JP3833586B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウレタン樹脂の分解物を用いた樹脂組成物に係わり、詳しくは良好な特性を持つ、ウレタン樹脂分解物を用いたエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウレタン樹脂を含む廃棄物の例として、冷蔵庫、建材、クッション材などが挙げられる。近年、このリサイクルに対する要望が高まっており、これらの廃棄物はそれぞれの分野において再利用が研究されている。しかし、ウレタン樹脂は3次元の網目構造を有する熱硬化性樹脂であるためリサイクルが困難であり、現状は埋め立てや焼却などの処分がされている。
ウレタン発泡樹脂のリサイクル方法については、古くから様々な方法が報告されており、例えば特開平6−184513号公報には、ポリオールとアミノエタノールを分解剤としてポリウレタンフォームを分解し、接着助剤として再生する方法が記載されている。しかしこの方法ではバッチ式で分解を行っており、且つ分解剤の使用量も多いため、再生した樹脂を接着剤にしか使用できないのが現実である。
【0003】
また、近年ウレタン製品の多様化に伴い様々な樹脂組成のウレタン樹脂が流通しており、これらのウレタン樹脂をリサイクルするに当たり、その分解方法も多様化している。現在、一般的には、種々の原料成分のウレタン分解物とエポキシ樹脂とを、あらかじめ設定された重量比で混合しエポキシ樹脂として再生を行っているが、この配合は必ずしも、種々の異なる物性のウレタン樹脂分解物に適しているとは言えず、それが再生樹脂の物性を低下させ、その用途を限定する原因となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、ウレタン樹脂及びその分解方法の多様化による様々なウレタン分解物が存在する中で、様々な用途に使用できる良好な再生樹脂を得るため製造方法の開発が望まれていた。本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ウレタン分解物から高い強度と耐熱性をもつエポキシ樹脂組成物を製造する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の事情に鑑み鋭意研究した結果、ウレタン分解物中の官能基当量が良好なエポキシ樹脂を製造する際の混合比の指針になることを見出した。ここでいう官能基当量とは、ウレタン分解物中に含まれるアミノ基と水酸基の合計当量のことである。これを用いることにより、ウレタン分解物の形状(液体・固体)や分解剤の種類、被分解物のウレタンの種類によらず、良好なエポキシ樹脂組成物を得ることに成功したのである。
【0006】
第1の本発明は、(a)ウレタン樹脂を、アミン類を用いて化学的に分解したウレタン樹脂分解物(官能基当量:X)と、(b)エポキシ樹脂(エポキシ当量:Y)とからなる樹脂組成物において、
前記ウレタン樹脂分解物の混合量をx(単位:g)、前記エポキシ樹脂の混合量をy(単位:g)としたときの混合比Z=[(x/X)/(y/Y)]が、0.5<=Z<=2であることを特徴とする樹脂組成物である。本発明者らは、上記配合量において製造されたエポキシ樹脂組成物が、ウレタン分解物を用いた他の配合量の樹脂組成物よりも優れた特性を持っていることを確認し本発明に至ったのである。
【0007】
本発明は、(a)ウレタン樹脂を、該アミン類とこれに添加されるポリオールとの合計量に対して、25%以上含有する分解剤を用いて化学的に分解したウレタン樹脂分解物(官能基当量:X)と、(b)エポキシ樹脂(エポキシ当量:Y)とからなる樹脂組成物において、
ウレタン樹脂の分解物の混合量をx(単位:g)、エポキシ樹脂の混合量をy(単位:g)としたときの混合比Z=[(x/X)/(y/Y)]が、0.5<=Z<=2であり、かつ、前記ウレタン樹脂は、250mgKOH/g以上の水酸基価を持つポリオールを原料とするものであることを特徴とする樹脂組成物である。本発明者らは、上記配合量において製造されたエポキシ樹脂組成物が、ウレタン分解物を用いた他の配合量の樹脂組成物よりも優れた硬化安定性を持っていることを確認し本発明に至ったのである。
【0008】
また、前記本発明において、前記ウレタン樹脂は、250mgKOH/g以上の水酸基価を持つポリオールを原料としたものを用いるため、高い機械的強度を有する樹脂硬化物が得られる点で、好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
(ウレタン分解物)
ここでいう分解物とは、ウレタン樹脂を、アミン類を用いて低分子化させ、少なくとも200℃において流動性を持つように反応させたものである。室温で液体であっても固体であっても構わない。またその中に未分解のウレタン樹脂や不純物などを含んでいても良い。ウレタン分解物を得る一つの方法としては、ウレタン樹脂1重量部に対し、アミン化合物を1〜1/100(好ましくは1/3〜1/10)添加し、反応容器の中で100〜300℃(好ましくは150〜280℃)で混錬することによって得られる。
【0010】
被分解物であるウレタン樹脂としては、ウレタン結合、尿素結合などを持つウレタン樹脂であるなら何でも良い。例えば、硬質ウレタン、軟質ウレタン、半硬質ウレタン、ウレタンエラストマーなどが挙げられる。ウレタン変性イソシアヌレート樹脂も含まれる。また、原料は基本的にどんなものを使っていても問題ないが、ウレタン原料ポリオールの水酸基価が250mgKOH/g以上のものを用いるとより性能の良い樹脂組成物を得ることができ、更に望ましくは350mgKOH/g以上のものを用いることが望ましい。軟質ウレタン樹脂と呼ばれている材料は、一般的に水酸基価が20〜100mgKOH/g程度であって、これらのウレタンから得られた分解物から生成する樹脂の硬化物の機械的強度は硬質ウレタン樹脂の分解物を用いたものより高いとは言えないが、安定で実用的な樹脂硬化物を得ることができる。また、水酸基価250mgKOH/g以上を持つウレタン樹脂の例としては半硬質ウレタン、硬質ウレタンが挙げられ、その用途は冷蔵庫、建材、断熱材などに使用されているものである。この硬質ウレタン樹脂の分解物を用いた樹脂組成物から得られる硬化物は機械的強度も高く、より好ましい。
【0011】
ウレタンを化学的に分解する分解剤としてはアミン類を使用する。アミン類としては、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)、プロパンジアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソプロパノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、エチルアミノエタノール、アミノブタノール、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、n−アミルアミン、イソブチルアミン、メチルジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、ピペラジン、ピペリジン、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、クロロアニリン、ピリジン、ピコリン、N−メチルモルフォリン、エチルモルフォリン、ピラゾールがあげられる。これらの化合物を2種類以上混合して使用しても問題はない。
【0012】
また必要に応じて、これらのアミン化合物に添加剤を加えてもよい。添加剤の例としては、水,アルコール,ポリオールなどの希釈剤や、アルカリ金属,金属錯体などの反応補助剤、無機粒子や有機粒子などの充填材など、アミン化合物の反応を極端に阻害しないものであれば添加することができる。その添加量としては、添加剤の物性により異なる。水や低分子アルコールなどの沸点が150℃以下の添加剤については、分解装置中で揮発し最終的にはウレタン分解物から抜けてしまうことから、その添加量に特に制限をつける必要は無いが、多量の添加は揮発熱によって装置の温度を奪うことから注意が必要である。より好ましくはウレタンの重量の半分以下にとどめることが望ましい。またポリオールなどの沸点の高いものでエポキシ樹脂と反応するものについては、その添加量に注意を払わなくてはいけない。これらの物質だけが大量に残存していると、エポキシと反応し物性を低下させてしまうので、ウレタン樹脂に対する重量と分解剤のアミンに対する量を制限する必要がある。アミンの添加量の3倍以下で且つウレタンの重量以下であることが好ましく、さらに好ましくはアミン添加量の1倍以下でウレタン重量の30%以下、さらに好ましくは添加しない方がよい。加えて、添加するポリオールの水酸基価は250mgKOH/g以上が好ましく、350mgKOH/g以上であるとなお好ましい。また、無機粒子、有機粒子などの充填材については、反応を阻害しない程度であれば特に制限が無いが、ウレタン樹脂と同重量以下とすることが好ましい。
【0013】
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、いかなる公知のものでも使うことができる。エポキシ樹脂としては1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、特に限定されるものではない。その具体的例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物などが挙げられる。これらのエポキシ化合物は、単独でまたは2種以上混合して使用することもできる。
【0014】
(エポキシ樹脂との混合比)
本発明の樹脂組成物は、(a)ウレタン樹脂を、アミン類を用いて化学的に分解した分解物(官能基当量:X)と、(b)エポキシ樹脂(エポキシ当量:Y)とからなる樹脂組成物において、樹脂の混合量をそれぞれx、y(g)としたときの混合比Z=[(x/X)/(y/Y)]が、0.5<=Z<=2にあることを特徴とする。
また、ここで言う官能基当量とは、アミノ基と水酸基の合計当量のことである。この合計当量は、アミノ基または水酸基1つあたりの平均分子量を示す。JIS K 1557に記載されている水酸基価と、JIS K 7237に記載されているアミン価を用いた官能基当量Xの計算方法は、X=1000×56.1/(水酸基価[mgKOH/g]+アミン価[mgKOH/g])である。式中の56.1は水酸化カリウムの分子量である。またエポキシ当量Yとは、エポキシ基1つあたりの分子量であり、一般に市販されているエポキシ樹脂にはその値が記載されている。
例を挙げると、OH価600mgKOH/g,アミン価150mgKOH/gのウレタン分解物の官能基当量は74.8となる。これをエポキシ当量189のエポキシ樹脂と硬化させる時、エポキシ100重量部に対して約20〜80重量部が良好な樹脂組成物を得るための混合比となる。これよりもウレタン分解物が少ないと、エポキシが過剰となり硬化しないか、またはエポキシ樹脂同士が反応してしまい高い強度が得られない。またこれよりもウレタン分解物が多いとウレタン分解物が過剰になり十分な架橋反応が起こらないため硬化しないか、樹脂中に存在する未反応物のため、機械的強度や電気特性、耐熱性が低下するのである。
【0015】
(分解装置)
ウレタンを分解する装置には、従来知られているどのような分解装置を用いることもできるが、特に加熱および混合を同時にかつ連続的にできる押出機が望ましい。この押出機によれば投入原料の圧縮も同時に行える。加熱手段および混合手段を備えた反応容器のようなバッチ式の分解装置で分解を行うと、ウレタンの熱伝導率が悪いため、ウレタンの分解反応開始時間に大きな差ができてしまう。このため、先に分解した部分はより低分子量に、後に分解したものが高分子量になるため、幅広い分子量分布を持つ分解物となってしまう。このようにバッチ式などの分解装置を用いて分解したウレタン分解物でも、本発明の配合比で混合すれば良好な特性を得ることができる。しかし、押出機を用いて分解したものでは、圧縮によって熱伝導率を高めるため反応の開始時期をある程度統一することができる。このため分子量がバッチ式よりもそろった分解物を得ることができ、これを再生した樹脂組成物ではバッチ式よりより安定した良い物性が得られるのである。また、押出機のような連続式の装置を用いて分解を行うと、バッチ式の装置では10時間程度かかっていた分解処理時間が、5分程度の短時間で処理を行うことができ、きわめて効率的であり、かつ、生成した分解物も均一であるため、好ましい。
【0016】
【実施例】
以下、実施例に基づき詳細に説明する。
実施例には、以下に記載するウレタン分解物を用いて行った。被分解物である冷蔵庫断熱材ウレタン原料ポリオールのOH価は450mgKOH/gであり、クッション材ウレタンの原料ポリオールのOH価は56mgKOH/gである。
【0017】
(ウレタン分解物A)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンとを、3.2:1の混合比となるよう、230℃の2軸押出機に投入し、分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体であり、JIS K 1557に定められた方法でOH価を測定したところ631mgKOH/gであった。JIS K7237に定められた方法でアミン価を測定したところ159mgKOH/gであった。これより計算される官能基当量は71.0であった。
【0018】
(ウレタン分解物B)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンとを、7.1:1の混合比となるよう、250℃の2軸押出機に投入し、分解物を得た。この分解物は、室温で固体で、OH価は423mgKOH/g、アミン価は101mgKOH/gであり、官能基当量107.1であった。
【0019】
(ウレタン分解物C)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンとを、10:1の混合比となるよう、250℃の1軸押出機に投入し、分解物を得た。この分解物は、室温で固体で、OH価は343mgKOH/g、アミン価は106mgKOH/gであり、官能基当量は124.9であった。
【0020】
(ウレタン分解物D)
クッション材のウレタン樹脂と、モノエタノールアミンとを、2.5:1の混合比となるよう、170℃の2軸押出機に投入し、分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は618mgKOH/g、アミン価は139mgKOH/gであり、官能基当量は74.1であった。
【0021】
(ウレタン分解物E)
クッション材のウレタン樹脂と、モノエタノールアミンとを、4.7:1の混合比となるよう、210℃の2軸押出機に投入し、樹脂を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は475mgKOH/g、アミン価は107mgKOH/gであり、官能基当量は96.4であった。
【0022】
(ウレタン分解物F)
水酸基価約280のポリエチレングリコール100重量部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート67.5重量部を反応させウレタン樹脂を得た。このウレタン樹脂を、ウレタン樹脂と、ジエタノールアミンとの混合比が、10:1となるよう、200℃の2軸押出機に投入し分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は262mgKOH/g、アミン価は28mgKOH/gであり、官能基当量は193.4であった。
【0023】
(ウレタン分解物G)
建材として使用されていたウレタン変性イソシアヌレート樹脂(イソシアヌレートフォーム)を取り出した。このフォームにはウレタン樹脂100重量部に対し、約10重量部のコンクリート片(最大粒子径10mm)が混ざっていた。この得られたフォームを、イソシアヌレートフォーム:ジエタノールアミン=3:1で250℃の1軸押出機に投入して分解物を得た。OH価は523mgKOH/g、アミン価は238mgKOH/gであり、官能基当量は73.7であった。
【0024】
(ウレタン分解物H)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンと、水とを、3:1:2の混合比となるよう、250℃の1軸押出機に投入し、分解物を得た、この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は493mgKOH/g、アミン価は210mgKOH/gであり、官能基当量79.8であった。
【0025】
(ウレタン分解物I)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンと、エタノールとを、10:1:3の混合比となるよう、250℃の1軸押出機に投入し、分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は356mgKOH/g、アミン価は115mgKOH/gであり、官能基当量119.1であった。
【0026】
(ウレタン分解物J)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ジエタノールアミンと、ポリエチレングリコール#400とを、3:1:1の混合比となるよう、250℃の1軸押出機に投入し、分解物を得た。得られた分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は562mgKOH/g、アミン価は127mgKOH/gであり、官能基当量81.4であった。
【0027】
(ウレタン分解物K)
冷蔵庫の断熱材であるウレタン樹脂と、ヘキサメチレンジアミンとを、3:1の混合比となるよう、250℃の1軸押出機に投入し、分解物を得た。この分解物は、室温で粘調な液体で、OH価は540mgKOH/g、アミン価は112mgKOH/gであり、官能基当量86.0であった。
【0028】
以上のウレタン樹脂分解物の作成条件と、その物性を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
(実施例1)
ウレタン分解物A30重量部とエポキシ当量189のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部を混合し、150℃の乾燥機中で一晩硬化させた。この混合比はZ=0.80であった。DSC(示差走査熱量測定法)でガラス転移温度を測定したところ103.3℃を示し、耐熱性の高い樹脂組成物が得られた。JIS K 6911に基づき、インストロン型万能試験機を用い曲げ強度を測定したところ、117.3MPaと高い数字を示した。結果を表2に示した。
【0031】
(実施例2〜4)
実施例1と同様に、Z=0.5〜2の範囲で樹脂組成物を作成し、ガラス転移温度と曲げ強度を測定した。結果は表2に併せて示した。どのサンプルも高い耐熱性と強度を示した。
【0032】
(比較例1)
実施例1と同様に、ウレタン分解物A10重量部とエポキシ樹脂100重量部を混合した。Z=0.27であった。150℃の乾燥機中で硬化させようとしたが、固まらなかった。結果を表2に併せて示した。
【0033】
(比較例2)
実施例1と同様に、ウレタン分解物A100重量部とエポキシ樹脂100重量部を混合し、150℃の乾燥機中で一晩硬化させた。DSCでガラス転移温度を測定したところ、室温以下であり、耐熱性に乏しかった。インストロン型試験機で曲げ強度を測定したところ89.8MPaと実施例1〜4より低い値を示した。結果を表2に併せて示した。
【0034】
(実施例5〜17)
ウレタン樹脂分解物B,C,D,Eとエポキシ当量189のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部をZ=0.5〜2で混合し、150℃の乾燥機中で一晩硬化させた。得られた樹脂組成物をDSCでガラス転移温度を測定したところ高い耐熱性を示した。実施例6,11,14については、曲げ強度も測定した。結果を表3にまとめた。
【0035】
(実施例18)
ウレタン分解物E40重量部とエポキシ当量189のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部を混合し、150℃の乾燥機中で一晩硬化させた。この混合比はZ=0.79であった。DSCでガラス転移温度を測定したところ100.4℃を示し、耐熱性の高い樹脂組成物が得られた。JIS K 6911に基づき、インストロン型万能試験機を用い曲げ強度を測定したところ71.4MPaであり、被分解物の原料ポリオール価の高い冷蔵庫ウレタンを分解し再生した樹脂組成物と比べやや低い値を示したが、高強度の樹脂組成物が得られた。結果を表3に併せて示した。
【0036】
(比較例3)
実施例1と同様に、ウレタン分解物E20重量部とエポキシ樹脂100重量部を混合し150℃の乾燥機中で一晩硬化させた。Z=0.39であった。DSCでガラス転移温度を測定したところ、70.3℃を示し、実施例16〜18より低い値を示した。結果を表3に併せて示した。
【0037】
(比較例4)
実施例1と同様に、ウレタン分解物E120重量部とエポキシ樹脂100重量部を混合し150℃の乾燥機中で一晩硬化させた。得られた樹脂組成物をDSCでガラス転移温度を測定したところ、室温以下であった。Z=2.35であった。結果を表3に併せて示した。
【0038】
(実施例19〜36)
ウレタン樹脂分解物F,G,H,I,J,Kとエポキシ当量189のビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部をZ=0.5〜2で混合し、150℃の乾燥機中で一晩硬化させた。得られた樹脂組成物をDSCでガラス転移温度を測定したところウレタン分解物F,G,H,I,Kの硬化物では高い耐熱性を示した。またウレタン分解物Jの硬化物については、やや低い値を示したが、Z=0.5〜2の範囲において最大値を示した。結果を表4にまとめた。
【0039】
(比較例5)
実施例1と同様に、ウレタン分解物J15重量部とエポキシ樹脂100重量部を混合し150℃の乾燥機中で一晩加熱し硬化させようとしたところ固まらなかった。Z=0.35であった。結果を表4に併せて示した。
【0040】
(比較例4)
実施例1と同様に、ウレタン分解物J100重量部とエポキシ樹脂100重量部を混合し150℃の乾燥機中で一晩硬化させた。Z=2.32であった。得られた樹脂組成物のガラス転移温度を測定したところ室温以下であり、耐熱性に乏しかった。結果を表4に併せて示した。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】
以上、本発明の樹脂組成物は、ウレタン樹脂の多様化に伴う様々な組成のウレタン分解物を用いて優良な樹脂組成物を得ることができ、再生樹脂の特性改善とともにその用途開発を推し進めることができるため、その工業的効果は非常に大きいものである。
Claims (1)
- (a)ウレタン樹脂を、アミン類を該アミン類とこれに添加されるポリオールとの合計量に対して、25%以上含有する分解剤を用いて化学的に分解したウレタン樹脂分解物(官能基当量:X)と、(b)エポキシ樹脂(エポキシ当量:Y)とからなる樹脂組成物において、
前記ウレタン樹脂分解物の混合量をx(単位:g)、前記エポキシ樹脂の混合量をy(単位:g)としたときの混合比Z=[(x/X)/(y/Y)]が、0.5<=Z<=2であり、
かつ、前記ウレタン樹脂は、250mgKOH/g以上の水酸基価を持つポリオールを原料とするものであることを特徴とする樹脂組成物。
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