JP4444192B2 - ウレタン樹脂再生方法およびウレタン樹脂エラストマーの製造方法 - Google Patents

ウレタン樹脂再生方法およびウレタン樹脂エラストマーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウレタン樹脂の分解物を用いた樹脂の再生方法およびウレタン樹脂エラストマーの製造方法に関する。
ウレタン樹脂は一般に自動車のシート、家具、マットレスなどのクッション材、断熱材、構造材、舗装材として広く用いられているが、3次元の網目構造を有する熱硬化性樹脂であるためにリサイクルが困難であり、現状では埋め立てや焼却などの処分がされている。
一方、ウレタン樹脂を化学的手法で液化する方法が古くから研究されている。例えば、アルカノールアミンなどのアミン化合物を用いてポリウレタンフォームを分解して、その後分解生成物を分離回収し、ウレタンフォームとして再生する方法や、分解剤としてポリオール及びアミノエタノールを用いてポリウレタンフォームを分解し、接着剤として再生する方法、他にもケトン/アルデヒド分解方法、イソシアネート分解方法、熱分解方法、加水分解方法、後段昇温加熱法等が知られている。
また、このようにして分解して得られた分解生成物中のポリオールと、イソシアネートとを反応させてウレタン樹脂を再生する方法がある(特許文献1参照)。

特開平07−126344号公報(第3頁)
前述したような、分解方法で得られた分解物を公知の再生方法に従ってウレタン樹脂に再生すると、硬化時間が長くなり、得られる再生樹脂の引張伸び率などの特性も低下することが分かった。
そこで、本発明は、ウレタン樹脂分解物をウレタン樹脂に再生する際に、硬化時間を短縮でき、また引張伸び率が向上するウレタン樹脂の再生技術を提供することを目的とする。
本発明のウレタン樹脂再生方法は、ウレタン樹脂を化学分解した分解物を再生する際に、分解物の水酸基と、反応させるイソシアネートのイソシアネート基の比をNCO/OH=0.41〜0.6とすることを特徴とする。
また、本発明のウレタン樹脂再生方法においては、ウレタン樹脂の原料のポリオールの水酸基価が250mgKOH/g以下であることが好ましい。さらに、本発明のウレタン樹脂再生方法は、ウレタン樹脂分解物の再生において、分解物と反応させるイソシアネートのイソシアネート基含有率が20%以下であるが好ましい。本発明のウレタン樹脂再生方法においては、ウレタン樹脂として、ウレタンエラストマーを採用することができる。
以上要するに、本発明は、ウレタン樹脂を化学分解した分解物を再生する技術において、分解物の水酸基と、反応させるイソシアネートのイソシアネート基の割合を水酸基過剰の条件で行うことで、再生反応時間が短縮され、生成される再生ウレタン樹脂の引張伸び率を向上させることが可能になることに着目してなされたものである。
本発明によれば、硬化時間が速く、引張伸び率が向上する再生ウレタン樹脂組成物を提供することが可能になる。
本発明者らは、ウレタン樹脂を化学的に分解した分解物を再度ウレタン樹脂の原料として使用する際、分解物の水酸基の数と、反応させるイソシアネートのイソシアネート基の数の比をNCO/OH=1/1もしくはイソシアネート基過剰にするよりも、NCO/OH=0.41〜0.6/1にした方が、硬化時間が速くなること、引張伸び率が向上することを確認して本発明に至った。
NCO/OHの比は分解物を添加せずにバージン材原料で作成する際は通常1/1〜1.2/1の範囲内で反応させることが望ましく、この間が最も伸び率が良くなる。一方、分解物の水酸基の数と、反応させるイソシアネートのイソシアネート基の数の比はNCO/OH=0.7〜0.3/1がよい。これ以上イソシアネートを添加すると硬化時間が遅くなり、伸び率が悪くなる。また、これより添加イソシアネート量を減らすと、硬化時間が遅くなり、さらに完全に硬化しなくなる。
以下、本実施の形態について、その原料、分解剤、分解触媒、再生方法について、より具体的に説明する。
1.ウレタン樹脂
分解されるウレタン樹脂は特に限定されるものではなく、硬質、軟質、半硬質、ゴム、エラストマー、RIM、塗料、接着剤など各種のウレタン樹脂を採用することができる。製品としては例えば、冷蔵庫の断熱材、建築の断熱材、車のシートのウレタン、椅子のクッション材、ベッドマット、工業用鉄工ロール、ソリッドタイヤ、床材、舗装材、自動車のバンパー、などが挙げられる。これらの内で、特に原料となるウレタン樹脂として、ウレタンエラストマーを採用することが得られる再生樹脂の特性を向上させる点で好ましい。
このウレタン樹脂としては、ウレタン樹脂の原料であるポリオールとして、水酸基価が、250mgKOH/g以下のものが好ましい。この水酸基価がこの範囲を超えると、得られる再生ウレタン樹脂の特性、特に柔軟性が劣ることとなる。
本実施の形態におけるウレタン樹脂分解物は、上記ウレタン樹脂を化学的に分解したものである。化学的な分解方法としては、一般的に知られているいかなるものでもよく、例えば、ポリオール分解、アミン分解、加水分解、酸分解などが挙げられる。これらの方法においては、それぞれ、例えば、アルコール基、アミノ基、水、カルボキシル基及びその誘導体、エポキシ基含有化合物などの分解剤を用いてウレタン樹脂の分解を行う。
2.分解剤
以下に、分解剤の具体例を挙げる。
・アルコール基含有分解剤
アルコール基を含有する分解剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミンテトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド等が挙げられる
・アミノ基含有分解剤
アミノ基を有する分解剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロパンジアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソプロパノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチルアミノエタノール、アミノブタノール、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソブチルアミン、メチルジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、クロロアニリン、ピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾール、1,4−ジアミノブタン、12−アミノドデカン酸、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノクロトン酸メチル、3−メトキシプロピルアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ブチルエタノールアミン、N−エチルエチレンジアミン、n−ヘキシルアミン、N−メチル−3,3’−イミノビス(プロピルアミン)、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、アリルアミン、イソプロピルアミン、エチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジアリルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ジエチレントリアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジブチルアミン、ジメチルアミン、テトラエチレンペンタミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、テトラメチルエチレンジアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリアリルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエチルアミン、トリエチレンテトラミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、モノブチルアミン、モノメチルアミンがあげられる。これらの化合物を混合して使用しても問題はない。
アミン類分解剤を被分解物であるウレタン樹脂100重量部に対し5重量部以上、より好ましくは10重量部以上用いることが望ましい。上限はウレタン樹脂100重量部に対し100重量部以下、より好ましくは40重量部以下であることが望ましい。
・カルボキシル基及びその誘導体含有分解剤
カルボキシル基の誘導体とは、カルボキシル基の塩やエステル、又は酸無水物などを挙げることができる。
カルボキシル基及びその誘導体を含有する分解剤としては、具体的には、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、イタコン酸、プロピオール酸、オレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イタコン酸、マロン酸、琥珀酸、アジピン酸、安息香酸、シトラコン酸、クロトン酸、グルタル酸、ヘキサン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、糖酸、グリセリン酸、グルコン酸、サリチル酸、トリメリット酸、シクロペンタンテトラカルボンメチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、およびこれらの酸無水物やラクトンなどの分子内脱水をしている有機酸などである。また、無水トリメリット酸のように、分子内にカルボキシル基と酸無水物を併せ持つ化合物であっても差し支えない。更にナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩などに代表されるこれら有機酸の塩、及び酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどに代表されるこれら有機酸と水酸基を有する物質とのエステルが挙げられる。さらには、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、セリン、フェニルアラニン、グルタミン酸などのアミノ酸も利用できる。これらが複数結合しているものや、プロリンなどの分子内結合をしているイミノ酸などでも構わない。これらの化合物の光学異性体においても全く同様に使用することができる。
・エポキシ基含有分解剤
エポキシ基を有する分解剤としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、アリル2,3−エポキシプロピルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ブチル2,3−エポキシプロピルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、1,2−エポキシエチルベンゼン、2,3−エポキシ−1−プロパノール、2,3−エポキシプロピルメチルエーテルなどのものから、一般にエポキシ樹脂として知られているビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物などが挙げられる。また、前述した各種の分解剤は単独、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。
3.分解触媒
上記分解剤を使用する分解反応において、必要に応じて、上記ウレタン樹脂及び分解剤に分解触媒を添加し、分解速度を上げることができる。
添加する触媒としては、ウレタンの生成時に使われるものが好ましく、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン1,3−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン1,6−ジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,−メチル,N’−(2−ジメチルアミノ)エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)−モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾール、ヘキサメチレンテトラミン、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス(3−ジメチル)−アミノプロピルエーテル、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンマーカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルインジマレエート、ジオクチルチンマーカプチド、ジオクチルチンチオカルボキシレート、オクテン酸鉛、オクテン酸カリウムなどが挙げられる。
分解触媒の添加量は分解剤100重量部に対し0.01重量部以上10重量部以下が好ましく、さらに好ましくは0.1重量部以上5重量部以下がよい。10重量部より分解剤の量が多いと、再生時に反応の制御が難しいので好ましくなく、0.01重量部以下では十分に触媒の効果が得られないことがある。
4.分解条件
分解方法は、ウレタン樹脂と分解剤との混合物を加熱・攪拌する方法であれば特に限定されるものではなく、バッチ式、連続式にかかわらず使用できる。
連続式の方法とは、加熱された流路にウレタン樹脂を流す手法であり、例えば円筒体中に、円筒と同軸の螺旋状の攪拌子を設置した押出機などの連続装置に分解剤と共にウレタン樹脂を投入し、円筒を加熱するとともに、螺旋状の攪拌子を回転させてウレタン樹脂(及び/又は分解物)を、円筒中を移動させることで、ウレタン樹脂を混錬しながら連続的に分解処理することができる。連続式の分解方法においては、ウレタン樹脂や分解剤の種類によって多少異なるが、通常出口樹脂温度が80℃〜300℃、になるように、また滞留時間(円筒中の通過に要する時間)は2分以上となるように設定して行えばよい。ここで、出口樹脂温度とは、連続装置における出口での減容化物の温度である。なお、押出機を用いた分解は、樹脂が混錬されるため、微量の分解剤をウレタン樹脂に均一に接触でき、また、ウレタン樹脂の加熱も均一に行われるため、短時間で、均一な分解物を得ることが可能になる。
バッチ式の方法とは、反応容器内で分解剤とウレタン樹脂を所定時間攪拌しながら加熱処理する方法である。加熱温度は通常設定温度が80〜300℃とし、30分〜3時間程加熱処理を行えばよい。
5.再生ウレタン樹脂の合成
再生ウレタン樹脂は、上記ウレタン樹脂分解物とイソシアネート化合物を反応させて得られる。 本実施の形態においては、原料となるウレタン樹脂分解物として、特定の水酸基価を有するものが使用に適しているが、これは、ウレタン樹脂分解物中の水酸基を、JIS−K−1557のウレタン樹脂のポリオール分析方法、またはこれに準ずる方法によって測定して決定することができる。本来はこの手法により、イソシアネートと反応させる当量を求めることができるが、ウレタン樹脂分解物中には様々な化合物が含まれているため、この水酸基価が厳密にイソシアネートとの当量を示さないと考えられる。このため、ウレタン樹脂分解物と反応させるイソシアネート化合物のイソシアネート基との比をNCO/OH=0.41〜0.6にすると最も良い特性が得られると考えられる。このように従来方法では過剰に入っていたイソシアネートの量を減らすことで、過剰のイソシアネートによって形成される尿素結合が減り、ウレタン樹脂本来が持っている柔軟性が増すため、ウレタンエラストマーなどの柔軟性が必要な用途に再生する場合に適している。

再生時に分解物と混合されるイソシアネートとしては、ウレタン樹脂を生成する際に使用するどのイソシアネートでもよく、具体的には、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、3,3’−ジメチルジフェニル4,4’−ジイソシアネート(TODI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、m−キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、trans−1,4−シクロヘキシルジイソシアネート(CHDI)、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、変成TDI、変成MDIなどが挙げられる。これらの物質は単独または2つ以上の物質を混合して用いても良い。
また、これらのイソシアネートを用いて合成されたイソシアネート末端プレポリマーを用いてもよい。
また、分解物の粘度を調整するために、一般的なポリオールを混合してもよい。
具体例としては、ポリオールは、一般的にウレタン樹脂を生成する際に使用するどのポリオールでもよく、例えば低分子量ポリオールや高分子量ポリオールなどが挙げられる。
低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、キシレングリコールなどの低分子ジオール、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの低分子量トリオール、例えば、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、D−マンニットなとの水酸基を4個以上有する低分子量ポリオールなどが挙げられる。
高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、天然油ポリオール、シリコンポリオール、フッ素ポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルエステルポリオール等が挙げられる。
これらのポリオールを単独または2つ以上の物質を混合して用いてもよい。
再生ウレタン樹脂の特性は、JIS−K−6251加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの引張試験方法により行い、測定値は切断時の標線間の長さではなく、切断時のサンプルの長さを基準に算出することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。本実施例においては、ウレタン分解物として、以下の通り3種類を用意し、これらのウレタン樹脂分解物を用いてウレタンエラストマーを合成する試験を行った。得られたウレタンエラストマーについて、引っ張り試験を行った。その結果を表1および表2に示す。
1.ウレタン分解物
分解物A;
ウレタンエラストマーの廃材を2mm程度に粉砕したものを被分解物として準備した。このウレタンエラストマーは原料のポリオール成分として水酸基価56mgKOH/gのポリエーテルポリオールを使用していた。
ウレタンエラストマーの廃材とジエタノールアミンを重量比で10/1になるように混合した。この混合物を、押出機を用いて分解した。押出機のシリンダ部を200℃に加熱し、滞留時間が3分になるようにスクリューの回転を制御し、連続投入し分解した。排出口からはペースト状の分解物Aが排出された。この分解物のOH価は285mgKOH/gであった。
分解物B;
ウレタンエラストマーの廃材を2mm程度に粉砕したものを被分解物として準備した。 ウレタンエラストマーの廃材を2mm程度に粉砕したものを被分解物として準備した。このウレタンエラストマーは原料のポリオール成分として水酸基価56mgKOH/gのポリエーテルポリオールを使用していた。
ウレタンエラストマーの廃材とジエタノールアミンを重量比で20/1になるように混合した。この混合物を、押出機を用いて分解した。押出機のシリンダ部を200℃に加熱し、滞留時間が3分になるようにスクリューの回転を制御し、連続投入し分解した。排出口からはペースト状の分解物Bが排出された。この分解物のOH価は208mgKOH/gであった。
分解物C;
シートクッション材の工程廃棄物である軟質ウレタン樹脂を粉砕した状態で被分解物として準備した。この軟質ウレタン樹脂は平均分子量が約3000のポリエーテルポリオール(水酸基価56mgKOH/g)とイソシアネート(トリレンジイソシアネート(TDI)20%とポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)80%の混合物:TM20)を反応させて成形したウレタン樹脂である。
このシートクッション材とジエタノールアミンを重量比で10/1になるように予め混合した。この混合物を、押出機を用いて分解した。押出機のシリンダ部を270℃に加熱し、滞留時間が5分になるようにスクリューの回転を制御し、連続投入し分解した。排出口からは、ペースト状の分解物Cが排出された。この分解物のOH価は170mgKOH/gであった。
分解物D;
水酸基価280mgKOH/gのポリエチレングリコール(分子量400)とトリレンジイソシアネートを等量で反応させ、ウレタン樹脂を作成した。
このウレタン樹脂とジエタノールアミンを重量比で10/1になるように予め混合した。この混合物を、押出機を用いて分解した。押出機のシリンダ部を270℃に加熱し、滞留時間が5分になるようにスクリューの回転を制御し、連続投入し分解した。排出口からは、ペースト状の分解物Cが排出された。この分解物のOH価は380mgKOH/gであった。
2.ウレタン樹脂組成物(再生ウレタン)の合成
(試験1)
平均分子量3000のポリオキシプロピレントリオール(三井武田ケミカル社製、製品番号MN−3050)と過剰のトルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20;三井武田ケミカル社製、製品番号T−80)とを混合し、80℃で3時間反応させて、末端イソシアネート基含有率2.9%のプレポリマーPを得た。
分解物A30gにNCO/OH=0.41になるように、ウレタンプレポリマーP90gとを攪拌混合し、型に流し室温で成型したところ1日後に硬化した。これを脱型し、ウレタン樹脂組成物を製造した。この再生ウレタン樹脂の引張伸びは685%であった。
(試験2)
分解物B30gにNCO/OH=0.56になるように、ウレタンプレポリマーP90gとを攪拌混合し、型に流し室温で成型したところ1日後に硬化した。これを脱型し、ウレタン樹脂組成物を製造した。この再生ウレタン樹脂の引張伸びは592%であった。
(試験3)
分解物C20gとポリオオキシプロピレントリオールMN−3050を10g混合したものにNCO/OH=0.6になるように、ウレタンプレポリマーP120gとを攪拌混合し、型に流し室温で成型したところ1日後に硬化した。これを脱型し、ウレタン樹脂組成物を製造した。この再生ウレタン樹脂の引張伸びは500%であった。
(試験4)
分解物D20gとポリオオキシプロピレントリオールMN−3050を10g混合したものにNCO/OH=0.51になるように、ウレタンプレポリマーP120gとを攪拌混合し、型に流し室温で成型したところ1日後に硬化した。これを脱型し、ウレタン樹脂組成物を製造した。この再生ウレタン樹脂の引張伸びは325%であった。
Figure 0004444192
(比較試験1)
分解物A10gにNCO/OH=1/1になるように、ウレタンプレポリマーP74gを攪拌混合し、型に流し室温で成型したところ1日たっても硬化しておらず、完全に硬化するまでに5日かかった。この再生ウレタン樹脂の引張伸び率は459%であった。
(比較試験2)
分解物A10gにNCO/OH=0.27になるようにウレタンプレポリマーP20gを攪拌混合し、型に流し室温で成型したところ1日たっても硬化していなかった。この再生ウレタン樹脂は1週間以上放置しても表面がべとついており、引張伸び率の測定が不可能であった。
Figure 0004444192
上記試験の結果、NCO/OH比が本発明の範囲内にある実施例においては、NCO/OH比が本発明の範囲の範囲外にある比較試験1および2の結果と比較して引張伸びの特性において優れていた。また、硬化速度も本発明の範囲にある実施例において優れていることが判明した。

Claims (5)

  1. ウレタン樹脂を化学分解した分解物を再生する方法であって、
    ウレタン樹脂分解物の水酸基と、反応させるイソシアネート化合物のイソシアネート基との比をNCO/OH=0.41〜0.6とすることを特徴とするウレタン樹脂再生方法。
  2. 前記ウレタン樹脂は、水酸基価が250mgKOH/g以下であるポリオールを原料としたものであることを特徴とする請求項1に記載のウレタン樹脂再生方法。
  3. 前記ウレタン樹脂分解物と反応させるイソシアネート化合物のイソシアネート基含有率を、20%以下とすることを特徴とする請求項1に記載のウレタン樹脂再生方法。
  4. 前記ウレタン樹脂が、ウレタン樹脂エラストマーであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載のウレタン樹脂再生方法。
  5. ウレタン樹脂を化学分解してウレタン樹脂分解物を生成する工程と、
    前記ウレタン樹脂分解物と、イソシアネート化合物とを、ウレタン樹脂分解物の水酸基に対するイソシアネート化合物のイソシアネート基との比がNCO/OH=0.41〜0.6の範囲となるように配合して反応させる工程を備えたことを特徴とするウレタン樹脂エラストマーの製造方法。
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