JP4039680B2 - ウレタン樹脂の処理方法、ウレタン樹脂分解生成物、再生樹脂の製造方法、及び再生樹脂 - Google Patents

ウレタン樹脂の処理方法、ウレタン樹脂分解生成物、再生樹脂の製造方法、及び再生樹脂 Download PDF

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Description

本発明は、ウレタン樹脂の処理に関し、特に、樹脂の再生が容易なウレタン樹脂分解生成物が得られるウレタン樹脂の処理方法、ウレタン樹脂分解生成物、ウレタン樹脂分解生成物を用いた再生樹脂の製造方法、及び再生樹脂に関する。
ウレタン樹脂は、例えば、冷蔵庫の断熱材、建材、クッション材などとして広く用いられており、近年、これらの廃棄物のリサイクルに対する要望が高まり、それぞれの分野においてこれらの廃棄物の再利用が研究されている。しかし、ウレタン樹脂は3次元の網目構造を有する熱硬化性樹脂であるためにリサイクルが困難であり、現状では埋め立てや焼却などの処分がされている。
ウレタン樹脂を化学的に分解する方法は、古くから様々な報告がされている。
例えば、アルカノールアミンなどのアミン化合物でポリウレタンフォームを分解し、その後分解生成物を分離回収する方法(特許文献1参照)、分解剤としてポリオール及びアミノエタノールを用いてポリウレタンフォームを分解し、接着助剤として再生する方法(特許文献2参照)、ケトン/アルデヒド分解法(特許文献3参照)、イソシアネート分解法(特許文献4参照)、熱分解法(特許文献5参照)、及び加水分解法(特許文献6参照)が知られている。ところで、これらのいずれの方法で分解しても、イソシアネート由来の芳香族アミンであるMDA(4−4−メチレンジアニリン)またはTDA(2−4トルイレンジアミン、2−6トルイレンジアミン)が発生する。これらの物質は、ウレタン樹脂分解生成物を原料として、樹脂を再生する際に触媒として働くため、これらの方法によって処理した分解生成物を用いて樹脂を再生することは困難であった。
また、前記方法によって製造した分解生成物を樹脂原料として採用するためには、上記方法によって生成したMDAやTDAを化学的に処理し、不活性化する必要があった。このウレタン樹脂分解生成物中のアミンを消費し不活性化する方法として、アルコールをアルカリ金属でアルコラート化したものでウレタン樹脂を分解したものに、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキサイドを付加する方法が知られている(特許文献7参照)。しかし、この方法による分解生成物中にはウレア基含有化合物や2−オキサゾリドンが含まれ、これらの化合物は、反応系にアルカリ金属水酸化物があるとこれによって分解し炭酸塩を生じ、この塩を分離する工程が増えるため非常に問題である。また、硬質ポリウレタンフォームを炭素数2〜3のモノアルカノールアミン中で分解して得られる分解液に、アミン触媒の存在下でアルキレンオキサイドを付加する方法も知られている(特許文献8参照)。また、この他にも一度化学的に分解した後にイソシアネート(特許文献9参照)やエポキシ樹脂(特許文献10参照)を添加する方法も知られているが、いずれの方法も分解剤と処理剤の2種類を順次反応させるため、分解プロセスと処理プロセスを別々設け、処理プロセスが複雑で、作業も煩雑であった。
特公昭42−10634号公報 特開平6−184513号公報 特許3185995号公報 特開平5−222152号公報 特開平10−130490号公報 特開平9−132670号公報 特開昭53−6038号公報 特許第3242723号公報 特開平11−158320号公報 特開2001−106827公報
前述したように、ウレタン樹脂を分解処理する方法は知られているが、得られる分解生成物中に芳香族アミン類が発生し、この分解生成物を用いて樹脂を再生することが困難になるという問題があった。また、従来技術の芳香族アミン類を減らす方法は、いずれもその処理プロセスが複雑で、作業が煩雑になっていた。
本発明は、従来技術のこのような問題に鑑みてなされたものであり、芳香族アミン類のようなアミン化合物の発生を簡便かつ効果的に抑制することができるウレタン樹脂の処理技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、ウレタンを分解する工程において、ウレタン結合を分解する分解性能だけでなく、アミン基を補足する補足性能も持ち合わせる分解剤を使用することで、上記課題を解決し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、従来では分解剤と処理剤を別々に使用していたが、本発明では、分解と処理の性能を同時に持っている化合物を分解剤として使用することによって、分解と処理の二つのプロセスを一つのプロセスに簡略化し、芳香族アミンなどのアミン化合物含有量の少ない分解生成物を作り出すことを可能にしたものである。
本発明のウレタン樹脂の処理方法は、ウレタン樹脂に、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシル基の塩、エステル基、及び酸無水物基(−CO−O−CO−)の群から選ばれる少なくとも1種の官能基と少なくとも1つの水酸基とを有する分解剤を添加して、前記ウレタン樹脂を分解することを特徴とする。
前記分解剤は、前記ウレタン樹脂の原料中に含まれるイソシアネート基1当量に対し、前記官能基を0.1〜3当量に相当する量を添加することが好ましい。
本発明のウレタン樹脂分解生成物は、ウレタン樹脂に、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシル基の塩、エステル基、及び酸無水物基(−CO−O−CO−)の群から選ばれる少なくとも1種の官能基と少なくとも1つの水酸基とを有する分解剤を添加し、ウレタン樹脂を分解して製造されたことを特徴とする。
本発明の再生樹脂の製造方法は、ウレタン樹脂に、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシル基の塩、エステル基、及び酸無水物基(−CO−O−CO−)の群から選ばれる少なくとも1種の官能基と少なくとも1つの水酸基とを有する分解剤を添加し、分解して製造されたウレタン分解生成物と、エポキシ基及びイソシアネート基の群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物を反応させることを特徴とする。
本発明の再生樹脂は、ウレタン樹脂に、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシル基の塩、エステル基、及び酸無水物基(−CO−O−CO−)の群から選ばれる少なくとも1種の官能基と少なくとも1つの水酸基とを有する分解剤を添加し、分解して製造されたウレタン分解生成物と、エポキシ基及びイソシアネート基の群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物を反応させることによって製造されたことを特徴とする。
以下本発明の原理・作用について説明する。
ウレタン樹脂を分解するためには、樹脂のウレタン結合を切断分解することによって行われる。樹脂のウレタン結合を分解によって切断する際、分解方法の違いにより程度の差はあるが、アミノ基を有する化合物が生じる。この化合物は、ウレタン原料に使用されている4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)やトルイレンジイソシアネート(TDI)のイソシアネート基(−NCO)がアミノ基(−NH2)に変換されたメチレンジアニリン(MDA)やトルイレンジアミン(TDA)として生成する。これらの化合物は前記ウレタン樹脂を原料として樹脂を再生する際に触媒として働き、分解生成物を原料として再度重合もしくは縮合させる際に反応が制御困難な程度に速やかに進むため、このアミノ基含有化合物に何らかの物質と反応させて不活性化し、反応速度を低下させなくてはならない。本発明においては、ウレタン結合を分解する分解性と、アミノ基と反応し補足する捕捉性の両方の能力を持つ分解剤を使用し、ウレタン結合の分解をするだけでなく、分解した際に発生する芳香族アミンとも同時に反応して捕捉することによって前記問題点を解決するものである。このため、得られた分解生成物中には従来方法より芳香族アミンが減少するのである。更に、前記化合物が水酸基を持つものであると、芳香族アミンの捕捉と共に、実質的なアミノ基から水酸基への変換を生じる。樹脂分解生成物に含まれる分子の末端アミノ基の水酸基への変換は、樹脂再生時における結合形成の点で有効な要素となる。
上記の処理を経ることにより、樹脂分解生成物中の芳香族アミンが減少し、分解剤の種類によっては分子の末端アミノ基を水酸基に変換させるので、得られる樹脂分解生成物は、他の分解方法で得られた樹脂分解生成物よりも樹脂再生が容易な優れたものとなる。
上記本発明において使用される分解剤は、上述のようにウレタン樹脂のウレタン結合を分解することのできる分解性と、アミノ基を有する化合物と反応し捕捉する捕捉性の両方を有するものであればいかなるものでもよく、具体的にエポキシ基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物、及びその塩、エステル、酸無水物基を有する化合物、イソシアネート基(−NCO)を有する化合物などがあげられる。
本発明によれば、ウレタン樹脂を分解するに当たって、アミノ基含有化合物の発生を従来より大幅に低減させることができた。これによって、ウレタン樹脂のリサイクルを促進することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
本実施の形態は、分解剤としてカルボキシル基、その塩、そのエステル、酸無水物など、カルボキシル基含有化合物あるいはその誘導体を用い、これを被処理樹脂であるウレタン樹脂に添加し、加熱して分解するものである。以下、具体的に説明する。
(被処理ウレタン樹脂)
本実施の形態で処理するウレタン樹脂としては、ウレタン結合、尿素結合などを持つウレタン樹脂であれば如何なるものでも良い。例えば、硬質ウレタン、軟質ウレタン、半硬質ウレタン、ウレタンエラストマーなどが挙げられる。またイソシアヌレート結合を持つイソシアヌレート材でも適用できる。この中でも特に軟質ウレタン樹脂が好ましい。ここでは、水酸基価250mgKOH/g以下のものを軟質ウレタンと定義する。軟質ウレタン樹脂は原料中のイソシアネートの量が少なく、分解されやすいため、本発明の効果が顕著に現れるのである。
(分解剤:カルボキシル基及びその誘導体含有分解剤)
本実施の形態では、分解剤としてカルボキシル基、その塩、そのエステル、又は酸無水物等の官能基を有する分解剤を用いるもので、カルボキシル基や酸無水物基を有する化合物としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、イタコン酸、プロピオール酸、オレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イタコン酸、マロン酸、琥珀酸、アジピン酸、安息香酸、シトラコン酸、クロトン酸、グルタル酸、ヘキサン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、糖酸、グリセリン酸、グルコン酸、サリチル酸、トリメリット酸、シクロペンタンテトラカルボンメチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、およびこれらの酸無水物やラクトンなどの分子内脱水をしている有機酸などである。また、無水トリメリット酸のように、分子内にカルボキシル基と酸無水物を併せ持つ化合物であっても差し支えない。
更にナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などに代表されるこれら有機酸の塩、及び酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどに代表されるこれら有機酸と水酸基を有する物質とのエステルが挙げられる。さらには、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、セリン、フェニルアラニン、グルタミン酸などのアミノ酸も利用できる。これらが複数結合しているものや、プロリンなどの分子内結合をしているイミノ酸などでも構わない。これらの化合物の光学異性体においても全く同様に使用することができる。
これらの分解剤は単独、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。また、これらの分解剤を通常の分解剤として知られているポリオールやアミン類、アルカノールアミン、またはこれら以外の希釈剤などにまぜて使用しても良い。さらに、後述するエポキシ化合物あるいはイソシアネート化合物と混合して使用しても良い。
上記分解剤を用いた分解処理においては、分解するウレタンの種類及び分解条件、分解物の用途によって、次のような点に留意して分解剤を選択すると良い。
ウレタン分解の際に発生するTDAに本発明の分解剤が反応する際、メチル基から見てオルト位に付いているアミンに対する分解剤の反応が立体障害のため起こりにくい。このため、軟質ウレタンのような分解して多くのTDAを出すウレタンに関しては、ベンゼン環を持たないで炭素数が10以下の分解剤か、ベンゼン環を持つ場合には官能基以外の分子量が120以下になるようにすることが好ましい。この例としては、乳酸や無水コハク酸、無水フタル酸などが挙げられる。
本発明に係る分解剤のうち、酸無水物基を有する分解剤が最も反応性が早い。
このため、反応時間を短縮し工業的に大量に処理したい場合、分解剤の使用量を少なくした場合(具体的には分解剤1重量部に対しウレタン5重量部以上)、または硬質ウレタンなどの架橋密度が高い場合では、酸無水物基を有する分解剤を持つ物を用いることが好ましい。これらの例としては、無水フタル酸、無水安息香酸、無水酢酸、無水コハク酸などが挙げられる。
ウレタン樹脂は多孔質の材料であるため、液体の分解剤を混合するとウレタン樹脂に吸収されてしまい、分散が悪くなる場合がある。このため分散性を上げるためには、分解剤は室温で固形(融点40度以上)のものが好ましく、さらにこれを1mm以下に粉砕した後に使用することが好ましい。これらの例としては、無水フタル酸、無水コハク酸、サリチル酸、グリシンなどが挙げられる。
ウレタン樹脂及び分解剤を高温の分解装置内に投入する際、低沸点の分解剤を用いた場合では、ウレタンの分解反応より先に分解剤が揮発してしまう恐れがある。分解温度を200℃以上で行う場合には分解剤の沸点が150℃以上、分解温度250℃以上で行う場合には分解剤の沸点が200℃以上のものを用いたほうが好ましい。この例としては、無水フタル酸、無水コハク酸、サリチル酸、などが挙げられる。
分解剤に、官能基が二つ以上ついている場合、ウレタン分解物中の他の物質と反応して高分子化する可能性がある。このため、分解剤の使用量が多い場合(分解剤1重量部に対しウレタン7重量部以下)や、加熱時間が1時間以上かかる場合、温度が250℃を超える場合については、官能基一つのものを用いるのが好ましい。ただし、芳香族の酸無水物(無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸など)は、立体障害のため高分子化の反応を起こしにくいのでこの限りではない。この例としては、無水安息香酸、無水酢酸、無水フタル酸、ブチルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
分解剤に本発明の官能基と水酸基を併せ持つ分解剤を使用すると、樹脂分解物中のアミノ基と反応した際に、実質的なアミノ基から水酸基への転換を生じる。
このため、ウレタン分解物をウレタン樹脂に再生する場合には、結合形成の点で水酸基を併せ持つ分解剤を使用するのが好ましい。この例としては、乳酸、サリチル酸、クエン酸などが挙げられる。
(分解触媒)
上記分解剤を使用する分解反応において、必要に応じて、上記ウレタン樹脂及び分解剤に分解触媒を添加し、分解速度を上げることができる。添加する触媒としては、ウレタンの生成時に使われるものが好ましく、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラメチルプロパン1,3−ジアミン、N,N,N’N’−テトラメチルヘキサン1,6−ジアミン、N,N,N’N”N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’N”N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,−メチル,N’−(2−ジメチルアミノ)エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−(N’N’−ジメチルアミノエチル)−モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、ヘキサメチレンテトラミン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3−ジメチル)−アミノプロピルエーテル、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマーカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルインジマレエート、ジオクチルチンマーカプチド、ジオクチルチンチオカルボキシレート、オクテン酸鉛、オクテン酸カリウムなどが挙げられる。その添加量は分解剤100重量部に対し0.01重量部以上10重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.1重量部以上5重量部以下がよい。10重量部より分解剤の量が多いと、再生時に反応の制御が難しいので好ましくなく、0.01重量部以下では十分に触媒の効果が得られないことがある。
(分解剤添加量)
ウレタン樹脂と本実施の形態の分解剤の混合比は任意であるが、ウレタン樹脂原料中のイソシアネート基1当量に対し、分解剤中の前記官能基が0.1〜3当量が望ましい。また、ウレタン廃材など原料中のイソシアネート含有量が計算できない場合には、おおむねウレタン樹脂100重量部に対し、分解剤を1〜300重量部程度加えることが好ましい。さらに好ましくは5〜100重量部である。これより分解剤の量が多いと、分解生成物中に分解剤が残存して樹脂再生時に悪影響を及ぼす恐れがあり、またこれより分解剤の量が少ないと、十分な分解が得られない恐れがあるからである。
(分解温度)
ウレタン樹脂の分解温度は任意であるが、分解を効率的に行うためには、80〜300℃の範囲で行うことが好ましく、さらに好ましくは150〜280℃で行うのがよい。また、分解剤が粉末である場合、分解温度を分解剤の融点以上で行うことが好ましい。300℃より温度が高いと樹脂の熱分解が進んでしまう恐れがあり、80℃より温度が低いと分解時間が長すぎて実用性に劣る。
以上のようにすればアミン処理プロセスを設けなくてもアミンの少ないウレタン樹脂分解生成物を得ることができるが、アミンをさらに減らす必要がある場合、得られた分解液に分解剤を再度添加することができる。つまり、分解工程中で捕捉できなかった芳香族ジアミンと反応させ、その量を減らすのである。この時の反応温度は何度でも構わないが、200℃以下が好ましくさらに好ましくは150℃以下で行うことが好ましい。あまり温度が高いと、分解反応が進む場合があり、更なる芳香族アミンが発生する恐れがあるからである。
(分解装置)
前記分解剤を用いたウレタン樹脂の分解は、加熱することができる容器中にウレタン樹脂及び分解剤、更に必要に応じて分解触媒を注入し、加熱・攪拌して分解反応を行うことができるが、特に発泡ウレタン樹脂のような多孔質ウレタン樹脂を分解する際には、加熱及び分解剤との混合を速やかに、かつ均一に行うためには、分解に用いる装置として加熱、加圧、及び混合を同時に行うことができる装置を用いることが好ましい。特に、カルボン酸や酸無水物は固形のものが多く、バッチ式では熱の伝わりが遅いため分解剤が溶融せず反応が進まないことがある。このため、カルボン酸や酸無水物を使用する際には、押出機を用いることが特に好ましい。
このような装置としては、例えば、図1に示すような押出機1が適している。
このような押出機1を用いて分解処理を実施すると、処理を連続的に効率よく行うことができる。押出機1は、温度制御可能なヒータを備えたシリンダ部3、シリンダ部3の内壁に内接する回転制御可能なスクリュー5、シリンダ部3の一端に設けられる投入口7、シリンダ部3の他端に設けられる排出口9、及び、投入口7と排出口9との間に設けられる供給口11を有する。シリンダ部3のヒータは、シリンダ部3の温度が局部的に異なるように設定可能で、例えば、供給口11の前後で加熱温度を変化させることができる。
シリンダ部3の温度をウレタン樹脂の分解温度に設定し、スクリュー5の回転によって押出機の投入物が投入口7から供給口11迄進行する時間がウレタン樹脂の分解に要する時間に合うようにスクリュー5の回転速度を設定して、ウレタン樹脂及び分解剤を投入口7から投入すると、ウレタン樹脂の分解が始まり、排出口9の方向へ移動する。必要に応じてウレタン樹脂分解生成物に供給口11から再度分解剤が供給され、処理が終了したウレタン樹脂分解生成物が排出口9から排出される。
上記本実施の形態によれば、分解剤として、カルボキシル基含有化合物あるいはその誘導体を採用することにより、効率よくウレタン樹脂を分解処理することができる。さらに、得られたウレタン樹脂分解生成物中にはアミンの含有が少なく、樹脂再生に適した原料として得ることができるのである。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、ウレタン樹脂の分解剤としてエポキシ基含有化合物あるいはイソシアネート基含有化合物を用いるものである。
本実施の形態において、処理するウレタン樹脂の種類は、前述の第1の実施の形態において用いたウレタン樹脂と同等のものを用いることができる。
(分解剤:エポキシ基含有分解剤)
本実施の形態で用いることのできるエポキシ基を有する分解剤としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリル2,3−エポキシプロピルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ブチル2,3−エポキシプロピルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、1,2−エポキシエチルベンゼン、2,3−エポキシ−1−プロパノール、2,3−エポキシプロピルメチルエーテルなどのものから、一般にエポキシ樹脂として知られているビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物などが挙げられる。
(分解剤:イソシアネート基含有分解剤)
本実施の形態で用いることのできるイソシアネート基含有分解剤としては、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物や、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トチレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネート基を複数持つ化合物、またポリメリックMDIなどの高分子化した化合物を用いることができる。
これらの分解剤は単独、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。また、これらの分解剤を通常の分解剤として知られているポリオールやアミン類、アルカノアミンなどにまぜて使用しても良い。
(分解剤添加量)
前述の第1の実施の形態においては、分解剤の添加量は、概ね任意の比率で添加することができたが、エポキシ基含有分解剤あるいはイソシアネート基含有分解剤を用いる本実施の形態においては、分解剤の添加量を前記分解剤が処理する前記ウレタン樹脂の原料中に含まれるイソシアネート基1当量に対し、官能基を0.1〜2当量に相当する量の範囲に厳密に制限する必要がある。エポキシ基含有分解剤を2当量以上添加すると、分解生成物中に分解剤が残存してしまい、エポキシ基含有分解剤同士がホモ重合を起こして硬化しまう恐れがあり不適である。またイソシアネート基を有する分解剤は非常に毒性が強いため、イソシアネート基含有分解剤を2当量以上添加した場合に分解生成物中に分解剤が残存してしまい、強い毒性を持ってしまうため不適である。また、0.1当量以下では、どちらの分解剤においても分解が十分に起こらないか、又は分解時間が長く工業的に不適である。
本実施の形態においては、前述の第1の実施の形態において説明した分解触媒、あるいは、分解装置を同様に用いることができる。また、分解処理の温度も前述の第1の実施の形態におけるものと異なるところはない。
[第3の実施の形態](ウレタン樹脂分解生成物の再利用方法)
上述の実施の形態において説明した方法によって得られたウレタン樹脂の分解生成物はそのまま燃料として使用しても良いし、分離精製処理によって各種化学原料として使用することもできる。また、得られた分解生成物を樹脂原料として用いることもできる。樹脂原料として樹脂を製造するには、前記ウレタン樹脂分解生成物にエポキシ樹脂やイソシアネート化合物のような再生剤を加えて縮合反応させ、樹脂に再生することができる。
ウレタン樹脂分解生成物から樹脂を再生するための再生剤として用いるエポキシ樹脂及びイソシアネート化合物としては、公知のものから必要に応じて選択して用いることができる。ウレタン樹脂の分解生成物に上記の再生剤を混合した後に適宜成形することによって樹脂として再生される。成形の方法は必要に応じて適宜決定される。
(エポキシ樹脂を用いた再生)
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、特に限定されるものではない。その具体的例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物などが挙げられる。これらのエポキシ化合物は、単独でまたは2種以上混合して使用することもできる。
例えば、再生剤として液状のエポキシ樹脂を用いる場合は、分解生成物とエポキシ樹脂とを万能攪拌機等を用いて混合し、混合物を室温〜200℃の温度で成形型に流し込み、1時間〜1晩程度加熱硬化させることによって成形体が得られる。混合の際に、有機物粒子又は無機物粒子などを充填材として加えたり、可塑剤、カップリング剤等を配合たりしてもよい。もし必要であれば、市販のエポキシ樹脂硬化剤を硬化助剤として添加してもよい。
(イソシアネート化合物を用いた再生)
また、イソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば良く、特に限定されるものではない。その具体的例としては、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート,1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ピリジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;ジメチレントリフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等の多官能イソシアネート化合物;グリセリンやトリメチロールプロパン等のポリオール類と上記ジイソシアネート化合物との付加反応物、等が挙げられる。これらのイソシアネート化合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
また、ウレタン発泡体を生成する場合は、分解生成物にイソシアネート化合物を添加混合することによって温度に応じた速度で結合生成及び発泡が進行するので、室温〜200℃程度の温度で混合物を成形型に投入して成形する。必要に応じて、ウレタン樹脂原料のポリオール化合物や、発泡剤、整泡剤、充填剤、触媒等を分解生成物に添加してもよい。
ウレタン樹脂分解生成物を冷却により固化させた固形物を用いる場合は、この固形物及び固形のエポキシ樹脂又はイソシアネート化合物を細かく粉砕して木粉や無機物粒子等と混合し、プレス成形機等を用いて加熱・加圧成形することにより硬化し、成形体を得ることができる。硬化温度は使用するウレタン樹脂分解生成物、エポキシ樹脂及びイソシアネート化合物の融点又は軟化点等によって異なるが、概して80〜200℃程度がよい。
ウレタン分解生成物中には、ウレタン樹脂原料のポリオール、イソシアネート骨格のアミン及びこれらの誘導体、オリゴマーが含まれており、被分解物であるウレタンの原料とほぼ同等の特性を持つ。このため、上記方法によって再生された樹脂は、通常の方法によって作られたウレタン樹脂及びエポキシ樹脂と同程度の特性を持ち、成形材料、塗料、接着剤などに使用できる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、実施例には以下に示すウレタン樹脂を使用した。
ウレタン樹脂A:クッション材として使用されている軟質ウレタン樹脂。原料中のTDIの重量は、ウレタン全体に対して約25%である。
(実施例1)
上記ウレタン樹脂Aと無水フタル酸を重量比3/1で混合してそれを試験管に注入し、190℃のオイルバス中に投入し分解試験を行った。原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量は2.61であった。分解試験中は、ガラス棒で常にウレタンを混合・圧縮して行った。7分間加熱攪拌を行ったところ、ウレタンは完全に分解し粘調な液体となった。
(実施例2〜12)
分解剤を変えたこと以外は実施例1と同様に分解試験を行った。使用した分解剤の種類と、原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量と、ウレタン樹脂が完全に分解するまでの時間を表1に示す。
Figure 0004039680
(実施例13)
ヘキサヒドロ無水フタル酸100重量部にあらかじめ触媒としてヘキサメチレンテトラミンを1重量部添加し、これに溶解させた。原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量は2.52であった。ウレタン樹脂Aとこの分解剤を重量比3/1で混ぜ、実施例1と同様に分解試験を行った。5分の後、ウレタンは完全に溶解し、均一な分解生成物が得られた。
(実施例14〜17)
触媒の種類を変えたこと以外は実施例13と同様にウレタン樹脂を分解した(実施例14〜17)。また、触媒の量を変えたこと以外は実施例13と同様にウレタン樹脂Aを分解した(実施例17)。使用した分解剤の種類と量、ウレタンが完全に分解するまでの時間を表2に示す。
Figure 0004039680
(実施例18)
図1に概略を示す押し出し機を用いて、ウレタン樹脂Aとメチルテトラヒドロ無水フタル酸を重量比3/1になるように連続投入し分解試験を行った。原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量は2.34であった。シリンダ部は270℃に加熱し、滞留時間が5分になるようにスクリューの回転を制御した。また、投入口11については使用しなかった。排出口からは、ウレタン樹脂が完全に分解されたペースト状の分解生成物が排出された。この分解生成物をGC/MSを用いてTDAの含有量を分析したところ、約1.4w%のTDAが検出された。なお、TDAは2,4−トリレンジアミンと2,6−トリレンジアミンの両方が検出されたが、この合計をTDAの含有量とした。
(実施例19)
重量比が7/1にしたこと以外は実施例18と同じ条件で分解試験を行った。
原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量は1.00であった。この分解生成物を分析したところ、約4.36w%のTDAが検出された。
(実施例20)
重量比が15/1にしたこと以外は実施例18と同じ条件で分解試験を行った。原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量は0.46であった。この分解生成物を分析したところ、約6.14%のTDAが検出された。
(比較例1)
分解剤にモノエタノールアミン、重量比を7/1にしたこと以外は実施例18と同じ条件で分解を行った。この分解生成物を分析したところ、約21.14%のTDAが検出された。
以上の実施例18〜20と比較例1をまとめて、重量比とTDA発生率をまとめたのが図2である。この図2より、本発明の分解剤を用いて分解を行った場合、従来のアミン系分解剤と比べて芳香族アミンの発生が抑えられていることが確認された。
(実施例21)
図1に概略を示す押し出し機を用いて、ウレタン樹脂Aとメチルテトラヒドロ無水フタル酸を重量比7/1になるように連続投入し分解試験を行った。原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量は1.00であった。シリンダ部は270℃に加熱し、滞留時間が4分になるようにスクリューの回転を制御した。また、投入口11については使用しなかった。排出口からは、ウレタン樹脂が完全に分解されたペースト状の分解生成物が排出された。この分解生成物をGC/MSを用いて分析したところ、約4.9w%のTDAが検出された。
(実施例22)
滞留時間を3分にしたこと以外は実施例21と同じ条件でウレタンを分解した。この分解生成物を分析したところ、約4.2%のTDAが検出された。
(実施例23)
滞留時間を2分にしたこと以外は実施例21と同じ条件でウレタンを分解した。この分解生成物を分析したところ、約2.8%のTDAが検出された。
実施例21〜23および実施例19をまとめて、滞留時間の影響を明らかにしたものを図3に示す。滞留時間を短くすると、TDAの発生量は減少傾向にあることが確認された。
(実施例24)
図1に概略を示す押出機を用いて、ウレタン樹脂Aとメチルテトラヒドロ無水フタル酸を重量比4/1になるように連続投入し分解試験を行った。原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量は1.78であった。シリンダ部は270℃に加熱し、滞留時間が2分になるようにスクリューの回転を制御した。また、投入口11については使用しなかった。排出口からは、ペースト状の分解生成物が排出された。この分解生成物をGC/MSを用いて分析したところ、約2.2w%のTDAが検出された。
(実施例25〜28)
温度を180〜240度にしたこと以外は実施例24と同じ条件で分解を行った。得られた分解生成物中のTDA量と装置温度の関係を表3と図4に示す。このグラフより、温度を200℃以下にした場合はほとんどTDAの発生がないことが明らかになった。
Figure 0004039680
(実施例29〜40,比較例2)
実施例26と同じ条件で、ウレタン樹脂Aと様々な分解剤を用いて分解試験を行った。また、比較例としてモノエタノールアミンを分解剤として用いた時のデータも記載した。分解剤の種類と、原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量、TDA含有率を、表4に示す。この結果より、いずれの分解剤を用いてもTDAの含有量が減らせることが明らかになった。
Figure 0004039680
(実施例41)
メチルテトラヒドロ無水フタル酸100重量部に対し、ヘキサメチレンテトラミンを触媒として1重量部溶解させたものを分解剤として用意した。この分解剤を用いて実施例18と同じ条件で分解したところ、ペースト状の液体が得られた。実施例18と比較すると、粘度がやや低い感じであった。この分解生成物を分析したところ、約1.2w%のTDAが検出された。
(実施例42)
図1に概略を示す押出機を用いて、ウレタン樹脂Aとメチルテトラヒドロ無水フタル酸を重量比6/1になるように投入口7から連続投入した。さらに、供給口11から投入口から投入したものと同量の分解剤を添加した。供給口11下部においては、ウレタンは既に分解されていることが確認された。最終的な分解比はウレタン/分解剤=3/1であった。シリンダ部は供給口までは250℃に加熱し、その後排出口までは180℃の温度に加熱した。また、滞留時間が4分になるようにスクリューの回転を制御した。排出口からは、ペースト状の分解生成物が排出された。原料中のイソシアネート1当量に対する分解剤の当量は合計で1.17であった。この分解生成物のTDAを分析したところ、約0.3%のTDAしか検出されなかった。
(実施例43)
供給口から排出口までの温度を130℃にしたこと以外は実施例25と同じ条件で分解試験を行った。排出口からは、ペースト状の分解生成物が排出された。
この分解生成物のTDAを分析したところ、0.1w%のTDAしか検出されなかった。
(実施例44)
供給口から排出口までの温度を230℃にしたこと以外は実施例42と同じ条件で分解試験を行った。排出口からは、ペースト状の分解生成物が排出された。
この分解生成物のTDAを分析したところ、0.9w%のTDAしか検出されなかった。実施例25〜27を比べると、2度目の分解剤を投入した後の温度が180℃以下であれば、ほとんどのTDAを補足できることがわかった。
(実施例45)
実施例18で得られたウレタン樹脂分解生成物10重量部にポリオールPOP−36/42を40重量部と水5重量部を混合し、イソシアネートのコスモネートT−80を20重量部添加して混合した後、100℃のオーブンで一時間加熱した後、弾力のある発泡体を得た。
(実施例46)
実施例18で得られたウレタン分解生成物20重量部に、エポキシ樹脂(EP4100E,旭電化社製)30重量部を混ぜ、150℃のオーブンで一晩加熱したところ、茶色の再生樹脂を得た。
本発明に係るウレタン樹脂の処理方法を実施する処理装置の一実施形態を示す概略構成図。 本発明に係るウレタン樹脂の処理方法において、ウレタンと分解剤の重量比がTDAの発生に及ぼす影響を示した図。 本発明に係るウレタン樹脂の処理方法において、装置内の滞留時間がTDAの発生に及ぼす影響を示した図。 本発明に係るウレタン樹脂の処理方法において、ウレタン分解の温度がTDAの発生に及ぼす影響を示した図。
符号の説明
1…押出機
3…シリンダ部
5…スクリュー
7…投入口
9…排出口
11…供給口

Claims (6)

  1. ウレタン樹脂に、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシル基の塩、エステル基、及び酸無水物基(−CO−O−CO−)の群から選ばれる少なくとも1種の官能基と少なくとも1つの水酸基とを有する分解剤を添加して、前記ウレタン樹脂を分解することを特徴とするウレタン樹脂の処理方法。
  2. 前記分解剤を、前記ウレタン樹脂の原料中に含まれるイソシアネート基1当量に対し、前記官能基を0.1〜3当量に相当する量を添加することを特徴とする請求項1に記載のウレタン樹脂の処理方法。
  3. 前記ウレタン樹脂と前記分解材とを、加圧及び加熱状態で混合することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のウレタン樹脂の処理方法。
  4. ウレタン樹脂に、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシル基の塩、エステル基、及び酸無水物基(−CO−O−CO−)の群から選ばれる少なくとも1種の官能基と少なくとも1つの水酸基とを有する分解剤を添加し、ウレタン樹脂を分解して製造されたことを特徴とするウレタン樹脂分解生成物。
  5. ウレタン樹脂に、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシル基の塩、エステル基、及び酸無水物基(−CO−O−CO−)の群から選ばれる少なくとも1種の官能基と少なくとも1つの水酸基とを有する分解剤を添加し、分解して製造されたウレタン分解生成物と、エポキシ基及びイソシアネート基の群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物を反応させることを特徴とする再生樹脂の製造方法。
  6. ウレタン樹脂に、カルボキシル基(−COOH)、カルボキシル基の塩、エステル基、及び酸無水物基(−CO−O−CO−)の群から選ばれる少なくとも1種の官能基と少なくとも1つの水酸基とを有する分解剤を添加し、分解して製造されたウレタン分解生成物と、エポキシ基及びイソシアネート基の群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物を反応させることによって製造されたことを特徴とする再生樹脂。
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