JP3835960B2 - 圧電セラミックス厚膜構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電セラミックス厚膜構造に係り、より詳細には、セラミックス粒子をノズルから基板に噴射して堆積膜を得る、ガスデポジション法成膜より作成される圧電セラミックス厚膜構造において、特に、基板ダメージを低減させ、圧電セラミックス厚膜/基板からなる積層体構造の機械的強度の低下を防ぐようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
基板上に圧電セラミックス膜を配置し、アクチュエータやセンサ素子に利用する試みが為されている。ユニモルフ素子,バイモルフ素子として従来から製品化がされている素子は、各々の材料を接合し形成する為、素子の小型化にとって不向きであった。近年、ガスデポジション法により従来では作製が困難であった圧電セラミックスの基板上への形成が可能になり、素子の小型化に有効であることが示されつつある。
【0003】
ガスデポジション法は、例えば、特許第1660799号に記されている超微粒子を用いた膜形成法である。真空蒸着法と同様に金属加熱源および真空容器を配置させ、金属蒸気から超微粒子を形成し、この超微粒子からなる膜を形成する。この様なガスデポジション法による金属膜の形成はNi,Cuなどの配線材料で実用化され、具体的には、各種プリント配線基板の断線修復や半導体装置における表面実装用パッド電極の形成などに用いられる。
【0004】
一方、金属材料とは異なり酸化物セラミックス材料の超微粒子を用いた膜形成も提案されている。
特開平3−93606号公報には、Bi-Pb-Sr-Ca-Cu-Oからなる酸化物超伝導厚膜の形成法が示されている。
特開平4−188503号公報には、BaTiO3セラミックス誘電体厚膜とこの耐圧を確保する為の高分子塗膜の複合膜に関する形成法が示されている。
特開平6−93418号公報には、広範な微粒子材料を用いガスデポジション法にて直接基板上に形成する、パターン化された厚膜の形成方法が示されている。
また、特開平9−268378号公報には、基板に直接ガスデポジション成膜を行い、基板装着ステージを稼動させ、簡易に大面積の膜形成を得る作製方法が示されている。
【0005】
また、本発明者らは、特開平10−202171号公報において、超微粒子をノズルから基板に噴射する時の膜堆積によるノズル/膜表面距離関係を一定に保つことで、微細形状物を得る作製法及びその装置について提案した。
【0006】
また、Jpn.J.Appl.Phys.VOl.36(1997)1159においては、Pt膜を堆積したSi基板上に、基板温度700℃にてPZTをガスデポジション成膜し、その後、900℃程の高温にて熱処理を施す例が示されているが、同文献中の記述には、微粒子衝突による基板へのダメージ、および、それによるPZT膜特性の劣化が示されている。
【0007】
また、本発明者らはProceeding of AMF-2において、SUS基板上へのPZT厚膜の作製を示した。また、Jpn.J.Appl.Phys.VOl.38(1999)においては、Si基板上へのPZT作製例が示されている。しかし、この報告文には、微粒子衝突による基板ダメージ現象がTEM(透過型電子顕微鏡)観察にて示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様にして、基板上に形成されるPZT圧電膜を電気−機械変換素子に使用する際、その構造体の機械的強度の低減は好ましくない。特に、Si単結晶基板は異方性エッチング加工による3次元的な微小構造物の形成に有利であり、そのSi加工物にPZT等の圧電膜を配置した素子は、素子の小型化、高機能化に有効である一方、前述の基板ダメージによる結晶欠陥の誘起や機械的強度の低減は、素子の信頼性の面において好ましくない。
【0009】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたので、セラミックス粒子をノズルから基板に噴射し堆積膜を得る、ガスデポジション法成膜より作成される圧電セラミックス厚膜構造において、特に、基板ダメージを低減させ、圧電セラミックス厚膜/基板からなる積層体構造の機械的強度の低下を防ぐことを目的としてなされたものである。
【0010】
求項の発明は、中間膜を電極を配置したSi基板上に積層し、その上に、ガスデポジション法による圧電膜を堆積させ、堆積時のダメージを緩和させること、を目的としてなされたものである。
【0011】
請求項の発明は、中間膜に電極機能を持たせて、Si基板上に積層し、その上に、ガスデポジション法による圧電膜を堆積し、堆積時のダメージを緩和させること、
請求項の発明は、ガスデポジション法により形成される圧電セラミックス膜の組成に対応した、好適な中間膜組成を配置させること、具体的には、圧電セラミックス組成が鉛系圧電セラミックス組成であり、その中間膜には酸素を除き、少なくとも1つ以上が共通するセラミックス組成からなる中間膜組成とすることにより、成膜時のダメージを緩和させることを目的としたものである。
【0012】
請求項の発明は、上述の条件を満たす中間膜を組成制御性の優れた、また、膜厚制御性の優れたsol−gel法で成膜し、中間膜を供給すること、
請求項の発明は、上述の条件を満たす中間膜を組成制御性の優れた、また、膜厚制御性の優れたスパッタリング法で成膜し、中間膜を供給すること、
請求項の発明は、上述の条件を満たす中間膜を組成制御性の優れた、また、膜厚制御性の優れたMO−CVD法で成膜し、中間膜を供給すること、
を目的としてなされたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項の発明は、圧電セラミックス膜に電界を印加させる電極膜を配置したSi基板を用い、膜厚が0.05μm以上の厚さを有する酸化物薄膜からなる中間膜を、前記電極膜とガスデポジション法により形成される圧電セラミックス厚膜の間に配置したことを特徴としたものである。
【0016】
請求項の発明は、請求項の発明において、圧電セラミックス膜に電界を印加させる電極膜が導電性酸化物セラミックス膜であることを特徴としたものである。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記中間膜組成が、ガスデポジション法により形成される圧電セラミックスを構成する元素のうち、酸素を除き、少なくとも1つ以上が共通する元素からなることを特徴としたものである。
【0017】
請求項の発明は、請求項の発明において、前記中間膜をsol−gel法にて形成することを特徴としたものである。
請求項の発明は、請求項の発明において、前記中間膜をスパッタリング法にて形成することを特徴としたものである。
請求項の発明は、請求項記述の中間膜をMO−CVD法にて形成することを特徴としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態
図1は、ガスデポジション装置の一構成図を説明するための要部概略構成図で、図中、1はキャリアガスボンベ、2はエアロゾルチェンバ、3はPZT圧電セラミックス微粒子、4はデポジションチェンバ、5はノズル、6はパターンマスク、7は基板ホルダー、8はX−Y−Zステージ、9はバキュームシステムで、成膜原理は、PZT圧電セラミックス微粒子3をキャリアガス中に浮遊させてエアロゾル化し、このエアロゾルを高速で基板上に噴射して膜形成するものである。基板には、金属またはセラミックス、ガラス、Siウェハや各種酸化物結晶材料が用いられる。高速に加速された粒子が基板衝突することにより、その粒子の持つ運動エネルギーが膜堆積現象を引き起こす。衝突による基板ダメージは、特に、脆性破壊にて破壊する材料に顕著に現れ、具体的には、金属材料を除く、前述の各種基板が相当する。特に、アクチュエータのような機械的要素への応用を考えた場合、機械的強度の低下は素子信頼性の観点から重要になる。この様な基板材料の脆さは、構成原子がイオン結合や共有結合で結ばれ、動きにくい構造を取ることに由来する。このような構造では応力緩和が起こりにくく、比較的小さな応力でも破壊してしまう。この時の脆性破壊では、引っ張り応力がクラック面に対して垂直に働くモードが支配的になる。
【0019】
粉体衝突ダメージを基板に与えない方法として、基板上に中間膜を配置した後、ガスデポジション成膜を行うことが挙げられる。この中間膜による基板の機械的強度低下防止は以下の機構からなる。脆性破壊材料は、そのクラックの進展により破壊に至る。したがって、クラックの進展を以下の(1),(2)のようにして防止することが得策である。
(1)異種材料界面(即ち、中間膜/基板界面)の材料不連続性によるクラック進展の防止。
(2)中間膜内組織を利用したクラックのベンディンク進行現象によるクラック進展の停止。
【0020】
ここで、中間膜組織とは、結晶性材料の粒界等が相当する。表面より打ち込まれるクラックは、粒界ごとに進行方向が曲げられ、その都度、進展エネルギーの減少が生じ、結果として、短い距離しかクラックは進行しない。中間膜を基板に堆積することは、上記2つの効果が得られ、重要である。
【0021】
具体的な機械的強度測定について説明する。機械的特性を表すパラメータとして重要なものに、弾性的な強さを示す硬度と脆さを示す破壊靭性がある。脆さを示す後者の破壊靭性の測定方法として、ビッカース圧子を圧入し、人為的にクラックを発生させ、そのクラックの長さなどから臨界応力拡大係数や破壊靭性を求めるものが一般的である。ただし、本発明の使用形態における構成は、圧電膜/基板の積層体であり、かつ、基板の破壊靭性が問題になる場合、この様な計測法は適さない。従って、構造体強度の定量化の為に、3点曲げ試験による曲げ強度(抗折強度)の測定を行う。
【0022】
3点曲げ試験法は一般的な材料強度評価法であり(ここでは図示しないが)、試験体の長さをL、幅をb、高さをh、破壊荷重をPとし、この測定データをワイブル分布関数を用いて、統計処理をする。これは、ある応力σのもとでの非破壊確率P(σ)が式(1)に従うものである。
【0023】
【式1】
Figure 0003835960
【0024】
σは平均抗折強度を表し、mはワイブル係数である。前述の形状より破壊応力σは式(2)で示される。
【0025】
【式2】
Figure 0003835960
【0026】
ここで、破壊応力の小さい順に試料番号を付け、試料の全個数をNとすれば非破壊確率P(σ)は式(3)で示される。
【0027】
【式3】
Figure 0003835960
【0028】
従って、lnln(1/P(σ))対lnσのグラフを描き、この直線関係から平均抗折強度を算出した。
【0029】
Si単結晶基板は異方性エッチング加工による3次元的な微小構造物の形成に有利であり、そのSi加工物にPZT等の圧電膜を配置した素子は、素子の小型化、高機能化に有効である。Si(100)単結晶基板上に中間膜を配置しないで直接ガスデポジション成膜を行った試料を作製し、断面TEM観察を行う。断面TEM観察ではクラック等の巨視的な構造欠陥と、さらに結晶工学的な微視的欠陥が観察できるので、評価としては好適である。TEM観察によるダメージ構造と機械的強度の変化との対応を取り、3点曲げ試験法による強度測定の妥当性を示し、中間膜を配置して成膜した試料の平均抗折強度の比較を行う。また中間膜としてsol−gel法にて作製したSiO2膜、膜厚200nmを用いる。
【0030】
酸化物材料は多種の基板にわたり良好な密着力を与える。特に、Si基板に対する密着力は強固なものが容易に得られる。各種酸化物材料として、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタルをスパッタリング法により成膜し、中間膜候補として調べる。方法は、これら中間膜を配置しないでガスデポジション成膜した試料と、中間膜を配置しガスデポジション成膜した試料の抗折強度の比較である。
【0031】
図3より、Si基板のダメージ領域は約0.15μmと見積もれる。中間膜を配置させ、異種界面によるクラック停止、クラックのランダムベンディング等の寄与が無い場合、少なくとも0.15μm相当の中間膜膜厚が必要であることは容易に連想される。実際の中間膜にはクラック停止機能が保有されている為、この値より少なくても十分であることが連想される。従って、中間膜の膜厚を変化させ、ガスデポジション成膜した試料の抗折強度の変化を調べる。
【0032】
(請求項の発明)
ガスデポジション法による圧電厚膜に電界を印加させる方法として、Si基板に電極を配置した下地を用い、その上に、ガスデポジション成膜ダメージ緩和層として中間膜を配置させる。圧電セラミックス膜の上部に電極を配置させ、この上部電極と、中間膜下部の電極に電界を印加させることにより、電気-機械変換素子を形成させる。Si基板上の電極は、Si基板との電気的絶縁を図る為に、熱酸化膜を成長させる。電極としてはIr、Pt、Pt−Rh等の白金族元素やこれら合金からなる材料の膜が好ましい。また、これら電極材料とSiO2膜は密着性が弱い為、適宜、密着層としてTa、Tiや、これら窒化物膜を用いることが好ましい。電極膜や密着膜はDCマグネトロンスパッタリング法にて所望する膜厚を成膜する。この様な構成で電極膜付きSi基板が出来上がる。
【0033】
(請求項の発明)
Si基板上の電極膜にガスデポダメージ緩和の機能を付与させ、工程の簡略化を図る。
【0034】
(請求項の発明)
中間膜としてガスデポジション圧電膜と同じ組成を有する膜を他の膜形成技術により堆積する。ガスデポジション圧電材料をジルコン酸チタン酸鉛系セラミックス材料とした場合、膜との相性、また、後述する駆動電圧の電圧分配効果から、中間膜としては、この圧電材料の構成元素である酸化鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、などの単元素酸化物や、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛などの複合酸化物材料や、さらに、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体組成でも良い。特に、ガスデポジション圧電膜と中間膜組成が同じ場合も好適である。
【0035】
(請求項の発明)
sol−gel法により中間膜を形成する場合について説明する。sol−gel法とは、金属アルコキシド等の金属有機化合物を溶液系で加水分解、重縮合させて金属−酸素−金属結合を成長させ、最終的に焼結することにより完成させる無機酸化物の作製方法である。sol−gel法の特徴は、比較的低基板温度で均一大面積な膜が得られることである。さらに、溶液から成膜するため、基板との密着性に優れる。具体的には、基板上に最終的に得られる複合酸化物に含まれている金属に相当する、金属有機化合物の混合溶液を塗布し、これら無機酸化物からなる厚膜を積層したあと、焼結を行う。用いられる金属有機化合物としては、無機酸化物を構成する金属のメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシドやアセテート化合物等があげられる(S1)。硝酸塩、しゅう酸塩、過塩素酸塩等の無機塩でも良い。これら化合物から無機酸化物を作製するには、加水分解および重縮合反応を進める必要があるため塗布溶液中には水の添加が必要となる。
【0036】
水の添加量は系により異なる。水の添加量が多すぎると反応が速く進むため得られる膜質が不均一となり易く、また、反応速度の制御が難しい。水の添加量が少なすぎても反応のコントロールが難しく、適量がある。一般的には、加水分解される結合数に対して等量モルから5倍等量モルが好ましい。さらに、加水分解溶媒を添加すると反応速度及び反応形態の制御ができる。触媒としては一般の酸および塩基が用いられる。酸触媒は線状重合体を作りやすく、塩基性触媒は三次元重合体を作りやすいといわれているが、溶液全体の濃度やpHとの兼ね合いで一概にはいえない。本発明の場合、両者の中間的構造が望ましい。添加用溶媒としては(S3)、相溶性に優れたものが望ましい。さらに、キレート剤等を添加しても良い。
【0037】
上述の様な溶液を塗布し(S7)、アニール(S8,S9)することで、無機酸化物は、アモルファスから結晶化がおこる。焼結温度は材料により異なるが、通常の金属酸化物粉末の焼成にかかる温度より低温で作製できる。塗膜、乾燥、焼成によりクラックの無い膜を作製するには、1回のこの工程にて形成できる膜厚を約100nm以下にする必要があり、これは塗布液の濃度調製(S5)により容易に実行できる。また、所望する膜厚を得るには、この塗膜(S7)、乾燥(S8)、焼成工程(S9)を複数回繰り返すことにより実行できる。この作製例を図2に示す。
【0038】
(請求項の発明)
次に、中間膜をスパッタリング法にて作製する方法について説明する。酸化物などの成膜にはrf放電によるスパッタリング現象を用いた方がよい。一般に、0.1Pa〜10Paの真空中、基板と成膜すべきターゲット面からなる平行平板キャパシターに13.56MHZの交流信号を印加し、スパッタ放電を形成する。ターゲットに成膜すべき組成からなる材料を配置し、ターゲット電極側にrfパワーを印加する。正孔と電子の移動度の差より、ターゲット電極側に負のセルフバイアスが生じる。
放電中のスパッタイオンは、この負電位に対しスパッタ現象を発生し、ターゲット材料の成膜が出来る。特に、成膜速度を高める為、磁界を配置させたマグネトロンスパッタによる成膜が好ましい。また、イオンの衝突断面積の大きさより、Arガスを用いた放電が使用される。
【0039】
中間膜にPZT膜を得ようとする場合、ターゲットにPZTセラミックス円盤を用いる。膜/基板の密着性を向上させる為または高品質な結晶化膜を得る為に、成膜時の基板加熱が重要になる。基板加熱により成膜した酸化物膜は酸素原子の欠損した膜が形成されやすい。したがって、スパッタリングガスのArに若干の酸素を加えた混合ガスを用いるのがよい。ターゲット材料としてはPZTセラミックス焼結体を用いるほか、鉛、チタン、ジルコニウムの金属ターゲットを用いても良い。この場合、スパッタガスとして酸素を含むガスを用い、酸化反応を併用したスパッタリングにて所望の中間膜が形成できる。
【0040】
スパッタリング成膜において注意すべきことは、ターゲット組成とは異なる成膜がなされる場合がある。これは衝突してきたArイオン1個に対し何個の原子がスパッタされるかの、いわゆる、スパッタ収率の差に起因する。また、スパッタ原子の基板に対する付着確率にも起因する。従って、ターゲットにはこの差を補正するように、あらかじめ特定の組成に偏らせることが必要になる。また、鉛を含む複合酸化物薄膜を作製する場合、鉛、及び酸化鉛の蒸気圧が高い事による組成ずれを考慮しなければならない。この場合、特に、有効な作製方法として、十分な鉛過剰組成物を堆積させるターゲット組成にてスパッタ放電させ、成膜時の基板温度を500℃〜650℃の範囲にて保持させる。チタン酸鉛薄膜の作製の場合、酸化チタン粒子と酸化鉛粒子が同時に基板上へ堆積される。基板に到達した酸化チタンは、基板温度に対し再蒸発することはない。一方、酸化鉛は酸化チタンと反応してチタン酸鉛を形成する一方、過剰な酸化鉛も基板に到達する。この時、酸化鉛の再蒸発に十分な基板温度であれば、過剰量酸化鉛は再蒸発し、膜組成には反映されない。この様な自己整合的な成膜により、安定した中間層組成物薄膜が得られる。
【0041】
(請求項の発明)
最後に、中間膜をMO−CVD法にて作製する方法について説明する。この方法は金属有機化合物や有機金属化合物を原料として気相成長させるものであり、PZT薄膜の場合、鉛原料としてはPb(C254、Pb(DPM)2、(C253PbOCH2C(CH33、Pb(C253(t−OC49)、等、ジルコニウム原料としてはZr(t−OC49)、Zr(DPM)4、等、チタン原料としてはTi(i−OC374、Ti(DPM)2(i−OC372、Ti(OC254等が使用可能である。原料が常温で液体の場合は、通常のバブリング法により原料ガスを反応装置に導入することは比較的容易であるが、金属錯体のように常温で固体である原料を使用する場合には原料を昇華させ反応室に送り込む必要がある。特に、鉛の原料に於いてはPb(DPM)2と(C253PbOCH2C(CH33を比較した場合、膜中の鉛量は成膜回数に対し(C253PbOCH2C(CH33の方は変動が少なく、かつ、膜成長速度も安定であり好適である。また、固体原料をテトラヒドロフランやアルコールを溶媒として用い液体状態で原料を輸送し、気化器を用い反応室に導入する溶液気化法を用いても良い。酸化物薄膜を得る場合、キャリアガスとしてAr、酸素を用いる。これらガス配管は搬送中の昇華ガス物質の析出を防ぐ為の加熱機構を有している。
【0042】
上述の様にして搬送された気体原料は減圧状態の反応装置に導入され、所望する成膜に寄与する。反応室の圧力は約1Torr〜40Torr程の減圧状態、また、膜成長温度は500℃〜650℃の温度にて成膜される。膜質は成長温度、ガス供給量、反応圧力等の成膜パラメータに強く依存し、CVD装置、原料ガスに最適な条件が選定される。
【0043】
例1
ガスデポジション法にてPZT膜を各種基板上に約50μmの厚さで成膜した。表1に成膜条件を示す。
【0044】
【表1】
Figure 0003835960
【0045】
表2は、用いた基板種と中間膜の有り無しにより抗折強度がどのように変化したかを示す。中間膜は後述の実施例にて示すsol−gel法により成膜したPZT(52/48)、膜厚0.15μmである。
【0046】
【表2】
Figure 0003835960
【0047】
表2中の値は(成膜後の抗折強度)/(成膜前抗折強度)の数値を示す。これは抗折強度測定が統計的な分布を有する為、相対値で比較した方が理解されやすい為である。表2中の数値で、1以上であれば成膜後の抗折強度は増加したことを表し、1以下であれば、成膜後の抗折強度が減少したことを意味する。また、表2中のSUS304は脆性破壊材料ではないので、ここでは荷重点における荷重と変位の関係からヤング率を求め、その数値を示してある。
【0048】
表2より、立方晶単結晶基板においては、劈開面が2軸存在し、かつ、その片方の軸に直交する方向からガスデポジション粒子の衝突エネルギーを照射した場合、その基板材料の持つ抗折強度は、初期の値に対し、最大1/20まで減少してしまう事がわかった。一方、中間膜を配置した試料全てにおいて成膜後の抗折強度の増加が確認された。この増加は、ガスデポジションダメージを中間膜が緩和させたこと、さらに、約50μmのPZT膜が強度向上に寄与を与えた事がわかる。また、SUS304試料でも、中間膜を配置しない場合と、した場合での強度が変化している。即ち、ガスデポジションによるダメージは僅かではあるが、剛性材料においても作用し、また、中間膜の配置により、このダメージを除去することが可能であることが言える。
【0049】
例2
ガスデポジション法にてPZT膜を各種Si基板上に約50μmの厚さで成膜した。成膜条件は前述の表1に示した。中間膜はsol−gel PZT膜で、膜厚は0.15μmである。試験片は、L=10m、b=3mm、h=0.65mm(L,b,hは式(2)に対応)に加工し、各試料、最低6検体にて抗折強度を算出した。測定データからワイブル係数mは、4.8〜5.3の範囲で存在している。その結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
Figure 0003835960
【0051】
図3は、Si(100)に直接PZTをガスデポジション成膜した試料の断面TEM像を示す。膜/基板界面の1.5μmにわたる範囲でマイクロクラックが発生しており、これが強度低下の原因であることが判明した。また、Si基板は(100)と(111)に劈開面が存在し、(100)面に対し垂直に粒衝突エネルギーが加わった場合、劈開面(111)に対応する略55°の方向に多数のクラックが発生していることも明らかになった。さらに、本実験の評価方法である3点曲げ試験による、圧電セラミックス/基板積層体の材料強度を試験する方法が妥当であることを示し、また、中間膜の配置により、基板強度の低減が防止できる事を示すものである。
【0052】
例3
前述までの例において、sol−gel法PZT中間膜について一部示した。本例では後述(実施例)するスパッタリング法により、主に、単成分酸化膜を成膜し、その中間膜としての機能を確かめた。スパッタリングの特徴として単成分酸化膜の場合、比較的容易に作製しやすいことが挙げられ、本例にて、TiO2、YSZ(イットリア部分安定化ジルコニア)、Ta25膜について評価した。表4に成膜条件を示す。
【0053】
【表4】
Figure 0003835960
【0054】
前記の様な中間膜をSi(100)基板に直接堆積した。その後、ガスデポジションPZT膜を50μm堆積し、抗折強度を測定した。結果は全ての試料において、積層構造体の強度低下は認められなかった。膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察した。中間膜組織は50nm以下の粒からなる石垣状組織を有しており、この組織によりクラック進行がランダムベンディングしたが、これは、クラック成長が抑制されたことによる。
【0055】
例4
図4は、中間膜の膜厚を変化させた時の構造体強度変化の関係を示す。中間膜としてsol−gel PZT膜、スパッタYSZ膜を各々の膜厚に配置した。基板はSiz(100)であり、ガスデポジション成膜条件は例1と同じである。ガスデポジションダメージによりSi(100)基板は初期強度の1/20以下に低下する。中間膜の機能としては抗折強度が1GPaよりも高い値になる膜厚で効果があると判断する。2種の中間膜はともに0.05μm以上で、ダメージ緩和層としての効果があることがわかる。
【0056】
実施例(請求項に対応)
電極膜を配置したSi(100)基板を以下の手順にて作製する。RCA洗浄後のSiウェハを湿式熱酸化し、電気的絶縁用の熱酸化膜を800nm成長する。次に、酸化膜とPt電極膜の密着力を確保する為に、Ta膜を成膜する。成膜は、DCマグネトロンスパッタ法にて膜厚100nm堆積する。次に、電極膜としてIr膜、Pt膜を同様にDCマグネトロンスパッタ法にて各膜厚300nmを堆積する。この様にしてSi基板上に電極膜を配置した後、中間膜を形成する。中間膜は例1記載のsol−gel PZT膜で、膜厚は0.15μmである。さらに、ガスデポジションPZT膜を50μm堆積し試験片に供した。
図1に断面TEM像を示す。この像より、Si界面には何らクラックが生じた形跡の無い事がわかる。また、この試料の抗折強度は1.47Gpaであり、これもまたダメージの緩和された結果を示した。また、Si基板上にSiO2熱酸化膜を配置し、その上に導電性酸化物材料を膜形成する。セラミックス膜は中間膜機能を有し、また、このセラミックス材料が電極としての機能を有する為、膜構成の簡略化が図れた。
【0057】
実施例(請求項に対応)
ガスデポジション法により作製された圧電セラミックス厚膜は上部に電極を形成し、電界が印加できる状態になる。この方法は、例えば、Nbドープしたチタン酸ストロンチウム単結晶基板(この場合、基板と下部電極を兼ねる)上に形成される中間膜、圧電セラミックス厚膜、上部電極の構成や、Pt等の電極膜を配置したSi基板、中間膜、圧電セラミックス厚膜、上部電極の構成である。入力される電界は、電極間に存在する誘電体材料の中間膜と圧電体膜に分配され、その分圧比は単純な2つの容量素子の直接接続で記述できる。圧電セラミックス材料を用いたアクチュエータでは、電圧が効率よく圧電セラミックス層に印加されることが好ましい。印加電圧の配分は圧電セラミックス厚膜部の膜厚、比誘電率、かかる電圧をそれぞれt、ε、V、中間膜の膜厚、比誘電率、かかる電圧をそれぞれt、ε、Vとし、圧電セラミックスキャパシタと中間膜キャパシタの面積を同じとすると、電圧Vを印加すると、V、Vはそれぞれ式(4)となる。
【0058】
【式4】
Figure 0003835960
【0059】
ここで、ε=1000、t=10μm、t=0.1μmとすると、圧電セラミックス厚膜部にかかる電界(E=V/t)と中間膜の比誘電率の関係は、図6のようになる。中間膜の比誘電率が4(例えばSiO2)の低い場合、印加した電界は中間膜に多くかかり、圧電セラミックス膜にはほとんど印加されない。これでは駆動電圧の高電圧化を招く。中間膜の比誘電率が10以上であれば、印加電圧の50%が分配されるので(この各膜厚では)、中間膜としては10以上の比誘電率材料が好ましい。
【0060】
一般に、誘電体材料の比誘電率は、構成元素の結合状態に由来し、共有結合性では低く、イオン結合性で大きくなる。この様な観点から、金属元素の酸化物材料が好ましい。また、PbOを含む強誘電体材料が好適であることは言うまでもない。TiO2スパッタ膜は比誘電率が17、PbTiO3スパッタ膜の比誘電率は120であり、前述の比誘電率10以上の条件を満たしていた。また、sol−gel PZT(52/48)膜の比誘電率は400であった。
【0061】
実施例(請求項に対応)
図2に示した方法でsol−gel PZT膜を作製した。出発材料に酢酸鉛三水和物、ジルコニウムプロポキシド、チタンイソプロポキシドを、共通溶媒にメトキシエタノールを用いる。TiO2膜を得る場合は、チタンイソプロポキシドのみで、図2のフローに従って作製することが可能である。また、PbTiO3膜の場合は、酢酸鉛三水和物とチタンイソプロポキシドを用いれば良い。十分に脱水処理を施したメトキシエタノール中に酢酸鉛三水和物を溶解する。ここでは、結晶水の除去を行う。最終的にはカールフィッシャー水分計にて60ppm以下の含有水量に達するまで脱水を行う。ジルコニウムプロポキシド、チタンイソプロポキシドは、各々、メトキシエタノールに溶解し、還流することでアルコール交換反応をさせる。反応の終点は液体クロマトグラフィーにより、プロパノール、イソプロパノールの濃度検知により終点がわかる。なお、ここでも60ppm以下の水分量であることが望ましい。これら3種の溶液を混合し、さらに還流することで複合アルコキシド化合物を合成する。この溶液をストックソリューション(保存液)と呼び、また、場合によっては減圧乾燥させ、必要に応じて、メトキシエタノールで所望の濃度に希釈し、部分加水分解反応させ、塗布・乾燥・焼成させ膜を得る。ここでは保存性に優れた減圧乾燥を行い、成膜時に0.1mO1/1の濃度調整を行い、アルコキシド総濃度と等量の酢酸水溶液を加えた後、スピンコート・成膜を行った。
基板にPt電極を配置したSiウェハを使用した。一度の工程で成膜出来た膜厚は0.05μmであった。この膜厚を稼ぐ方法として、塗布液濃度を最大0.4mO1/1まで高めることが出来、塗布液濃度の増加と膜厚増加は正比例の関係があった。他の方法として、ポリエチレングリコールを塗布液に添加し、増粘させ成膜することも可能であり、この場合、一度の工程で最大0.7μmの成膜が可能であった。この様にして、中間膜を作製することが可能であることがわかった(中間膜配置による効果は先述の例1にて記述済み)。
【0062】
実施例(請求項に対応)
単成分酸化物膜のスパッタ成膜については前述の例3にて説明した。ここでは、鉛系圧電材料のPMN−PZ−PTの成膜について、また、中間膜機能について示す。PMN−PZ−PTの詳細な化学式は
0.125PMN-0.875PZT(54/46) : Pb(Mg1/3 Nb2/3)O3-Pb(Zr0.54 Ti0.46)O3
(Sr 0.18mO1% 置換)
で、Pbサイトを18%Sr置換してある。この化学式にもとづき化学量論比のセラミックスターゲットを作製した。表5に成膜条件を示す。用いた基板はPt電極膜付きSiウェハである。
【0063】
【表5】
Figure 0003835960
【0064】
化学量論組成にてスパッタ成膜する場合、成膜された膜組成は主に鉛欠損の膜が出来る。従って、この鉛欠損を補正すべく、セラミックスターゲット上にPbOペレットを数個配置し、鉛補正を行った。また、基板温度550℃以上で過剰鉛の自己整合化が生じ、主に、550℃以上で良好なPMN−PZ−PT膜の成膜が出来た。この膜の比誘電率は2070に達し、印加電圧の分配に好適であった。この中間膜配置Si基板にガスデポジションPZT厚膜を配置し、積層構造体の抗折強度を測定した。値は1.5Gpaに至り、このPMN−PZ−PT膜も中間膜として機能していることを確認した。
【0065】
実施例(請求項に対応)
MO−CVD原料にPb(C254、Ti(O−i−C37)4を用い、PbTiO3膜の作製を行った。反応室の圧力は5Torrとした。基板にはPt電極膜配置Siウェハを用いた。CVD成膜過程は反応ガス分子の基板表面への輸送供給量によって成長速度が決まる。従って、あらかじめ単体の析出速度を求め、適切な流量範囲にて原料ガスの供給を行った。PbOの析出速度は酸素ガス濃度に強く依存し、一方、TiO2の析出速度は酸素濃度に依存しなかったので、両者の安定した析出速度を与える酸素分圧を決定した。本実験系では、その酸素分圧は50%であった。また、基板温度に対してPbOの析出速度は変化し、基板温度400℃から析出が始まり、500℃にて飽和するような、きわめて温度に対し急峻な変化を示した。一方、TiO2の場合、300℃より析出が開始され、500℃にて飽和する、という散漫な変化を有した。従って、両者に安定した析出速度を与える550℃にて成膜を実施した。
キャリアガス流量の増加に伴い膜成長速度は増加する。キャリアガス流量60sccmにてPbTiO3成長速度、0.6μm/hの値を得た。この膜の比誘電率は120であった。印加電圧の分配に対し問題の無い値である。この中間膜配置Si基板にガスデポジションPZT厚膜を配置し、積層構造体の抗折強度を測定した。値は1.5Gpaに至り、このPMN−PZ−PT膜も中間膜として機能していることを確認した。
【0070】
【発明の効果】
請求項の発明は、圧電セラミックス膜に電界を印加させる電極膜を配置したSi基板を用い、膜厚が0 . 05μm以上の厚さを有する酸化物中間膜を、この電極とガスデポジション法により形成される圧電セラミックス厚膜の間に配置したので、電界印加に利用できる下部電極配置基板上に中間膜を配置させることで、基板の同様のダメージを緩和することができる。
【0071】
請求項の発明は、請求項記載の圧電セラミックス膜に電界を印加させる電極膜が導電性酸化物セラミックス膜であるので、導電性酸化物セラミックス材料の採用により、工程の単素化を図ることができる。
【0072】
請求項の発明は、請求項記載の中間膜組成がガスデポジション法により形成される圧電セラミックスを構成する元素のうち、酸素を除き、少なくとも1つ以上が共通する元素からなるので、ガスデポジション膜と等質の中間膜を配置させることで、駆動時の電界分圧を良好にさせ、かつ、基板のダメージ緩和が実行できる。
【0073】
請求項の発明は、請求項記載の中間膜をsol−gel法にて形成するようにしたので、sol−gel法により、組成制御性、膜厚制御性の優れた中間膜を提供できる。
【0074】
請求項の発明は、請求項記載の中間膜をスパッタリング法にて形成するようにしたので、スパッタリング法により、組成制御性、膜厚制御性の優れた中間膜を提供できる。
【0075】
請求項の発明は、請求項記載の中間膜をMO−CVD法にて形成するようにしたので、MO−CVD法により、組成制御性、膜厚制御性の優れた中間膜を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガスデポジション装置の一構成図を説明するための要部概略構成図である。
【図2】 sol−gel法によるPZT膜の成膜作製例を示す図である。
【図3】 Si(100)に直接PZTをガスデポジション成膜した試料の断面TEM像を示す図である。
【図4】 中間膜の膜厚を変化させた時の構造体強度変化の関係を示す図である。
【図5】 Si基板上に0.05μm以上の厚さを有する酸化物中間膜を形成した時の断面TEM像を示す図である。
【図6】 圧電セラミックス厚膜部にかかる電界(EF=VF/tF)と中間膜の非誘電率の関係を示す図である。
【符号の説明】
1…キャリアガスボンベ、2…エアロゾルチェンバ、3…PZT圧電セラミックス微粒子、4…デポジションチェンバ、5…ノズル、6…パターンマスク、7…基板ホルダー、8…X−Y−Zステージ、9…バキュームシステム。

Claims (6)

  1. 圧電セラミックス膜に電界を印加させる電極膜を配置したSi基板を用い、膜厚が0.05μm以上の厚さを有する酸化物薄膜からなる中間膜を、前記電極膜とガスデポジション法により形成される圧電セラミックス厚膜の間に、有することを特徴とする圧電セラミックス厚膜構造。
  2. 前記圧電セラミックス膜に電界を印加させる電極膜が導電性酸化物セラミックス膜であることを特徴とする請求項記載の圧電セラミックス厚膜構造。
  3. 前記中間膜の組成がガスデポジション法により形成される圧電セラミックスを構成する元素のうち、酸素を除く少なくとも1つ以上が共通する元素からなることを特徴とする請求項に記載の圧電セラミックス厚膜構造。
  4. 前記中間膜をsol−gel法にて形成したことを特徴とする請求項記載の圧電セラミックス厚膜構造。
  5. 前記中間膜をスパッタリング法にて形成したことを特徴とする請求項記載の圧電セラミックス厚膜構造。
  6. 前記中間膜をMO−CVD法にて形成したことを特徴とする請求項記載の圧電セラミックス厚膜構造。
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