JP3839145B2 - 柔軟性ポリエステル樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

柔軟性ポリエステル樹脂組成物およびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性ポリエステル樹脂組成物およびその用途に関し、さらに詳しくは、柔軟性、透明性、耐揮発性などに優れ、かつ成形加工性に優れたポリエステル樹脂組成物およびこの組成物からなるフィルム、シート等に関するものである。
【0002】
【発明の技術的背景】
ポリエチレンテレフタレートは、機械特性、耐薬品性、ガスバリヤ性、保香性などに優れ、かつ焼却しても有毒ガスの発生が少ないことから、ジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器(PETボトル)として近年多量に使用されるようになってきた。しかしながらポリエチレンテレフタレートは、柔軟性に乏しいため用途が限定され、シート用やフイルム用としては、磁気テープ用や一部の食品包装用にしか使用できない。
【0003】
ポリエチレンテレフタレートに、柔軟性を付与する方法としては、ポリエチレンテレフタレートそのものの柔軟性を改良するために、ソフトセグメントとしてドデカンジカルボン酸、アゼライン酸、ダイマー酸などを共重合する方法、ポリテトラメチレングリコールをソフトセグメントとしたポリエステル-ポリエーテルブロック共重合体とする方法などが提案されている。また、ポリエチレンテレフタレートに芳香族エステル系化合物、芳香族エーテル系化合物、エチレン-酢酸ビニル共重合体、オレフィンエラストマー、アイオノマー樹脂などの樹脂改質剤を添加して柔軟性を付与する方法も提案されているが、得られたポリエチレンテレフタレートは透明性、成形加工性、耐熱耐久性、耐揮発性が十分でない。
【0004】
本発明者らは、上記のような課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリエチレンテレフタレートと、脂肪族ポリエステルと、芳香族ジオールエチレンオキサイド付加物などの結晶化抑制成分とを溶融混練し、その一部または全部がエステル交換されてなる組成物は、透明性が高く、かつ柔軟性に優れることを見出して本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、柔軟性、透明性および耐揮発性に優れる柔軟性ポリエステル樹脂組成物およびその用途を提供することを目的としている。
【0006】
【発明の概要】
本発明に係る柔軟性ポリエステル樹脂組成物は、
(A)ポリエチレンテレフタレートと、
(B)脂肪族ポリエステルと、
(C)ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、 2,6- ビス( 2- ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、 1,3- ビス( 2- ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよび 4,4'- 1- フェニルエチリデン)ビス( 2- ヒドロキシエトキシフェノール)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを、
前記(A)100重量部に対し前記(B)が10〜100重量部となる割合で、前記(A)と(B)の合計100重量部に対し前記(C)が0.1〜15重量部となる割合で溶融混練し、前記(A)および(B)の一部または全部をエステル交換反応して得られることを特徴としている。
【0007】
本発明では、前記(B)脂肪族ポリエステルが前記(A)100重量部に対し40〜100重量部の割合であることが好ましい。また、本発明に係る柔軟性ポリエステル樹脂組成物は、曲げ弾性率が1200MPa以下であることが好ましい。
【0008】
前記(B)脂肪族ポリエステルとしては、炭素原子数4〜12の脂肪族ジカルボン酸と、炭素原子数2〜13の脂肪族グリコールとから得られ、数平均分子量が2,500〜30,000の範囲にあるポリエステルが挙げられ、好ましくは、(i)セバシン酸と、プロピレングリコールとから得られるポリエステル、(ii)アジピン酸と、プロピレングリコールとから得られるポリエステル、(iii)アジピン酸と、エチレングリコールとから得られるポリエステルなどが挙げられる。
【0017】
このような柔軟性ポリエステル樹脂組成物を用いた製品としては、たとえばシート、フィルム、レトルト容器、カップ、カップ用蓋、壁紙、該組成物からなる層(ヒートシール層など)と基材層(樹脂、金属箔など)との積層体からなる包装材料、該組成物で内壁がコーティングされた金属缶および紙パック、該組成物からなる表層を有するラミネート合板およびラミネート鋼板などがある。
【0018】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る柔軟性ポリエステル組成物について具体的に説明する。
本発明に係る柔軟性ポリエステル樹脂組成物は、(A)ポリエチレンテレフタレートと、(B)脂肪族ポリエステルと、(C)結晶化抑制成分とを溶融混練することにより得られる。まず、これら各成分について説明する。
【0019】
(A)ポリエチレンテレフタレート
本発明で用いられる(A)ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸またはそのエステル誘導体(たとえば、低級アルキルエステル、フェニルエステルなど)を含む芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコールまたはそのエステル誘導体を含むジオールとから得られる。
【0020】
(A)ポリエチレンテレフタレートは、必要に応じてテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸またはそのエステル誘導体から導かれる構成単位を15モル%以下(芳香族ジカルボン酸から導かれる全構成単位を100モル%とする)の割合で含有していてもよい。テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸またはそのエステル誘導体として具体的には、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸など、およびこれらのエステル誘導体が挙げられる。
【0021】
また(A)ポリエチレンテレフタレートは、必要に応じてエチレングリコール以外のジオールまたはそのエステル誘導体から導かれる構成単位を15モル%以下(ジオールから導かれる全構成単位を100モル%とする)の割合で含有していてもよい。エチレングリコール以外のジオールまたはそのエステル誘導体として具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチレングリコール(プロピレングリコール)、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノール類、ハイドロキノン類などの芳香族ジオールなど、およびこれらのエステル誘導体が挙げられる。
【0022】
さらに(A)ポリエチレンテレフタレートは、必要に応じて、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトールなどの多官能化合物から誘導される構成単位を少量、たとえば2モル%以下(芳香族ジカルボン酸から導かれる構成単位とジオールから導かれる構成単位との合計を100モル%とする)の量で含んでいてもよい。
【0023】
このような(A)ポリエチレンテレフタレートは、実質上線状であり、このことは該ポリエチレンテレフタレートが、o-クロロフェノールに溶解することによって確認される。
【0024】
(A)ポリエチレンテレフタレートは、フェノールとテトラクロルエタンとの1:1(重量比)混合溶媒中で25℃で測定される固有粘度(IV)が、通常0.3〜1.5dl/g、好ましくは0.5〜1.2dl/gの範囲にあることが望ましい。
【0025】
本発明で用いられる(A)ポリエチレンテレフタレートは、前記のような芳香族ジカルボン酸とジオールとから従来公知の製造方法により製造される。本発明では、このような(A)ポリエチレンテレフタレートとして、通常ペレット状で市販されている「原料ポリエチレンテレフタレート」が用いられるが、必要に応じて「回収ポリエチレンテレフタレート」が用いられてもよい。また、「原料ポリエチレンテレフタレート」と「回収ポリエチレンテレフタレート」とを任意の割合で混合して用いてもよい。
【0026】
なお本明細書において、「原料ポリエチレンテレフタレート」とは、ジカルボン酸とジオールとから通常ペレット状で製造された、加熱溶融状態で成形機を通過させてボトル、プリフォームなどの成形体に成形された履歴がないポリエチレンテレフタレートをいう。また「回収ポリエチレンテレフタレート」とは、このような原料ポリエチレンテレフタレートを少なくとも1回以上加熱溶融状態で成形機を通過させたポリエチレンテレフタレートをペレタイズして得られたポリエチレンテレフタレートをいう。原料ポリエチレンテレフタレートを「加熱溶融状態で成形機を通過させる」処理は、原料ポリエチレンテレフタレートからなるペレット(チップ)を加熱溶融し、プリフォーム、ボトルなどの所望形状に成形することによって行われる。
【0027】
(B)脂肪族ポリエステル
本発明で用いられる(B)脂肪族ポリエステルは、主鎖中に芳香環を含まないポリエステルであり、たとえば炭素原子数4〜12の脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル誘導体と、炭素原子数2〜13の脂肪族グリコールもしくはそのエステル誘導体および/または炭素原子数4〜13の脂環族グリコールもしくはそのエステル誘導体とから得られる。
【0028】
炭素原子数4〜12の脂肪族ジカルボン酸およびそのエステル誘導体としては、たとえばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸など、およびこれらのエステル誘導体が挙げられる。(B)脂肪族ポリエステルは、必要に応じてシクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸またはそのエステル誘導体から導かれる構成単位を15モル%以下(ジカルボン酸から導かれる全構成単位を100モル%とする)の割合で含有していてもよい。
【0029】
炭素原子数2〜13の脂肪族グリコールとしては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコールなどが挙げられ、
炭素原子数4〜13の脂環族グリコールとしては、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメチロール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)メタンなどが挙げられる。
【0030】
本発明で用いられる(B)脂肪族ポリエステルとしては、たとえばポリエチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリテトラメチレンドデカネート、ポリテトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチレンアゼレート、ポリ-ε-カプロラクトンなど、および▲1▼2種以上の脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族グリコールおよび脂環族グリコールから選ばれる1種のグリコールとから得られる脂肪族コポリエステル、▲2▼1種の脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族グリコールおよび脂環族グリコールから選ばれる2種以上のグリコールとから得られる脂肪族コポリエステル、▲3▼2種以上の脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族グリコールおよび脂環族グリコールから選ばれる2種以上のグリコールとから得られる脂肪族コポリエステルなどが挙げられる。
【0031】
本発明で用いられる(B)脂肪族ポリエステルとしては、アジピン酸およびセバシン酸から選ばれる少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびテトラメチレングリコールから選ばれる少なくとも1種のグリコールとから得られる脂肪族ポリエステルが好ましく、特に
(i)セバシン酸と、プロピレングリコールとから得られるポリエステル、
(ii)アジピン酸と、プロピレングリコールとから得られるポリエステル、
(iii)アジピン酸と、エチレングリコールとから得られるポリエステルが好ましい。
【0032】
本発明で用いられる(B)脂肪族ポリエステルは、従来公知の製造方法により製造される。
脂肪族ポリエステルの数平均分子量は、2,500〜30,000、好ましくは5,000〜20,000の範囲にあることが望ましい。脂肪族ポリエステルの分子量が30,000を超えると、柔軟性ポリエステル樹脂組成物の透明性が低下することがある。
【0033】
(C)結晶化抑制成分
結晶化抑制成分としては、たとえば芳香族ジオールエチレンオキサイド付加物が挙げられる。
【0034】
芳香族ジオールエチレンオキサイド付加物としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ビスフェノール、2,2-ジフェノールプロパンなどのジオールエチレンオキサイド付加物が挙げられ、具体的には下記一般式(I)ないし(III)のいずれかで表される化合物が挙げられる。
【0035】
【化9】
Figure 0003839145
【0036】
式中、mおよびnは、互いに同一でも異なっていてもよく、1ないし5、好ましくは1ないし3の整数である。
1 ないしR8 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ホウ素原子またはメチル基を示す。
【0037】
Xは、直接結合、−O−、−CH2 −、−S−、−SO2 −、
【0038】
【化10】
Figure 0003839145
【0039】
【化11】
Figure 0003839145
【0040】
式中、mおよびnは、互いに同一でも異なっていてもよく、1ないし5、好ましくは1ないし3の整数である。
【0041】
【化12】
Figure 0003839145
【0042】
式中、mおよびnは、互いに同一でも異なっていてもよく、1ないし5、好ましくは1ないし3の整数である。
結晶化抑制成分としては、2,2-ビス〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェノール〕プロパン、4,4-(1-フェニルエチリデン)ビス(2-ヒドロキシエトキシフェノール)、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテルなどの前記一般式(I)で表される化合物;1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどの前記一般式(II)で表される化合物;2,6-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ナフタレンなどの前記一般式(III)で表される化合物、およびこれらの異性体が好ましい。
【0043】
これら(C)結晶化抑制成分は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
(C)結晶化抑制成分の添加量が15重量部を超えると樹脂組成物の柔軟性が損なわれることがある。
【0044】
ポリエステル樹脂組成物に芳香族ジオールエチレンオキサイド付加物などの結晶化抑制成分を添加すると、組成物の融点が低下し、透明性および柔軟性が向上する。また、柔軟性ポリエステル樹脂組成物の弾性率や透明性の経時変化を抑制することができる。
【0045】
柔軟性ポリエステル樹脂組成物
本発明に係る柔軟性ポリエステル樹脂組成物は、たとえば
(A)ポリエチレンテレフタレートと、
(B)脂肪族ポリエステルと、
(C)結晶化抑制成分とを、
前記(A)100重量部に対し前記(B)が10〜100重量部、好ましくは40〜100重量部の割合で、前記(A)および(B)の合計100重量部に対し前記(C)が0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜5重量部の割合で溶融混練することによって製造することができる。溶融混練温度は通常250〜300℃、好ましくは270〜290℃である。
【0046】
溶融混練は、公知のいかなる方法を用いてもよいが、減圧下で撹拌できる二重ラセン型撹拌翼付きの重合装置で、副生する水、アルコール、グリコールなどを133.3Pa以下の減圧にして系外に留出させながら溶融混練する方法、単軸型ないしは二軸型の押出機を用いて溶融混練する方法などを採用することが好ましい。押出機を用いて溶融混練すると、より生産性よく柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造することができる。
【0047】
前記(A)ポリエチレンテレフタレート、(B)脂肪族ポリエステルおよび(C)結晶化抑制成分と溶融混練すると、前記(A)および(B)成分の一部または全部にエステル交換が起き、このため柔軟性、耐揮発性に優れた柔軟性ポリエステル樹脂組成物が得られる。また、該組成物は、透明性に優れている。
【0048】
本発明に係る柔軟性ポリエステル樹脂組成物は、後述するような方法で測定したプレスシートの曲げ弾性率が1200MPa以下、好ましくは40〜1000MPaの範囲にあることが望ましい。(A)ポリエチレンテレフタレートおよび(B)脂肪族ポリエステルを単に溶融混練しただけでは、前記のような弾性率を有する組成物は得られず、(A)および(B)の一部または全部にエステル交換が起きることにより前記のような弾性率を有する組成物が得られる。
【0049】
また本発明に係る柔軟性ポリエステル樹脂組成物は、後述するような方法で測定したプレスシートのヘイズ値が60%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下であることが望ましい。
【0050】
柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造するに際しては、ポリエステルを製造する際に通常使用されている触媒を使用してもよい。この触媒としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、カドミウム、マンガンなどの金属、およびこれらの有機金属化合物、有機酸塩、金属アルコキシド、金属酸化物などが挙げられる。特に好ましい触媒としては、酢酸カルシウム、ジブチル錫オキサイド、テトラブチルチタネート、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモンである。これらの触媒は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
【0051】
また、溶融混練時の熱安定向上のために、ヒンダートフェノール系酸化防止剤、リン系安定剤などの各種安定剤を使用してもよい。これら安定剤の添加量は0.05〜5重量%であることが好ましい。
【0052】
ヒンダートフェノール系酸化防止剤としては、たとえばトリエチレングリコールビス〔3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6-ヘキサンジオール-ビス〔3-(3,5-ジブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ベンジルフォスフォネート-ジエチルエステル、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、N,N'-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナマミド)、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシハイドロシンナメート)〕メタンなどが挙げられる。
【0053】
リン系安定剤としては、たとえばトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルイソデシルホスファイト、ジイソオクチルフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトなどのホスファイト化合物やジステアリルペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、ジオクチルペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールなどのペンタエリスリトール-ジ-ホスファイト化合物などが挙げられる。
【0054】
本発明に係る柔軟性ポリエステル樹脂組成物は、柔軟性、ヒートシール性、保香性、耐揮発性等が要求される用途、たとえば単層または多層の食品用包装材料、コート剤、建材などに広く利用することができる。また、他の樹脂に添加して樹脂改質剤としても用いられる。
【0055】
単層の包装材料としては、フィルム、シート、バッグインボックス、レトルト容器、食品トレイ、卵用パック、カップなどの中空容器、中空容器用蓋、パイプ状容器などが挙げられる。フィルム厚さは通常5〜150μmであり、シートの厚さは通常150〜300μmである。このような包装材料は、無味無臭であり、香味成分の吸着、透過が少なく、保香性に優れ、かつ耐揮発性に優れている。単層の包装材料は従来公知の方法により製造することができる。
【0056】
多層の包装材料としては、柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる層と、基材層とを含む2層以上の積層体からなる、フィルム、シート、バッグインボックス、レトルト容器、食品トレイ、卵用パック、カップなどの中空容器、中空容器用蓋、パイプ状容器などが挙げられる。ここで基材層に用いられる材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの合成樹脂、アルミ箔などの金属箔が挙げられる。多層の包装材料として用いる場合には、柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる層が内層であることが好ましい。また、柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる層はヒートシール層とすることもできる。このような包装材料は、香味成分の吸着、透過が少なく、保香性に優れ、かつ耐揮発性に優れている。柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる層はヒートシール層とすると、ヒートシールする際にプラスチック臭が生じることがなく、食品の風味を損なうことがない。多層の包装材料の厚さは通常150〜300μmであり、各層の厚さは通常5〜150μmである。多層の包装材料は従来公知の方法により製造することができる。
【0057】
コート剤としては、金属缶の内壁用コート剤、紙パックの内壁用コート剤などに用いられる。内壁に柔軟性ポリエステル樹脂組成物がコーティングされてなる金属缶および紙パックは、香味成分の吸着、透過が少なく、保香性に優れている。内壁に柔軟性ポリエステル樹脂組成物がコーティングされてなる金属缶および紙パックは従来公知の方法により製造することができる。
【0058】
建材としては、柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる壁紙、柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる表層を有するラミネート合板およびラミネート鋼板を挙げることができる。柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる壁紙は、可塑剤のブリードアウトや揮発成分の発生がなく、室内環境の保全に優れる。また、ラミネート合板およびラミネート鋼板は、可塑剤のブリードアウトや揮発成分の発生がない。ラミネート合板およびラミネート鋼板は、従来公知の方法により製造することができる。
【0059】
本発明に係る柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる包装材料や建材は、焼却処理の時に有毒ガスを発生しないため、環境汚染問題を引き起こすことがない。
【0060】
【発明の効果】
本発明に係る柔軟性ポリエステル樹脂組成物は、柔軟性、耐揮発性に優れるとともに、透明性に優れており、包装材料、コート剤、建材として好適である。
【0061】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0062】
本実施例では各種特性の測定およびシートの成形は次のように行なった。
(1)固有粘度(IV)
フェノールとテトラクロルエタンとの1:1(重量比)混合溶媒を用いて0.5g/dlの試料溶液を調製し、25℃で測定した溶液粘度から固有粘度(IV)を算出した。
【0063】
(2)融点(Tm)
示差熱走査型熱量計(セイコー電子工業(株)製)を用いて求めた。乾燥した試料を窒素気流下で270℃×5分間溶融保持し、次いで、液体窒素を用いて−150℃まで冷却して10分間保持した。この試料を10℃/分で昇温し結晶融解温度を測定した。
【0064】
(3)プレスシート成形法
乾燥した試料を、成形温度280℃のプレス成形機で、スペーサー形状100mm×100mm×1.5mmで加熱溶融し、ただちに0℃のプレス成形機に移して成形することによって、急冷プレスシートを作製した。
【0065】
(4)曲げ試験
プレスシートより切削した幅1.27cm、長さ6.35cmの短冊状試験片を、インストロン社製引張試験機モデル4501を用いて、23℃、クロスヘッドスピード5mm/分の条件で測定した。
【0066】
(5)透明性(ヘイズ値)
乾燥した試料をプレス成形機により、成形温度280℃で30mm×30mm×0.5mmの形状の急冷プレスシートを成形して、成形物の透明性(ヘイズ値;白色光の光線乱反射率)を測定した。
【0067】
(6)引張強度、伸び
インストロンデジタル制御万能材料試験機4501型を用いて、試験片形状JIS K7113−2号、引張速度30mm/分、室温23℃で測定した。
【0068】
(7)数平均分子量
下記の条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析による数平均分子量(ポリスチレン換算)を示した。
【0069】
カラム:PLgel 5μ MIXD-C 7.5×300mm 2本(ポリマーラボラトリー社製)
移動相:クロロホルム(高速液体クロマトグラフィー用、関東化学社製)
流 量:1.0ml/分
試料濃度:0.5%クロロホルム溶液
(8)d-リモネン吸着試験
乾燥した試料を成形温度28℃の成形機でスペーサ形状30mm×30mm×0.5mmで加熱溶融し、ただちに0℃のプレス成形機に移して加圧成形することにより、急冷プレスシートを成形した。このプレスシートの重量を測定後、香気成分であるd-リモネン100%液に浸漬し、23℃の恒温室に保存して所定時間経過後に取り出し、表面を晒木綿布で拭き、すみやかに重量を測定した。d-リモネン浸漬前後のプレスシートの重量変化からプレスシートへのd-リモネン吸着量を算出し重量%で示した。
(9)ヒートシール試験
乾燥した試料をプレス成形機により、成形温度280℃で140mm×140mm×0.1mmのスペーサー形状で加熱溶融し、ただちに0℃のプレス成形機に移して加圧成形することにより、急冷プレスシートを成形した。このプレスシートを23℃、相対湿度50%の室内に1週間放置した後、20mm幅に切出し、50μmの軟質アルミニウム2枚にはさみ、さらにその上を両面から100μmのテフロンシートではさんだ状態で、バーシーラーにて加圧力0.2MPa、加熱時間5秒の条件で、温度を170℃、190℃、220℃と変更してヒートシールした。次いで、ヒートシール部分の幅が15mmとなるように、短冊状に切出し、T型剥離強度測定用サンプルとした。T型剥離強度の測定は、23℃、相対湿度50%の室内環境下で、引張試験機を用いてチャック間距離50mm、引張速度100mm/分の条件で測定した。
【0070】
また本実施例では、(A)ポリエチレンテレフタレート、(B)脂肪族ポリエステル、(C)結晶化抑制成分などとして下記のものを使用した。
ポリエチレンテレフタレート( A-1
テレフタル酸とエチレングリコールとから得られ、フェノールとテトラクロルエタンとの1:1(重量比)混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度(IV)が0.79dl/gであるポリエチレンテレフタレート。
【0071】
脂肪族ポリエステル( B-1
反応による留出物を除去するための冷却管の付いた1000ml四つ口コルベンに、アジピン酸ジメチル348.0g、プロピレングリコール365.0gおよび酢酸マンガン0.245g(酸に対して0.05モル%)を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら、220℃まで8時間かけて昇温してエステル化反応を行い、反応率97%のエステル化反応物を得た。得られたエステル化反応物500g、酢酸アンチモン0.240g(酸に対して0.042モル%)およびイルガノックス1010TM(チバガイギー社製)2.5gを二重ラセン型撹拌翼付き重合器に入れ、窒素置換した後、減圧下で回転数4.2s-1で撹拌しながら3.5時間かけて235℃まで昇温し、さらに235℃を保持しながら133.3Paの減圧下で副生するプロピレングリコールを留去しつつ4時間保持して、縮重合して得られた数平均分子量が5,030の脂肪族ポリエステル。
【0072】
脂肪族ポリエステル( B-2
反応による留出物を除去するための冷却管の付いた1000ml四つ口コルベンにアジピン酸ジメチル450.0g、エチレングリコール384.8gおよび酢酸マンガン0.317g(酸に対して0.05モル%)を仕込み、窒素気流下、撹拌しながら220℃まで8時間かけて昇温してエステル化反応を行い、反応率95.4%のエステル化反応物を得た。得られたエステル化反応物550g、二酸化ゲルマニウム0.052g(酸に対して0.021モル%)およびイルガノックス1010TM(チバガイギー社製)2.75gを二重ラセン型撹拌翼付き重合器に入れ、窒素置換した後、減圧下で回転数4.2s-1で撹拌しながら3.5時間かけて235℃まで昇温し、さらに235℃を保持しながら133.3Paの減圧下で副生するエチレングリコールを留去しながら4時間保持して、縮重合して得られた数平均分子量が5,570の脂肪族ポリエステル。
【0073】
ポリサイザー P-202 TM (大日本インキ化学工業(株)製)
数平均分子量が18,600である、セバシン酸とプロピレングリコールとから得られる脂肪族ポリエステル。
【0074】
ポリサイザー W-4000 TM (大日本インキ化学工業(株)製)
粘度が15,000〜30,000mPa・sである、アジピン酸系のポリエステル可塑剤。
【0075】
【実施例1】
ポリエチレンテレフタレート(A-1)268g、ポリサイザー P-202TM 132g、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル(新日鐵化学(株)製)5g、イルガノックス 1010TM(チバガイギー社製)2.0gおよび二酸化ゲルマニウム0.043gを500mlの二重ラセン型撹拌翼付き重合器に入れ、窒素置換した後、180℃まで昇温し、13.3Paの減圧下に3時間保持した。次いで、280℃まで1時間かけて昇温し、39.9Paの減圧下、回転数4.2s-1で2時間撹拌した。得られた柔軟性ポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0076】
【実施例2】
実施例1においてビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテルに代えて、2,6-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ナフタレン(自製品)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして柔軟性ポリエステル組成物を製造した。得られた柔軟性ポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0077】
【実施例3】
実施例1においてビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテルに代えて、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(自社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして柔軟性ポリエステル組成物を製造した。得られた柔軟性ポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0078】
【比較例1】
ポリエチレンテレフタレート(A-1)268g、ポリサイザー P-202TM 132g、イルガノックス1010TM(チバガイギー社製)2.0gおよび二酸化ゲルマニウム0.043gを500mlの二重ラセン型撹拌翼付き重合器に入れ、窒素置換した後、180℃まで昇温し、13.3Paの減圧下に3時間保持した。次いで、280℃まで1時間かけて昇温し、39.9Paの減圧下、回転数4.2s-1で2時間撹拌した。得られたポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0079】
【実施例4】
実施例1においてポリエチレンテレフタレート(A-1)の使用量を300gとし、ポリサイザー P-202TMの使用量を100gとしたこと以外は、実施例1と同様にして柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られた柔軟性ポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0080】
【実施例5】
実施例4において、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテルに代えて、2,6-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ナフタレン(自社製)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られた柔軟性ポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0081】
【実施例6】
実施例4において、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテルに代えて、1,3-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(自社製)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られた柔軟性ポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0082】
【比較例2】
比較例1においてポリエチレンテレフタレート(A-1)の使用量を300gとし、ポリサイザー P-202TMの使用量を100gとしたこと以外は実施例1と同様にして柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られたポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0083】
【実施例7】
実施例1においてポリサイザー P-202TMに代えて、脂肪族ポリエステル(B-1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られたポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0084】
【比較例3】
比較例1においてポリサイザー P-202TMに代えて、脂肪族ポリエステル(B-1)を用いたこと以外は比較例1と同様にして柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られたポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0085】
【実施例8】
実施例1においてポリサイザー P-202TMに代えて、脂肪族ポリエステル(B-2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られた柔軟性ポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0086】
【実施例9】
実施例1においてポリサイザー P-202TMに代えて、脂肪族ポリエステル(B-2)を用い、かつビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテルに代えて、を2,6-ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ナフタレン(自製品)を用いたこと以外は、実施例1同様にして柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られた柔軟性ポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0087】
【比較例4】
比較例1においてポリサイザー P-202TMに代えて、脂肪族ポリエステル(B-2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして柔軟性ポリエステル樹脂組成物を製造した。得られたポリエステル樹脂組成物について各種物性を測定した。
【0088】
【比較例5】
メルトフローレートが3.7g/10分、密度が0.923g/cm3 、吸熱ピーク温度が110℃である低密度ポリエチレンを用いて、成形温度160℃で30mm×30mm×0.5mmの形状の急冷プレスシートを成形し、重量を測定後。d-リモネンの吸着試験の評価を行なった。また、成形温度180℃で140mm×140mm×0.1mmの形状の急冷プレスシートを成形し、ヒートシー強度を評価した。
【0089】
【比較例6】
ハイトレル5526TM(東レ・デュポン(株)製、ポリブチレンテレフタレートとポリエーテルとのブロック共重合体、固有粘度=1.433dl/g)について各種物性を測定した。このブロック共重合体から前記方法で作製したプレスシートは不透明であった。
【0090】
【比較例7】
ポリエチレンテレフタレート(A-1)について各種物性を測定した。
以上の結果を表1ないし表3にまとめて示す。表1から(C)結晶化抑制成分を含有する柔軟性ポリエステル樹脂組成物は、透明性および柔軟性に優れることが判る。
【0091】
【表1】
Figure 0003839145
【0092】
【表2】
Figure 0003839145
【0093】
【表3】
Figure 0003839145

Claims (18)

  1. (A)ポリエチレンテレフタレートと、
    (B)脂肪族ポリエステルと、
    (C)ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチルエーテル、 2,6- ビス( 2- ヒドロキシエトキシ)ナフタレン、 1,3- ビス( 2- ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよび 4,4'- 1-
    ェニルエチリデン)ビス( 2- ヒドロキシエトキシフェノール)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを、
    前記(A)100重量部に対し前記(B)が10〜100重量部となる割合で、前記(A)と(B)の合計100重量部に対し前記(C)が0.1〜15重量部となる割合で溶融混練し、前記(A)および(B)の一部または全部をエステル交換反応させて得られることを特徴とする柔軟性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記(B)脂肪族ポリエステルが、前記(A)100重量部に対して40〜100重量部の割合である請求項1に記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 曲げ弾性率が1200MPa以下である請求項1または2に記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記(B)脂肪族ポリエステルが、炭素原子数4〜12の脂肪族ジカルボン酸と、炭素原子数2〜13の脂肪族グリコールとから得られ、数平均分子量が2,500〜30,000の範囲にある請求項1ないし3のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル組成物。
  5. 前記(B)脂肪族ポリエステルが、下記(i)ないし(iii)から選ばれる少なくとも
    1種である請求項4に記載の柔軟性ポリエステル組成物;
    (i)セバシン酸と、プロピレングリコールとから得られるポリエステル
    (ii)アジピン酸と、プロピレングリコールとから得られるポリエステル
    (iii)アジピン酸と、エチレングリコールとから得られるポリエステル
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするシート。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするフィルム。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするレトルト容器。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするカップ。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするカップ用蓋。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる層と、基材層との積層体からなることを特徴とする包装材料。
  12. 前記柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなる層が、ヒートシール層である請求項11に記載の包装材料。
  13. 前記基材層が金属箔層である請求項11または12に記載の包装材料。
  14. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物が内壁にコーティングされてなることを特徴とする金属缶。
  15. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物が内壁にコーティングされてなることを特徴とする紙パック。
  16. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする壁紙。
  17. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物でラミネートされてなることを特徴とするラミネート合板。
  18. 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性ポリエステル樹脂組成物でラミネートされてなることを特徴とするラミネート鋼板。
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