JP3836819B2 - 酸性水中油型乳化組成物 - Google Patents
酸性水中油型乳化組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3836819B2 JP3836819B2 JP2003185029A JP2003185029A JP3836819B2 JP 3836819 B2 JP3836819 B2 JP 3836819B2 JP 2003185029 A JP2003185029 A JP 2003185029A JP 2003185029 A JP2003185029 A JP 2003185029A JP 3836819 B2 JP3836819 B2 JP 3836819B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- egg yolk
- water
- oil
- acidic oil
- water emulsion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Seasonings (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にマヨネーズ類、ドレッシング類に好適に使用される酸性水中油型乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ジグリセリドが肥満防止作用、体重増加抑制作用等を有することが明らかにされるに至り(特許文献1)、これを各種食品に配合する試みがなされている。そして、ジグリセリドを高濃度に含むグリセリド混合物を油相に用いれば、脂肪量を低減した場合においても豊かな脂肪感を有し、風味が良好な食用水中油型乳化組成物が得られることが報告されている(特許文献2)。
【0003】
しかしながら、ジグリセリドを高濃度で含有する油相を卵黄で乳化したマヨネーズ等の酸性水中油型乳化組成物を保存すると、亀裂の発生、離水の発生、更に光沢の減少等、外観で問題が生じることが判明した。これを解決するために、例えば酸性水中油型乳化組成物中のリゾリン脂質含量を調整する技術が報告されている(特許文献3)。
【0004】
一方、マヨネーズ等の酸性水中油型乳化組成物を製造する際、乳化装置から配管を通して充填機に移送するときや、容器に充填するときに加圧シェアが発生し、酸性水中油型乳化組成物の粘度等の物性が変化するという問題がある。更に、プラスチック製のマヨネーズ容器に充填したマヨネーズ等の酸性水中油型乳化組成物は、使用するたびに押し圧が加わるため、乳化破壊、離水、離油等の品質低下が生じやすい。そのため、酸性水中油型乳化組成物には、製造、充填及び使用時に発生する加圧シェアに対し、安定性を有することが必要である。
【0005】
前述のリゾリン脂質の含有量を調整して外観を改善する技術は、単に静置保存した場合には有効であるが、加圧シェアが存在するばあいには効果が十分であるとは言えなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−300828号公報
【特許文献2】
特開平3−8431号公報
【特許文献3】
特開2001−138号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、製造時及び使用時に発生する加圧シェア負荷に対して優れた耐性を有し、粘度低下等の物性変化が少なく、離水等の外観変化がない、ジグリセリドを高濃度で含有する酸性水中油型乳化組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ジグリセリドを高濃度で含む油相及び卵黄を含有する酸性水中油型乳化組成物に、更に水溶性大豆多糖類を加えると、リゾリン脂質の含有量を調整することなしに外観が良好であって、製造時の配管移送シェア、充填シェア及び使用時の押し圧シェア等の加圧シェア負荷に対して極めて安定な品質劣化を起こさない酸性水中油型乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ジグリセリド含量が30重量%以上である油脂、
(B)卵黄、
(C)ラムノース、フコース、アラビノース、キシロース、ガラクトース、グルコースおよびウロン酸から選ばれる糖を構成糖として含む水溶性大豆多糖類0.05〜10重量%
を含有する食用酸性水中油型乳化組成物を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
マヨネーズ類、ドレッシング類等の酸性水中油型乳化組成物は、冷蔵庫等の低温で保存された場合でも、結晶化、固化が起こらないように、低融点油脂を使用することが好ましい。本発明において用いるジグリセリドも、低融点であることが好ましい。具体的には、構成脂肪酸残基の炭素数が8〜24、特に16〜22であることが好ましい。また不飽和脂肪酸残基の量は、全脂肪酸残基の55重量%(以下単に%と記載する)以上が好ましく、更に70〜100%、特に90〜100%、殊更93〜98%であるのが好ましい。ジグリセリドは、植物油、動物油等とグリセリンとのエステル交換反応、又は上記油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応等任意の方法により得られる。反応方法は、アルカリ触媒等を用いた化学反応法、リパーゼ等の油脂加水分解酵素を用いた生化学反応法のいずれでもよい。
【0011】
本発明の酸性水中油型乳化組成物において、成分(A)油脂中のジグリセリド含量は、脂質代謝改善食品又は体脂肪蓄積抑制食品としての有効性、工業的生産性の観点から30%以上であり、好ましくは35〜100%、更に50〜99.9%、特に70〜95%であるのが望ましい。油脂には、ジグリセリド以外に、トリグリセリド、モノグリセリド、遊離脂肪酸等を含有させることができる。
【0012】
油脂中のモノグリセリドの含量は、乳化性、風味、工業生産性の点から5%以下であるのが好ましく、更に0〜2%、特に0.1〜1.5%であるのが良い。モノグリセリドの構成脂肪酸は、工業的生産性の点でジグリセリドの構成脂肪酸と同じであるのが好ましい。
【0013】
油脂中の遊離脂肪酸(塩)の含量は、乳化性、風味、工業的生産性の点で1%以下であるのが好ましく、更に0〜0.5%、特に0.05〜0.2%であるのが良い。
【0014】
油脂中のトリグリセリドの含量は乳化性、風味、生理効果、工業的生産性の点で70%以下であるのが好ましく、更に0〜65%、特に0.1〜50%、殊更3.3%〜29.85%であるのが望ましい。
【0015】
本発明に用いる成分(B)卵黄は、生、凍結、粉末、加塩、加糖等任意の形態でよく、また卵白を含んだ全卵の形態で配合してもよい。組成物中の卵黄の含有量は、風味向上の観点から、液状卵黄換算で5〜20%であるのが好ましく、更に好ましくは7〜17%、特に好ましくは8〜15%、最も好ましくは10〜15%である。
また、卵黄は後述の酵素処理卵黄を用いるのが好ましい。
【0016】
本発明に用いる成分(C)水溶性大豆多糖類は、ラムノース、フコース、アラビノース、キシロース、ガラクトース、グルコース、ウロン酸等からなる多糖類のことである。本発明に使用する(C)は、大豆から豆腐を製造するときの「オカラ」や、大豆から蛋白質を抽出した残渣等を原料として、アルカリ処理、加水分解処理等を施して製造される。例えば、大豆から豆乳を分離した残渣(オカラ)を親水性有機溶媒を含むアルカリ性水溶液で抽出し、固形物を採取する方法(特公昭60−31841号公報)、大豆皮から温水又はアルカリ水溶液で抽出して製造する方法(特開昭60−146828号公報)、大豆植物繊維を微細化し、繊維中の蛋白質を分解した後、水溶性多糖を分画し製造する方法(特開平3−067595号公報)、蛋白質を含有する水溶性大豆食物繊維を蛋白質の等電点付近の酸性条件下で加水分解して製造する方法(特開平3−236759号公報)等が挙げられる。
また、市販品としては、「ソヤファイブ」、「ソヤアップ」(不二製油(株))、「SM−700」(三栄源エフ・エフ・アイ(株))等が挙げられる。
【0017】
本発明において、酸性水中油型乳化組成物中の(C)水溶性大豆多糖類の含有量は、シェアに対する安定性、外観、食感等の点から0.01〜10%が好ましく、0.02〜5%がより好ましく、特に0.05〜3%、特に0.1〜1%であるのが望ましい。
【0018】
また、本発明の酸性水中油型乳化組成物において、風味及び外観の点で含有する全リン脂質中のリゾリン脂質の重量比率(以下、リゾ比率と記載する)がリン量基準で15%以上であるのが好ましく、より好ましくは25〜75%、特に29〜65%が好ましい。リゾリン脂質は、その一部又は全部が卵黄や大豆由来であることが好ましく、卵黄由来であることが特に好ましい。
【0019】
またリゾリン脂質の一部又は全部が酵素処理卵黄であることが好ましい。卵黄の酵素処理に用いる酵素としては、エステラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼが好ましく、リパーゼ、ホスホリパーゼがより好ましく、ホスホリパーゼが特に好ましい。ホスホリパーゼの中でも、ホスホリパーゼA、すなわちホスホリパーゼA1及び/又はA2が最も好ましい。
【0020】
酵素処理条件は、卵黄の全部に酵素処理卵黄を用いる場合、リゾ比率が15%以上となるような条件を適宜選択すればよい。具体的には、酵素添加量は、酵素活性が10000IU/mLの場合、卵黄に対して0.0001〜0.1%、特に0.001〜0.01が好ましい。反応温度は20〜60℃、特に30〜55℃が好ましい。反応時間は1時間〜30時間、特に5時間〜25時間が好ましい。また卵黄の一部に酵素処理卵黄を用いる場合、酵素未処理卵黄と酵素処理卵黄の合計のリゾ比率が上記範囲となるように酵素処理条件を選択すればよい。かかる酵素処理は、各原料を混合して乳化処理する以前の段階で行うことが好ましい。
【0021】
本発明の酸性水中油型乳化組成物において、更に血中コレステロール低下作用を有する植物ステロール類を含有させてもよい。ジグリセリドと植物ステロール類との併用により、血中コレステロール低下作用は、相乗的に高まり、脂質代謝改善食品としての有用性を更に高めることができる。植物ステロール類としては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、エルゴステロール、カンペステロール等が挙げられる。またこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、配糖体を用いることもできる。本発明においては、これらを一種以上用いることができる。植物ステロール類として、植物ステロール及び/又は、植物ステロールエステルを用いるのが好ましい。酸性水中油型乳化組成物中の、植物ステロール類の含有量は、1.2〜10%、特に2〜5%であるのが好ましい。
【0022】
本発明の酸性水中油型乳化組成物の油相は、(A)ジグリセリド含有油脂からなるが、必要に応じて、植物ステロール類、その他の油性成分を配合することができる。
【0023】
本発明の酸性水中油型乳化組成物の水相には、水、米酢、酒粕酢、リンゴ酢、ブドウ酢、穀物酢、合成酢等の食酢、食塩、グルタミン酸ソーダ等の調味料、砂糖、水飴等の糖類、酒、みりん等の呈味量、各種ビタミン、クエン酸等の有機酸及びその塩、香辛料、レモン果汁等の各種野菜又は果実の搾汁液、キサンタンガム、ジェランガム、グァーガム、タマリンドガム、カラギーナン、ペクチン、トラガントガム等の増粘多糖類、馬鈴薯澱粉等の澱粉類、それらの分解物及びそれらを化工処理した澱粉類、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート等の合成乳化剤、大豆タンパク質、乳タンパク質、小麦タンパク質等、あるいはこれらタンパク質の分離物や分解物等のタンパク質系乳化剤、レシチン又はその酵素分解物等の天然系乳化剤、牛乳等の乳製品、各種リン酸塩等を配合することができる。本発明においては、目的とする組成物の粘度、物性等に応じて、これらを適宜配合できる。
【0024】
かかる水相のpHは、風味と保存性の観点から、2〜6、特に3〜5が好ましい。水相のpH調整には、上記した食酢、有機酸、有機酸の塩類、果汁類等の酸味料を使用できる。
【0025】
油相と水相の重量比は、10/90〜80/20であるのが好ましく、更に20/80〜75/25、特に35/65〜70/30であるのが望ましい。
本発明の酸性水中油型乳化組成物としては、例えば日本農林規格(JAS)で定義されるドレッシング、半固体状ドレッシング、乳化液状ドレッシング、マヨネーズ、サラダドレッシング、フレンチドレッシング等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、広くマヨネーズ類、マヨネーズ様食品、ドレッシング類、ドレッシング様食品といわれるものが該当する。
【0026】
本発明の酸性水中油型乳化組成物は、例えば以下の方法により製造することができる。まず(A)ジグリセリド含有油脂、植物ステロール等の油性成分を混合して油相を調製する。また、(B)卵黄、(C)水溶性大豆多糖類、その他の水溶性原料を混合して水相を調製する。該水相に該油相を添加し、必要により予備乳化を行い、均質化することにより、酸性水中油型乳化組成物を得ることができる。均質機としては、例えばマウンテンゴウリン、マイクロフルイダイザー等の高圧ホモジナイザー、超音波式乳化機、コロイドミル、アジホモミキサー、マイルダー等が挙げられる。
【0027】
本発明において、更に製造時及び使用時に発生する加圧シェア負荷に対する耐性向上について種々検討したところ、酸性水中油型乳化組成物を製造する際に、卵黄を含有する水相を調製した後であって油相を添加する前に機械的処理し、粘度を一定範囲以上に上昇させるか又は卵黄蛋白の溶解度を一定範囲に低下させることにより、その後乳化させて得られた酸性水中油型乳化物の粘度が増大し、加圧シェア耐性が更に向上することを見出した。
【0028】
従って、(B)卵黄を含有する水相を、当該処理前に比べて粘度を50%以上上昇させるか又は卵黄蛋白溶解度を5〜60%低下させるように機械的処理した後、成分(A)を含む油相を添加することにより酸性水中油型乳化物を製造するのが好ましい。成分(C)は、油相と共に配合するのが、作業性の点で好ましい。
【0029】
ここで機械的処理としては、攪拌、せん断、混合、均質、混練などが挙げられる。このうち、簡便性の点から、攪拌処理、特に強攪拌処理が好ましい。攪拌処理の強度はせん断エネルギーで表され、35000〜2000000m/sが好ましく、特に70000〜1000000m/sが好ましい。尚、ここでいうせん断エネルギーは、攪拌による水相仕込み容量当りの循環容量(=攪拌により水相が槽内で循環した回数、以下「循環回数」という。)と「撹拌翼の最外周速」の積にて定義する(技術情報協会発行「新しい攪拌技術の実際」(1989))。
【0030】
また、生産性を考慮すると、攪拌槽で攪拌処理する場合に、毎回槽を洗浄する必要はなく前バッチの乳化物が残存した状態で、卵黄等の次バッチの原料を添加してよい。
シェアストレス耐性、十分な粘度と長期の乳化安定化効果を得る点から、この処理により、当該処理前に比べて粘度を50%以上上昇させるか、卵黄蛋白溶解度を5〜60%低下させるのが好ましい。更に、粘度を100〜500%上昇させるのが好ましく、特に150〜300%上昇させるのが好ましい。また好ましい卵黄蛋白溶解度の低下率は10〜30%である。
【0031】
機械的処理によると、上記粘度上昇と卵黄蛋白溶解度低下の両者が同時に得られ、かつ風味も保持されるので特に好ましい。従って、機械的処理条件を操作することにより得られる酸性水中油型乳化物の物性(シェアストレス耐性、粘度、長期乳化安定性及び風味)を制御できる。当該機械的処理としては、強攪拌処理、特に各種の攪拌翼を備えた攪拌槽によるのが好ましい。攪拌翼の回転方向は問わない。また、他の機械としては、例えばマウンテンゴウリン、マイクロフルイダイザー等の高圧ホモジナイザー、超音波式乳化機、コロイドミル、ラインミル、ホモミキサー、アジホモミキサー、マイルダー等が挙げられる。なお、機械的処理により、せん断力で発熱する場合があってもよい。
【0032】
機械的処理は、卵黄由来の成分だけを処理しても構わないが、処方上、水を配合する場合には、卵黄由来の成分だけを機械的処理した後に水を添加すると、構築された構造が一部崩壊し、粘度向上効果が低下してしまう。従って、水を配合する場合には、食塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウムなどの固形調味料を水に分散溶解させたものと成分(B)とが混合された状態で機械的処理することが好ましい。機械的処理後に成分(A)を含む前記油相を添加する。
【0033】
特に、工業的生産スケールで衛生的に製品化する場合、上記方法にて得られた酸性水中油型乳化組成物は、配管を通じて充填機へ送液された後、容器に充填される。このとき酸性水中油型乳化物を工業的に生産される場合は配管を通じて充填機などへ送液された後、充填される。本発明の酸性水中油型乳化物の粘度は、およそ50kPa・s〜500kPa・s、体積平均乳化粒子径は、0.1μm〜10μmである。高粘度であるため、送液時、あるいは充填時に加圧シェアが発生しやすい。一般的な加圧シェアとしては送液シェア、及び充填シェア共に0.1kPa〜10kPaが想定される。このような工業生産時の加圧シェアに対し、本発明の酸性水中油型乳化物は、特に有効な技術である。
【0034】
このようにして製造された酸性水中油型乳化物は容器に充填され、容器入り乳化食品として、通常のマヨネーズ等と同様に使用することができる。容器としては通常、マヨネーズ、ドレッシング等の酸性水中油型乳化食品に用いられるものであれば、いずれでも良い。特に、瓶に比べて使い勝手の良い可撓性容器、例えばプラスチック製のチューブ式容器が好ましい。プラスチック製容器の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン性酢酸ビニル、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性プラスチックの一種又は二種以上を混合して中空成型したものや、これらの熱可塑性プラスチックからなる層を二層以上に積層して中空成形したもの等が用いられる。
【0035】
可撓性容器に充填し使用する場合、全ての内容物が使われるまで、繰り返し絞り出しのシェアが加わる事となる。このようなシェアに対しても本発明の酸性水中油型乳化物は、有効な技術である。
【0036】
【実施例】
参考例1、2
食塩濃度10%の卵黄液750g、水150g及び食塩15gを混合し、反応温度で十分予備加熱した。次いで、卵黄液に対して表1に示す量のホスホリパーゼA2を添加して反応を行い、酵素処理卵黄(参考例1、2)を得た。反応時間、反応温度、リゾ比率を表1に示す。尚、リゾ比率は以下の方法により求めた。まず反応物をクロロホルム/メタノール(3:1、v/v)混合溶媒により繰り返し抽出を行い、反応物中の全脂質を得た。得られた脂質混合物を薄層クロマトグラフィーに供した。一次元=クロロホルム:メタノール:水(65:25:49、v/v/v)、二次元=ブタノール:酢酸:水(60:20:20、v/v/v)による二次元薄層クロマトグラフィーにより分画した。分画した各種のリン脂質を分取し、リン脂質中のリン量を市販の測定キット(過マンガン酸塩灰化法、リン脂質テストワコー、和光純薬工業株式会社製)を用いて測定した。リゾ比率(%)は(リゾリン脂質画分中のリン重量/全リン脂質中のリン重量)×100により求めた。
【0037】
【表1】
【0038】
実施例1(本発明品1〜5、比較品1〜5)
表2に示す組成の油相及び水相を常法に従って調整した。次いで水相を撹拌しながら油相を予備乳化した後、コロイドミル(ストレートローター:PUC社製)を使用して3000r/min、クリアランス0.045mmで均質化し、体積平均乳化粒子径1.5〜2.8μmのマヨネーズを製造した。得られたマヨネーズについて物性評価、外観評価を行った。結果を表2に示す。
【0039】
試験1(物性評価)
製造したマヨネーズを加圧容器に詰め、196kPaの圧力負荷して内径4mm、長さ30cmの配管を通して加圧シェアを加えた。加圧シェア負荷前後の粘度を次法で測定した。次いでシェア負荷時の粘度低下率(%)を下式に従って求め、物性評価を行った。
【0040】
粘度測定条件:20℃
BROOKFIELD社製DV−I型
No.6スピンドル、2r/min、30秒後測定。
【0041】
【数1】
【0042】
試験2(外観評価)
試験1で加圧シェアを負荷したマヨネーズを、プラスチック製チューブ式マヨネーズ容器(100mL)に約70体積%充填し、空気を排出し密閉した。この容器を繰り返し手で押し、500回押した後の乳化物の外観を肉眼で観察し、下記基準に従って評価を行った。
【0043】
評価基準
A:初期と変わらず、なめらかで光沢のある非常に良好な外観である。
B:僅かに肌が荒れるものの離水、離油は認められず、良好な外観である。
C:所々に離水、離油が認められ、不良な外観である。
【0044】
本発明品は、いずれも配管移送シェア、充填シェアに相当する加圧シェア負荷の前後での粘度低下が少なかった。また実際の使用時に相当する500回押し圧試験でも外観に変化が認められず、極めて安定であった。特にリゾリン脂質含量を調整しなくても(本発明品1)、加圧シェア耐性が優れていた。一方、水溶性大豆多糖類を含有しない比較品はいずれも、加圧シェア負荷で粘度低下が著しかった。また、500回押し圧試験でも離水が認められ、外観、シェアに対する安定性が劣っていた。
【0045】
【表2】
【0046】
実施例2
全量が4.7kgとなるように、表3に示す組成の油相及び水相を次の方法に従って調製した。まず、精製塩、上白糖、グルタミン酸ナトリウム、からし粉、クエン酸を水に分散させたもの(「調味分散水」という。以下同じ。)と酵素処理卵黄とを、攪拌翼(翼径0.144m)を有するミキサーに添加した(調味分散水の仕込み量:1.23kg、調味分散水の比重:1100kg/m3)。これを20℃、減圧下(20kPa)で、回転数800r/minで15分間撹拌し、強攪拌処理を行った。前述したせん断エネルギーの定義と下記の式(技術情報協会発行「新しい攪拌技術の実際」(1989))から、本条件の機械的処理のせん断エネルギーを192000(m/s)と算出した。
【0047】
(「突出流量係数」とは、羽形状、液体の種類、温度等によって異なる係数であるが、本願の場合、定義の明確化のため1とした。)
【0048】
このように機械的処理した水相に油相を添加した。すなわち、対全系2%分の油相(ジグリセリド高含有油)に大豆多糖類を分散させたものを、水相の入ったミキサーに添加し、同上の攪拌速度で3分間攪拌し均一混合した。次いで、攪拌周速を3m/sにして、残りの油相を攪拌しながら添加した後、醸造酢を添加混合し、予備乳化物を得た。これを、コロイドミル(MZ80:FRYMA社製)を使用して精乳化し(回転数:4200r/min、クリアランス:0.25mm)、体積平均乳化粒子径2.1μmのマヨネーズ(精乳化物)を製造した。
【0049】
実施例3
実施例2において、卵黄と調味分散水との強攪拌温度を40℃とし、その後の工程は20℃で調製して予備乳化を行ったこと以外は、実施例2と同一の条件でマヨネーズを調製した。なお、卵黄と調味分散水の粘度は、20℃に温度調整した後、測定した。
【0050】
比較例A
実施例2において、卵黄と調味分散水との攪拌時間を1分としたこと以外は、実施例2と同一の条件でマヨネーズを調製した。この時の機械的処理のせん断エネルギーは13000m/sであった。
【0051】
【表3】
【0052】
尚、各工程にて、粘度、及び卵黄蛋白溶解度を、記載の方法で測定した。
【0053】
〔粘度測定法〕
粘度は、B型粘度計(BH型:東京計器)を使用して測定した。
(1)予備乳化物と精乳化物は、ローターNo.6、2r/min、30秒後の測定値を用いた。
(2)予備乳化物と精乳化物以外の、油相が全量添加されていない分散物は、ローターNo.2、20r/min、30秒後の測定値を用いた。尚、初期値は、卵黄と調味水が均一化する時点として、強攪拌15秒後にサンプリングした時の値を採用した。
【0054】
機械処理前後の粘度変化率は、次式に従って求めた。
粘度変化率(%)=(機械処理後の粘度−初期の粘度)/初期の粘度×100
【0055】
〔卵黄蛋白溶解度測定法〕
一般に卵黄の蛋白質は、リン脂質と結合したリポ蛋白質の形で存在しており、食塩水等に溶解分散させた後、遠心分離処理すると上澄部と沈殿部に分類され、それぞれ上澄部画分が低密度リポ蛋白、沈殿部画分が高密度リポ蛋白と呼ばれている。また一般の蛋白質は、加熱等の変性処理により、蛋白質が疎水化され、水への溶解度が低下すると言われている。そこで、本願では、卵黄蛋白質の変性の度合を、まず、水に溶解分散させて不溶物質を遠心分離により沈殿除去し、上澄部を再度飽和食塩水に溶解分散させて遠心分離を行うことにより、溶解している画分の蛋白質を未変性の蛋白質であると考え、卵黄蛋白溶解度と定義した。すなわち、蛋白変性が進行するに伴い、卵黄蛋白溶解度が低下する。実際の測定法を次に示す。
【0056】
まず、酵素処理卵黄又は酵素処理卵黄と各調味料分散水を含む卵黄分散物(強攪拌初期と強攪拌後)をサンプル瓶に0.15g精秤し、蒸留水(a)15g精秤添加混合した後、この溶液を2mL遠心管に1.5g取り15000r/min、30minの条件で1回目の遠心分離を行い、不溶物質を除去した。次に、この遠心分離後の上層を2mL遠心管に0.15g精秤し、更に飽和食塩水1.5gを精秤添加混合した後、20000r/min、1時間の条件で2回目の遠心分離を行うった。遠心分離機は、HIMAC遠心分離機 TYPE SCR20BB(日立製作所(株)製)を、ローターはRPR20−3−1169を使用した。この遠心分離後の上層(未変性蛋白部)をサンプル瓶に1mL精秤し、蒸留水(b)1mL精秤し濃度調整したものを、窒素分析計(TN−05;三菱化成製)を用いて、窒素濃度を測定した。検量線は、硫酸アンモニウムを用いて作成した。測定された窒素濃度に、換算係数7.94を乗じ、蛋白質濃度を算出した。ただし、実施例2で使用した酵素処理卵黄中の蛋白質濃度は、強攪拌処理時に配合される調味分散水で希釈されており、窒素分析前処理用に2回の遠心分離処理前に蒸留水と飽和食塩水にそれぞれ希釈され、窒素分析時にも蒸留水で希釈されている。従って、窒素分析計から得られた蛋白質濃度は、これらの処理で希釈された濃度となる。そこで最終的に、卵黄蛋白溶解度は、これらの希釈処理を考慮した次式を用いて算出した。
【0057】
卵黄蛋白溶解度[%]=((攪拌時の酵素処理卵黄配合量[%]+攪拌時の調味分散水配合量[%])/攪拌時の酵素処理卵黄配合量[%])×((酵素処理卵黄分散物量[g]+蒸留水量(a)[g])/酵素処理卵黄分散物量[g])×((1回目の遠心分離後の上層サンプル量[g]+飽和食塩水添加量[g])/1回目の遠心分離後の上層サンプル量[g])×((2回目の遠心分離後の上層サンプル量[g]+蒸留水量(b)[g])/2回目の遠心分離後の上層サンプル量[g])×(換算係数7.94)×(窒素濃度[%])
【0058】
尚、卵黄蛋白溶解度の初期値は、卵黄と調味水が均一化する時点として、強攪拌15秒後にサンプリングした時の値を採用した。
【0059】
機械処理前後の卵黄蛋白溶解度の低下率は、次式に従って求めた。
卵黄蛋白溶解度の低下率(%)=(初期の卵黄蛋白溶解度−機械処理後の卵黄蛋白溶解度)/初期の卵黄蛋白溶解度×100
【0060】
〔安定性評価法〕
製造後20℃で1ヶ月保存したマヨネーズを、50mL用の遠心管に30g精秤し15000r/min、30minの条件で遠心分離を行った。次いで、上層に遊離した油量を計量し、次式に従ってオイルオフ量を算出した。オイルオフ量をマヨネーズ(精乳化物)の乳化安定性評価の指標とした。
【0061】
オイルオフ量(%)=遠心分離後の遊離油量(g)/(遠心管に精秤したマヨネーズ量(g)×油相量(67%))×100(%)
【0062】
結果を表4に示す。これから明らかなように、卵黄を含有する水相を、粘度が50%以上上昇するまで、又は卵黄蛋白溶解度を5〜60%低下させるまで攪拌した後、油相を添加して乳化した場合は、粘度と乳化安定性が特に優れていることがわかる。
【0063】
【表4】
【0064】
【発明の効果】
本発明の酸性水中油型乳化組成物は、風味、外観、安定性、食感に優れ、製造時、使用時の加圧シェア負荷に対して顕著な耐性を有する為、工業的生産に適している。
Claims (8)
- 次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)ジグリセリド含量が30重量%以上である油脂、
(B)卵黄、
(C)ラムノース、フコース、アラビノース、キシロース、ガラクトース、グルコースおよびウロン酸から選ばれる糖を構成糖として含む水溶性大豆多糖類0.05〜10重量%
を含有する食用酸性水中油型乳化組成物。 - リゾリン脂質を含むものである請求項1記載の酸性水中油型乳化組成物。
- 酸性水中油型乳化組成物中の全リン脂質に対するリゾリン脂質の比率がリン量基準で15%以上である請求項2記載の酸性水中油型乳化組成物。
- リゾリン脂質の一部又は全部が卵黄由来である請求項2又は3記載の酸性水中油型乳化組成物。
- リゾリン脂質の一部又は全部が酵素処理卵黄である請求項2〜4のいずれか1項記載の酸性水中油型乳化組成物。
- 酵素がエステラーゼ、リパーゼ及びホスホリパーゼから選ばれるものである請求項5記載の酸性水中油型乳化組成物。
- 更に植物ステロール及び/又は植物ステロールエステルを含有するものである請求項1〜6のいずれか1項記載の酸性水中油型乳化組成物。
- 成分(B)卵黄を含有する水相を、攪拌、せん断、混合、均質及び混練から選択される1又は2以上の処理をして当該処理前に比べて粘度を50%以上上昇させるか又は卵黄蛋白溶解度を5〜60%低下させた後、成分(A)を含有する油相を添加して得られるものである請求項1〜7のいずれか1項記載の酸性水中油型乳化組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003185029A JP3836819B2 (ja) | 2002-07-01 | 2003-06-27 | 酸性水中油型乳化組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002192538 | 2002-07-01 | ||
JP2002322986 | 2002-11-06 | ||
JP2003185029A JP3836819B2 (ja) | 2002-07-01 | 2003-06-27 | 酸性水中油型乳化組成物 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006127203A Division JP3961548B2 (ja) | 2002-07-01 | 2006-05-01 | 酸性水中油型乳化組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004201672A JP2004201672A (ja) | 2004-07-22 |
JP3836819B2 true JP3836819B2 (ja) | 2006-10-25 |
Family
ID=32830552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003185029A Expired - Fee Related JP3836819B2 (ja) | 2002-07-01 | 2003-06-27 | 酸性水中油型乳化組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3836819B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20060233863A1 (en) | 2003-02-10 | 2006-10-19 | Enzymotec Ltd. | Oils enriched with diacylglycerols and phytosterol esters and unit dosage forms thereof for use in therapy |
EP1665937B1 (en) * | 2003-09-16 | 2008-02-20 | Fuji Oil Company, Ltd. | Oil-in-water emulsified composition |
CN101035594B (zh) * | 2004-08-09 | 2013-10-23 | 酶学技术有限公司 | 用于糖尿病患者的食品 |
JP5118965B2 (ja) | 2004-08-10 | 2013-01-16 | エンジモテック リミテッド | 植物成分を必要とする治療方法 |
JP4496125B2 (ja) * | 2004-09-24 | 2010-07-07 | 花王株式会社 | 酸性水中油型乳化組成物 |
JP4601082B2 (ja) * | 2004-09-24 | 2010-12-22 | 花王株式会社 | 酸性水中油型乳化組成物 |
JP2007129980A (ja) * | 2005-11-11 | 2007-05-31 | Kaneka Corp | 酸性水中油型乳化油脂組成物 |
WO2010140708A1 (ja) | 2009-06-05 | 2010-12-09 | 味の素株式会社 | 畜肉加工製品改質用の酵素製剤及び畜肉加工製品の製造方法 |
JP5665446B2 (ja) * | 2010-09-14 | 2015-02-04 | 花王株式会社 | 酸性水中油型乳化組成物 |
JP6668541B1 (ja) * | 2019-06-19 | 2020-03-18 | キユーピー株式会社 | 酢酸含有惣菜の製造方法 |
-
2003
- 2003-06-27 JP JP2003185029A patent/JP3836819B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004201672A (ja) | 2004-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101025096B1 (ko) | 산성 수중유형 유화 조성물 | |
EP0319064A2 (en) | Process for the preparation of a water and oil emulsion | |
JP2001000138A (ja) | 酸性水中油型乳化組成物 | |
JP3836819B2 (ja) | 酸性水中油型乳化組成物 | |
CN1622766A (zh) | 包含植物甾醇的食物及其制备方法 | |
US12011018B2 (en) | Process for the manufacture of an aqueous dispersion comprising mustard bran and aqueous dispersion comprising mustard bran | |
EA030674B1 (ru) | Способ приготовления эмульсии масло-в-воде | |
CN111758875B (zh) | 乳浊剂及其制备方法和应用 | |
JP4601082B2 (ja) | 酸性水中油型乳化組成物 | |
JP4054751B2 (ja) | 酸性水中油型乳化物の製造法 | |
JP3961548B2 (ja) | 酸性水中油型乳化組成物 | |
JP2006115832A (ja) | 酸性水中油型乳化組成物 | |
JP5717374B2 (ja) | 酸性水中油型乳化組成物 | |
JP5616686B2 (ja) | 酸性水中油型乳化組成物 | |
JP2006087314A (ja) | 酸性水中油型乳化組成物 | |
EP1867242A1 (en) | Production method of meat-based products with direct and indirect incorporation of plant and animal fatty substances as carriers of omega-3 and omega-6 fatty acids | |
JP4440842B2 (ja) | 酸性水中油型乳化組成物の製造法 | |
JP2004154056A (ja) | 酸性水中油型乳化物の製造法 | |
JP2006191840A (ja) | 酸性水中油型乳化物の製造法 | |
JPH0775522A (ja) | 乳化型ドレッシングの製造方法 | |
WO2021198132A1 (en) | Dairy-based spreadable composition, and, process for preparing a dairy-based spreadable composition | |
US20230345987A1 (en) | Process for the manufacture of an aqueous dispersion comprising mustard bran and oil-in-water emulsion containing such dispersion | |
BR102015024265A2 (pt) | método de preparação de uma emulsão múltipla óleo-em-água-em-óleo, emulsão múltipla óleo-em-água-em-óleo e seus usos | |
CN118120829A (zh) | 一种稻米油甘油二酯油粉末油脂及其制备方法和应用 | |
JP6552845B2 (ja) | 油中水型クリーム用改良材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040513 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051206 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060201 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060228 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060501 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060620 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060725 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060727 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100804 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130804 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |