JP3836409B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウレタン樹脂の分解物を用いた樹脂組成物に係わり、詳しくは硬化安定性を持つウレタン分解物を用いたエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウレタン樹脂を含む廃棄物の例として、冷蔵庫、建材、クッション材などが挙げられる。近年、このリサイクルに対する要望が高まっており、これらの廃棄物はそれぞれの分野において再利用が研究されている。しかし、ウレタン樹脂は3次元の網目構造を有する熱硬化性樹脂であるためリサイクルが困難であり、現状は埋め立てや焼却などの処分がされている。
【0003】
ウレタン発泡樹脂のリサイクル方法については、古くから様々な方法が報告されており、例えば特開平6−184513号公報には、ポリオールとアミノエタノールを分解剤としてポリウレタンフォームを分解し、接着助剤として再生する方法が記載されている。しかしこの方法ではバッチ式で分解を行っており、且つ分解剤の使用量も多いため、再生した樹脂を接着剤にしか使用できないのが現実である。
また、近年ウレタン製品の多様化に伴い様々な樹脂組成のウレタン樹脂が流通しており、これらのウレタン樹脂をリサイクルするに当たり、その分解方法も多様化している。現在、一般的には、種々の原料成分のウレタン分解物とエポキシ樹脂とを、あらかじめ設定された重量比で混合しエポキシ樹脂として再生を行っているが、この配合は必ずしも、種々の異なる物性のウレタン樹脂分解物に適しているとは言えず、それが再生樹脂の物性を低下させ、その用途を限定する原因となっている。
【0004】
また、再生樹脂を注型材料や成形材料に使用しようとした際の重要な特性に、硬化時間があるが、連続注型または連続成形をしようとした際、硬化時間を短くかつ安定に保つことが生産性を高める上で非常に重要であるが、再生樹脂においては、これらの検討はいままでされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、ウレタン樹脂及びその分解方法の多様化による様々なウレタン分解物が存在する中で、再生樹脂を製造するにあたって、硬化安定性に優れた手法の実現が求められていた。本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ウレタン分解物から硬化安定性に優れた特性をもつエポキシ樹脂組成物を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の事情に鑑み鋭意研究した結果、ウレタン分解物中の官能基当量が良好なエポキシ樹脂を製造する際の混合比の指針になることを見出した。さらにウレタンとエポキシの混合比がある一定以上の領域において、硬化時間を示すゲルタイムが混合比によらずほぼ一定値で、どの配合よりも短い値を示すことを発見し、本発明に至ったのである。ここでいう官能基当量とは、ウレタン分解物中に含まれるアミノ基と水酸基の合計当量のことである。これを用いることにより、ウレタン分解物の形状(液体・固体)や分解剤の種類、被分解物のウレタンの種類によらず、良好なエポキシ樹脂組成物を得ることに成功したのである。
【0007】
本発明は、(a)250mgKOH/g以上の水酸基価を持つポリオールを原料とするウレタン樹脂を、アミン類を該アミン類とこれに添加されるポリオールとの合計量に対して、25%以上含有する分解剤を用いて化学的に分解したウレタン樹脂分解物(官能基当量:X)と、(b)エポキシ樹脂(エポキシ当量:Y)とからなる樹脂組成物において、
前記ウレタン樹脂分解物の混合量をx(単位:g)、前記エポキシ樹脂の混合量をy(単位:g)としたときの混合比Z=[(x/X)/(y/Y)]が、2≦Zであることを特徴とする樹脂組成物である。本発明者らは、上記配合量において製造されたエポキシ樹脂組成物が、ウレタン分解物を用いた他の配合量の樹脂組成物よりも優れた硬化安定性を持っていることを確認し本発明に至ったのである。また、上記混合比が、2以上であれば、硬化安定性の優れた樹脂組成物が得られ、特に硬化安定性においての上限はないが、生成した硬化物の特性からいえば、この混合比Zは、8以下であることが好ましい。
【0008】
前記本発明において、前記分解物は、アミン類を該アミン類とこれに添加されるポリオールとの合計量に対して、50%以上含有するものが好ましく、アミン類のみからなる分解剤であることがさらに好ましい。
また、前記本発明において、前記ウレタン樹脂は、250mgKOH/g以上の水酸基価を持つポリオールを原料としたものを用いることが、高い機械的強度を有する樹脂硬化物が得られる点で、好ましい。
【0009】
また、前記本発明において、前記ウレタン樹脂を分解する装置としては、連続的に少なくとも投入原料の加熱および混合を行うことができる装置を用いることができる。さらにその装置で投入原料の圧縮も同時に行えるとさらに好ましい。このような装置としては、一般的に樹脂成形体の製造に用いられている連続押出機が適している。このような装置を用いることによって、短時間に所要の物性を有するウレタン樹脂組成物を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(ウレタン分解物)
ここでいう分解物とは、ウレタン樹脂を、アミン類を用いて低分子化させたものである。室温で液体であっても固体であっても構わない。またその中に未分解のウレタン樹脂や不純物などを含んでいても良い。ウレタン分解物を得る一つの方法としては、ウレタン樹脂1重量部に対し、アミン化合物を1〜1/100(好ましくは1/3〜1/10)添加し、反応容器の中で100〜300℃(好ましくは150〜280℃)で混錬することによって得られる。被分解物であるウレタン樹脂としては、ウレタン結合、尿素結合などを持つウレタン樹脂であるなら何でも良い。例えば、硬質ウレタン、軟質ウレタン、半硬質ウレタン、ウレタンエラストマーなどが挙げられる。ウレタン変性イソシアヌレート樹脂も含まれる。また、原料は基本的にどんなものを使っていても問題ないが、ウレタン原料ポリオールの水酸基価が250mgKOH/g以上のものを用いると架橋点が多くなりより性能の良い樹脂組成物を得ることができ、更に望ましくは350mgKOH/g以上のものを用いることが望ましい。また水酸基価250mgKOH/g以上を持つウレタン樹脂の例としては硬質ウレタンが挙げられ、その用途は冷蔵庫、建材、断熱材などに使用されているものである。
【0011】
ウレタンを化学的に分解する分解剤としてはアミン類を用いる。例えばアミン類としては、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、プロパンジアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソプロパノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチルアミノエタノール、アミノブタノール、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソブチルアミン、メチルジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、クロロアニリン、ピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾールがあげられる。これらの化合物を混合して使用しても問題はない。
【0012】
また必要に応じて、これらのアミン化合物に添加剤を加えてもよい。添加剤の例としては、水,アルコール,ポリオールなどの希釈剤や、アルカリ金属,金属錯体などの反応補助剤、無機粒子や有機粒子などの充填材など、アミン化合物の反応を極端に阻害しないものであれば添加することができる。その添加量としては、添加剤の物性により異なる。水や低分子アルコールなどの沸点が150℃以下の添加剤については、分解装置中で揮発し最終的にはウレタン分解物から抜けてしまうことから、その添加量に特に制限をつける必要は無いが、多量の添加は揮発熱によって装置の温度を奪うことから注意が必要である。より好ましくはウレタンの重量の半分以下にとどめることが望ましい。またポリオールなどの沸点の高いものでエポキシ樹脂と反応するものについては、その添加量に注意を払わなくてはいけない。これらの物質だけが大量に残存していると、エポキシと反応し物性を低下させてしまうので、ウレタン樹脂に対する重量と分解剤のアミンに対する量を制限する必要がある。アミンの添加量の3倍以下で且つウレタンの重量以下であることが好ましく、さらに好ましくはアミン添加量の1倍以下でウレタン重量の30%以下、さらに好ましくは添加しない方がよい。加えて、添加するポリオールの水酸基価は250mgKOH/g以上が好ましく、350mgKOH/g以上だとなお好ましい。また、無機粒子、有機粒子などの充填材については、反応を阻害しない程度であれば特に制限が無いが、ウレタン樹脂と同重量以下に留める事が好ましい。
【0013】
(混合比)
本発明の樹脂組成物は、(a)ウレタン樹脂を、アミン分解剤を用いて化学的に分解したウレタン分解物(官能基当量:X)と、(b)エポキシ樹脂(エポキシ当量:Y)とからなる樹脂組成物において、樹脂の混合量をそれぞれx、y(単位:g)としたときの混合比Z=[(x/X)/(y/Y)]が、2以上であることを特徴とする。
また、ここで言う官能基当量とは、アミノ基と水酸基の合計当量のことである。この合計当量は、アミノ基または水酸基1つあたりの平均分子量を示す。JIS K 1557に記載されている水酸基価と、JIS K 7237に記載されているアミン価を用いた官能基当量Xの計算方法は、X=1000×56.1/(水酸基価[mgKOH/g]+アミン価[mgKOH/g])である。式中の56.1は水酸化カリウムの分子量である。またエポキシ当量Yとは、エポキシ基1つあたりの分子量であり、一般に市販されているエポキシ樹脂にはその値が記載されている。計算の例を挙げると、OH価600mgKOH/g,アミン価150mgKOH/gのウレタン分解物の官能基等量は74.8となる。これをエポキシ当量189のエポキシ樹脂と硬化させるとき、エポキシ100重量部に対して約80重量部以上で硬化する範囲のものが硬化安定性の特徴をもつ樹脂組成物を得るための混合比となる。これよりもウレタン分解物が少ないと、樹脂中のアミンが少なくなり硬化時間が大きく伸びてしまう。また、特に硬化安定性においての上限はないが、生成した硬化物の特性からいえば、この混合比Zは、8以下であることが好ましい。
【0014】
(分解装置)
ウレタンを分解する装置には、従来知られているどのような分解装置を用いることもできるが、特に少なくとも加熱および混合を同時に行える連続押出機が望ましい。加熱手段および混合手段を備えた反応容器のようなバッチ式の分解装置で分解を行うと、ウレタンの熱伝導率が悪いため、ウレタンの分解が均一に行われず、同一のバッチにおいても分解反応の開始時間に大きな差ができてしまう。このため、先に分解した部分はより低分子量に、後に分解したものが高分子量になるため、分解生成物の分子量分布が広がる傾向にある。このようにバッチ式などの分解装置を用いて分解したウレタン分解物でも、本発明の配合比で混合すれば硬化安定性に優れた樹脂組成物を得ることができる。しかし、押出機を用いて分解したものでは、圧縮によって熱伝導率を高めるため反応の開始時期をある程度統一することができる。このため分子量がある程度そろった分解物を得ることができ、これを再生した樹脂組成物ではバッチ式よりより安定した硬化時間が得られるのである。また、押出機のような連続式の装置を用いて分解を行うと、バッチ式の装置では10時間程度かかっていた分解処理時間が、5分程度の短時間で処理を行うことができ、きわめて効率的であり、かつ、生成した分解物も均一であるため、好ましい。
【0015】
【実施例】
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
実施例には、以下に記載するウレタン分解物を用いて行った。被分解物である冷蔵庫断熱材ウレタン原料ポリオールのOH価は450mgKOH/gであり、クッション材ウレタンの原料ポリオールのOH価は56mgKOH/gである。
【0016】
(ウレタン分解物A)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンとを、3.2:1の混合比となるように、230℃の2軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、JIS K 1557に定められた方法でOH価を測定したところ631mgKOH/gであった。JIS K7237に定められた方法でアミン価を測定したところ158mgKOH/gであった。これにより官能基当量は71.0であった。
【0017】
(ウレタン分解物B)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンとを、7.1:1の混合比となるように、250℃の2軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で固体で、OH価は422mgKOH/g、アミン価は101mgKOH/gであり、官能基当量107.1であった。
【0018】
(ウレタン分解物C)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンとを、10:1の混合比となるように、250℃の1軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で固体で、OH価は343mgKOH/g、アミン価は106mgKOH/gであり、官能基当量は124.8であった。
【0019】
(ウレタン分解物D)
クッション材のウレタン樹脂と、モノエタノールアミンとを、2.5:1の混合比となるように、170℃の2軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は618mgKOH/g、アミン価は139mgKOH/gであり、官能基当量は74.13であった。
【0020】
(ウレタン分解物E)
クッション材のウレタン樹脂と、モノエタノールアミンとを、4.7:1の混合比となるように、210℃の2軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は475mgKOH/g、アミン価は107mgKOH/gであり、官能基当量は96.4であった。
【0021】
(ウレタン分解物F)
水酸基価約280のポリエチレングリコール100重量部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート67.5重量部を反応させウレタンを得た。このウレタンを、ウレタン樹脂と、ジエタノールアミンとを、10:1の混合比となるように、200℃の2軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は262mgKOH/g、アミン価は28mgKOH/gであり、官能基当量は193.4であった。
【0022】
(ウレタン分解物G)
建材として使用されていたウレタン変性イソシアヌレート樹脂(イソシアヌレートフォーム)を取り出した。このフォームにはウレタン樹脂100重量部に対し、約10重量部のコンクリート片(最大粒子径10mm)が混ざっていた。この得られたフォームを、イソシアヌレートフォーム:ジエタノールアミン=3:1で250℃の1軸押出機に投入して分解物を得た。OH価は523mgKOH/g、アミン価は238mgKOH/gであり、官能基当量は73.7であった。
【0023】
(ウレタン分解物H)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンと、水とを、混合比が3:1:2となるように、250℃の1軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は493mgKOH/g、アミン価は210mgKOH/gであり、官能基当量79.8であった。
【0024】
(ウレタン分解物I)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンと、エタノールとを、10:1:3の混合比となるように、250℃の1軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で固体で、OH価は356mgKOH/g、アミン価は115mgKOH/gであり、官能基当量119.1であった。
【0025】
(ウレタン分解物J)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンと、ポリエチレングリコール#400とを、3:1:1の混合比となるように、250℃の1軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は562mgKOH/g、アミン価は127mgKOH/gであり、官能基当量81.4であった。
【0026】
(ウレタン分解物K)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ヘキサメチレンジアミンとを、3:1の混合比となるよう、250℃の1軸押出機に投入し、ウレタン分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は540mgKOH/g、アミン価は112mgKOH/gであり、官能基当量86.0であった。
以上のウレタン分解物の作成条件と、その物性を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
(実施例1)
ウレタン分解物Aとエポキシ当量189のビスフェノールA型エポキシ樹脂を、Zが2〜5の範囲でそれぞれ混合した。これを試験管の中に入れ、150℃のオイルバス中でゲルタイムを測定したところ、ほぼ一定の時間を示した。
【0029】
(比較例1)
実施例1と同様に、Zが2未満の範囲において混合し、150℃のオイルバス中でゲルタイムを測定した。ゲルタイムは実施例1で測定したものよりも混合比によって大きく変動し、安定したゲルタイムを得ることは難しかった。
これらの実施例1及び比較例1の結果を表2にまとめた。
【0030】
(実施例2)
ウレタン分解物Bとエポキシ当量450の固形エポキシ樹脂を共に粉砕しZが2〜17になるように混合した。この混合物を150℃の熱板上でゲルタイムを測定したところ、ほぼ一定の値を示した。
【0031】
(比較例2)
実施例2と同じ材料を用い、Zが2以下の範囲で分解物とエポキシと混合し、150℃の熱板上でゲルタイムを測定したところ、実施例2と比較して極めて大きかった。
【0032】
(実施例3)
ウレタン分解物Cとエポキシ当量450の固形エポキシ樹脂を共に粉砕しZが2〜11になるように混合した。この混合物を150℃の熱板上でゲルタイムを測定したところ、ほぼ一定の値を示した。
【0033】
(比較例3)
実施例2と同じ材料を用い、Zが2以下の範囲で分解物とエポキシ樹脂と混合し、150℃の熱板上でゲルタイムを測定したところ、実施例2と比較して極めて大きかった。実施例2,3及び比較例2,3を表3にまとめた。
【0034】
(実施例4〜11,比較例4〜11)
以下、実施例1と同様に、ウレタン分解物D,E,F,G,H,I,J,KについてそれぞれZが2以上の範囲でエポキシ樹脂と混合しゲルタイムを測定した。どのウレタン分解物の硬化物についても、Z=2以上の範囲でほぼ一定値の低い値を示した。(実施例4〜11)また、Zが2未満の範囲においても同様にゲルタイムを測定したところ、それぞれ大きい値を示した(比較例4〜11)。これら結果を表4および表5にまとめた。
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
【発明の効果】
以上本発明のウレタン分解物とエポキシ樹脂を所定の割合で混合し硬化させることによって、硬化時間が短くかつ組成の変化に対して非常に硬化時間が安定な樹脂組成物を作成することができるので、ウレタン樹脂のリサイクル技術としての硬化は非常に大きいものである。
Claims (1)
- (a)250mgKOH/g以上の水酸基価を持つポリオールを原料とするウレタン樹脂を、アミン類を該アミン類とこれに添加されるポリオールとの合計量に対して、25%以上含有する分解剤を用いて化学的に分解したウレタン樹脂分解物(官能基当量:X)と、(b)エポキシ樹脂(エポキシ当量:Y)とからなる樹脂組成物において、
前記ウレタン樹脂分解物の混合量をx(単位:g)、前記エポキシ樹脂の混合量をy(単位:g)としたときの混合比Z=[(x/X)/(y/Y)]が、2≦Zであることを特徴とする樹脂組成物。
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