JP3839279B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機、プログラム、記録媒体に係り、例えば、パチンコ機、そのパチンコ機を実現するようにコンピュータシステムを機能させるためのプログラム、そのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として、例えば、図6に正面図を示す第1種パチンコ機500が知られている。
第1種パチンコ機500における遊技盤502の略中央部には、センターケース504が配設されている。センターケース504には、3個のLEDからなる普通図柄表示装置506と、表示器508aに複数の図柄の組み合わせを変動表示する特別図柄表示装置508と、特別図柄表示装置508が図柄の変動表示を始動可能な回数を表示する4個のLEDからなる特別図柄記憶表示LED510とが配設されている。
【0003】
センターケース504の下方には、特別図柄表示装置508による図柄の変動表示を始動させる機能を備えた第1種始動口512が設けられている。
第1種始動口512には普通電動役物514が取り付けられている。普通電動役物514は、左右対称の可動翼片(一般に、「チューリップ」と呼ばれる)を備え、通常は直立状態にある両可動翼片がそれぞれの支軸を中心として左右に回転して開くようになっている。そして、普通電動役物514は、普通図柄表示装置506が当たり停止図柄を表示した場合に両可動翼片を開くようになっている。普通電動役物514の両可動翼片が開くと、第1種始動口512の入口が開き又は拡大して遊技球が入賞し易くなる。
【0004】
そして、特別図柄表示装置508が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄(例えば、「777」)を表示中あるいは普通電動役物514の両可動翼片が開いているときに、遊技球が第1種始動口512に入賞すると、その入賞した遊技球の最初の4個までが記憶され、その記憶された遊技球の個数は特別図柄記憶表示LED510の点灯数によって表示される。この記憶された遊技球の個数(特別図柄記憶表示LED510の点灯数)が、特別図柄始動記憶数TUである。
【0005】
そして、特別図柄表示装置508における図柄の変動表示が確定して停止図柄が表示されたとき、特別図柄始動記憶数TU(特別図柄記憶表示LED510の点灯数)が「1」以上であれば、特別図柄表示装置508による図柄の変動表示が再び行われ、特別図柄始動記憶数TU(特別図柄記憶表示LED510の点灯数)が1つ減らされる。
例えば、特別図柄始動記憶数TU(特別図柄記憶表示LED510の点灯数)が「3」の場合には、特別図柄表示装置508による図柄の変動表示が3回繰り返され、その図柄の変動表示が繰り返される度に、特別図柄始動記憶数TU(特別図柄記憶表示LED510の点灯数)が1つずつ減らされ、図柄の変動表示が3回繰り返されると、特別図柄始動記憶数TU(特別図柄記憶表示LED510の点灯数)が「0」になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特別図柄記憶表示LED510は4個のLEDからなるため、特別図柄始動記憶数TUの最大値は「4」である。そのため、特別図柄表示装置508が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄を表示中あるいは普通電動役物514の両可動翼片が開いているときに、5個以上の遊技球が第1種始動口512に入賞しても、その入賞した遊技球の最初の4個までしか特別図柄始動記憶数TUとして記憶されない。
そこで、特別図柄記憶表示LED510を5個以上のLEDによって構成し、特別図柄始動記憶数TUの最大値を「5」以上にすることにより、遊技の興趣を高めることが考えられる。
しかし、特別図柄始動記憶数TUの最大値(特別図柄記憶表示LED510の個数)を単に増加させただけでは、遊技の進行が大きく変化するわけではないため、遊技者は大して面白味が増したとは感じないことから、遊技の興趣を高める効果が低いという問題がある。
【0007】
ところで、遊技者が発射ハンドル516を捻って回動させると、遊技球が遊技盤502に発射される。このとき、発射ハンドル516の回動角度に応じて、遊技球の発射速度を変化させることが可能であり、遊技球の発射速度に応じて、遊技盤502に打ち込まれる遊技球の左右位置を変化させることができる。
つまり、遊技者は、発射ハンドル516の捻り具合を調節することにより、発射ハンドル516の回動角度を適宜に設定し、遊技盤502の左右の任意の箇所を目がけて遊技球を打ち込むことができる。
【0008】
ここで、第1種始動口512は遊技盤502の中央に配設されているため、遊技者は遊技盤502の中央を目がけて遊技球を打ち込もうとする。遊技盤502の中央を目がけて遊技球を打ち込むには、発射ハンドル516の回動角度を一定に保てばよく、発射ハンドル516の捻り具合を変化させる必要はない。
そのため、発射ハンドル516を違法に固定しようとする遊技者が現れるおそれがあった。
また、発射ハンドル516の回動角度を一定に保つのは簡単かつ容易であるため、遊技者が技量を発揮することはできず、遊技者は誰がやっても同じであると感じると共に、遊技に積極的に参加している意識が薄れて退屈に感じることから、遊技の興趣がそがれるという問題があった。
【0009】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって図柄の変動表示を始動し易くすると共に遊技者が技量を発揮できるようにして遊技の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段・作用および発明の効果】
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、
図柄を変動表示した後に、複数種類設定されている大当たり停止図柄およびハズレ停止図柄から選択されたいずれか1つの図柄を確定図柄として表示する図柄表示装置と、
前記大当たり停止図柄は、遊技者に大当たり遊技状態の発生を通知するための図柄であることと、
前記ハズレ停止図柄は、遊技者に大当たり遊技状態が発生していないことを通知するための図柄であることと、
前記図柄表示装置が表示した確定図柄が大当たり停止図柄の場合には大当たり遊技状態を開始させ、その後、所定条件が成立したら大当たり遊技状態を終了させる大当たり遊技実行手段と、
前記大当たり遊技状態は、大入賞口が開口されることにより、大入賞口への多数の遊技球の入賞が可能な遊技状態であることと、
遊技盤面に設けられた始動領域に遊技球が位置することを検知する検知手段と、
その検知手段が遊技球を検知したことに基づいて、前記図柄表示装置による図柄の変動表示を始動させる図柄制御手段と、
前記図柄表示装置が図柄の変動表示を始動可能な回数を始動記憶数として記憶する記憶手段と、その始動記憶数は前記図柄表示装置が始動される度に1つずつ減らされることとを備えた遊技機であって、
前記始動領域は複数設けられ、各始動領域は前記図柄制御手段による図柄の変動表示の始動機能が有効または無効に切り替えられ、
前記記憶手段は、
まず、前記図柄表示装置が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄を表示中に、前記複数の始動領域のうち前記始動機能が最初に有効になっている始動領域について前記検知手段が検知した遊技球の個数を、当該始動領域に設定されている第1限度個数まで計数し、その計数した遊技球の個数を前記始動記憶数として記憶し、その記憶した始動記憶数が前記第1限度個数となると、当該始動領域の前記始動機能を無効に切り替えると共に、前記複数の始動領域のうち前記始動機能が最初に無効になっている始動領域における前記始動機能を有効に切り替え、
その後、前記図柄表示装置が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄を表示中に、前記始動機能を有効に切り替えた始動領域について前記検知手段が検知した遊技球の個数を、当該始動領域に設定されている第2限度個数まで計数し、その計数した遊技球の個数を前記第1限度個数に加算した合計個数を前記始動記憶数として記憶することをその要旨とする。
【0011】
従って、請求項1に記載の発明によれば、始動記憶数が第1限度個数となると、前記複数の始動領域のうち前記図柄制御手段による図柄の変動表示の始動機能が有効な始動領域が変更されるため、例えば、その図柄の変動表示の始動機能が有効な始動領域を増加させるようにすれば、図柄表示装置による図柄の変動表示が始動され易くなることから、遊技の興趣を高めることができる。
そして、遊技者は、図柄表示装置が図柄の変動表示を始動可能な回数を増加させるために、図柄の変動表示の始動機能が有効な始動領域を狙って遊技球を入賞させようとする。そのため、所望の始動領域を狙って遊技球を入賞させるために遊技者が技量を発揮することが可能になり、遊技に積極的に参加している意識が喚起されることから、遊技の興趣をさらに高めることができる。
【0012】
次に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記複数の始動領域は、遊技盤における水平方向に配設され、
遊技球を遊技盤に発射する発射手段を備え、
遊技者は、発射手段を操作することにより、遊技盤における水平方向の所望の箇所を目がけて遊技球を発射することをその要旨とする。
【0013】
請求項2に記載の発明において、遊技者は、始動記憶数を増加させるために、発射手段を操作することにより、始動機能が有効な始動領域を狙い、その始動領域を目がけて、遊技盤の水平方向(左右)の所望の箇所に遊技球を打ち込もうとする。
従って、請求項2に記載の発明によれば、発射手段の操作に遊技者が技量を発揮することが可能になり、遊技に積極的に参加している意識が喚起されることから、遊技の興趣をさらに高めることができる。
そして、請求項2に記載の発明によれば、発射手段の操作(発射ハンドルの回動角度)を違法に固定しようとする遊技者は現れなくなる。
【0021】
尚、上述した[特許請求の範囲]および[課題を解決するための手段および発明の効果]に記載した構成要素と、後述する[発明の実施の形態]に記載した構成部材との対応関係は以下のようになっている。
「遊技機」は、パチンコ機10に該当する。
「図柄表示装置」は、特別図柄表示装置32または普通図柄表示装置34に該当する。
「始動領域」は、第1種始動口27〜29に該当する。
「検知手段」は、第1種始動口スイッチ27b,28b,29bと、主基板100のメインCPU112における第1種始動口処理(S300)とに該当する。
「図柄制御手段」は、特別図柄制御装置33と、主基板100のメインCPU112における特別図柄処理(S400)とに該当する。
【0022】
始動記憶数」は、特別図柄始動記憶数TUa,TUbに該当する。
「記憶手段」は、特別図柄始動記憶数TUa,TUbを記憶するRAM116と、主基板100のメインCPU112における第1種始動口処理(S300)とに該当する。
「遊技状態設定手段」は、変動入賞装置40(大入賞口41、開閉部材42、特定領域43、大入賞口ソレノイド41a、特定領域スイッチ43a)と、主基板100のメインCPU112における大入賞口処理(S500)とに該当する。
「所定条件が成立」とは、大入賞口41が開口してから所定時間(例えば、30秒)経過するか、または、大入賞口41に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞することである。
「大当たり遊技実行手段」は、主基板100のメインCPU112における大入賞口処理(S500)に該当する。
「発射手段」は、発射ハンドル15a、発射モータ駆動基板15c、発射モータ15e、発射スイッチ15dに該当する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態について図面を参照して説明する。尚、本実施形態では、本発明に係る遊技機として、いわゆる第1種パチンコ機を例に挙げて説明する。
[全体の主要構成]
図1は、本実施形態の第1種パチンコ機10の正面図である。
第1種パチンコ機(遊技機)10には、前枠11が開閉可能に備えられており、その前枠11には、金枠12が取り付けられており、さらに金枠12には、ガラス枠13aが開閉可能に取り付けられている。ガラス枠13aには、第1種パチンコ機10の前面ガラス板13が嵌め込まれている。ガラス枠13aおよび前面ガラス板13の内部には遊技盤14が配設され、前面ガラス板13と遊技盤14とは平行に配置されている。
【0025】
前枠11の右下には発射ハンドル15aが回動可能に取り付けられている。発射ハンドル15aが回動されると発射モータ(図示略)が駆動され、発射ハンドル15aの回動角度に応じた発射速度で遊技球(遊技媒体)が遊技盤14へ発射される。また、発射ハンドル15aに配設された発射停止スイッチ15bが操作されると、発射モータが停止されて遊技球の発射も停止される。
遊技盤14の左方には、発射された遊技球を遊技領域へ案内するガイドレール16が配設されている。
前枠11の右側には、ガラス枠13aの開閉用の鍵を差し込む鍵穴15を備えた鍵穴飾り17が配設されている。前枠11の上方には、枠ランプ18aが配設されている。
【0026】
ガラス枠13aの下には、前面板19が配設されている。前面板19の左側上部には、遊技球が賞球(賞媒体)や貸球として供給される賞球・貸球供給口20aが形成されており、この賞球・貸球供給口20aの供給側には、その賞球・貸球供給口20aから供給された遊技球(賞球、貸球)を収容しておくための上受け皿20が配設されている。
上受け皿20の下方には、上受け皿20の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー20bの操作により上受け皿20から排出された遊技球などを排出する排出口21aが形成されている。
排出口21aの排出側には、その排出口21aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿21が配設されている。
前枠11の左側には、プリペイドカードを挿入するスリット22aを有するプリペイドカードユニットなどの遊技機外装置部分22が配設されている。第1種パチンコ機10は、現金ではなくプリペイドカードを使用して遊技を行う、いわゆるCR機である。
【0027】
[遊技盤14の主要構成]
図2は、第1種パチンコ機10から取り外した遊技盤14を表側から見た正面図である。
遊技盤14の下方左側には、3個のLEDからなる普通図柄表示装置34が配設されている。遊技盤14の下方右側には、普通図柄表示装置34の始動可能な回数を表示する4個のLEDからなる普通図柄記憶表示LED35が配設されている。
【0028】
遊技盤14の略中央上寄りには、センターケース30が配設されている。
センターケース30の左右には、普通図柄表示装置34を作動させるための普通図柄作動ゲート26a,26bが配設されている。
センターケース30の上部中央には、天入賞口31が配設されている。
センターケース30の略中央には、矩形状の表示領域32aに複数の図柄の組み合わせを変動表示する特別図柄表示装置32が配設されている。尚、表示領域32aは、どのような表示装置(例えば、LCD,プラスマディスプレイ,CRTなど)によって具体化してもよい。
【0029】
センターケース30の下方には、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示を始動させる機能を備えた同一構成の3つの第1種始動口27〜29が配設されている。各第1種始動口27〜29は遊技盤14における水平方向に配設されており、第1種始動口28は遊技盤14の略左側下方寄り、第1種始動口27は遊技盤14の略中央下方寄り、第1種始動口29は遊技盤14の略右側下方寄りにそれぞれ配置されている。
各第1種始動口27〜29にはそれぞれ、各第1種始動口有効表示LED27a〜29aが配設されている。
【0030】
センターケース30における表示領域32aの上側には、第1種始動口27への遊技球の入賞に基づいて特別図柄表示装置32が図柄の変動表示を始動可能な回数を表示する4個のLEDからなる特別図柄記憶表示LED36が配設されている。
センターケース30における表示領域32aの下側には、各第1種始動口28,29への遊技球の入賞に基づいて特別図柄表示装置32が図柄の変動表示を始動可能な回数を表示する4個のLEDからなる特別図柄記憶表示LED37が配設されている。
【0031】
第1種始動口27の下方には、特別図柄表示装置32が大当たり停止図柄を表示した場合に作動する変動入賞装置40が配設されている。変動入賞装置40には、大当たり遊技状態の発生時に大入賞口41を開口する開閉部材42が開閉可能に取り付けられている。大入賞口41の内部には、大入賞口41を連続して開口する機能を有する特定領域43と、この特定領域43を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ(図示略)と、大入賞口41に入賞した遊技球の数をカウントする大入賞口スイッチ(図示略)とが設けられている。
【0032】
そして、遊技盤14には、風車23a,23bと、LEDによって装飾された装飾風車25a,25bと、コーナー飾りランプ18b,18cと、サイド飾りランプ18d,18eと、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口44とが配設されている。また、遊技盤14には、多くの釘45が打ち込まれており、ガイドレール16を通って遊技盤14に発射された遊技球は、釘45の間を乱舞しながら遊技盤14面を流下(落下)する。
尚、各第1種始動口28,29の上部に配設された各釘45は、遊技球が各第1種始動口28,29に対して容易には入賞できないように配列されている。
【0033】
[第1種パチンコ機10の電気的構成]
図3は、本実施形態の第1種パチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図である。
第1種パチンコ機10には、主基板(電子制御装置)100が設けられており、この主基板100には、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)110が搭載されている。マイクロコンピュータ110には、遊技の制御を実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM114と、メインCPU112が各種制御プログラムを実行する際にROM114から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する当たりに関するデータなどの各種データを一時的に格納するRAM116とが搭載されている。また、RAM116は、停電などの電源遮断時における遊技状態を電源復帰後に再現するために、電源遮断時においてメインCPU112が処理したデータや各装置および各基板へ送り出したコマンドなどをバックアップする。
【0034】
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。電源基板80、賞球(賞媒体)の払い出しなどを制御する払出制御基板200、特別図柄表示装置32を制御する特別図柄制御装置33、遊技盤14に設けられたランプ類を制御するランプ制御装置75、遊技中の効果音などを再生する音声再生装置79aを制御する音声制御装置79、各第1種始動口27〜29への遊技球の入賞をそれぞれ検出するための各第1種始動口スイッチ27b〜29b(尚、図3ではスイッチを「SW」と表記する)、遊技盤情報(入賞、当たり、遊技停止など)をパチンコホール(遊技店)の管理室などに設けられたコンピュータ(以下、ホールコンピュータと称する。図示略)へ送り出すための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0035】
払出制御基板200には、主基板100から送り出される制御コマンドを入力して動作するマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)210が搭載されており、マイクロコンピュータ210には、賞球の払い出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払い出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する賞球の個数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、電源基板80、CR接続基板56、発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52、払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0036】
発射モータ駆動基板15cには、発射モータ15eおよび発射スイッチ15dが電気的に接続されている。
発射ハンドル15aが操作されると、発射スイッチ15dは発射ハンドル15aの回動角度に応じた検出信号を生成し、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出される。すると、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動信号が出力され、発射モータ15eはその駆動信号に従って、発射ハンドル15aの回動角度に応じた発射速度で遊技球を発射する。
【0037】
また、発射ハンドル15aが操作されて発射スイッチ15dがオフされると、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出される。すると、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動停止信号が出力され、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。
また、発射停止スイッチ15bが操作されると、その発射停止スイッチ15bの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出され、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動停止信号が出力され、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。
【0038】
遊技枠中継基板53には、下受け皿21が賞球で満杯になったことを検出するための満杯検出スイッチ21bおよびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。
センサ中継基板54には、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0039】
賞球ユニット62は、賞球払出センサ62a,62bおよび賞球払出モータ62cを備える。賞球の払出機構は、賞球の払い出しを効率良く行うために2カ所に設けられており、各払出機構は賞球払出モータ62cによって駆動される。また、賞球払出センサ62aは一方の払出機構に設けられており、賞球払出センサ62bは他方の払出機構に設けられている。各賞球払出センサ62a,62bの検出信号は、センサ中継基板54から遊技枠中継基板53を介して主基板100へ送り出され、その信号に基づいてメインCPU112は、払い出された賞球の個数をカウントする。
【0040】
払出中継基板55には、貸球がなくなったことを検出するための貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62c、貸球を供給する貸球ユニット63が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、次に記載するものが電気的に接続されている。普通図柄表示装置34、各普通図柄作動ゲート26a,26bのいずれかを遊技球が通過したことを検出するためのゲートスイッチ26c、大入賞口41への遊技球の入賞を検出するための大入賞口スイッチ41b、天入賞口31への遊技球の入賞を検出するための天入賞口スイッチ31a、大入賞口中継基板50である。
【0041】
大入賞口中継基板50には、特定領域43を通過(入賞)した遊技球を検出するための特定領域スイッチ43a、開閉部材42を開閉させることにより大入賞口41を開閉させる大入賞口ソレノイド41a(尚、図3ではソレノイドを「SL」と表記する)が電気的に接続されている。
CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を表示する度数表示基板やプリペイドカードを読み取る装置などを備える遊技機外装置部分22が電気的に接続されている。
【0042】
電源基板80は、主電源70から交流(AC)24V(50Hz/60Hz)の電源供給を受け、その交流電源から各種電圧の直流電源を生成し、その直流電源を各基板56,100,200および各装置33,75,79へ供給する。
そして、主基板100のメインCPU112には、第1種始動口スイッチ27b〜29bの検出信号が入力されると共に、盤面中継基板51を介して各スイッチ26c,31a,41bの検出信号が入力され、大入賞口中継基板50から盤面中継基板51を介して特定領域スイッチ43aの検出信号が入力される。
【0043】
[メインCPU112が実行する主な処理]
図4は、本実施形態においてメインCPU112が実行する主な処理の流れを示すフローチャートである。
メインCPU112は、ROM114に記録(記憶)されているプログラムに従い、コンピュータによる各種演算処理によって、以下の各ステップ(以下、「S」と記載する)の処理を実行する。
尚、前記プログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体(半導体メモリ(メモリスティックなど)、ハードディスク、フロッピーディスク、データカード(ICカード,磁気カードなど)、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVDなど)、光磁気ディスク(MOなど)、相変化ディスク、磁気テープなど)を備えた外部記録装置(外部記憶装置)に記録(記憶)しておき、当該プログラムを必要に応じて外部記録装置からメインCPU112にロードして起動することにより用いるようにしてもよい。
【0044】
メインCPU112は、まず、主電源70の投入時か否かを判定し(S10)、主電源70の投入時(S10:Yes)にはパチンコ機10の各装置および各基板の初期設定を行い(S20)、最初のルーチンを終了してS10の処理へ戻る。
2回目以降のルーチンにおいては、主電源70の投入時ではないため(S10:No)、メインCPU112は、以下のS100〜S800の処理を順次実行した後に、再びS10の処理に戻り、S10〜S800の処理を繰り返し実行する。
【0045】
賞球払出処理(S100)において、メインCPU112は、各スイッチ27b〜29b,31a,41bの検出信号に基づいて賞球払出コマンドを生成し、その賞球払出コマンドを払出制御基板200のサブCPU212へ送り出す。
すると、サブCPU212は、賞球払出コマンドに基づいて賞球払出命令を生成し、その賞球払出命令を払出中継基板55を介して賞球ユニット62へ送り出し、賞球ユニット62により所定個数の賞球を払い出させる。
例えば、各第1種始動口スイッチ27b〜29bが各第1種始動口27〜29への遊技球の入賞を検出した場合に賞球ユニット62により払い出される賞球の個数は、当該第1種始動口27〜29への1個の遊技球の入賞に対してそれぞれ5個に設定されている。
【0046】
普通図柄処理(S200)において、メインCPU112は、ゲートスイッチ26cの検出信号に基づいて各普通図柄作動ゲート26a,26bのいずれかを遊技球が通過したことを検出し、その検出結果とRAM116に記憶されている普通図柄始動記憶数FUとに基づいて普通図柄制御コマンドを生成し、その普通図柄制御コマンドを盤面中継基板51を介して普通図柄表示装置34へ送り出す。
すると、普通図柄表示装置34は、普通図柄制御コマンドに基づいて、図柄の変動表示を行った後に当たり停止図柄またはハズレ停止図柄を表示する。例えば、普通図柄表示装置34を構成する3個のLEDが点滅することにより図柄が変動表示され、両端部の2個のLEDが点灯することにより当たり停止図柄が表示され、いずれか1個のLEDのみが点灯することによりハズレ停止図柄が表示される。
【0047】
ここで、普通図柄始動記憶数FUは以下のように設定されてRAM116に記憶されている。
つまり、普通図柄表示装置34が図柄の変動表示中または当たり停止図柄を表示中に、各普通図柄作動ゲート26a,26bのいずれかを遊技球が通過すると、その通過した遊技球の最初の4個までがRAM116に記憶され、そのRAM116に記憶された遊技球の個数は普通図柄記憶表示LED35の点灯数によって表示される。このRAM116に記憶された遊技球の個数(普通図柄記憶表示LED35の点灯数)が、普通図柄始動記憶数FUである。
【0048】
そして、普通図柄表示装置34に当たり停止図柄またはハズレ停止図柄が表示されたとき、普通図柄始動記憶数FU(普通図柄記憶表示LED35の点灯数)が「1」以上であれば、普通図柄表示装置34による図柄の変動表示が再び行われ、普通図柄始動記憶数FU(普通図柄記憶表示LED35の点灯数)が1つ減らされる。
例えば、普通図柄始動記憶数FU(普通図柄記憶表示LED35の点灯数)が「3」の場合には、普通図柄表示装置34による図柄の変動表示が3回繰り返され、その図柄の変動表示が繰り返される度に、普通図柄始動記憶数FU(普通図柄記憶表示LED35の点灯数)が1つずつ減らされ、図柄の変動表示が3回繰り返されると、普通図柄始動記憶数FU(普通図柄記憶表示LED35の点灯数)が「0」になる。
【0049】
第1種始動口処理(S300)については後述する。
特別図柄処理(S400)において、メインCPU112は、第1種始動口スイッチ27b〜29bの検出信号に基づいて第1種始動口27〜29に遊技球が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいて大当たり遊技状態またはハズレ遊技状態のいずれか一方を選択し、その選択結果と第1種始動口処理(S300)によりRAM116に記憶された特別図柄始動記憶数TUa,TUbとに基づいて特別図柄制御コマンドを生成し、その特別図柄制御コマンドを特別図柄制御装置33へ送り出す。
【0050】
すると、特別図柄制御装置33は、特別図柄制御コマンドに基づいて特別図柄表示装置32を制御し、図柄の変動表示を行った後に大当たり停止図柄またはハズレ停止図柄を特別図柄表示装置32に表示させる。
例えば、表示領域32aの横方向における複数箇所(例えば、3箇所)で複数の特別図柄(例えば、1円,5円,10円の各硬貨のおもて面など)を上下方向にスクロール表示することにより図柄が変動表示され、表示領域32aの複数箇所の全部で所定種類の同じ図柄(例えば、同じ硬貨のおもて面が3つ並んだ図柄)を停止表示することにより大当たり停止図柄が表示され、表示領域32aの複数箇所の少なくとも1箇所の停止図柄のみが異なることによりハズレ停止図柄が表示される。
【0051】
大入賞口処理(S500)において、メインCPU112は、特別図柄処理(S400)の処理結果に基づいて、大入賞口ソレノイド41aを駆動制御するための制御信号を生成し、その制御信号を盤面中継基板51から大入賞口中継基板50を介して大入賞口ソレノイド41aへ送り出す。
すると、大入賞口ソレノイド41aは当該制御信号に従って作動し、開閉部材42を開閉させることにより大入賞口41を開閉させる。
すなわち、メインCPU112は、特別図柄処理で大当たり遊技状態が選択された場合には、開閉部材42を開いて大入賞口41を開口させることにより大当たり遊技状態を開始させ、大入賞口41への多数の遊技球の入賞を可能にする。
また、メインCPU112は、特別図柄処理でハズレ遊技状態が選択された場合には、開閉部材42を閉じたままにして大入賞口41を閉口させておき、大入賞口41への遊技球の入賞を不可能にする。
【0052】
そして、大入賞口41が開口してから所定時間(例えば、30秒)経過するか、または、大入賞口41に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞すると、開閉部材42が閉じて大入賞口41が閉口され、大入賞口41への遊技球の入賞が不可能になる。このとき、大入賞口41の内部に設けられた特定領域43を遊技球が通過すると、その遊技球の通過を特定領域スイッチ43aが検出し、大入賞口41が連続して開口される。
このように、大入賞口41が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、特定領域43を遊技球が通過することを条件としてラウンドが進行し、予め設定された最大ラウンド数(例えば、15ラウンド)を終えると大当たり遊技状態が終了される。
【0053】
確変処理(S600)において、メインCPU112は、特別図柄処理(S400)で特別図柄表示装置32に特定の図柄(以下、「確変図柄」という。例えば、10円硬貨のおもて面が3つ並んだ図柄)を停止表示させるための特別図柄制御コマンドを生成したことに基づいて(特別図柄表示装置32が確変図柄を停止表示したことに基づいて)、現在の大当たり遊技状態が終了した次の遊技を確変遊技状態にする。この確変遊技状態は、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示の開始から停止までの回数(変動表示回数)が所定回数(例えば、300回)に達するまで、または、次回の大当たり遊技状態が発生するまで継続される。
尚、確変遊技状態では、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示の開始から終了までの時間が短縮されると共に、特別図柄表示装置32に大当たり停止図柄が表示される確率が高くされ、大当たり遊技状態が発生し易くなる(特別図柄表示装置32に大当たり停止図柄が表示され易くなる)。
【0054】
音声処理(S700)において、メインCPU112は、S100〜S600の処理結果に基づいて音声制御コマンドを生成し、その音声制御コマンドを音声制御装置79へ送り出す。
すると、音声制御装置79は、音声制御コマンドに基づいて音声再生装置79aを制御し、遊技中の効果音などを再生させる。
【0055】
ランプ処理(S800)において、メインCPU112は、S100〜S600の処理結果に基づいてランプ制御コマンドを生成し、そのランプ制御コマンドをランプ制御装置75へ送り出す。
すると、ランプ制御装置75は、ランプ制御コマンドに基づいて遊技盤14に設けられたランプ類(枠ランプ18a、コーナー飾りランプ18b,18c、サイド飾りランプ18d,18e、装飾風車25a,25bのLED、普通図柄記憶表示LED35、特別図柄記憶表示LED36,37、第1種始動口有効表示LED27a〜29aなど)の点灯を制御する。
【0056】
[第1種始動口処理]
次に、第1種始動口処理(S300)について、遊技盤14面の変化状態を示す図5を参照しながら説明する。
メインCPU112は、第1種始動口スイッチ27b〜29bの検出信号に基づいて第1種始動口27〜29に遊技球が入賞したことを検出する。
そして、メインCPU112は、特別図柄表示装置32が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄を表示中に、遊技球が第1種始動口27に入賞すると、その第1種始動口27に入賞した遊技球の最初の4個(第1限度個数)までをRAM116に記憶させる。そして、メインCPU112は、RAM116に記憶させた遊技球の個数を、ランプ処理(S800)において、特別図柄記憶表示LED36の点灯数によって表示させる。
このRAM116に記憶された遊技球の個数(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が、特別図柄始動記憶数TUaである。
【0057】
メインCPU112は、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が「3」以下の場合には下記の処理を行う(図5(A)参照)。
▲1▼ランプ処理(S800)において、3つの第1種始動口有効表示LED27a〜29aのうち、LED27aを点灯させ、各LED28a,29aを消灯させる。
▲2▼特別図柄表示装置32が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄を表示中に、遊技球が各第1種始動口28,29のいずれかに入賞しても、その入賞した遊技球の個数をRAM116に記憶させない。
▲3▼ランプ処理(S800)において、特別図柄記憶表示LED37の点灯数を「0」にする。
【0058】
そして、特別図柄表示装置32に大当たり停止図柄またはハズレ停止図柄が表示されたとき、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が「1」以上であれば、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が再び行われ、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が1つ減らされる。
例えば、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が「3」の場合には、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が3回繰り返され、その図柄の変動表示が繰り返される度に、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が1つずつ減らされ、図柄の変動表示が3回繰り返されると、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が「0」になる。
【0059】
メインCPU112は、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が「3」から「4」になると、ランプ処理(S800)において、それまで点灯していた第1種始動口有効表示LED27aを消灯させ、それまで消灯していた各第1種始動口有効表示LED28a,29aを点灯させる(図5(B)参照)。
【0060】
メインCPU112は、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が「4」(所定回数)のとき、特別図柄表示装置32が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄を表示中に、遊技球が各第1種始動口28,29のいずれかに入賞すると、各第1種始動口28,29のいずれかに入賞した遊技球の最初の4個(第2限度個数)までをRAM116に記憶させる。そして、メインCPU112は、RAM116に記憶させた遊技球の個数を、ランプ処理(S800)において、特別図柄記憶表示LED37の点灯数によって表示させる。
このRAM116に記憶された遊技球の個数(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)が、特別図柄始動記憶数TUbである。
【0061】
そして、特別図柄表示装置32に大当たり停止図柄またはハズレ停止図柄が表示されたとき、特別図柄始動記憶数TUb(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)が「1」以上であれば、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が再び行われ、特別図柄始動記憶数TUb(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)が1つ減らされる。
例えば、特別図柄始動記憶数TUb(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)が「3」の場合には、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が3回繰り返され、その図柄の変動表示が繰り返される度に、特別図柄始動記憶数TUb(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)が1つずつ減らされ、図柄の変動表示が3回繰り返されると、特別図柄始動記憶数TUb(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)が「0」になる。
【0062】
このように、特別図柄始動記憶数TUb(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)が1つずつ減らされて「0」になった時点で、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)は「4」である。そのため、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が4回繰り返され、その図柄の変動表示が繰り返される度に、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が1つずつ減らされ、図柄の変動表示が4回繰り返されると、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が「0」になる。
つまり、特別図柄始動記憶数TUb(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)が「3」の場合には、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が合計7回繰り返されることになる。
【0063】
ところで、特別図柄始動記憶数TUb(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)が「0」になると共に、特別図柄始動記憶数TUa(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が「4」になっているとき、遊技球が各第1種始動口28,29のいずれかに入賞すると、その遊技球の最初の4個までがRAM116に記憶され、その遊技球の個数が特別図柄始動記憶数TUb(特別図柄記憶表示LED37の点灯数)となる。
【0064】
[実施形態の作用および効果]
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
[1]特別図柄始動記憶数TUaが「3」以下の場合、3つの第1種始動口27〜29のうち、各第1種始動口28,29のいずれかに遊技球が入賞したときには、特別図柄始動記憶数TUbは「0」のまま変化せず、各第1種始動口28,29への遊技球の入賞に基づいて特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が始動されることはない。
つまり、特別図柄始動記憶数TUaが「3」以下の場合、各第1種始動口28,29への遊技球の入賞に基づく特別図柄表示装置32による図柄の変動表示は停止され、各第1種始動口28,29による特別図柄表示装置32の変動表示の始動機能は無効化されている(無効状態になっている)。
そして、特別図柄表示装置32の変動表示の始動機能が無効化された各第1種始動口28,29は単なる入賞口として機能し、第1種始動口28,29への1個の遊技球の入賞に対して賞球ユニット62からは所定個数(例えば、5個)の賞球が払い出される。
【0065】
そして、特別図柄始動記憶数TUaが「4」の場合、各第1種始動口28,29のいずれかに遊技球が入賞したときには、その入賞した遊技球の最初の4個分(第2限度個数)まで特別図柄始動記憶数TUbが増加され、各第1種始動口28,29への遊技球の入賞に基づいて特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が始動される。
つまり、特別図柄始動記憶数TUaが「4」の場合、各第1種始動口28,29への遊技球の入賞に基づく特別図柄表示装置32による図柄の変動表示は停止されず、各第1種始動口28,29による特別図柄表示装置32の変動表示の始動機能は有効化されている(有効状態になっている)。
【0066】
このように、本実施形態では、2つの特別図柄始動記憶数TUa,TUbを用い、特別図柄始動記憶数TUbが最大値である「4」の場合には、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が合計8回繰り返される。そして、特別図柄始動記憶数TUbに応じて各第1種始動口28,29における前記始動機能が有効化または無効化されるため、遊技の進行が複雑に変化することになり、遊技者は大いに面白みが増したと感じるようになる。
また、特別図柄始動記憶数TUaが「4」になると、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示を始動させる機能を備えた第1種始動口が、1つの第1種始動口27から2つの第1種始動口28,29に変更・増加することになる。そのため、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示が始動され易くなり、大当たり遊技状態が発生し易くなることから、遊技者は遊技に熱中するようになる。
従って、本実施形態によれば、特別図柄始動記憶数TUaの最大値を単に「8」に増加させた場合に比べて、遊技の興趣を高める効果を増すことができる。
【0067】
ところで、特別図柄始動記憶数TUaが「3」以下の場合には、第1種始動口27に入賞した遊技球の最初の4個(第1限度個数)までがRAM116に記憶され、特別図柄始動記憶数TUaが「4」の場合には、各第1種始動口28,29のいずれかに入賞した遊技球の最初の4個(第2限度個数)までがRAM116に記憶される。
これは、所定条件(特別図柄始動記憶数TUaが「4」)の成立したことに基づいて、第1限度個数が4個から8個に変更されたことに他ならない。
【0068】
[2]特別図柄始動記憶数TUaが「4」になると、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示を始動させる機能を備えた第1種始動口が、1つの第1種始動口27から2つの第1種始動口28,29に変更・増加することになる。そのため、本実施形態では、第1種始動口27に従来のような普通電動役物(例えば、図6に示す普通電動役物514)を取り付ける必要がなくなる。
従って、本実施形態によれば、普通電動役物が不要になる分だけ第1種パチンコ機10の構造を簡単にすることが可能になり、製造コストを削減することができる。
【0069】
[3]特別図柄始動記憶数TUaが「3」以下の場合、特別図柄表示装置32が図柄の変動表示を始動可能な回数を増加させるには、各第1種始動口28,29に遊技球を入賞させても意味が無く、第1種始動口27に遊技球を入賞させる必要がある。
また、特別図柄始動記憶数TUaが「4」の場合、特別図柄表示装置32が図柄の変動表示を始動可能な回数を増加させるには、第1種始動口27に遊技球を入賞させても意味が無く、各第1種始動口28,29のいずれかに遊技球を入賞させる必要がある。
【0070】
そこで、遊技者は、特別図柄表示装置32が図柄の変動表示を始動可能な回数を増加させて大当たり遊技状態を発生し易くするために、各第1種始動口27〜29のいずれかを狙って遊技球を入賞させようとする。
ここで、各第1種始動口27〜29は遊技盤14における水平方向に配設されており、第1種始動口28は遊技盤14の略左側下方寄り、第1種始動口27は遊技盤14の略中央下方寄り、第1種始動口29は遊技盤14の略右側下方寄りにそれぞれ配置されている。
【0071】
そのため、遊技者は、発射ハンドル15aの捻り具合を調節することにより、発射ハンドル516の回動角度を適宜に設定し、狙っている第1種始動口27〜29を目がけて、遊技盤14の左右の所望の箇所に遊技球を打ち込もうとする。
従って、本実施形態によれば、発射ハンドル15aの回動角度を調整するために遊技者が技量を発揮することが可能になり、遊技に積極的に参加している意識が喚起されることから、上記[1]の効果をさらに高めることができる。
そして、本実施形態によれば、発射ハンドル15aを違法に固定しようとする遊技者は現れなくなる。
【0072】
[4]各第1種始動口28,29の上部に配設された各釘45は、遊技球が各第1種始動口28,29に対して容易には入賞できないように配列されているため、上記[3]の効果をさらに高めることができる。
【0073】
[5]各特別図柄始動記憶数TUa,TUbをそれぞれ表示する各特別図柄記憶表示LED36,37が設けられている。
従って、遊技者は各特別図柄始動記憶数TUa,TUbを知ることが可能であり、上記[1]の効果をさらに高めることができる。
【0074】
[6]各第1種始動口27〜29にはそれぞれ各第1種始動口有効表示LED27a〜29aが設けられ、当該各第1種始動口有効表示LED27a〜29aの点灯・消灯は上記のように制御される。
そのため、遊技者は、上記[3]において、特別図柄表示装置32が図柄の変動表示を始動可能な回数を増加させるために入賞させる必要のある第1種始動口が、各第1種始動口27〜29のいずれであるかを確実に知ることができる。
従って、各第1種始動口有効表示LED27a〜29aを設けることにより、上記[3]の効果をさらに高めることができる。
【0075】
[別の実施形態]
ところで、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、前記実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0076】
(1)特別図柄記憶表示LED37を省いてもよい。この場合、第1種始動口処理(S300)における前記各動作は、前記実施形態において特別図柄始動記憶数TUbの最大値を「1」にした場合と同じである。
(2)第1種始動口有効表示LED27aを省いてもよい。
【0077】
(3)前記実施形態では、特別図柄始動記憶数TUaが「4」になっていることを条件として、第1種始動口処理(S300)における前記各動作が行われる。
しかし、大当たり遊技状態になっていることを条件として、第1種始動口処理(S300)における前記各動作が行われるようにしてもよい。つまり、前記実施形態の第1種始動口処理(S300)において特別図柄始動記憶数TUaが「4」の場合に行われる前記各動作を、大当たり遊技状態のときに行われるようにしてもよい。
この場合、大当たり遊技状態になっているときには、3つの第1種始動口有効表示LED27a〜29aを全て点灯させるようにしてもよい。
【0078】
(4)確変遊技状態になっていることを条件として、第1種始動口処理(S300)における前記各動作が行われるようにしてもよい。つまり、前記実施形態の第1種始動口処理(S300)において特別図柄始動記憶数TUaが「4」の場合に行われる前記各動作を、確変遊技状態のときに行われるようにしてもよい。
この場合、確変遊技状態になっているときには、3つの第1種始動口有効表示LED27a〜29aを全て点灯させるようにしてもよい。
【0079】
(5)前記実施形態の第1種パチンコ機10は、前述のように、プリペイドカードを使用して遊技を行うCR機である。しかし、本発明は、現金を使用して遊技を行う、いわゆる現金機の第1種パチンコ機に適用してもよい。
現金機に適用した場合に、CR機と異なるのは以下の点である。
[ア]図1に示す遊技機外装置部分22において、プリペイドカードを挿入するスリット22aが現金を投入する現金投入口(図示略)に置き代えられる。
[イ]図3に示すCR接続基板56が省かれる。
[ウ]図4において、確変処理が時短処理(S600)に置き代えられる。
【0080】
時短処理において、メインCPU112は、特別図柄処理(S400)で特別図柄表示装置32に特定の図柄(以下、「時短図柄」という。例えば、10円硬貨のおもて面が3つ並んだ図柄)を停止表示させるための特別図柄制御コマンドを生成したことに基づいて(特別図柄表示装置32が時短図柄を停止表示したことに基づいて)、現在の大当たり遊技状態が終了した次の遊技を時短遊技状態にする。この時短遊技状態は、特別図柄表示装置32の変動表示の開始から停止までの回数(変動表示回数)が所定回数(例えば、200回)に達するまで、または、次回の大当たり遊技状態が発生するまで継続される。
【0081】
尚、時短遊技状態では、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示の開始から終了までの時間が短縮されることにより、大当たり遊技状態が発生し易くなる(特別図柄表示装置32に大当たり停止図柄が表示され易くなる)。
この場合には、時短遊技状態になっていることを条件として、第1種始動口処理(S300)における前記各動作が行われるようにしてもよい。つまり、前記実施形態の第1種始動口処理(S300)において特別図柄始動記憶数TUaが「4」の場合に行われる前記各動作を、時短遊技状態のときに行われるようにしてもよい。
そして、時短遊技状態になっているときには、3つの第1種始動口有効表示LED27a〜29aを全て点灯させるようにしてもよい。
【0082】
(6)前記実施形態では、2つの第1種始動口28,29を1組として扱い、各第1種始動口28,29のいずれに遊技球が入賞しても、第1種始動口処理(S300)では同じに扱っている。
しかし、第1種始動口処理(S300)において各第1種始動口28,29を別々に扱い、各第1種始動口28,29における前記始動機能を別々に制御するようにしてもよい。この場合、特別図柄始動記憶数TUaおよび特別図柄記憶表示LED37は、各第1種始動口28,29毎に別々に設ければよい。
【0083】
(7)前記実施形態では、3つの第1種始動口27〜29を設け、2つの第1種始動口28,29を1組として扱っている。
しかし、4つ以上の第1種始動口を設け、第1種始動口処理(S300)において各第1種始動口を別々に扱い、各第1種始動口における前記始動機能を別々に制御するようにしてもよい。この場合、特別図柄始動記憶数TUaおよび特別図柄記憶表示LED37は、各第1種始動口毎に別々に設ければよい。
また、4つ以上の第1種始動口を設け、それら第1種始動口を多数の組に分け、同じ組に含まれる第1種始動口のいずれに遊技球が入賞しても、第1種始動口処理(S300)では同じに扱うようにしてもよい。この場合、特別図柄始動記憶数TUaおよび特別図柄記憶表示LED37は、前記組毎に別々に設ければよい。
【0084】
(8)前記実施形態は、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示の始動機能の制御に適用したものである。
しかし、本発明は、普通図柄表示装置34による図柄の変動表示の始動機能の制御に適用してもよく、その場合は、普通図柄始動記憶数FUが前記実施形態の特別図柄始動記憶数TUaに相当し、普通図柄記憶表示LED35が前記実施形態の特別図柄記憶表示LED36に相当する。そのため、前記実施形態の特別図柄始動記憶数TUbに相当する普通図柄始動記憶数を追加すると共に、前記実施形態の特別図柄記憶表示LED37に相当する普通図柄記憶表示LEDを追加すればよい。
【0085】
(9)前記実施形態は、始動領域として第1種始動口27〜29に適用したものである。
しかし、特別図柄表示装置32による図柄の変動表示を始動させる機能を備えた複数個のゲート(特別図柄作動ゲート)を遊技盤14に配設した場合には、始動領域を当該複数個のゲートに適用してもよい。
【0086】
(10)前記実施形態では、本発明に係る遊技機として第1種パチンコ機を例に挙げて説明したが、第1種以外の種類のパチンコ機、あるいは、スロットマシンなどの他の遊技機にもこの発明を適用可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の第1種パチンコ機10の正面図。
【図2】第1種パチンコ機10から取り外した遊技盤14の正面図。
【図3】第1種パチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図。
【図4】第1種パチンコ機10のメインCPU112が実行する主な処理の流れを示すフローチャート。
【図5】遊技盤14面の変化状態を示す説明図。
【図6】従来の第1種パチンコ機500の正面図。
【符号の説明】
10…遊技機
27〜29…第1種始動口
27a〜29a…第1種始動口有効表示LED
32…特別図柄表示装置
34…普通図柄表示装置
36,37…特別図柄記憶表示LED
40…変動入賞装置
41…大入賞口
41a…大入賞口ソレノイド
42…開閉部材
43…特定領域
43a…特定領域スイッチ
100…主基板
112…メインCPU
114…ROM
116…RAM
TUa,TUb…特別図柄始動記憶数

Claims (2)

  1. 図柄を変動表示した後に、複数種類設定されている大当たり停止図柄およびハズレ停止図柄から選択されたいずれか1つの図柄を確定図柄として表示する図柄表示装置と、
    前記大当たり停止図柄は、遊技者に大当たり遊技状態の発生を通知するための図柄であることと、
    前記ハズレ停止図柄は、遊技者に大当たり遊技状態が発生していないことを通知するための図柄であることと、
    前記図柄表示装置が表示した確定図柄が大当たり停止図柄の場合には大当たり遊技状態を開始させ、その後、所定条件が成立したら大当たり遊技状態を終了させる大当たり遊技実行手段と、
    前記大当たり遊技状態は、大入賞口が開口されることにより、大入賞口への多数の遊技球の入賞が可能な遊技状態であることと、
    遊技盤面に設けられた始動領域に遊技球が位置することを検知する検知手段と、
    その検知手段が遊技球を検知したことに基づいて、前記図柄表示装置による図柄の変動表示を始動させる図柄制御手段と、
    前記図柄表示装置が図柄の変動表示を始動可能な回数を始動記憶数として記憶する記憶手段と、その始動記憶数は前記図柄表示装置が始動される度に1つずつ減らされることとを備えた遊技機であって、
    前記始動領域は複数設けられ、各始動領域は前記図柄制御手段による図柄の変動表示の始動機能が有効または無効に切り替えられ、
    前記記憶手段は、
    まず、前記図柄表示装置が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄を表示中に、前記複数の始動領域のうち前記始動機能が最初に有効になっている始動領域について前記検知手段が検知した遊技球の個数を、当該始動領域に設定されている第1限度個数まで計数し、その計数した遊技球の個数を前記始動記憶数として記憶し、その記憶した始動記憶数が前記第1限度個数となると、当該始動領域の前記始動機能を無効に切り替えると共に、前記複数の始動領域のうち前記始動機能が最初に無効になっている始動領域における前記始動機能を有効に切り替え、
    その後、前記図柄表示装置が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄を表示中に、前記始動機能を有効に切り替えた始動領域について前記検知手段が検知した遊技球の個数を、当該始動領域に設定されている第2限度個数まで計数し、その計数した遊技球の個数を前記第1限度個数に加算した合計個数を前記始動記憶数として記憶することを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記複数の始動領域は、遊技盤における水平方向に配設され、
    遊技球を遊技盤に発射する発射手段を備え、
    遊技者は、発射手段を操作することにより、遊技盤における水平方向の所望の箇所を目がけて遊技球を発射することを特徴とする遊技機。
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