JP3835899B2 - 制御用通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装置本体部の作動を制御する本体側制御部が設けられ、その本体側制御部が、前記装置本体部の動作情報を通信端末と電気配線ケーブルにて通信するように構成されている制御用通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる制御用通信装置は、本体側制御部と通信端末とを電気配線ケーブルにて接続し、本体側制御部に制御される装置本体部の動作情報を両者の間で通信する。
従来、本体側制御部と通信端末との間の通信は、装置本体部が作動している間は通信可能な状態が維持されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本体側制御部と通信端末とを電気配線ケーブルにて接続していることから、装置の使用が極端に長期に亘ったような場合や、電気配線ケーブルに何らかの大きな外力が継続的に作用した場合に、電気配線ケーブルに短絡故障が生じて、本体側制御部と通信端末との間の通信が不安定なものとなる場合もある。このような場合において、上記従来構成では、例えば、通信の相手側から送られてきた情報が本来予定されている情報か否かを判別して、適正な情報でなければその情報を無視するというような対処が必要となり、通信のための手続きが複雑化してしまう不都合があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、本体側制御部と通信端末との通信の手続きを可及的に簡素化する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記請求項1記載の構成を備えることにより、本体側制御部と通信端末とを接続する電気配線ケーブルに短絡故障が生じると、短絡検出手段がその短絡故障を検出する。
短絡検出手段が短絡故障を検出すると、本体側制御部は、通信切換手段を切換え制御して、通信端末との装置本体部の動作情報の通信を行わないようにする。従って、本体側制御部と通信端末との間の通信が、短絡故障によって不安定となるのを回避でき、もって、電気配線ケーブルに短絡故障が生じた場合の処理を簡素化して、本体側制御部と通信端末との通信の手続きを可及的に簡素化できるに至った。
【0005】
又、上記請求項記載の構成を備えることにより、本体側制御部は複数の通信端末との間で、夫々の通信端末に対応して備えられる複数の電気配線ケーブルを介して装置本体部の動作情報を通信する。
これらの電気配線ケーブルの何れかで短絡故障が発生すると、短絡検出手段は、複数の通信端末のうちのいずれに対応する電気配線ケーブルであるかを特定した状態で、その電気配線ケーブルの短絡故障を検出する。
本体側制御部は、短絡検出手段が短絡故障を検出した電気配線ケーブルに対応する通信端末と通信しないように通信切換手段を切換制御する。
従って、短絡検出手段が何れかの電気配線ケーブルでの短絡故障を検出したときに、一律に全ての通信端末との通信を停止してしまうような構成に較べて、通信を継続しても支障のない通信端末とは通信可能な状態を維持することで、本体側制御部と通信端末との通信の手続きを可及的に簡素化できながら、制御用通信装置の作動が完全に停止してしまうの可及的に回避できる。
【0006】
又、上記請求項記載の構成を備えることにより、本体側制御部と複数の通信端末の夫々とを接続する電気配線ケーブルに、通信端末へ動作用電力を供給するための給電線が備えられ、通信端末は外部から電力供給を受けて動作する。
この場合において、各通信端末への電力供給状態は、電力供給切換手段にて供給と非供給とに切換えることができ、本体側制御部は、電力供給切換手段を切換制御して、短絡検出手段が短絡故障を検出した電気配線ケーブルに対応する通信端末に動作用電力が供給されないようにする。
すなわち、短絡故障が検出されて本体側制御部との通信ができない状態の通信端末に電力を供給しても電力の損失となり、又、給電線自体に短絡故障が生じたような場合であれば、電源側に過負荷がかかってしまうことになることから、上記のように電力を非供給として、電力損失の防止又は電源側の保護を図ることができる。
【0007】
又、上記請求項記載の構成を備えることにより、短絡検出手段が短絡故障を検出した電気配線ケーブルに対応する通信端末とは通信が行われず、又、電力も非供給となるのであるが、そのような通信端末に対して一時的に動作用電力を供給して短絡故障が有無つまり短絡故障が継続しているか否か検査させる短絡検査処理を設定時間間隔をおいて繰り返し実行する。
すなわち、一時的な動作用電力の供給であれば、電力の損失防止及び過負荷の防止の観点からも特に問題とはならないので、このように短絡故障の有無を監視することで、例えば、短絡故障の検出が何らかの原因による誤検出であったような場合に、的確に短絡故障から回復していることを検出できる。
そこで、短絡故障から回復したと検出すると、短絡故障が検出された電気配線ケーブルに対する動作用電力の供給及び通信を再開する。
もって、短絡故障からの復旧を迅速且つ的確に行うことができる。
【0008】
又、上記請求項記載の構成を備えることにより、通信端末は、本体側制御部に対する制御指令を手動入力するための遠隔操作装置であり、短絡故障が発生した場合に、それを放置したのでは、本体側制御部は遠隔操作装置から入力されるはずのない制御指令を受け取ってしまう場合もあり、本体制御部側では、その制御指令を無視する等の処理を行う必要があるが、短絡故障発生時に遠隔操作装置との通信を行わないようにすることで、上記のような短絡故障発生時の処理を簡素化できる。
【0009】
又、上記請求項記載の構成を備えることにより、装置本体部は、加熱対象液を加熱して供給するものであり、その加熱対象液は暖房用端末機に供給され暖房に供される。
通信端末は、その暖房用端末機の制御部であり、本体側制御部との間で装置本体部の動作情報を通信する。この場合における装置本体の動作情報には、装置本体の動作のための情報として、暖房用端末機の動作状況を示す情報も含まれる。
本体側制御部と暖房用端末機の制御部とを接続する電気配線ケーブルに短絡故障が発生すると、両者の通信が不安定となる虞れもあるが、短絡故障発生時に暖房用端末機の制御部との通信を行わないようにすることで、通信が不安定となった場合の処理を簡素化できる。
尚、上記の暖房用端末機は、装置本体部に対して複数備えられる場合が多く、この場合に、短絡故障が発生した電気配線ケーブルに対応する暖房用端末機の制御部との通信を停止することが特に有効となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の制御用通信装置を、給湯暖房システムにおける通信に適用した場合における実施の形態を図面に基づいて説明する。
給湯暖房システムは、図1に示すように、加熱対象液としての湯水を加熱して供給する熱源機NTが備えられると共に、その熱源機NTの熱媒供給部21から循環供給される加熱対象液を熱源とする2つの暖房用端末機TAが備えられて構成され、更に、熱源機NTの給湯部20から浴室の浴槽19等に給湯するように構成されている。
複数の暖房用端末機TAとしては、浴室乾燥暖房機A及び床暖房装置Bが設けられている。
装置本体部MUとしての熱源機NTには、それの作動を制御する本体側制御部NTH と、その本体側制御部NTH に対する制御指令を手動入力するための遠隔操作装置NTS とが設けられ、暖房用端末機TAの夫々には、それらの作動の制御のための制御部とAH ,BH 、夫々の制御部AH ,BH に対して制御指令を手動入力するための遠隔操作部AS ,BS とが設けられている。
【0011】
浴室乾燥暖房機Aは、浴室に備えられて浴室の暖房や乾燥あるいは換気等を行うと共に、浴室に隣接する脱衣室と図示しない給気ダクト及び吸気ダクトにて接続されて脱衣室の暖房及び換気を行うように構成されている。床暖房装置Bは、例えば、居間等に備えられ、マット状の敷物に暖房用の細長い配管から成る床暖房用熱交換器62が蛇行状に備えられて床面から室内を暖房するように構成されている。
【0012】
次に熱源機NTの構成について説明する。
この熱源機NTは、上述のように給湯栓又は浴槽19に給湯するための給湯部20と、前記各暖房用端末機TAに温水を給湯するための熱媒供給部21とを夫々備えて構成されている。
給湯部20は、図2に示すように、給湯用燃焼室22内に、外部より供給される水を加熱するガス燃焼式の給湯用バーナ23、この給湯用バーナ23により加熱される給湯用熱交換器24、給湯用バーナ23の燃焼用空気を通風するファン25等が備えられて構成され、給湯用熱交換器24には、外部(水道等)から水を供給する給水路26と、加熱後の湯を出湯する出湯路27とが接続されている。尚、給水路26と出湯路27とをバイパス接続するバイパス路28が給水路26から分岐する状態で設けられ、このバイパス路28にはバイパス弁29が設けられている。
【0013】
前記給水路26には入水温度を検出する入水温サーミスタ30と、通水量を検出する水量センサ31とが設けられ、出湯路27には熱交換器24の出口温度を検出する給湯用出口温サーミスタ32が設けられ、出湯路27とバイパス路28との接続箇所の流動方向下手側の給湯路33には、出湯温サーミスタ34が設けられている。
前記給湯路33から一般給湯路33aと分岐する状態で風呂給湯路33bが設けられ、この風呂給湯路33bは、風呂弁34、逆流防止用ホッパー35、逆止弁36等が備えられると共に、風呂追焚用の循環路37に接続されている。この追焚用循環路37には、追焚循環ポンプ38、浴槽19の水位を検出する水位センサ39、追焚循環ポンプ38の作動による通流状態を検出する水流スイッチ40、浴槽水温度を検出する風呂サーミスタ41等が備えられている。
【0014】
給湯用バーナ23に対する燃料供給路42には、燃料供給を断続する2つの断続弁43,44と、燃料供給量(ガス量)を調整自在な給湯用ガス比例弁45とが備えられ、図示はしないがバーナ23の近くには、バーナに着火するイグナイタ及び着火を確認するフレームロッド等が備えられている。
このようにして、給水路26を通して供給される水をバーナ23により加熱される給湯用熱交換器24にて加熱して、一般給湯路33aを通して給湯栓に給湯すると共に、風呂給湯路33b及び追焚用循環路37を通して浴槽19に給湯するように構成されている。
【0015】
又、熱媒供給部21は、図2に示すように、暖房用燃焼室46内に、給湯用燃焼室22と同様に、ガス燃焼式の暖房用バーナ47、この暖房用バーナ47により加熱される暖房用熱交換器48、暖房用バーナ47の燃焼用空気を通風するファン49等が備えられて構成され、バーナ47に対する燃料供給路42には、燃料供給を断続する断続弁43,50と、燃料供給量(ガス量)を調整自在な暖房用ガス比例弁51とが備えられ、図示はしないがバーナ47の近くには、バーナ47に点火するイグナイタ及び着火を確認するフレームロッド等が備えられている。尚、燃料供給上手側の断続弁(元ガス弁)43は給湯用バーナ23と共用する構成となっている。
【0016】
そして、暖房用熱交換器48には暖房用の循環路52が接続されている。この暖房用循環路52は、暖房循環ポンプ53、膨張タンク54が備えられ、前記浴室暖房乾燥機Aにおける浴室用熱交換器3a等に温水を循環供給するように接続される構成となっている。又、暖房用循環路52の途中部には、前記風呂追焚用の循環路37に対して熱交換して追焚用循環路37内の湯水を加熱するための風呂用熱交換器55が並列接続される構成となっており、この熱交換器55に対する通路には風呂用熱動弁56が設けられている。暖房用循環路52の暖房用熱交換器48の出口部分には、出口湯温を検出する暖房用出口温サーミスタ57が設けられている。
【0017】
熱源機NTの遠隔操作装置NTS には、図4に示すように、運転・停止を指令する運転スイッチ63、及び、運転開始すると点灯し、運転停止すると消灯する運転表示ランプ64、目標給湯温度を設定する温度設定スイッチ65、浴室への自動湯張りを指令すると共に、再度操作することで湯張りを解除する湯張りスイッチ66、湯張り指令中は点灯し、湯張り指令が解除されると消灯する湯張りランプ67、目標湯張り量を設定する湯張り量調整ダイヤル68、給湯温度等を表示する温度表示部69等が備えられている。
【0018】
次に本体側制御部NTH の給湯動作について説明する。
運転スイッチ63にて熱源機NTが運転状態に設定された後に、給湯栓が開栓されて水が通流して、水量センサ31の検出値が設定値を越えると、給湯用ファン25を作動させると共に、前記各断続弁43,44とガス比例弁45を開弁して、給湯用バーナ23に点火させ、出湯温度が温度設定スイッチ65により設定された目標給湯温度になるようにガス比例弁45を制御する。つまり、入水温サーミスタ30の検出値と目標給湯温度との偏差、水量センサ31の検出値(通水量)等から燃料供給量、即ち、ガス比例弁45の開度をフィードフォワード制御すると共に、出湯温サーミスタ34の検出値と目標給湯温度との偏差、通水量等から前記開度をフィードバック制御する。このようにして目標温度の湯を給湯するように制御するのである。
【0019】
湯張りスイッチ66にて浴槽への湯張りが指令されると、浴槽19に対して自動的に目標給湯温度の湯を給湯し、浴槽19の水位が目標湯張り量に相当する水位に達すると給湯を停止し、その後は、湯張り指令が解除されるまで、浴槽19の湯温が目標給湯温度になるように温度を維持するように制御する。
つまり、風呂弁34を開弁して通水を開始させ、バイパス弁29を開弁して給湯量を多くさせて、給湯用熱交換器24の出口温サーミスタ32の検出値が湯張り用の目標温度になるように燃料供給量をフィードフォワード制御し、出湯温サーミスタ34の検出値が目標給湯温度になるようにフィードバック制御するようにして、目標給湯温度の湯を浴槽19に供給する。そして、水位センサ39にて検出される浴槽19の水位が設定水位に達すると、風呂弁34を閉弁させる。
その後、所定時間毎に追焚循環ポンプ38を作動させて、熱交換器55にて加熱して、風呂サーミスタ41の検出値が目標給湯温度に達すると、追焚循環ポンプ38を停止させる。このとき、暖房用循環ポンプ53が作動して、暖房用出口温サーミスタ57の温度が設定温度より低下していれば、暖房用バーナ47による加熱作動を開始し、風呂用熱動弁56を開弁させることになる。
【0020】
又、前記浴室暖房乾燥機Aの遠隔操作部AS には、図5に示すように、浴室に対する乾燥運転,涼風運転及び暖房運転夫々の運転開始及び停止を指令する乾燥スイッチ70,涼風スイッチ71及び暖房スイッチ72の夫々、並びに、上記各運転をタイマ作動させる場合のタイマー作動時間を設定する時間設定スイッチ75、タイマー作動時間を表示するタイマー表示部76が備えられると共に、脱衣室に対する暖房運転の運転開始及び停止を指令する暖房スイッチ85及びその脱衣室の暖房運転の始動時間をタイマ設定するための入タイマスイッチ86が備えられ、更に、浴室及び脱衣室の両方に対して換気運転の運転開始及び停止を指令する換気スイッチ73が備えられている。
【0021】
以下、上記各運転状態について簡単に説明する。
暖房スイッチ72が押し操作されると時間設定スイッチ75にて設定された時間の間、暖房運転を実行する。つまり、浴室内の空気を吸気して浴室用熱交換器3bを通過させた後に浴室内に戻すための浴室用循環ファン2aの作動を開始させると共に、浴室用熱動弁6を開弁させて、浴室から吸い込んだ空気を加熱させて浴室に戻すようにして、浴室の温度を上昇させる。暖房スイッチ72が再度押し操作されるか、時間設定スイッチ75にて設定された時間が経過すると、浴室用循環ファン2aを停止させると共に、浴室用熱動弁6を閉弁させて、暖房運転を停止させる。
暖房運転中に、温度センサ11の検出情報に基づき浴室用熱動弁6を開閉させて、循環される空気の温度が設定温度領域に維持されるべく温度制御が実行される。
【0022】
乾燥スイッチ70が押し操作されると、時間設定スイッチ75にて設定された時間の間、浴室内に吊るされた例えば洗濯物等の水分を多く含む被乾燥物を乾燥させるための乾燥運転を実行する。つまり、浴室用循環ファン2a及び浴室内から吸気した空気の一部を外部へ排気するための換気用ファン2bを作動させると共に、浴室用熱動弁6を開弁させて、暖房と換気とにより被乾燥物を乾燥させる。乾燥スイッチ70が再度押し操作されるか、時間設定スイッチ75にて設定された時間が経過すると、浴室用循環ファン2a及び換気用ファン2bを停止させると共に、浴室用熱動弁6を閉弁させて、乾燥運転を停止させる。
【0023】
涼風スイッチ71が押し操作されると、時間設定スイッチ75にて設定された時間の間、例えば夏場の入浴時等に通風循環させて涼風感覚を得ることができる涼風運転を実行する。つまり、浴室用循環ファン2aを作動させて、浴室内へ空気を循環送風する。涼風スイッチ71が再度押し操作されるか、時間設定スイッチ75にて設定された時間が経過すると、浴室用循環ファン2aを停止させて、涼風運転を停止させる。
【0024】
換気スイッチ73が押し操作されると、時間設定スイッチ75にて設定された時間の間、浴室内及び脱衣室内の空気を吸引して外部に排気する換気運転を実行する。つまり、換気用ファン2bによる通風路を、浴室内のみならず脱衣室に接続される吸気ダクトの空気をも吸気する状態に切り換えて、換気用ファン2bを作動させ、浴室内及び脱衣室内を換気する。換気スイッチ73が再度押し操作されるか、時間設定スイッチ75にて設定された時間が経過すると、換気用ファン2bを停止させて、換気運転を停止させる。尚、この換気運転の場合のみ、時間設定スイッチ75から連続運転の設定が可能となっている。
【0025】
脱衣室用の暖房スイッチ85が押し操作されると、脱衣室の暖房運転を開始する。このとき、暖房スイッチ85が単独で押し操作された場合は、直ちに暖房運転を開始し、暖房スイッチ85と入タイマスイッチ86とが併せて操作されると、時間設定スイッチ75にて設定された時間が経過した後に暖房運転を開始する。この暖房運転においては、図示しない吸気ダクトを経由して脱衣室内の空気を吸気して脱衣室用熱交換器3aを通過させた後に図示しない給気ダクトを経由して脱衣室内に戻すための脱衣室用循環ファン2cの作動を開始させると共に、浴室用熱動弁6を開弁させて、脱衣室から吸い込んだ空気を加熱させて脱衣室に戻すようにして、脱衣室の温度を上昇させる。暖房スイッチ85が再度押し操作されるか、暖房運転が開始されてから設定時間が経過すると、脱衣室用循環ファン2cを停止させると共に、浴室用熱動弁6を閉弁させて、暖房運転を停止させる。
【0026】
前記床暖房装置Bには、図1に示すように、床暖房用の熱交換器62に対する温水供給路JUに上述したような熱動弁81が備えられると共に、室内温度を検出する温度センサ82が備えられている。
遠隔操作部BS には、図6(イ)に示すように、床暖房運転の運転開始及び停止を指令する運転スイッチ79、目標温度の設定を行うための温度設定スイッチ80a、設定温度等を表示する温度表示部80b、時間又は時刻を指定して目標温度を変化させるプログラム運転を入/切するためのプログラム運転スイッチ87、時刻設定を行うための時刻設定スイッチ84a、時刻設定スイッチ84aから設定を行うのが現在時刻の設定であるかあるいはプログラム運転のための時刻の設定であるかを選択する選択スイッチ84b、及び、現在時刻やプログラム運転の設定時刻の表示等を行う表示部83が備えられている。又、遠隔操作部BS には、上記各スイッチを覆う揺動開閉式のカバーFが備えられ、カバーFには、図6(ロ)に示すように、カバーFを閉じた状態で運転スイッチ79を操作するための操作片79aが備えられている。
【0027】
上記の運転スイッチ79等が操作されることにより運転開始が指令されると、床暖房装置Bの制御部BH は、熱動弁81を開弁させて床暖房用熱交換器62に温水を供給させて床暖房運転を行い、床暖房運転中においては、温度センサ82の検出値が、遠隔操作部BS にて設定された目標温度になるように熱動弁81の作動状態を制御する。運転スイッチ79が再度押し操作されるか、あるいは、全てのプログラム運転動作が終了すると、熱動弁81が閉弁され、床暖房運転が停止する。
【0028】
本体側制御部NTH と各制御部AH ,BH 夫々との間、及び、本体側制御部NTH と遠隔操作装置NTS との間は、熱源機NTの動作情報等の情報の授受のために、制御部AH ,BH 夫々及び遠隔操作装置NTS を通信端末CTとして、ケーブル接続により通信可能に構成されている。
本体側制御部NTH と各制御部AH ,BH 夫々との、及び、本体側制御部NTH と遠隔操作装置NTS との通信のための構成は基本的に同一構成としてあり、以下、図3に基づいて、本体側制御部NTH と各制御部AH ,BH 夫々との通信を例にとって、その構成について説明する。
【0029】
本体側制御部NTH と各制御部AH ,BH 夫々とを接続する電気配線ケーブルKは、図3中において配線p,q,rとして示す3線を備えて構成され、本体側制御部NTH を構成する本体側コントローラMCと各制御部AH ,BH 夫々との間の情報の授受のみならず、本体側制御部NTH から各制御部AH ,BH への動作用電力の供給をも行う。上記配線p,q,rのうち、配線p,qが、本体側制御部NTH と各制御部AH ,BH 夫々との間の情報の授受に寄与し、配線p,rが、本体側制御部NTH から各制御部AH ,BH への動作用電力の供給に寄与する。従って、配線p,rが、電気配線ケーブルKに通信端末CTである各制御部AH ,BH の夫々に動作用電力を供給する給電線PFとして機能する。尚、図3において、各制御部AH ,BH に対して共通する回路部分については適宜記載を省略しており、本体側制御部NTH 側において「E」で示す二点鎖線で囲んだ部分は同様の回路構成であり、又、各制御部AH ,BH の通信のための回路構成は共通である。
【0030】
本体側制御部NTH と各制御部AH ,BH 夫々との間の情報の授受は、配線p,qを介して直列接続される本体側制御部NTH 側の二つのフォトカプラPC1,PC2と各制御部AH ,BH の二つのフォトカプラPC3,PC4とによって行われる。尚、制御部AH ,BH にはダイオードブリッジDBが備えられているが、これは、配線pと配線qとが逆極性に接続された場合でも正常に動作させるためである。
【0031】
本体側制御部NTH から各制御部AH ,BH へ送信するときは、制御部AH ,BH のコントローラTCの制御によりフォトカプラPC4を導通させた状態で、本体側制御部NTH が、それのデータ出力端子DOからデジタルデータを出力することで、そのデジタルデータに応じてフォトカプラPC2が導通/非導通に切り換わる。これによってフォトカプラPC3のトランジスタ部分がON/OFFし、デジタルトランジスタDT1を介して、上記デジタルデータがコントローラTCのデータ入力端子Iに入力される。
【0032】
一方、各制御部AH ,BH から本体側制御部NTH へ送信するときは、本体側制御部NTH の制御によりフォトカプラPC2を導通させた状態で、制御部AH ,BH のコントローラTCが、それのデータ出力端子Oからデジタルデータを出力することで、そのデジタルデータに応じてフォトカプラPC4が導通/非導通に切り換わる。これによってフォトカプラPC1のトランジスタ部分がON/OFFし、デジタルトランジスタDT2を介して、上記デジタルデータが本体側制御部NTH のデータ入力端子DIに入力される。
【0033】
フォトカプラPC1,PC2は、各制御部AH ,BH の夫々との通信に対して共通に用いられるのであるが、本体側制御部NTH と各制御部AH ,BH 夫々との間の通信状態を、通信可能状態と通信不能状態とに切換える通信切換手段CSが備えられているので、本体側制御部NTH は各制御部AH ,BH の夫々を特定して通信を行うことができる。この通信切換手段CSは、具体的には、図3に示すように、上記フォトカプラPC1,PC2,PC3,PC4と直列に接続されるトランジスタTr1にて構成され、各制御部AH ,BH の夫々に対応して備えられたトランジスタTr1のベースに本体側制御部NTH の制御出力端子O2の出力信号が入力される。これによって、本体側制御部NTH の指令により各制御部AH ,BH の夫々に対応するトランジスタTr1が各別に導通/非導通に切換えられて、上記のように通信可能状態と通信不能状態とに切換えられる。
【0034】
本体側制御部NTH 側から各制御部AH ,BH への動作用電力の供給は、上述のように、配線p,rを給電線PFとして、本体側制御部NTH 側に設けられた電源から行われるのであるが、各制御部AH ,BH の夫々に対して、各別に動作用電力の供給と非供給とを切換える電力供給切換手段PSが設けられている。この電力供給切換手段PSは、トランジスタTr2を主要部として構成され、各制御部AH ,BH の夫々に対応して備えられたトランジスタTr2のベースに本体側制御部NTH の制御出力端子O1の出力信号がデジタルトランジスタDT3を介して入力される。これによって、本体側制御部NTH の指令により各制御部AH ,BH の夫々に対応するトランジスタTr2が各別に導通/非導通に切換えられて、上記のように動作用電力の供給と非供給とに切換えられる。各制御部AH ,BH には、本体側制御部NTH 側の電源からの供給電圧を所定の電圧に変換して制御部AH ,BH 内の各回路へ供給する電源回路VRが備えられている。
【0035】
本体側制御部NTH 側には、更に、電気配線ケーブルKに短絡故障が生じたか否かを検出する短絡検出手段SSが設けられている。
短絡検出手段SSは、図3に示すように、上記配線q,rに流れる電流を検出するための電流検出用抵抗R1と、電流検出用抵抗R1の両端電圧によってON/OFFするトランジスタTr3とを主要部として構成され、トランジスタTr3の出力がデジタルトランジスタDT4を介して本体側制御部NTH の短絡検出端子SIに入力される。つまり、通信のための配線pと配線qとの間で短絡故障が発生した場合、及び、動作用電力供給のための配線pと配線rとの間で短絡故障が生じた場合の何れにおいても、電流検出用抵抗R1によって検出できるものとしてあり、又、2つの電気配線ケーブルKのうちの何れの電気配線ケーブルKにおいて短絡故障が発生しても、電流検出用抵抗R1によって検出できるものとしてある。
【0036】
本体側制御部NTH は、短絡検出手段SSが短絡故障を検出した電気配線ケーブルKに対応する制御部AH ,BH と通信をしないように、且つ、動作用電力を供給しないように、上記通信切換手段CS及び電力供給切換手段PSを切換制御する。
以下、本体側コントローラMCによる、通信切換手段CS及び電力供給切換手段PSに対する制御作動を図7に短絡処理として示すフローチャートに基づいて説明する。
【0037】
本体側コントローラMCは、既に短絡故障を検出して、何れかの制御部AH ,BH に対する動作用電力の供給を停止している状態か否かを確認して(ステップ#1)、短絡故障中でなければ、新たに短絡故障が生じているか否かを検出する(ステップ#2)。新たに短絡故障が生じていないときは何もせずに短絡処理を終了し、短絡検出手段SSが新たな短絡故障を検出すると、すなわち、電流検出用抵抗R1に設定以上の電流が流れてトランジスタTr3が導通状態となると、制御出力端子O1から制御信号を出力して、各制御部AH ,BH の夫々に対して順次一時的に電力供給を停止させ、短絡故障が各制御部AH ,BH の何れに対応する電気配線ケーブルKにおいて発生したかを特定する(ステップ#3)。従って、本体側コントローラMCは、短絡検出手段SSの一部としても機能する。
短絡故障が発生した電気配線ケーブルKが特定されると、その電気配線ケーブルに対応する制御部AH ,BH に対して、制御出力端子O1からの指令によりトランジスタTr2に非導通状態として動作用電力を非供給とする(ステップ#4)と共に、制御出力端子O2からの指令によりトランジスタTr1に非導通状態を維持させて通信しないようにする(ステップ#5)。
【0038】
動作用電力の供給及び通信を停止した後に、本体側コントローラMC内に備えられたカウンタにカウント開始を指令する(ステップ#6)。このカウンタは、上記のカウント開始指令によってカウントを開始し、設定値をカウントするとカウントアップ信号を出力するように構成され、動作用電力の供給及び通信を停止してから設定時間経過したか否かの判定に用いられる。
図7に示すフローチャートの処理は、高速に繰り返し実行され、上記のように短絡故障が発生して、動作用電力の供給を停止しているときは、短絡故障中であると判断して(ステップ#1)、カウンタがカウントアップ信号を出力しいるか否かを監視し(ステップ#7)、カウントアップ信号を出力しているときは、カウントアップ信号の出力を停止させると共に、短絡故障が継続しているか否かを確認するために、先に短絡故障を検出した電気配線ケーブルKに対して電力供給切換手段PSのトランジスタTr2を導通状態として、動作用電力の供給を再開する(ステップ#8)。尚、この場合に、トランジスタTr1等を一時的に導通状態として、配線qが関与する短絡故障をも検出するようにしても良い。
そして、動作用電力の供給を再開した状態で短絡検出手段SSが短絡故障を検出すると(ステップ#9)、直ちにその電気配線ケーブルKに対して動作用電力の供給を停止し、再びカウンタにカウント開始を指令して上述の処理を繰り返す(ステップ#4〜#6)。
【0039】
一方、ステップ#9において、短絡故障が検出されなければ、動作用電力を供給する状態を維持すると共に、通信切換手段CSのトランジスタTr1を適宜導通状態とすることを許容して通信可能状態とする(ステップ#10)。
すなわち、短絡検出手段SSが短絡故障を検出した電気配線ケーブルKに対応する制御部AH ,BH に対して、一時的に動作用電力を供給して短絡検出手段SSに短絡故障の有無を検査させる短絡検査処理を設定時間間隔をおいて繰り返し実行し、且つ、短絡検出手段SSが短絡故障を検出しない状態となったときに、その制御部AH ,BH に対する動作用電力の供給及び通信を再開するのである。
【0040】
上述の如き構成によって通信が行われることによって、2つの暖房用端末機TA側の遠隔操作部AS ,BS のいずれかにおいて運転開始が指令されると、熱媒供給部21の運転を開始すべく制御し、且つ、2つの暖房用端末機TA側の遠隔操作部AS ,BS の全てにおいて運転停止が指令されると、熱媒供給部21の運転を停止すべく制御するように構成されている。
【0041】
〔別実施形態〕
以下、本発明の別実施形態を列記する。
▲1▼ 上記実施の形態では、本発明の制御用通信装置を給湯暖房システムに適用した場合を例示しているが、例えば、有線式のリモートコントローラを備えた機器等の各種の機器に適用できる。
▲2▼ 上記実施の形態では、通信のための配線pと配線qとの間で短絡故障が発生した場合、及び、動作用電力供給のための配線pと配線rとの間で短絡故障が生じた場合の何れにおいても、電流検出用抵抗R1によって検出できるものとしてあり、又、2つの電気配線ケーブルKのうちの何れの電気配線ケーブルKにおいて短絡故障が発生しても、電流検出用抵抗R1によって検出できるものとしてあるが、通信のための配線pと配線qとの間で短絡故障が発生した場合と、動作用電力供給のための配線pと配線rとの間で短絡故障が生じた場合とで、別個の電流検出用抵抗にて検出しても良いし、更に、2つの電気配線ケーブルKに対して各独立に電流検出用抵抗を備えても良い。
これに対応して、2つの暖房用端末機TAの制御部AH ,BH との送受信を行うフォトカプラPC1,PC2を、各制御部AH ,BH の夫々に対して別個に設けても良い。
▲3▼ 上記実施の形態では、本発明を、熱源機NTの本体側制御部NTH と各制御部AH ,BH との間の通信及び熱源機NTの本体側制御部NTH と遠隔操作装置NTS との間の通信に適用した場合を例示しているが、上記実施の形態における各制御部AH ,BH と遠隔操作部AS ,BS との間の通信に適用しても良い。この場合は、制御部AH ,BH が本体側制御部に、遠隔操作部AS ,BS が通信端末CTに相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる給湯暖房システムの概略構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態にかかる熱源機の概略構成図
【図3】本発明の実施の形態にかかる通信のための構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態にかかる熱源機の遠隔操作装置の正面図
【図5】本発明の実施の形態にかかる浴室暖房乾燥機の遠隔操作部の正面図
【図6】本発明の実施の形態にかかる床暖房装置の遠隔操作部の正面図
【図7】本発明の実施の形態にかかるフローチャート
【符号の説明】
H ,BH 制御部
CS 通信切換手段
CT 通信端末
K 電気配線ケーブル
MU 装置本体部
NTH 本体側制御部
NTS 遠隔操作装置
PF 給電線
PS 電力供給切換手段
SS 短絡検出手段
TA 暖房用端末機

Claims (4)

  1. 装置本体部の作動を制御する本体側制御部が設けられ、その本体側制御部が、前記装置本体部の動作情報を通信端末と電気配線ケーブルにて通信するように構成されている制御用通信装置であって、
    前記電気配線ケーブルが短絡故障を生じたか否かを検出する短絡検出手段と、
    前記本体側制御部と前記通信端末との間の通信状態を、通信可能状態と通信不能状態とに切換える通信切換手段とが設けられ、
    前記本体側制御部は、前記短絡検出手段が短絡故障を検出したときに、前記通信端末と通信しないように前記通信切換手段を切換制御するように構成され
    前記本体側制御部が複数の通信端末と通信するように構成され、
    前記短絡検出手段は、前記複数の通信端末のうちのいずれに対応する電気配線ケーブルであるかを特定した状態で、前記電気配線ケーブルの短絡故障を検出するように構成され、
    前記通信切換手段は、前記複数の通信端末の夫々に対して、前記通信可能状態と前記通信不能状態とに切換え可能に構成され、
    前記本体側制御部は、前記短絡検出手段が短絡故障を検出した電気配線ケーブルに対応する通信端末と通信しないように前記通信切換手段を切換制御するように構成され、
    前記電気配線ケーブルに、前記複数の通信端末の夫々に動作用電力を供給する給電線が備えられ、
    前記複数の通信端末に対して、各別に動作用電力の供給と非供給とを切換える電力供給切換手段が設けられ、
    前記本体側制御部は、前記短絡検出手段が短絡故障を検出した電気配線ケーブルに対応する通信端末に動作用電力を供給しないように前記電力供給切換手段を切換制御するように構成されている制御用通信装置。
  2. 前記本体側制御部は、前記短絡検出手段が短絡故障を検出した電気配線ケーブルに対応する通信端末に対して、一時的に動作用電力を供給して前記短絡検出手段に短絡故障の有無を検査させる短絡検査処理を設定時間間隔をおいて繰り返し実行し、且つ、前記短絡検出手段が短絡故障を検出しない状態となったときに、その通信端末に対する動作用電力供給及び通信を再開するように構成されている請求項1記載の制御用通信装置。
  3. 前記通信端末が、前記本体側制御部に対する制御指令を手動入力するための遠隔操作装置である請求項1又は2に記載の制御用通信装置。
  4. 前記装置本体部が、加熱対象液を加熱して供給するように構成され、
    前記通信端末が、前記装置本体部から供給される加熱対象液を熱源とする暖房用端末機の制御部である請求項1〜のいずれか1項に記載の制御用通信装置。
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