JP3838051B2 - パイプのカシメ構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は金属薄板にパイプを高精度に固着する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属薄板にパイプを取付ける構造として、従来では両部品をねじ構造などによって取付けることが行なわれている。そして、取付け構造の精度を上げる為には、部品の嵌合精度を向上させたり、気密を要求される時にはオウリングを介在するなどの構造を用いている。また、取付け部の完全な気密を狙う時には直接溶接によって金属薄板とパイプを固着することも行なわれている。
【0003】
しかし、ねじ構造による取付けは部品点数が多くなり、また、溶接による取付けは溶接後に溶接跡の錆止め処理などが必要となり、作業時間や手間がかかるものであり、大量に安価に製造する為の構造としては適していない。この為、最近では簡単なプレス加工で構成できるカシメ工法によって、金属薄板とパイプとを取付ける構造が一般的となってきた。
【0004】
金属薄板にパイプをカシメ付けする構造は、パイプの先端を残してフランジを取付け、パイプの先端を金属薄板の透孔に挿通し、パイプの先端とフランジとの間で金属薄板の透孔周縁を挟着しながら圧着するものであり、ねじ構造や溶接に比べて作業時間が大幅に短縮できる特徴がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のカシメ構造は通常の気密は確保できるが、完全な気密を要求される時には金属薄板とフランジとの間にパッキンを装着し、パッキンと一緒にカシメ加工することで、圧着部にパッキンが押し潰されて気密が確実に維持できるものとなっている。
【0006】
しかし、パイプと金属薄板の間に装着されるパッキンは樹脂製のものが一般的である為、圧着部に押し潰された時や、長年の使用による劣化によって破損することがあった。また、パイプ1のカシメ部にゆるみが生じるとパッキンが浮いてしまうことがあり、この時にはカシメ部分の気密を維持できなくなる恐れがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決するもので、パイプ1の先端1aを残して外方に広がるフランジ2を設け、該パイプ1を取付ける金属薄板3にはパイプ1の先端1aが挿通できる透孔4を設け、該透孔4の内縁にはパイプ1の先端1a側に突出する内方に向けて傾斜したテーパ部4aを設け、該テーパ部4aの内縁を挿通したパイプ1の先端1aとフランジ2とが、前記透孔4の周縁を挟着しながら金属薄板3と圧着し、該金属薄板3にパイプ1を固定するカシメ構造において、前記パイプ1にはその先端部よりも外径を大きくする段部1bを設け、前記フランジ2はパイプ1の先端部に嵌合すると共に前記段部1bに当接するリング状に形成し、該フランジ2はパイプ1の先端側の内面に凹部を形成し、前記フランジ2を挟んで前記パイプ1の先端1aと段部1bとの圧着時に、前記テーパ部4aがフランジ2の凹部空間に向けて押圧され、金属薄板3の透孔4の内縁を凹部側に膨出させながらパイプ1の全周に密着させて気密構成を持つようにしたものである。
【0008】
【作用】
この発明はパイプ1にフランジ2を取付けてパイプ1の先端1aを金属薄板3にあけた透孔4に嵌合させ、パイプ1の先端1aとフランジ2との間で金属薄板3の透孔4の周縁を挟着するカシメ工法によって固着している。
【0009】
この時、透孔4にはパイプ1の先端1a側に突出する内方に向けて傾斜したテーパ部4aが設けてあり、金属薄板3の透孔4にパイプ1の先端1aを挿通して、該先端1aとフランジ2との間でカシメ付けすると、テーパ部4aがフランジ2側に押圧されるものである。
【0010】
テーパ部4aの内縁の内径はパイプ1の外径とほぼ同じに設定されており、テーパ部4aの傾斜が小さくなれば内縁の内径がパイプ1の外径よりも小さくなるから、テーパ部4aは内縁がパイプ1の外周に接触しながらフランジ2側に押圧され、パイプ1の先端1aとフランジ2とが圧着された時にはテーパ部4aの内縁がパイプ1の全周に食い込むようにして密着している。
【0011】
このようにパイプ1の全周にテーパ部4aが密着することで、カシメ部分のゆるみが生じにくくなり、パイプ1と透孔4との間で確実に気密を維持できるものとなった。
【0012】
【実施例】
図に示す石油燃焼器の芯上下装置の芯上下軸パイプにおける実施例でこの発明を説明すると、5は石油燃焼器の芯上下操作を行なう為の芯上下軸、1は芯上下軸5を挿通する為のパイプ、6は石油燃焼器の芯7の外周に設けた芯上下機構、3は芯上下機構6を収納する外壁を構成する金属薄板であり、前記パイプ1は金属薄板3にカシメによって取付けられる。
【0013】
4はパイプ1をカシメ付けする為に金属薄板3にあけた透孔、1aは透孔4の内径とほぼ同じ外径を持つパイプ1の先端、1bはパイプ1の途中で先端1aよりもパイプ1の外径を大きくする段部、2はパイプ1の先端1aに取付けたリング状のフランジであり、該フランジ2はパイプ1の先端1aに挿通して取付けてあり、段部1bで係止されたフランジ2からパイプ1の先端1aが突出するように設定されている。
【0014】
パイプ1を金属薄板3の透孔4に挿通してフランジ2を金属薄板3に係止して位置決め後、パイプ1の先端1aをフランジ2と対向するように押し広げ、パイプ1の先端1aとフランジ2とで透孔4の周縁を挟着しながら金属薄板3と圧着し、パイプ1を金属薄板3に固定している。
【0015】
上記の構造でも通常の気密は確保できるが、実施例に示すように石油燃焼器の芯上下軸5を挿通するパイプ1を固着する構造の場合には、燃焼中に燃焼ガスが漏れ出すと臭気を発生させる恐れがあるので、完全な気密構造が要求されるものであった。
【0016】
従来例を示す図4において、8は金属薄板3とフランジ2との間に装着されるパッキンであり、パイプ1と金属薄板3とのカシメ時にパッキン8を一緒に挟着すれば、圧着部にパッキン8が押し潰されているので、圧着部の気密を維持できるものとなっている。
【0017】
しかし、パイプ1と金属薄板3の間に装着されるパッキン8は樹脂製のものが一般的である為、圧着部に押し潰された時に破損したり、長年の使用によって劣化することがあった。
【0018】
また、芯上下軸5が動く燃焼器の点火・消火及び燃焼量調節の度に、パイプ1に回転力が加えられるので、パイプ1のカシメ部にゆるみが生じることがあり、カシメ部がゆるみ始めるとパイプ1が回転してパッキン8が浮いてしまうことがあり、この時にはカシメ部分の気密を維持できなくなる恐れがあった。
【0019】
この発明は上記の課題を解決するもので、4aは透孔4の内縁から連続してパイプ1の先端1a方向に突出するテーパ部であり、該テーパ部4aは内方に向けて傾斜して内縁がパイプ1の外径とほぼ同じ内径になるように設定してあり、パイプ1の先端1aが挿通できるようになっている。
【0020】
パイプ1の先端1aとフランジ2とによって金属薄板3を圧着する時はテーパ部4aを含む透孔4の周縁が挟着されるので、テーパ部4aはフランジ2と対向するように押し広げられたパイプ1の先端1aと一緒にフランジ2側に押圧される。
【0021】
テーパ部4aは傾斜が小さくなれば内縁の内径が元の状態よりも小さくなるから、テーパ部4aは内縁がパイプ1の外周に接触しながら押圧されるものであり、パイプ1の先端1aとフランジ2とが圧着した時にはテーパ部4aの傾斜がほとんどなくなって内縁がパイプ1の全周に食い込むように密着するものである。
【0022】
この為、パイプ1の全周にテーパ部4aが密着することでパイプ1と透孔4ととの隙間が密封されるから、パッキン8がなくても気密が確実に維持できるものとなり、パッキン8のように破損や劣化の心配がなくなって気密や油密が必要な個所にも安心して実施できるものとなった。
【0023】
また、パイプ1の全周にテーパ部4aが密着することでカシメ部分を強く固着できるので、カシメ部分のゆるみが発生しにくくなり、通常の使用状態ではカシメ部分が変形することがなく、パイプ1と金属薄板3との圧着部の精度が長期間にわたって維持できるようになった。
【0024】
また、この発明ではカシメ加工の前に金属薄板3の透孔4にテーパ部4aを造る工程が必要であるが、透孔4の内径をパイプ1の外径よりも小さくあけておき、バーリング加工によって透孔4の内端を所定の傾斜になるように押し広げればテーパ部4aを形成できるから、製造しやすいものである。更に、カシメ加工をする為のプレス金型は従来のものがそのまま利用できるので、製造工程を変更することなく簡単な構造で実施できるものとなった。
【0025】
【発明の効果】
以上のようにこの発明では、パイプ1の先端1aとフランジ2とで金属薄板3を圧着する時、金属薄板3の透孔4に設けたテーパ部4aがパイプ1の全周に密着することによってパイプ1と金属薄板3との間の気密性が得られる構成としたものであり、従来のパッキン8のように破損や劣化の心配がなく、確実に気密を維持できるようになったものである。
【0026】
また、単純な加圧によるカシメでは、パイプ1がゆるみやすく精度の維持が難しいものであったが、この発明ではパイプ1の全周にテーパ部4aが密着することによってカシメ部分を強く固着できるので、パイプ1と金属薄板3との固着部は優れた精度と耐久性が得られるようになった。
【0027】
更に、テーパ部4aは金属薄板3の透孔4をバーリング加工によって簡単に構成できるので、製造しやすいものであり、また、カシメ加工はパイプ1の先端1aとフランジ2との間に金属薄板3の透孔4の周縁を挟んでプレス加工するだけであり、プレス金型や製造工程を変更することなく実施でき、従来のパッキン8を使用するものに比べて部品数が少なくなるので、非常に安価に製造できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例となるカシメ工程を終了した部品の要部断面図である。
【図2】図1に示す発明品のカシメ前の状態を示す要部断面図である。
【図3】この発明のカシメ構造を実施する石油燃焼器の要部断面図である。
【図4】従来のカシメ構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 パイプ
1a 先端
2 フランジ
3 金属薄板
4 透孔
4a テーパ部
Claims (1)
- パイプの先端を残して外方に広がるフランジを設け、該パイプを取付ける金属薄板にはパイプの先端が挿通できる透孔を設け、
該透孔の内縁にはパイプの先端側に突出する内方に向けて傾斜したテーパ部を設け、該テーパ部の内縁を挿通したパイプの先端とフランジとが、前記透孔の周縁を挟着しながら金属薄板と圧着し、該金属薄板にパイプを固定するカシメ構造において、
前記パイプにはその先端部よりも外径を大きくする段部を設け、前記フランジはパイプの先端部に嵌合すると共に前記段部に当接するリング状に形成し、該フランジはパイプの先端側の内面に凹部を形成し、
前記フランジを挟んで前記パイプの先端と段部との圧着時に、前記テーパ部がフランジの凹部空間に向けて押圧され、金属薄板の透孔の内縁を凹部側に膨出させながらパイプの全周に密着させて気密構成を持つことを特徴とするパイプのカシメ構造。
Priority Applications (1)
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JP2001133936A JP3838051B2 (ja) | 2001-05-01 | 2001-05-01 | パイプのカシメ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002331325A JP2002331325A (ja) | 2002-11-19 |
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ID=18981711
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2001133936A Expired - Lifetime JP3838051B2 (ja) | 2001-05-01 | 2001-05-01 | パイプのカシメ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3838051B2 (ja) |
-
2001
- 2001-05-01 JP JP2001133936A patent/JP3838051B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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JP2002331325A (ja) | 2002-11-19 |
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