JP3837664B2 - レンガ造壁面の剥落防止工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路や鉄道のトンネル内のレンガ造壁面、鉄道高架橋のレンガ造壁面の欄干部や裏側部分、煙突、休止期間が極限定された産業施設等におけるレンガ造壁面の剥落防止工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レンガ造壁面の補強、ひび割れ(進展)の防止、さらにはレンガ片の剥落防止を目的としたレンガ造壁面の経年劣化対策工の一つとして、建築のタイル色調保持剥落防止工法(ネオタイリング工法、(株)ダイフレックス)の適用が考えられる。この工法を図1により説明する。
【0003】
先ず、ステップS1で施工面の洗浄を行い、ステップS2でタイル剥離・欠損箇所の補修を行い、ステップS3でプライマーを塗布し、ステップS4でガラスフレーク入りポリエステル樹脂パテ材により下地平滑処理を行い、ステップS5でFRPマットを設置し、ステップS6でFRPマットへポリエステル樹脂を含浸させ、ステップS7でローラにより脱泡処理と押さえ付けを行い、ステップS8でアンカーを設置し、ステップS9で表面保護層の塗布を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、道路や鉄道等の交通施設において、レンガ造壁面の剥落防止工法を適用する場合には、道路交通の遮断時間を出来る限り短くする、あるいは交通を遮断することなく活線工事で作業ができると便利である。また、鉄道施設であれば、列車運行のない夜間の僅かな時間内で効率よく作業を進める必要があり、作業時間の短縮化が強く望まれている。
【0005】
しかしながら、上記従来の剥落防止工法においては、プライマー塗り、目地部パテ材の塗布、FRP層と表面保護層の塗布など、作業工程的に重複作業が多く、作業間の養生期間が必要となるため、施工期間が比較的長くなるという欠点を有している。また、剥落防止のための設計荷重が大きくなってくると、FRP層が厚くなりコストが増大するという問題を有している。さらに、FRPマットの伸びは小さく、ポリエステル樹脂の伸びは大きいため、材料の選択時に最適な組み合わせが選択されているかの判断が困難であるという問題を有している。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであって、樹脂材料の硬化時間および養生期間の短縮化により、作業時間を大幅に低減させることができるレンガ造壁面の剥落防止工法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の請求項1記載のレンガ造壁面の剥落防止工法は、レンガ造壁面の断面処理を行うステップと、レンガ造壁面の下地表面処理を行うステップと、レンガ造壁面にプライマーを塗布するステップと、レンガ造壁面に1回目の中塗りを行うステップと、レンガ造壁面に補強材を配置するステップと、レンガ造壁面に2回目の中塗りを行うステップと、レンガ造壁面に仕上げ塗りを行うステップと、目地部に樹脂材を埋めるステップとからなるレンガ造壁面の剥落防止工法において、前記中塗りおよび仕上げ塗り材料の一部あるいは全てに感光性樹脂を用い、光照射により感光性樹脂を硬化させることを特徴とし、
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記補強材として、目の粗い織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物を使用することを特徴とし、
請求項3記載の発明は、請求項2において、前記補強材としてアラミド繊維、炭素繊維または高強度ポリエチレン樹脂繊維からなる織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物を使用することを特徴とし、
請求項4記載の発明は、請求項3において、前記補強材にレンガ部と目地部に合わせて同色の塗料で塗装することを特徴とし、
請求項5記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記目地部に補強材を配置することを特徴とし、
請求項6記載の発明は、請求項5において、前記目地部の形状パターに対応した補強材を製造することを特徴とし、
請求項7記載の発明は、請求項1において、前記中塗りおよび仕上げ塗りのステップのうち少なくとも1つのステップにおいて、感光性樹脂を含浸させた感光性樹脂保持シートを貼り付けることを特徴とし、
請求項8記載の発明は、請求項7において、前記感光性樹脂保持シートの両面には、樹脂に含まれるスチレン等の材料の揮散防止用のフイルムを配置し、さらに片側には可使時間確保や調整のための着色透明遮光用のフィルムを配置することを特徴とし、
請求項9記載の発明は、請求項8において、前記着色透明遮光用のフィルム側の揮散防止用のフイルムとして、防汚染機能をもつフィルムを用いることを特徴とし、
請求項10記載の発明は、請求項8において、前記着色透明遮光用のフィルム側の揮散防止用のフイルムとして、有機繊維不織布などの基材に熱融着してあるものを用いることを特徴とし、
請求項11記載の発明は、請求項1において、前記1回目の中塗りのステップ、2回目の中塗りステップ、仕上げ塗りのステップうちの連続するいくつかのステップを、感光性樹脂を含浸させた感光性樹脂保持シートとし、この感光性樹脂保持シートを貼り付けて光照射による硬化作業を行うことを特徴とし、
請求項12記載の発明は、請求項1において、前記1回目の中塗りのステップ、補強材の配置のステップ、2回目の中塗り、仕上げ塗りのステップうちの全ステップを、感光性樹脂を含浸させ、さらには補強材を配置した感光性樹脂保持シートとし、この感光性樹脂保持シートを貼り付けて光照射による硬化作業を行うことを特徴とし、
請求項13記載の発明は、請求項12において、前記感光性樹脂保持シートの内部、上面または下面に補強材を配置することを特徴とし、
請求項14記載の発明は、請求項11または12において、前記感光性樹脂保持シートの端部側面に傾斜面を形成したことを特徴とし、
請求項15記載の発明は、請求項11または12において、前記感光性樹脂保持シートとして、光を透過する織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物、さらには不織布を用いることを特徴とし、
請求項16記載の発明は、請求項12において、前記感光性樹脂保持シートの端部から補強材を張り出したものを製作し、この補強材の張り出し部分は、次々に貼っていく感光性樹脂保持シートの重ね代として使用することを特徴とし、
請求項17記載の発明は、請求項7ないし16のいずれかにおいて、前記感光性樹脂保持シートに空気抜き用の入口および出口となる穴をあけた後、充填材を入口から圧力をかけて挿入することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図2は、本発明のレンガ造壁面の剥落防止工法の1実施形態を説明するためのフロー図である。
【0009】
【実施形態1】
図2において、先ず、ステップS10の前処理1で、レンガ造壁面に浮きがある場合、欠損部がある場合、ひび割れがある場合にはそれぞれ適切な方法で断面処理を行う。次に、ステップS11の前処理2でサンディングまたは高圧洗浄(例えば15Mpa)により下地表面処理を行い、ステップS12でレンガ造壁面の表面にプライマーを塗布する。
【0010】
ステップS13で1回目の中塗りを行い、ステップS15で織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物等の補強材を貼り付け固着し、ステップS16で2回目の中塗りを行い、ステップS18で仕上げ塗りを行うが、ステップS13、S16、S18の全ステップあるいは一部のステップで、中塗り、仕上げ塗り材料として、感光性樹脂材料を用い、一連の作業を感光性樹脂の塗布作業と光照射による硬化作業とする。
【0011】
最後にステップS20で、目地部の処理、すなわち目地部の段差を樹脂材で埋める作業を行う。図3は、レンガの積層パターンによるレンガ部Rと目地部Mを示している。この樹脂材としては、作業サイクルに合った可使時間と硬化時間をもったものを選べばよく、例えばエポキシ系樹脂などの一般的な樹脂製のパテ材、あるいは感光性樹脂によるパテ材を使用すればよい。
【0012】
感光性樹脂は、紫外線、可視線、近赤外線などが含まれる波長域(1200nm以下)の光線の照射に感応して硬化を開始する光硬化性樹脂の総称であり、その反応から、光分解不溶化型、光分解可溶化型、光二重化型、光重合高分子化型などに分類される。塗料関係では、一般に光重合系感光性樹脂が良く用いられている。さらに光重合系感光性樹脂には、ラジカル重合型、ラジカル付加型、カチオン重合型などがあり、ラジカル重合型の中に不飽和ポリエステル系やアクリル化エポキシ樹脂などが含まれる。この感光性樹脂は、内部がほぼ透けて見えるので、レンガの色調を変えることなく剥落防止工を施工することができるという長所をがそのまま活きる。
【0013】
一方、光源としては、紫外線の他、可視線や近赤外線(使用波長域380〜1200nm)が用いられる。ここで、光源としては、太陽光や自然光のほか、照明用のメタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯などの可視光が出るあらゆる光源が使用可能である。可使時間(感光性樹脂を完全遮光の袋から出して効果してしまうまでの時間)は、光源の種類や明るさ等によって調整されるが、光源として屋外(日陰)の明るさ(波長域380〜450nmで照度500μw/cm2〜1.5mw/cm2)で10分以内、また明るい室内(波長域380〜450nmで照度50μw/cm2程度)で3時間以内となるので、従来の方法と比較して大幅に硬化および養生期間を短縮することができる。
【0014】
【実施形態2】
実施形態1の方法では、ステップS15における補強材として、織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物等の使用を前提としているが、光線の透過を妨げ、樹脂の硬化不足や硬化不良を起こさないようにするために、目の粗い織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物を使用する。ここで、目の粗い織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物の目付けを約300g/m2以内とする。また、使用する繊維としては、ガラス繊維やビニロン繊維等を使用する。
【0015】
【実施形態3】
実施形態2において、さらに光透過性を上げるために、補強材としてアラミド繊維からなる織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物を使用する。ここで、アラミド繊維による目の粗い織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物の目付けを約180g/m2以内とする。アラミド繊維は、単繊維直径12μ程度の集合体(束)であり、比強度が高く(引張強度3.4Gpa、350kg/m2)、破断伸びが比較的大きい(破断伸び4.6%程度)。また、炭素繊維の使用も可能である。ただし、炭素繊維の場合は導電性があるので鉄道等においては不適である。また、高引張強度繊維である高強度ポリエチレン樹脂繊維の使用も可能である。ただし、高強度ポリエチレン樹脂繊維には、負の線膨張率、すなわち温度が下がると延びるという特異な性質があり、使用温度環境に注意する必要がある(トンネル内部などは、一年を通じて温度変化は大きくないので使用が可能である)。
【0016】
ところで、本実施形態で用いるアラミド繊維は一般にはごく薄い茶色であり、また炭素繊維は一般には黒色である。一方、感光性樹脂の色は、ほぼ無色か僅かに黄色系である。従って、レンガ造壁面への貼り付けを考えた場合、補強材がそのまま見えてしまう。
【0017】
そこで、図4に示すように、剥落防止工の施工箇所で、ネット状の補強材4にレンガRの色と目地部Mの色を着色することにより、見た目には、レンガ造壁面の色調を乱すことなく、補強工を施工することができる。これにより、道路トンネル内では、運転者に視覚的な余計な負担をかけず、安全運転に支障を与えない。また、アラミド繊維の場合には、繊維が紫外線に弱いという特性があるが、その保護に役立たせることができる。
【0018】
また、図5に示すように、補強材4を目地部Mに配置し、レンガ部Rには配置しないようにしてもよい。図中、2はプライマー、3′は感光性樹脂、10は目地部モルタル、11は樹脂製パテ材である。なお、感光性樹脂3′に代えて後述する感光性樹脂シートでもよい。本例によれば、レンガ部Rへ補強材を配置しないので見た目がきれいになる。また、補強材は比較的薄いものであるが、目地部Mに配置することにより、表面を平滑に仕上げることができ、見た目がきれいになり、かつ防汚染機能をもたせることができる。さらに、補強材4の目地部への配置により、目地部Mの充填に要するパテ材11の容量を減らすことができる。
【0019】
上記の補強材4は、図6に示すように、各種の形状パターンを予め工場で製造しておくことにより、工事現場ではこれらのネットを切断、配置するようにする。目地部の形状は種々あるが、現場におけるレンガの積層パターンを抽出し、そのパターンから数種類程度のものを製造しておき現場において適用すればよい。
【0020】
なお、図5および図6の例において、目地部に配置される補強材に、目地部の色に合わせて着色するようにすれば、剥落防止工の存在をより判りにくくする、また、色違いを目立たなくすることができる。
【0021】
【実施形態4】
図7は、本発明のレンガ造壁面の剥落防止工法の他の実施形態を説明するためのフロー図である。なお、以下の説明において図2と同一のステップについては説明を省略する。
【0022】
前記実施形態1〜3においては、中塗り、仕上げ塗り材料の一部あるいは全てに、感光性樹脂材料を塗布するようにしているが、本実施形態においては、図7に示すように、ステップS24、S27、S29における中塗り、仕上げ塗りの全ての作業を、感光性樹脂を含浸させた感光性樹脂保持シートの貼り付け、光照射による硬化作業に変更している。ここで、感光性樹脂保持シートには、ガラスマット、ポリエステル樹脂等の有機繊維の使用が考えられる。また、感光性樹脂保持シートは、1回目、2回目の中塗り、仕上げ塗りのどれかに使用してもよいし、3回全てに使用してもよい。さらに、前作業の表面に感光性樹脂保持シートを取り付ける際に、粘着力が不足する場合には粘着力を補うようにしてもよい。
【0023】
屋外による作業では、感光性樹脂保持シートの片側に着色透明遮光用のフィルムを配置することにより、可使時間(感光性樹脂を完全遮光の袋から出して硬化してしまうまでの時間)の確保や調整をすることができるが、屋外の直接日光下の可使時間は10分程度と短い(日陰を作ることにより20分程度まで延ばすことができる)。さらに可使時間が必要な場合には、日光や自然光に対する遮蔽物、例えば簡易な暗室を貼り付け箇所に設置する対策が必要となる。
【0024】
【実施形態5】
本実施形態は、図8(A)に示すように、実施形態4の感光性樹脂保持シート3の両面に、樹脂に含まれるスチレン等の材料の揮散防止用の透明フイルム3a1、3a2(例えば、ポリエステルフィルム)を配置し、さらに片側には可使時間の確保や調整のための着色透明遮光用のフィルム3b(例えばセロハン)を配置するようにしている。透明フィルム3a1、3a2の役割は、作業および硬化における樹脂中の反応希釈剤であるスチレンモノマーの揮散防止と、シート表面の空気阻害防止(空気と接触している場合シートの硬化を妨げ、空気接触部分の硬化状態が悪くなる)である。
【0025】
この場合の作業手順について説明する。先ず、感光性樹脂保持シートを遮光材料からなる袋から取り出し、レンガ造壁面に貼り付ける側の透明フイルム3a1を剥がし、プライマーが塗布されたレンガ造壁面に、空気が入り込まないように注意深くシートを乗せ、ローラでシートをしごき、レンガ造壁面に密着させる。このとき、シートとプライマーとの馴染みを良くする目的で、感光性樹脂のパテ材を少量塗布するようにしてもよい。その後、着色透明遮光用のフィルム3bを取り、照明や自然光によりシートに光を当てて感光性樹脂を硬化させる。最後に、表面の透明フイルム3a2を剥がす。
【0026】
上記の作業ではフィルムが3枚使用されており、着色透明遮光用のフィルム3bの下に配置される透明フィルム3a2を最後に剥がす手間が必要になるとともに廃棄物としての量が増えてしまうという問題がある。
【0027】
そこで、図8(A)の表側の透明フィルム3a1の代わりに、図8(B)に示すように、防汚染機能をもつ透明フィルム3cを配置する。このフィルム3cとしては、撥水性あるいは親水性をもつ樹脂フィルムを使用する。前者の例としては、シリコン樹脂、フッ素樹脂、テフロン樹脂、アクリル、ウレタン系の樹脂等のフィルムが有り、後者の例としては、ポリカーボネート樹脂等のフィルムが有る。また、感光性樹脂の硬化に伴い、感光性樹脂に貼り付くフィルムを使用するか、あるいはフィルムを積層構造にして、感光性樹脂と接着しやすいような樹脂フィルムを使用してもよい。本例によれば、フィルムを剥がす手間がなくなるとともにゴミの量が減り、また、シートの表面に防汚染機能を付与することができる。
【0028】
また、図8(C)の例は、透明フィルム3dが有機繊維不織布などの基材に熱融着してあるものを使用する。例えば、ウレタン系のフィルムが熱融着してあるフェルト基材、さらには既存の有機繊維不織布などの基材に熱融着する方法が考えられる。本例によれば感光性樹脂硬化体との接合をより強固にすることができる。
【0029】
【実施形態6】
図9は、本発明のレンガ造壁面の剥落防止工法の他の実施形態を説明するためのフロー図である。本実施形態においては、工場において、1回目の中塗り、補強材の貼付、2回目の中塗り、仕上げ塗りのうちの連続するいくつか、あるいは全作業分を、感光性樹脂を含浸させた感光性樹脂保持シートさらには補強材を組み合わせた1枚の感光性樹脂保持シートとし、この感光性樹脂保持シートを現場へ搬入して、現場においては、ステップS44、S45で貼り付け作業と光照射による硬化作業のみを行うようにする。なお、前作業の表面に感光性樹脂保持シートを取り付ける際に、粘着力が不足する場合には粘着力を補うようにしてもよい。
【0030】
図10は、実施形態6の具体例を示す模式的断面図である。図中、1はレンガ造壁面、2はプライマー、3は感光性樹脂を含浸させたガラスマット(感光性樹脂保持シート)、4はメッシュ材からなる補強材である。図(A)は補強材4をガラスマット3の内部に配置し、図(B)は補強材4をガラスマット3の上側に配置し、図(C)は補強材4をガラスマット3の下側に配置した例を示している。補強材4をガラスマット3の下側あるいは上側に配置することにより、シート製作の手間を減らすことができ、補強材4をガラスマット3と分離することにより、現場での作業性を向上させることができる。さらに、補強材4をガラスマット3の下側に配置した場合には、感光性樹脂の光照射による遮光効果を全く省くことができる。この配置の場合、プライマー2との固着性能さえ確保できれば、メッシュ材の材質や目の粗さは、問題としなくても良くなる。
【0031】
図11は、実施形態6の他の具体例を示し、図(A)はガラスマットの一部側面図、図(B)はガラスマットを重ね合わせて貼ったときの模式図である。本例においては、ガラスマット3の端部側面を垂直ではなく、鋭角θで傾斜面を形成している。ガラスマットを重ね合わせて貼ったときに、ガラスマット3の端部が剥がれ難く、またガラスマットを重ね合わせて貼ったときに接合面が滑らかに接着しやすい。
【0032】
なお、ガラスマット3は、数インチにカットしたガラス繊維をバインダー(糊のようなもの)でマット状にしたものであるが、リンペン状のガラス(2〜3μmの厚さで、数10〜数1000μmの大きさ)からなるガラスフレークを使用するようにしてもよい。
【0033】
また、実施形態3、4、5においては、ガラスマット、ポリエステル樹脂等の有機繊維で作られた感光性樹脂保持シートを用いているが、感光性樹脂を保持する材料として、光を透過する織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物、さらには不織布を用いるようにしてもよい(シートとしては、この他に、補強材としてメッシュ材を使う)。本発明においては、両者を総称して感光性樹脂保持シートと定義する。後者の場合には、シートの厚さを薄く作ることができ、シートのコスト削減を図ることができる。
【0034】
さらに、アラミド繊維等の高強度のメッシュ材を補強材として用いる場合、補強材のメッシュ線材を細くし、目を粗くでき、かつ感光性樹脂には光透過性があるので、レンガ造壁面の変状を補強後も容易に観察することができる。
【0035】
【実施形態7】
実施形態6において示した感光性樹脂を含浸させた感光性樹脂保持シートさらには補強材を組み合わせた感光性樹脂保持シートにおいて、感光性樹脂保持シートの端部から補強材を張り出したものを製作し、この補強材の張り出し部分は、次々に貼っていく感光性樹脂保持シートの重ね代として使用する。この場合、強度上の弱部を減らすことができる。なお、感光性樹脂保持シートの不連続部に対して補強が必要な場合には、感光性樹脂を含浸させた感光性樹脂保持シートを不連続部に貼る、あるいは樹脂を隙間に充填し、それぞれ硬化させることにより、連続性を持たせれば良い。また、本実施形態のシートあるいは方法を用いれば、レンガ造壁面の剥落防止・補強工事を広い面積に施行する場合にも、同時に多くの地点で作業を行うことができるので、施工性をさらに向上させることができる。
【0036】
【実施形態8】
実施形態6の感光性樹脂保持シートの貼り付けによる場合、通常の部位であれば、作業効率は向上するが、例えば被覆部分に開口部、段差(不陸)、梯子等の設備があり、細かい造作を必要とする場合には、実施形態1の感光性樹脂材料の塗布に変更する。本実施形態によれば、感光性樹脂保持シートの貼り付けと感光性樹脂材料の塗布を併用することにより、細部における作業においても効率を落とすことなく作業を進めることができる。
【0037】
【実施形態9】
実施形態6の感光性樹脂保持シートは、作業員により慎重に貼り付けられ、ローラ等をかけることにより、密着および空気の脱泡が行われる。しかしながら、作業時間が短いことや、不注意等によりシートの裏面に空気溜まりが生じてしまう場合がある。このような場合に対して、シート硬化後、発見された空気溜まりのうち機能的に問題有りと判断される場合には、以下のようにして対処する。
【0038】
先ず、シートに空気抜き用の入口および出口となる穴をあける。この作業においては補強材に傷をつけないようにする(感光性樹脂保持シートは透過性のため、この作業は容易である)。次に、粘性の小さい樹脂よりなる充填材を入口から圧力をかけて挿入する。このとき出口には弱い負圧をかけるようにしてもよい。空気溜まりに充填材が充填され出口から充填材が溢れ出たところで充填を完了する。あとは充填材の硬化をまてば良い。さらに、空気溜まりが大きく充填材を挿入しただけでは、強度的に問題があると判断される場合には、当該部位の表面に感光性樹脂保持シートを貼り重ね、強度的な補強を行えばよい。本実施形態によれば、感光性樹脂保持シートの透過性という性質を活かし、補強材に損傷を与えることなく、空気溜まりに充填材を注入することができる。
【0039】
次に、本発明に用いる光源の改良について説明する。前述の如く、光源としては、太陽光や自然光のほか、照明用のメタルハライドランプ、水銀灯、蛍光灯などの可視光が出るあらゆる光源が使用可能であるが、作業を早く進めるためには、照明用のメタルハライドランプ等、相当に明るく眩しいと感じられる光源を対象物の比較的至近距離において使用するのが一般的である。
【0040】
この際、感光性樹脂の硬化作業に直接携わるものの他、その周辺には多くの作業員が配置されていることがある。この場合、極めて明るい光源が使用され、その光を直接、あるいは間接的に作業員が見ることになり、次のような障害が出る可能性がある。すなわち、明るい光源が目に入った後、トンネル内の薄暗い所の障害物などが見えにくくなるなどの人間の視覚に係わる生理的な反応による視覚や視力への一時的障害が生じたり、継続、反復的な作業に伴う視覚や視力への悪影響がでる場合がある。
【0041】
上記の問題を解決するために光源を改良する。図12は、光源の改良例を示している。図(A)においては、光源5の開口部に光漏れのカバー6を設けることにより、作業員らの目に直接、光源5からの光が入らないようにしている。
【0042】
図(B)においては、カバー6に、光源のオンオフを確認するための色ガラスの窓7を設けるようにしている。本例によれば、光源のオンオフの状態を作業員が容易に理解することができ、硬化作業中に誤って光源を移動し、硬化作業が中断しないようにすることができる。また、照射中に誤って光を見る可能性を減らすことができる。光源のオンオフの状態を、電気ランプ等を用いて、電気的に通電・非通電を知らせる手法もあるが、この方式ではランプが断線した場合には使えなくなってしまう。窓を使う場合には、簡単、かつ確実に照光状態を確認することができる。
【0043】
図(C)においては、感光性樹脂を含浸させた感光性樹脂保持シートさらには補強材を組み合わせた1枚の感光性樹脂保持シート3の大きさに合わせて光源5の寸法を決定している。これにより、照光作業を1回で済ませることができ、所定のシートをむらなく硬化させることができ、回数の低減による光の露出可能性を減らすことができる。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、樹脂材料の硬化時間および養生期間の短縮化により、作業時間を大幅に低減させることができ、その結果、下記の効果が奏される。
(1)交通施設関係の工事に際して、交通遮断等の時間を大幅に減らすことができ、利用者への負担や道路渋滞等への影響を抑えることができる。
(2)鉄道施設関係の工事では、列車運行のない夜間の僅かな時間内で効率よく作業を進めることができる。
(3)作業効率を上げることができるので、与えられた時間内で多くの面積を工事することができる。
(4)硬化に要する道具は、光源のみであり、施行区間の多くの場所で同時に作業を行うことができ、作業効率をさらに高めることができる。
(5)感光性樹脂保持シートを使用した場合には、厚さ等の管理が容易となり、塗装皮膜の状態管理をほぼ省くことができ、品質を向上させることができる。
(6)感光性樹脂保持シートを使用した場合には、廻りに樹脂等の材料が飛び散ることもなく、周辺の器材や施設等を汚すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のレンガ造壁面の剥落防止工法の例を説明するためのフロー図である。
【図2】本発明のレンガ造壁面の剥落防止工法の1実施形態を説明するためのフロー図である。
【図3】図2の目地部の処理を説明するための図である。
【図4】図2の補強材の例を説明するための図である。
【図5】図2の補強材の例を説明するための図で、図(A)は平面図、図(B)は断面図である。
【図6】図2の補強材の例を説明するための図である。
【図7】本発明のレンガ造壁面の剥落防止工法の他の実施形態を説明するためのフロー図である。
【図8】実施形態5の具体例を示す模式的断面図である。
【図9】本発明のレンガ造壁面の剥落防止工法の他の実施形態を説明するためのフロー図である。
【図10】実施形態6の具体例を示す模式的断面図である。
【図11】実施形態6の他の具体例を示し、図(A)はガラスマットの一部側面図、図(B)はガラスマットを重ね合わせて貼ったときの模式図である。
【図12】本発明に係わる光源の改良例を示す斜視図である。

Claims (17)

  1. レンガ造壁面の断面処理を行うステップと、レンガ造壁面の下地表面処理を行うステップと、レンガ造壁面にプライマーを塗布するステップと、レンガ造壁面に1回目の中塗りを行うステップと、レンガ造壁面に補強材を配置するステップと、レンガ造壁面に2回目の中塗りを行うステップと、レンガ造壁面に仕上げ塗りを行うステップと、目地部に樹脂材を埋めるステップとからなるレンガ造壁面の剥落防止工法において、前記中塗りおよび仕上げ塗り材料の一部あるいは全てに感光性樹脂を用い、光照射により感光性樹脂を硬化させることを特徴とするレンガ造壁面の剥落防止工法。
  2. 前記補強材として、目の粗い織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物を使用することを特徴とする請求項1記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  3. 前記補強材としてアラミド繊維、炭素繊維または高強度ポリエチレン樹脂繊維からなる織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物を使用することを特徴とする請求項2記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  4. 前記補強材にレンガ部と目地部に合わせて同色の塗料で塗装することを特徴とする請求項3記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  5. 前記目地部に補強材を配置することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  6. 前記目地部の形状パターに対応した補強材を製造することを特徴とする請求項5記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  7. 前記中塗りおよび仕上げ塗りのステップのうち少なくとも1つのステップにおいて、感光性樹脂を含浸させた感光性樹脂保持シートを貼り付けることを特徴とする請求項1記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  8. 前記感光性樹脂保持シートの両面には、樹脂に含まれるスチレン等の材料の揮散防止用のフイルムを配置し、さらに片側には可使時間確保や調整のための着色透明遮光用のフィルムを配置することを特徴とする請求項7記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  9. 前記着色透明遮光用のフィルム側の揮散防止用のフイルムとして、防汚染機能をもつフィルムを用いることを特徴とする請求項8記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  10. 前記着色透明遮光用のフィルム側の揮散防止用のフイルムとして、有機繊維不織布などの基材に熱融着してあるものを用いることを特徴とする請求項8記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  11. 前記1回目の中塗りのステップ、2回目の中塗りステップ、仕上げ塗りのステップうちの連続するいくつかのステップを、感光性樹脂を含浸させた感光性樹脂保持シートとし、この感光性樹脂保持シートを貼り付けて光照射による硬化作業を行うことを特徴とする請求項1記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  12. 前記1回目の中塗りのステップ、補強材の配置のステップ、2回目の中塗り、仕上げ塗りのステップうちの全ステップを、感光性樹脂を含浸させ、さらには補強材を配置した感光性樹脂保持シートとし、この感光性樹脂保持シートを貼り付けて光照射による硬化作業を行うことを特徴とする請求項1記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  13. 前記感光性樹脂保持シートの内部、上面または下面に補強材を配置することを特徴とする請求項12記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  14. 前記感光性樹脂保持シートの端部側面に傾斜面を形成したことを特徴とする請求項11または12記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  15. 前記感光性樹脂保持シートとして、光を透過する織物あるいは編物、メッシュ物、または三次元編物、さらには不織布を用いることを特徴とする請求項11または12記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  16. 前記感光性樹脂保持シートの端部から補強材を張り出したものを製作し、この補強材の張り出し部分は、次々に貼っていく感光性樹脂保持シートの重ね代として使用することを特徴とする請求項12記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
  17. 前記感光性樹脂保持シートに空気抜き用の入口および出口となる穴をあけた後、充填材を入口から圧力をかけて挿入することを特徴とする請求項7ないし16のいずれかに記載のレンガ造壁面の剥落防止工法。
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