JP3813464B2 - 遊技機、プログラム、記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は遊技機、プログラム、記録媒体に係り、例えば、遊技機としてのパチンコ機、そのパチンコ機を実現するようにコンピュータシステムを機能させるためのプログラム、そのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として、例えば、図7に正面図を示す第1種パチンコ機500が知られている。
この第1種パチンコ機500では、遊技者が操作ハンドル512を操作して発射装置(図示略)から発射された遊技球(遊技媒体)が、遊技盤502に設けられた第1種始動口504に入賞すると、大当たり遊技状態またはハズレ遊技状態のいずれか一方が選択され、特別図柄表示装置506における横方向の3箇所に、複数の特別図柄(例えば、「0」〜「9」などの数字)が上下方向にスクロールされることにより図柄が変動表示される。
【0003】
そして、ハズレ遊技状態が選択された場合には、特別図柄表示装置506における図柄の変動表示後に前記3箇所のうち少なくとも1箇所に異なる特別図柄が停止表示され、大入賞口508が閉口されたままとなる。
また、大当たり遊技状態が選択された場合には、特別図柄表示装置506における図柄の変動表示後に前記3箇所に同じ大当たり停止図柄(例えば、「777」)が停止表示され、大入賞口508が開口(開放)されることにより大当たり遊技状態が開始され、大入賞口508への多数の遊技球の入賞が可能になる。
【0004】
その後、大入賞口508が開口してから所定時間t(例えば、30秒)経過するか、または、大入賞口508に所定個数N(例えば、10個)の遊技球が入賞すると、大入賞口508が閉口されることにより、大入賞口508への遊技球の入賞が不可能になる。このとき、大入賞口508の内部に設けられた特定領域510を遊技球が通過すると、連続して大入賞口508が開口される。
このように、大入賞口508が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、特定領域510を遊技球が通過することを条件としてラウンドが進行し、予め設定された最大ラウンド数R(例えば、15ラウンド)を終えると大当たり遊技状態が終了される。
【0005】
遊技盤502の下方の左側上部には、遊技球が賞球(賞媒体)や貸球として供給される賞球・貸球供給口514が形成されており、この賞球・貸球供給口514の供給側には、その賞球・貸球供給口514から供給された遊技球(賞球、貸球)を溜めておくための上受け皿516が配設されている。
上受け皿516の下方には、上受け皿516の収容可能数を超えて流下した遊技球や上受け皿球抜きレバー518の操作により上受け皿516から排出された遊技球などを排出する排出口520が形成されている。
排出口520の排出側には、その排出口520から排出された遊技球を収容しておくための下受け皿522が配設されている。
そして、大入賞口508に遊技球が入賞すると、その入賞した遊技球の個数(入賞個数)に対応し、1個の入賞個数に対して所定個数n(例えば、15個)の遊技球が賞球として賞球・貸球供給口514から払い出され、その遊技球(賞球)は上受け皿516に収容される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の第1種パチンコ機500では、1回の大当たり遊技状態の開始から終了までに(1回の大当たり遊技状態の期間に)、大入賞口508への入賞個数が所定個数Nと最大ラウンド数Rとの乗算値Qa(=N×R=10×15=150個)になると、それに対応して払い出される遊技球(賞球)の個数(賞球個数)Paは、所定個数Nと最大ラウンド数Rと所定個数nとの乗算値Qb(N×R×n=10×15×15=2250個)になる(Pa=Qb)。
その結果、2つの受け皿516,522には、賞球個数Paから乗算値Qa(=発射した遊技球の個数)を減算した個数(=Qb−Qa=2100個)の遊技球が収容されることになる。
【0007】
しかし、通常の第1種パチンコ機500において、2つの受け皿516,522に収容可能な遊技球の個数は、前記個数(Qb−Qa=2100個)よりも少ない個数に設定されている。
例えば、上受け皿516の収容可能個数が250個、下受け皿522の収容可能個数が450個、2つの受け皿516,522の合計収容可能個数が700個に設定されている場合、前記個数(Qb−Qa=2100個)のうち2/3の遊技球(賞球)は各受け皿516,522から溢れ出すことになる。
そこで、従来の第1種パチンコ機500では、下受け皿522が遊技球で満杯になったかどうかを検出する満杯検出スイッチ(図示略)が設けられている。そして、満杯検出スイッチにより下受け皿522が遊技球で満杯になったことが検出された場合には、遊技者が操作ハンドル512を操作しても発射装置が遊技球を発射しないように発射装置が停止制御されることで、下受け皿522から遊技球が溢れ出ないようにされている。
【0008】
しかし、下受け皿522が遊技球で満杯になった場合に発射装置を停止制御するということは、2つの受け皿516,522の合計収容可能個数に賞球個数を制限することに他ならず、上記例では、本来2100個払い出されるべき賞球個数が700個しか払い出されないことになり、遊技者が不利益を被ることになる。
そこで、従来、遊技者は、パチンコホールに備えられた専用の箱(一般に「ドル箱」と呼ばれる)を遊技中の第1種パチンコ機500の近傍に用意しておき、下受け皿522にある程度の遊技球が溜まったら、その下受け皿522に溜まった遊技球をドル箱に移し替えることにより、下受け皿522が満杯にならないようにしていた。
【0009】
ところで、遊技者が遊技中の第1種パチンコ機500から離れて他のドル箱を取りに行くことができない場合には(例えば、第1種パチンコ機500の近傍に用意しておいたドル箱が満杯になった時点で大当たり遊技状態が開始された場合など)、パチンコホールの従業員がドル箱を持ってくるようにしている。
しかし、近年、パチンコホールに設置されて稼働しているパチンコ機の数は非常に多くなっており、パチンコホールが多数の遊技者で混雑している場合には、パチンコホールの従業員が個々のパチンコ機に十分な注意を払うことが困難になる。そのため、下受け皿522とドル箱が共に満杯になっても、従業員が素早くドル箱を持って駆け付けることができないことがある。この場合には、下受け皿522が遊技球で満杯になった時点で発射装置が停止制御されるため、上記のように遊技者が不利益を被ることになる。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、多量の賞媒体(賞球)が払い出されて遊技に支障が生じるのを防止することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段・作用および発明の効果】
係る目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、遊技媒体を遊技盤に発射する発射手段と、その発射手段が発射した遊技媒体が所定の領域に入賞したことを検出する入賞検出手段と、その入賞検出手段が検出した遊技媒体の個数である入賞個数を記憶する入賞個数記憶手段と、その入賞個数記憶手段が記憶している入賞個数に基づいて、賞媒体として払い出すべき遊技媒体の個数を決定する賞媒体数決定手段と、遊技者に有利な遊技状態にする遊技状態設定手段と、前記賞媒体数決定手段が決定した個数の遊技媒体を賞媒体として払い出す賞媒体払出手段とを備えた遊技機において、前記賞媒体払出手段は、前記遊技状態設定手段が遊技者に有利な遊技状態にしているときと、遊技者に有利な遊技状態を終了した以降とで、前記賞媒体数決定手段が決定した個数の遊技媒体を分割して払い出すと共に、前記遊技状態設定手段が遊技者に有利な遊技状態にしている期間中に、前記発射手段が発射可能な遊技媒体の個数に対応した個数の遊技媒体を賞媒体として払い出すことを要旨とする。
【0012】
従って、請求項1に記載の発明によれば、遊技者に有利な遊技状態になっているときと、遊技者に有利な遊技状態が終了した以降とで、賞媒体数決定手段が決定した個数の遊技媒体が分割して払い出される。そのため、分割して払い出される遊技媒体の数を賞媒体の収容部材に合わせて適宜設定しておけば、収容部材が賞媒体で満杯になるのを防止することができる。その結果、多量の賞媒体が払い出されて遊技に支障が生じるのを防止することが可能になる。
【0022】
尚、上述した[特許請求の範囲]および[課題を解決するための手段および発明の効果]に記載した構成要素および用語と、後述する[発明の実施の形態]に記載した構成部材および用語との対応関係は以下のようになっている。
「遊技機」は、第1種パチンコ機10に該当する。
「遊技媒体」は、遊技に該当する。
「賞媒体」は、賞球に該当する。
「発射手段」は、サブCPU212におけるS910の処理と、発射ハンドル15a,発射モータ駆動基板15c,発射スイッチ15d,発射モータ15eとに該当する。
「入賞検出手段」は、メインCPU112におけるS600の処理と、各スイッチ24c,27a,29c,31a,41bとに該当する。
「入賞個数記憶手段」は、メインCPU112におけるS600の処理と、サブCPU212におけるS920の処理と、RAM216とに該当する。
【0023】
「賞媒体数決定手段」は、メインCPU112におけるS600の処理に該当する。
「遊技状態設定手段」は、メインCPU112におけるS400,S500の処理と、特別図柄表示装置32および特別図柄制御装置33と、変動入賞装置40(大入賞口41,大入賞口ソレノイド41a,開閉部材42)とに該当する。
「遊技者に有利な遊技状態」は、大当たり遊技状態に該当する。
「賞媒体払出手段」は、サブCPU212におけるS920,S930の処理と、賞球ユニット62(賞球払出センサ62a,62b、賞球払出モータ62c)とに該当する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態について図面を参照して説明する。尚、本実施形態では、本発明に係る遊技機として、いわゆる第1種パチンコ機を例に挙げて説明する。
[全体の主要構成]
図1は、本実施形態の第1種パチンコ機10の正面図である。
第1種パチンコ機(遊技機)10には、前枠11が開閉可能に備えられており、その前枠11には、金枠12が開閉可能に取り付けられており、さらに金枠12には、ガラス枠13aが開閉可能に取り付けられている。ガラス枠13aには、第1種パチンコ機10の前面ガラス板13が嵌め込まれている。ガラス枠13aおよび前面ガラス板13の内部には遊技盤14が配設され、前面ガラス板13と遊技盤14とは平行に配置されている。
【0025】
前枠11の右下には発射ハンドル15aが回動可能に取り付けられている。発射ハンドル15aが操作されると、発射モータ(図示略)が駆動されて遊技球(遊技媒体)が遊技盤14へ発射される。また、発射ハンドル15aに配設された発射停止スイッチ15bが操作されると、発射モータが停止されて遊技球の発射も停止される。
遊技盤14の左方には、発射された遊技球を遊技領域へ案内するガイドレール16が配設されている。
前枠11の右側には、ガラス枠13aの開閉用の鍵を差し込む鍵穴15を備えた鍵穴飾り17が配設されている。前枠11の上方には、枠ランプ18aが配設されている。
【0026】
ガラス枠13aの下には、前面板19が配設されている。前面板19の左側上部には、遊技球が賞球(賞媒体)や貸球として供給される賞球・貸球供給口20aが形成されており、この賞球・貸球供給口20aの供給側には、その賞球・貸球供給口20aから供給された遊技球(賞球、貸球)を収容しておくための上受け皿20が配設されている。
上受け皿20の前面中央部には、払出指示スイッチ300が配設されている。上受け皿20の下方には、上受け皿20の収容可能数を超えて流下した遊技球や上受け皿球抜きレバー20bの操作により上受け皿20から排出された遊技球などを排出する排出口21aが形成されている。
また、排出口21aと隣接して、遊技球が賞球として供給される賞球供給口21cが形成されている。
排出口21aの排出側および賞球供給口21cの供給側には、排出口21aおよび賞球供給口21cから排出または供給された遊技球を収容しておくための下受け皿21が配設されている。
前枠11の左側には、プリペイドカードを挿入するスリット22aを有するプリペイドカードユニットなどの遊技機外装置部分22が配設されている。この第1種パチンコ機10は、現金ではなくプリペイドカードを使用して遊技を行う、いわゆるCR機である。
【0027】
[遊技盤14の主要構成]
図2は、第1種パチンコ機10から取り外した遊技盤14を表側から見た正面図である。
遊技盤14の略中央上寄りには、センターケース30が備えられている。センターケース30には、3個のLEDからなる普通図柄表示装置34と、この普通図柄表示装置34の作動される回数を表示する4個のLEDからなる普通図柄記憶表示LED35と、矩形状の表示領域32aに複数の図柄の組み合わせを変動表示する特別図柄表示装置32と、この特別図柄表示装置32の作動される回数を表示する4個のLEDからなる特別図柄記憶表示LED36とが備えられている。また、センターケース30には天入賞口31が備えられている。尚、表示領域32aは、どのような表示装置(例えば、LCD,プラスマディスプレイ,CRTなど)によって具体化してもよい。
【0028】
センターケース30の左右には、普通図柄表示装置34を作動させるための普通図柄作動ゲート26a,26bが配設されている。センターケース30の下方には、特別図柄表示装置32を作動させる機能を備えた第1種始動口27が配設されている。
第1種始動口27には普通電動役物28が取り付けられている。普通電動役物28は、左右対称の可動翼片(一般に「チューリップ」と呼ばれる)を備え、通常は直立状態にある両可動翼片がそれぞれの支軸を中心として左右に回転して開くようになっている。そして、普通電動役物28は、普通図柄表示装置34が当たり停止図柄を表示した場合に両可動翼片を開くようになっている。尚、両可動翼片が開いた普通電動役物28は、第1種始動口27と同様に、特別図柄表示装置32を作動開始させる機能を備えている。
第1種始動口27の下方には、特別図柄表示装置32が大当たり停止図柄を表示した場合に作動する変動入賞装置40が配設されている。変動入賞装置40には、大当たり遊技状態の発生時に大入賞口41を開口する開閉部材42が開閉可能に取り付けられている。大入賞口41の内部には、大入賞口41を連続して開口する機能を有する特定領域43と、この特定領域43を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ(図示略)と、大入賞口41に入賞した遊技球の数をカウントする大入賞口スイッチ(図示略)とが設けられている。
【0029】
変動入賞装置40の左側には左下入賞口29aが配設され、変動入賞装置40の右側には右下入賞口29bが配設されている。左下入賞口29aの左側上方には、左袖入賞口24aが配設されている。右下入賞口29bの右側上方には、右袖入賞口24bが配設されている。
そして、遊技盤14には、風車23a,23bと、LEDによって装飾された装飾風車25a,25bと、コーナー飾りランプ18b,18cと、サイド飾りランプ18d,18eと、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口44とが配設されている。また、遊技盤14には、多くの釘(図示略)が打ち込まれており、遊技盤14に発射された遊技球は、釘の間を乱舞しながら遊技盤14面を流下(落下)する。
【0030】
図3は、センターケース30の正面図である。
センターケース30における特別図柄表示装置32と特別図柄記憶表示LED36との間には、未払出分の賞球の個数(未払出賞球個数)Peを数字(図示例では4桁の数字「1400」)で表示する未払出賞球個数表示装置400が設けられている。尚、未払出賞球個数表示装置400は、どのような表示装置(例えば、LCD,プラスマディスプレイ,CRTなど)によって具体化してもよい。
【0031】
[第1種パチンコ機10の電気的構成]
図4は、本実施形態の第1種パチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図である。
第1種パチンコ機10には、主基板(電子制御装置)100が設けられており、この主基板100には、マイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)110が搭載されている。マイクロコンピュータ110には、遊技の制御を実行するメインCPU112と、このメインCPU112が各種制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM114と、メインCPU112が各種制御プログラムを実行する際にROM114から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する当たりに関するデータなどの各種データを一時的に格納するRAM116とが搭載されている。また、RAM116は、停電などの電源遮断時における遊技状態を電源復帰後に再現するために、電源遮断時においてメインCPU112が処理したデータや各装置および各基板へ送り出したコマンドなどをバックアップする。
【0032】
主基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。電源基板80、賞球(賞媒体)の払い出しなどを制御する払出制御基板200、特別図柄表示装置32を制御する特別図柄制御装置33、遊技盤14に設けられたランプ類を制御するランプ制御装置75、遊技中の効果音などを再生する音声再生装置79aを制御する音声制御装置79、第1種始動口27への遊技球の入賞を検出するための第1種始動口スイッチ27a(尚、図4ではスイッチを「SW」と表記する)、遊技盤情報(入賞、当たり、遊技停止など)をパチンコホール(遊技店)の管理室などに設けられたコンピュータ(以下、ホールコンピュータと称する。図示略)へ送り出すための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0033】
払出制御基板200には、主基板100(メインCPU112)から送り出される制御コマンドを入力して動作するマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)210が搭載されており、マイクロコンピュータ210には、賞球の払い出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払い出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記憶されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読み出された制御プログラムや遊技中に発生する賞球個数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、電源基板80、CR接続基板56、発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52、払出中継基板55、払出指示スイッチ300、未払出賞球個数表示装置400が電気的に接続されている。
【0034】
発射モータ駆動基板15cには、発射モータ15e、発射スイッチ15d、発射停止スイッチ15bが電気的に接続されている。
発射ハンドル15aが操作されて発射スイッチ15dがONされると、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出され、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動信号が出力され、発射モータ15eはその駆動信号に従って遊技球を発射する。
【0035】
また、発射ハンドル15aが操作されて発射スイッチ15dがOFFされると、その発射スイッチ15dの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出され、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動停止信号が出力され、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。
また、発射停止スイッチ15bが操作されると、その発射停止スイッチ15bの検出信号は発射モータ駆動基板15cを介してサブCPU212へ送り出され、サブCPU212から発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eに駆動停止信号が出力され、発射モータ15eはその駆動停止信号に従って遊技球の発射を停止する。
【0036】
遊技枠中継基板53には、下受け皿21が賞球で満杯になったことを検出するための満杯検出スイッチ21bおよびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。
センサ中継基板54には、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55が電気的に接続されている。
【0037】
賞球ユニット62は、賞球払出センサ62a,62bおよび賞球払出モータ62cを備える。遊技球を賞球として払い出す払出機構(図示略)は、賞球の払い出しを効率良く行うために2カ所に設けられており、各払出機構は賞球払出モータ62cによって駆動される。また、賞球払出センサ62aは一方の払出機構に設けられており、賞球払出センサ62bは他方の払出機構に設けられている。各賞球払出センサ62a,62bの検出信号は、センサ中継基板54から遊技枠中継基板53を介して主基板100へ送り出され、その信号に基づいてメインCPU112は、賞球ユニット62から払い出された賞球個数をカウントする。
【0038】
払出中継基板55には、貸球がなくなったことを検出するための貸球切れスイッチ61、賞球払出モータ62c、貸球を供給する貸球ユニット63が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、次に記載するものが電気的に接続されている。普通電動役物28の両可動翼片を開閉させる普通電動役物ソレノイド28a(尚、図4ではソレノイドを「SL」と表記する)、普通図柄表示装置34、各普通図柄作動ゲート26a,26bのいずれかを遊技球が通過したことを検出するためのゲートスイッチ26c、大入賞口41への遊技球の入賞を検出するための大入賞口スイッチ41b、各袖入賞口24a,24bのいずれかへの遊技球の入賞を検出するための袖入賞口スイッチ24c、各下入賞口29a,29bのいずれかへの遊技球の入賞を検出するための下入賞口スイッチ29c、天入賞口31への遊技球の入賞を検出するための天入賞口スイッチ31a、大入賞口中継基板50である。
【0039】
大入賞口中継基板50には、特定領域43を通過(入賞)した遊技球を検出するための特定領域スイッチ43a、開閉部材42を開閉させることにより大入賞口41を開閉させる大入賞口ソレノイド41aが電気的に接続されている。
CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を表示する度数表示基板やプリペイドカードを読み取る装置などを備える遊技機外装置部分22が電気的に接続されている。
【0040】
電源基板80は、主電源70から交流(AC)24V(50Hz/60Hz)の電源供給を受け、その交流電源から各種電圧の直流電源を生成し、その直流電源を各基板56,100,200および各装置33,75,79へ供給する。
そして、主基板100のメインCPU112には、第1種始動口スイッチ27aの検出信号が入力されると共に、盤面中継基板51を介して各スイッチ24c,26c,29c,31a,41bの検出信号が入力され、大入賞口中継基板50から盤面中継基板51を介して特定領域スイッチ43aの検出信号が入力される。
【0041】
[メインCPU112が実行する主な処理]
図5は、本実施形態においてメインCPU112が実行する主な処理の流れを示すフローチャートである。
メインCPU112は、ROM114に記録(記憶)されているプログラムに従い、コンピュータによる各種演算処理によって、以下の各ステップ(以下、「S」と記載する)の処理を実行する。
尚、前記プログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体(半導体メモリ(メモリスティックなど)、ハードディスク、フロッピーディスク、データカード(ICカード,磁気カードなど)、光ディスク(CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVDなど)、光磁気ディスク(MOなど)、相変化ディスク、磁気テープなど)を備えた外部記録装置(外部記憶装置)に記録(記憶)しておき、当該プログラムを必要に応じて外部記録装置からメインCPU112にロードして起動することにより用いるようにしてもよい。
【0042】
メインCPU112は、まず、主電源70の投入時かどうかを判定し(S10)、主電源70の投入時(S10:Yes)には第1種パチンコ機10の各装置および各基板の初期設定を行い(S20)、最初のルーチンを終了してS10の処理へ戻る。
2回目以降のルーチンにおいては、主電源70の投入時ではないため(S10:No)、メインCPU112は、以下のS200〜S800の処理を順次実行した後に、再びS10の処理に戻り、S10〜S800の処理を繰り返し実行する。
【0043】
普通図柄処理(S200)において、メインCPU112は、ゲートスイッチ26cの検出信号に基づいて各普通図柄作動ゲート26a,26bのいずれかを遊技球が通過したことを検出し、その検出結果とRAM116に記憶されている普通図柄始動記憶数FUとに基づいて普通図柄制御コマンドを生成し、その普通図柄制御コマンドを盤面中継基板51を介して普通図柄表示装置34へ送り出す。
すると、普通図柄表示装置34は、普通図柄制御コマンドに基づいて、図柄の変動表示を行った後に当たり停止図柄またはハズレ停止図柄を表示する。例えば、普通図柄表示装置34を構成する3個のLEDが点灯することにより図柄が変動表示され、両端部の2個のLEDが点灯することにより当たり停止図柄が表示され、いずれか1個のLEDのみが点灯することによりハズレ停止図柄が表示される。
【0044】
ここで、普通図柄始動記憶数FUは以下のように設定されてRAM116に記憶されている。
つまり、普通図柄表示装置34が図柄の変動表示中または当たり停止図柄を表示中に、各普通図柄作動ゲート26a,26bのいずれかを遊技球が通過すると、その通過した遊技球の最初の4個までがRAM116に記憶され、そのRAM116に記憶された遊技球の個数は普通図柄記憶表示LED35の点灯数によって表示される。このRAM116に記憶された遊技球の個数(普通図柄記憶表示LED35の点灯数)が、普通図柄始動記憶数FUである。
【0045】
そして、普通図柄表示装置34における図柄の変動表示が確定して停止図柄が表示されたとき、普通図柄始動記憶数FUが「1」以上であれば、普通図柄表示装置34は再び図柄の変動表示を行うと共に、普通図柄記憶表示LED35の点灯数を1つ減らす。
例えば、普通図柄始動記憶数FUが「3」の場合には、普通図柄表示装置34の図柄の変動表示が3回繰り返され、その図柄の変動表示が繰り返される度に普通図柄記憶表示LED35の点灯数が1つずつ減らされ、図柄の変動表示が3回繰り返されると普通図柄記憶表示LED35は全て消灯される。
【0046】
普通電動役物処理(S300)において、メインCPU112は、普通図柄処理(S200)の処理結果に基づいて、普通電動役物ソレノイド28aを駆動制御するための制御信号を生成し、その制御信号を盤面中継基板51を介して普通電動役物ソレノイド28aへ送り出す。
すると、普通電動役物ソレノイド28aは当該制御信号に従って動作し、普通電動役物28の両可動翼片を開閉させる。
すなわち、メインCPU112は、普通図柄処理で普通図柄表示装置34に当たり停止図柄を表示させるための普通図柄表示コマンドを生成したことに基づいて(普通図柄表示装置34が当たり停止図柄(所定図柄)を表示したことに基づいて)、普通電動役物ソレノイド28aを制御して普通電動役物28の両可動翼片を開放させ、第1種始動口27の入口を開き又は拡大させて遊技球を入賞し易くさせる。
そして、メインCPU112は、普通電動役物28の両可動翼片を開放させてから所定時間(例えば、0.5秒間)経過すると、普通電動役物28の両可動翼片を閉じさせて第1種始動口27の入口を閉じ又は縮小させる。
【0047】
特別図柄処理(S400)において、メインCPU112は、第1種始動口スイッチ27aの検出信号に基づいて第1種始動口27に遊技球が入賞したことを検出し、その検出結果に基づいて大当たり遊技状態またはハズレ遊技状態のいずれか一方を選択し、その選択結果とRAM116に記憶されている特別図柄始動記憶数TUとに基づいて特別図柄制御コマンドを生成し、その特別図柄制御コマンドを特別図柄制御装置33へ送り出す。
すると、特別図柄制御装置33は、特別図柄制御コマンドに基づいて特別図柄表示装置32を制御し、図柄の変動表示を行った後に大当たり停止図柄またはハズレ停止図柄を特別図柄表示装置32に表示させる。
例えば、表示領域32aの横方向における複数箇所(例えば、3箇所)で複数の特別図柄(例えば、「0」〜「9」などの数字)を上下方向にスクロール表示することにより図柄が変動表示され、表示領域32aの複数箇所の全部で所定種類の同じ図柄(例えば、「777」)を停止表示することにより大当たり停止図柄が表示され、表示領域32aの複数箇所の少なくとも1箇所の停止図柄のみが異なることによりハズレ停止図柄が表示される。
【0048】
ここで、特別図柄始動記憶数TUは以下のように設定されてRAM116に記憶されている。
つまり、特別図柄表示装置32が図柄の変動表示中または大当たり停止図柄を表示中あるいは普通電動役物28の両可動翼片が開いているときに、遊技球が第1種始動口27に入賞すると、その入賞した遊技球の最初の4個までがRAM116に記憶され、そのRAM116に記憶された遊技球の個数は特別図柄記憶表示LED36の点灯数によって表示される。このRAM116に記憶された遊技球の個数(特別図柄記憶表示LED36の点灯数)が、特別図柄始動記憶数TUである。
【0049】
そして、特別図柄表示装置32における図柄の変動表示が確定して停止図柄が表示されたとき、特別図柄始動記憶数TUが「1」以上であれば、特別図柄表示装置32は再び図柄の変動表示を行うと共に、特別図柄記憶表示LED36の点灯数を1つ減らす。
例えば、特別図柄始動記憶数TUが「3」の場合には、特別図柄表示装置32の図柄の変動表示が3回繰り返され、その図柄の変動表示が繰り返される度に特別図柄記憶表示LED36の点灯数が1つずつ減らされ、図柄の変動表示が3回繰り返されると特別図柄記憶表示LED36は全て消灯される。
【0050】
大入賞口処理(S500)において、メインCPU112は、特別図柄処理(S400)の処理結果に基づいて、大入賞口ソレノイド41aを駆動制御するための制御信号を生成し、その制御信号を盤面中継基板51から大入賞口中継基板50を介して大入賞口ソレノイド41aへ送り出す。
すると、大入賞口ソレノイド41aは当該制御信号に従って作動し、開閉部材42を開閉させることにより大入賞口41を開閉させる。
すなわち、メインCPU112は、特別図柄処理で大当たり遊技状態が選択された場合には、開閉部材42を開いて大入賞口41を開口させることにより大当たり遊技状態を開始させ、大入賞口41への多数の遊技球の入賞を可能にする。また、メインCPU112は、特別図柄処理でハズレ遊技状態が選択された場合には、開閉部材42を閉じて大入賞口41を閉口させ、大入賞口41への遊技球の入賞を不可能にする。
【0051】
そして、大入賞口41が開口してから所定時間t(例えば、30秒)経過するか、または、大入賞口41に所定個数N(例えば、10個)の遊技球が入賞すると、開閉部材42が閉じて大入賞口41が閉口され、大入賞口41への遊技球の入賞が不可能になる。このとき、大入賞口41の内部に設けられた特定領域43を遊技球が通過すると、その遊技球の通過を特定領域スイッチ43aが検出し、大入賞口41が連続して開口される。
このように、大入賞口41が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、特定領域43を遊技球が通過することを条件としてラウンドが進行し、予め設定された最大ラウンド数R(例えば、15ラウンド)を終えると大当たり遊技状態が終了される。
【0052】
入賞処理(S600)において、メインCPU112は、後述するように、特別図柄処理(S400)および大入賞口処理(S500)の処理結果と各スイッチ24c,27a,29c,31a,41bの検出信号とに基づいて、賞球ユニット62から払い出される遊技球(賞球)の個数(賞球個数)Pbを決定し、その賞球個数に対応した賞球払出コマンドを生成し、その賞球払出コマンドを払出制御基板200のサブCPU212へ送り出す。
そして、メインCPU112は、センサ中継基板54から遊技枠中継基板53を介して転送されてくる各賞球払出センサ62a,62bの検出信号に基づいて、賞球ユニット62から払い出された賞球個数をカウントし、その賞球個数(以下、「払出済賞球個数」という)Pdのデータを払出制御基板200のサブCPU212へ送り出す。
【0053】
音声処理(S700)において、メインCPU112は、S200〜S600の処理結果に基づいて音声制御コマンドを生成し、その音声制御コマンドを音声制御装置79へ送り出す。すると、音声制御装置79は、音声制御コマンドに基づいて音声再生装置79aを制御し、遊技中の効果音などを再生させる。
【0054】
ランプ処理(S800)において、メインCPU112は、S200〜S600の処理結果に基づいてランプ制御コマンドを生成し、そのランプ制御コマンドをランプ制御装置75へ送り出す。すると、ランプ制御装置75は、ランプ制御コマンドに基づいて遊技盤14に設けられたランプ類(枠ランプ18a、コーナー飾りランプ18b,18c、サイド飾りランプ18d,18e、装飾風車25a,25bのLEDなど)の点灯を制御する。
【0055】
[サブCPU212が実行する主な処理]
図6は、本実施形態においてサブCPU212が実行する主な処理の流れを示すフローチャートである。
サブCPU212は、ROM214に記録(記憶)されているプログラムに従い、コンピュータによる各種演算処理によって、以下の各ステップの処理を実行する。
尚、前記プログラムをコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録(記憶)しておき、当該プログラムを必要に応じて外部記録装置からサブCPU212にロードして起動することにより用いるようにしてもよい。
【0056】
サブCPU212は、以下のS910〜S940の処理を順次実行した後に、再びS910の処理に戻り、S910〜S940の処理を繰り返し実行する。
【0057】
遊技球発射処理(S910)において、サブCPU212は、発射モータ駆動基板15cを介して転送されてくる発射スイッチ15dおよび発射停止スイッチbの検出信号に基づいて、発射モータ15eの駆動信号または駆動停止信号を生成し、その駆動信号または駆動停止信号を発射モータ駆動基板15cを介して発射モータ15eへ送り出す。
すると、前記のように、発射モータ15eは、駆動信号または駆動停止信号に従って遊技球を発射するか又は発射を停止する。
【0058】
賞球払出処理(S920)において、サブCPU212は、後述するように、主基板100のメインCPU112から転送されてきた賞球払出コマンドおよび払出済賞球個数Pdのデータと、遊技球発射処理(S910)で発射モータ15eにより発射された遊技球の個数(以下、「発射個数」という)Pcとに基づいて賞球払出命令を生成する。
払出指示処理(S930)において、サブCPU212は、後述するように、払出指示スイッチ300の検出信号に基づいて、賞球払出処理(S920)で生成した賞球払出命令を払出中継基板55を介して賞球ユニット62へ送り出す。すると、賞球ユニット62は、賞球払出命令に基づいて、賞球払出モータ62cを制御することにより、前記各払出機構から賞球・貸球供給口20aまたは賞球供給口21cのいずれか一方へ遊技球(賞球)を供給させる。
未払出賞球個数表示処理(S940)において、サブCPU212は、後述するように、未払出賞球個数Peを未払出賞球個数表示装置400に表示させる。
【0059】
[実施形態の作用および効果]
本実施形態の第1種パチンコ機10において、メインCPU112における入賞処理(S600)およびサブCPU212における各処理(S910〜S940)により実行される賞球の払出動作について具体的に説明する。
[1]大当たり遊技状態になっているときに賞球ユニット62から払い出される賞球個数Paは、以下の実施例1〜3のいずれかに設定されている。
【0060】
<実施例1>
賞球個数Paは、入賞処理(S600)で決定された賞球個数Pbより所定個数Psだけ少ない個数とする(Pa=PbーPs)。
ここで、2つの受け皿20,21の合計収容可能個数に対応して所定個数Psを適宜に設定しておけば、下受け皿21が遊技球で満杯になるのを防止することができる。
【0061】
例えば、決定された賞球個数Pbの所定値m分の1(例えば、1/3)の賞球個数Pa(=Pb/m=Pb/3)を賞球ユニット62から払い出すようにする。
ここで、大入賞口スイッチ41bが大入賞口41への遊技球の入賞を検出した場合の賞球個数は、大入賞口41への1個の遊技球の入賞に対して所定個数n1(例えば、15個)に設定されている。また、各スイッチ24c,27a,29c,31aが各入賞口24a,24b,27,29a,29b,31への遊技球の入賞を検出した場合の賞球個数は、当該各入賞口への1個の遊技球の入賞に対してそれぞれ所定個数n2(例えば、6個)に設定されている。
【0062】
そのため、賞球個数Paは、所定個数n1の所定値m分の1(例えば、15/3=5個)、所定個数n2の所定値m分の1(例えば、6/3=2個)になる。この実施例1では、1回の大当たり遊技状態の開始から終了までに(1回の大当たり遊技状態の期間に)、大入賞口41への入賞個数が所定個数Nと最大ラウンド数Rとの乗算値Qa(=N×R=10×15=150個)になると、それに対応した賞球個数Paは、所定個数Nと最大ラウンド数Rと所定個数n1との乗算値Qb(N×R×n1=10×15×15=2250個)の所定値m分の1になる(Pa=Qb/m=2250/3=750個)。
【0063】
その結果、2つの受け皿20,21には、賞球個数Paから乗算値Qa(=発射した遊技球の個数)を減算した個数(=Qb/m−Qa=750−150=600個)の遊技球が収容されることになる。
従って、例えば、上受け皿20の収容可能個数が250個、下受け皿21の収容可能個数が450個、2つの受け皿20,21の合計収容可能個数が700個に設定されている場合、前記個数(Qb/m−Qa=600個)の遊技球(賞球)は各受け皿20,21から溢れ出すことなく収容される。
【0064】
<実施例2>
賞球個数Paから、発射モータ15eの発射個数Pcを差し引いた値が一定値Pk(=Pa−Pc)になるようにする。
尚、一定値Pkは、遊技に支障をきたすことなく遊技を続行可能な個数に設定する必要がある。
例えば、一定値Pkを、上受け皿20の収容可能個数(例えば、250個)に設定しておく。すると、賞球個数Paが上受け皿20の収容可能個数を越えた以降は、発射個数Pcと同数の賞球が払い出されることになり、上受け皿20が遊技球で満杯にならなくなる。
この実施例2でも、賞球個数Paは、入賞処理(S600)で決定された賞球個数Pbより所定個数Psだけ少ない個数となる。従って、2つの受け皿20,21の合計収容可能個数に対応して所定個数Psを適宜に設定しておけば、下受け皿21が遊技球で満杯になるのを防止することができる。
【0065】
<実施例3>
賞球個数Paは、大当たり遊技状態になっている期間に発射モータ15eにより発射可能な遊技球の個数(以下、発射可能個数」という)Prと同じにする。つまり、賞球個数Paが発射可能個数Prよりも少ないと、上受け皿20が空になり、そのまま遊技を続行することができなくなる場合がある。そのため、上受け皿20が空にならないように、大当たり遊技状態になっている期間に遊技を続行するのに必要な遊技球の個数分だけの賞球個数Paを払い出すようにする。ここで、大当たり遊技状態になっている期間において、遊技を続行するのに必要な遊技球の個数は発射可能個数Prと同じであるため、発射可能個数Pr分だけの賞球個数Paを払い出すようにする。
【0066】
具体的には、1ラウンド中に大入賞口41が開口している所定時間t(例えば、30秒)と、各ラウンド間で大入賞口41が閉口している所定時間v(例えば、2秒)と、最大ラウンド数R(例えば、15ラウンド)とにより、1回の大当たり遊技状態の期間に要する時間αが求められる(α=t×R+v×(R−1)=450+28=478秒)。
また、発射モータ15eにより所定時間に発射可能な遊技球の個数は、所定個数β(例えば、1分間に100個(0.6秒に1個))に規定されている。
【0067】
従って、1回の大当たり遊技状態の期間における発射可能個数Prは、前記時間αと所定個数βの乗算値(α×β≒796)になる。そこで、賞球個数Paを前記乗算値(α×β≒796)と同じにする。
この実施例3でも、賞球個数Paは、入賞処理(S600)で決定された賞球個数Pbより所定個数Psだけ少ない個数となる。従って、2つの受け皿20,21の合計収容可能個数に対応して所定個数Psを適宜に設定しておけば、下受け皿21が遊技球で満杯になるのを防止することができる。
尚、賞球個数Paを、発射可能個数Prと完全に同一にするのではなく、発射可能個数Prに対応した個数(発射可能個数Prより適宜多いか又は少ない個数)に設定してもよい。
【0068】
ところで、サブCPU212は、賞球個数Pa,Pb、発射個数Pc、払出済賞球個数PdをRAM216に記憶させ、必要に応じて読み出すようにする。
また、一定値Pk、所定値m、所定個数Ps、発射可能個数PrについてはROM214に予め記憶させておき、サブCPU212が必要に応じて読み出すようにする。
【0069】
[2]入賞処理(S600)で決定された賞球個数Pbから、上記[1]のように大当たり遊技状態になっているときに賞球ユニット62から払い出された賞球個数Paを減算し、その減算値である未払出分の賞球個数(未払出賞球個数)Peを求める。そして、大当たり遊技状態が終了した以降に、未払出賞球個数Pe分の遊技球(賞球)を賞球ユニット62から払い出させる。つまり、賞球個数Pbは、大当たり遊技状態になっているときと、大当たり遊技状態が終了した以降とに分割して払い出される。
そして、最終的には賞球個数Pb分の賞球が払い出されることになるため、遊技者が不利益を被ることはない。
従って、上記[1][2]により、本実施形態によれば、下受け皿21が遊技球で満杯になった場合に発射装置を停止制御する必要がなくなり、前記した従来の問題点を解決することができる。
【0070】
[3]上記[2]において、未払出賞球個数Pe分の賞球を賞球ユニット62から払い出すとき、賞球払出モータ62を連続して回転させることにより、遊技球を連続して払い出させる。
従って、本実施形態によれば、未払出賞球個数Pe分の賞球の払い出しに要する時間を短縮することができる。
【0071】
[4]上記[2]において、未払出賞球個数Pe分の賞球を賞球ユニット62から払い出すとき、その賞球を賞球供給口21cから下受け皿21に供給させる。
従って、本実施形態によれば、大当たり遊技状態において大入賞口41に多量の遊技球が入賞し、入賞処理(S600)で決定された賞球個数Pbが多くなった場合でも、上受け皿20が遊技球で満杯になるのを防ぐことができる。また、遊技者が上受け皿球抜きレバー20bを操作して上受け皿20から下受け皿21に遊技球を移し替えることが必要なくなるため、特に賞球個数Pbが多くなった場合に遊技者の手間を軽減することができる。
【0072】
また、大当たり遊技状態になっているときに賞球ユニット62から払い出される賞球は、賞球・貸球供給口20aから上受け皿20に供給させる。
従って、本実施形態によれば、上受け皿20が空にならず、大当たり遊技状態になっている期間に遊技を続行するのに必要な遊技球を上受け皿20に収容しておくことが可能になる。
【0073】
[5]未払出賞球個数Peを未払出賞球個数表示装置400に表示させることにより、遊技者は未払出賞球個数Peを正確に把握することが可能になる。
従って、本実施形態によれば、大当たり遊技状態になっているときに払い出される賞球数が少ないことに対して遊技者が不安を感じるのを防止することができ、加えて、未払出賞球個数Peに応じてドル箱を用意することもできるため、遊技をスムーズに進行させることが可能になる。
【0074】
[6]賞球ユニット62から実際に遊技球(賞球)を払い出すタイミングは、以下の▲1▼▲2▼のいずれかに設定されている。
▲1▼払出指示スイッチ300の操作に関係なく、大当たり遊技状態が終了した時点(タイミング)で、未払出賞球個数Pe分の賞球を賞球ユニット62から払い出させる。
つまり、遊技状態に関係なく払出指示スイッチ300が機能しないようにする。
このようにすれば、大当たり遊技状態が終了すると自動的に未払出賞球個数Pe分の賞球が払い出されるため、遊技者は賞球の払い出しタイミングに留意することなく遊技に専念することができる。
【0075】
▲2▼大当たり遊技状態が終了した以降に、遊技者が払出指示スイッチ300を操作し、払出指示スイッチ300の検出信号がサブCPU212に出力された時点(タイミング)で、未払出賞球個数Pe分の賞球を賞球ユニット62から払い出させる。
尚、大当たり遊技状態になっているときに、遊技者が払出指示スイッチ300を操作した場合には、未払出賞球個数Pe分の賞球を賞球ユニット62から払い出させない。つまり、大当たり遊技状態になっているときには、払出指示スイッチ300が機能しないようにする。
このようにすれば、遊技者が希望するタイミングで未払出賞球個数Pe分の遊技球(賞球)の払い出しを行うことが可能になるため、遊技者の意向に添ったスムーズな遊技の進行を実現することができる。
【0076】
[別の実施形態]
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0077】
(1)遊技者が払出指示スイッチ300を操作し、払出指示スイッチ300の検出信号がサブCPU212に出力されると、大当たり遊技状態になっているときにも、入賞処理(S600)で決定された賞球個数Pb分の遊技球(賞球)を賞球ユニット62から払い出させる。
つまり、払出指示スイッチ300は、上記[6]の▲2▼とは異なり、大当たり遊技状態が終了した以降に未払出賞球個数Pe分の遊技球(賞球)を一括して払い出す動作を停止させる機能を有することになる。
このようにすれば、大当たり遊技状態が終了した以降に未払出賞球個数Pe分の遊技球(賞球)を一括して払い出す必要のない場合(例えば、遊技中の第1種パチンコ機10の近傍に用意されているドル箱に遊技球がほとんど溜まっていない場合、遊技中の第1種パチンコ機10の近傍に十分な数の空のドル箱が用意されている場合など)には、遊技者の意志により前記一括払出の機能を停止可能になるため、遊技者の意向に添ったスムーズな遊技の進行を実現することができる。
【0078】
(2)上記実施形態では、払出指示スイッチ300を上受け皿20の前面中央部に配設している。
しかし、払出指示スイッチ300は、遊技者が簡単かつ容易に操作可能であれば、第1種パチンコ機10のどの場所に配設してもよい。
【0079】
(3)上記実施形態では、未払出賞球個数Peを数字で表示する未払出賞球個数表示装置400を、センターケース30における特別図柄表示装置32と特別図柄記憶表示LED36との間に配設している。
しかし、未払出賞球個数表示装置400は、遊技者が容易に視認可能であれば、第1種パチンコ機10のどの場所に配設してもよい。また、未払出賞球個数表示装置400は、未払出賞球個数Peの概略値を適宜な表示手法(例えば、インジケータ表示など)で表示するようにしてもよい。
【0080】
(4)上記実施形態では、本発明に係る遊技機として第1種パチンコ機を例に挙げて説明したが、第1種以外の種類のパチンコ機(例えば、特定の入賞口に遊技球が入賞すると大当たり遊技状態になるパチンコ機(一般に「権利もの」「一発機」などと呼ばれる)、第2種パチンコ機など)、あるいは、スロットマシンなどの他の遊技機にもこの発明を適用可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態のパチンコ機10の正面図。
【図2】一実施形態のパチンコ機10から取り外した遊技盤14の正面図。
【図3】遊技盤14に備えられたセンターケース30の正面図。
【図4】一実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック回路図。
【図5】一実施形態においてメインCPU112が実行する主な処理の流れを示すフローチャート。
【図6】一実施形態においてサブCPU212が実行する主な処理の流れを示すフローチャート。
【図7】従来の第1種パチンコ機500の正面図。
【符号の説明】
10…第1種パチンコ機
20…上受け皿
21…下受け皿
32…特別図柄表示装置
33…特別図柄制御装置
40…変動入賞装置
41…大入賞口
41a…大入賞口ソレノイド
42…開閉部材
62…賞球ユニット
62a,62b…賞球払出センサ
62c…賞球払出モータ
100…主基板
110…マイクロコンピュータ
112…メインCPU
114…ROM
116…RAM
200…払出制御基板
210…マイクロコンピュータ
212…サブCPU
214…ROM
216…RAM
300…払出指示スイッチ
400…未払出賞球個数表示装置
Claims (1)
- 遊技媒体を遊技盤に発射する発射手段と、
その発射手段が発射した遊技媒体が所定の領域に入賞したことを検出する入賞検出手段と、
その入賞検出手段が検出した遊技媒体の個数である入賞個数を記憶する入賞個数記憶手段と、
その入賞個数記憶手段が記憶している入賞個数に基づいて、賞媒体として払い出すべき遊技媒体の個数を決定する賞媒体数決定手段と、
遊技者に有利な遊技状態にする遊技状態設定手段と、
前記賞媒体数決定手段が決定した個数の遊技媒体を賞媒体として払い出す賞媒体払出手段と
を備えた遊技機において、
前記賞媒体払出手段は、
前記遊技状態設定手段が遊技者に有利な遊技状態にしているときと、遊技者に有利な遊技状態を終了した以降とで、前記賞媒体数決定手段が決定した個数の遊技媒体を分割して払い出すと共に、前記遊技状態設定手段が遊技者に有利な遊技状態にしている期間中に、前記発射手段が発射可能な遊技媒体の個数に対応した個数の遊技媒体を賞媒体として払い出すことを特徴とする遊技機。
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