JP3895293B2 - 硬質ウレタン樹脂の分解処理方法及び再生樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウレタン樹脂のリサイクル技術に関し、詳しくは、品質の良いウレタン樹脂分解物を得るための硬質ウレタン樹脂の分解処理方法及びウレタン樹脂分解物を用いた再生樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ウレタン樹脂は、例えば、冷蔵庫の断熱材、建材、クッション材などとして広く用いられており、近年、これらの廃棄物のリサイクルに対する要望が高まり、それぞれの分野においてこれらの廃棄物の再利用が研究されている。しかし、ウレタン樹脂は3次元の網目構造を有する熱硬化性樹脂であるためにリサイクルが困難であり、現状では埋め立てや焼却などの処分がされている。
【0003】
ウレタン樹脂を化学的に分解する方法は、古くから様々な報告がされている。下記特許文献1には、アルカノールアミンなどのアミン化合物でポリウレタンフォームを分解し、その後分解物を分離回収する方法が記載されている。しかし、相溶性の良いアミン化合物とポリオールとの分離は非常に難しいので、この方法は工業的には不向きである。また、下記特許文献2には、分解剤としてポリオール及びアミノエタノールを用いてポリウレタンフォームを分解し、接着助剤として再生する方法が記載されている。しかしこの方法ではバッチ式で行っているため、処理のために190℃で11時間、230℃でも2時間を要している。加えて、バッチ式でウレタン樹脂を分解する場合には、ウレタン樹脂の嵩高さと熱伝導率の低さが非常に品質に悪影響を及ぼす。例えば、フラスコを用いてオイルバスで加熱してウレタンを分解させる場合、オイルバスに接している壁面のウレタンはすぐに分解するが、フラスコ中央部にはなかなか熱が伝わらないため中央部にあるウレタンの分解開始時間が遅れてしまう。また、嵩高いウレタンを一度にフラスコ内に供給することは難しく、少しずつ継ぎ足しながら分解していっても、ウレタンの投入時間によって分解開始時間に差が生じてしまう。この例では最大11時間の分解開始時間のズレが生じ、充分に分解されなかったものや熱を加えすぎて熱劣化したものがウレタン樹脂分解物の均一性を低下するため、その品質は劣悪である。
【0004】
他方、例えば下記特許文献3のように押出機を用いて分解する方法もある。この場合、ウレタン樹脂の分解処理を施す時間は、押出し長さの設計の制限を受けるため、長時間の処理を施すことはできない。
【0005】
【特許文献1】
特公昭42−10634号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平6−184513号公報
【0007】
【特許文献3】
特開2000−281831公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の他にも様々な分解方法が提案されているが、ウレタン樹脂を分解液化する研究はされていても、満足な品質の再生樹脂を製造することができるウレタン樹脂分解物を得るためにどのように分解処理の条件を設定すればよいか検討されていないのが現状である。従って、ウレタン分解物を得ることができても、品質の安定しないものしか得られず、実用に適した物性を有する再生樹脂を得るのは困難である。従って、ウレタン樹脂のリサイクルには大きな障害がある。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、実用に適した再生樹脂を製造可能なウレタン樹脂分解物を得るためのウレタン樹脂の分解処理方法及びそれを用いた再生樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、硬質ウレタン樹脂の分解処理方法は、硬質ウレタン樹脂及び分解剤としてアミン化合物を押出機に投入し140〜300℃に加熱して該硬質ウレタン樹脂のウレタン結合の分解を進行させる分解処理工程と、前記硬質ウレタン樹脂と前記分解剤との割合、加熱温度及び分解処理時間に基づいて、前記分解処理工程における前記硬質ウレタン樹脂の分解が十分に進行するか否かを判断する判断工程と、前記判断工程において前記硬質ウレタン樹脂の分解が十分でないと判断した時に、前記分解処理工程で得られる被処理物を十分に分解するために必要な不足分の加熱を行う補助加熱工程と、前記判断工程において前記硬質ウレタン樹脂の分解が過剰であると判断した時に、前記分解処理工程における加熱温度及び分解処理時間を設定し直す工程とを有することを要旨とする。
【0011】
上記判断工程は、温度T[℃]における定数kを下記のように設定する工程と、
k=1 (270<T≦300)
k=1/3 (240<T≦270)
k=1/10 (210<T≦240)
k=1/40 (180<T≦210)
k=1/200(140≦T≦180)
前記分解処理工程において温度T[℃]で処理される処理時間ΔHT[時間]及び前記定数kから、温度T[℃]におけるパラメータΔZT=k×ΔHT×100を算出し、前記分解処理工程の全処理温度についてパラメータΔZTを加算して合計置Zを算出する工程と、前記分解処理工程における分解剤1重量部に対する硬質ウレタン樹脂の重量部数Nに応じて、前記合計値Zを下記式で示すZの適性範囲と比較する工程と、
N<2.5の場合 3≦Z≦15
2.5≦N≦5の場合 5≦Z≦25
5<Nの場合 10≦Z≦30
前記合計値Zが前記Zの適性範囲未満である場合に、前記硬質ウレタン樹脂の分解が十分でないと判断する工程とを有するように構成できる。
【0012】
又、本発明の一態様によれば、再生樹脂の製造方法は、ウレタン樹脂及び分解剤としてアミン化合物を押出機に投入し140〜300℃に加熱して該ウレタン樹脂のウレタン結合の分解を進行させる分解処理工程と、前記分解処理工程におけるウレタン樹脂と分解剤との割合、加熱温度及び分解処理時間に基づいて、前記分解処理工程における前記ウレタン樹脂の分解が十分に進行するか否かを判断する判断工程と、前記判断工程において前記ウレタン樹脂の分解が十分でないと判断した時に、前記分解処理工程で得られる被処理物を十分に分解するために必要な不足分の加熱を行う補助加熱工程と、前記判断工程において前記硬質ウレタン樹脂の分解が過剰であると判断した時に、前記分解処理工程における加熱温度及び分解処理時間を設定し直す工程と、前記分解処理工程及び状況に応じて行われる補助加熱工程を経た被処理物にイソシアネート化合物又はエポキシ基を有する化合物を配合して再生樹脂を得る工程とを有することを要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
ウレタン樹脂の分解には、分解剤を用いた化学的分解法及び加水分解法があるが、本発明は、化学的分解法で行うウレタン樹脂の分解処理に関する。分解剤にはアミン化合物が用いられ、ポリオール化合物又はポリオールの金属アルコラートと併用してもよい。従って、分解剤の使用形態としては、アミン化合物単独、アミン化合物とポリオール化合物又はポリオールの金属アルコラートとの混合などの形態が挙げられる。
【0014】
ウレタン樹脂の分解反応は、例えばモノエタノールアミン又はジエタノールアミンを用いた場合、以下のようになる。
【0015】
【化1】
【化2】
これらの反応の最終生成物には、原料イソシアネート由来のアミン成分が生成する。イソシアネート成分の大半はMDIやTDIなどであり、これらから最終的にMDAやTDAが残存する。これらの芳香族アミンは、実際にエポキシ樹脂の硬化剤として使用されていることもあり、エポキシ基と極めて反応しやすい。これらが分解物中に多ければ多いほど、エポキシ樹脂との反応性が増し、再生樹脂の強度も上がる。本発明は、ウレタン樹脂の分解が最後まで進み、且つ、炭化のような過剰反応を起こさない処理条件を求めて分解処理を調節するウレタン樹脂の分解処理方法である。最終生成物として芳香族ジアミンが生じる、モノエタノールアミン又はジエタノールアミンによる分解において特に有効である。
【0016】
ウレタン樹脂のウレタン結合の切断は、分解方法や分解剤の違いにより程度の差はあるが、分解剤によって徐々に低分子化するのであって、すべてのウレタン結合が一斉に切れて分解物が生成するという事はまず無い。つまり、分解処理中のウレタン樹脂中には、未分解ウレタン樹脂、ウレタン樹脂構成成分のオリゴマー及びモノマーと、残存分解剤とが混在する。品質のよいウレタン樹脂分解物を得るために重要なことは、添加した分解剤がすべて消費されて、ウレタン樹脂構成成分のオリゴマー及びモノマーのみ、望ましくはモノマーだけになることである。筆者らの研究では、ウレタン樹脂に熱を加え過ぎると、樹脂分解物が次第に炭化して物性が低下することを確認している。また、ウレタン樹脂に加える熱が不足すると、十分に分解されないだけでなく、その樹脂分解物に再度熱をかけた際に再度分解が進む場合もあり得るので、樹脂分解物を用いて再生する製品の品質安定化が難しい。従って、品質のよい樹脂分解物を得るために、ウレタン樹脂の分解処理における加熱温度と加熱時間とを適正な値に設定する必要がある。
【0017】
一方、ウレタン樹脂の分解反応を均一に進行させるには、ウレタン樹脂と分解剤との混合均一化をできる限り素早く効率的に行う必要があり、この点で、使用する分解処理装置としては押出機が適している。押出機は、加熱、混合及び圧縮(加圧)を同時に行うことができ、混合効率がよいので、投入したウレタン樹脂の分解を均一に進行させ易く、分解の進行を制御し易い。また、バッチ式などの処理装置と比べると、分解の進行を速くすることができるので、経済効率も高い。しかし、押出機は、押出し長さの設計限界や押出し抵抗によって加熱時間を余り長く設定することができない。このため、必要な加熱時間を確保するには、押出機での加熱処理の後に補助的な加熱処理が必要となる。この場合、一旦押出機を経た被処理物は、ウレタン樹脂と分解剤とが混合され被処理物の均一性が高いので、バッチ式の装置を用いても補助加熱処理は良好に行える。
【0018】
本発明においては、上記を勘案して、品質のよい樹脂分解物が得られるウレタン樹脂の分解処理の処理温度及び処理時間の適正な値を決定する。そして、これらを用いて、押出機における分解処理(一次処理)の設定条件を評価して、補助加熱処理(二次処理)が必要か否かを判断し、必要な補助加熱処理の条件を決定することができる。
【0019】
先ず、品質のよい樹脂分解物が得られるウレタン樹脂の処理温度及び処理時間の適正値及び分解進行の評価について説明する。
【0020】
(処理温度及び処理時間の適正値及び分解進行の評価)
本願発明者らの実験結果によれば、ウレタン樹脂に一定量の分解剤を混合して一定温度で加熱処理した時、処理時間の増加に従ってウレタン樹脂の分解が進行し、被処理物の粘度が低下する。しかし、その後、被処理物の粘度は上昇し始め、樹脂分解物が次第に炭化する。そして、被処理物が最も均一で被処理物を用いてウレタン樹脂又はエポキシ樹脂を再生した時の再生樹脂の品質が安定するのは、被処理物の粘度が最低値の時である。つまり、被処理物の粘度が最低値となる処理時間が、その加熱温度における最適処理時間となる。これに従って、加熱温度tと最適処理時間hsとの関係を調べると、下記式(1)が成り立つことを見出した。
【0021】
【数1】
hs=a・t−21.5 (但し、a=1056) (1)
加熱温度=tc(一定)の時、単位時間当りの分解進行度ΔD(最適処理時間における分解進行度を1とする割合)は、下記式(2)で表すことができ、処理時間hの時の分解進行度Dhは、Dh=ΔD×h=h/hsとなる。
【0022】
【数2】
ΔD=1/hs=a’・tc 21.5 (2)
(但し、a’=1/a)
他方、加熱温度が時間によって変化する場合、単位時間毎に加熱温度tn(n=1,2,・・・)をとると、単位時間当りの分解進行度ΔDn=a’・tn 21.5(n=1,2,・・・)を処理開始から時間hnまで合計すれば、その合計値は時間hnにおける分解進行度Dnであり、下記式(3)のように合計値が1となる時間が最適処理時間hsとなる。
【0023】
【数3】
但し、ウレタン樹脂に加える分解剤の量が上記の場合と異なる場合、a及びa’が異なるので、上記から得られる分解進行度ΔDnの合計値及び最適処理時間hsも異なる。
【0024】
(補助加熱処理の設定)
押出機を用いてウレタン樹脂を加熱し分解処理(一次処理)した時、押出機の入口から出口まで上記の単位時間当りの分解進行度ΔDnを合計し、合計値が1に至らなければ、不足分に相当する分解処理を補助加熱処理(二次処理)として行えばよい。例えば、押出機から排出した被処理物をそのまま保温容器中でほぼ一定温度に保つ場合、分解進行度の不足分から補助加熱処理の時間を求める計算は理論的には比較的容易である。
【0025】
しかし、実際の分解処理においては、被処理物の分解進行度は、処理装置の構造や作業条件等によって部分的なばらつきや誤差が生じるので、最適値を含むある程度の幅をもった範囲を適正処理時間とすることが実際的である。
【0026】
上記を勘案して、単位時間当りの分解進行度の合計の計算による補助加熱処理(二次処理)の条件決定は、以下のような近似的な処理に従って行うことができ、センサーにより検出される押出機の温度データやそれを用いて得られる温度勾配データ等を用いて、以下の手順によってコンピュータ等により簡単に実施できる。
【0027】
1)分解処理の温度T[℃]における定数kを下記のように設定する。
【0028】
k=2 (300<T)
k=1 (270<T≦300)
k=1/3 (240<T≦270)
k=1/10 (210<T≦240)
k=1/40 (180<T≦210)
k=1/200(140≦T≦180)
k=0 (T<140)
2)押出機による一次処理において温度T[℃]で処理される処理時間ΔHT[時間]及び上記定数kから、温度T[℃]の処理におけるパラメータΔZT=k×ΔHT×100を算出し、分解処理工程の全処理温度についてパラメータΔZTを加算し合計値Zを算出する。
【0029】
3)分解剤1重量部に対するウレタン樹脂の重量部数Nに応じて、上記パラメータΔZTの合計値Zを下記式で示すZの適正範囲と比較し、適正範囲にあるか否かを判断する。
【0030】
N<2.5の時 3≦Z≦15
2.5≦N≦5の時 5≦Z≦25
5<Nの時 10≦Z≦30
4)合計値Zが上記3)のZの適正範囲にある場合は、二次処理(補助加熱処理)は行わない。合計値Zが上記適正範囲未満である場合は、この合計値Zと補助加熱処理のパラメータの合計値Zsとの和が上記3)の適正範囲に入るように、補助加熱処理における温度Ts[℃]及び温度Tsで処理される処理時間ΔHTs[時間]を設定する。この設定は、温度Ts[℃]におけるパラメータΔZTs=k×ΔHTs×100及びパラメータΔZTsの合計値Zsの計算によって行う。合計値Zが過剰である場合は、上記適正範囲に入るように、一次処理における温度T[℃]及び温度T[℃]で処理される処理時間HT[時間]を設定し直す。
【0031】
必要に応じて、更に、三次処理以降を補足設定してもよい。
【0032】
パラメータの合計値の値が低いとウレタン樹脂が充分に分解されず分子量の大きい分解物ができる。合計値が高いと分解物が熱劣化し、炭化が始まる。但し、処理温度T及びTs[℃]は、413〜573゜K(140〜300℃)が好ましく、より好ましくは473〜553゜K(200〜280℃)がよい。これより温度が低いと、処理時間が長すぎるため経済的に好ましくなく、温度が高すぎると処理時間が短すぎてその制御が難しい。
【0033】
被処理物の温度、つまり、処理装置内の温度が測定できない場合は、処理装置の設定温度を被処理物の温度とみなしても差し支えない。この点に関しても、バッチ式装置の場合は、樹脂に圧力を加えて熱伝導を促進できないので装置の温度と被処理物の温度が大きく異なっている場合があり、押出機による処理が有利である。
【0034】
分解剤とウレタン樹脂の比は特に制限されないが、分解剤1重量部に対してウレタン樹脂の量が2.5重量部以上5重量部以下にすることが好ましい。この範囲よりウレタン樹脂の量が少ないと、分解物中に反応しなかった分解剤が残って分解物及び再生品の物性の低下を引き起こし、これよりウレタン樹脂の量が多いと、処理時間がかかってしまうため経済的に好ましくない。
【0035】
上記Zの値が得られる被処理物すべてにおいて上記の範囲内にあるのが好ましいが、実際には、被処理物の分解進行度は、分解装置の構造などによって部分的なばらつきが生じる。例えば、装置の形状によって部分的に分解開始時間の差が生じたり、被処理物の取り扱い作業によってばらつきが生じたりする。こういった場合、被処理物中に異なる分解進行度の分解物が存在することになるが、重量比で全量の85%以上が適正な分解進行度にあれば、得られる被処理物の物性は良好となる。
【0036】
上記評価方法による処理時間の決定の一例を以下に示す。
【0037】
例えば、250℃の押出機で5分分解し、その後200℃の反応容器で30分保温、その後10分に10℃ずつ140℃まで除冷したとすると、ΔZの値は表1のようになる。
【0038】
【表1】
この場合のウレタン樹脂の分解処理におけるパラメータΔZは上記の通りとなり、この合計値Zによってウレタン樹脂の分解進行状況が把握できる。故に、分解剤の添加量に応じて、パラメータΔZの合計値Zが適正範囲となるように上記加熱プロセスを適宜調整・変更すればよい。決定した条件に従って分解処理を経ることにより、品質が安定した樹脂分解物を得ることができるので、樹脂の再生が容易になる。
【0039】
なお、上記の近似的方法より正確な方法として、処理温度[゜K]を処理時間h[時間]の関数T(h)として、我々の実験によって求められた下記式(4)に従ってZ値を計算し、Zの値が30以上200以下(ただし、分解剤1重量部に対してウレタン樹脂は2.5〜5重量部)となるように好ましい処理時間を決定する方法がある。本来はこの式の積分計算により分解進行度を求めるのがよいが、式が複雑で計算が煩雑になるため、先に述べた方法の方が簡易である。
【0040】
【数4】
(ウレタン樹脂、分解剤及び分解装置)
被処理物であるウレタン樹脂としては、ウレタン結合、尿素結合などを持つ硬質ウレタン樹脂であれば如何なるものでも良い。ここでは、原料ポリオールの水酸基価が250mgKOH/g以上のものを硬質ウレタンと定義する。またイソシアヌレート結合を持つイソシアヌレート材も含み、ウレタン樹脂と同様に本発明の分解処理方法を適用できる。この場合、原料のイソシアネートの分子量はいくらであってもよい。このようなウレタン樹脂の用途として、例えば、冷蔵庫や建材などの断熱材などが挙げられる。
【0041】
本発明は、アミン化合物単独で分解する場合に特に適していて、その中でもモノアルカノールアミンまたはジアルカノールアミンを用いた分解において最も適している。アミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロパンジアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソプロパノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチルアミノエタノール、アミノブタノール、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソブチルアミン、メチルジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、クロロアニリン、ピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾール等があげられる。これらの分解剤の中で、モノエタノールアミン又はジエタノールアミンを用いた時、よりよい効果が得られる。必要に応じて、上記の分解剤に添加剤を加えてもよい。添加剤は、分解剤の反応を極端に阻害しないものであれば添加することができ、例えば、水、アルコール、ポリオールなどの希釈剤や、無機粒子、有機粒子などの充填材などが挙げられる。ポリオール化合物の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。その添加量は、添加剤の物性に応じて適宜調節すればよい。水や低分子アルコールなどの沸点が150℃以下の添加剤については、分解装置中で揮発して最終的にウレタン樹脂分解物から離脱することから、その添加量に特に制限をつける必要は無いが、多量の添加は揮発熱によって装置の温度を低下させるので注意が必要である。好ましくは、ウレタン樹脂の重量の半分以下に抑える。また、無機粒子、有機粒子などの充填材については、反応を阻害しない程度であれば添加量に特に制限は無いが、ウレタン樹脂と同重量以下に抑えることが好ましい。
【0042】
分解装置としては、一次処理については押出機型のような加熱、混合及び圧縮が同時に可能な分解装置が望ましいが、二次処理についてはいかなるものであってもよく、公知の各種分解装置が用いられる。また、複数の分解装置を適宜組み合わせて用いることができ、例えば、ある分解装置で分解処理した被処理物をドラム缶などに詰めて保温、加温などすることによって二次処理としてもよい。図1に示すような押出機1を用いて分解処理を実施すると、処理を連続的に効率よく行うことができる。
【0043】
図1は、前述の一次処理を行うための押出機の一例を示し、押出機1は、温度制御可能なヒータを備えたシリンダ部3、シリンダ部3の内壁に内接する回転制御可能なスクリュ5、シリンダ部3の一端に設けられる投入口7、シリンダ部3の他端に設けられる排出管9、及び、投入口7と排出管9との間に設けられる供給口11を有する。シリンダ部3のヒータは、シリンダ部3の温度が局部的に異なるように設定可能で、例えば、供給口11の前後で加熱温度を変化させることができる。シリンダ部3の温度をウレタン樹脂の分解温度に設定し、押出機への投入物がスクリュ5の回転によって投入口7から供給口11迄進行する時間がウレタン樹脂の分解に要する時間に合うようにスクリュ5の回転速度を設定して、ウレタン樹脂及び分解剤を投入口7から投入すると、ウレタン樹脂の分解が始まり、排出管9の方向へ移動する。必要に応じて、添加剤を供給口11から被処理物に混合することもできる。最終的に、ウレタン樹脂は液状の分解物となって排出管9から排出される。このような分解装置では、ウレタン樹脂の分解開始時間のばらつきを抑えることができるため、分解処理条件の調整が容易且つ正確である。
【0044】
押出機1による一次処理が不十分である場合、押出機1から排出される被処理物は、排出管9から二次処理(補助加熱処理)を行うための二次処理装置へ供給される。
【0045】
図2は、二次処理装置の一例を示し、この二次処理装置21は、押出機1の排出管9から供給される被処理物を収容するための容器23と、容器23を覆う断熱材25とを有し、被処理物を保温することにより余熱で分解を進行させる。容器23の蓋23’に取り付けた温度センサー27によって内部温度を継続的に検出することにより、二次処理条件の予測とのずれを修正することができる。
【0046】
図3は、バッチ式の二次処理装置の例を示し、この二次処理装置31は、押出機1の排出管9から供給される被処理物を収容するための処理槽33と、処理槽33に付設され温度調節機能を備えたヒータ35と、攪拌装置37とを有し、ヒータ35で被処理物を加熱することにより分解を進行させる。二次処理を終えた被処理物は、処理槽33の底部に設けられた排出管39のバルブを開けて排出する。
【0047】
図4は、押出機を二次処理装置として用いた例を示し、この二次処理装置41は、温度制御可能なヒータを備えたシリンダ部43、シリンダ部43の内壁に内接する回転制御可能なスクリュ45、押出機1の排出管9に接続される投入口47、及び、シリンダ部33の他端に設けられる排出管49を有する。シリンダ部43及びスクリュ45は、押出機1のシリンダ部3及びスクリュ5と同様の働きをする。シリンダ43は、ヒータに代えて断熱材で覆って保温するように構成してもよい。
【0048】
図5は、保温型の二次処理装置の他の例を示し、この二次処理8装置51は、断熱材で形成された保温槽53と、保温槽53内に設けられ押出機1の排出管9に接続される螺旋管55とを有する。排出管9から供給される被処理物は、螺旋管55を通過する間保温されて余熱により分解が進行し、排出管57から排出される。
【0049】
(再生樹脂の製造方法及び再生剤)
ウレタン樹脂の分解物から樹脂を再生するには、分解物を再硬化させる再生剤が用いられる。再生剤としては、エポキシ樹脂及びイソシアネート化合物が知られており、公知のものから必要に応じて適宜選択して用いることができる。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、その具体的例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物などが挙げられるが、特に限定されるものではない。エポキシ化合物は、単独でまたは2種以上混合して使用することもできる。イソシアネート化合物は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば良く、その具体的例としては、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート,1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート,ピリジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート,メチルシクロヘキサンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;ジメチレントリフェニルメタンテトライソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等の多官能イソシアネート化合物;グリセリンやトリメチロールプロパン等のポリオール類と上記ジイソシアネート化合物との付加反応物、等が挙げられるが、特に限定されるものではない。イソシアネート化合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0050】
再生樹脂の成形方法は、必要に応じて適宜決定される。例えば、再生剤として液状のエポキシ樹脂を用いる場合は、分解物とエポキシ樹脂とを万能攪拌機等を用いて混合して、混合物を室温〜200℃の温度で成形型に流し込み、1時間〜1晩程度加熱硬化させることによって再生樹脂の成形体が得られる。混合の際に、有機物粒子又は無機物粒子などを充填材として加えたり、可塑剤、カップリング剤等を配合たりしてもよい。
【0051】
また、ウレタン発泡体を生成する場合は、被処理物にイソシアネート化合物を添加混合するが、イソシアネート化合物の添加によって結合生成及び発泡が温度に応じた速度で進行するので、室温〜150℃の温度で混合物を成形型に投入して成形する。必要に応じて、ウレタン樹脂原料であるポリオール化合物や、発泡剤、整泡剤、充填剤、触媒等を被処理物に添加してもよい。
【0052】
被処理物つまりウレタン樹脂分解物を冷却により固化させた固形物を用いる場合は、この固形物と、固形のエポキシ樹脂又はイソシアネート化合物とを細かく粉砕して木粉や無機物粒子等と混合し、プレス成形機等を用いて加熱・加圧成形して硬化させることにより、成形体を得ることができる。硬化温度は、使用するウレタン樹脂分解物、エポキシ樹脂及びイソシアネート化合物の融点又は軟化点等によって異なるが、概して80〜200℃程度がよい。
【0053】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0054】
なお、以下の操作において用いるウレタン樹脂は下記のものであり、Z値の算出は、前述のパラメータΔZの合計による近似的方法に従った。
【0055】
[ウレタン樹脂A]
水酸基価約455mgKOH/gのポリオールSU−464(三井化学(株)製)と、TDI主体のコスモネートT−80(三井化学(株)製)を等量混合して得られたウレタン樹脂。
【0056】
[ウレタン樹脂B]
冷蔵庫の断熱材に用いられているウレタン樹脂。ポリオールの水酸基価=450mgKOH/g、イソシアネートの%NCO=31.4。
【0057】
[ウレタン樹脂C]
水酸基価280mgKOH/gのポリエチレングリコール100重量部にピュアMDIを65.2重量部混合して発泡させたポリウレタン樹脂。
【0058】
[ヌレート樹脂]
建材の断熱材として使用されて、建築現場より廃棄されたイソシアヌレート樹脂。
【0059】
(実施例1)
押出機の加熱温度を250℃に設定し、投入から2分後に投入物が排出されるように押出し速度を設定した。ウレタン樹脂A/ジエタノールアミン(以下、DEA)=3/1の混合比でウレタン樹脂A及びDEAを押出機に投入して混練による分解処理(一次処理)を行い、排出された被処理物を200℃の反応容器中で30分保温した後10分に20℃ずつ自然冷却した(二次処理)ウレタン樹脂分解物を用意した。被処理物を押出機から反応容器に移す時間は数分であり、ここではその間のΔZ値を無視した。二次処理を経た樹脂分解物のZ値は2.94であり、その粘度は7800mPa・s(60℃)であった。この分解物を少量ずつとり、更に、175℃のオーブンにそれぞれ投入して表2に示す時間の加熱による分解処理を行った(三次処理)。
【0060】
得られたウレタン樹脂分解物は、原料のポリオール(SU−464)に10重量%の割合で混合し、イソシアネート(コスモネートT−80)を加えて発泡させることによりウレタン再生を行った。
【0061】
また、エポキシ再生については、上述で得られたウレタン樹脂分解物をビスフェノールA型エポキシ樹脂(EP4100E、旭電化(株)製)と重量比1:1で混合した後150℃で反応させることにより、再生エポキシ樹脂を得た。
【0062】
その結果を表2に示す。なお、表中の粘度は、ウレタン樹脂分解物の60℃における値である。また、ウレタン再生については、問題なく再生できたものは○、再生に支障があったものは△、再生できなかったものは×を示した。エポキシ再生については、問題なく再生できたものは○、問題なく再生できて特にガラス転移温度が高かったものは◎、再生に支障があったものは△、再生できなかったものは×を示した。
【0063】
Z値が5〜25の範囲となるウレタン樹脂分解物はおおむね粘度が低くなっていることが確認できた。又、その範囲では良好にウレタン樹脂に再生できることが確認できた。Z値=20の付近において樹脂分解物に黒い固形分が析出し始め、Z値が25以上ではその存在が顕著になり、ウレタンの再生に支障をきたした。エポキシの再生では、Z値が5以下の範囲では、樹脂分解物の粘度が高くエポキシ樹脂との混合が困難であったが、再生することができた。Z値が5以上25以下の範囲では、樹脂分解物の粘度が低くなり作業性も向上し、Z値が10近辺で最も高いガラス転移温度を示した。Z値が20以上の範囲でも、樹脂分解物はエポキシ樹脂と反応し硬化したが、黒い固形成分が混ざったため見栄えが悪かった。
【0064】
【表2】
(実施例2〜4)
三次処理の処理温度を200℃(実施例2)、225℃(実施例3)又は250℃(実施例4)に変更したこと以外は実施例1と同じ条件で、ウレタン樹脂Aの分解処理、再生ウレタン樹脂及び再生エポキシ樹脂の調製を行った。その結果を表3〜5(表3:実施例2、表4:実施例3、表5:実施例4)に示す。いずれの温度においても、Z値が5〜25の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0065】
【表3】
【表4】
【表5】
(実施例5)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂A/DEAの混合比を4/1に変更してウレタン樹脂A及びDEAを投入して分解処理し(一次処理)、液状の被処理物を得た。この被処理物のZは2.94で、粘度は約50000mPa・sであった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して再度表6の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらは各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加えて再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後に150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表6に示す。Z値が5〜25の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0066】
【表6】
(実施例6)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂A/モノエタノールアミン(以下、MEA)=3/1の割合でウレタン樹脂A及びMEAを混合して分解処理(一次処理)し、液状の被処理物を得た。この被処理物のZ値は2.94で、60℃における粘度は約3100mPa・sであった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表7に示す時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらは、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加えて再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表7に示す。樹脂分解物のZ値が5〜25の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0067】
【表7】
(実施例7)
実施例1と同様の押出機で、ウレタン樹脂A/MEA=4/1の割合でウレタン樹脂A及びMEAを混合して分解処理し、液状の被処理物を得た(一次処理)。この被処理物のZ値は2.94で、60℃における粘度は約4900mPa・sであった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表8の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を各々得た。これらは、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表8に示す。Z値が5〜25の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0068】
【表8】
(実施例8)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂A/MEA=5.5/1の割合でウレタン樹脂A及びMEAを混合して分解処理し、液状の被処理物を得た(一次処理)。この被処理物のZ値は2.94で、60℃における粘度は約21500mPa・sであった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表9の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらは、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表9に示す。Z値が10〜25の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0069】
【表9】
(実施例9)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂A/MEA=7/1の割合でウレタン樹脂A及びMEAを混合して分解処理し、液状の被処理物を得た。この被処理物のZ値は2.94で、60℃における粘度は約38700mPa・sであった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表10の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらは、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加えて再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表10に示す。Z値が10〜30の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0070】
【表10】
(実施例10)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂A/MEA=2/1の割合でウレタン樹脂A及びMEAを混合して分解処理し、液状の被処理物を得た(一次処理)。この被処理物のZ値は2.94で、60℃における粘度は約2560mPa・sであった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表11の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらを、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表11に示す。Z値が3〜15の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0071】
【表11】
(実施例11)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂A/ヘキサメチレンジアミン(以下、HMDA)=2/1の割合でウレタン樹脂A及びHMDAを混合して分解し、液状の被処理物を得た。この被処理物のZ値は2.94で、60℃における粘度は約3860mPa・sであった。この分解物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表12の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらを、各々、実施例11と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表12に示す。Z値が3〜15の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0072】
【表12】
(実施例12)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂A/HMDA=3/1の割合でウレタン樹脂A及びHMDAを混合して分解処理し、液状の被処理物を得た(一次処理)。この被処理物のZ値は2.94で、60℃における粘度は約7100mPa・sであった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表13の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらを、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表13に示す。Z値が5〜25の範囲ではおおむね粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0073】
【表13】
(実施例13)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂A/DEA/ポリエチレングリコール#200(以下、PEG200)=3/1/0.5の割合でウレタン樹脂A、DEA及びPEGを混合して分解処理し、液状の被処理物を得た(一次処理)。この被処理物のZ値は2.94で、60℃における粘度は約4500mPa・sであった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表14の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらを、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表14に示す。Z値が5〜25の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。但し、エポキシ樹脂のガラス転移温度は、PEG200を加えなかった実施例1〜4と比べると低い値を示した。
【0074】
【表14】
(実施例14)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂A/MEA/PEG200=5.5/1/0.5の割合でウレタン樹脂A、MEA及びPEGを混合して分解処理し、液状の被処理物を得た(一次処理)。この被処理物のZ値は2.94で、60℃における粘度は約12500mPa・sであった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表15の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらを、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果を表15に示す。Z値が10〜30の範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。但し、エポキシ樹脂のガラス転移温度は、PEG200を加えなかった実施例8と比べると低い値を示した。
【0075】
【表15】
(実施例15〜17)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂B/DEA=2/1(実施例15)、3/1(実施例16)又は5/1(実施例17)の割合でウレタン樹脂B及びDEAを混合して分解処理し、液状の被処理物を得た(一次処理)。この被処理物のZ値は2.94であった。この被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表16〜18(表16:実施例15、表17:実施例16、表18:実施例17)の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらを、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果をそれぞれ表16〜18に示す。Z値が前記の適正範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0076】
【表16】
【表17】
【表18】
(実施例18〜20)
実施例1と同様の設定の押出機で、ウレタン樹脂C/DEA=2/1(実施例18)、3/1(実施例19)又は5/1(実施例20)の割合でウレタン樹脂C及びDEAを混合して分解処理し、液状の被処理物を得た(一次処理)。被処理物のZは実施例18〜20のいずれも2.94であった。被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表19〜21(表19:実施例18、表20:実施例19、表21:実施例20)の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ウレタン樹脂分解物を得た。これらは、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果をそれぞれ表19〜21に示す。Z値が前記適正範囲ではおおむねウレタン樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0077】
【表19】
【表20】
【表21】
(実施例21〜23)
実施例1と同様の設定の押出機で、ヌレート樹脂/DEA=2/1(実施例21)、3/1(実施例22)又は5/1(実施例23)の割合でヌレート樹脂及びDEAを混合して分解処理し(一次処理)、液状の被処理物を得た。被処理物のZ値は、実施例21〜23のいずれも2.94であった。被処理物を少量ずつとり、200℃のオーブンにそれぞれ投入して表22〜24(表22:実施例21、表23:実施例22、表24:実施例23)の時間の加熱による分解処理を行って(二次処理)ヌレート樹脂分解物を得た。これらは、各々、実施例1と同様に、原料のポリオールに10重量%の割合で混合してイソシアネートを加え再生ウレタン樹脂を、あるいは、エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃に加熱して再生エポキシ樹脂を得た。その結果をそれぞれ表22〜24に示す。
【0078】
Z値が前述の適正範囲ではおおむねヌレート樹脂分解物の粘度が低くなっていて、良好にウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生できることが確認できた。
【0079】
【表22】
【表23】
【表24】
上記実施例1〜23の要旨をまとめたものを表25に示す。尚、表中の「再生に適したZの値」は結果の評価から定めた値であって、誤差等を含み得るものであり、絶対的なものではないことは言うまでも無い。いずれのウレタン樹脂の分解処理においても、分解剤1重量部に対しウレタン2.5重量部未満の場合は3≦Z≦15、ウレタン2.5重量部以上5重量部以下では5≦Z≦25、ウレタン5重量部を超える場合は10≦Z≦30となる時に再生に適した状態となっていることが確認された。
【0080】
【表25】
(実施例24)
ウレタン樹脂Aをガラス棒を用いて押しつぶして熱を伝え易くし、ウレタン樹脂A/DEA=3/1の混合比で試験管にウレタン樹脂A及びDEAを入れ、200℃のオイルバス中で加熱して分解処理を行った。目視観察でウレタン樹脂Aが液状と確認できた時間は約5分であり、この時ウレタン樹脂分解液は均一であったので、ウレタン樹脂分解物は均一に分解しているとみなした。
【0081】
オイルバス投入から取出しまでの時間を表26のように変更したこと以外は上記分解処理と同様の操作を繰り返し行い、得られたウレタン樹脂分解物の粘度を測定した。また、一番粘度の低かった分解物について、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて分子量分布を測定した。その結果を表26に示す。尚、表中の分子量は、ポリスチレン換算の分子量であり、実際の分子量とは異なる。表26の結果によると、粘度はZ値が5〜20の範囲付近で最も低い値を示し、Z値が25以上の範囲では多数の炭化物の生成が確認された。
【0082】
【表26】
(比較例1)
容量1000mlのフラスコ中に200gのジエタノールアミンを入れ、200℃のオイルバスを用いて加熱し、これに600gのウレタン樹脂を少しずつ投入して分解処理を行った。全ウレタン樹脂の投入終了までに要した時間は10時間半であり、投入終了後さらに30分オイルバス中で加熱を継続した。ウレタン樹脂分解物のZ値は1.25〜27.5の範囲で、このうちZ値が5〜25の範囲にあるものは76%であった。ウレタン樹脂分解物には炭化した固形成分が多数見られた。また、粘度は3800mPa・s(60℃)であり、実施例1〜4や実施例24に比べて高い粘度を示した。分子量分布は10000以下の広範囲にあり、数平均分子量は1900であった。
【0083】
得られたウレタン樹脂分解物の一部を、原料のポリオールに10重量%の割合で混合し、イソシアネート(コスモネートT−80)を加えて発泡させたところ、分解物中にある炭化物の影響でセル荒れを起こし、うまく再生できなかった。また、ウレタン樹脂分解物の残部をビスフェノールA型エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃で反応させたところ、再生エポキシ樹脂を得たが、炭化物を多数含んでいたため見た目も悪く、実施例1〜4や実施例24にて作成した樹脂よりもガラス転移温度が低かった。
【0084】
(実施例25)
ウレタン樹脂A/MEA=4/1の混合比でウレタン樹脂A及びMEAを250℃の押出機に投入して分解処理し(一次処理)、投入から2分後に排出された被処理物を250℃に保たれた管の中を15分間かけて通過させてさらに分解処理を進めた。この時の被処理物のZ値は約8.5であった。その後、冷却液と熱交換して被処理物の温度を2分間で100℃まで冷却し、得られたウレタン樹脂分解物をドラム缶に採取した。得られたウレタン樹脂分解物を、原料のポリオールに10重量%の割合で混合し、イソシアネート(コスモネートT−80)を加えて発泡したところ、良好な発泡体が得られた。また、ウレタン樹脂分解物をビスフェノールA型エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃で反応させることにより再生エポキシ樹脂を得ることができ、そのガラス転移温度は100℃以上であった。
【0085】
(実施例26)
ウレタン樹脂A/MEA=4/1の混合比で250℃の押出機にウレタン樹脂A及びMEAを投入して滞留時間2分の分解処理を行い(一次処理)、その後、周囲を断熱材で覆ったドラム缶に被処理物を採取し、10分でドラム缶いっぱいに被処理物を詰めた。ドラム缶中の被処理物の温度は190〜200℃であった。ドラム缶内の被処理物は180℃に冷却するまでに2時間、140℃にまで冷却するまでに6時間かかった。この時点のZの値を計算すると、表27のように、Z=10.8〜11.2であった。得られたウレタン樹脂分解物を、原料のポリオールに10重量%の割合で混合し、イソシアネート(コスモネートT−80)を加えて発泡したところ、良好な発泡体が得られた。また、得られたウレタン樹脂分解物をビスフェノールA型エポキシ樹脂と重量比1:1で混合した後150℃で反応させることにより、再生エポキシ樹脂を得ることができ、そのガラス転移温度は100℃以上であった。
【0086】
【表27】
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂に再生し易いウレタン樹脂分解物を得るためのウレタン樹脂の分解条件が容易に決定でき、良好な再生樹脂が提供されるので、ウレタン樹脂のリサイクルを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るウレタン樹脂の分解処理方法の一次処理を実施する押出機型の装置の一実施形態を示す概略構成図。
【図2】本発明に係るウレタン樹脂の処理方法の二次処理を実施する二次処理装置の一実施形態を示す概略構成図。
【図3】本発明に係るウレタン樹脂の処理方法の二次処理を実施する二次処理装置の他の実施形態を示す概略構成図。
【図4】本発明に係るウレタン樹脂の処理方法の二次処理を実施する二次処理装置の更に他の実施形態を示す概略構成図。
【図5】本発明に係るウレタン樹脂の処理方法の二次処理を実施する二次処理装置の更に他の実施形態を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 押出機、 3 シリンダ部、 5 スクリュ、
7 投入口7、 9 排出管、 11 供給口
11,21,31,41 二次処理装置
Claims (4)
- 硬質ウレタン樹脂及び分解剤としてアミン化合物を押出機に投入し140〜300℃に加熱して該硬質ウレタン樹脂のウレタン結合の分解を進行させる分解処理工程と、
前記硬質ウレタン樹脂と前記分解剤との割合、加熱温度及び分解処理時間に基づいて、前記分解処理工程における前記硬質ウレタン樹脂の分解が十分に進行するか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程において前記硬質ウレタン樹脂の分解が十分でないと判断した時に、前記分解処理工程で得られる被処理物を十分に分解するために必要な不足分の加熱を行う補助加熱工程と、
前記判断工程において前記硬質ウレタン樹脂の分解が過剰であると判断した時に、前記分解処理工程における加熱温度及び分解処理時間を設定し直す工程と
を有することを特徴とする硬質ウレタン樹脂の分解処理方法。 - 前記判断工程は、
温度T[℃]における定数kを下記のように設定する工程と、
k=1 (270<T≦300)
k=1/3 (240<T≦270)
k=1/10 (210<T≦240)
k=1/40 (180<T≦210)
k=1/200(140≦T≦180)
前記分解処理工程において温度T[℃]で処理される処理時間ΔHT[時間]及び前記定数kから、温度T[℃]におけるパラメータΔZT=k×ΔHT×100を算出し、前記分解処理工程の全処理温度についてパラメータΔZTを加算して合計置Zを算出する工程と、
前記分解処理工程における分解剤1重量部に対する硬質ウレタン樹脂の重量部数Nに応じて、前記合計値Zを下記式で示すZの適性範囲と比較する工程と、
N<2.5の場合 3≦Z≦15
2.5≦N≦5の場合 5≦Z≦25
5<Nの場合 10≦Z≦30
前記合計値Zが前記Zの適性範囲未満である場合に、前記硬質ウレタン樹脂の分解が十分でないと判断する工程と
を有する請求項1記載の分解処理方法。 - 前記分解剤は、モノアルカノールアミンまたはジアルカノールアミンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の分解処理方法。
- ウレタン樹脂及び分解剤としてアミン化合物を押出機に投入し140〜300℃に加熱して該ウレタン樹脂のウレタン結合の分解を進行させる分解処理工程と、
前記分解処理工程におけるウレタン樹脂と分解剤との割合、加熱温度及び分解処理時間に基づいて、前記分解処理工程における前記ウレタン樹脂の分解が十分に進行するか否かを判断する判断工程と、
前記判断工程において前記ウレタン樹脂の分解が十分でないと判断した時に、前記分解処理工程で得られる被処理物を十分に分解するために必要な不足分の加熱を行う補助加熱工程と、
前記判断工程において前記硬質ウレタン樹脂の分解が過剰であると判断した時に、前記分解処理工程における加熱温度及び分解処理時間を設定し直す工程と、
前記分解処理工程及び状況に応じて行われる補助加熱工程を経た被処理物にイソシアネート化合物又はエポキシ基を有する化合物を配合して再生樹脂を得る工程と
を有することを特徴とする再生樹脂の製造方法。
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