JP3836865B2 - 三量体化ポリペプチド、その製造及び使用 - Google Patents

三量体化ポリペプチド、その製造及び使用 Download PDF

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Description

本発明は、多量体、特に三量体を生成し得るポリペプチド、並びにこのようなポリペプチドの製造及び使用に関する。
コラーゲン分子の生合成は、三重らせんを形成するためにGly−Xaa−Yaaトリプレットから成る3つのポリペプチドの正しい整列を要する〔1〕。各鎖は、右回り三重らせん中で左回りらせん構造をとり、これは鎖間水素結合により安定化される。三重らせんの形成は、3本の鎖のC末端の単一核形成点から進行し、ジッパー様方式で成長する〔2〕。
コラーゲンIII型に関する再生実験は、C末端球状タンパク質構造間に形成される特異的鎖間ジスルフィド架橋は三重らせんのin vitro再生のための核として機能するのに十分であるが、一方還元はこの工程を完全に阻害する、ということを示した〔3〕。しかしながら、コラーゲン配列を含有するタンパク質族が大きく、異なる型のC末端非コラーゲン様領域の配列比較によってはFACIT(三重らせん遮断を伴う細繊維関連コラーゲン、IX、XII、XIV及びXVI型)、横紋細繊維のコラーゲン(I、II、III、V及びXI型)、又はClq様C末端ドメイン(VIII及びX型)が共有する一般的モチーフが明らかにされなかったため、コラーゲンの会合及び整列登録を導く分子メカニズムは、依然としてはっきり分かっていない。鎖間ジスルフィド結合の高頻度の形成は、鎖間会合及びその後の三重らせん形成の核形成に関与するタンパク質モジュールに関する調査をさらに複雑にした。
「コレクチン collectin」として公知のコラーゲンタンパク質の一族は、血清タンパク質マンナン結合タンパク質(MBP)、コレクチン−43及びウシコングルチニン、並びに肺界面活性剤タンパク質SP−10及びSP−Aで構成される〔5〕。コラーゲンポリペプチド鎖は短N末端領域、即ち短い一続きの34〜39アミノ酸(「ネック」領域を形成する)によりC末端C型レクチンドメイン(113〜118アミノ酸)に連結されるコラーゲン様領域(20〜59のGly−Xaa−Yaaトリプレット)を含有する(図1a)。
本発明は、コレクチンタンパク質の「ネック領域」が3つのコラーゲンポリペプチド鎖の鎖間認識、三量体化及び整列登録を媒介し得ることを示す結果から生じた〔7〕。その結果により、選択したポリペプチドを三量体化する簡単な方法が利用できる。
本発明によれば、コレクチンのネック領域あるいはそのアミノ酸配列変異体又はその誘導体を包含するポリペプチドが提供される。このようなポリペプチドは適切な条件下で三量体を生成する。ポリペプチドは非天然性である。即ち自然には見出されないものである。
それは、ネック領域あるいはその変異体又は誘導体と接合した1つ又はそれ以上の異種アミノ酸を包含し得る。それは、それが得られる分子からの1つ又はそれ以上のアミノ酸を保持する。例えば、ポリペプチドはコレクチンC型レクチンドメインを包含し得る。
一定義によれば、本発明は、次式:
X−N−Y
(式中、Nはコレクチンネック領域ペプチド、あるいはその変異体又は誘導体、あるいは三量体を形成し得る、コレクチンネック領域と同一の又は同様のアミノ酸パターン及び/又は疎水性プロフィールを有するアミノ酸の配列であり;Xは存在しないか又は1つ又はそれ以上のアミノ酸であり;Yは存在しないか又は1つ又はそれ以上のアミノ酸である。X及びYがともに存在しない場合、ポリペプチドは本質的にNで構成される。X及び/又はYは1つ又はそれ以上の異種アミノ酸を包含し、そのいずれもが誘導化できるか、あるいは化学的部分の付着に関して「キメラ修飾可能」である)にしたがってアミノ酸で本質的に構成される非天然ポリペプチドを提供する。
化学的部分は、特異的化学的修飾可能な残基(単数又は複数)に導入し得る。化学的修飾可能アミノ酸残基は、特定の条件下で選択された化学試薬による修飾を受け易いアミノ酸残基である。そのアミノ酸はポリペプチド中に唯一であるか、又はそれは独自に修飾可能であるか、あるいは選択的に又は存在する他のアミノ酸より優先的に修飾可能である。例えば、システイン残基は結合部位に導入し得るし、そのチオール基を介して化学的修飾に用い得る。それはさらに、その環境を工学的処理することにより、例えば特定の特性を有する別のアミノ酸に隣接する分子内にそれを位置調節することにより、アミノ酸を分子内の同一種類の他のアミノ酸に比較して優先的に修飾可能にさせ得る。例えば、カルボキシラート基の隣のアミノ基は、結合部位内に唯一でない場合でも、より求核性にそして選択的修飾可能性にされる。
他の化学的修飾可能アミノ酸としては、リシン、グルタミン酸、ヒスチジン及びチロシンが挙げられる。共有修飾は、広範な部分、特にリポーター基又は触媒作用のための補因子を組み入れ可能にする。本発明の一実施態様において、特異的に修飾可能な1つ又はそれ以上のアミノ酸が組み入れられる。これは大きな有機基、例えば蛍光性リポーター基、7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール(NBD)の相互作用を可能にする。他の大型基、例えば触媒作用のためのフラビン補因子、FMN及びFADも組み入れ得る。
さらに、同一試薬又は2つ(又はそれ以上)の異なる試薬による修飾のために2つ(又はそれ以上)の残基を組み入れる可能性があるし、あるいはさらに好ましくは異なる残基を異なる試薬で修飾して異なる化学的部分を結合部位に組み入れ得る。これは、例えばフラビン及びヘムのような2つの化学的部分の存在が酸化還元反応の触媒作用を促し得る触媒作用に有用である。
他にもポリペプチドの修飾方法が考えられる。特異的官能基を含有する分子を用いて特異的に誘導される多数のアミノ酸残基がある。例えば、アミノ基はN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを用いて、カルボキシル基はカルボジイミドで、ヒスチジン及びシステインはハロメチルケトンで、アルギニンはグリオキサルで修飾し得る(例えば、A. R. Fersht, Enzyme Structure and Mechanism 2nd edn, 1985 pp248-251, W. H. Freeman, New York )。
特定のアミノ酸残基を修飾するために用いられるいくつかの試薬が、T. Imoto及びH. Yamada (" Protein Function: a Practical Approach ", pp247-277, 1989 )により示されている。特異的官能基をポリペプチドに導入するために、これらの試薬の反応基を修飾試薬中の官能基と組合せ得る。例えば、フルオロフォア 7−アミノ−4−メチルクマリン−3−酢酸でタンパク質を修飾するのが望ましい場合、分子のN−ヒドロキシスクシニミジルエステルを用いてアミノ酸基を修飾し、一方N−〔6−(アミノ−4−メチルクマリン−3−アセトアミド)ヘキシル〕−3’−(2’−ピリジルジチオ)プロピオンアミドを用いてシステイン基を修飾し得る。
考えられる別の方法は、グルタミン酸残基のγ−カルボキシアミド基と第一アミンとの間のアシル転移反応を触媒するトランスグルタミナーゼを用いることである(E. Bendixen et al., J. Biol. Chem. 268 21962-21967, 1993; K. N. Lee et al., Biochem. Biophys. Acta 1202 1-6 1993; T. Kanaji et al., J. Biol. Chem. 268 11565-11572 1993 )。したがって、この酵素はペプチドからのアミノ酸残基をペプチドリシンエプシロンアミノ基を介してグルタミン残基中へ、又はペプチドグルタミン基を介してリシン基中ヘ導入し得た。本酵素はさらに、第一アミンを用いてグルタミン残基の誘導化を触媒し得た。
さらに別のアプローチは、逆タンパク質分解又は化学的共役、あるいはその2つの組合せを用いて、ポリペプチドのN又はC末端に化学的部分を導入することである(I. Fisch et al., Bioconj. Chem. 3, 147-153, 1992; H. F. Gaertner et al., Bioconjug. Chem. 3, 262-268, 1992; H. F. Gaertner et al., Biol. Chem. 269, 7224-7230, 1994; J. Bongers et al., Biochem. Biophys. Acta, 50, S57-162, 1991; R. Offord, Protein Engineering, 4, 709-710, 1991 )。これらの方法を用いて非コード化要素がタンパク質及びペプチド分子に導入された。
導入され得るフルオロフォアの例としては、フルオレセイン、フィコエリトリン、クマリン、NBD、テキサスレッドTexas Red及びキレート化ランタニドイオンが挙げられる。導入し得る触媒基の例としては、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、フラビンモノヌクレオチド(FMN)、シトクロム及びキレート化金属イオン、例えば亜鉛及び銅が挙げられる。
一実施態様において、ネック領域は、コレクチンSP−D(あるいはその変異体又は誘導体)に属するものである。その他の可能性としては、コレクチン−43及びコングルチニンが挙げられる。マンナン結合タンパク質(MBP)及びSP−Aも本発明に使用し得るが、しかしその場合、それぞれのレクチンドメインからの付加的アミノ酸を要する。しかしながらそれらの付加的アミノ酸はαらせん構造を有するため、天然分子中では、必要なアミノ酸配列は依然としてコレクチンの「ネック領域」であると考えられる。
図1(a)は、V/L反復を有するSP−Dのネック領域を示す。ある実施態様では、図示されているように、すぐ上流のG残基を、そしてリンカー間及び/又は下流にアミノ酸を、ネック領域に含むのが好ましい。リンカーは、三量体中の折り畳まれたドメインを一定間隔に置くために重要である。例えば、「...FP...」は鎖中によじれを提供する。
SP−Dのネック領域でない場合、本発明のポリペプチド中のネック領域は、三量体化する能力が保持されさえすれば、SP−Dのネック領域と同一の又は同様のアミノ酸パターン及び/又は疎水性プロフィールを有する。
以下に種々のコレクチンネック領域のアミノ酸の列を示す:
位 置 - - abcdefgabcdefgabcdefgabcdef
ヒトSP−D - VASLRQQVEALQGQVQHLQAAFSQYKK
ウシSP−D - VNALRQRVGILEGQLQRLQNAFSQYKK
ラットSP−D - - SAALRQQMEALNGKLQRLEAAFSRYKK
ウシコングルチニン VNALKQRVTILDGHLRRFQNAFSQYKK
ウシコレクチン43 VDTLRQRMRNLEGEVQRLQNIVTQYRK
層「a」のV及び層「d」のLの位置調節は、好ましくは二量体を生じると一般に考えられる。上記の配列中のF及びYの存在は異常で、オリゴマー化の程度に直接影響を及ぼす。Gは2つの「ad」反復の真ん中に正確に位置調節される。これは、三量体形成工程にとって重要である。グリシン残基はαらせんにおける他の残基とはわずかに異なった振る舞いをする。しかしながら、今までのところ、明確な規則は確立されていない。Gはしばしばらせんの末端に見出され、それらを終結させる。層「a」及び「d」の残基は、αらせん束の左回り超らせん中でお互いの上部に位置調節される(「a2」の上部に「a1」、「d2」の上部に「d1」)ようには厳密にはならないため、中央に位置調節されたグリシン残基はらせんの超らせんのわずかな変化に関係し、したがって異なる充填行動に、又は「a」及び「d」層の疎水性残基に関係し得る。次いでこれは、規定の配列の排他的三量体化の理由の一部となり得る。かなり大きな嵩のある疎水性残基F及びYのC末端「ad」層は、標準αらせん束とは異なる充填行動を要し、おそらくは二重コイルの全体的ねじれ及び形状に影響を及ぼす。「e」及び「g」位置のQ残基はともにらせんを保持する力に関与し、これはヒトSP−Dから、例えばウシコレクチン43への観察される置換により増強されるため、Q残基が豊富に存在することが重要である。この場合、「g」位置でのQからRへの置換は「a−g」反復直後の「e」層でのQからEへの置換に対応し、したがってヒトSP−DにおけるQ残基の位置での反対の電荷とのイオン相互作用を提供する。
したがって、ネック領域ペプチドは、ペプチドの特性に影響を及ぼすよう変えられて三量体αらせん束を形成する多数の明確な特徴を有する。その列は、三量体を形成し、多数の置換を示すが、三量体化能力には作用しないコレクチンの天然ネック領域を示す。
ネック領域ペプチドの三量体化特徴は、特にN末端の「a」〜「d」反復の延長により、例えばネック領域の最初の部分:
VASLRQQVEALQGQ-VASLRQQVEALQGQVQGLQAAFSQYKK
の別のコピーを付加することによりさらに増強される。
ヒトに投与するためには、好ましくはネック領域及び/又はアミノ酸の異種配列は、ポリペプチドを個体に投与した際に生じる免疫応答が存在する可能性を低減するために、ヒト起源であるか、又は「ヒト化」される。「アミノ酸の異種配列」という用語は、本発明のポリペプチド中の融合の位置でコレクチンネック領域と連結される、天然には見出されないアミノ酸の鎖を示す。
ネック領域(等)と連結されるアミノ酸は、タンパク質ドメインを形成し得る。好ましくは、アミノ酸の配列は機能的ドメインを形成する。アミノ酸はイムノグロブリンに由来する配列、例えば可変ドメイン、又は可変ドメインと不変領域を包含し得る。
原則として、ペプチド又はポリペプチドを含めたあらゆるアミノ酸配列、別々に折り畳まれるタンパク質ドメイン(単数又は複数)は、ネック領域ペプチドと連結し得る。これはポリペプチドのC末端又はN末端あるいは両端に認められ、同一の、同様の又は異なるタンパク質配列を包含する。「連結」は、融合ポリペプチドを生成するための組換え体DNA技術の使用、又はネック領域(あるいはその変異体又はその誘導体)を含めたポリペプチドの化学的合成の使用、又はネック領域ペプチドへのポリペプチドの化学的付着を包含する。
ネック領域を含有する3つの同一又は異なるポリペプチドはすべて、適切な条件下でホモ三量体又はヘテロ三量体を形成し得る。ホモ三量体は同一の3つのポリペプチドから成る。ヘテロ三量体は3つのうち少なくとも2つが異なるポリペプチドから成る。3つのポリペプチドすべてが異なることもある。ヘテロ三量体中の1つの、2つの又は3つすべてのポリペプチドが本発明のポリペプチドであり得るが、但し各ポリペプチドは三量体化可能な領域を有する。
ネック領域αらせん束は一般に、よく似た又は適切な生理学的条件で三量体分子としてのみ存在する。三量体の安定性は、溶液のイオン強度により増強される。三量体会合は変性(例えば熱変性)により可逆的に中断され、その分子は、条件が生理学的条件(冷却)に戻るとすぐに、三量体に再会合し得る。ネック領域ペプチドの三量体化する能力は、隣接タンパク質配列とは無関係である。各々がネック領域を含有する異なるポリペプチドを用いる場合には、可逆的変性−再会合工程を用いてヘテロ三量体分子を生成し得る。好ましくは、変性のための条件は、隣接する異種タンパク質ドメインのあらゆる特性を損失しないよう選択される。ヘテロ三量体生成の一方法は実施例3に詳述されており、加熱(この場合、約50℃に加熱)及び冷却を伴う。
約50℃を用いたヘテロ三量体化は、あるイオン強度での一例に過ぎない:ヘテロ三量体化の他の手段が選ばれることもある。用いる方法は、適用によって変わり得る。異なるネック領域ペプチド構築物は、化学的に合成し、修飾し、又は発現系で生成し得る。反応基がネック領域ペプチドのN末端又はC末端(又はほとんど有りそうもないがしかし可能性としては中央)部の特異的位置に置かれるため、化学的付着部位は、融合タンパク質と同じくらい特異的である。これらの部位に付着される分子は、ペプチド又は有機化合物である。
本発明は一般的に適用可能であるが、ネック領域を有するタンパク質ドメインのすべてを同じように十分に用い得るわけではない。非常に大きなドメインは、特別に適合させたリンカー配列を要し、最も重要なのは、二量体形成又はオリゴマー形成特性を示すドメインは、全く不溶性であるか、そうでなければそれらが意図される使用に適していない大きな集塊を生成することである。さらに、ペプチドを含有するネック領域は、好ましくは逆相クロマトグラフィーに使用されるアセトニトリルのような有機溶媒を使用せずに精製されるべきである。例えば化学合成後に用いられる場合、これらの化合物は、三量体化を妨害するため、完全に除去されるべきである。同様に、(ヘテロ)三量体化中にドデシル硫酸ナトリウム又は同様の強力なイオン洗剤が存在しないようにすべきである(しかしながら、これらの化合物は、一緒にネック領域のらせんを保持する疎水性力を乱すので、それらは、制御された情況では、低温でのヘテロ三量体化における有用な試薬であり得る)。
アミノ酸配列変異体は、野性型と比較して、例えば1つ又はそれ以上のアミノ酸の付加、置換、挿入又は欠失により、1つ又はそれ以上の変化を包含する。このような変化はすべて、三量体を形成するポリペプチドの能力をなくすべきではないが、変化の性質によってこの能力を増大又は低減することがある。誘導体は天然ネック領域に比して、いくつかの化学的修飾を有する。この例としては、炭化水素構造、核酸、又は他の化学化合物、特に抗原として用いられるもの、あるいは他の化学的又は生物学的相互作用、例えば配位子−受容体相互作用に用いられるものの化学的又は酵素的付着が挙げられる。
発現系においてポリペプチドの産生に用いられる適切なコード化核酸を提供し、操作することにより、野性型と比較して、アミノ酸配列に対する変化がもたらされる。本発明はさらに、本明細書に開示したように、三量体を形成し得るポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列を包含し、コレクチンのネック領域、そのアミノ酸配列変異体又はその誘導体、あるいはコレクチンSP−Dのネック領域と同じであるか又は同様のアミノ酸パターン及び/又は疎水性プロフィールを有し、異種配列のアミノ酸と融合するアミノ酸の配列を包含する核酸を提供する。
核酸は、ポリペプチドの発現のためのコード化配列と操作可能的に連結した適切な調節配列を包含し得る。コード化配列からの発現は、調節配列の制御下にあると言われている。
さらに本発明は、上記のような核酸を包含するベクター、特にコード化ポリペプチドが適切な条件下で発現されるあらゆる発現ベクター、及びこのようなあらゆるベクター又は核酸を含有する宿主細胞を提供する。
本発明のポリペプチドを生成する便利な方法は、それをコードする核酸を発現することである。したがって、本発明はさらに、in vitro又はin vivo でポリペプチドをコードする核酸からの発現を含む本発明のポリペプチドの製造方法を包含する。核酸は、発現ベクターの一部である。発現は、ポリペプチドを発現させる又は発現を可能にする条件下で、適切な核酸を含有する宿主細胞を増殖させることにより成し遂げるのが便利である。
種々の異なる宿主細胞中のポリペプチドのクローニング及び発現のための系は、十分公知である。適切な宿主細胞としては、細菌、哺乳類細胞、酵母菌及びバキュロウイルス系が挙げられる。異種ポリペプチドの発現に関する当業界で利用可能な哺乳類細胞株としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、ハムスター乳仔腎臓細胞及びその他多数が挙げられる。一般的な好ましい細菌宿主は大腸菌である。
プロモーター配列、ターミネーター断片、ポリアデニール化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子及びその他の配列を含めた適切な調節配列を、適宜、含有する適切なベクターを選択し、又は構築する。ベクターは、適宜、プラスミド、ウイルス性の例えば「ファージ」、又はファージミドである。さらに詳細には、例えばMolecular Cloning: a Laboratory Manual: 2nd edition, Sambrook et al., 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press を参照されたい。例えば、核酸構築物の製造における核酸の操作、突然変異誘発、シーケンシング、細胞中へのDNAの導入及び遺伝子発現、並びにタンパク質の分析のための多数の公知の技術及びプロトコールが、Short Protocols in Molecular Biology, Second Edition, Ausubel et al., eds., John Wiley & Sons, 1992 に詳述されている。Sambrook等及びAusubel 等の開示は、参照により本明細書中に含まれる。
したがって、本発明のさらなる局面は、本明細書中に開示されているように、核酸を含有する宿主を提供する。さらに別の局面は、このような核酸を宿主細胞中に導入することを包含する方法を提供する。導入は、利用できるあらゆる技術を用い得る。真核細胞に関しては、適切な技術としては、レトロウイルス又は他のウイルス、例えばワクシニア、又は昆虫細胞に関しては、バキュロウイルスを用いたリン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン、電気穿孔法、リポソーム媒介トランスフェクション及び形質導入が挙げられる。
導入後は、例えば遺伝子の発現のための条件下で宿主細胞を培養することにより、核酸から発現させるか又は発現を可能にする。
一実施態様では、本発明の核酸を宿主細胞のゲノム(例えば染色体)中に組み込む。組込みは、標準技法にしたがって、ゲノムを用いて組換えを促す配列の含入により促進される。
発現後、ポリペプチドは三量体化されるか又は三量体化が可能になる。これは、単離の前後である。
SP−Dのネック領域に認められるαらせんのピッタリ会合された三量体は、われわれの知る限り、セルフアッセンブリー構造モチーフ、即ちコラーゲン三重らせん構造に対するC末端の最初の例であり、これはジスルフィド架橋の形成を伴わない。さらに、われわれの知見は、反復するGly−Xaa−Yaaトリプレットのコラーゲン配列は鎖間認識のための付加的タンパク質配列、及び無傷三重らせんへの折り畳みを開始するためにそのC末端での会合を要するが、ねじれ形のコラーゲンらせんを形成するために正しい登録簿で3つの鎖を並べるために、この会合それ自体はねじれ形方式であらねばならないというわけではない。本発明は、三量体の他に二量体及び四量体を形成するペプチドを多量体化する従来技術を上回る利点を有するとも考えられる。
このセルフアッセンブリドメインのサイズの小ささ、並びにジスルフィド架橋の要件の欠如は、そのコラーゲン配列の起源と無関係な、Gly−Xaa−Yaaトリプレットで構成されるあらゆるコラーゲンポリペプチド配列の会合及び登録された整列における「ネック領域」ペプチドの使用を特に可能にする。Gly−Xaa−Yaaトリプレットのコラーゲン三重らせん配座の形成を開始するためのあらゆるコラーゲンポリペプチド配列のC末端でネック領域ペプチドを用いることは実行可能である〔3〕。しかしながら、コラーゲン構造の安定性は、トリプレットの数及び三重らせん領域のN末端でのペプチド構造の性質に依っている。さらに、三重らせんの安定性を大いに増強するためのYaa位置におけるプロリン残基のヒドロキシル化が示されている〔24〕。三重らせん形成を開始するためのネックペプチドの使用により、コラーゲン構造の安定性に影響を及ぼすこれらの因子の相対的重要性が分析できるようになる。
したがって、本発明は、コラーゲン三重らせんの「播種」の方法におけるコレクチンのネック領域あるいはそのアミノ酸配列変異体又はその誘導体を本質的に包含するか又はそれから成るポリペプチドの使用を提供する。好ましくは、ポリペプチドは、C末端で(おそらくはリンカーを介して)コレクチンの「ネック領域」あるいはそのアミノ酸配列変異体又はその誘導体に融合される一連のコラーゲントリプレット(Gly−Xaa−Yaa)、もしくはコレクチンSP−Dのネック領域と同一の又は同様のアミノ酸パターン及び/又は疎水性プロフィールを有し、ネック領域に対するアミノ酸C末端を有さず又はネック領域に対する異種アミノ酸C末端を有するアミノ酸の配列から成る。「ネック領域」(即ち、本明細書に開示されているような「アミノ酸の一次配列」)は、ポリペプチドのC末端に存在するか、又は付加的C末端アミノ酸が存在するが、但し、ポリペプチドは全体として非天然性である。
コラーゲン三重らせんの播種方法は、このようなポリペプチドを三量体化させるか又は三量体化を可能にすることを包含する。それは先ず、そのコード化ヌクレオチドからの発現によるポリペプチドの産生を包含する。本発明は、このような核酸、ポリペプチドが発現される発現ベクターを含めたこのような核酸を包含するベクター、及びこのようなベクター又は核酸でトランスフェクトされる宿主細胞を提供する。ポリペプチドの産生は、ポリペプチドが発現される条件下でポリペプチドをコードする核酸を含有する宿主細胞を増殖させることを含む。クローニング及び発現等のための系は、上記で考察されている。
三量体化後に、例えばその後の使用及び/又は操作のための三量体の単離を行う。
本明細書中で実験により立証されたように、ネック領域ペプチドを用いてネック領域のどちらかの末端で明瞭な特性を保有する1つ又はそれ以上のアミノ酸を有するポリペプチドを生成し得るし、ヘテロ三量体化を用いて、これらの特性を、ネック領域を含有する別々に生成されたポリペプチド中の他のドメインにより保有されるものと併合し得る。
例えば、一本鎖抗体は、発現系中でネック領域を有する融合ポリペプチドとしてそれを生成することにより三量体化し得る。抗体又はその断片の融合は、scFvを含めて、細胞表面分子、例えばCD8、CD4又はTCRδに対して指示される。三量体分子は、ネック領域を含有しない単量体形態より高いそのそれぞれの配位子に対する結合活性を有するべきである。加熱(例えば約50℃に)及び冷却(例えば周囲温度)の穏やかなヘテロ三量体化技術を用いて、個々の三量体を解離し、再会合して、ヘテロ三量体複合体を産生し得る。これらの複合体は、個々の個体配位子に対して弱い親和性を有するが、しかし2つ又はそれ以上のそれぞれの配位子を示す実体に対する強い結合活性を有する。例えば、三量体化抗CD4、抗CD8及び抗γδ TCR scFv分子は、CD4、CD8及びγδ TCR陽性である実体に対して強結合活性を有する。したがって、一次、二次及び三次結合特異性のあらゆる組合せを有する分子を用いて、ヘテロ三量体を生成し得る。
特異的認識がポリペプチド中のネック領域の一端、例えばC末端に関与するだけである場合、ネック領域の他端、例えばN末端は、付加的機能のために、例えば薬剤の標的化又は診断的検出に用い得る。
ホモ又はヘテロ三量体化のさらなる適用としては、以下のいずれの使用をも含み得る:
(i)受容体のための、ペプチド−配位子、特に低親和性結合(例えば、ニューロペプチド、インターロイキン)。
(ii)抗原。
(iii)活性化時に反応性である化学的化合物、例えば近接した場合に特異的に又は一般的にタンパク質のようなあらゆる分子と反応する光活性化可能な化学的架橋剤。ネック領域ペプチドは、未知の受容体に対する特異性を有する配位子を保有する三量体の一部である。受容体との特異的結合後、架橋剤はUV活性化され、配位子−受容体複合体に隣接する分子だけが架橋され、したがって同定される。
(iv)有機化合物、例えばカフェイン、モルヒネ(例えば研究、診断又は治療的使用のための)。
(v)特に薬剤研究における有力な阻害剤のスクリーニングのための低親和性結合ドメイン。
(vi)pH、CaCl2 濃度又は診断及び研究に関連したその他のもの。
(vii)炭化水素結合ドメイン。
(viii)例えばレクチンに関する結合及び/又は研究のための炭化水素。
(ix)脂質含有構造(これらは、例えば活性分子を含有するリポソーム中への取込みのためにN末端にあり、三量体化ポリペプチドはネック領域の末端、例えばC末端に特異性指示ドメインを有する)。
(x)DNA又はRNAあるいは誘導体(これは、一つ以上のタンパク質が例えば染色体中の特異的部位で作用するよう指示される場合、又はのエフェクター酵素へのDNAの簡単な化学的付着ガその機能に影響を及ぼす場合に有用である。DNA−DNA相互作用(ネック領域の末端のDNA及び染色体中のDNA)がネック領域ペプチドより高い解離温度を有する場合(これは大いに考えられる)には、異なる機能性ポリペプチドを初期DNA認識後に付加し得る。これはin situ ハイブリダイゼーションと同様の方法で用い得る。この場合、蛍光タッグヲオリゴヌクレオチドに付加して染色体上の遺伝子の位置を顕微鏡で見えるようにする。したがって、ネック領域DNAプローブを、通常約65〜75℃で規定遺伝子の位置で例えばヒト染色体とハイブリダイズする。次いで、溶液を約50℃に冷却し、未ハイブリダイズプローブを洗い落とす。その後、約50℃のままで、適切な条件がもたらされた場合にはどこでも切断するDNA切断ポリペプチドを含有する別のネック領域ポリペプチドを付加する。例えばATP及びS−アデノシルメチオニンの付加。可溶性付加ネック領域酵素融合タンパク質及び「固定化」DNAネック領域分子を次に溶液を冷却してヘテロ三量体化させ、十分洗浄後、補因子を付加する。ここで酵素は活性であるが、しかしハイブリダイゼーションの部位で切断するだけである。これは、特に問題の酵素がDNA−DNAハイブリダイゼーションを実施するのに必要な温度を保てないが、しかし穏やかにヘテロ三量体化される場合にはその活性を保持し得る場合に、非常に有用である。あるいは、二次ネック領域融合タンパク質も、特異的DNA配列を含有するDNAの単離のための精製タッグを含有し得る。機能性タンパク質ドメインのその認識部位への供給遅延による特異的DNA認識系は、他の環境、例えばin situ ハイブリダイゼーション、ゲノムライブラリー構築(ヒトゲノムプロジェクト)、in vitro検定又は非放射性診断で用い得る)。
(xi)ネック領域は固体マトリックスに付着される(来れは例えば、ネック領域を含有する組換え体タンパク質を可逆的に固定化するための調査道具として有用である)。固定化(好ましくはN末端を介して)ネック領域を含有する樹脂を、約25℃で亜生理学的イオン強度で、例えば一本鎖抗体を含有する組換え体ネック領域融合ポリペプチドと混合し、ヘテロ三量体化し得る。樹脂上のネック領域分子当たり2個の一本鎖抗体分子を結合させて、溶媒に対して配向させる。その時、樹脂は正常親和性マトリックスと同様に用い得るが、しかし、例えば約50℃で一本鎖抗体ネックペプチドを放出し、新規のネック領域ペプチド含有分子で再負荷することにより、異なる分子にも用い得る。)
(xii)酵素(特に、ある反応の生成物が次の酵素のための基質であるように、その後含まれる同一反応経路の酵素)。酵素の近くに位置すると、拡散路が短いために利点が生じて、副作用の可能性が低減される。さらに、3つのポリペプチドのうち1つのネック領域を介した酵素の固定化も、例えば酵素又はカラム上の反応物を容易に除去できる利点を生じる。この利点は、約50℃で余分量のネック領域−樹脂と混合し、冷却し、樹脂を除去することにより、溶液の残りから取り出すことができるヘテロ三量体又はホモ三量体酵素複合体によっても得られる。適用例としては、分子生物学に用いられる酵素がある。というのも、基質及びその作用の生成物が主として非常に(熱)安定性のDNA分子であるためである。
(xiii)共有結合三量体を生成するために、システイン残基を配列のどちらかの末端又は両端に付加し得る。システインを含有する正しい配列は、FACITコラーゲンから得られる。このうちのいくつかは、コラーゲン構造の直後でジスルフィドを介して三量体に結合され、したがってそれらの配列の1つをネック領域のN末端に転移させ得る。これは、全体的形状に影響を与えずにペプチド三量体の安定性をさらに増大するための使用である。
以下の図面を参照しながら、実施例により本発明をさらに説明する。
本文に記載した文献はすべて、参照により本明細書中に含まれる。
実施例1
コレクチンネック領域の三量体化
図1(a)は、ヒトSP−Dの構造を示す。168bpDNA断片は、7つのGly−Xaa−Yaaトリプレット及びC型レクチンドメインへと続くネック領域の35の非コラーゲン様残基をコードした。それはpGEX−2T細菌発現ベクター中でクローニングされ〔9〕、挿入物の正しい配向は制限消化により確認された。グルタチオン−S−トランスフェラーゼ/ネック領域ペプチド融合タンパク質の高レベルの発現は、IPTGによる誘導の6時間後に得られた。親和性精製融合タンパク質のトロンビン消化は、N末端に付加的Gly−Ser−Proトリプレットを、C末端にGly−Ile−Pro−His−Arg−Aspを有し、pGex−2T中に存在するポリリンカーを示す2つのポリペプチド、即ちグルタチオン−S−トランスフェラーゼ及びネック領域ペプチドを生じた。培養1リットル当たり組換え体ペプチド14mgを3工程精製手順で精製した。ペプチドは、800 mM NaClでHighLoad-Sカラムから単一ピーク中に溶離した。ペプチドの純度は、SDS−PAGE分析、残基1〜46のN末端配列、及びレーザー脱着質量分光(データは示さず)により確証した。
ペプチドの二次構造を測定するために、遠紫外線CD測定をコラゲナーゼ処理ネックペプチドに関して実施した(図2(a))。スペクトルは193 nmで強い正の値を示し、208 及び223 nmで2つの負の値を示し、これはαらせん構造の予測プロフィールと一致した〔10〕。構造は温度の上昇に伴って消失し、55℃で熱変性遷移が観察された。
SP−Dタンパク質内のネック領域の位置はαらせんの平行配向を示唆し、ペプチドのアミノ酸配列は疎水性残基を反復7つ組パターンで含有するので、3つのαらせんは二重コイルで会合し、疎水性残基はらせん間に界面を形成する(図1(b))〔11〕。
非解離条件下でサイズ排除クロマトグラフィーを用いて、65残基長ペプチドは、21〜24kDa の見かけの分子量を有する単一ピークとして動いた。SDS−PAGE分析は、6 kDa の一本鎖サイズを示したが、しかしながら架橋試薬との反応に際しては、反応完了時に21kDa の単一タンパク質種が検出されたが、一方6 、13及び21kDa に対応するタンパク質バンドは特に架橋反応で観察された(図3及び4)。高度オリゴマーは観察されなかった。したがって、発現される領域は、三量体を生成するのに十分である。
ペプチドの3番目のN末端の7つのGly−Xaa−Yaaトリプレットが三量体の生成にいかに関与しているかを調べるために、コラゲナーゼ消化を実施し、その結果生じたペプチドの分子量は4kDaに低減していた。N末端シーケンシングにより、コラーゲントリプレットはすべて除去されていたことが示された。しかし、これは残りのペプチドが溶液中で安定三量体を形成する能力を低減しなかった(図4)。
両ペプチドは、熱変性(リン酸緩衝化食塩水中で98℃で20分間)後でさえ三量体複合体中に再集合することが判明した。消化されたコラゲナーゼの種々の部分と無傷ネットペプチドを混合した後、熱変性し、冷却すると、複合体に対するヘテロ三量体化を予測化学量で生じた(図5及び6)。したがって、C末端35残基は、三量体複合体中での安定非共有可逆的会合を媒介するのに十分であった。
ネック領域ペプチド不均一核単一量子コヒーレンスの完全構造測定を得るために、15N標識化ペプチドに関する(1 H,15N)NMRスペクトルを収集し、各残基に対して一磁気環境のみを示した。ペプチドは三量体として存在するので、そして3つのαらせんのいずれかの内の各残基は他の鎖における対応する残基として同一磁気環境を示すので、αらせん束の構造は3倍対称性を示さねばならない。したがって、ネックペプチドはインフルエンザヘマグルチニンの三量体柄と同じオリゴマー構造をとる〔13〕が、しかしウイルス柄領域ペプチドと異なって、SP−Dペプチドは広範囲に及ぶpH値(3.0 〜9.5 )で三量体構造を形成した。観察された3倍対称性は、3つのらせんの非ねじれ形及び平行会合を立証し、スペクトリン分子に関して最近立証された抗平行らせんのねじれ形整列〔14〕に対比される。したがって、意外にも、平行及び非ねじれ形左回り超らせん中の3つの右回りαらせんは、左回りらせんの右回りコラーゲン超らせんの形成のための核形成部位として役立つ。関与する3つのポリペプチド鎖は同一であり、コラーゲンらせん及びαらせん束は直接連接して位置するので、SP−D分子のこの領域はペプチド構造の急な屈曲を含有する必要がある。
実施例2
ネック領域ペプチドのN末端との融合によるヒトSP−DのN末端ドメインの三量体化
緩衝液Nru1中の4単位のNru1(New England Biolabs )で、次いで緩衝液J中の5単位のSma1(Promega )で、25℃で4時間、制限酵素消化によりプラスミドを含有する元のcDNA 10μg からヒトSP−Dのコラーゲン領域をコードするDNA配列を取り出し、456bp断片を切り出して、この融合ペプチドのための発現プラスミドを生成した。マジックminiprepDNA精製樹脂(Promega )を用いて残りのプラスミドを精製し、再結紮して、大腸菌のBL21菌株のコンピテント細胞中で形質転換させた。ポリメラーゼ連鎖反応を用いて、SP−DのN末端ドメインのN末端にBamH1制限酵素部位を生成した。その結果生じたPCR生成物をBamH1及びBal1で切断して、84アミノ酸(N末端ドメインの28及びネック領域の56。2つのドメイン間の7トリプレットコラーゲンリンカーを含む)をコードする開放読取り枠を生じた。ポリペプチドを、図7に示したグルタチオン−S−トランスフェラーゼ−N末端−ネック領域融合タンパク質として生成した。
組換え体プラスミド pGex−2T−N末端−ネックを有するBL21の個々のコロニーを同定して、IPTGによるタンパク質発現の誘導後に予測サイズ(34kDa )の組換え体融合タンパク質を発現させた(実施例1参照)。Highload S 陰イオン交換クロマトグラフィー上でのN末端- ネック領域タンパク質の同様の振る舞いにより、ネック領域ペプチドに関して概略を上記したように、大規模タンパク質生成を実施した。
要するに、IPTGを用いてタンパク質発現を誘導した。61の細菌培養の細胞を0℃で5k rpm での遠心分離により収穫し、100mM Tris-Cl, pH 8.0、200 mM NaCl、20mM EDTAから成る緩衝液中に再懸濁し、氷上で2分間の音波処理により細胞を溶解した。細胞屑を0℃で30分間19k rpm で回転させて沈め、上清をグルタチオン−アガロースアフィニティーカラムに入れて、溶解緩衝液で平衡させた。0.2 % (w/v )Emulphogen(ポリオキシエチレン−10−トリデシルエーテル)を含有する溶解緩衝液を用いて、280 nmでの吸光度が再び開始値に達するまで、樹脂を洗浄した。溶解緩衝液中の20mMグルタチオン(還元形態)を用いて結合タンパク質を溶離し、融合ペプチド1 mg 当たり10単位のトロンビンを付加して、37℃で10時間この緩衝液中でトロンビン消化を実施した。次に、1M クエン酸ナトリウム緩衝液を、次いで1M HClを加えてpHを3.0 に調整して、pH 3.0の100 mM クエン酸緩衝液を生じた。この段階で、グルタチオン−S−トランスフェラーゼを含有する白色沈殿を遠心分離(0℃で30分間19k rpm )により除去し、Waters FPLC systemを用いて、陰イオン交換クロマトグラフィーのために上清をPharmacia Highload S カラムに適用した。N末端ネック領域ペプチドは単一対称性ピークで450 mM NaClで溶離し、SDS- PAGE分析及びクーマシーブルー R−250染色で判定して夾雑タンパク質を含有しないことが示された。精製ペプチドをPBSに対して透析して、3kDa cut-off centricon cartridge を用いて濃縮した。PBSに溶解した最終濃度1mg/ml のペプチドの溶液25mlを回収した。これは、細菌培養1ml当たり4mgの組換え体タンパク質分解処理ペプチドの収率を示す。ペプチドの純度並びにそのサイズをSDS−PAGE分析を用いて測定し、分子量約8kDa という値を得た。
ネック領域ペプチド単独に関して上記したように架橋実験を実施した。その結果を図8に示す。共有結合架橋剤の非存在下で、ペプチドは約9kDa の単一ポリペプチド種として振る舞うが、しかしながら、架橋条件下では、部分的架橋化複合体中の二量体及び三量体ポリペプチドに対応して、そして溶液中に存在する完全架橋化三量体複合体に対して、18kDa 及び約29kDa の付加的バンドが見える。したがって、ネック領域は、ネック領域配列のN末端に融合去れた異種タンパク質ドメインを三量体化した。
実施例3
ネック領域のC末端に位置するヒトSP−DのC型レクチンドメインの三量体化
これらの試験の他に、非融合ポリペプチドを生成するタンパク質発現系を用いて、ネック領域ペプチドの三量体化特徴のさらに正確な図を示した。
pETシリーズの発現ベクター(Studier and Moffat, 1986)を用いて、タンパク質発現の誘導物質としてIPTGを用いて大腸菌における非融合タンパク質の高レベル細胞内産生を生じた。SP−D−ネック−レクチン及びSP−D−レクチンタンパク質の産生のためのプラスミドpET 3aを用いるために、SP−D由来ポリペプチドをコードするDNA挿入物を、制限酵素BamH1及びEcoR1を用いてpGex−2Tベクターから切り出して、その結果生じた断片をpBluescriptプラスミドのクロラムフェニコール耐性保有型 pBCSKに結紮し、BamH1及びEcoR1で線状化し、ホスファターゼ処理した。その結果生じたプラスミド(マジックミニプレップ法及び制限酵素消化を用いてそれぞれの挿入物を含有することを確認された)を制限酵素の組合せXba1及びEcoRVで消化した。これにより、Nhe1及びEcoRVで消化されたpET−3aプラスミドに対する適合性末端を有する断片が生じた。したがって、ネック領域及びレクチンドメイン又はSP−Dのレクチンドメインのみをコードする両DNA断片を融合タンパク質から転移させて、2工程手順でpET系に対する発現系を生成した。各構築物のN末端に導入された別の残基は、組換え体タンパク質のオリゴマー化又は炭化水素構造との結合に影響を及ぼさないと思われるため、最小の影響を有すると考えられる(図9)。IPTGを用いて両ポリペプチドを誘導し、慣用的FPLCクロマトグラフィーによる細胞の溶解後に精製した。組換え体ポリペプチドはどちらも最初の精製工程中にpH9.0 でFastFlow Q−Sepharose(Pharmacia )と結合することが判明しているため、MonoQ(レクチンドメイン)及びMonoS(ネック−レクチンドメイン)カラム(Pharmacia )上でさらに次の精製を成し遂げた。
精製タンパク質を4℃でPBSに対して透析し、標本(50μl )を12.5% SDS−PAGEゲル上で分析した。ビス−(スルホスクシニミジル)−スベレートアミノ反応性架橋剤を2つの異なる濃度で加え、これらの標本に対応するレーンで検出されたタンパク質バンドから、そのオリゴマー状態の点で異なる2つのタンパク質が明示された(図10)。C型レクチンドメインは溶液中で単量体のように振る舞うことが判明したが、ネック−レクチンドメインは溶液中の三量体分子の予測架橋パターンを示した。したがって、ネック領域は、ネック領域なしで単量体分子を生成することが示されているヒトSP−DのC型レクチンドメインの三量体化を媒介する。三量体化レクチンドメインはさらに親和性マトリックスマルトース−アガロースとより強力に結合することが判明したが、一方単量体レクチンドメイン(ネック領域を含まず)は弱い親和性を示した(データは示さず)。
ネック−レクチン分子中の3つのレクチンドメインがヒトSP−Dの単一「棒」中に存在するレクチンドメインとして炭化水素に対するその結合部位の同一間隔を有すると予測されるため、発現された2つのタンパク質はヒトSP−Dに関する本来の炭化水素配位子の試験のための有益な道具を提供し得る。これらの結果は、ネック領域ペプチドと融合した異種タンパク質ドメインが三量体複合体を形成することを示す。
組換え体ネック−レクチンポリペプチド 20μg を25℃でネック領域ペプチド 40μg と混合した。PBSで平衡させたFPLC Superose 12 (Pharmacia )サイズ排除クロマトグラフィーカラムを用いて、混合物を分析した。残りの溶液を50℃に30分間加熱し、次いで20分間室温に放置して冷却した。次に溶液 100μl を同一のSuperose 12 カラム上で分析した。
両操作の溶離プロフィールを図11に示す。ネック領域ペプチド及びネック−レクチンポリペプチドのそれぞれのホモ三量体のサイズに対応した2つの明白なピークが最初の操作で検出された(図11A a)が、一方熱処理ペプチド混合物のプロフィールは変わらなかった(図11A b)。ネック−レクチンホモ三量体に対応する一次ピークは、小サイズに対応して後期溶離時間に移動した。ネック領域ペプチドホモ三量体により生じた二次ピークはその元の位置に留まったが、高さが低減した。このことは、ネック領域ペプチドホモ三量体の量の低減を示す。移動した一次ピークは、ヘテロ三量体複合体として一緒に保持される2つのネック領域ペプチド及び1つのネック−レクチンポリペプチドから成ることが架橋実験(データは示さず)で判明した。
したがって、ヘテロ三量体化は、両ポリペプチドの配列内に含まれるネック領域−αらせんを介して生じていた。ヘテロ三量体化実験の開始時にネック領域ペプチドホモ三量体が過分の大きな分子は反応を行わせて2つの三量体複合体のみ、即ちネック領域ペプチドホモ三量体及び1つのネック−レクチンポリペプチドと2つのネック領域ペプチドによる単一種のヘテロ三量体を産生した。実験開始時のネック−レクチンホモ三量体の濃度増大は、反応を他端まで進め、その結果、再形成中のネック−レクチンホモ三量体、並びに2つの分子ネック−レクチンポリペプチド及び1つのネック領域ペプチドから成る単一種のヘテロ三量体複合体を生じる(データは示さず)。
実施例4
コラーゲン三重らせん生成の核形成
2つのDNA構築物を作って、グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク質を生成した(実施例1参照)。57のトリプレットを有するネック領域ペプチド(図12)及びヒトSP−DのN末端非コラーゲン残基、並びにヒトSP−D由来のネック領域ペプチドを含有しない48のGly−Xaa−Yaaトリプレットは、ネック領域ペプチドを伴わずにグルタチオン−S−トランスフェラーゼと直接融合した。実施例1に略記したプロトコールを用いて、両融合タンパク質を生成し、精製した。
トロンビンでの切断前に、融合タンパク質を2M グリシン緩衝液,pH7.5 中で10倍に希釈し、次いで100 mMTris-HCl(pH 7.4)200 mM NaClに対して広範に透析した。溶液中のポリペプチドの熱安定性は、2 M グリシンの付加により大いに増強される〔24〕。
トロンビンによる消化及びその後のSDS−PAGE分析で、切断生成物のサイズに顕著な差が認められた。グルタチオン−S−トランスフェラーゼ及び48Gly−Xaa−Yaaトリプレットから成る融合タンパク質は、長さの異なる多数のペプチドを生じただけで、これはコラーゲン配列内にアルギニン残基を包含するペプチド結合のトロンビンによる高頻度に発生した切断を反映している(データは示さず)。これに対比して、57Gly−Xaa−Yaaトリプレットに対するネック領域ペプチドC末端及びヒトSP−DからのN末端非コラーゲンペプチドを含有するグルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合タンパク質は、2つの生成物、即ちグルタチオン−S−トランスフェラーゼ並びにネック領域ペプチド及び付着したヒトSP−DのN末端ペプチドを有する全コラーゲン領域への一回切断のみを示した(図14)。一次構築物の48Gly−Xaa−Yaaトリプレットは二次構築物の57Gly−Xaa−Yaaトリプレット中に含まれたので、いかなるアルギニン残基でもトロンビン切断が認められないのは、コラーゲン三重らせん構造の存在と一致する。
コラーゲン三重らせんの形成(図13)は、円二色性〔25〕、多元的NMR〔26〕及び電子顕微鏡〔27〕により検出し得る。
観察された三重らせんの安定性の増大におけるヒトSP−DのN末端非コラーゲン領域の関与を実験した。コラーゲン配列のN末端の天然二重コイルがマクロファージフカベンジャー受容体中に観察されるので、タンパク質工学的処理技術を用いて、短ペプチド配列をネック領域ペプチドのコラーゲン領域N末端のN末端に付着させる。これは、合成されたオリゴヌクレオチドとのポリメラーゼ連鎖反応、及び既にネック領域をコードするDNAを保有するその後のpGEX−2Tベクター中の融合タンパク質併合部位への結紮の使用を包含する(実施例1参照)。
その結果生じた一連の精製組換え体ペプチドを、アミノ反応性化学的架橋剤をSDS−PAGE及びサイズ排除クロマトグラフィーと組合せて用いて、三重らせんペプチドの正しい整列に関して試験した。次に2〜3個の適切なペプチドを15N同位元素標識化して、多元性NMRを用いて熱安定性を分析した。この段階で、融解温度に及ぼすトリプレット数の影響を、同様の方法で、コラーゲンコードDNAの長い一続きをその後挿入することにより調べた。
実施例5
ネック領域ペプチドを用いて三量体化する場合のSP−DのC型レクチンドメインの結合の増大
ヒトSP−Dタンパク質をコードするcDNAを含有するpBluescriptプラスミドを制限酵素Sma1及びEcoR1、並びにMsc1及びEcoR1で消化して、それぞれ532bp及び364bpのDNA断片を生じた。両断片をpGex−2T発現ベクター中でサブクローニングし、制限酵素Sma1及びEcoR1で線状化した。この指向性クローニング操作により、2つの発現プラスミド、即ちpGex−2T−ネック−レクチン及びpGex−2T−レクチンが生成した。これらを大腸菌BL21株中で形質転換させた。IPTGを用いてタンパク質発現を誘導し、クローンを同定して予測サイズの、即ちpGex−2T−ネック−レクチンに関しては43 kDa及びpGex−2T−レクチンに関しては37 kDaの組換え体タンパク質を産生させ(図15)、これらを用いて上記のように融合タンパク質を含有するグルタチオン−S−トランスフェラーゼの大規模生産を開始した。
音波処理による細胞溶解後、遠心分離により細胞屑を除去して、上清の一部(元の細菌培養100 mlに対応して)を未キレート化カルシウムに関して5mMとし、溶液を100 mMTris-Cl 、150 mMNaCl、5 mMCaCl2 、1mMNaN,pH7.5 中で10倍に希釈した。その結果生じた溶液を4℃で一夜、10lの同一緩衝液に対して透析し、遠心分離により幾つかの付加的生成沈殿物を除去後、タンパク質溶液を10ml/時で同一緩衝液で平衡させたマルトース−アガロースカラムに通した。カラムを緩衝液 50mlで洗浄し、100 mM Tris-Cl 、150 mM NaCl, pH 7.5に溶解した 20 mMEDTAを用いて、結合タンパク質を溶離した。
標本(50μl )を12.5 % SDS−PAGEゲル上で分析したが、約43 kDaのpGex−2T−ネック−レクチンコード化タンパク質だけがこの方法で精製できた。明らかに、グルタチオン−S−トランスフェラーゼと融合したC型レクチンドメインのみを含有する融合タンパク質は、用いた条件下で固定化マルトースと結合できなかった(図16)。この観察は、3つの同一ポリペプチド鎖を、平行配向で集合させ、したがって隣接C型レクチンドメインの結合特性を増強する場合におけるネック領域ペプチドの疑わしい役割と一致する。
実施例6
一本鎖抗体の三量体化
ハイブリドーマ細胞株OX35〔15〕から調製される全RNAをcDNA−PCR〔16〕のための鋳型として用いて、ハイブリドーマ細胞が分泌する抗CD4モノクローナル抗体のL及びH鎖の可変部をコードするDNAを生成した。400 bp長の両断片をpBluescript SKベクター(Stratagene)中でクローニングし、次いで半硬質リンカーペプチド(GGGGS)3 をコードする合成DNA断片を用いて併合し、VL 及びHL ドメインの対が確実に正しくなるようにした〔17〕。DNAのジデオキシシーケンシングにより、構築物の配列を確証した。
次に、GGGGS−リンカーにより連結される2つの可変IgGドメインをコードするDNA断片を、既にネック領域ペプチド遺伝子を保有する(実施例1参照)pGEX−2Tベクター中でクローニングして、一本鎖抗体、並びにグルタチオン−S−トランスフェラーゼ及びネック領域ペプチドから成る融合タンパク質 GT−OX35−scAb−ネック(55kDa の予測分子量を有する)を生じた。一本鎖抗体コード化DNAをさらに、ネック領域ペプチド遺伝子を用いずにpGEX−2T単独中にクローニングして、グルタチオン−S−トランスフェラーゼと融合するOX35−scAbをコードする開放読取り枠を生じた(50kDa の融合タンパク質を生じる)。構築された両発現ベクターを大腸菌BL21細胞中で形質転換させた(図17参照)。
発現レベルは、ネック領域ペプチド単独で得られたもの(実施例1)と同様であることが判明した(図18参照)。しかしながら、精製プロトコール後、実施例1に略記したように、融合タンパク質のほとんどが不溶性で、可溶性にし、グルタチオン−アガロースアフィニティーカラムを用いて精製できたのは低比率の一本鎖抗体融合タンパク質だけであった。トロンビンによる切断時に、SDS−PAGE分析を用いて、予測されるサイズの断片を検出した。少量の小断片も観察された。
ポリペプチドを含有する一本鎖抗体を精製し、SDS−PAGE分析で、OX35−scAbに関しては25kDa 、OX35−scAb−ネックポリペプチドに関しては30kDa という見かけの分子量を得たが、しかしながらサイズ排除クロマトグラフィーを用いた場合、OX35−scAb−ネックに関して見かけの分子量の増大が観察され、一方、OX35−scAbはサイズ排除カラムで25kDa ポリペプチドの予測された振る舞いを示した。
化学的架橋実験は、スクロース密度遠心分離分析と同様に、OX35−scAb−ネックポリペプチドのオリゴマー状態を確定する。ゲル濾過分析で観察された結果だけを基にした概算は、三量体分子の存在を示した。ELISA及びBiaCore Plasmon Resonance〔19〕分析における固定化組換え体CD4〔18〕を用いた三量体及び単量体scAbに関する親和性測定を実施し得る。発現抗体構築物の収率及び構造的均一性の実質的改良は、ジスルフィド含有分子の発現を促進することが公知の〔21〕、細菌封入体からの組換え体タンパク質の精製〔20〕又は酵母菌発現系の使用に関する確立されたプロトコールにしたがって得られる。
図1(a)は、ヒトSP−Dのネック領域ペプチドの位置選定を示す略図である。ヒトSP−Dは、4つの棒様構造に集合する12の同一ポリペプチド鎖(各々356アミノ酸)から成り、その棒様構造は各々、残基26〜202に及ぶ三重らせんのコラーゲン構造を形成する3つの鎖で構成される。分子のC末端は、ネック領域を介してコラーゲンドメインに連結するC型レクチンドメインを含有し、一方N末端は、三量体の四量体へのオリゴマー化に関与する。ヒトSP−Dタンパク質内のネック領域の位置及び実施例1に示したようなネック領域ペプチドの配列。a−らせん二重コイルの「a」及び「d」位置を示す。(b)ネック領域ペプチドのa−らせん輪図。図は、「a」位置のN末端バリン残基で開始するらせん軸を下る。 図2は、コラゲナーゼ消化ネック領域ペプチドの二次構造の熱安定性の円二色性分光分析を示す。ペプチド溶液(210 nmでのOD読取り値を1.0 となるよう調整)を含入する石英浅鉢を選定した各温度で15分間平衡させた。20℃で収集し、30mMリン酸緩衝液pH 7.4中に両ペプチドを溶解して、210 nmでUV吸光度が1.0 を示すよう調整したコラゲナーゼ消化(破線)及び無傷ネック領域ペプチドの円二色性分光プロフィール。両ペプチドに関してブランクベースラインを差し引いて、その結果得られた曲線を上から重ね描きした。スペクトルはほぼ同一で、波長207 nmで約−30 mdeg 、224 nmで約−20mdegという負の値を示し、これはαらせん構造から予測されるスペクトルとよく一致する。2(b):曲線は、約55℃での熱遷移を示す。しかしながら、この遷移は広範囲の温度で生じ、ネック領域ペプチドに関するより正確な融解温度を確定するにはさらなる実験データを要する。 図3(a)は、7残基(リシン)でネック領域ペプチド内に存在するアミノ基と反応させ、アミド結合を形成し、したがって6CH2 基により一定の間隔を開けられるポリペプチド鎖を共有結合させるために用いられる架橋剤ビス−(スルホスクシニミジル)−スベレートを示す。図3(b)は、7個のコラーゲンアミノ酸(ジグザグ形)を有する三量体化ネック領域ペプチド(管)の略図である。 図4は、漸増量のビス−(スルホスクシニミジル)−スベレートと反応させた精製コラゲナーゼ消化ペプチド(レーン5〜8)及び無傷ネック領域ペプチド(レーン1〜4)のSDS−PAGE分析(15% (w/v )アクリルアミドトリス−トリシン−グリセロールゲルのクーマシーブルーR−250染色)を示す。0mM(レーン1及び5)、3mM(レーン2及び6)、5mM(レーン3及び7)及び10mM(レーン4及び8)の架橋剤を、PBS40μl に溶解した定量(10μg )のペプチドとともに37℃で20分間インキュベートした後、標本をトリス含有SDS−PAGE負荷緩衝液中で沸騰させて、反応を停止させた。両ペプチドは、大きな集塊とならずに、そのそれぞれの三量体複合体に架橋し得る。コラゲナーゼ消化ペプチドの三量体を約16 kDaで動き、一方ネック領域ペプチド三量体は約22 kDaの分子量を示す。 図5は、SDS−PAGE(図6参照)で分析した架橋実験の略図である。レーン1の図は、コラゲナーゼ消化ペプチド及び無傷ネック領域ペプチドの両方の未架橋一本鎖ポリペプチドを示す。レーン2〜5は、架橋反応を示し、部分架橋反応後に分析したネック領域ペプチドを示すレーン2は、単量体、二量体及び三量体分子量を示す。レーン3は、コラゲナーゼ消化ペプチドに関する同一の分析を表し、レーン4は、架橋工程前に加熱冷却しない場合の両ペプチドの架橋反応の予測結果を示す。架橋反応前に加熱及び冷却を実施する場合には、ヘテロ三量体複合体は検出可能であるべきであり、レーン5には中間分子量を示す。 図6は、精製コラゲナーゼ消化ペプチド及び無傷ネック領域ペプチドのSDS−PAGE分析(15% (w/v )アクリルアミドトリス−トリシン−グリセロールゲルのクーマシーブルーR−250染色)を示す。PBS中で加熱及び冷却後に個々のペプチドを架橋し、2つのペプチド種を異なる比率で混合し(加熱及び冷却前)、その後架橋する。レーン1は、架橋剤を加えないそれぞれ1及び5μg のコラゲナーゼ消化ペプチド及び無傷ネック領域ペプチドを示す。5mMビス−(スルホスクシニミジル)−スベレートと反応させたネック領域ペプチドをレーン2及び3に示す。ペプチド溶液を99℃で20分間インキュベートした後、氷上で冷却し、その後架橋剤を付加した(レーン3)。コラゲナーゼ消化ペプチドとの同一反応をそれぞれレーン4及び5に示す。レーン3及び5のペプチドを加熱し、冷却した。レーン6〜9では、異なる量の2つのペプチドを加熱、冷却前に混合し、その後5mM架橋剤で架橋した。比率(ネック領域ペプチド:消化ペプチド)は、レーン6では1:1、レーン7では4:1、レーン8では1:4、レーン9では2:1である。バンド化パターンは、先ず加熱及び冷却が三量体複合体の架橋による検出を変えなかった、第二に、混合複合体が架橋されると、異なる複合体のポリペプチドは高温で解離され、それらは混合複合体中で再アニーリングし、そして第三に、これらのヘテロ三量体化反応は濃度依存的に行われる、ということを示す。 図7:pGEX−2T−N−末端ネック領域プラスミドは、トロンビンで切断されて図示されたペプチド配列を生じるグルタチオン−S−トランスフェラーゼ−N−末端ネック領域融合タンパク質の誘導(IPTGによる)を可能にする(下段はpGEXポリリンカー配列を示し、N末端配列に下線を付す)。DNA構築物は、pGEX−2T−N末端コラーゲンネック領域プラスミドのSma1及びNru1消化及びその後の適合性部位の再結紮によって得られた。 図8は、還元(レーン4、5、6)及び非還元(レーン1、2、3)条件下で漸増量の架橋剤と反応させた精製N末端ネック領域融合ペプチドのSDS−PAGE分析(15% (w/v )アクリルアミドトリス−トリシン−グリセロールゲルのクーマシーブルーR−250染色)を示す。ペプチド(50μl )を、PBSに溶解した0mM(レーン3及び6)、2mM(レーン2及び5)及び5mM(レーン1及び4)のビス−(スルホスクシニミジル)−スベレートとともに20分間インキュベートした後、1M トリス−Cl,pH 8.0 10μl を加えて反応を中止させた。反応がほぼ完了した時点で、約29 kDaのタンパク質種が検出され、一方、二量体ペプチド(約19 kDa)及び一本鎖N末端ネック領域ペプチド(9 kDa )に対応するバンドが不完全又は非架橋反応で検出された。非還元条件下では、ペプチドの約半分が二量体として動き、架橋反応において、還元標本と比較した場合、二量体及び三量体の量の増加が認められた。 図9は、融合タンパク質生成pGEX−2T系(a)からのネック領域レクチン及びレクチンコードDNA断片のpET3aベクターへの転移を示す。BamH1及びEcoR1を用いてDNA断片を切り出して、pBluescriptプラスミド中でサブクローニングし、これを同一酵素を用いて線状にした。その結果生じたプラスミドをトランスフェクト化NM554細胞から再精製後、Xba1及びEcoRVを用いてDNA断片を切り出して、Nhe1及びEcoRVで切断したpET3aプラスミド中に存在する部位に対する適合性末端を生成した。Nhe1部位をpET3a開放読取り枠の開始コドンに置いた。したがって、誘導されたタンパク質はその配列のN末端に融合相手を有しないが、しかしpBluescriptポリリンカー配列由来の7アミノ酸だけ保有する:MARTSGS。 図10は、ヒトSP−DのC型レクチンドメイン、及びpET−3aベクターを用いて組換え体タンパク質を発現するために誘導された細菌培養の溶解物から精製した場合のネック領域−レクチンドメインのSDS−PAGE分析(12.5% (w/v )アクリルアミドゲルのクーマシーブルーR−250染色)を示す。レーン1〜3はレクチンドメインに対応し、レーン4〜6はネック領域−レクチンドメインタンパク質を示す。漸増最終濃度のビス−(スルホスクシニミジル)−スベレートを用いて、タンパク質を架橋した。レーン1及び4の反応液は0mMの架橋剤を含有し、レーン2及び5は5mMに対応し、レーン3及び6は10mM架橋剤との反応の結果を示す。ネック領域含有タンパク質は架橋された三量体から成ることが示されるが、このような架橋可能なオリゴマーは、それ自体の上に発現されるレクチンドメインに関しては存在しない。したがって、ネック領域は三量体化を媒介し得るが、一方自己会合特性はヒトSP−D単独のレクチンドメインに関しては検出されなかった。 図11:(a)Superose 12 カラムを用いたヘテロ三量体化前(A)及び後(B)のネック領域ペプチド/ネック−レクチンタンパク質のサイズ排除クロマトグラフィー。カラムを平衡させ、PBS中で0.3 ml/分で動かして、UV検出器を280 nm(感受性 0.02 )に設定した。100 mlループを用いて標本に注入した。ネック−レクチン三量体複合体が先ず溶離し、その後ネック領域ペプチド三量体が溶離した。ヘテロ三量体化後、2つのネック領域ペプチド及び1つのネック−レクチンタンパク質から成る三量体タンパク質複合体に対応して、一次ピークの溶離プロフィールにおける変化が検出された。(b)ヘテロ三量体化工程の略図を示す。ネック領域を含有する異なるポリペプチドは、再アニーリング工程後にヘテロ三量体を生成中で、これは、ヘテロ三量体化反応の生成物の比の測定開始時に用いられる2つのホモ三量体分子の相対量による濃度駆動性工程である。 図12:pGEX−2T−N末端コラーゲンネック領域プラスミド(B)は、トロンビンで切断されて25kDa SP−Dポリペプチドを産生するグルタチオン−S−トランスフェラーゼ−N末端コラーゲンネック領域融合タンパク質の誘導(IPTGによる)を可能にする。DNA構築物は、N末端配列の開始コドンにBamH1部位を導入する5’オリゴヌクレオチド、及びプライマーとしてのSP−D cDNAの停止コドン後にEcoR1部位を導入する3’オリゴヌクレオチドを用いて本来のSP−Dタンパク質(A)の全タンパク質配列をコードするDNA断片を増幅するPCRにより得られた。次いで、遺伝子工学的処理した酵素部位を用いてPCR生成物をpBluescript中にクローニングし、その結果生じたプラスミドを制限酵素BamH1及びMsc1で消化して、N末端コラーゲンネック領域をコードするDNA断片をpGEX−2Tプラスミド中にクローニングし、BamH1及びSma1で線状化した。 図13は、ヒトSP−Dの三重らせんコラーゲン様領域の生成を含めた提唱された折り畳み工程の略図を示す。ネック領域は平行ホモ三量体二重コイルとして会合し、隣接コラーゲン領域での三重らせん構造生成のための核化点を提供する。コラーゲン三重らせんは、ジッパー様方式で核化点からポリペプチド鎖のN末端に向かって生じる。コラーゲン配列内に存在するトロンビンに関する多数の有力な切断部位があるが、しかし、コラーゲン構造を消化し得る公知のプロテアーゼはコラゲナーゼだけであるため、三重らせんの生成はこれらの部位をタンパク質分解的消化に対して耐性にさせる。 図14:(a)トロンビン切断(10% (w/v )アクリルアミド)前後のグルタチオン−S−トランスフェラーゼ−N末端−コラーゲン−ネック領域融合タンパク質のSDS−PAGE分析(クーマシーブルーR−250染色)。溶離された及びグリシン処理された融合タンパク質の溶液 50μl を、トロンビン消化の前(レーン1、2)及び後(レーン3〜6)に入れた。レーン5及び6の大写し(b)は、25kDa グルタチオン−S−トランスフェラーゼの下を動く弱〜強染色された25kDa 組換え体ペプチドを示す。 図14:(a)トロンビン切断(10% (w/v )アクリルアミド)前後のグルタチオン−S−トランスフェラーゼ−N末端−コラーゲン−ネック領域融合タンパク質のSDS−PAGE分析(クーマシーブルーR−250染色)。溶離された及びグリシン処理された融合タンパク質の溶液 50μl を、トロンビン消化の前(レーン1、2)及び後(レーン3〜6)に入れた。レーン5及び6の大写し(b)は、25kDa グルタチオン−S−トランスフェラーゼの下を動く弱〜強染色された25kDa 組換え体ペプチドを示す。 図15:Sma1及びEcoR1(ネック+レクチン)又はMsc1及びEcoR1(レクチン)を用いてpGEX−2T−ネック領域−レクチン及びpGEX−2T−レクチンプラスミドを生成して、pGEX−2Tプラスミド中にSP−D cDNA断片をクローニングし、Sma1及びEcoR1で線状にした。誘導された融合タンパク質は、予測分子量43kDa (ネック+レクチン)及び37kDa (レクチン)であった。 図16は、ネック領域及びレクチン領域(A)及びヒトSP−D単独のレクチンドメイン(B)を含有するグルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合タンパク質の細菌発現のSDS−PAGE分析(10 %(w/v )アクリルアミドゲル)を示す。非誘導化細菌(Aレーン2及び3、並びにBレーン1及び2)及び誘導化細菌(Aレーン1並びにBレーン3)を沸騰させて、ゲル上に載せ、還元条件下で動かした。マルトース−TSKと結合するタンパク質をEDTAを用いて溶離し、ピーク標本(50μl )をレーン4及び5に載せたが、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ−Lec融合タンパク質に対して溶離したタンパク質はなかった。ネック領域並びにレクチンドメインをともに含有する融合タンパク質ハ、細胞内でタンパク質溶解性分解を蒙り易いと思われる。レーンA 1で目立つタンパク質バンドに関しては、予測サイズ約42kDa だけでなく約30kDa で存在する。しかしながら、このタンパク質はマルトース−TSKカラムには結合しなかった。グルタチオン−S−トランスフェラーゼ−Lec融合タンパク質は約 37 kDa の分子量を示した。 図17は、可動部リンカー配列により一緒に融合されるモノクローナルラット抗CD4IgG抗体H及びL鎖(scabOX35)の可変部のイムノグロブリンドメインをコードするDNA構築物を示す(a)。DNA断片をpGEX−2T−ネック領域ペプチドのSma1部位に挿入すると、グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの融合タンパク質及びネック領域に関する開放読取り枠を生じた。さらにDNAをpGEX−2Tプラスミド(b)に挿入し、Sma1で線状化して、scabOX35のグルタチオン−S−トランスフェラーゼ単独との融合タンパク質を生成した。 図18は、OX35一本鎖抗体(レーン1)、ヒトSP−Dのネック領域(レーン2)、及びネック領域−OX35−一本鎖抗体(レーン3)を用いて、非誘導化細菌(レーン4)と比較して、還元条件(12.5% (w/v )アクリルアミド)下で、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ融合タンパク質を発現するために誘導された培養の細菌溶解物のSDS−PAGE分析(クーマシーブルーR−250染色)を示す。

Claims (24)

  1. コレクチンのネック領域であり、かつ、三量体を形成し得るアミノ酸の配列を含む非天然ポリペプチドであって、当該アミノ酸の配列がヒト、コレクチンSP-D、アミノ酸配列:
    VASLRQQVEALQGQVQHLQAAFSQYKK
    のネック領域である、前記ポリペプチド。
  2. 非ペプチド部分と連結された、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. コレクチンC型レクチン・ドメインを含む、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含む核酸。
  5. ベクターである、請求項に記載の核酸。
  6. 請求項又はに記載の核酸を含有する宿主細胞。
  7. 前記コーディング配列が前記ポリペプチドの発現のための調節配列に作用可能な状態で連結されている、請求項又はに記載の核酸。
  8. 請求項に記載の核酸を含有する宿主細胞。
  9. 前記のコードされたポリペプチドの、請求項に記載の核酸からの発現を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドの製造方法。
  10. 前記ポリペプチドの発現のための条件下、請求項に記載の宿主細胞を培養することを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドの製造方法。
  11. 請求項又は10に記載の方法によるその発現後にポリペプチドを含む三量体を形成することを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む三量体の製造方法。
  12. 前記三量体がホモ三量体である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記三量体がヘテロ三量体である、請求項11に記載の方法。
  14. 請求項又は10に記載の方法によるポリペプチドの発現後にそのポリペプチドを単離することを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドの製造方法。
  15. 請求項14に記載の方法によるポリペプチドの単離後にそのポリペプチドを含む三量体を形成することを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む三量体の製造方法。
  16. 前記三量体がホモ三量体である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記三量体がヘテロ三量体である、請求項15に記載の方法。
  18. 請求項1〜のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む三量体。
  19. ホモ三量体である、請求項18に記載の三量体。
  20. ヘテロ三量体である、請求項18に記載の三量体。
  21. コラーゲン三重らせんの形成方法であって、非天然ポリペプチドを提供し、ここで、各ポリペプチドが、三量体を形成することができる、ヒトコレクチンSP-D、アミノ酸配列:
    VASLRQQVEALQGQVQHLQAAFSQYKK
    のネック領域である、アミノ酸の配列のN末端側に一連のコラーゲン・トリプレットを含み、そして上記ポリペプチドとして三量体を形成させる、ことを含む方法。
  22. 前記アミノ酸の配列が前記ポリペプチドのC末端にある、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ポリペプチドが、そのコーディング核酸からの発現により提供される、請求項21又は22に記載の方法。
  24. 前記三量体が、三量体化後に単離される、請求項23に記載の方法。
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