JP2005105185A - ウレタン樹脂組成物、その製造方法及びプレポリマー - Google Patents

ウレタン樹脂組成物、その製造方法及びプレポリマー Download PDF

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Abstract

【課題】 分解性の良好な、再生ウレタンの提供。
【解決手段】 ウレタン分解物から再生ウレタンを合成する際に、分解物と反応させるイソシアネートをプレポリマー化する、あるいは分解物とイソシアネートを反応させたプレポリマーを合成する第1反応と、このプレポリマーからウレタン樹脂を合成する第2反応との2段階反応で合成する。その結果、尿素結合の凝集を抑えることにより、分解されにくい結合の分散をはかり、再生樹脂中の構造を制御でき、再度分解した際の2次分解物の成分と分子量を揃えることができるため、リサイクルの容易な樹脂組成物となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ウレタン樹脂の分解物を用いた再生樹脂、およびその製造方法に関する。
ウレタン樹脂は一般に自動車のシート、家具、マットレスなどのクッション材、断熱材、構造材、舗装材として広く用いられているが、3次元の網目構造を有する熱硬化性樹脂であるためにリサイクルが困難であり、現状では埋め立てや焼却などの処分がされている。
一方、ウレタン樹脂を化学的手法で液化する方法が古くから研究されている。例えば、アルカノールアミンなどのアミン化合物でポリウレタンフォームを分解して、その後分解生成物を分離回収し、ウレタンフォームとして再生する方法や、分解剤としてポリオール及びアミノエタノールを用いてポリウレタンフォームを分解し、接着剤として再生する方法、他にもケトン/アルデヒド分解法、イソシアネート分解方法、熱分解方法、加水分解方法、後段昇温加熱法等が知られている。
また、このようにして分解して得られた分解生成物中のポリオールと、イソシアネートとを反応させてウレタン樹脂を再生する方法がある(特許文献1参照)。
特開平07−126344号公報(第3頁)
前述したような、従来の再生方法によって得られた再生樹脂を、繰返し分解・再生すると、分解しにくくなり、分解に必要な時間が長くなってしまうことが分った。
本発明は、再度、分解・再生する再に、短時間で分解できる再生ウレタン樹脂の再生方法、また再々生ウレタン樹脂用のプレポリマーを提供することを目的とする。
本発明のウレタン樹脂組成物は、ウレタン樹脂を化学分解した分解物とイソシアネート基を末端に持つプレポリマーとの反応物を含有することを特徴とする。
本発明のウレタン樹脂組成物の製造方法は、ウレタン樹脂を化学分解して分解物を得る分解工程と、前記分解物とイソシアネート基を末端に持つプレポリマーとを反応させる反応工程とを有することを特徴とする。
本発明の再生樹脂原料用プレポリマーの製造方法は、ウレタン樹脂を化学分解して第1のポリオール及びアミン化合物を含有する分解物を得る分解工程と、前記分解物にイソシアネートを反応させて、イソシアネートを末端に持つプレポリマーを含有するプレポリマー組成物を合成する合成工程とを具備することを特徴とする。
本発明のウレタン樹脂組成物の製造方法は、ウレタン樹脂を化学分解して得られる分解物にイソシアネートを反応させて、イソシアネートを末端に持つプレポリマーを含有するプレポリマー組成物を合成する合成工程と、前記プレポリマーにポリオールを反応させてウレタン樹脂を合成する工程を有することを特徴とする。
前記分解物は、下記一般式(1)に示す第1のポリオール及び下記一般式(2)に示す
アミン化合物を含有し、前記イソシアネートを下記一般式(3)で示したとき、前記プレポリマー組成物は、一般式(4)及び一般式(5)で示すプレポリマーを含有させることができる。
HO−R1−OH (1)
2N−R2−NH2 (2)
OCN−R3−NCO (3)
Figure 2005105185
Figure 2005105185
本発明のプレポリマー組成物は、下記一般式(4)及び(5)を含有することを特徴とする。
Figure 2005105185
Figure 2005105185
本発明のウレタン樹脂組成物の製造方法は、ウレタン樹脂を化学分解して得られる分解物にイソシアネートを反応させて、OH基を末端に持つプレポリマーを含有するプレポリマー組成物を合成する合成工程と、前記プレポリマーにポリオールを反応させてウレタン樹脂を合成する工程を有することを特徴とする。
前記分解物は、下記一般式(1)に示す第1のポリオール及び下記一般式(2)に示すアミン化合物を含有し、前記イソシアネートを下記一般式(3)で示したとき、前記プレポリマー組成物は、一般式(6)を含有させることができる。
HO−R1−OH (1)
2N−R2−NH2 (2)
OCN−R3−NCO (3)
Figure 2005105185
本発明のプレポリマー組成物は、下記一般式(6)を含有することを特徴とする。
Figure 2005105185
要するに、本発明は、末端に水酸基を有する化合物及びアミン化合物を含有する分解物に、末端にイソシアネートを有する化合物を添加して再生ウレタン樹脂化合物を合成する技術において、末端に水酸基を有する化合物又は、末端にイソシアネートを有する化合物をプレポリマー化することで、イソシアネートとアミン化合物とによってできる尿素結合が密に生成されることを防ぎ、ひいては分解が容易な再々生ウレタン樹脂組成物を製造することが可能になる。
本発明によれば、分解が容易な再生ウレタン樹脂組成物を提供することが可能になる。
本発明者らは、ウレタン樹脂を化学的に分解した分解物を再度樹脂の原料として使用した再生樹脂を再度リサイクルする際、2段階に反応を行って再生した再生樹脂の方が、1段階で再生した樹脂よりも化学分解が容易に進むこと、その分解物(再生樹脂を分解した分解物)の成分が均一化されていること、ひいてはこの2次分解物から得られる再生ウレタン樹脂組成物の特性が良いことを確認して本発明に至った。
ここでいう1段階の再生とは、ウレタン樹脂の分解物中に、分解物中のポリオールと当量のイソシアネートを一度に投入して反応させた場合である。2段階に反応を行って再生するとは、(I−I)分解物中に添加する成分として、イソシアネートをプレポリマー化した化合部を合成する、あるいは(I−II)分解物中のポリオール成分を所定のプレポリマーにするなど、プレポリマーを合成する第1の反応と、(II)このプレポリマーを原料としてウレタン樹脂組成物を合成する第2の反応によって再生することを指す。
まず、1段階での反応の場合について説明する。ウレタン樹脂組成物は、ポリオールなどの末端に水酸基を有する化合物とイソシアネートとから合成されるが、再生ウレタンは、一般式(1)で示されるポリオール及び一般式(2)で示されるアミン化合物を含有する分解物と、一般式(3)で示されるイソシアネートとを反応させることになる。そして、ポリオールとイソシアネートとはウレタン結合によって、アミン化合物とイソシアネートとは尿素結合によって結合され、例えば一般式(7)で示されるようなウレタン樹脂が
合成される。
HO−R1−OH (1)
2N−R2−NH2 (2)
OCN−R3−NCO (3)
Figure 2005105185
一般式(7)で示すように、1段階での反応の場合には、尿素結合同士がR2、R3を挟んで密に並ぶ。さらに、OHとNCOの反応により、NH2とNCOの反応のほうが早いため、m同士が隣り合わせにできる可能性もある。
本発明は、第1段階で尿素結合が密にならないようにプレポリマーを作製し、第2段階でこのプレポリマーからウレタン樹脂組成物を作製することで、尿素結合を密に難くしている。
以下、より具体的に説明する。
(第1の実施形態)
1.ウレタン樹脂の分解物
まず、再生ウレタンの原料となるウレタン樹脂の分解物について説明する。なお、このウレタン樹脂の分解物については、本実施形態のみでなく、第2の実施形態以降についても共通する。
分解されるウレタン樹脂は特に限定されるものではなく、硬質、軟質、半硬質、ゴム、エラストマー、RIM、塗料、接着剤など各種のウレタン樹脂を採用することができる。製品としては例えば、冷蔵庫の断熱材、建築の断熱材、車のシートのウレタン、椅子のクッション材、ベッドマット、工業用鉄工ロール、ソリッドタイヤ、床材、自動車のバンパー、などが挙げられる。これを化学的に分解したものが分解物である。
化学的な分解方法は、一般的に知られているいかなるものでもよく、例えば、ポリオール分解、アミン分解、加水分解、酸分解などが挙げられる。
1−1 分解剤
採用される上述の分解方法によって、例えば、アルコール基、アミノ基、水、カルボキシル基及びその誘導体、エポキシ基、イソシアネート基含有化合物などの分解剤を用いてウレタン樹脂の分解を行う。
以下に、分解剤の具体例を挙げる。
・アルコール基含有分解剤
アルコール基を含有する分解剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンテトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド等が挙げられる。
・アミノ基含有分解剤
アミノ基を有する分解剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロパンジアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソプロパノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチルアミノエタノール、アミノブタノール、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソブチルアミン、メチルジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、クロロアニリン、ピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾールがあげられる。これらの化合物を混合して使用しても問題はない。
・カルボキシル基及びその誘導体含有分解剤
カルボキシル基の誘導体とは、カルボキシル基の塩やエステル、又は酸無水物などを挙げることができる。
カルボキシル基及びその誘導体を含有する分解剤としては、具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、イタコン酸、プロピオール酸、オレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イタコン酸、マロン酸、琥珀酸、アジピン酸、安息香酸、シトラコン酸、クロトン酸、グルタル酸、ヘキサン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、糖酸、グリセリン酸、グルコン酸、サリチル酸、トリメリット酸、シクロペンタンテトラカルボンメチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、およびこれらの酸無水物やラクトンなどの分子内脱水をしている有機酸などである。また、無水トリメリット酸のように、分子内にカルボキシル基と酸無水物を併せ持つ化合物であっても差し支えない。更にナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などに代表されるこれら有機酸の塩、及び酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどに代表されるこれら有機酸と水酸基を有する物質とのエステルが挙げられる。さらには、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、セリン、フェニルアラニン、グルタミン酸などのアミノ酸も利用できる。これらが複数結合しているものや、プロリンなどの分子内結合をしているイミノ酸などでも構わない。これらの化合物の光学異性体においても全く同様に使用することができる。
・エポキシ基含有分解剤
エポキシ基を有する分解剤としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリル2,3−エポキシプロピルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ブチル2,3−エポキシプロピルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、1,2−エポキシエチルベンゼン、2,3−エポキシ−1−プロパノール、2,3−エポキシプロピルメチルエーテルなどのものから、一般にエポキシ樹脂として知られているビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物などが挙げられる。
・イソシアネート基含有分解剤
イソシアネート基含有分解剤としては、フェニルイソシアネートなどのモノイソシアネート化合物や、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのイソシアネート基を複数持つ化合物、またポリメリックMDIなどの高分子化した化合物を用いることができる。
また、前述した各種の分解剤は単独、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。
1−2 分解触媒
上記分解剤を使用する分解反応において、必要に応じて、上記ウレタン樹脂及び分解剤に分解触媒を添加し、分解速度を上げることができる。
添加する触媒としては、ウレタンの生成時に使われるものが好ましく、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン1,3−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン1,6−ジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,−メチル,N’−(2−ジメチルアミノ)エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)−モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、ヘキサメチレンテトラミン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3−ジメチル)−アミノプロピルエーテル、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマーカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルインジマレエート、ジオクチルチンマーカプチド、ジオクチルチンチオカルボキシレート、オクテン酸鉛、オクテン酸カリウムなどが挙げられる。
分解触媒の添加量は分解剤100重量部に対し0.01重量部以上10重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.1重量部以上5重量部以下がよい。10重量部より分解剤の量が多いと、再生時に反応の制御が難しいので好ましくなく、0.01重量部以下では十分に触媒の効果が得られないことがある。
1−3 分解条件
分解方法は、ウレタン樹脂と分解剤との混合物を加熱・攪拌する方法であれば特に限定するものではなく、バッチ式、連続式にかかわらず使用できる。
連続式の方法とは、加熱された流路にウレタン樹脂を流す手法であり、例えば円筒体中に、円筒と同軸の螺旋状の攪拌子を設置した押出機などの連続装置に分解剤と共にウレタン樹脂を投入し、円筒を加熱するとともに、螺旋状の攪拌子を回転させてウレタン樹脂(及び/又は分解物)を円筒中を一方向に移動させることで、ウレタン樹脂を混錬しながら連続的に分解処理することができる。連続式の分解方法においては、ウレタン樹脂や分解剤の種類によって多少異なるが、通常出口樹脂温度が80℃〜300℃、になるように、また滞留時間(円筒中の通過に要する時間)は2分以上となるように設定して行えばよい。ここで、出口樹脂温度とは、連続装置における出口での減容化物の温度である。なお、押出機を用いた分解は、樹脂が混錬されるため、微量の分解剤をウレタン樹脂に均一に接触でき、また、ウレタン樹脂の加熱も均一に行われるため、短時間で、均一な分解物を得ることが可能になる。
バッチ式の方法とは、反応容器内で分解剤とウレタン樹脂を所定時間攪拌しながら加熱処理する方法である。加熱温度は通常設定温度が80〜300℃とし、30分〜3時間程加熱処理を行えばよい。
1−4 分解物
このようにしてウレタン樹脂を分解すると、一般式(1)で示すポリオールと、一般式
(2)で示すアミン化合物を含有する分解物が生成される。
HO−R1−OH (1)
2N−R2−NH2 (2)
ここで、R1は2価の有機骨格である。またR1は水酸基を有するものであっても良い。すなわち、一般式(1)で示すポリオールは水酸基を3つ以上有するものも含む。
R2は2価の有機骨格である。またR2はアミノ基を有するものであっても良い。すなわち、一般式(2)で示すアミン化合物はアミノ基を3つ以上有するものも含む。
2. プレポリマーの合成
本実施形態におけるプレポリマーは、一般式(8)で示されるポリオールと、一般式(3)で示されるイソシアネートによって合成されたものである。
HO−R4−OH (8)
OCN−R3−NCO (3)
ここで、R4は2価の有機骨格である。またR4は水酸基を含むものであっても良い。すなわち、一般式(8)で示すポリオールは水酸基を3つ以上有するものも含む。R3は2価の有機骨格である。またR3はアミノ基を有するものであっても良い。すなわち、一般式(3)で示すイソシアネートはイソシアネート基を3つ以上有するものも含む。
また、R3、R4は合成するウレタン樹脂に要求される特性を満たすよう、任意の有機骨格を選択することができる。
具体例としては、一般式(8)で示されるポリオールは、ウレタン樹脂を生成する際に使用するどのポリオールでもよく、具体的にはポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等が挙げられる。
一般式(3)で示されるイソシアネートとしては、ウレタン樹脂を生成する際に使用するどのイソシアネートでもよく、具体的には、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、4,4‘−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、3,3’−ジメチルジフェニル4,4‘−ジイソシアネート(TODI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、trans−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、変成TDI、変成MDIなどが挙げられる。これらの物質は単独または2つ以上の物質を混合して用いても良い。
この合成方法は、既知の方法で行うことができ、例えば20〜100℃、好ましくは25〜80℃にて、数時間反応させることで、一般式(9)で示すような、プレポリマーが得られる。このとき必要に応じてウレタン化触媒を用いることができる。
Figure 2005105185
このようにして得られたイソシアネート基を末端に持つウレタンプレポリマーのNCO含有量は2〜20wt%であることが好ましい。換言すると、一般式(8)で示されるポリオールと一般式(3)で示されるイソシアネートとの混合比率は、得られるプレポリマーのNCO含有率が2〜20%となるような比率とすることが好ましい。なお、式(8)中のnも、おおよそ得られるプレポリマーのNCO含有率によって決定し、プレポリマーのNCO含有量は2〜20wt%を満たすようなnであることが好ましい(なお、本明細書中における「n」は正の整数である)。
NCO含有量が少なすぎる場合は、得られる成型物の機械的強度が不十分となりやすく、また、プレポリマーの粘度が高い場合が多く、注型時に混合液の流れ性が著しく悪くなりやすい。また、多すぎる場合は成型物がもろくなりやすく、また、保存時及び使用時の性状安定性が著しく悪くなり、成型不良になりやすい。
3. ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の合成
本実施形態においては、「1.」の欄で述べたウレタン分解物と、「2.」の欄で述べたプレポリマーとからウレタン樹脂組成物を合成する。このとき、ウレタン分解物中の一般式(1)で示すウレタン分解物中の末端のOH基数と、一般式(8)で示すプレポリマーの末端のNCO基数との比率が、好ましくは、1:0.7〜1.5、より好ましくは1:0.8〜1.2となるように、ウレタン分解物とポリプレマーとの配合比を調整する。この比率が1:0.7〜1.5の範囲を外れると、未反応成分が残り、例えば得られるウレタン樹脂組成物の分子量を十分に上げることができなくなる恐れがある。
この反応において、プレポリマー末端のイソシアネート基は、ウレタン分解物中の一般式(1)で示すポリオールの水酸基と反応してウレタン結合となるか、あるいは一般式(2)で示すアミン化合物のアミノ基と反応して尿素結合となる。
このとき、仮に一般式(9)で示すプレポリマーの両端のイソシアネートがアミン化合物と尿素結合を作ったとしても、これらの尿素結合の間には、尿素結合のない一般式(9)に基づく骨格が存在するため、尿素結合が密になるのを防止できる。そのため、得られたウレタン樹脂組成物は容易に分解することが可能になる。
4. ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の再分解
再生されたウレタン樹脂組成物は、「1.」の欄で述べたウレタン樹脂の分解方法と同様に分解することが可能である。但し、再生されたウレタン樹脂組成物は、分解前のウレタン樹脂と組成が異なる場合があるため、分解時間を長時間化するなど、原料に使われているウレタン樹脂の分解と全く同条件で行うのではなく、「1.」の分解条件内において、適宜調整して行うことが望ましい。
(第2の実施形態)
1.ウレタン樹脂の分解物
本実施形態におけるウレタン樹脂の分解方法、得られる分解物等については、第1の実施形態に記載されたものと同様であり、詳細な説明を省略する。
2.プレポリマーの生成
本実施形態のプレポリマーは、ウレタン樹脂の分解物(一般式(1)で示すポリオールと一般式(2)で示すアミン化合物とを含有)と、一般式(3)で示されるイソシアネートとを反応することで得られる。ただし、一般式(3)で示されるイソシアネートのイソ
シアネート基(NCO)の数と、一般式(1)で示されるポリオールの水酸基(OH)の数とを比較した時、イソシアネート基の数が多くなるように、合成に用いるイソシアネートの量を調整する必要がある。その結果イソシアネート基を末端に持つプレポリマーが生成される。
このようにして得られたイソシアネート基を末端に持つウレタンプレポリマーのNCO含有量は2〜20wt%であることが好ましい。換言すると、一般式(1)で示されるポリオールと一般式(3)で示されるイソシアネートとの混合比率は、得られるプレポリマーのNCO含有率が2〜20%となるような比率とすることが好ましい。なお、式(1)中のnも、おおよそ得られるプレポリマーのNCO含有率によって決定し、プレポリマーのNCO含有量は2〜20wt%を満たすようなnであることが好ましい。
ウレタン樹脂の分解物と一般式(3)で示されるイソシアネートとの配合比を別の表現で示すと、イソシアネート混合量は、ウレタン分解物のOH基の数に対するイソシアネートのNCO基の数が、OH/NCO=0.1〜0.3の範囲内がよい。
このようにして得られるプレポリマー(組成物)の一例を一般式(4)及び一般式(5)に示す。
Figure 2005105185
Figure 2005105185
ポリオールの構成成分であるR2は、一般に主々の有機骨格を選択することができ、主鎖の長い骨格を選択することで、一般式(5)に示すプレポリマーにおいても、尿素結合の密に作られることを防止しつつ合成することができる。
このプレポリマーの合成方法についても、例えば20〜100℃、好ましくは25〜80℃にて、数時間反応させればよい。また、必要に応じてウレタン化触媒を用いることもできる。
3.ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の合成
本実施形態においては、「2.」の欄で述べられたプレポリマーと、ポリオールとからウレタン樹脂組成物を合成する。このとき、プレポリマー中のNCO基数と、ポリオールの水酸基数との比率が好ましくは、1:0.7〜1.5、より好ましくは1:0.8〜1.2となるように、ポリプレマー(組成物)とポリオールとの比率を調整する。この比率が1:0.7〜1.5の範囲を外れると、未反応成分が残り、例えば得られるウレタン樹脂組成物の分子量を十分に上げることができなくなる恐れがある。
この反応において、プレポリマーの末端のNCOと、ポリオールの末端のOHとからウレタン結合が生じて、ウレタン樹脂組成物が合成される。
前述したように、プレポリマーの状態でできる尿素結合が密になることを防止できるため、このプレポリマーから得られたウレタン樹脂組成物においても、尿素結合が密にならない。
4.ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の再分解
ウレタン樹脂組成物の再分解方法については、第1の実施形態と同様に行えば良く、詳細な説明は省略する。
(第3の実施形態)
1.ウレタン樹脂の分解物
本実施形態におけるウレタン樹脂の分解方法、得られる分解物等については、第1の実施形態に記載されたものと同様であり、詳細な説明を省略する。
2.プレポリマーの生成
本実施形態のプレポリマーは、ウレタン樹脂の分解物(一般式(1)で示すポリオールと一般式(2)で示すアミン化合物とを含有)と、一般式(3)で示されるイソシアネートとを反応することで得られる。ただし、一般式(3)で示されるイソシアネートのイソシアネート基(NCO)の数と、一般式(1)で示されるポリオールの水酸基(OH)の数とを比較した時、ポリオールの水酸基の数が多くなるように、合成に用いるイソシアネートの量を調整する必要がある。その結果水酸基を末端に持つプレポリマーが生成される。
このようにして得られたイソシアネート基を末端に持つウレタンプレポリマーのOH含有量は ウレタン樹脂の分解物と一般式(3)で示されるイソシアネートとの配合比を別の表現で示すと、イソシアネート混合量は、ウレタン分解物のOH基の数に対するイソシアネートのNCO基の数が、NCO/OH=0.1〜0.3の範囲内がよい。これより小さいと、反応性を低減させる効果が小さく、これより大きいと、高分子化が進み、粘度が高くなり扱いににくくなる。
分解物の粘度が高く扱いにくい場合は、分解物にポリオールを添加し、粘度を調整してからプレポリマーの反応を行っても良い。
このようにして得られるプレポリマー(組成物)の一例を一般式(6)に示す。
Figure 2005105185
このプレポリマーの合成方法についても、例えば20〜100℃、好ましくは25〜80℃にて、数時間反応させればよい。また、必要に応じてウレタン化触媒を用いることもできる。
このようにして得られたプレポリマーにおいては、尿素結合がR2を挟んで2つ並ぶだけであり、尿素結合が密にできることを防いでいる。
3.ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の合成
本実施形態においては、「2.」の欄で述べられたOH基を末端に持つプレポリマーと、イソシアネートとからウレタン樹脂組成物を合成する。このとき、プレポリマー中のO
H基数と、ポリオールの水酸基数との比率が好ましくは、1:0.7〜1.5、より好ましくは1:0.8〜1.5となるように、ポリプレマーとポリオールとの比率を調整する。この比率が1:0.7〜1.5の範囲を外れると、未反応成分が残り、例えば得られるウレタン樹脂組成物の分子量を十分に上げることができなくなる恐れがある。
この反応において、プレポリマーの末端のOHと、イソシアネートの末端のNCOとがウレタン結合を生成して、ウレタン樹脂組成物が合成される。
前述したように、プレポリマーの状態でできる尿素結合が密になることを防止できるため、このプレポリマーから得られたウレタン樹脂組成物においても、尿素結合が密にならず、ひいてはウレタン樹脂組成物中のビウレット結合を低減できる。
4.ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の再分解
ウレタン樹脂組成物の再分解方法については、第1の実施形態と同様に行えば良く、詳細な説明は省略する。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
試験1〜5
1.ウレタン分解物
分解物A;
ウレタンエラストマーの廃材を2mm程度に粉砕したものを被分解物として準備した。
攪拌機能のついた反応釜にウレタンエラストマーの廃材とジエタノールアミンを重量比で5/1になるように投入し、180℃に加熱し、分解処理を行ったところ、30分で液状の分解物Aが生成した。この分解物のOH価は150mgKOH/gであった。
分解物B;
シートクッション材の工程廃棄物である軟質ウレタン樹脂を粉砕した状態で被分解物として準備した。この軟質ウレタン樹脂は平均分子量が約3000のポリエーテルポリオールとイソシアネート(トリレンジイソシアネート(TDI)20%とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)80%の混合物:TM20)を反応させて成形したウレタン樹脂である。
このシートクッション材とジエタノールアミンを重量比で10/1になるように予め混合した。この混合物を押出機を用いて分解した。押出機のシリンダ部を270℃に加熱し、滞留時間が5分になるようにスクリューの回転を制御し、連続投入し分解した。排出口からは、ペースト状の分解物Bが排出された。この分解物のOH価は170mgKOH/gであった。
分解物C;
前述したシートクッション材とメチルテトラヒドロ無水フタル酸を重量比で7/1に予め混合した。この混合物を分解物Bと同様に押出機を用いて分解した。排出口からは、ペースト状の分解物Cが排出された。この分解物のOH価は100mgKOH/gであった。
分解物D;
冷蔵庫の断熱材に使用された使用済みの硬質ウレタンを5mm程度に粉砕して被分解物として準備した。
この硬質ウレタンの粉砕物とジエタノールアミンを重量比で3/1に予め混合した。この混合物を押出機を用いて分解した。押出機のシリンダ部を250℃に加熱し、滞留時間が5分になるようにスクリューの回転を制御し、連続投入し分解した。排出口からは、粘調液体の分解物Dが排出された。この分解物のOH価は623mgKOH/gであった。
分解物E
建築用の断熱材のウレタンを回収し5mm程度に粉砕したものとジエタノールアミンを重量比で3/1に予め混合した。この混合物を分解物Cと同様にして分解した。排出口からは、粘調液体の分解物Eが排出された。この分解物のOH価は625mgKOH/gであった。
2.プレポリマーの合成
平均分子量3000のポリオキシプロピレントリオール(三井武田ケミカル社製、製品番号MN−3050)と過剰のトルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20;三井武田ケミカル社製、製品番号T−80)とを混合し、80℃で3時間反応させて、末端イソシアネート基含有率2.9%のプレポリマーを得た。
3.ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の合成
得られたウレタンプレポリマー39gと分解物A10gを攪拌混合し、型に流し成型し、これらを一晩放置後、脱型し、ウレタン樹脂組成物を製造した(試験1)。
分解物Aに代えて分解物B〜Eを用いたことを除き、試料1と同様にしてOH価と%NCOの比を1:1に調整し、それぞれ成型し、これらを一晩放置後、脱型し、ウレタン樹脂組成物を製造した(試験2〜5)。それぞれ成型し、これらを一晩放置後、脱型し、ウレタン樹脂組成物を製造した(試験2〜5)。
4−1.ウレタン樹脂組成物の分解(試験1)
得られたウレタン再生樹脂とジエタノールアミンとをそれぞれ重量比で5/1になるように反応釜に入れ、表1に示す分解温度で分解した。このときに全て分解し液状になるまでの分解時間を表1に併記する。4−2.ウレタン樹脂組成物の分解(試験2〜5)
得られたウレタン再生樹脂とジエタノールアミンを重量比で5/1になるように連続分解装置(押出機)に投入し、250で分解反応を行い、また滞留時間を表1に示す時間に設定し、分解物が吐出させたところ、完全に分解され液状化していた。
Figure 2005105185
試験6〜10
1.ウレタン樹脂の分解
試験1〜5と同様にして、分解物A〜Eを得た。
2.プレポリマーの合成
分解物A〜Eを表2に示すイソシアネート(一部の試験はポリオールと共に)と反応させイソシアネート基を末端に持つプレポリマーを生成した。
3.ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の合成
得られたプレポリマーに、表2に示すイソシアネート及びスズ触媒を添加し、これを高
速攪拌混合した後成型した。これらを一晩放置し、脱型してウレタン樹脂組成物を製造した。なお、クリームタイムは30秒であった。得られた樹脂の特性を表2に記載する。
4−1.ウレタン樹脂組成物の分解(試験6)
得られたウレタン再生樹脂とジエタノールアミンとをそれぞれ重量比で5/1になるように反応釜に入れ、表2に示す分解温度で分解した。このときに全て分解し液状になるまでの分解時間を表2に併記する。
4−2.ウレタン樹脂組成物の分解(試験7〜10)
得られたウレタン再生樹脂とジエタノールアミンを重量比で5/1になるように連続分解装置(押出機)に投入し、表2に示す温度で分解反応を行い、また滞留時間は表2に示す時間に設定し、分解物を吐出させたところ、分解物は完全に分解され液状化されていた。
比較試験1
分解物A3.3gと、表2に示すイソシアネート10g、錫触媒0.1gを混合しポリオール成分を調整し、これにNCO/OH=1となるように、表2に示すポリオールを1.7g入れ、攪拌混合し、型に流して一晩放置したところ、ゴム状のウレタン樹脂組成物が製造された。混合成分は実施例1,6と略同等であるが、クリームタイムは20秒と短かった。これは不均一反応のためであると思われる。
得られたウレタン再生樹脂組成物とジエタノールアミンとをそれぞれ重量比で5/1になるように反応釜に入れ、180℃で分解反応を行った。30分反応させても分解反応は終了せず、固形成分が残存しており、全て分解して液状になるまでに3時間以上が必要であった。
比較試験2
分解物B7.3gと、表2に示すイソシアネート10.1g、錫触媒0.1gを混合しポリオール成分を調整し、これにNCO/OH=1となるように、表2に示すポリオールを3.0g入れ、攪拌混合し、型に流して一晩放置したところ、ゴム状のウレタン樹脂組成物が製造された。混合成分は実施例2,7と略同等であるが、クリームタイムは5秒と短かく、型に流す前に硬化してしまった。これは不均一反応のためであると思われる。
得られたウレタン再生樹脂組成物とジエタノールアミンとをそれぞれ重量比で5/1になるように連続分解装置(押出機)に投入し、250℃で分解反応を行った。滞留時間を5分に設定した時には、分解物中に固形成分が残存していた。滞留時間を1分づつ増やして試験を繰り返した結果、滞留時間を10分にした時に分解物を全て液状化させることができた。
Figure 2005105185
試験11〜13
1.ウレタン樹脂の分解
試験1〜5と同様にして、分解物A、B及びDを得た。
2.プレポリマーの合成
分解物A〜Eを表3に示すイソシアネート(一部の試験はポリオールと共に)と反応させ水酸基を末端に持つプレポリマーを生成した。
3.ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の合成
得られたプレポリマーに、表3に示すイソシアネート及びスズ触媒を添加し、これを高速攪拌混合した後成型した。これらを一晩放置し、脱型してウレタン樹脂組成物を製造した。得られた樹脂の特性を表3に記載する。
4−1.ウレタン樹脂組成物の分解(試験11)
得られたウレタン再生樹脂とジエタノールアミンとをそれぞれ重量比で5/1になるように反応釜に入れ、表3に示す分解温度で分解した。このときに全て分解し液状になるまでの分解時間を表3に併記する。
4−2.ウレタン樹脂組成物の分解(試験12、13)
得られたウレタン再生樹脂とジエタノールアミンを重量比で5/1になるように連続分解装置(押出機)に投入し、表3に示す温度で分解反応を行い、また滞留時間は表3に示す時間に設定し、分解物を吐出させたところ、分解物は完全に分解され液状化されていた。
比較試験3
分解物A18gに、NCO/OH=1となるように、表3に示すイソシアネート4.2g、錫触媒0.1gを添加し、攪拌混合し、型に流して一晩放置したところ、ゴム状のウレタン樹脂組成物が製造された。混合成分は試験11と略同等であるが、クリームタイムは20秒と短かった。
得られたウレタン再生樹脂組成物とジエタノールアミンとをそれぞれ重量比で5/1になるように反応釜に入れ、180℃で分解反応を行った。30分反応させても分解反応は
終了せず、固形成分が残存しており、全て分解して液状になるまでに約2時間が必要であった。
比較試験4
分解物B18gに、NCO/OH=1となるように、表3に示すイソシアネート4.9g、錫触媒0.1gを添加し、攪拌混合し、型に流して一晩放置したところ、硬めのウレタン樹脂組成物が製造された。混合成分は試験12と略同等であるが、クリームタイムは20秒と短かった。
得られたウレタン再生樹脂組成物とジエタノールアミンとをそれぞれ重量比で5/1になるように連続分解装置(押出機)に投入し、250℃で分解反応を行った。滞留時間を5分に設定した時には、分解物中に固形成分が残存していた。滞留時間を1分づつ増やして試験を繰り返した結果、滞留時間を10分にした時に分解物を全て液状化させることができた。
Figure 2005105185

Claims (9)

  1. ウレタン樹脂を化学分解した分解物とイソシアネート基を末端に持つプレポリマーとの反応物を含有することを特徴とするウレタン樹脂組成物。
  2. ウレタン樹脂を化学分解して分解物を得る分解工程と、
    前記分解物とイソシアネート基を末端に持つプレポリマーとを反応させる反応工程とを有することを特徴とするウレタン樹脂組成物の製造方法。
  3. ウレタン樹脂を化学分解して第1のポリオール及びアミン化合物を含有する分解物を得る分解工程と、
    前記分解物にイソシアネートを反応させて、イソシアネートを末端に持つプレポリマーを含有するプレポリマー組成物を合成する合成工程とを具備することを特徴とするプレポリマーの製造方法。
  4. ウレタン樹脂を化学分解して得られる分解物にイソシアネートを反応させて、イソシアネートを末端に持つプレポリマーを含有するプレポリマー組成物を合成する合成工程と、
    前記プレポリマーにポリオールを反応させてウレタン樹脂を合成する工程を有することを特徴とするウレタン樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記分解物は、下記一般式(1)に示す第1のポリオール及び下記一般式(2)に示すアミン化合物を含有し、
    HO−R1−OH (1)
    2N−R2−NH2 (2)
    前記イソシアネートを下記一般式(3)で示したとき、前記プレポリマー組成物は、一般式(4)及び一般式(5)で示すプレポリマーを含有していることを特徴とする請求項4記載のウレタン樹脂組成物の製造方法。
    OCN−R3−NCO (3)
    Figure 2005105185
    Figure 2005105185
  6. 下記一般式(4)及び(5)を含有することを特徴とするプレポリマー組成物。
    Figure 2005105185
    Figure 2005105185
  7. ウレタン樹脂を化学分解して得られる分解物にイソシアネートを反応させて、OH基を末端に持つプレポリマーを含有するプレポリマー組成物を合成する合成工程と、
    前記プレポリマーにポリオールを反応させてウレタン樹脂を合成する工程を有することを特徴とするウレタン樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記分解物は、下記一般式(1)に示す第1のポリオール及び下記一般式(2)に示すアミン化合物を含有し、
    HO−R1−OH (1)
    2N−R2−NH2 (2)
    前記イソシアネートを下記一般式(3)で示したとき、前記プレポリマー組成物は、一般式(6)で示すプレポリマーを含有することを特徴とする請求項7記載のウレタン樹脂組成物の製造方法。
    OCN−R3−NCO (3)
    Figure 2005105185
  9. 下記一般式(6)を含有することを特徴とするプレポリマー組成物。
    Figure 2005105185

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