JP3838069B2 - 風呂装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽に風呂配管で接続し、浴槽の水をポンプで強制循環して、沸き上げ・追焚する風呂装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種風呂装置の循環ポンプは、出力が一定で、風呂配管が長い場合には、出力の大きな循環ポンプを搭載するのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の風呂装置では、循環ポンプの出力を大きくしたために、常に消費電力が大きくならざるを得ない。すなわち配管が短い場合や、さほど循環流量が必要としない場合にも、無駄な電力を消費し、かつ出力が大きいことから大きな運転騒音を伴うとともに、浴槽に接続された風呂配管の吸込み口に大きな吸引力が発生し不安全になる可能性があるという課題を有していた。
【0004】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、省エネルギーで運転騒音が低く、一層安全な風呂装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、浴槽より導出した循環路に出力可変型の循環ポンプと、加熱装置で加熱される熱交換器と、前記循環路を流れる浴槽水が所定量以上流れたことを検出する水流スイッチと、前記循環ポンプの出力を水流スイッチがオンするまで次第に高めるように制御する制御手段とを具備し、この制御手段は、水流スイッチがオンした状態で循環ポンプの運転状態を継続させるとともに、前記加熱装置の動作を次のシーケンスに移行させるようにした。
【0006】
上記構成によれば、風呂配管が長くて必要な循環流量が確保できない時などに循環ポンプの出力を高くすることで、支障なく運転が継続可能となり、省エネルギー化と低騒音化及び安全性の向上を容易に実現することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、浴槽より導出した循環路に出力可変型の循環ポンプと、加熱装置で加熱される熱交換器と、前記循環路を流れる浴槽水が所定量以上流れたことを検出する水流スイッチと、前記循環ポンプの出力を水流スイッチがオンするまで次第に高めるように制御する制御手段とを具備し、この制御手段は、水流スイッチがオンした状態で循環ポンプの運転状態を継続させるとともに、前記加熱装置の動作を次のシーケンスに移行させるようにしたもので、運転に必要なだけの電力で、支障なく運転が継続できる。
【0008】
望ましくは、水流スイッチは浴槽と循環ポンプの吸引側との間に接続する。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0010】
(実施例1)
図1〜図3において、1は浴槽、2は浴槽に溜められた浴槽水、3は外装体、4は熱交換器、5は風呂往き管、6は浴槽1に接続した風呂往き配管、7は循環水が浴槽1へ出る吐出口、8は吸込み口、9は風呂戻り配管、10は水流スイッチ、11aは出力可変な循環ポンプ、12は循環水温度を検知する風呂サーミスタ、13は風呂戻り管、14は熱交換器4を加熱するガスバーナ、15aは主制御器を示す。
【0011】
なお、主制御器15aは、水流スイッチ10、循環ポンプ11a、風呂サーミスタ12、ガスバーナ14のガス制御手段と電気的に接続するとともに、水流スイッチ10がONしないときは、循環ポンプ11aの出力を所定値増加するように制御するものである。
【0012】
図2からも理解できるように、循環ポンプ11aの出力が大きいほど、循環流量が多いことがわかる。そして、循環ポンプの出力を変化させたときの風呂配管長さと循環流量特性は図3のようになる。
【0013】
したがって、循環ポンプ11aの出力が一定であれば、風呂配管6、9が長いほど循環流量が少なくなる。
【0014】
次に動作、作用について説明すると、浴槽水2は循環ポンプ11aで吸引されて、吸込み口8→風呂戻り配管9→水流スイッチ10と流れ、次いで循環ポンプ11aで加圧され、風呂戻り管13→熱交換器4→風呂往き管5→風呂往き配管6→吐出口7→浴槽1と流れて循環回路を形成する。
【0015】
このとき、循環ポンプ11aで加圧され浴槽水2は、熱交換器4に入り加熱され高温になる、その高温の循環水が浴槽1に戻ることで風呂の追焚・沸き上げができる。
【0016】
その際、ガスバーナ14は主制御器15aの作用により、浴槽水2の温度が低いことを風呂サーミスタ12が検知し、かつ水流スイッチ10で循環水が所定量以上流れたことを検出したときに加熱動作する。
【0017】
このとき、循環ポンプ11aは所定の出力で運転を始めるが、水流スイッチ10がONしないとき、主制御器15aの作用により循環ポンプ11aの出力を所定量だけ高くする。
【0018】
そして、水流スイッチ10がONしたときは、その状態で運転を継続し、ガスバーナ14の動作など次のシーケンスに移行する。しかし、所定量だけ出力を高めてもなお水流スイッチ10がONしないときは、循環ポンプ11aの出力をさらに所定量だけ高くする。水流スイッチ10がONするまでこれを繰り返す。
【0019】
そして、水流スイッチ10がONしたときは、その出力状態で運転を継続しガスバーナ14の動作など次のシーケンスに移行する。
【0020】
以上のように本実施例においては、風呂配管6、9の長さが長い場合、すなわち図2で示すように配管抵抗により循環流量が少ない(水流スイッチ10がONしない)場合、循環ポンプ11aの出力を高めることで、自動で運転が継続できる。
【0021】
この循環流量不足を防止するために、初期から循環ポンプ11aの出力を高く設定した場合には、風呂配管6、9が短い場合に無駄な電力を消費することとなる。循環ポンプ11aを場合に応じて適切な出力にすることで省エネルギーであると同時に運転騒音も低く抑えることができる。
【0022】
(実施例2)
実施例1と異なる点は、図1において主制御器15aを水流スイッチ10がONするまでは、当該循環ポンプ11aの出力を高出力運転とし、水流スイッチ10がONしたときには、所定の低出力運転と切り換えるよう主制御器15bを構成したことにある。
【0023】
次に動作、作用について説明する。通常、浴槽水2を一旦抜くと、風呂配管6、9の水も抜けてしまう。そして翌日など風呂を沸かそうと、浴槽1に水を張っても風呂配管6、9内は水が抜けたままである場合が多い。
【0024】
この時、運転を開始しても水流スイッチ10がONするまでに時間がかかったり、ONしなかったりする。
【0025】
すなわち、風呂配管6、9内の空気抜き運転をするには、配管抵抗以外に水を押し上げる力が必要となる。このような場合に、水流スイッチ10がONするまでは循環ポンプ11aを高出力で運転して風呂配管6、9内の空気抜き運転を行い、空気が抜けて水が流れ始めれば、循環ポンプ11aの出力を所定の低出力に落としても運転を継続することができる。
【0026】
以上のように本実施例においては、風呂配管6、9の水が抜けている場合でもスピーディな追焚・沸き上げ運転が可能になるとともに、一旦水流スイッチ10がONすれば省エネルギー・低騒音での運転が実現できる。
【0027】
(実施例3)
実施例1と異なる点は、図4において水流スイッチ10に加えて直列に第2の水流スイ
ッチ16を接続し、当該第2の水流スイッチ16がONしたときに、循環ポンプ11aの出力を所定値だけ下げるよう主制御器15cを構成したことにある。
【0028】
次に動作、作用について説明する。運転を開始して、循環ポンプ11aが運転し、水流スイッチ10が所定量以上の循環水が流れたことを検出すると、主制御器15cが作用して、ガスバーナ14が作動し熱交換器4を加熱する。
【0029】
その時、水流スイッチ10に比較して高く、かつ浴槽1の吸込み口8に不安全な吸引力が発生しない上限の循環流量を検知するように設定した第2の水流スイッチ16が作動すると、主制御器15cは循環ポンプ11aの出力を所定値下げるように作用する。この時循環ポンプ11aの運転は必要以上の電力を消費することなく、しかも吸込み口8の吸引力を抑えることで、より安全な風呂装置を容易に実現できる。
【0030】
なお、本実施例では、水流スイッチを2個直列に接続したが、リニアに水量検出可能な水量センサーに置き換えても実現可能である。
【0031】
(実施例4)
実施例1と異なる点は図5において、外気温検知器17を備え、当該検知器が所定値以下を検知すれば、循環ポンプ11aのみ運転し、このとき循環ポンプ11aは水流スイッチ10がOFFする限界まで出力を下げるよう主制御器15dを構成した点にある。
【0032】
次に動作、作用について説明する。この種装置では、冬期に風呂配管などが凍結することによる破壊から守るために外気温検知器を備え、当該検知器が所定値以下を検知すれば、循環ポンプのみ運転し風呂配管中の水を動かすことで凍結予防することは公知である。
【0033】
本実施例ではこのときに出力可変な循環ポンプ11aを水流スイッチ10がOFFする限界まで出力を下げるよう主制御器15dを構成している。すなわち外気温検知器17が所定値(普通約4℃)以下を検知したとき循環ポンプ11aのみ運転を開始し水流スイッチ10がONすることで当該運転を継続する。
【0034】
そして所定時間経過した後、循環ポンプ11aの出力を所定量だけ下げる。それでも水流スイッチ10がOFFしなければさらに循環ポンプ11aの出力を所定量下げる。水流スイッチ10がOFFするまでこれを繰り返す。
【0035】
やがて水流スイッチ10がOFFする。このとき循環ポンプ11aの出力を水流スイッチ10がOFFする直前に下げた量だけ出力を上げて水流スイッチ10がONした状態で当該運転を継続する。一般に水が少量でも動けば外気温が−10℃レベルであれば凍結しないことが知られている。
【0036】
ゆえに循環ポンプ11aを必要最小限度の出力で運転することにより省エネルギー・低騒音で凍結予防可能な風呂装置を実現できる。とくに当該運転は深夜、長時間運転すことが多くその効果は大きい。
【0037】
(実施例5)
実施例1と異なる点は図5において、熱交換器4の上流の風呂戻り管9に設けた風呂サーミスタ12の検出値が所定値以下の場合、循環ポンプ11aは高出力運転し、所定値以上の場合は低出力運転するよう主制御器15eを構成した点にある。
【0038】
次に動作、作用について説明する。通常この種装置で風呂を沸き上げるのに、2通りの沸き上げがある。
【0039】
すなわち、前日の残り湯から設定温度まで沸き上げる場合と浴槽にユーザが入浴しながら追焚する場合である。前者の場合は、現状浴槽水温度から設定温度までの温度差が大きくふつう20〜30℃程度沸き上げる必要がある。
【0040】
後者の場合は、すこし熱めにするという場合がほとんどで、ふつう2〜3℃程度である。本発明では、循環ポンプ11aを所定の出力で運転スタートして、風呂サーミスタ12で前者か後者を判断し、たとえば35℃未満を検知すれば前者であると判断して、循環ポンプ11aを高出力運転に切り換え、循環流量を増加させることで熱交換器4・ガスバーナ14の加熱能力を高め、浴槽水2を早く沸き上げることができる。
【0041】
他方、風呂サーミスタ12が35℃以上を検知したときは、循環ポンプ11aを低出力運転に切り換えて循環流量を少なくすることで熱交換器4・ガスバーナ14の加熱能力を小さくして、ゆっくりと昇温・追焚する。このことは入浴者にとって快適な加熱とすることができる。
【0042】
以上のように本実施例においては、浴槽水2が低いときすなわち現状浴槽水温度から設定温度までの温度差が大きいときは大出力加熱することで早く沸き上げ、他方ユーザが入浴しながら追焚する場合、すなわち沸き上げ温度差が少ない場合は、小出力加熱することでゆっくりと浴槽水2を昇温することで快適な追焚機能を有する風呂装置が容易に実現できる。
【0043】
(実施例6)
実施例1と異なる点は図5において、出力可変な循環用ポンプ11aの出力を、手動で切換可能な主制御器15fを構成した点にある。
【0044】
通常この種風呂装置では、設置工事・試運転の段階で、風呂配管6、9の長さが確定し、浴槽1の吸込み口8の吸引力の大きさも確認できる。また運転騒音が周囲に与える影響なども把握できる。
【0045】
本実施例ではこの点に鑑み、設置現場状況に応じて循環用ポンプ11aの出力を手動で切り替えられる設定スイッチまたは設定ボリュームを主制御器15fに設けたものである。すなわち風呂配管6、9が短い場合や、吸込み口8の吸引力が大き過ぎる場合、運転騒音の与える影響が大きい環境の現場などのときは、循環用ポンプ11aの出力を低く設定切り換えし、風呂配管6、9が細いあるいは長くて循環流量が少な過ぎて充分機能を果たさないときなどは、出力を高く設定する。そしてそれぞれの設定が運転に支障の無いことを試運転で確認しながら実施する。
【0046】
以上のように本実施例においては、風呂装置の設置状況に応じて現場で設定変更可能な構成とすることで、省エネルギー・低騒音・安全でかつ設置の汎用性の高い風呂装置を容易に実現できる。
【0047】
以上の各実施例の技術的意義を述べると以下次の通りとなる。
【0048】
(1)循環ポンプを出力可変なポンプとするとともに、流水スイッチがオンしないときは、循環ポンプ出力を所定値増加するように主制御を構成することにより、運転に必要な最小電力で、支障なく運転が継続できる。
【0049】
(2)水流スイッチがオンするまでは、循環ポンプの出力を高出力運転とし、水流スイッチがオンしたときには、所定の低出力運転と切り換えるよう主制御器を構成することで
、運転に必要な時に必要な電力で、支障なく運転が継続できる。
【0050】
(3)通常の水流スイッチに加えて直列に水流スイッチを接続し、当該水流スイッチがオンしたときには、前記循環ポンプの出力を所定値だけ下げるように構成することで、省電力・低騒音に加えて、浴槽に接続された風呂配管の吸込み口の吸引力を抑制して安全な装置とすることができる。
【0051】
(4)外気温検知器を備えて、所定値以下を検知すれば、循環ポンプのみ運転するよう主制御器を構成し、循環ポンプを水流スイッチがオフする限界流量まで出力を下げることで、凍結予防運転時の省電力・低騒音を実現することが出来る。
【0052】
(5)熱交換器の上流管路に設けた温度センサの検出値が所定値以下の場合に、循環ポンプを高出力運転し、所定値以上の場合は低出力運転するよう主制御器を構成することで、浴槽水の温度が低い、すなわち、残り湯からの沸き上げ運転時には、循環ポンプを高出力で運転して循環流量を多くすることにより沸き上げ時間を短縮できる。他方、浴槽水温度が比較的高い場合からの追焚時には、循環ポンプを低出力運転することで浴槽に接続された風呂配管の吐出口の流量を少なくすることで、浴槽に入りながらの追焚時に高流量から感じる不快感をなくすことができる。
【0053】
(6)出力可変な循環用ポンプの出力を、手動で切換可能な構成することで、深夜運転音が気になるときなど、循環ポンプの出力を人為的に下げて静音運転することができる。また風呂配管の短い場合などは、あらかじめ循環用ポンプの出力を下げることで運転に支障の無い省エネルー化が設置現場の判断で随意に、容易にできる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の風呂装置によれば、省エネルギー・低騒音・安全でかつ設置の汎用性の高い風呂装置を容易に実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1におけるガス風呂装置の構成図
【図2】 同装置における循環ポンプの出力−流量特性図
【図3】 同装置において循環ポンプの出力をパラメータとしてときの配管長さ−循環流量特性図
【図4】 本発明の実施例2におけるガス風呂装置の構成図
【図5】 本発明の実施例3、4及び5におけるガス風呂装置の構成図
【符号の説明】
4 熱交換器
6 風呂往き配管
7 吐出口
8 吸込み口
9 風呂戻り配管
10 水流スイッチ
11 循環ポンプ
14 ガスバーナ
15a 主制御器

Claims (2)

  1. 浴槽より導出した循環路に出力可変型の循環ポンプと、加熱装置で加熱される熱交換器と、前記循環路を流れる浴槽水が所定量以上流れたことを検出する水流スイッチと、前記循環ポンプの出力を水流スイッチがオンするまで次第に高めるように制御する制御手段とを具備し、この制御手段は、水流スイッチがオンした状態で循環ポンプの運転状態を継続させるとともに、前記加熱装置の動作を次のシーケンスに移行させるようにした風呂装置。
  2. 水流スイッチは浴槽と循環ポンプの吸引側との間に接続した請求項1記載の風呂装置。
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