるのはもちろんである。
【0037】
片手による操作も両手による操作も可能な構成の他例を図24に示す。ハンドル支持部73から垂下された前後一対の平行な板ばね76,76の先端間に可動部材77を取り付けるとともに、該可動部材77に軸78を中心に回転自在となったハンドル7を取り付ける。また、可動部材77には、上記軸78を中心に回動自在な上下一対のアーム85,85を設けるともに両アーム85,85間に引っ張りばね86を架け渡す。さらにハンドル7には両アーム85,85間に位置するピン87を設けるともにこのピン87に回転型ポテンショメータである力センサー72から延出したアーム88を連結する。なお、上下一対のアーム85,85は間に位置する可動部材77によって回転方向に制限を受けている。
【0038】
ハンドル7に加えられた前後方向の力によって板ばね76が撓む時、この撓み量をリニアポテンショメータである力センサー71で検出し、ハンドル7に加えられた上下方向の力によっていずれかのアーム85を引っ張りばね86に抗して回転させる時のハンドル7の回転量を力センサー72で検出する。
両手でも片手でも操作可能なものとしては、図25に示すように、2軸ジョイスティック型のハンドル7を左右一対で用いるとともに、各ハンドル7,7毎の力センサー71,72の出力Fvl,Fhl,Fvr,Fhrを合成(Fvl+Fvr,Fhl,Fhr)するものも用いることができる。
【0039】
左右一対のハンドル7,7を設けて、片方のハンドル7から前後方向の力を、他方のハンドル7から上下方向の力を検出するようにしてもよい。図26はこの場合に好適に用いることができるハンドルブロックを示しており、このハンドルブロックを左右において90度向きを変えて取り付けるのである。なお、該ハンドルブロックの構成は、図24で示したものと同じであるために説明は省略する。2つの1軸型のジョイスティックを左右において90度向きを変えて取り付けるようにしてもよい。
【0040】
図27及び図28に他例を示す。ハンドル支持部73に上下一対の平行な板ばね74,74を介して可動部材77を取り付けるとともに、該可動部材77に上下方向の軸78を中心に回転自在となった右側ハンドル7を取り付けるとともに左側ハンドル7を固定し、また、可動部材77には、上記軸78を中心に回動自在な前後一対のアーム85,85を設けるともに両アーム85,85間に引っ張りばね86を架け渡している。さらに上記ハンドル支持部73には、可動部材77の上下動に伴っていずれか一方が追随して上下に回動する一対のアーム90,90を設けて、両アーム90,90間に引っ張りばね91を架け渡している。
【0041】
図中右側のハンドル7を前後方向に動かせば、軸78を中心とするハンドル7がいずれか一方のアーム85を引っ張りばね86に抗して回転させるものであり、この時のハンドル7の回転量をピン87及びアーム88介して連結された回転型ポテンショメータである力センサー71で検出する。左側のハンドル7は前後に動かすことができないために、前後方向については右側ハンドル7のみで操作可能となっているわけである。
【0042】
一方、右側ハンドル7または左側ハンドル7あるいはこの両者を上下に動かせば、可動部材7が板ばね74及び引っ張りばね91に抗して上下に動くものであり、この時の可動部材7の移動量をリニアポテンショメータである力センサー72で検出する。搭載部6の傾斜方向についての上下方向に関しては、左右どちらのハンドル7,7でも操作することができるようになっており、危険回避への対応が容易となっている。
【0043】
なお、右側のハンドル7に設けたスイッチSは、駆動用モータ21から無限軌道20に至る動力伝達系の途中に設けた電磁ブレーキを解除するためのもので、該スイッチSを押している時だけ、電磁ブレーキが解除されて、無限軌道20への動力伝達がなされるようになっている。電磁ブレーキが解除されないことには、ハンドル7に前後方向の力を加えても走行することがないために、ハンドル7が何かにあたったために動き出すということがないものである。
【0044】
また、階段を下るに際して、ハンドル7に力をかけなくても、このスイッチSを押してブレーキを解除すれば、重力によって下ることができるために、モータ21が壊れたり、バッテリーがあがりかけても、とにかく階段昇降搬送車を降ろして平地に戻すことができる。
上記ブレーキは走行部2に設けるだけでなく、搭載部6の角度調整用のリニアアクチュエータ3にも設けてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、ハンドルを所望の方向に引っ張ったり押したりすれば、その力に応じた走行動作と荷物搭載部の角度調整とが共になされるものであり、走行と角度調整とを個々の操作で制御する必要がなく、このために操作性がきわめて良好であって、熟練を要しない上に、得られる動作もスムーズなものとなる。
【0046】
しかも、荷物搭載部の傾斜角に応じてハンドルの向きを補正する補正手段を介して荷物搭載部にハンドルを設けて、操作入力用のハンドルに加えられる力の検出方向は、荷物搭載部の本体に対する傾斜角の値にかかわらず本体に対して一定の向きとなるようにしているために、搭載部の傾斜角によって操作感覚が変化してしまうということがなくさらに良好な操作感を得ることができる。
上記補正手段としては、本体に対する荷物搭載部の回転角を荷物搭載部におけるハンドル支持部に伝達して荷物搭載部に対するハンドル取付角を変更するものを好適に用いることができる。また、入力用のハンドルを平行リンク機構を介して設けても同じ結果を得ることができる。
【0047】
また、操作入力用のハンドルの位置を荷物搭載部の傾斜角に応じて荷物搭載部の上方側に相対的にずらす位置調整機構を備えたものとすると、荷物の背が高い場合にも、荷物搭載部を傾けた時にハンドルが荷物の下に潜り込んでしまうことがなく、ハンドル操作を容易に行うことができる。上記位置調整機構としては、荷物搭載部の傾斜角に応じて荷物搭載部をスライドさせるスライド機構や、荷物搭載部の傾斜角に応じてハンドル支持部材を伸縮させる伸縮機構を好適に用いることができる。
【0050】
階段昇降用走行部を備えた本体に、該本体に対する傾斜角を可変とした荷物搭載部を設けた階段昇降搬送車であり、操作入力用のハンドルと、該ハンドルに加えられる前後方向の力に応じて階段昇降用走行部を作動させるとともに上記ハンドルに加えられる上下方向の力に応じて上記本体に対する荷物搭載部の傾斜角の変更用の角度調整部を作動させる制御手段を備え、操作入力用のハンドルは荷物搭載部に固定的に設けられており、制御手段はハンドルに加えられた力のうちの前後方向成分と上下方向成分とを荷物搭載部の傾斜角度に応じて演算して、操作入力用のハンドルに加えられる力の検出方向を荷物搭載部の本体に対する傾斜角の値にかかわらず本体に対して一定の向きとしているものであってもよい。この場合においても、熟練を要さずに容易に操作することができる上に、上記傾斜角で操作感覚が変化してしまうということがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すもので、(a)は側面図、(b)は片側の無限軌道を破断した正面図である。
【図2】同上の本体及び走行部の平面図である。
【図3】同上のブロック回路図である。
【図4】同上のハンドルの動きを示すもので、(a)(b)(c)は側面図である。
【図5】同上のハンドル支持構造の他例を示す側面図である。
【図6】同上のハンドル支持構造のさらに他例を示す側面図である。
【図7】同上のブロック回路図である。
【図8】同上のハンドル支持構造の別の例を示す側面図である。
【図9】同上のハンドル支持構造のさらに別の例を示す側面図である。
【図10】同上の搭載部の傾斜角度に応じた補正動作のフローチャートである。
【図11】同上のハンドル位置調整機構の一例を示す分解側面図である。
【図12】同上の部分平面図である。
【図13】 (a)は同上の部分横断面図、(b)は部分縦断面図である。
【図14】同上の動作を示す側面図である。
【図15】同上の階段昇降時の側面図である。
【図16】同上のハンドル位置調整機構の他例を示す側面図である。
【図17】 (a)(b)は同上のハンドル部の斜視図である。
【図18】同上の動作を示す側面図である。
【図19】同上のハンドル及び検出手段の一例の斜視図である。
【図20】同上のハンドル及び検出手段の他例の斜視図である。
【図21】 (a)(b)は同上の動作を示す横断面図と水平断面図である。
【図22】同上のハンドル及び検出手段のさらに他例の斜視図である。
【図23】 (a)(b)は同上の動作を示す横断面図と水平断面図である。
【図24】同上のハンドル及び検出手段の別の例を示すもので、(a)(b)は縦断面図である。
【図25】同上のハンドル及び検出手段のさらに別の例の正面図である。
【図26】同上のハンドル及び検出手段の異なる例を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図27】同上のハンドル及び検出手段のさらに異なる例を示すもので、(a)は水平断面図、(b)は正面図である。
【図28】 (a)(b)は同上の縦断面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 走行手段
3 傾斜角調整用リニアアクチュエータ
6 搭載部
7 ハンドル
71 力センサー
72 力センサー

Claims (7)

  1. 階段昇降用走行部を備えた本体に、該本体に対する傾斜角を可変とした荷物搭載部を設けた階段昇降搬送車であり、操作入力用のハンドルと、該ハンドルに加えられる前後方向の力に応じて階段昇降用走行部を作動させるとともに上記ハンドルに加えられる上下方向の力に応じて上記本体に対する荷物搭載部の傾斜角の変更用の角度調整部を作動させる制御手段を備え、操作入力用の上記ハンドルは荷物搭載部に設けられているとともに、荷物搭載部の傾斜角に応じてハンドルの向きを補正する補正手段を介して荷物搭載部に設けられて、操作入力用のハンドルに加えられる力の検出方向が、荷物搭載部の本体に対する傾斜角の値にかかわらず本体に対して一定の向きとなっていることを特徴とする階段昇降搬送車。
  2. 補正手段は、本体に対する荷物搭載部の回転角を荷物搭載部におけるハンドル支持部に伝達して荷物搭載部に対するハンドル取付角を変更するものであることを特徴とする請求項1記載の階段昇降搬送車。
  3. 操作入力用のハンドルは平行リンク機構を介して設けられていることを特徴とする請求項2記載の階段昇降搬送車。
  4. 操作入力用のハンドルの位置を荷物搭載部の傾斜角に応じて荷物搭載部の上方側に相対的にずらす位置調整機構を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの1に記載の階段昇降搬送車。
  5. 位置調整機構は、荷物搭載部の傾斜角に応じて荷物搭載部をスライドさせるスライド機構であることを特徴とする請求項4記載の階段昇降搬送車。
  6. 位置調整機構は、荷物搭載部の傾斜角に応じてハンドル支持部材を伸縮させる伸縮機構であることを特徴とする請求項4記載の階段昇降搬送車。
  7. 階段昇降用走行部を備えた本体に、該本体に対する傾斜角を可変とした荷物搭載部を設けた階段昇降搬送車であり、操作入力用のハンドルと、該ハンドルに加えられる前後方向の力に応じて階段昇降用走行部を作動させるとともに上記ハンドルに加えられる上下方向の力に応じて上記本体に対する荷物搭載部の傾斜角の変更用の角度調整部を作動させる制御手段を備え、操作入力用のハンドルは荷物搭載部に固定的に設けられており、制御手段はハンドルに加えられた力のうちの前後方向成分と上下方向成分とを荷物搭載部の傾斜角度に応じて演算して、操作入力用のハンドルに加えられる力の検出方向を荷物搭載部の本体に対する傾斜角の値にかかわらず本体に対して一定の向きとしているものであることを特徴とする階段昇降搬送車。
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