JP3835712B2 - 光学薄膜およびそれを用いた反射防止性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐擦傷性に優れた光学薄膜およびそれを用いた反射防止性物品に関し、特に、テレビのブラウン管や液晶表示装置用の反射防止膜、CRTモニター用反射防止フィルターなどの各種表示装置の反射防止用のみならず、展示物のケースやショーウインド、絵画の額、窓ガラス、光学レンズ、メガネレンズなどの反射防止などに好適に用いられる光学薄膜および反射防止性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置などに用いられる反射防止用フィルターなどの反射防止性物品は、基板に低屈折率の光学薄膜を単層で設けるか、もしくは高屈折率および低屈折率の光学薄膜を交互に多層に設けて反射防止層としている場合が多い。
【0003】
このような光学薄膜を得る方法としては、蒸着やスパッタなどによって無機物を基板に積層するのが一般的であり、このようにして得られる反射防止膜は低反射で耐擦傷性に優れる。しかし、無機物を蒸着やスパッタして反射防止処理する方法は高性能な反射防止層が得られるものの、真空を必要とする大がかりな装置を用いるので生産性が悪く、製造コストは高価であった。また、これらの方法は、蒸着もしくはスパッタ時に基板が80℃以上に加熱されるので、耐熱性の点などから使用できる基板が限定されていた。
【0004】
また、近年、低屈折率の有機物質を溶媒に溶解した後、基板に低屈折率の有機物質をコーティングして低屈折率有機薄膜を形成して反射防止膜とする方法が知られるようになった。このような溶液コーティング法は、例えば特開平4−355401号公報や特開平6−18705号公報などに開示されている。これら溶液コーティング法で用いられる低屈折率物質は、無機薄膜で最も屈折率の低いフッ化マグネシウム薄膜より低い屈折率を持つフッ素含有率の高い樹脂であり、優れた反射防止特性を示している。また、これらは溶液コーティングにより薄膜を形成するので、無機物を蒸着やスパッタして反射防止処理する方法とは異なり、生産性よく反射防止膜を形成することが可能である。
【0005】
しかしながら、特開平4−355401号公報あるいは特開平6−18705号公報に記載の含フッ素樹脂からなる有機薄膜は、溶液コーティングが可能なので生産性がよく、低屈折率のため優れた反射防止特性を示すが、これらの含フッ素樹脂硬化物は架橋密度が低いので表面硬度が低く、耐擦傷性に劣るという問題があった。さらに、コーティングした後、加熱硬化を必要とするため、耐熱性の点などから使用できる基板が限定されていた。
【0006】
また、表面硬度が高く架橋密度の高い含フッ素樹脂として米国特許第USP3,310,606号公報に開示されているパーフルオロジビニルエーテルの硬化物が挙げられているが、この硬化物は溶剤に不溶で高温、高圧下で成型する必要があるため光学薄膜を得ることはできない。
【0007】
さらに、特開平8−239430号公報では、本願発明において一般式で示した含フッ素ジ(メタ)アクリレート100重量部に対して、多官能(メタ)アクリレート10〜90重量部含有する撥水・撥油性及び耐擦傷性を備えた含フッ素硬化性組成物を開示している。しかしながら、特開平8−239430号公報に記載の技術では多官能(メタ)アクリレートの配合量が多すぎて、D線における屈折率が1.45を越える傾向があり、本願発明の目的とする反射防止性能を得にくいという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低反射性で耐擦傷性に優れ、容易に光学薄膜を得ることのできる反射防止性の光学薄膜およびそれを用いた反射防止性物品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有する。
【0010】
「(1) 一般式A1−O(CH2 )n −Rf−(CH2 )n O−A2
(ここでA1 、A2 は、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、トリフルオロメタアクリロイル基およびビニル基から選ばれ、Rfはパーフルオロアルキル基、nは0〜3の整数)で示される不飽和二重結合を2つ有するフッ素系モノマー100重量部に対して、非フッ素系多官能モノマを10重量部未満から6.25重量部以上の範囲で含有する組成物を硬化してなり、かつ、D線における屈折率が1.45以下、膜厚が30〜700nmであることを特徴とする光学薄膜。
【0011】
(2) 上記(1) 項に記載の光学薄膜を基材に塗布してなることを特徴とする反射防止性物品。」
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で光学薄膜とは、光線が上部に薄膜が存在している基材に入射した時、光線が屈折率の異なる境界で交差して干渉をおこす薄膜をいう。光学薄膜では、反射光は入射光の干渉光として出現する。例えば、透明基板上に透明な光学薄膜を一層設けたとき、入射反射光の一部は空気と薄膜との境界で反射し、一部は薄膜と基板境界面で反射し、全体として反射光はそれらの干渉光となる。干渉光は結果的に基材の反射率を低減もしくは増加させる。光学薄膜は、光が干渉作用をおこす程度に薄く、基板の反射率は光学薄膜の屈折率と膜厚に依存する。
【0013】
本発明は、反射率の低減を目的とした低屈折率の光学薄膜を提供するものであり、光学薄膜の膜厚は、λ/4の奇数倍が好ましい。ここで、λは薄膜内での光の波長を示し、光の波長がある程度の幅で存在している場合は、λは光の中心波長を示す。本発明で対象となる光の波長は、多くの場合、可視光であり、中心波長は通常人間が敏感に感じる500〜550nmに設定するのが好ましい。
【0014】
本発明の光学薄膜の膜厚は、薄膜の屈折率にもよるが、好ましくは、30〜700nm、より好ましくは、40〜120nmである。光学薄膜の膜厚が30nm未満の場合は、可視光における光干渉による反射率の低減が不十分となる場合がある。また光学薄膜の膜厚が700nmを越える場合も、反射率はほぼ空気と薄膜界面の反射のみに依存するようになるので可視光における光干渉による反射率の低減が不十分となる傾向がある。
【0015】
低屈折率膜を光学膜厚よりも厚く物品の表面に設けて反射防止を付与した場合は、光干渉による反射率の低減効果はなく、基材表面の屈折率が低いことによる反射率の低減のみにとどまるので、光学薄膜を設けた場合にくらべ反射率が高くなり反射防止効果は劣る。例えば、屈折率1.6の基材に屈折率1.38の薄膜を設ける場合、膜厚が最適な光学膜厚のときは反射率は1%以下となるが、数μ以上の膜厚の場合は反射率はおよそ3%となる。また、その光学薄膜の屈折率が1.45よりも高い場合は、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAという)やガラスなどの比較的屈折率の低い基材に対する反射防止処理効果は顕著に認められない。
【0016】
本発明の光学薄膜では、硬化後の表面硬度が鉛筆硬度H以上であることが好ましい。表面硬度が低いと、耐擦傷性が劣り、耐久性が低下するためである。
【0017】
本発明では、一般式A1 −O(CH2 )n −Rf−(CH2 )n O−A2 で示される化合物が用いられる。ここでA1 、A2 は、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、トリフルオロメタアクリロイル基、ビニル基から選ばれ、好ましくは、アクリロイル基、メタクリロイル基から選ばれる。また、Rfはパーフルオロアルキル基であり、(CF2 )m(mは2以上の整数、より好ましくは4〜16の整数)であることが好ましい。さらに、nは0〜3の整数である。
【0018】
このような不飽和二重結合を2つ有する含フッ素化合物としては、例えば、下記の化合物が例示される。
【0019】
【化1】
上記に示した不飽和二重結合を2つ有する含フッ素化合物の他に、本発明では硬度、上下層との密着性、屈折率の調整や性能向上の目的で、以下に例示するような、その他の非フッ素系多官能モノマを、本発明の不飽和二重結合を2つ有する含フッ素化合物100重量部に対し、10重量部未満から6.25重量部以上、好ましくは9重量部以下から6.25重量部以上の範囲で含む。非フッ素系多官能モノマを10重量部以上を含む場合は、D線における屈折率が1.45を越え、本発明の目的とする反射防止性能を得ることができない。
【0020】
本発明に含まれるその他の多官能モノマの例を挙げると、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス[(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシ]プロパン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどの非フッ素系多価(メタ)アクリレートがある。 これらの多官能モノマのうち、本発明で特に好ましく用いられるのは、光学薄膜の硬度を向上する目的で加える3官能以上の(メタ)アクリレート類であり、単独または2種以上を混合した状態で使用される。
【0021】
上記の他に、必要に応じて、不飽和二重結合を1つ含む化合物(単官能モノマ)、重合開始剤を組成物中に加えることができる。これらのモノマや化合物は、適宜、硬度、屈折率の調整、コーティング性の調整などのために加えられ、硬化して光学薄膜とすることができる。
【0022】
このような不飽和二重結合を1つ含む含フッ素単官能モノマとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチルメタクリレート、1H,1H,3H,2H−パーフロデカノールアクリレート、β−(パーフロロオクチル)エチルメタアクリレートなどが挙げられる。光学薄膜の屈折率を下げるためには、不飽和二重結合を1つ含むフッ素含有量の多い化合物を添加するのが好ましい。また、ジフルオロビニル化合物を少量添加して光学薄膜の硬度を上げることもできる。
【0023】
さらに、フッ素を含まない単官能モノマの例としては、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、相溶性がよく、屈折率が1.45以下となる硬化物が得られるものであれば限定されない。
【0024】
さらにコーティング性を良くするためにレベリング剤を添加してもよく添加量は、好ましくは硬化物全体の0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%である。
【0025】
本発明の光学薄膜において、熱重合法、電子線重合法、光重合法(UV重合法)など硬化の方法は特に限定されないが、好ましくは、基板の耐熱性に影響を受けない光重合法により硬化される。光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1などが挙げられるが、特に限定されない。光重合開始剤の添加量は、硬化物組成全体の0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。
【0026】
本発明では、多官能モノマ、重合開始剤、単官能モノマ、レベリング剤等を含む組成物をそのまま、もしくは適当な溶剤で希釈して基板の上に塗布し、反射防止性を付与することができる。その塗布方法は、基板に均一に塗布できる方法であれば特に限定されず、例えば、スピンコート、ディップコート、ダイコート、スプレーコーティング、バーコーターコーティング、ロールコーティング、カーテンフローコーティングなどの塗布方法が挙げられる。
【0027】
本発明の光学薄膜となる組成物は、好ましくは、光学膜厚に均一に塗布された後、低圧もしくは高圧水銀灯、キセノン灯などを用いた紫外線照射などにより硬化させることができる。本発明の光学薄膜により反射防止性能を施す基板は、特に限定されないが、例えば、通常のガラスや、厚さ1mm以下の薄板ガラス、ポリカーボネートやPMMAなどのアクリル樹脂等の樹脂透明基板、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのフィルム類などが挙げられる。
【0028】
また、本発明の光学薄膜を基材に形成する場合、密着性や塗布性を向上させるなどの目的で、必要に応じて、基材を表面処理したり、中間層をもうけることができる。中間膜に高屈折率の光学薄膜を用いた場合は、反射防止効果が高まり、さらに、高屈折率薄膜と本発明の光学薄膜を交互に多数積層することにより、より優れた反射防止膜を得ることができる。反射防止効果を高めるためには、高屈折率膜は、基材と同等もしくはそれ以上の屈折率が必要であり、その屈折率は1.58以上であることが好ましく、さらに好ましくは、1.6以上、より好ましくは、1.7以上である。
【0029】
また、本発明の光学薄膜は、反射防止性能の他にフッ素元素の効果による撥水効果があり、酸化ケイ素等のポーラスな基板に本発明の光学薄膜を塗布すると、低反射性のみならず、撥水性を付与することができる。
【0030】
【実施例】
本発明を実施例を用いて具体的に説明するがこれに限定されるものではない。
【0033】
なお、薄膜の耐ケシゴム性は、LION、No50の消しゴムを用い、1Kg加重のもとで5往復した後の傷の発生の有無を観察して評価した。
【0034】
実施例1
下記のフッ素含有ジアクリレート
CH2 =CH−COO−CH2 (CF2 )8 CH2 −OCO−CH=CH2
80重量部と、1H,1H,3H,2H−パーフロデカノールアクリレート15重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート5重量部、イソブチルアルコール900重量部および開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1重量部を混合、攪拌して、塗布液を作成した。ハードコートしたポリカーボネート基板の上に、塗布液をスピンコート法で膜厚100nmとなるように塗布した後、高圧水銀灯を用いて3分間で5000mJ/cm2 UV照射し硬化させた。
【0035】
光学薄膜基板の540nmにおける反射率および、硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐ケシゴム性を表1に示す。
【0036】
得られた光学薄膜基板は低反射であり耐擦傷性に優れたものであった。
【0037】
実施例2
下記のフッ素含有ジアクリレート
CH2 =CH−COO−CH2 (CF2 )10CH2 −OCO−CH=CH2
42重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート3重量部、および光開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1を1重量部、さらに、レベリング剤としてSH190(東レタウコーニングシリコーン製)を0.3重量部、溶剤として酢酸−n−ブチル450重量部を混合、攪拌して、塗布液を作成した。ポリカーボネート基板の上に、酸化アンチモンゾルとペンタエリスリトールトリアクリレートの混合物からなる150nmの厚みで屈折率1.7のハードコートを形成し、さらにその上に、上記塗布液をスピンコート法で膜厚100nmとなるように塗布した後、高圧水銀灯を用いて3分間で5000mJ/cm2 UV照射し硬化させ、ポリカーボネート基板上に高屈折率薄膜および低屈折率薄膜の2層膜を設けた。
【0038】
光学薄膜基板の540nmにおける反射率および、硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐ケシゴム性を表1に示す。
【0039】
得られた光学薄膜基板は低反射であり耐擦傷性に優れたものであった。
【0043】
実施例3
下記のフッ素含有ジアクリレート
CH2 =CH−COO−CH2 (CF2 )10CH2 −OCO−CH=CH2
93重量部とペンタエリスリトールトリアクリレート7重量部、イソプロピルアルコール850重量部および開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1重量部を混合、攪拌して、塗布液を作成した。ハードコートしたポリカーボネート基板の上に、塗布液をスピンコート法で膜厚100nmとなるように塗布した後、高圧水銀灯を用いて3分間で5000mJ/cm2 UV照射し硬化させた。
【0044】
光学薄膜基板の540nmにおける反射率および、硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐ケシゴム性を表1に示す。
【0045】
得られた光学薄膜基板は低反射であり耐擦傷性に優れたものであった。
【0046】
比較例1
ネオペンチルグリコールジアクリレート5部と、光開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.4部、イソプロピルアルコール90部を混合、攪拌して、塗布液を作成した。その塗布液をディップコート法でハードコートされたポリカーボネート基板に膜厚100nmとなるように塗布した後、高圧水銀灯を用いて3分間で5000mJ/cm2 UV照射し硬化させた。
【0047】
光学薄膜基板の540nmにおける反射率および、硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐ケシゴム性を表1に示す。
【0048】
得られた薄膜の反射防止効果は低かった。
【0049】
比較例2
基板としてPMMAを用いた他は、比較例1と同様にして、PMMA基板上に薄膜を形成した。
【0050】
540nmにおける反射率および、硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐ケシゴム性を表1に示す。
【0051】
得られた薄膜の反射防止効果は低かった。
【0052】
比較例3
下記化学式
【化2】
で表される市販のフッ素含有樹脂(旭硝子(株)製、サイトップ)の2%溶液をハードコートされたポリカボネート基板に膜厚100nmになるようにディップコート法で塗布した後、90℃で1時間乾燥させて光学薄膜を得た。
【0053】
540nmにおける反射率および、硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐ケシゴム性を表1に示す。
【0054】
柔らかい硬化物となり、ケシゴムにより傷が発生した。
【0055】
比較例4
下記化学式
【化3】
で表される市販のフッ素含有樹脂(三菱レイヨン(株)製、FM17)3重量部をパーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン97重量部に溶解して得られた3%溶液を、ハードコートされたポリカボネート基板に膜厚100nmになるようにディップコート法で塗布した後、80℃で1時間乾燥させて光学薄膜を得た。
【0056】
540nmにおける反射率および、硬化物の鉛筆硬度、D線における屈折率、薄膜の耐ケシゴム性を表1に示す。
【0057】
柔らかい硬化物となり、ケシゴムにより傷が発生した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明により、耐磨耗性、耐候性、耐熱性に優れ、塗布が容易な反射防止性の光学薄膜を提供することができる。
【0060】
また、本発明の光学薄膜を用いた反射防止性物品は、テレビのブラウン管や液晶表示装置用の反射防止膜、CRTモニター用反射防止フィルターなどの各種表示装置の反射防止用、展示物のケースやショーウインド、絵画の額、窓ガラス、光学レンズ、メガネレンズなどとして好適に利用できる。
Claims (8)
- 一般式A1 −O(CH2 )n −Rf−(CH2)n O−A2
(ここでA1 、A2 は、アクリロイル基、メタクリロイル基、α−フルオロアクリロイル基、トリフルオロメタアクリロイル基およびビニル基から選ばれ、Rfはパーフルオロアルキル基、nは0〜3の整数)で示される不飽和二重結合を2つ有するフッ素系モノマー100重量部に対して、非フッ素系多官能モノマを10重量部未満から6.25重量部以上の範囲で含有する組成物を硬化してなり、かつ、D線における屈折率が1.45以下、
膜厚が30〜700nmであることを特徴とする光学薄膜。 - 該一般式において、Rfが(CF2 )m (mは2以上の整数)であることを特とする請求項1記載の光学薄膜。
- 該一般式において、Rfが(CF2 )m (mは6以上の整数)であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学薄膜。
- 該一般式において、A1 、A2 がアクリロイル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学薄膜。
- 該一般式において、A1 、A2がメタクリロイル基であることを特徴とする
請求項1〜4のいずれかに記載の光学薄膜。 - 該組成物が光により硬化されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学薄膜。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の光学薄膜を基材に塗布してなることを特徴とする反射防止性物品。
- 屈折率1.58以上の被膜を設けた基材に、該光学薄膜を塗布してなることを特徴とする請求項7記載の反射防止性物品。
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