JP3836692B2 - 可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特性の揃った可変容量ダイオード装置を連続して組み立てる際に、製品の特性の連続性を最大限に保つと同時に、その歩留まりを向上させるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器組立ての自動化に伴って、近年における多くの電子部品は、テープ上に一列に貼り付けられた形態、あるいはカートリッジ等に規則正しく収納された形態で、部品メーカーから機器(組立て)メーカーに提供される。図6には、テープ上に一列に貼り付けた形態で可変容量ダイオード装置を提供するための検査・組立て工程とその管理システムの概略のブロック図を示した。
【0003】
図6において、先ず、半導体製造ラインで生産されたウェハは検査・組立て工程の特性検査工程101に供給される。当然、このウェハ上には可変容量ダイオードの本体となる半導体チップ(以下、チップと略す)が複数個形成されている。特性検査工程101ではプローブ検査装置などによってウェハ上の各チップの特性、具体的には容量値、などを測定する。なお、各チップの容量値の測定は異なった複数のバイアス電圧に対してそれぞれ行う。(以下では、所定のバイアス電圧印加時の容量を議論する時には「容量」と呼び、全てのバイアス電圧印加時の容量を一まとめで議論する時には「特性」と呼ぶ)ここで得られた各チップの特性の検査データはオンラインで管理システムへ送られる。管理システムでは検査装置から送られてくる検査データを順次、データバッファに蓄積し、それを基にしてウェハ毎に基本データ列111を作成する。
【0004】
具体的に図7でもって検査手順の一例を説明すると、特性検査工程101のプローブ検査では、先ず、測定プローブをウェハの最も右下のチップの形成位置に合わせ、そこから縦方向に測定プローブを移動させながら順番に各チップの特性を測定していく。一行の並びに含まれる全てのチップの特性の測定が終了したら測定プローブを次の行に移動させ、次行の端のチップから順にチップの特性を測定していく。この時、測定プローブは一行毎に掃引方向が逆になるようにし、これによりプローブの移動距離を少なくするようにして移動させる。以上の作業を繰り返し、ウェハ上の全チップの特性を測定する。
管理システムでは、このようにして測定された各チップの検査データ(特性等)から図8に示すようなフォーマットでチップデータおよび基本データ列111を作成し、それをデータバッファ内に蓄積していく。
【0005】
全てのチップについて特性の測定の済んだウェハはソーイング工程102に送られる。そこでウェハは、テーピングされた後、各チップをその領域毎に取り出せるようにするため、ソーイングマシンにおいて切断される。
ソーイングを終えたウェハは表面検査工程103に送られる。ここでは作業者がウェハ表面を視認し、ウェハ上の各チップに汚れ、保護膜の形成ムラ、ソーイングに伴う破損等の不具合が無いかをチェックする。もし、あるチップに不具合が見つかった場合、そのチップの表面に不良チップであることを表わすマーキング等の処置を施し、管理システム側にその情報を伝達する。これに応じて管理システム側では不良チェック処理112を行い、基本データ列111中の不具合チップに相当するチップデータに対して除外等の処置を施す。
【0006】
その後、ウェハはプール104へ送られ、一時保管される。
管理システム側では、適宜、チップ並べ替えデータ処理113を実行し、基本データ列111から組み立て用データ列114を作成する。このチップ並べ替えデータ処理113は、従来の一例として、図9に示すような手順でデータ処理を行っていた。
先ず、不良チップ除外処理121において、各チップデータの特性が仕様に対して適正かどうかを検証する。仕様から外れてしまう容量値を含むチップデータについては、不良チップデータとして作業用に複製された基本データ列から除外される。
【0007】
次に、ランク分け処理122において、第1のバイアス電圧(V1)を印加した時の第1の容量値(CX1)で各チップデータをランク分けする。
そして、ソート処理123において、ランク分け処理122で分けられたランク毎に、第2のバイアス電圧(V2)を印加した時の第2の容量値(CX2)で各チップデータをソートする。その後、ソートされた各ランク毎のデータ列を連結し、組み立て用データ列114を作成する。このようにして作成された組み立て用データ列114はオリジナルの基本データ列111と共に管理システムのデータバッファ中に蓄積される。
管理システム内では、適宜、入出庫管理処理115を実行し、組み立て用データ列114とプール内のウェハを対応させるなどの作業を行いながら、ウェハの入出庫および保管などの管理を行う。
【0008】
検査・組立て工程側の組立て工程105は、供給されたウェハからチップを随時抽出しながら、可変容量ダイオード装置を連続して組立てる。ここで組立て工程105は、前に供給されていたウェハからのチップ抽出の進捗状況に応じて、所定のタイミングで管理システムに新しいウェハの供給を要求する。すると管理システムからプール104に所定のウェハを出庫するよう指示が出され、その結果、プール104から組立て工程105に新しいウェハが供給される。
【0009】
前に供給されていたウェハからのチップの抽出が終了すると、新しいウェハが組立て工程105中のダイボンディング装置にセットされる。この時、新しいウェハに対応した組み立て用データ列114の少なくとも一部(例えば、チップの位置情報など)が管理システムから組立て工程105に送出される。この後、組立て工程105では、組み立て用データ列114に規定されているチップデータの順番に従って新しいウェハから対象チップを抽出し、可変容量ダイオード装置を組立てて行く。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
可変容量ダイオード装置は通信機器の電子同調回路の構成部品として使用されることが多い。電子同調回路では可変容量ダイオード装置を局部発振部分と同調フィルタ部分とで複数個組み合わせて使用する。ここで、局部発振部分と同調フィルタ部分で組み合わせて使用される複数個の可変容量ダイオード装置には、トラッキング上の問題から、各々の特性が揃っていることが要求される。
しかし、テープ上に一列に貼り付けられた複数の可変容量ダイオード装置がどのような組み合わせで使用されるかについては、可変容量ダイオード装置の製造段階では特定できない。このため、テープ上に一列に貼り付けられた可変容量ダイオード装置は、連続して並ぶN個(例えば5個)の可変容量ダイオード装置の特性の誤差が、テープ上のどこにおいても所定の誤差範囲(例えば3%以内)に入るように並べておく必要が有る。
【0011】
可変容量ダイオード装置の本体であるチップは、同じウェハから取り出したものであっても微妙に特性が異なる。このため、ウェハ上から特性の近似したチップを順序良く取り出し、可変容量ダイオード装置を組立て、さらにそれをテープ上に順に貼りつけなければならない。なお、図6中のチップ並べ替えデータ処理113が、このチップの取り出し順番を決めるための作業である。
従来における最も一般的なチップ並べ替えデータ処理113では、図9に示すように、チップの取り出し順番が、所定のバイアス電圧(V2)印加時の容量値をソートすることによって決定されていた。
【0012】
しかし、このソートを利用したチップの取り出し順番の決定には、可変容量ダイオード装置の特性の連続性を高くする、あるいは特性の連続性を高く保ったまま数多くの可変容量ダイオード装置を一列に並べる上で、次のような問題があった。ちなみに「特性の連続性」とは、可変容量ダイオード装置を一列に並べた時、連続して並ぶ可変容量ダイオード装置の個数と、その特性の誤差の大きさの関係を示唆するものである。ここで「特性の連続性が高い」とは、可変容量ダイオード装置を一列に並べた時、列内のどこから取り出した場合でも、連続したN個の可変容量ダイオード装置の誤差範囲X%が狭いことを意味する。あるいは逆に、誤差範囲X%以内に収まる装置列の個数Nが大きいことを意味する。
【0013】
例えば、同じウェハから任意に2つのチップを取り出し、その特性を比較した場合、その2つのチップの各特性は図10に示すいずれかの状態となると考えられる。
図10中の類型(a)は、一方のチップ(ii)の容量値が他方のチップ(i)の容量値よりも、全体的にほぼ一定の値だけ高い。この類型(a)に示す関係はウェハ上の隣接している2個のチップを取り出した場合に現れる。図10中の類型(b)、(c)、(d)は、一方のチップ(ii)の容量値が他方のチップ(i)の容量値よりも、それぞれバイアス電圧の高い範囲、低い範囲、中間の範囲において大幅に高くなっている。これらの関係は、ウェハ上の離れた位置から2個のチップを取り出した場合に多く現れる。
【0014】
所定のバイアス電圧(V2)印加時の容量値でもって複数のチップのデータをソートすると、隣接して並んだ2つのチップデータの“ソートの基礎となった容量値”は非常に近い値となる。このため、ソートによってチップの取り出し順序を決定した場合、これに従って組み立てられた可変容量ダイオード装置の製品列の特性の連続性は非常に高くなるものと錯覚する。
しかし、ソート後に連続して並んだ2つのチップデータについて全てのバイアス電圧印加時の容量値を総合的に検証すると、データ列中の幾つかの箇所で、2つのチップデータの特性に図10の類型(b)、(c)、(d)に示すような現象が現れる。このような現象が極端な形で発生した場合、その発生位置で、連続して並ぶN個の特性の誤差が所定の誤差範囲に収まらなくなる。つまり、誤差範囲が仕様から外れ、一列に並べられた可変容量ダイオード装置の特性の連続性が途切れる。その結果、特性の連続性を所定のレベルに維持できる可変容量ダイオード装置の製品列の個数は少なくなる。
【0015】
特性の連続性が途切れた位置より後、あるいは前に組み立てられた可変容量ダイオード装置は、特性の連続性が保証できない製品となる。これらの特性の連続性が保証できない製品は、その前、あるいは後の可変容量ダイオード装置と組み合わせて使用できないというだけであって、本来の意味では不良品ではない。しかし、これらの一部、あるいは大半は不良品と同様に扱われ、廃棄される。このため、チップの取り出し順番が不適切だと、テープ上に一列に貼り付けられた製品列の至る所で特性の連続性が途切れることになり、その結果、可変容量ダイオード装置の製造歩留まりを低くしてしまう。
本発明は以上のような問題点に鑑み、チップの特性の連続性を高くすると同時に、その製造歩留まりを向上させることが可能な可変容量ダイオード装置の検査・組み立て方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明は、ウェハ上の各チップの容量値を測定し、得られた各チップの容量値に基づいてチップの抽出順序を決定し、その抽出順序に従ってチップを取り出し、これにより特性の揃った可変容量ダイオード装置を連続して組み立てるための検査・組立て方法であって、a)容量値を含む各チップのチップデータと、当該チップデータによるデータ列とを作成する第1のデータ処理と、b)所定のチップデータを退避チップデータとしてデータ列から取り除くことにより、退避チップデータ除去後のデータ列内で連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が、データ列のどの位置においても所定の範囲に収まるようにする第2のデータ処理と、c)それぞれの退避チップデータについて、退避チップデータ除去後のデータ列内の所定位置に退避チップデータを挿入した時に所定の条件を満たすかどうかを判定し、所定の条件を満たす場合に退避チップデータを当該所定位置に挿入する第3のデータ処理と、を含むことを特徴とする。
【0017】
あるいはまた、
ウェハ上の各チップの容量値を測定し、得られた各チップの容量値に基づいてチップの抽出順序を決定し、その抽出順序に従ってチップを取り出し、特性の揃った可変容量ダイオード装置を連続して組み立てるための検査・組立て方法であって、i)容量値を含む各チップのチップデータと、ウェハ毎にチップデータによる基本データ列とを作成する第1のデータ処理と、ii)所定のチップデータを退避チップデータとして基本データ列から取り除くことにより、退避チップデータ除去後のデータ列内で連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差がデータ列のどの位置においても所定の誤差範囲内に収まるようにする第1の処理ステップと、データ列内の所定の条件を満たす位置に所定の退避チップデータを挿入する第2の処理ステップとを含み、ウェハ毎に基本データ列からチップ並び最適化データ列を作成する第2のデータ処理と、iii)所定のチップデータを該チップ並び最適化データ列から除去することにより、連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が連結後のデータ列のどの位置においても所定の誤差範囲内に収まるように複数のウェハのチップ並び最適化データ列を連結し、連結後のデータ列のチップデータ数が最大になる組み合わせを捜す第3のデータ処理と、
を含むことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施に際しては、先ず、検査工程から送られてくる検査データから、各チップ毎のチップデータと、チップデータの集合体であるウェハ毎の基本データ列を作成する。この基本データ列に対してチップ並び順策定データ処理を実行し、チップ並び最適化データ列を作成する。
チップ並び順策定データ処理では、大きく分けて次の3つの処理を行う。
先ず最初に、不良チップ除外処理において、各チップデータの特性を検証し、仕様から外れてしまう容量値を含むチップデータは不良チップデータとして基本データ列から除外する。
【0019】
次に、リジェクト・チップ処理において、基本データ列内で連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が基本データ列内のどの位置においても所定の誤差範囲に収まるようになるまで、所定のチップデータをデータ列から一時退避の形で除外する。なお、具体的に、このリジェクト・チップ処理においては、極性反転部のチップデータをデータ列から除外する第1段階と、先頭のチップデータをデータ列から除外する第2段階と、最後尾のチップデータをデータ列から除外する第3段階の各作業を繰り返し実行する。
【0020】
そして最後に、インサート・チップ処理において、前段の処理によって一時退避の形で除外されたチップデータのうち、挿入可能と判断されたチップデータをデータ列中の所定の条件を満たす位置に挿入する。なお、具体的に、このインサート・チップ処理においては、除外したチップデータを、データ列中の元来存在した位置へ挿入する第1段階と、2点補間条件を満足する位置へ挿入する第2段階と、チップデータの特性が誤差範囲を充足する任意の位置へ挿入する第3段階の各作業を順次実行する。
【0021】
さらに、特性の連続性を維持した状態のまま、異なるウェハから得られる可変容量ダイオード装置の製品列を効率的に連結するために、ウェハ並び順策定データ処理を実行する。ウェハ並び順策定データ処理では、組み立て工程へ供給することが可能な全ウェハの供給順番が確定されるまで、データ連結処理とウェハ順番決定処理を繰り返し実行する。
ここで、データ連結処理は、条件が満たされるまで後側に連結されるチップ並び最適化データ列の先頭のチップデータを除外した上で、2つのウェハのチップ並び最適化データ列を連結するという作業を行う。また、ウェハ順番決定処理は、チップデータの数が最大になる前ウェハに対する後ウェハの組み合わせを捜し、チップ数最大の組み合わせに従ってウェハの供給順番を決定するという作業を行う。
【0022】
【実施例】
図1は本発明が適用される検査・組立て工程と管理システムの概略のブロック図であり、図2は本発明によるチップ並び順策定データ処理の手順の流れである。図1、図2を参照しながら本発明による可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法を説明する。
図1において、検査・組立て工程側の特性検査工程1、ソーイング工程2、表面検査工程3、プール4および組立て工程5については本発明と従来で何ら変わるところはない。本発明と従来の可変容量ダイオード装置の各検査・組立て方法で異なる部分は、管理システム側の基本データ列11作成以後のデータ処理の内容とその手順である。
【0023】
すなわち、管理システム側では、特性検査工程1において測定された各チップの特性の検査データからチップデータおよび基本データ列11を作成し、それをデータバッファ内に蓄積していく。表面検査工程3で表面に不具合があるチップが見つかった場合、不良チェック処理12によって不具合チップのチップデータを基本データ列11から除外する等の処置を施しておく。このようにして完成された基本データ列11に対してチップ並び順策定データ処理13を実行し、基本データ列11からチップ並び最適化データ列14を作成する。ここで、チップ並び順策定データ処理13は図2に示すような手順で処理を進める。
【0024】
先ず不良チップ除外処理21において、各チップデータの特性を検証し、仕様から外れてしまう容量値を含むチップデータを不良チップデータとして作業用に複製した基本データ列から除外する。
次に、リジェクト・チップ処理22に進み、作業用に複製した基本データ列内で連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差を検証しながら、その誤差が基本データ列内のどの位置においても所定の誤差範囲に収まるようにする。このリジェクト・チップ処理22では、連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が基本データ列内のどの位置においても所定の誤差範囲に収まるようになるまで、次の3段階の作業を各々繰り返し実行する。なお、従来のソートとは異なり、各作業は測定された全てのバイアス電圧印加時の容量値に対して順次行う。
【0025】
第1段階:その直前・直後に位置するチップデータの容量値が両方とも高く、あるいは両方とも低くなるような容量値を持つチップデータ、すなわち、容量値変化量の極性が反転する位置のチップデータ(以下、極性反転部のチップデータと呼ぶ)を捜す。もし、連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲に入らない場合、この極性反転部のチップデータを退避チップデータとして基本データ列から除外する。
第2段階:基本データ列の先頭のチップデータと基本データ列内で最初に現れる極性反転部のチップデータの間に存在するチップデータを抽出する。もし、連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲に入らない場合、先頭のチップデータを退避チップデータとして基本データ列から除外する。
【0026】
第3段階:基本データ列の最後尾のチップデータと基本データ列内で最後に現れる極性反転部のチップデータの間に存在するチップデータを抽出する。もし、連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲に入らない場合、最後尾のチップデータを退避チップデータとして基本データ列から除外する。なお、第1から第3の各段階において発生した退避チップデータは、次のインサート・チップ処理23で使用する。このため退避チップデータは、バッファ内の別の領域に一時退避させておく。
【0027】
そして次に、インサート・チップ処理23に進み、リジェクト・チップ処理22で発生した退避チップデータのうち、挿入可能と判断された退避チップデータを基本データ列中の所定の条件を満たす位置に挿入する。なお、インサート・チップ処理23では、挿入条件によって次の3段階の作業を実行する。
第1段階:所定の退避チップデータを、それが基本データ列の元々の存在位置に戻してみて、もし、その退避チップデータを含む連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲に収まるならば、その退避チップデータを基本データ列の元来存在した位置に挿入する。ただし、この第1段階の作業を行うに当たっては、退避チップデータの種類に応じて次のような順序で進める。
【0028】
(1)基本データ列の前後N個(計2N個)を除いた基本データ列の中間の区間に入る退避チップデータついて検証する。
(2)基本データ列の先頭からN個の区間に入る退避チップデータついて検証する。
(3)基本データ列の先頭に入る退避チップデータついて検証する。
(4)基本データ列の最後尾からN個の区間に入る退避チップデータついて検証する。
(5)基本データ列の最後尾に入る退避チップデータついて検証する。
【0029】
第2段階:所定の退避チップデータを基本データ列中の任意の位置の戻してみて、もし、その退避チップデータに含まれる全ての容量値が、当該位置の直前と直後のチップデータの各容量値の2点補間条件を満たすならば、その退避チップデータを基本データ列中の当該位置に挿入する。なお、ここで言う「2点補間条件」とは、例えば2つの値がC1とC2(=C1+α)であったとすると、判定対象の値C3がC1以上C2以下であることを意味する。
第3段階:所定の退避チップデータを基本データ列中の任意の位置に戻してみて、もし、その退避チップデータを含む連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲に入るならば、その退避チップデータを基本データ列中の当該位置に挿入する。
【0030】
以上のようなチップ並び順策定データ処理13により、基本データ列11からチップ並び最適化データ列14が作成される。このチップ並び最適化データ列14は、オリジナルの基本データ列11と共に管理システムのデータバッファ中に蓄積される。
管理システム内では、プールに入庫されているウェハの組立て工程への供給順序を決定するため、所定のタイミングで図3に示すような処理手順のウェハ並び順策定データ処理16を実行する。
【0031】
先ず、データ列連結処理31において、既に供給順番の確定しているウェハのチップ並び最適化データ列を前、供給順番の確定していない任意のウェハのチップ並び最適化データ列を後ろとして、2つのチップ並び最適化データ列を連結する。ただし、そのまま2つのチップ並び最適化データ列を連結すると、連結部付近では、連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲に入らなくなる。そこで、図4に示すように、連結されて1つになったチップ並び最適化データ列(以下、連結後データ列と言う)のどの位置においても、連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲に入るようになるまで、後側のチップ並び最適化データ列の先頭のチップデータを繰り返し除外する(▲1▼)。その後で2つのチップ並び最適化データ列を連結する(▲2▼)という2段階で作業を行う。
【0032】
そして次に、ウェハ順番決定処理32において、連結後データ列に含まれるチップデータの数が最大になる前ウェハに対する後ウェハの組み合わせを捜し出し、その組み合わせに従って供給順番の確定していない後ウェハの供給順番を決定する。
以上の処理をプール4内に存在する全てのウェハの供給順番が確定するまで繰り返し実行し、各ウェハの組立て工程への供給順序を決定する。これにより定められたウェハの供給順序のデータは基本データ列11、チップ並び最適化データ列14と共に管理システムのデータバッファ中に蓄積される。そして、ウェハの供給順序のデータは、適宜実行される入出庫管理処理15において参照され、ウェハの管理に利用される。
【0033】
検査・組立て工程側の組立て工程5では、ウェハからチップを随時抽出しながら可変容量ダイオード装置を連続して組立てる。ここで組立て工程は、前に供給されていたウェハからのチップ抽出の進捗状況に応じて、所定のタイミングで管理システムに新しいウェハの供給を要求する。すると、管理システムからプール4に対し、ウェハ並び順策定データ処理16で決定された供給順序に従って、所定のウェハを出庫するよう指示が出る。その結果、プール4から組立て工程5に新しいウェハが供給される。
【0034】
それまでセットされていたウェハからのチップの抽出が終了すると、それと交替で新しいウェハが組立て工程5内の組み立て装置(ダイボンディング装置)にセットされる。この時、新しいウェハのチップ並び最適化データ列14の少なくとも一部が管理システムから組立て工程5に送出される。この後、組立て工程5は、チップ並び最適化データ列14で定められているチップの取り出し順番に従って新しいウェハからチップを抽出し、可変容量ダイオード装置を組立てて行く。
以上が本発明を適用した可変容量ダイオード装置の検査・組立て工程と管理システムの処理の流れである。
【0035】
ところで、基本データ列11内のチップデータの並び順序(=チップNo,)は、検査工程1におけるチップの検査順序に従っている。検査装置のプローブは、1つのチップの特性の検査が終了すると、そのチップに隣接する未検査のチップの上へと移動するという動作を繰り返す。このため、基本データ列内で連続して並ぶチップデータは、本来、ウェハ上で隣接したチップの検査データで構成されている。
ある所定のバイアス電圧印加時に限定して容量値を比較した場合、ウェハ上で互いに離れた位置に有る2つのチップの中から、ほぼ同じ容量値を持つチップの組み合わせを見つけることができる。しかし、特性全体を総合的に比較した場合、互いに離れた位置に有る2つのチップよりも、隣接した位置に有る2つのチップの方が近い特性を持つと考えられる。これは、ウェハ上で隣接した2つのチップは、ウェハ製造時における処理条件の誤差が最も小さいであろうと推定されるためである。
【0036】
従来において使用されていたソート処理の欠点は、ある一つのバイアス電圧印加時における容量値だけが比較対象となる点に有る。すなわち、ソート処理を行うと、全体的に近い特性値を持ち、もともと連続して並んでいる2つのチップデータの間に、あるバイアス電圧(V2)印加時の容量値は非常に近いが、少なくとも一つの他のバイアス電圧(V3、V4、・・・)印加時の容量値が大きくかけ離れたチップデータが挿入されるという問題を生じる。この問題は、所定のバイアス電圧(V2)印加時における容量値でソートを実行した後に別のバイアス電圧(V3)印加時における容量値等でソートを再度実行しても解消されることは無い。程度の差は有りこそすれ、判断基準となる容量値が変わるだけである。
【0037】
これに対して本発明におけるチップ並び順策定データ処理13は、連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲から外れる原因となるチップデータを、一旦、退避チップデータとしてデータ列から除外する。その後、救済可能な退避チップデータについてはデータ列中の所定の条件を満たす位置に挿入するようにしている。
このため、本発明に基づいて作成されたチップ並び最適化データ列14は、ウェハ上で隣接した状態にあるチップのチップデータの並びを乱すことが少なく、全体的に特性の近似したチップデータがデータ列内で連続して並ぶ。しかも、全てのバイアス電圧印加時の容量値を総合的に比較した上で、チップデータの除外および挿入の判断を行っている。このため、従来よりも可変容量ダイオード装置の特性の連続性を高い値で維持でき、製造歩留まりを格段に向上させることができるのである。
【0038】
ちなみに、実在するウェハの検査データを使用して、同一条件の下で、本発明と従来の2つの可変容量ダイオード装置の検査・組み立て方法の各製品歩留まりがどのようになるか比較してみた。その結果、いずれのウェハの検査データ、条件においても、ソートを利用した従来の方法よりも、リジェクトチップ/インサートチップを利用した本発明の方法の方が格段に高い製品歩留まりとなった。具体的には、市場において求められる一般的な条件(特性の連続性を5〜6個で判定)よりも少々高めの条件(7個で判定)に設定した場合でも、本発明による可変容量ダイオード装置の検査・組み立て方法では90%前後(最大95%)の高い製品歩留まりを実現することができた。これは換言すると、本発明による可変容量ダイオード装置の検査・組み立て方法を適用すれば、従来より可変容量ダイオード装置の製品列の特性の連続性が高くなるということに他ならない。
【0039】
本発明による可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法では、ウェハからのチップの取り出し順序をチップ並び順策定データ処理13で決定している。このチップ並び順策定データ処理13で行われるリジェクト・チップ処理22およびインサート・チップ処理23の各処理について以下に説明を補足する。
【0040】
基本データ列11内の各チップデータに付与されているチップNo,を横軸、容量値を縦軸とした時、各チップデータの所定のバイアス電圧印加時の容量値は図5の上側に示す曲線のように変化する。すなわち、容量値は波打つように変化し、極大値と極小値を交互に出現させる。
連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲から外れる箇所(以下、連続性阻害箇所と言う)を探し出し、図5と対比させた結果、その連続性阻害箇所は、基本データ列の先頭のチップデータの付近、最後尾のチップデータの付近、容量値が極大値を示すチップデータの付近、および、容量値が極小値を示すチップデータの付近に集中して現れることが分かった。
【0041】
そこで、本発明によるチップ並び順策定データ処理13のリジェクト・チップ処理22では、連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差が所定の誤差範囲に入らない場合、極性反転部のチップデータ、データ列先頭のチップデータ、データ列最後尾のチップデータを退避チップデータとしてデータ列から除外することとしている。連続性阻害箇所を作る要因(以下、連続性阻害要因と言う)となっているチップデータが極性反転部のチップデータではなく、その付近のチップデータであっても、リジェクト・チップ22処理を繰り返すうちに、連続性阻害要因となっているチップデータを確実にデータ列から除外することができる。このため、本発明によるチップ並び順策定データ処理13では、リジェクト・チップ処理22のデータ処理に複雑な論理展開を必要とせず、なおかつ連続性阻害要因となっているチップデータを効率的にデータ列から除去することが可能である。
【0042】
ただし、極性反転部のチップデータを退避チップデータとする処理を繰り返すと、本来は連続性阻害要因ではないチップデータを退避チップデータとしてしまうことがある。そこで、本発明によるチップ並び順策定データ処理13のインサート・チップ処理23では、第1段階の作業において、退避チップデータを基本データ列の元々の存在位置に戻してみて、その挿入可能性を検証している。これにより、本来は連続性阻害要因のチップデータではないにも関わらず退避チップデータとなってしまったチップデータが救済されることになる。
【0043】
また、本発明によるチップ並び順策定データ処理13のインサート・チップ処理23では、第2段階において、2点補間条件を満足する位置(以下、2点補間位置という)への退避チップデータの挿入を行っている。その後、第3段階において、連続して並ぶN個のチップデータの誤差を検証しながら任意の誤差範囲充足位置への退避チップデータの挿入を行っている。
第3段階の任意の誤差範囲充足位置への退避チップデータの挿入は、できるだけ多くの退避チップデータを救済するために行われる。一方、第2段階の2点補間位置への退避チップデータの挿入は、退避チップデータの救済以外にも、演算処理の負荷軽減と、データ列の特性の連続性を高める機能も果たしている。
【0044】
つまり、2点補間位置へ退避チップデータの挿入する場合、連続して並ぶN個のチップデータの特性の誤差を検証しなくとも、確実に特性の連続性が確保できる。このため、演算処理の負荷が比較的重い誤差の検証作業が必要な退避チップデータの数を減らすことができる。また仮に、データ列中のある位置において連続して並ぶ5個のチップデータの特性の誤差が2.8%だったとする。ここに2点補間の条件を満たす退避チップデータが挿入されると、誤差が同じ2.8%でも、連続してチップデータの数は5個から6個に増えることになり、実質的に、その位置における特性の連続性を向上させることができる。
なお、これらの各処理・各作業段階を経て得られたチップ並び最適化データ列14では、チップデータの所定のバイアス電圧印加時の容量値が図5の下側に示す曲線のように変化するようになる。
【0045】
以上までの本発明の実施例では、データ処理の過程の理解を容易にするため、退避チップデータをまるごとデータ列から除外、あるいはデータ列に挿入する形で説明している。しかし、本発明の実施に際しては、実際にチップデータを除外・挿入せずとも、各チップデータに新たな数値や記号を付与し、その数値や記号の変更によって、実質的にデータの挿入・除外と同様な作用を持つデータ処理で実現しても構わない。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明による可変容量ダイオード装置の検査・組み立て方法は、リジェクト・チップ処理とインサート・チップ処理を基本としたデータ処理により、ウェハ上のチップの取り出し順番を決定することを特徴としている。具体的には、リジェクト・チップ処理では、極性反転部のチップデータの一時退避、データ列の先頭のチップデータの一時退避、最後尾のチップデータの一時退避の3段階の作業を行い、インサート・チップ処理では、元々の位置への挿入、2点補間位置への挿入、誤差範囲充足位置への挿入の3段階の作業を行うことを特徴としている。
【0047】
このような本発明においては、ウェハ製造時における処理条件の誤差が最も小さいであろうと推定される隣接したチップに対応したチップデータの並びを乱すことが少ない。また、全てのバイアス電圧印加時の容量値を総合的に比較した上でチップデータの除外および挿入の判断が行われている。
このため、一列に並べられた可変容量ダイオード装置の特性の連続性を高い値に維持でき、製造歩留まりを格段に向上させることができる。
【0048】
具体的なデータ処理の方法について見ると、本発明では極性反転部のチップデータを退避チップデータとしている。これにより、リジェクト・チップ処理のデータ処理に複雑な論理展開を必要とせず、なおかつ特性の連続性阻害要因となっているチップデータを効率的にデータ列から除去できる。
また、退避チップデータを救済するに当たっては、2点補間位置へ挿入するという作業段階を含んでいる。これにより、演算処理の負荷軽減と、データ列の特性の連続性が向上する、という付帯的な効果も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される検査・組立て工程と管理システムの概略のブロック図。
【図2】 本発明によるチップ並び順策定データ処理のフローチャート。
【図3】 本発明によるウェハ並び順策定データ処理のフローチャート。
【図4】 ウェハ並び順策定データ処理の一部を構成するデータ連結処理の概念を示す図。
【図5】 各データ列の容量値変化を示す図。
【図6】 従来の検査・組立て工程と管理システムの概略のブロック図。
【図7】 検査手順の一例を示す図。
【図8】 チップデータ及び基本データ列のフォーマットの一例を示す図。
【図9】 従来のチップ並べ替えデータ処理のフローチャート。
【図10】 任意の2つのチップデータが示す特性の類型を示す図。
【符号の説明】
1:特性検査工程 2:ソーイング工程 3:表面検査工程 4:プール 5:組立て工程 11:基本データ列 13:チップ並び順策定データ処理 14:チップ並び最適化データ列 15:入出庫管理処理 16:ウェハ並び順策定データ処理 21:不良チップ除外処理 22:リジェクト・チップ処理 23:インサート・チップ処理
31:データ連結処理 32:ウェハ順番決定処理
Claims (7)
- ウェハ上の各チップの容量値を測定し、得られた該各チップの容量値に基づいて該チップの抽出順序を決定し、該抽出順序に従って特性の揃った可変容量ダイオード装置を連続して組み立てるための検査・組立て方法であって、
a)容量値を含む各チップのチップデータと、該チップデータの集合体であって、検査順序に従ってウェハ上で隣接したチップのチップデータがほぼ連続して並ぶように構成された基本データ列とを作成する第1のデータ処理と、
b)その直前と直後に位置するチップデータの容量値が両方とも高く、あるいは低くなるような極性反転部のチップデータを退避チップデータとして該基本データ列から除外する作業段階を含み、該退避チップデータ除外後の該データ列内で連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が、該データ列のどの位置においても所定の範囲に収まるようにする第2のデータ処理と、
c)それぞれの退避チップデータについて、該第2のデータ処理を経た該データ列内の所定位置に該退避チップデータを挿入した時に該所定の退避チップデータを内包して連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が所定の誤差範囲内に収まるかどうかを判定し、該誤差が該誤差範囲に収まる場合に該退避チップデータを該所定位置に挿入するための第3のデータ処理と、
を含むことを特徴とする可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法。 - 前記基本データ列内のチップデータの順序が前記チップの容量値の測定順序に従っていることを特徴とする、請求項1に記載した可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法。
- 前記第2のデータ処理が、
前記データ列の先頭のチップデータと該データ列で最初に現れる前記極性反転部のチップデータとの間に存在するチップデータを含んで連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が前記所定の誤差範囲内に収まらない場合、さらに、連続して並ぶN個のチップデータの中で容量値の最も大きいチップデータあるいは容量値の最も小さいチップデータを前記退避チップデータとする作業段階を含むことを特徴とする、請求項1あるいは請求項2に記載した可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法。 - 前記第3のデータ処理が、
1)所定の前記退避チップデータを前記データ列内の元の位置に挿入した時、該所定の退避チップデータを内包して連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が前記所定の誤差範囲内に収まるかどうかを判定し、該誤差が該誤差範囲に収まる場合に該所定の退避チップデータを該データ列の元の位置に挿入する第1の作業段階と、
2)該所定の退避チップデータの容量値が該データ列内で連続して並ぶ任意の2つのチップデータの各容量値の補完位置に入る値かどうかを判定し、該退避チップデータの容量値が該補完位置に入る値である場合に、該退避チップデータを該連続して並ぶ任意の2つのチップデータの間の位置に挿入する第2の作業段階と、
3)該退避チップデータを前記データ列中の所定位置に挿入した時、該退避チップデータを内包して連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が所定の誤差範囲内に収まるかどうかを判定し、該誤差が所定の誤差範囲内に収まる場合に該退避チップデータを該データ列内の該所定位置に挿入する第3の作業段階と
を含むことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載した可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法。 - ウェハ毎に各チップの容量値を測定し、得られた該チップの容量値に基づいて該チップの抽出順序と該ウェハの供給順序を決定し、該供給順序と該抽出順序に従って特性の揃った可変容量ダイオード装置を連続して組み立てるための検査・組立て方法であって、
i)容量値を含む各チップのチップデータと、ウェハ毎の該チップデータの集合体であって、検査順序に従ってウェハ上で隣接したチップのチップデータがほぼ連続して並ぶように構成された基本データ列とを作成する第1のデータ処理と、
ii )その直前と直後に位置するチップデータの容量値が両方とも高く、あるいは低くなるような極性反転部のチップデータを退避チップデータとして該基本データ列から除外する作業段階を含み、該退避チップデータ除去後のデータ列内で連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が、該データ列のどの位置においても所定の誤差範囲内に収まるようにする第1の処理ステップと、該第1の処理ステップを経た該データ列内の所定位置に退避チップデータを挿入した時、該退避チップを内包して連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が所定の誤差範囲内に収まるかどうかを判定し、該誤差が所定の誤差範囲内に収まる場合に該退避チップデータを該所定位置に挿入する第2の処理ステップとを含み、これによりウェハ毎に該チップの抽出順序を規定するチップ並び最適化データ列を作成する第2のデータ処理と、
iii )連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差がどの位置においても所定の誤差範囲内に収まるように複数のウェハのチップ並び最適化データ列を連結した上で、該連結後のデータ列のチップデータの数が最大になるウェハの組み合わせを順次求め、これにより該ウェハの供給順序を決定する第3のデータ処理と、
を含むことを特徴とする可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法。 - 前記第2のデータ処理の第2の処理ステップが、
1)所定の前記退避チップデータを前記データ列内の元の位置に挿入した時、該所定の退避チップデータを内包して連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が前記所定の誤差範囲内に収まるかどうかを判定し、該誤差が該誤差範囲に収まる場合に該所定の退避チップデータを該データ列の元の位置に挿入する第1の作業段階と、
2)該所定の退避チップデータの容量値が該データ列内で連続して並ぶ任意の2つのチップデータの各容量値の補完的な値かどうかを判定し、該退避チップデータの容量値が該補完的な値である場合に該チップデータを該連続して並ぶ任意の2つのチップデータの間に挿入する第2の作業段階と、
3)該退避チップデータを前記データ列中の任意の所定位置に挿入した時、該退避チップを内包して連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が所定の誤差範囲内に収まるかどうかを判定し、該誤差が所定の誤差範囲内に収まる場合に該退避チップデータを該データ列内の任意の所定位置に挿入する第3の作業段階と
を含むことを特徴とする、請求項5に記載した可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法。 - 前記第3のデータ処理が、
1)連続して並ぶN個のチップデータの容量値の誤差が連結後のデータ列のどの位置においても所定の誤差範囲内に収まるようになるまで第2のウェハのチップ並び最適化データ列の先頭のチップデータを除去した上で、第1のウェハのチップ並び最適化データ列に該第2のウェハのチップ並び最適化データ列を連結する第1の作業段階と、
2)該第1の作業段階を経た該連結後のデータ列に含まれるチップデータの数が最大になる該第1と該第2のウェハの組み合わせを捜し、その組み合わせに従って該第2のウェハの供給順序を決定する第2の作業段階と、
を含むことを特徴とする、請求項5あるいは請求項6に記載した可変容量ダイオード装置の検査・組立て方法。
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