JP4080731B2 - 軟質ウレタン樹脂の分解方法、及びこれを用いた再生樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、軟質ウレタン樹脂の分解方法及びこれを用いた再生樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ウレタンクッションなどの軟質ウレタン樹脂のリサイクルに対する需要が高まっており、再利用方法が研究されている。
【0003】
例えば、シートやマットのクッション材に使用されている軟質ウレタンフォームの廃材はチップ状に破砕してバインダーで再び接着するなどの方法でマテリアルリサイクルは行われている。しかし、用途も限られるため生産量は多くない。
【0004】
また、ウレタン発泡樹脂のケミカルリサイクル方法については古くから様々な方法が報告されており、例えば特公昭42−10634号公報には、モノエタノールアミンで軟質ポリウレタンフォームを分解し、その後、分解生成物から芳香族アミンとモノエタノールアミンを蒸留してポリオールを分離回収する方法が記載されている。
【0005】
この発明は、ウレタン樹脂の製造原料であるポリオールを分離回収することを目的としたものであり、モノエタノールアミンなどの分解剤を多量に使用しているため分解物はポリオール主成分の上層とアミン溶媒および分解時に生成されたアミン化合物が主成分の下層となる。このポリオールを再生樹脂の硬化剤として使用することはできるが半分以上を占める溜分のアミン化合物は使用できない。また、この分解物を蒸留、精製することで再生樹脂の原料となる分解生成物を得ることも可能であるが再生樹脂を合成するまでに蒸留や精製といった別途工程が必要であり、処理工程を繁雑なものにしており現実的ではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の軟質ウレタン樹脂の分解方法は、分解工程だけでそのままで再利用可能な分解生成物の全処理量に対する割合が少ないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みて為されたものであり、軟質ウレタン樹脂の分解工程を煩雑にすることなく、全処理量に対する再利用可能な分解生成物の得られる割合を向上した軟質ウレタン樹脂の分解方法、及びこれを用いた再生樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の軟質ウレタン樹脂の分解方法は、 軟質ウレタン樹脂をアミン化合物のみと反応させて前記軟質ウレタン樹脂の分解生成物を得る軟質ウレタン樹脂の分解方法において、前記アミン化合物としてジエタノールアミンを用い、ジエタノールアミンを1重量部としたときに、前記ウレタン樹脂の割合をx(重量部)、ジエタノールアミンの沸点に対する分解温度の変化割合(100×(分解温度−前記アミン化合物の沸点)/前記アミン化合物の沸点)をy(%)とした際、
10≦x<100、−25.7≦y≦−7.1
であることを特徴とする。
前記軟質ウレタン樹脂を前記ジエタノールアミンと共に圧縮と混練を同時に行うことが好ましい。
本発明の再生樹脂の製造方法は、軟質ウレタン樹脂をアミン化合物のみと反応させて前記軟質ウレタン樹脂の分解生成物を得る第1工程と、この第1工程の後前記分解生成物にエポキシ樹脂を加えて樹脂化する第2工程とを有する再生樹脂の製造方法であって、前記第1工程は、前記アミン化合物としてジエタノールアミンを用い、ジエタノールアミンを1重量部としたときに、前記軟質ウレタン樹脂の割合をx(重量部)、ジエタノールアミンの沸点に対する分解温度の変化割合(100×(分解温度−前記アミン化合物の沸点)/前記アミン化合物の沸点)をy(%)とした際、
10≦x≦100、−25.7≦y≦−7.1
である条件にて行う事を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をより詳細に説明する。
(分解装置)
図3に本発明で使用した軟質ウレタン樹脂の分解装置の概略図を示すとともに、本発明の軟質ウレタン樹脂の分解方法を具体的に説明する。
【0010】
軟質ウレタン樹脂は投入口1から投入され、粉砕された状態で原料投入口3に投入され、反応容器2に搬送される。混練器としては円筒形状の反応容器2とこの反応容器2に設置されたスクリュー7(ここでは1軸)で構成されている。このスクリューを回転させることで軟質ウレタン樹脂を混練しながら吐出ノズル8方向へ搬送する。
【0011】
また、原料投入口3に隣接して、反応容器2には分解剤注入口6が設けられている。分解剤タンク4に収納されたアミン化合物(分解剤)は液体注入ポンプ5により分解剤注入口6から注入され、原料投入口3から投入された軟質ウレタン樹脂と混合されながら圧縮・混練される。
【0012】
そして、軟質ウレタン樹脂(分解生成物)は吐出ノズル8から押し出される様になっている。
(混練器)
混練器としては、軟質ウレタン樹脂とアミン化合物とからなる混合物を押圧し、両者を混合しながら練る。すなわち圧縮・混練できるものであり、さらに圧縮・混練しながら混合物を加熱できるものであればこの様な装置構成に限らなくても良い。
【0013】
例えば前述した1軸分解装置に限らず、2軸分解装置、連続式ニーダーやモノポンプなど、加熱と共に混練を行えるものであれば特に制限されずに使用できる。特にこれらの混練器は、分解反応を連続的に処理できるため、大量の軟質ウレタン樹脂の分解に適している。
【0014】
図3の説明では、軟質ウレタン樹脂とアミン化合物は、別々にして混練器に投入したが、それぞれ個別に混練器に投入するよりも、予めアミン化合物を軟質ウレタン樹脂に分散・含浸させ、原料投入口から投入することが好ましい。前述したように軟質ウレタン樹脂に対するアミン化合物の体積比は極めて小さいため、このような前処理を行うことで軟質ウレタン樹脂の嵩密度が小さくなり分解反応をより速やかに行うことが可能になる。さらに、軟質ウレタン樹脂は比較的静電気が発生しやすい材料であるため、混練器の投入など取扱いの点で困難な面があるが、予め分解剤を分散・含浸させ、軟質ウレタン樹脂を膨潤させておくことで静電気を生じ難くさせ取扱いが容易になる。
【0015】
膨潤方法は、例えば攪拌機能を持つ容器に、軟質ウレタン樹脂とアミン化合物を所定の比率で投入し、両者を室温〜130℃の温度範囲で攪拌混合することが望ましい。処理温度が高すぎると分解反応が生じてしまい、均質な分解生成物が得られなくなる可能性がある。
【0016】
混練器による加熱は、分解する軟質ウレタン樹脂や分解剤であるアミン化合物の種類によって多少異なるが、通常130℃〜300℃、より好ましくは170℃〜250℃で行えばよい。さらに、加熱時間は1分〜20分程度、より好ましくは3分〜10分程度で行えばよい。加熱温度が300℃よりも高かったり、加熱時間が20分より長いと、さらに軟質ウレタン樹脂を形成しているC−C結合までも分解して過剰反応となる恐れがあり、加熱温度が130℃より低かったり、加熱時間が20分より短くなると、軟質ウレタン樹脂を十分に分解できなくなる恐れがある。
【0017】
このようにして軟質ウレタン樹脂を分解して得られた分解生成物は、均質な液体状態に分解されるため、蒸留や抽出などの工程を経ずに、そのまま再生品の再資源化をすることができる。
【0018】
特に、この分解生成物にエポキシ樹脂を混合させると硬化し、エポキシ樹脂を得ることができ、弾性に富み、高耐久性の樹脂組成物を得ることができる。このとき、分解生成物とエポキシ樹脂の比率は、例えば分解生成物100重量部に対し、エポキシ樹脂を10〜100重量部とすればよい。また、この分解生成物をそのまま軟質ウレタン樹脂として再生したり、することも可能である。
(分解条件・反応)
反応容器2およびスクリュー7は、以下の範囲程度に加熱されており、反応容器2に投入された軟質ウレタン樹脂と分解剤の混合物は反応容器2内で圧縮・混練されることで、微量のアミン化合物と均一に接触しながら、流動性をもつ状態になる程度にまで分解される。
アミン化合物を1重量部としたときに、軟質ウレタン樹脂の割合をx(重量部)、アミン化合物の沸点に対する分解温度の変化割合、即ち
y(%)=100×(分解温度−前記アミン化合物の沸点)/前記アミン化合物の沸点
と表記すると、アミン化合物の沸点が200℃以上の場合(ジエタノールアミンなど)には、
1≦x<4、−29≦y≦10、 …(1)
4≦x<10、−14≦y≦10 …(2)
10≦x≦100、−29≦y≦10 …(3)
で表される領域となる。図1の点で示した領域が上記(1)式〜(3)式で示した領域である。
【0019】
また、アミン化合物の沸点が200℃未満の場合(モノエタノールアミンなど)には、
1≦x<4、−15≦y≦40、 …(4)
4≦x<10、0≦y≦40 …(5)
10≦x≦100、−15≦y≦40 …(6)
で表される領域となる。図2の点で示した領域がこの(4)式〜(6)式で示した領域である。
【0020】
例えば、ウレタン樹脂RNHCOOR’(Rはイソシアネート基、R’はポリオール基を指す)と、アミン化合物NH(R’’OH)2(R’’はアルキル基を指す)を反応させた場合、下記化1に示すような反応が生じる。
【0021】
【化1】
【0022】
さらに、この流動状態の分解生成物に所定量エポキシ樹脂を混合させると分解生成物が硬化剤として働き、ウレタン変性エポキシ樹脂が合成される。同様にして、分解生成物をポリオールに混ぜ、イソシアネートを高速混合すると、ウレタン樹脂に再生できる。
従来のように軟質ウレタン樹脂を分解剤中に添加し、加熱・攪拌して得られた分解生成物は2相に分離していて、比較的均一な上層とエポキシ樹脂とを加熱しても硬化しなかった。しかし、本発明では上述した図1或いは図2で示した領域条件での分解工程で得られた分解生成物を例えばエポキシ樹脂と加熱しすると、分解生成物が硬化剤として機能し、ゴム状の樹脂組成物からなる成形体が得られることを確認した。
【0023】
さらに、同様に上述の分解生成物に対して例えば分解生成物とイソシアネートを反応させることで、ウレタン樹脂に再生できることを確認した。
【0024】
すなわち、分解生成物の精製を必要とせずに、分解生成物の再利用が可能なことを確認し本発明に至った。
【0025】
被処理物であるウレタン樹脂は、ウレタン結合、尿素結合などを持つ軟質ウレタンであり、原料投入口3に投入しやすい形状に粉砕することが望ましい。
【0026】
本発明において、使用被分解物である軟質ウレタン樹脂2〜100重量部に対して分解剤であるアミン化合物を1重量部、としたのは、分解剤の比率がこれよりも少ないと軟質ウレタン樹脂が十分に分解されず、固体状になってしまう。また、軟質ウレタン樹脂の比率が小さい範囲では、温度範囲が前述の範囲より高く設定しても分解生成物が2〜3相に分離する。
軟質ウレタン樹脂の比率が1≦x<4の範囲では、分解温度がアミン化合物の沸点に対して図1或いは図2で示した領域外にすると、分解生成物が2相に分離する。また、軟質ウレタン樹脂の比率が4≦x<10の範囲では、比率が低い時よりも高温で分解しないと分解生成物が2相に分離する。さらに、10≦x<100の範囲では、1≦x<4の範囲と同じ温度設定でも均質な分解生成物が得られる。
【0027】
分解剤の比率が多い時に、得られた分解生成物とエポキシ樹脂とが硬化しない理由は、アミン化合物が軟質ウレタン樹脂を十分に分解しすぎ分子量が低下しすぎ、エポキシ樹脂と反応生成物とが合成されてもその分子量を十分に高まらず、その結果硬化しないものと考えられる。
【0028】
また、分解剤の比率が前述の範囲よりも多いと、この分解生成物とイソシアネートとを反応させて軟質ウレタン樹脂を再生した場合、分解生成物中には未反応のアミン化合物が残存し、合成原料中のアミン化合物が過剰になり、硬化反応速度が速まりすぎる。その結果、原料成分を均一にすることができなくなる恐れがある。
【0029】
他の理由として、アミン化合物が軟質ウレタン樹脂を十分に分解しすぎ分子量が低下しすぎて、エポキシ樹脂と反応生成物とが合成されてもその分子量が十分に高まらず、その結果硬化しないものと考えられる。
次に、本発明においては、軟質ウレタン樹脂とアミン化合物の反応を混練と共に行うことが好ましく、その理由を以下に説明する。
【0030】
固体状の被分解物である軟質ウレタン樹脂に対し、分解剤となるアミン化合物の比率が少なく、特に軟質ウレタン樹脂として発泡ウレタンを使用する場合などは、被分解物に対する分解剤の体積比は極めて小さなものとなる。したがって、アミン化合物を均一かつ速やかに軟質ウレタン樹脂と接触させ反応させるためには、軟質ウレタン樹脂とアミン化合物の混合物を混練しつつ加熱反応させることが望ましい。特に、このように反応を速やかに行うことで、分解生成物の変性物などによる組成のばらつきが抑制され、その結果、エポキシ樹脂とともに用いた時に硬化しやすい特性が得られるものと考えられる。
(分解剤)
本発明で分解剤として使用するアミン化合物は、被分解物である軟質ウレタン樹脂の分解剤として使用されるものであり、分解剤としては、通常アミン化合物単独で使用する。使用するアミン化合物としては、直鎖状脂肪族アミン、環状脂肪族アミン、芳香族アミン、および複素環式アミン等を挙げることができる。より具体的には、直鎖状脂肪族アミンとしてはエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロパンジアミン、2−エチルヘキシルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパンジオール、エチルアミノエタノール、アミノブタノール、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソブチルアミン、あるいはメチルジエチルアミン等が挙げられる。環状脂肪族アミンとしてはシクロヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン等。芳香族アミンとしてはアニリン、トルイジン、ベンジルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミンあるいはクロロアニリンなどを挙げることができる。複素環式アミンとしてはピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾール等が挙げられる。これらのアミン類は単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(希釈剤)
再生樹脂の製造方法に際し、必要に応じ分解生成物の希釈剤を添加し粘度調整を行うこともできる。希釈剤としてはイソシアネート反応性水素原子を有するアルコール類、ポリオール類、あるいはエステル類や水を用いても良い。前記アルコール類としてはメタノール、エタノールやプロパノールなどの1価のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコールやポリオキシプロピレングリコール、ポリプロピレン(エチレン)ポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどの2価のアルコール、グリセリンなどの3価のアルコールなど、またはこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを添加したものが挙げられる。またエステル類としては、アジピン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステル、ポリカプロラクトンポリエステル、アクリル酸エステル等を挙げることができる。さらに、これらのエステル類にエチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのアルコール類が重合したものでもよい。これらの希釈剤は、被分解物である軟質ウレタン樹脂の作成時に使用したポリオール成分と同じ化合物やその低分子化合物の使用が特に望ましい。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
<分解生成物の製造>
(軟質ウレタン樹脂)
自動車のシートクッションの工程廃棄物である軟質ウレタン樹脂を粉砕した状態で被分解物として準備した。この軟質ウレタン樹脂の詳細は平均分子量が約3000のポリエーテルポリオールとイソシアネート(トリレンジイソシアネート(TDI)20%とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)80%の混合物)を反応させて製造したウレタン樹脂である。以下の実施例ではこの樹脂を使用した。
(参考例1)
参考例1においては、図1で示した1軸分解装置式の分解装置中で、軟質ウレタン樹脂とアミン化合物とを混練・加熱して、軟質ウレタン樹脂の分解を行った。
【0032】
まず、分解装置の反応容器温度を最高230℃に設定した。
【0033】
分解装置の原料投入口3ら軟質ウレタン樹脂を2.43kg/hで投入し、同時に分解装置の分解剤注入口6へアミン化合物としてのジエタノールアミン(DEA)1.22kg/hをポンプで供給した。
【0034】
滞留時間が5分30秒以上にしたときに分解生成物は黄色の粘調な液体となっており、分解が確認できた。また、アミン化合物の沈殿物は認められなかった。
この参考例1とはXとYの条件のみ変えてその他は全く同様にして分解生成物を得たところ、処理量に対する分解生成物の割合が90%以上の結果が得られた領域を図1の点の領域として示した。
(実施例1)
分解装置の反応容器温度を最高200℃、反応容器へ投入する軟質ウレタン樹脂を2.43kg/h、アミン化合物の供給量を0.12kg/hとしたことを除き、参考例1と同様にして軟質ウレタン樹脂の分解を行ったところ、混練時間を6分以上とした時に分解生成物が黄色のペースト状で生成した。また、アミン化合物の沈殿物は認められなかった。
(実施例2)
分解装置の反応容器温度を最高250℃、反応容器へ投入する軟質ウレタン樹脂を2.43kg/h、アミン化合物の供給量を0.12kg/hとしたことを除き、参考例1と同様にして軟質ウレタン樹脂の分解を行ったところ、混練時間を6分以上とした時に分解生成物が黄色のペースト状で生成した。また、アミン化合物の沈殿物は認められなかった。
(実施例3)
被分解物としての軟質ウレタン樹脂を2.43kg/hで混練機に投入し、アミン化合物の投入量を0.030kg/hとし、反応容器温度を230℃に設定したことを除き、実施例1と同様にして軟質ウレタン樹脂の分解を行った。
【0035】
その結果、混練時間を6分30秒以上に設定した時に、軟質ウレタン樹脂分解物が黄色ペースト状で得られた。また、アミン化合物の沈殿物は認められなかった。
(実施例4)
被分解剤としての軟質ウレタン樹脂2kgをヘンシェルミキサーに投入し、高速攪拌しながらアミン化合物としてのジエタノールアミン0.1kgを徐々に滴下した。室温で10分間攪拌して軟質ウレタン樹脂に分解剤を分散・含浸させると見掛けの体積が7割以下に減少した。
【0036】
この前処理を行った軟質ウレタン樹脂を実施例3と同様にして軟質ウレタン樹脂の分解を行った。
【0037】
その結果、混練時間を6分以上に設定した時に、軟質ウレタン樹脂分解物が黄色ペースト状で得られた。また、アミン化合物の沈殿物は認められなかった。
(参考例2)
分解装置の反応容器温度を最高210℃、混練器へ投入する軟質ウレタン樹脂を2.43kg/h、アミン化合物としてモノエタノールアミン(MEA)の供給量を0.12kg/hとしたことを除き、実施例1と同様にして軟質ウレタン樹脂の分解を行ったところ、混練時間を5分30秒以上とした時に分解生成物は黄色の粘調な液体に分解することが確認できた。また、アミン化合物の沈殿物は認められなかった。
この参考例2とはXとYの条件のみ変えてその他は全く同様にして分解性生物を得たところ、処理量に対する分解性生物の割合が90%以上の結果が得られた領域を図2の点の領域として示した。
(比較例1)
分解装置の反応容器温度を最高190℃、としたことを除いて、参考例1と全く同様にして軟質ウレタン樹脂の分解を行ったところ、混練時間を5分以上に設定した時に完全な液体に分解できることを確認した。
【0038】
得られた分解生成物は、黄色透明上層液と橙下層液とからなる2相に分離した液体であった。橙下層液はアミン化合物であった。
(比較例2)
混練器へ投入する軟質ウレタン樹脂を2.43kg/h、アミン化合物の供給量を0.49kg/hとしたことを除き、参考例1と同様にして軟質ウレタン樹脂の分解を行ったところ、混練時間を5分以上とした時に分解生成物は2相に分かれた。上層は黄色の粘調な液体であり、下層は橙色の固体だった。橙下層液はアミン化合物であった。
(参考例3)
加熱機能と攪拌機能のついた密閉容器を230℃に温調し、軟質ウレタン樹脂を3kg投入し、さらにジエタノールアミンを0.6kg投入して、加熱攪拌した。
【0039】
180分間加熱攪拌した後に分解生成物を得た。分解生成物は茶色のぼそぼそした固体で完全に分解されていなかった。
【0040】
ここで、参考例1、2、実施例1乃至4、比較例1、2の軟質ウレタン樹脂を完全に液化するための条件と、参考例3の液化できなかった時の条件を表1に纏めた。
【0041】
【表1】
【0042】
この表1から明らかなように、分解温度を200℃以上、250℃以下に設定することで、95%以上の分解生成物を得ることができ、望ましい温度条件と言える。
<再生樹脂の製造>
(実施例5)
まず、実施例1で得られた分解生成物10gとポリオール90gとを攪拌・混合した。さらに被分解物軟質ウレタン樹脂に用いたイソシアネート37gを添加して高速攪拌し、得られた混合液を型に入れ室温で1日放置したところ、発泡硬化し樹脂組成物が得られた。この樹脂組成物の密度は200kg/m3、発泡倍率約5倍の発泡ウレタンが生成した。
(実施例6)
実施例1で生成した分解生成物40gを40℃に温調し、エポキシ樹脂(旭化成社製:エピコート4100E)を8g入れて攪拌する。型に入れ真空脱泡してから、120℃で3h、150℃で1晩硬化させると、樹脂成型物が生成した。
(比較例3)
比較例2で生成した分解生成物40gを40℃に温調し、エポキシ樹脂(旭化成社製:4100E)を10g入れて攪拌する。型に入れ真空脱泡してから、120℃のオーブンに入れて1晩おいても硬化せず、液体のままだった。150℃に温度をあげても、硬化しなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、軟質ウレタン樹脂を簡単な作業で他の樹脂組成物に再生することの可能な分解生成物の全処理量に対する割合を向上した軟質ウレタン樹脂の分解方法、及びこれを用いた再生樹脂の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の軟質ウレタン樹脂の分解条件を説明する図。
【図2】 本発明の軟質ウレタン樹脂の別の分解条件を説明する図。
【図3】 本発明に係る分解装置の概略図。
【符号の説明】
1…投入口
2…反応容器
3…原料投入口
4…分解剤用タンク
5…液体注入ポンプ
6…分解剤注入口
7…吐出ノズル
8…スクリュー
Claims (5)
- 軟質ウレタン樹脂をアミン化合物のみと反応させて前記軟質ウレタン樹脂の分解生成物を得る軟質ウレタン樹脂の分解方法において、前記アミン化合物としてジエタノールアミンを用い、ジエタノールアミンを1重量部としたときに、前記ウレタン樹脂の割合をx(重量部)、ジエタノールアミンの沸点に対する分解温度の変化割合(100×(分解温度−前記アミン化合物の沸点)/前記アミン化合物の沸点)をy(%)とした際、
10≦x<100、−25.7≦y≦−7.1
であることを特徴とする軟質ウレタン樹脂の分解方法。 - 前記軟質ウレタン樹脂を前記ジエタノールアミンと共に圧縮と混練を同時に行うことを特徴とする請求項1記載の軟質ウレタン樹脂の分解方法。
- 軟質ウレタン樹脂をアミン化合物のみと反応させて前記軟質ウレタン樹脂の分解生成物を得る第1工程と、この第1工程の後前記分解生成物にエポキシ樹脂を加えて樹脂化する第2工程とを有する再生樹脂の製造方法であって、
前記第1工程は、前記アミン化合物としてジエタノールアミンを用い、ジエタノールアミンを1重量部としたときに、前記軟質ウレタン樹脂の割合をx(重量部)、ジエタノールアミンの沸点に対する分解温度の変化割合(100×(分解温度−前記アミン化合物の沸点)/前記アミン化合物の沸点)をy(%)とした際、
10≦x≦100、−25.7≦y≦−7.1
である条件にて行う事を特徴とする再生樹脂の製造方法。 - 前記第2工程を行うに際し、前記エポキシ樹脂に代えてイソシアネート反応性水酸基を有する化合物とイソシアネートとを加えることを特徴とする請求項3に記載の再生樹脂の製造方法。
- 前記xは、20≦x≦80を満たすことを特徴とする請求項1記載の軟質ウレタン樹脂の分解方法。
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