JP3839575B2 - 鉄骨工事用コラム裏当て金 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋼管等からなるコラムを被着材に溶接して接続する際に、その接続部に裏当てして使用される鉄骨工事用コラム裏当て金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コラム同士を突き合わせて溶接し、柱を製作する場合、超音波検査をクリアするために、従来は、その接合部に板状の裏当て金を裏当てして行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の裏当て金は、単なる板状に形成されてなるものであったので、コラムの端部に嵌合する際に、その位置決めが困難であり、コラム内に入り過ぎたりすることがあった。
そこで、本発明においては、適切な長さだけコラムへ嵌挿することができ、コラムに対する位置決めが容易な鉄骨工事用コラム裏当て金を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る鉄骨工事用コラム裏当て金は、鋼管等からなるコラム同士を接続する際に、接続部に設けられる鉄骨工事用コラム裏当て金であって、一方のコラムの端部に嵌合される管状の第1嵌合部と、この第1嵌合部に連設され、第1嵌合部より僅かに拡径して形成され、第1嵌合部から離間するに従って縮径する先細テーパー状に形成された第2嵌合部とからなり、一方のコラムの端面に第2嵌合部の基端部を当接して、一方のコラムの端部に第1嵌合部を嵌合すると共に、第2嵌合部に他方のコラムの端部を嵌合して、両コラムの端部同士が溶接されることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の鉄骨工事用コラム裏当て金1について、さらに詳細に説明する。
図1は、本発明の鉄骨工事用コラム裏当て金1の一実施例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は縦断面図である。
この実施例のコラム裏当て金1は、略矩形筒状の角型鋼管からなるコラム3,3同士を接続して建物用柱を製作する際などに使用されるものである。
【0006】
コラム裏当て金1は、図1に示すように、コラム3よりも一回り小さな角型鋼管状に形成されてなる。つまり、コラム裏当て金1の下部は、コラム3の内径に適合する大きさの略矩形筒状に形成された第1嵌合部11とされている。一方、第1嵌合部11の上部には、第1嵌合部11よりも僅かに拡径した略矩形筒状の第2嵌合部12が連設されている。この第2嵌合部12は、第1嵌合部11の上端部から径方向(水平方向)外側に拡径して形成されており、その下端面13はコラム3への当接面とされている。なお、コラムやコラム裏当て金の大きさは各種のものがあるが、例えば1辺が175〜400(又は500)mmのものがある。また、各角部にできるアールの大きさは、コラム自体の大きさに伴って適宜変更されることは言うまでもない。
第2嵌合部12は、上方に行くに従って縮径して形成されており、その上端部の径は、コラム3の内径よりやや小さくなるよう形成されている。なお、第2嵌合部12の大きさは、特に問わないが、例えば図1において、第2嵌合部12の上下方向長さが6mmの場合、第2嵌合部12の基端部において、第1嵌合部11の外面から1mmだけ径方向外側に突出する大きさとされている。
【0007】
次に、このような構成のコラム裏当て金1を用いて、建築用鋼管からなるコラム3,3を接続して柱を製作する方法について説明する。
図2は、上記実施例のコラム裏当て金1を用いてコラム3を接続する際の状態を示す縦断面図である。また、図3は、上記実施例のコラム裏当て金1を用いてコラム3,3を接続した状態を示す縦断面図である。
図2に示すように、まず下側のコラム31の上端部に、コラム裏当て金1の第1嵌合部11を嵌挿して固定する。第1嵌合部11の外径は、コラム3の内径に適合した大きさに形成されているので、コラム3に対してコラム裏当て金1は確実に固定される。また、第1嵌合部11より拡径した第2嵌合部12の下端面13がコラム31の上端面33に当接することにより、コラム31に対するコラム裏当て金1の位置決めを容易に行うことができる。すなわち、コラム裏当て金1は、コラム3に対して適切な長さだけ嵌挿された状態に配設される。
【0008】
その後、下側のコラム31の上端部から上方に突出して設けられたコラム裏当て金1の第2嵌合部12に、上側のコラム32の下端部が外嵌されて固定される。第2嵌合部12は、先端側が先細となるようテーパー状に形成されてなるので、第2嵌合部12へのコラム32の嵌合を容易に行うことができる。このようにして、コラム裏当て金1を介して上下のコラム31,32を突き合わせた後、両コラム31,32の端部同士を溶接し、コラム同士を接続する。なお、コラム31,32の端部の突き合わせ部に、V字形状等の開先を形成してもよい。
【0009】
この発明のコラム1は、コラム同士3,3を突き合わせて接合する場合に限らず、コラム3を被着材5に接合する各種の場合に使用することができる。
例えば、図3に示すように、上下方向に立設された角型鋼管からなる被着材(コラム)5の一側面に、同じく各型鋼管からなるコラム3を垂直に接続する場合にも使用することができる。この場合、左右方向に配置されたコラム3の端部に、前記実施例のコラム裏当て金1の第1嵌合部11を嵌挿して固定した後、その第2嵌合部12の先端面を、上下方向に配置されたコラム5の一側面に当接し、第2嵌合部12の部分にできた2つのコラム3,5の隙間に溶接を施すのである。これにより、両コラム3,5及びコラム裏当て金1が溶融して、コラム3,5同士を強固に一体化することができるのである。
【0010】
なお、この発明の鉄骨工事用コラム裏当て金1は、上記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。
例えば、上記実施例では、角型のコラム3,3同士を接続するために、角型のコラム裏当て金1を使用したが、コラム3の形状に合わせてコラム裏当て金1の形状も適宜変更可能なことは言うまでもない。
また、コラム裏当て金1は、管状に限らず、周方向で複数個に分割形成してもよい。例えば、角型のコラム3に対しては各面毎の板状のコラム裏当て金を使用したり、或いは図5に示すように、上記実施例のコラム裏当て金1を幅方向で二等分して略コ字形状材2つから構成してもよい。また、図6に示すように、コラム裏当て金1を対角するコーナー部分において二分割して、略L字形状材2つから構成する等してもよい。
【0011】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、この本発明の鉄骨工事用コラム裏当て金によれば、一方のコラムへの嵌合部の上部に、そのコラムの上端面に当接される拡径部を形成したので、コラムに対するコラム裏当て金の位置決めを容易に行うことができる。しかも、コラム裏当て金は、コラムに嵌合されるので、コラムに対するコラム裏当て金の位置決めは確実に行われる。
よって、コラムと被着材との接続作業を容易且つ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄骨工事用コラム裏当て金の一実施例を示す図であり、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は縦断面図である。
【図2】図1のコラム裏当て金を用いてコラムを接続する際の状態を示す縦断面図である。
【図3】図1のコラム裏当て金を用いてコラム同士を接続した状態を示す縦断面図である。
【図4】図1のコラム裏当て金を用いてコラムを被着材に接続する状態を示す縦断面図である。
【図5】図1のコラム裏当て金の他の実施例を示す斜視図である。
【図6】図1のコラム裏当て金のさらに他の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 (鉄骨工事用)コラム裏当て金
3 コラム
5 被着材
11 第1嵌合部(一端部)
12 第2嵌合部(他端部)
13 第2嵌合部の基端部
31 一方のコラム
32 他方のコラム
33 一方のコラムの端面

Claims (2)

  1. 鋼管等からなるコラム同士を接続する際に、接続部に設けられる鉄骨工事用コラム裏当て金であって、
    一方のコラムの端部に嵌合される管状の第1嵌合部と、この第1嵌合部に連設され、第1嵌合部より僅かに拡径して形成され、第1嵌合部から離間するに従って縮径する先細テーパー状に形成された第2嵌合部とからなり、
    一方のコラムの端面に第2嵌合部の基端部を当接して、一方のコラムの端部に第1嵌合部を嵌合すると共に、第2嵌合部に他方のコラムの端部を嵌合して、両コラムの端部同士が溶接される
    ことを特徴とする鉄骨工事用コラム裏当て金。
  2. 前記鉄骨工事用コラム裏当て金は、周方向で複数個に分割されてなる
    ことを特徴とする請求項1記載の鉄骨工事用コラム裏当て金。
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