JP3838596B2 - 包装容器及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薬液等を含浸させた多数枚のシート状収容物を収納するための袋状包装容器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
消毒のための薬液等を含浸させたティシュ状のシート体は、手を拭くナプキンや、特に乳幼児のおむつ替えの際に、乳幼児のおしりを拭いたりするために、広く使用されている。
このようなシート体は、多数枚が折り畳まれて、袋状包装容器に収容され、その取り出し口から一枚づつ取り出せるようになっている。
【0003】
図11は、このような包装容器の取り出し口付近の構造を示す概略断面図である。
図において、包装容器1は比較的柔らかい樹脂フィルム等で形成した袋状の軟包材2により形成されている。この包装容器1の上面には、取り出し口3が形成されおり、この取り出し口3から軟包材2に収容された収容物Pが外部に引き出されるようになっている。
【0004】
上記収容物Pは、シート状の不織布等に薬液等を含浸させたものが多数枚折り畳まれており、例えば各シートP1は次のシートP2と一部が重なるようにしてそれぞれ折り返された状態で、順次重ねるようにして収容されている。
【0005】
また、このような袋状の包装容器1は、濡れたシート体Pを収容して、薬液等が乾燥しないように、気密性材料で作られている。
そして、包装容器に設けた取り出し口3は、使用後にこれを塞ぐための開閉蓋4が形成されていて、シート状収容物Pが乾燥したり、ゴミが付着したりないようになっている。
【0006】
これにより、包装容器1は、開閉蓋4を開いてシート状の収容物Pを、一枚づつP1,P2のように順次上からつまんで、取り出し口3より外部に取り出すことができるようになっている。
また、開閉蓋4の下面には感圧接着剤が施されていて、使用後にこれを矢印C方向に示すように閉じることで、開閉蓋4の下面が、取り出し口3の周縁に固着することにより、収容物Pの薬液等が蒸発したり、包装容器1の内部にゴミが侵入したりするのを防止できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような包装容器1にあっては、収容物Pを取り出すために、開閉蓋4を開くと、もともと開閉蓋4は一枚のシート状もしくはフィルム状の素材であるために、もとの形状に戻ろうとして、矢印C方向に閉まってしまう。
このため、使用者は、使用中であっても、開閉蓋4を使用する毎に開く動作を強いられて、煩わしいという問題があった。
【0008】
本発明は、以上の点を解決するためになされたもので、開閉蓋を一度開くと、開き状態を保持することにより、内容物を取り出しやすい包装容器を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明にあっては、気密性を有するシート材にて形成された袋状の容器本体と、この容器本体の収容物を取り出すために前記容器本体に設けられ、予め形成した切り込みの少なくとも一部を切除することにより形成される取り出し口と、この取り出し口の開口より大きな面積を有するシート片でなり、取り出し口の周縁に対して着脱される開閉蓋とを備えており、前記開閉蓋の内側に固定され、開閉蓋を開いた状態において、この開閉蓋の内側と前記収容物との間に介在して、一部が前記収容物又は前記容器本体に当接する構成とした、閉止阻止部材を備え、さらに、前記容器本体の取り出し口周縁部には、裏側からシート状の補強部材が固定されており、前記容器本体の前記切り込みを切除することにより、前記シート状補強部材が外部に露出する領域が予め切り込みにより区画されていて、この区画領域を切除することにより得られる切除片が前記閉止阻止部材を構成する包装容器により、達成される。
【0010】
上記構成によれば、容器本体の取り出し口は、開閉蓋により開閉されるようになっている。
この開閉蓋を開いた状態においては、閉止阻止部材が収容物と開閉蓋の間に介在するようになっているので、開閉蓋を開いた状態に保持することができる。
しかも、容器本体の取り出し口周縁部の裏側に補強部材を固定すれば、予め区画された領域をこの補強部材から切除するだけで、容易に閉止阻止部材を形成できる。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、前記閉止阻止部材は、その上部が前記開閉蓋の内側に固定され、下部が自由端とされており、前記開閉蓋が開いた状態において、前記閉止阻止部材の自由端が垂下されることにより前記収容物又は前記容器本体に当接して開閉蓋が閉じるのを阻止する構成としたことを特徴とする。
このように構成した場合には、閉止阻止部材の上部を開閉蓋に固定するだけで、開閉蓋が閉まることを防止する構造を簡単に実現できる。
【0016】
上記目的は、本発明によれば、気密性を有するシート材にて形成された容器本体に、シート状の補強部材を固定し、前記容器本体と前記補強部材の少なくとも一部に同一の切り込みを形成し、この切り込みを切除することにより、前記容器本体に収容されるべき収容物を取り出すための取り出し口を形成し、前記容器本体の取り出し口の周縁に対して、この取り出し口の開口より大きな面積を有するシート片でなり、取り出し口の周縁に対して着脱される開閉蓋を固定し、この開閉蓋の内側に、前記切り込みに沿って切除された補強部材側の切除片の上端側を固定し、下端側を自由端として、前記収容物又は前記容器本体に当接し得る閉止阻止部材を設ける包装容器の製造方法、により達成される。
【0017】
上記目的は、請求項4の発明にあっては、気密性を有するシート材にて形成された袋状の容器本体と、この容器本体の収容物を取り出すために前記容器本体に設けられ、予め形成した切り込みの少なくとも一部を切除することにより形成される取り出し口と、この取り出し口の開口より大きな面積を有するシート片でなり、取り出し口の周縁に対して着脱される開閉蓋とを備えており、前記開閉蓋の内側に固定され、開閉蓋を開いた状態において、この開閉蓋の内側と前記収容物との間に介在して、一部が前記収容物に当接する構成とした、閉止阻止部材を備え、前記閉止阻止部材は、その上部が前記開閉蓋の内側に固定され、下部が自由端とされており、前記開閉蓋が開いた状態において、前記閉止阻止部材の自由端が垂下されることにより前記自由端とされた下端が、収容物Pのうち一番上のシートP1を引き出すと、次の収容物P2の上面に当接する構成とした包装容器により、達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0019】
図1は、本発明による包装容器の好適な実施形態の概略斜視図である。
図において、包装容器10は袋状の容器本体11を備えている。容器本体11は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリジン、セロハン、アセテート等の合成樹脂フィルムの単体または複合材、もしくはこれらとアルミフォイルとの複合材等により形成されており、ある程度柔軟性のある所謂軟包材のシート材料から形成されている。
これにより、容器本体11は、例えば薬液等を含浸させたシート状の収容物Pを収容して、その薬液等の成分が蒸発しないように、気密性を備えている。
【0020】
上記容器本体11の上面には、取り出し口13となるべき開口が形成されており、シート状の収容物Pを一枚づつひきだせるようになっている。
この取り出し口13を覆うようにして、容器本体11の上面には開閉蓋となるべきシート片14が装着されている。
また、この実施形態では、容器本体11の裏側には補強部材12が装着されている。
【0021】
図2は、容器本体11の取り出し口13の付近の構造を示す分解斜視図である。
図において、容器本体11には、後述するように取り出し口13の内径に沿って、予め切り込み(図示せず)が形成されている。この切り込みを切除することで、取り出し口13となるべき開口が図示のように形成されるようになっている。
開閉蓋14は、少なくともこの取り出し口13より大きな面積となる形状を有しており、容器本体11となるべきシート状材料の上から装着される。
【0022】
具体的には、開閉蓋14は図2に示すように、所定の長さを有するシート状材料で形成され、ある程度柔軟性を有し、気密性を備えた例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の単体または複合材で形成される。
この開閉蓋14となるべきシート状材料の図において下面全体には、アクリル酸エステル系やゴム系等でなる感圧接着剤層が形成されており、容器本体11の上面に対して、繰り返し、貼ったり剥がしたりすることができるようになっている。
【0023】
開閉蓋14は切り込み14a,14aが設けられている。この切り込み14a,14aを境界として図において左側の領域である領域14bは、容器本体11の開口13の左端付近に一度貼られると、剥がすことがない領域である。
これに対して、切り込み14a,14aを境界として図において右側の領域14eは、切り込み14a,14aを折り曲げることで、容器本体11の開口13の周縁部に対して、繰り返し貼ったり剥がしたりすることで、取り出し口13を開閉するようになっている。
この開閉蓋14の図において右端部には、使用者が指をかけて剥がしたりしやすいように突片14dが一体に形成されている。
【0024】
これに対して、容器本体11の内側(図2では下側であり、容器本体11が袋状に形成された場合の内面に相当)から固定される補強部材12は、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の単体または複合体によりシート状に形成されており、容器本体11の取り出し口13周辺(周縁)を補強し、ある程度剛性をますようにするために使用される。
補強部材12上面の、図2において中央付近を通る仮想線L1よりも右側の領域12aには接着剤が塗布されて、容器本体11の内側から固定される。あるいは、図3の領域12a、12e、12fに対して接着剤を塗布して、補強部材12が容器本体11に対して固定される。この補強部材12には、ミシン目等でなる切り込み12bが形成されている。切り込み12bは、容器本体11に形成された取り出し口13とほぼ同じ形状でなっている。
この切り込み12bにより区画された領域15は、後述するように閉止阻止部材として利用される。
【0025】
ここで、図3の右側の図に示されているように、容器本体11の一部は、左端側を残して、切り込みに沿って切除され、開閉蓋14の裏面(内側)に貼られ、開閉蓋14と一体となる。
一方、補強部材12は、図2に示すように、取り出し口13の端部13aと上記切り込み12bの右端15aを合わせるようにして、領域12aを容器本体11の内側に貼り付けることに固定される。
これにより、領域15の一端側15aは、取り出し口13を貫通して開閉蓋14の下面に接着される。したがって、領域15について切り込み12bを切除すると、領域15は、図1に示すように上部15aだけが開閉蓋14の裏側に固定され、領域15の下側15bは開閉蓋14に固定されない自由端となる。
尚、図3の右側の図に示されているように、補強部材12の切り込みにより切除される領域は、図3のようにその左端側を残さないようにしてもよいが、これを一部残して、補強部材12が切り込みに沿って切除された後も、残りの補強部材が取り出し口13の全周縁を囲むようにしてもよい。
【0026】
図3は、包装容器20の製造方法の別の実施の形態を示す組立斜視図である。上述した実施の形態と異なる点は、容器本体11には予め取り出し口となる切り込みが形成されておらず、また補強部材12に対しても切り込みが形成されていない。
図3の補強部材12は、補強部材12の容器本体11と接着される上面の中央付近を通る仮想線L1よりも右側の領域12aに接着剤が塗布されていて、その上面の仮想線L1よりも左側の領域には、接着剤が塗布されていない。また、これに限らず、図3の領域12a、12e、12fに対して接着剤を塗布して、補強部材12を容器本体11に対して固定するようにしてもよい。
【0027】
このような補強部材12は、容器本体11の取り出し口13が形成されるべき位置に位置決めされて、容器本体11の裏側、すなわち容器本体11の収容物Pが収容されている側に上記領域12aの接着剤により固定される。これにより、図3補強部材12は、仮想線L1の右側のみ容器本体に対して固定される。
図3の補強部材12が、容器本体11に接着により固定された後、取り出し口13を形成するために容器本体11に取り出し口13の大きさだけ切り込みを入れる。これにより、容器本体11とこれに重ねて接着された補強部材12とに、取り出し口13となる切り込みが同時に形成される。
図3の容器本体11と補強部材12に切り込みを入れた後、容器本体11の上面の取り出し口13となる位置に対して、開閉蓋14が固定される。
【0028】
このようにすることにより、容器本体11と補強部材12に対して別々に切り込みを入れた場合、それぞれの切り込みの位置を合わせなければならなかったが、上記方法によれば、容器本体11の取り出し口13のために形成されている切り込みと補強部材12に形成されている切り込みの位置を合わせる必要が無くなる。また、取り出し口13を形成するための容器本体11と補強部材12の切り込みを同時に形成することができるので、工程数を削減することができる。さらに、容器本体11と補強部材12の切り込みは、同一の形状に形成することができ、容器本体11の切り込みと補強部材12の切り込みがずれることはない。
【0029】
これにより、図1及び図4に示されているように、使用者が開閉蓋14を開いた時に、シート状の閉止阻止部材15の自由端側15bにおいては、少なくとも先端(下端)付近15cの分だけ容器本体11の内部に垂下され、収容物Pの上面に当接する。
そして、使用者が収容物Pの一番上のシートP1を図4のように引き出すと、その上面に当接していた閉止阻止部材15の下端は図5に示すように、つぎの収容物P2の上面に当接する。この状態において、閉止阻止部材15の先端(下端)は、これが当接する収容物P1の上面に押しつけられることにより、矢印A1の力を受け、この力は開閉蓋14を矢印A2の方向,すなわち開閉蓋14を開く方向に作用する。
【0030】
したがって、包装容器10にあっては、使用者が収容物Pを納めた状態の製品(例えば「ウエットティシュ」)等を購入した場合には、容器品体11の上面に貼られたラベル状の開閉蓋14を、その突片14dを摘んで引き起こすと、下に取り出し口13が露出する。この時、容器本体11の裏面から貼られている補強部材12の切り込み12bをも同時に切除され、切り離されたものがそのまま閉止阻止部材15となる。つまり閉止阻止部材15の上部の上面は補強部材12の領域12aに含まれているので、接着層が形成されており、そのまま開閉蓋14の内側に貼られて固定され、下部15bは固定されない自由端とされる。
あるいは、図3の領域12a、12e、12fに接着剤を塗布してもよい。この場合は、補強部材12を容器本体11に固定した場合、取り出し口13裏側の両側縁の部分に、補強部材12の領域12e,12fが固定されるので取り出し口付近を補強部材12により確実に補強することができるとともに、補強部材12の領域12e,12fの部分が剥離状態で残されることがない。
【0031】
これにより、図4及び図5に示すように、使用の際に開閉蓋14を開くと、閉止阻止部材15の下端は収容物Pの上面に当接する。そして、開閉蓋14を開状態に保持し、ラベル状の開閉蓋14が収容物Pを一枚取り出す前に閉まってしまうことを有効に防止する。
また、このような作用を発揮する閉止阻止部材15は、補強部材12を形成するときに同時に作ることができるので、複雑な工程を必要とせず、製造コストも低く抑えることができる。
尚、使用者が図5に示すA3の方向に開閉蓋14を引き上げて、開閉蓋14を閉じれば、閉止阻止部材15の下端側は矢印A4方向に移動し、収容物Pの上面に対する当接は外れる。したがって、開閉蓋14の下面を容器本体11の取り出し口13の周縁に貼りつけて、包装容器10を密封することができる。
【0032】
図6は補強部材12を利用して上記閉止阻止部材を構成する場合の変形例でを示す説明図である。
補強部材12は、図2と同様に構成されている。補強部材12に形成された切り込み26は、左端側が異なる形状になっている。この切り込み部26は、特に、L2の長さに対応する端部15cが、外側に向かって徐々に幅広になるように、その側縁25e,25eが曲線状に形成されている。切り込み26を切除して得られる閉止阻止部材25は、その上部26aが開閉蓋14の内側に固定されており、その下部は、固定されていない。
【0033】
これにより、開閉蓋を開いたとき幅広の端部15cが容器本体の取り出し口付近に保持され、開閉蓋が開いた状態になる。つまり、閉止阻止部材が収容物に当接して開閉蓋14を開いた状態に保持したとき、容器本体内に収容されている収容物が少なくなるにつれて、閉止阻止部材が収容物に当接せずに開閉蓋14を開いた状態に保持することができなくなることがある。これを防止するため、補強部材14の端部15cを外側に向かって幅広に形成し、端部15cを取り出し口付近の容器本体の上面に当接することにより、収容物Pが少なくなったときでも、閉止阻止部材が確実に開閉蓋14を開いた状態に保持することができる。
【0034】
図7は、補強部材12を別の形状に形成した変形例を示している。
図において、補強部材12のほぼ右半分の領域12aは、上面に接着層が形成されていて、容器本体11上面の内側に貼られる点は、図2の場合と同じである。
補強部材12のほぼ左半分の領域である12cの上面には接着層は設けられていない。そして、閉止阻止部材は上記の実施例と同じであるが、この領域12cは先端側が下方に向かうように曲面状に反って形成されている。図8に示すように、容器本体11内では、補強部材の領域12cは下方に向かって延びていて、内容物Pに当接している。容器本体から取り出し口に面している一番上の内容物Pを取り出す際、補強部材の領域12Cが内容物P全体に圧力をかけているので、一番上にある内容物Pのみを取り出すことができる。すなわち、内容物Pが容器本体につづら折りに収容されている場合、内容物を取り出そうとすると1枚だけでなく2枚取り出されてしまう場合がある。このとき、図8のように補強部材の領域12Cが内容物P全体に圧力をかけることにより、2枚目以降を容器内にとどめ、1枚目のみを取り出し口から取り出せるようにすることができる。
【0035】
図9は、本発明の第2の実施形態を示している。
容器本体11および開閉蓋14は第1の実施形態ならびにその変形例とほぼ同じ構成であるから、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
この包装容器30では、補強部材を容器本体11に適用していない。このため、開閉蓋14には、閉止阻止部材35を単独で形成して固定している。
具体的には、閉止阻止部材35は、シート状部材から図示のような形状に形成され、開閉蓋14に固定される。この閉止阻止部材35は、開閉蓋14に固定される上部35aが細く形成されていて、取り出し口13の周縁と干渉しにくくなっている。また、閉止阻止部材35の上端付近は円形に広い面積となるように形成されているので、開閉蓋14に対して、確実に接着されるようになっている。また、閉止阻止部材35の自由端側である下端35bは、先端側にいくほど幅広くなっており、例えば半円形または半楕円形に形成されている。このため、取り出し口13の外側に当接する状態になり、確実に開閉蓋14が開いた状態に保持される。
【0036】
あるいは、閉止阻止部材35の自由端側である下端35bが、取り出し口13の内側に入り込んだ状態としてもよく、この場合は、閉止阻止部材35の下端35bが取り出し口13から容器本体11の外側に抜け出ることがない。この場合は、閉止阻止部材35の下端35bが収容物Pの上面に確実に当接するので、安定した性能を発揮する。
したがって、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に閉止阻止部材35の先端は、開閉蓋14を開いた状態において、下端35bが収容物Pの上面に当接して、開閉蓋14が閉じることがない。加えて、第2の実施形態の包装容器30は、補強部材を用いない分製造に要する原料費が安価である。
【0037】
図10に示す包装容器40は、図9の包装容器30の変形例であり、閉止阻止部材45の形状が図9と異なる点のみ相違している。
この閉止阻止部材45にあっては、下端45bがほぼ水平方向に延びるバー状に形成されいる。これにより、図9の包装容器30と同様に閉止阻止部材45の下端45bが取り出し口13から抜け出して、容器本体の上面に当接するので、安定した性能を発揮する。
【0038】
以上述べたように、上述の各実施形態の包装容器によれば、その開閉蓋14を開いた状態において閉止阻止部材15の下端が収納物Pの上面または容器本体11の上面に当接して、開閉蓋14を開き状態に保持することができる。
これにより、簡単な操作で、開閉蓋14を開いたままにすることができ、収容物Pを一枚づつ引き出す毎に開閉蓋14を開ける必要がなくなるので、包装容器10の使い勝手が向上する。
また、閉止阻止部材15を設ける際には、補強部材12を形成する工程で同時にこれを形成することができ、あるいは、補強部材12と同時に形成しない場合には、閉止阻止部材35,45等の形状に合わせて形成したシート状部材を用意するだけで製造できるので、多くの工程を必要とせず、製造コストも安価ですむものである。
【0039】
尚、上述の実施形態では、閉止阻止部材を開閉蓋の内面に貼りつける構成としたが、これに限らず、例えば閉止阻止部材は予め開閉蓋と一体に形成するようにしてもよい。
また、容器本体内に収容した収容物と容器底部との間に付勢手段を配置して、収容物の残量がすくなるにつれて、収容物の上面を相対的に上へレベルアップするようにして、閉止阻止部材の動作をより確実にするように構成してもよい。
上述した実施の形態では、収容物Pは、収容物Pの各シートP1は次のシートP2と一部が重なるようにしてそれぞれ折り返された状態で、順次重ねるようにして収容されているが、各シートが重ならないように収容されていてもよい。
上記各実施の形態において、容器本体11、補強部材12に対して取り出し口13となる切り込みを設け、この切り込みをすべて切除して取り出し口13を設けるようにしているが、取り出し口13となる切り込みの一部を切除して取り出し口13を設けるようにしても構わない。例えば、図2において、補強部材12のL2の領域には切り込みは設けず、領域L2の左側のみ切り込みを入れて、この切り込みを削除することにより取り出し口13を構成するようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、開閉蓋を一度開くと、開き状態を保持することにより、内容物を取り出しやすい包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による包装容器の第1の実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1の包装容器の取り出し口付近の構造を概略的に示す部分分解斜視図である。
【図3】本発明の包装容器の製造方法の実施形態を示す組立斜視図である。
【図4】図1の包装容器の容器本体の取り出し口付近を拡大して示す概略部分断面図である。
【図5】図1の包装容器の容器本体の取り出し口付近を拡大して示す概略部分断面図である。
【図6】図1の包装容器の容器本体に固定される補強部材の変形例を示す概略斜視図である。
【図7】図1の包装容器の容器本体に固定される補強部材の他の変形例を示す概略斜視図である。
【図8】図7の補強部材を固定した容器本体の取り出し口付近を拡大して示す概略部分断面図である。
【図9】本発明による包装容器の第2の実施形態を示す概略斜視図である。
【図10】図9の包装容器の変形例を示す概略斜視図である。
【図11】従来の包装容器の取り出し口付近を拡大して示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
10・・・包装容器、11・・・容器本体、12・・・補強部材、13・・・取り出し口、14・・・開閉蓋、15・・・閉止阻止部材、P・・・収容物。
Claims (4)
- 気密性を有するシート材にて形成された袋状の容器本体と、
この容器本体の収容物を取り出すために前記容器本体に設けられ、予め形成した切り込みの少なくとも一部を切除することにより形成される取り出し口と、
この取り出し口の開口より大きな面積を有するシート片でなり、取り出し口の周縁に対して着脱される開閉蓋と
を備えており、
前記開閉蓋の内側に固定され、開閉蓋を開いた状態において、この開閉蓋の内側と前記収容物との間に介在して、一部が前記収容物又は前記容器本体に当接する構成とした、閉止阻止部材を
備え、
さらに、前記容器本体の取り出し口周縁部には、裏側からシート状の補強部材が固定されており、
前記容器本体の前記切り込みを切除することにより、前記シート状補強部材が外部に露出する領域が予め切り込みにより区画されていて、この区画領域を切除することにより得られる切除片が前記閉止阻止部材を構成する
ことを特徴とする包装容器。 - 前記閉止阻止部材は、その上部が前記開閉蓋の内側に固定され、下部が自由端とされており、
前記開閉蓋が開いた状態において、前記閉止阻止部材の自由端が垂下されることにより前記収容物又は前記容器本体に当接して開閉蓋が閉じるのを阻止する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の包装容器。 - 気密性を有するシート材にて形成された容器本体に、シート状の補強部材を固定し、
前記容器本体と前記補強部材の少なくとも一部に同一の切り込みを形成し、この切り込みを切除することにより、前記容器本体に収容されるべき収容物を取り出すための取り出し口を形成し、
前記容器本体の取り出し口の周縁に対して、この取り出し口の開口より大きな面積を有するシート片でなり、取り出し口の周縁に対して着脱される開閉蓋を固定し、
この開閉蓋の内側に、前記切り込みに沿って切除された補強部材側の切除片の上端側を固定し、下端側を自由端として、前記収容物又は前記容器本体に当接し得る閉止阻止部材を設ける
ことを特徴とする包装容器の製造方法。 - 気密性を有するシート材にて形成された袋状の容器本体と、
この容器本体の収容物を取り出すために前記容器本体に設けられ、予め形成した切り込みの少なくとも一部を切除することにより形成される取り出し口と、
この取り出し口の開口より大きな面積を有するシート片でなり、取り出し口の周縁に対して着脱される開閉蓋と
を備えており、
前記開閉蓋の内側に固定され、開閉蓋を開いた状態において、この開閉蓋の内側と前記収容物との間に介在して、一部が前記収容物に当接する構成とした、閉止阻止部材を
備え、
前記閉止阻止部材は、その上部が前記開閉蓋の内側に固定され、下部が自由端とされており、
前記開閉蓋が開いた状態において、前記閉止阻止部材の自由端が垂下されることにより前記自由端とされた下端が、前記収容物Pのうち一番上のシートP1を引き出すと、次の収容物P2の上面に当接する構成とした
ことを特徴とする包装容器。
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JP18922197A JP3838596B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 包装容器及びその製造方法 |
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JP18922197A JP3838596B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 包装容器及びその製造方法 |
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Family
ID=16237606
Family Applications (1)
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JP18922197A Expired - Lifetime JP3838596B2 (ja) | 1997-06-30 | 1997-06-30 | 包装容器及びその製造方法 |
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-
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