JP3835939B2 - 汚泥灰化温度制御方法 - Google Patents
汚泥灰化温度制御方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3835939B2 JP3835939B2 JP29594698A JP29594698A JP3835939B2 JP 3835939 B2 JP3835939 B2 JP 3835939B2 JP 29594698 A JP29594698 A JP 29594698A JP 29594698 A JP29594698 A JP 29594698A JP 3835939 B2 JP3835939 B2 JP 3835939B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- sludge
- ashing
- control method
- ignition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
- Treatment Of Sludge (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥の強熱減量を計測する際の汚泥灰化温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水汚泥広域処理場などの汚泥処理場に搬入される汚泥の性状は変動し易く、焼却、溶融処理プラントの安定運転に影響を及ぼすため、燃焼に必要な理論空気量を事前に算出し、焼却、溶融の安定化を図る目的で、汚泥の含水率、強熱減量を計測するようにしている。
【0003】
この種の計測に一般に用いられている下水試験法(日本下水道協会により定められた試験方法に基づく手分析手法)では、含水率は、一定量採取した下水汚泥を重量計測し、105〜110℃で2時間乾燥して放冷後に再び重量計測することにより算出され、強熱減量は、含水率計測後の汚泥を600±25℃で1時間強熱灰化して放冷後に重量を計測することにより算出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したような方法では、計測に時間を要してしまい、汚泥を焼却、溶融炉に投入する前に含水率、強熱減量を把握して、理論空気量を算出することは困難である。
【0005】
しかも従来は、加熱室内を強熱灰化温度に維持するように一定値を設定して温度制御を行なっていたため、汚泥が着火した時など、燃焼熱による温度変化が大きくなることがあって、所定の一定温度で灰化することができず、過燃焼等による強熱減量値の計測誤差が生じるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題を解決するもので、汚泥を短時間で、かつ所定の一定温度で灰化できる灰化温度制御方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために、本発明の灰化温度制御方法は、試料汚泥を加熱室内で強熱灰化するに際し、前記加熱室における雰囲気温度を、強熱灰化を行う目標温度より低い設定温度に加温によって維持するとともに、前記設定温度を試料汚泥の昇温に伴って徐々に高く変移させ、試料汚泥が目標温度に達した時点で、設定温度を一定に維持するようにしたものである。
【0008】
上記した構成により、可燃分が多い灰化工程初期には、比較的低い設定温度で汚泥の自己燃焼による着火を防止することができ、可燃分がほとんど無くなった灰化工程後期には、汚泥を目標温度に近い設定温度で燃焼灰化させた後、目標温度に一定に維持して灰化することができる。しかも、灰化完了までに要する時間は従来より短い。
【0009】
設定温度を変移させるに際しては、試料汚泥の温度と、雰囲気温度および設定温度とは通常は一致しないので、1)試料汚泥の表面温度を連続的に(あるいは適当時間毎に)計測し、計測値に追随して設定温度を変移させるか、あるいは、2)予備試験によって汚泥表面温度と設定温度との凡その関係を求めておき、強熱減量計測時に設定温度より汚泥表面温度を予想する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1に示した脱水汚泥含水率・強熱減量自動計測装置は、汚泥焼却、溶融処理プラントへの汚泥搬送路(図示せず)に付設されたものであり、計測装置本体1と制御盤2とで構成されている。
【0011】
制御盤2はPLC(Programmable logic controller)3および加熱ランプコントローラ3aを備えていて、連続自動計測プログラムを動作させて、計測装置本体1へ汚泥を供給する汚泥試料供給ポンプ4の運転や、計測装置本体1において汚泥を搬送するハンド5の制御、加熱温度パターンを自動設定した温度制御などを行なう。
【0012】
以下、含水率および強熱減量の計測の手順を説明する。
一定速度で回転する汚泥試料供給ポンプ4により、汚泥搬送路を搬送される脱水汚泥が汚泥試料供給管6を通じて一定量だけ採取され、汚泥採取室7に圧送されて試料皿8に供給される。試料皿8上の脱水汚泥はハンド5により加熱計量室9へ搬送され、電子天秤10で重量計測された後、ハロゲンランプ11と熱電対12とにより、予め設定された加熱温度パターンに基いて乾燥および強熱灰化されるとともに、各工程後に電子天秤10で重量計測される。そして、各計測値から、含水率・強熱減量が算出される。各工程で発生した排ガスは排ガス処理装置13を経て系外へ排出され、重量計測を終えた強熱残留物はハンド5により汚泥採取室7へ再搬送されて、廃棄室14へ回収される。
【0013】
その際、乾燥工程では、水分は完全に蒸発するが有機分は燃焼しないように、一定時間の重量平均値の差を設定温度変更の基準として、加熱計量室9内の温度が調節される。
【0014】
強熱灰化工程では、急激な温度上昇による乾燥汚泥の焦熱が生じないように、加熱計量室9内の温度が徐々に高められる。つまり、加熱計量室9内の温度は、図2に示したように、強熱灰化を行う目標温度(鎖線A)より低い設定温度(実線B)に加温によって維持されるとともに、その設定温度は、試料汚泥の表面温度(実線C)の昇温に伴って段階的に高く調節され、試料汚泥の表面温度が目標温度に達した時点で一定に維持される。
【0015】
このような設定温度パターンにより、可燃分が多い灰化工程初期には、比較的低い設定温度として汚泥の自己燃焼による着火を防止することができ、可燃分がほとんど無くなった灰化工程後期には、目標温度に近い設定温度として汚泥の燃焼灰化を進めた後、目標温度に一定に維持して汚泥を安定して灰化することができる。
【0016】
乾燥工程および強熱灰化工程の設定温度パターンの実施例を表1に、その温度パターン下での被計測物温度を図3に示す。
ただし、試料汚泥は約5gとし、汚泥温度、強熱残留物温度の計測と、重量計測とは別途に行った。これは、被計測物に熱電対を直接接触させて温度を計測すると重量が正しく表示されないためである。
【0017】
また、事前の強熱灰化実験によって、汚泥を5gサンプリングした場合には、被計測物の昇温時間を5分以上、600℃保持時間を8分以上確保することで、強熱灰化が完了することを確認した。
【0018】
【表1】
【0019】
グラフからわかるように、この実施例では、下水試験法に定める乾燥温度105〜110℃、灰化温度600±25℃にそれぞれ、20分程、6分程で到達するとともに、2時間弱で、強熱灰化を完了しており、下水試験法に匹敵する強熱減量値を従来より短時間で得ることができた。
【0020】
なお、強熱灰化工程における設定温度(実線B)は、上記したように段階的に変移させるのが制御容易であるが、図4に示したように直線状に変移させてもよいし、図5に示したように円弧状に変移させてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、加熱計量室の雰囲気温度を目標温度より低い設定温度に維持するとともに、その設定温度を試料汚泥の残留可燃分の減少に伴って徐々に高く変移させるようにしたことにより、汚泥が目標温度に達した後には一定温度に維持して安定して灰化することができ、強熱減量を短時間で精度よく計測できる。したがって汚泥を焼却、溶融炉に投入する前に理論空気量を算出することができ、焼却、溶融の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の灰化温度制御方法が行われる脱水汚泥含水率・強熱減量自動計測装置の概略構成を示した説明図である。
【図2】本発明の一実施形態の灰化温度制御方法における目標温度と設定温度と汚泥表面温度とを時間との関係で示したグラフである。
【図3】 本発明の一実施例の灰化温度制御方法における乾燥工程および強熱灰化工程の設定温度パターンと、その温度パターン下での被計測物温度とを示したグラフである。
【図4】本発明の他の実施形態の灰化温度制御方法における目標温度と設定温度と汚泥表面温度とを時間との関係で示したグラフである。
【図5】本発明のさらに他の実施形態の灰化温度制御方法における目標温度と設定温度と汚泥表面温度とを時間との関係で示したグラフである。
【符号の説明】
9 加熱計量室
11 ハロゲンランプ
12 熱電対
A 目標温度
B 設定温度
C 汚泥表面温度
Claims (1)
- 試料汚泥を加熱室内で強熱灰化するに際し、前記加熱室における雰囲気温度を、強熱灰化を行う目標温度より低い設定温度に加温によって維持するとともに、前記設定温度を試料汚泥の昇温に伴って徐々に高く変移させ、試料汚泥が目標温度に達した時点で、設定温度を一定に維持することを特徴とする汚泥灰化温度制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29594698A JP3835939B2 (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 汚泥灰化温度制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29594698A JP3835939B2 (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 汚泥灰化温度制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000117294A JP2000117294A (ja) | 2000-04-25 |
JP3835939B2 true JP3835939B2 (ja) | 2006-10-18 |
Family
ID=17827161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29594698A Expired - Fee Related JP3835939B2 (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 汚泥灰化温度制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3835939B2 (ja) |
-
1998
- 1998-10-19 JP JP29594698A patent/JP3835939B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000117294A (ja) | 2000-04-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2008116593A (ru) | Способ и устройство для отжига материалов, содержащих благородные металлы | |
JP3835939B2 (ja) | 汚泥灰化温度制御方法 | |
JP2006193622A (ja) | 炭化製品及びその製造方法 | |
JP4373263B2 (ja) | 有機物含有汚泥の炭化処理方法 | |
JP3835938B2 (ja) | 汚泥試料供給量制御方法 | |
JP2002273495A (ja) | 汚泥脱水装置及び方法 | |
JP3580708B2 (ja) | 汚泥試料成形方法 | |
JP2006226674A (ja) | ボイラ設備を持たないごみ焼却炉の燃焼制御方式 | |
JP3611022B2 (ja) | 汚泥の強熱減量計測方法 | |
JPH08157832A (ja) | 竹材等の処理方法 | |
JP2000121417A (ja) | 試料重量計測方法 | |
BE1003542A4 (fr) | Procede de cuisson de clinker et installation a four a charbon. | |
JP2006064261A (ja) | 乾燥方法及び乾燥設備 | |
JPH09324908A (ja) | 燃焼空気量制御方法および含水率・強熱減量計測装置 | |
JP3936237B2 (ja) | 溶融炉の立上げ方法 | |
US10788206B2 (en) | Rotary batch decoater | |
JP3522455B2 (ja) | 放射性固体廃棄物の仮焼処理方法および仮焼処理装置 | |
JPH07244038A (ja) | 燃料品質判定装置 | |
JP2003064374A (ja) | 炭化方法および炭化装置並びに炭化装置の運転方法 | |
JP2005274027A (ja) | 乾燥機の運転制御方法 | |
JPH10141848A (ja) | 汚泥乾燥方法 | |
JP2002267134A (ja) | ボイラ設備を持たないごみ焼却炉の燃焼制御方式 | |
JP2001021410A (ja) | 強熱減量計測方法 | |
JP3625698B2 (ja) | 試料汚泥の重量計測方法 | |
JP2000121512A (ja) | 汚泥試料採取装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 19981019 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040922 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060627 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 19990122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060725 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100804 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100804 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |