JP3839772B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板と基材とを相互に押し付けることで、基材に予め形成されている絶縁膜などの薄膜を基板に転写して形成する薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の高密度化に伴い、多層配線技術は、必須なものとなっている。多層配線を実現するために、配線層間を分離する絶縁膜や、金属配線層の平坦化技術が開発されてきた。この平坦化技術のうち、転写を用いた方法としてSTP法が提案されている(非特許文献1参照)。この技術は、形成したい薄膜を予め基材に形成し、これを減圧環境の中で加熱加圧することで上記薄膜を半導体などの基板上に転写するものである。
【0003】
上記STP法について図6,図7を用いて簡単に説明する。まず、図6(a)に示すように、密閉可能な真空容器601に配置された温度調整可能な上プレート602に、半導体基板604を装着する。一方、予め薄膜605が形成されている基材606を用意し、これを下プレート603の上方に配置されている基材装着機構607に装着する。基材606としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)もしくはETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)などからなるシートフィルムを用いる。
【0004】
つぎに、真空排気ポンプ608により、真空容器601内を真空に減圧するとともに、プレート駆動装置609により、下プレート603を上プレート602に向けて上昇させる。この過程において、まず下プレート603のみを上昇させてこの上面を基材606に接触させ、下プレート603の上昇により基材606を伸張させる(図6(b))。下プレート603の上面の面積は、基材606より小さく、下プレート603の上面の全域が、基材606により覆われた状態となっている。
【0005】
この後、下プレート603と基材606(基材装着機構607)とが所定の位置関係に達した時点で、基材装着機構607と下プレート603の位置関係を一定に保ったまま更に上昇させ、基材606上の薄膜605を上プレート602によって保持された半導体基板604に当接させる。このとき、下プレート603及び上プレート602は、各々の温度調節機構により所定の温度にしておく。
【0006】
ここで、下プレート603により上プレート602が受ける荷重が、荷重センサ610により検出される。荷重センサ610により、上プレート602すなわち半導体基板604への荷重を測定し、この測定値が所望の値となるようにプレート駆動装置609を制御する。この当接させ所定の圧力を加えた状態を所定時間保持した後、上プレート602における半導体基板604の固定状態を解放し、基材装着機構607と下プレート603とを下降させて荷重を解放し、半導体基板604より基材606を離間させ、半導体基板604に薄膜605が形成された状態を得る。
【0007】
【非特許文献1】
K.Machida et al.,“Novel Global Planarization Technology for Interlayer Dielectrics using Spin on Glass Film Transfer and Hot Pressing"J.Vac.Sci.Technol.B16(3),May/June,1093(1998)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、下プレート603は、図8の斜視図に示すように上面が平坦な形状となっている。このため、図6(b)に示すように、下プレート603の上面に基材606を押し付けて密着させると、真空容器601に残留している気体が、下プレート603とこれを覆う基材606との間に逃げ道のない状態で閉じ込められる。この後、下プレート603を上昇させて基材606上の薄膜605を半導体基板604に当接させる過程の最中においても、真空排気ポンプ608は真空排気を続けていて真空容器601内部の圧力は徐々に低下していく。
【0009】
この結果、下プレート603と基材606の間に形成された閉空間内部の圧力は、この外部となる真空容器601内部の圧力より高い状態となる。また、下プレート603が加熱されている場合、上記閉空間内部の気体も加熱され、このことによっても、上記閉空間内部の気体の圧力は上昇する。このように、周囲の真空容器601内部より高い圧力となった上記閉空間内部の気体は、図7(a)に示すように、基材606を上方に盛り上がらせてしまう。
【0010】
この状態で、下プレート603が上昇を続けて基材606上の薄膜605を半導体基板604に当接させるため、薄膜605は中心部から半導体基板604に接する。最終的には、図7(b)に示すように、薄膜605は半導体基板604に完全に押し付けられ、所定の荷重が加わった状態で停止する。
この後、前述したように、上プレート602より半導体基板604を解放し、更に、荷重を解放して半導体基板604より基材606を分離すると、図9に示すように、転写不良が発生する。
【0011】
基材606の中央部が盛り上がった状態で、この上の薄膜605が半導体基板604に当接してから、薄膜605全域が半導体基板604に密着した場合、均一な接触状態が得られなくなり、例えば、図9(a),(b)に示すように、堅さや膜質の異なる領域605a,605bが、半導体基板604の上に形成される場合がある。
以上のように、前述した従来の薄膜形成方法では、膜質が異なる領域が発生するなど、転写不良が発生するという問題があった。
【0012】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、基材とこれに当接されるプレートとの間に存在する気体の膨張による、プレート上での基材の盛り上がりを抑制し、転写不良などがない状態で、転写対象の基板全域に薄膜が転写できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る薄膜形成装置は、その内部の圧力が低下していく処理容器内で、シート状の基材の表面に形成された薄膜を基板に転写する装置であり、基材の表面側及び裏面側を開放した状態で、基材を保持する基材保持機構と、基材保持機構に保持された基材の表面上の薄膜に対向するように基板を固定する第1プレートと、基材保持機構に保持された基材の裏面側に第1プレートに対向して配置されるとともに、基材の裏面を支持するための平坦面を有し、かつ、基材の裏面に当接する平坦面の領域と処理容器の内部空間とを連通する連通孔を有する第2プレートと、基材保持機構に保持された基材に対して第2プレートを相対的に進退させる進退手段と、基材保持機構に保持されるとともにその裏面が第2プレートに支持された基材を、第1プレートに固定された基板に対して相対的に進退させるとともに、薄膜が基板に当接した状態で第1プレートと第2プレートとの間に荷重を加えるプレート駆動手段とを備えるものである。
この薄膜形成装置では、第2プレートの平坦面に基材が当接して基材が伸張され、平坦面が基材によって覆われる状態において、基材と平坦面との間に閉空間が形成されず、連通孔を介して外部と通じた状態となっている。
【0014】
また、本発明の他の形態に係る薄膜形成装置は、処理容器内で、シート状の基材の表面に形成された薄膜を、少なくとも基材を加熱しつつ基板に転写する装置であり、基材の表面側及び裏面側を開放した状態で、基材を保持する基材保持機構と、基材保持機構に保持された基材の表面上の薄膜に対向するように基板を固定する第1プレートと、基材保持機構に保持された基材の裏面側に第1プレートに対向して配置されるとともに、基材の裏面を支持するための平坦面を有し、かつ、基材の裏面に当接する平坦面の領域と処理容器の内部空間とを連通する連通孔を有する第2プレートと、基材保持機構に保持された基材に対して第2プレートを相対的に進退させる進退手段と、基材保持機構に保持されるとともにその裏面が第2プレートに支持された基材を、第1プレートに固定された基板に対して相対的に進退させるとともに、薄膜が基板に当接した状態で第1プレートと第2プレートとの間に荷重を加えるプレート駆動手段とを備えるものである。
この薄膜形成装置では、第2プレートの平坦面に基材が当接して基材が伸張され、平坦面が基材によって覆われる状態において、基材と平坦面との間に閉空間が形成されず、連通孔を介して外部と通じた状態となっている。
【0015】
上記薄膜形成装置において、第2プレートは、複数の連通孔を備えていてもよい。
また、上記薄膜形成装置において、第2プレートの平坦面は、基板装着面より広く形成され、連通孔の平坦面における開口部は、基板装着面に装着される基板によって荷重が加わる領域以外に配置されているものである。
上記薄膜形成装置において、第2プレートは、金属から構成されたものであってもよい。
【0016】
また、上記薄膜形成装置において、第2プレートは、凹部が形成されてこの凹部周辺に枠状の平坦部を備えた台座と、この台座の凹部に嵌合して平坦部に連続する上面を備えた定盤とから構成され、連通孔は、台座の平坦部からこの平坦部及び凹部以外の領域に連通し、平坦面は、台座の平坦部と定盤の上面とから構成されたものとしてもよい。
また、上記薄膜形成装置において、台座は、金属から構成され、定盤は、石英から構成されたものであってもよい。
【0017】
また、上記薄膜形成装置において、基材保持機構に保持されている基材を伸張させる基材伸張手段を備え、例えば、基材伸張手段によって伸張した基材が、この裏面を第2プレートに支持された状態とするようにしてもよい。基材伸張手段は、例えば、断面が円形の枠状に形成され、基材保持機構と第2プレートとの間の領域に、処理容器内を上下に移動可能に配置されているものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における薄膜形成装置の概略的な構成例を示す構成図であり、図1(a),(c)は断面図、図1(b)は斜視図,図1(d)は平面図である。図1に示す薄膜形成装置は、まず、密閉可能な真空容器100と、真空容器100内の下部に上下方向に可動可能に配置された下プレート(第2プレート)101と、真空容器100内の上部に固定され、処理対象の半導体基板102が固定される上プレート(第1プレート)103を備える。
【0019】
上プレート103は、基板102が装着される平坦な面(基板装着面)S1を備え、また、下プレート101は、基板装着面S1に対向する平坦な対向面(平坦面)S2を備えている。下プレート101は、プレート駆動装置(進退手段)107により上下方向に移動する。また、上プレート103は、真空容器100上部に配置された荷重センサ108に連通し、上プレート103に加わる荷重が測定可能な状態とされている。
【0020】
なお、図示していないが、上プレート103は加熱機構を備え、上プレート103に装着される半導体基板102を加熱可能にしている。同様に、図示していないが、下プレート101は加熱機構を備え、例えば以降に示す基材105などの、下プレート101の対向面(平坦面)上のものを加熱可能としている。
【0021】
また、真空容器100内には、転写対象の薄膜104が形成された基材105を、この表面側及び裏面側を開放した状態で展着して保持する基材保持機構106を備えている。基材保持機構106は、図1(d)に示すように、円形の枠状に形成され、平面視円形の下プレート101と同様に、真空容器100内を上下に移動可能にされている。なお、基材保持機構106は、枠状に限るものではない。
【0022】
このように構成された基材保持機構106に対し、上プレート103は、基材保持機構106に保持された基材105の表面に形成される薄膜104に対向するように配置される。また、下プレート101は、基材保持機構106に保持された基材105の裏面側に、上プレート103に対向して配置され、かつ、基材105の裏面を支持するための平坦面である対向面S2を有している。また、下プレート101は、プレート駆動装置107により、基材保持機構106に保持された基材105に対して相対的に進退する。
【0023】
加えて、本実施の形態の薄膜形成装置においては、下プレート101の対向面S2よりこの対向面S2以外に連通する連通孔110を、下プレート101に設けた。下プレート101は、例えばアルミニウムやこの合金などの金属から構成すれば、連通孔101の形成加工が容易である。また、例えば、図1(b)に示すように、下プレート101は、4つの連通孔110を備える。また、例えば、連通孔110の対向面S2における開口部は、上プレート103の上方から見た場合、上プレート103より外側に配置されている。連通孔110の、一方の開口部は、対向面以外の側部や底部などに配置されていればよい。
【0024】
以下、本実施の形態における薄膜形成装置の動作について説明する。まず、上プレート103の基板装着面S1に、図示していない基板装着機構によって、主面を下側に向けて半導体基板102を装着する。一方、塗布法などにより予め薄膜104が形成されている基材105を、薄膜104の形成面を上側(上プレート側)に向け、基材保持機構106に装着(展着)する。基材105は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)もしくはETFE(エチレンテトラフルオロエチレン)などの、可撓性を有し、また可塑性を有する有機材料からなるシートフィルムである。
【0025】
つぎに、真空排気ポンプ(真空排気手段)109の真空排気により真空容器100内の圧力を低下させるとともに、プレート駆動装置107により、下プレート101のみを上昇させる。この動作により、下プレート101が基材105に接触し、図2(a)に示すように、基材105を伸張させる。下プレート101が上昇することで、下プレート101により基材105の一部(中央部分)が押し上げられるが、基材105周囲は基材保持機構106により固定されている。
【0026】
このため、基材保持機構106と下プレート101の位置関係によって、基材105には、水平方向に引き伸ばす張力と、下プレート101による上向きの力が印加され、この結果、基材105は伸張する。従って、図1の薄膜形成装置では、プレート駆動装置107,基材保持機構106,及び下プレート101により、基材伸張手段が構成されている。
【0027】
このとき、本実施の形態では、連通孔110を設けているので、基材105と下プレート101の対向面(平坦面)とによる閉空間が形成されることがない。従って、これ以降、真空容器100内の圧力がより低下しても、下プレート101の対向面S2上で、基材105が盛り上がることがない。
このように基材105の盛り上がりが抑制された状態で、下プレート101と基材保持機構106との位置関係を保持したまま、これらを上プレート103の方向に移動させ、図2(b)に示すように、薄膜104の上面を半導体基板102の主表面に当接させる。
【0028】
この後、プレート駆動装置107の駆動により、下プレート101を上プレート103側に所定の荷重で押し付けることで、半導体基板102の主表面上に薄膜104を接着させる。このとき、上プレート103及び下プレート101は所定の温度とする。また、荷重センサ108により上プレート103に加わる荷重を測定し、下プレート101の上昇による上プレート103に加わる荷重が、所定の範囲内となるようにプレート駆動装置107を制御する。
【0029】
下プレート101を上プレート103側に押し付けることで、所定の時間、半導体基板102の表面に薄膜104を押し付けて接着させた後、まず、従来と同様にし、上プレート103における半導体基板102の固定状態を解放する。次いで、プレート駆動装置107を制御して下プレート101を上プレート103側より降下させ、上プレート103から離間させる。最後に、真空容器100の内圧を大気圧に戻し、基材105と半導体基板102とに分離すれば、薄膜104が半導体基板102に転写された状態を得ることができる。
【0030】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、下プレート101に連通孔110を設けたので、下プレート101と基材105との間に閉空間が形成されることが無く、基材105の盛り上がりが抑制されるので、転写不良のない均一な薄膜の形成が実現できる。また、図1,2に示す薄膜形成装置では、連通孔110は、薄膜104を半導体基板102に当接させた状態における半導体基板102の配置領域より外側に形成されている。従って、連通孔110の開口部が、上プレート103に下プレート101を押し付ける際に、半導体基板102と薄膜104との間に加わる荷重に、部分的な不均一などが発生することがない。
【0031】
また、下プレート101の対向面S2上に形成された連通孔110の開口部は、対向面S2の終端部より内側に配置している。すなわち、開口部が下プレート101の終端部に掛からないように形成され、下プレート101の終端部は欠けなどがない平面視円形となっている。このような下プレート101の対向面S2を、図2(a)に示すように、基材105に押し付けると、下プレート101の終端部の全周が、均一に基材105に当接し、この結果、基材105を均一に伸張することができる。
【0032】
ところで、下プレート101は、図3に示すように、凹部が形成されてこの凹部周辺に枠状の平坦部を備えた台座101aと、台座101aの凹部に嵌合して平坦部に連続する上面を備えた定盤101bとから構成してもよい。連通孔110aは、台座101aの平坦部からこの平坦部及び凹部以外の領域に連通している。例えば、連通孔110aの形成などの加工が容易なアルミニウムから台座101aを構成し、高い平坦性を形成できる石英などから定盤101bを構成すればよい。
【0033】
定盤101bは、図3(b)に示すように、半導体基板102の領域に対応する部分を含む面積とする。また、下プレート101の対向面は、台座101aの平坦部と定盤101bの上面とから構成される。従って、図3の下プレート101では、台座101aの平坦部と定盤101bの上面とにより、連続した1つの平面(対向面)が形成されている。
【0034】
このように、下プレート101を2つの部分から構成することで、各部分に要求される特性を満たす材料を、各々用いることができるようになる。
また、定盤101bを、台座101aより取り外し可能な状態とすることで、下プレート101の対向面が汚れたときや定盤101b部分が破損したときなど、定盤101bを取り外して洗浄し、また交換すればよいなど、保守性が向上する。
【0035】
ところで、上述では、下プレート101に4つの連通孔を設けるようにしたがこれに限るものではない。
例えば、図4(a)に示すように、下プレート101に16個の連通孔110を設けるようにしてもよい。また、図4(b)に示すように、下プレート101に、円弧状のスリットによる連通孔110bを設けるようにしてもよい。
【0036】
また、図4(c)に示すように、下プレート101の対向面の中央部に開口部を有する連通孔110cを、下プレート101に設けるようにしてもよい。基材の可撓性が低い場合や、下プレート101と上プレート103との間にあまり荷重をかけずに転写を行う場合など、荷重に部分的な不均一があまり問題にならない場合は、下プレート101の対向面の中央部に開口部があってもよい。
【0037】
なお、上述した実施の形態では、基材105を下プレート101の突き上げにより伸張するようにしたが、これに限るものではなく、別の基材伸張手段を新たに設けるようにしてもよい。
例えば、図5に示すように、基材伸張機構(基材伸張手段)510を備えるようにしてもよい。基材伸張機構510は、図5の左右方向に、基材保持機構106と下プレート101との間の領域に配置される。基材伸張機構510は、例えば基材保持機構106と同様に円形の枠状に形成し、平面視円形の下プレート101と同様に、真空容器101内を上下に移動可能にすればよい。なお、基材伸張機構510は、枠状に限るものではない。
【0038】
この基材伸張機構510も、基材保持機構106と同様に、図示していない駆動装置により上下方向に移動する。例えば、図示しない駆動装置により、基材伸張機構510を下方(下プレート側)に移動させ、基材伸張機構510が、基材保持機構106より下プレート101側に配置されているようにすれば、図5(b)に示すように、基材伸張機構510により基材105が伸張した状態となる。この、基材伸張機構510による基材105の伸張は、基材105が下プレート101に当接した状態で行ってもよい。基材伸張機構510による基材105の伸張により、例えば、基材105を基材保持機構106に取り付けた段階で発生している基材105のシワを除去することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、第2プレートの対向面に基材が当接して覆う状態となっても、基材と対向面との間に閉空間が形成されず、連通孔を介して処理容器内の空間と連通した状態となるようにした。この結果、本発明によれば、基材とこれに当接されるプレートとの間に存在する気体の膨張による、プレート上での基材の盛り上がりを抑制し、転写不良などがない状態で、転写対象の基板全域に薄膜が転写できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における薄膜形成装置の概略的な構成例を示す構成図であり、(a),(c)は断面図、(b)は斜視図,(d)は平面図である。
【図2】 図1に示す薄膜形成装置の動作例を説明するための工程図である。
【図3】 本発明の他の形態における薄膜形成装置の概略的な構成例を示す部分的な構成図である。
【図4】 本発明の他の形態における薄膜形成装置の概略的な構成例を示す部分的な構成図である。
【図5】 本発明の他の形態における薄膜形成装置の概略的な構成例を示す部分的な構成図である。
【図6】 従来よりある薄膜形成装置の構成を示す概略的な構成図である。
【図7】 従来よりある薄膜形成装置の構成を示す概略的な構成図である。
【図8】 従来よりある薄膜形成装置の下プレートを示す斜視図である。
【図9】 従来の薄膜形成方法による薄膜形成の状態を示す断面図(a)及び平面図(b)である。
【符号の説明】
101…下プレート(第2プレート)、102…半導体基板、103…上プレート(第1プレート)、104…薄膜、105…基材、106…基材保持機構、…、107…プレート駆動装置、108…荷重センサ、109…真空排気ポンプ(真空排気手段)。
Claims (8)
- その内部の圧力が低下していく処理容器内で、シート状の基材の表面に形成された薄膜を基板に転写する薄膜形成装置において、
前記基材の表面側及び裏面側を開放した状態で、前記基材を保持する基材保持機構と、
前記基材保持機構に保持された前記基材の表面上の前記薄膜に対向するように前記基板を固定する第1プレートと、
前記基材保持機構に保持された前記基材の裏面側に前記第1プレートに対向して配置されるとともに、前記基材の裏面を支持するための平坦面を有し、かつ、前記基材の裏面に当接する前記平坦面の領域と前記処理容器の内部空間とを連通する連通孔を有する第2プレートと、
前記基材保持機構に保持された前記基材に対して前記第2プレートを相対的に進退させる進退手段と、
前記基材保持機構に保持されるとともにその裏面が前記第2プレートに支持された前記基材を、前記第1プレートに固定された前記基板に対して相対的に進退させるとともに、前記薄膜が前記基板に当接した状態で前記第1プレートと前記第2プレートとの間に荷重を加えるプレート駆動手段と
を備えることを特徴とする薄膜形成装置。 - 処理容器内で、シート状の基材の表面に形成された薄膜を、少なくとも基材を加熱しつつ基板に転写する薄膜形成装置において、
前記基材の表面側及び裏面側を開放した状態で、前記基材を保持する基材保持機構と、
前記基材保持機構に保持された前記基材の表面上の前記薄膜に対向するように前記基板を固定する第1プレートと、
前記基材保持機構に保持された前記基材の裏面側に前記第1プレートに対向して配置されるとともに、前記基材の裏面を支持するための平坦面を有し、かつ、前記基材の裏面に当接する前記平坦面の領域と前記処理容器の内部空間とを連通する連通孔を有する第2プレートと、
前記基材保持機構に保持された前記基材に対して前記第2プレートを相対的に進退させる進退手段と、
前記基材保持機構に保持されるとともにその裏面が前記第2プレートに支持された前記基材を、前記第1プレートに固定された前記基板に対して相対的に進退させるとともに、前記薄膜が前記基板に当接した状態で前記第1プレートと前記第2プレートとの間に荷重を加えるプレート駆動手段と
を備えることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1または2記載の薄膜形成装置において、
前記第2プレートは、複数の前記連通孔を備えたものである
ことを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1または2記載の薄膜形成装置において、
前記基材の裏面に当接する第2プレートの前記平坦面の領域に形成された前記連通孔の開口部が、前記プレート駆動手段によって前記第2プレートが前記基板に荷重を加える領域以外に形成されている
ことを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜形成装置において、
前記第2プレートは、金属から構成されたものである
ことを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜形成装置において、
前記第2プレートは、
凹部が形成されてこの凹部周辺に枠状の平坦部を備えた台座と、
この台座の凹部に嵌合して前記平坦部に連続する上面を備えた定盤と
から構成され、
前記連通孔は、前記台座の平坦部からこの平坦部及び前記凹部以外の領域に連通し、
前記平坦面は、前記台座の平坦部と前記定盤の上面とから構成され
たものであることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項6記載の薄膜形成装置において、
前記台座は、金属から構成され、
前記定盤は、石英から構成され
たものであることを特徴とする薄膜形成装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜形成装置において、
前記基材保持機構に保持されている前記基材を伸張させる基材伸張手段を備えたことを特徴とする薄膜形成装置。
Priority Applications (1)
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