JP3835597B2 - 歯科咬合器、これを用いた歯科頭部模型、歯科実習台 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科において、義歯の咬合調整、咬合矯正などに用いられる咬合器であって、顎模型の固定保持に磁力を用いるようにした歯科咬合器、これを用いた歯科頭部模型、歯科実習台に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯科咬合器においては、義歯の咬合調整、咬合矯正を行う場合、顎模型を患者などに合わせて交換する必要があり、顎模型は、歯科咬合器に対して着脱交換可能となっている。
【0003】
この場合、顎模型を歯科咬合器に着脱交換可能に固定する方法としては、図11に示すような歯科咬合器で用いられている方法があった。
【0004】
この歯科咬合器101は、上顎支持体101aと下顎支持体101bとをヒンジ(不図示)で連結し、上顎支持体101aと下顎支持体101bとが相互にヒンジ(不図示)を中心として回動して人体の顎の開閉運動を近似的に再現できるようになっている。
【0005】
この上顎支持体101aには上顎模型103aが、下顎支持体101bには下顎模型103bを図示するように嵌め込んで位置決めされ、それぞれ顎模型103a、103bは、埋め込まれた雌ネジ104を、支持体101a、101bに回動可能で脱落しないように設置された固定雄ネジ105でネジ止めすることで、それぞれの支持体101a、101bに固定保持されている。
【0006】
このような構造で、この歯科咬合器101では、顎模型103a、103bを患者に合わせて着脱交換して、義歯の咬合調整、咬合矯正などを行うことができた。
【0007】
また、このような雌ネジ104と固定雄ネジ105で構成されるようなネジ固定手段ではなく、磁石とこの磁石に吸着される吸着体を、歯科咬合器の支持体と顎模型にそれぞれ取り付けておき、磁力によって、顎模型を支持体に着脱交換可能に固定保持するような歯科咬合器も提案されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11の歯科咬合器101では、顎模型103a、103bを固定保持するのに、雌ネジ104と固定雄ネジ105で構成されるようなネジ固定手段を用いていたため、着脱に一定の時間とネジ操作の手間を要し、改善が求められていた。
【0009】
一方、磁力によって顎模型を支持体に着脱交換可能に固定保持するような歯科咬合器では、顎模型を支持体から離脱させるためには、固定保持の磁力に抗するかなりの力を要し、ドライバーなどを両者の隙間に入れてこじ開けるといった手数を要し、迅速な顎模型の交換ができず、改善が望まれていた。
【0010】
本願発明は、このような問題を解決しようとするもので、磁力を用いながら、特に工具を必要とすることなく、簡単かつ迅速に顎模型の着脱交換ができる歯科咬合器、これを用いた歯科頭部模型、歯科実習台を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の歯科咬合器は、顎模型を磁力により固定保持するようにした歯科咬合器において、前記歯科咬合器には、顎模型を支持する顎支持体と、前記顎模型を前記磁力に抗して前記顎支持体から離脱させるための離脱手段を設けており、前記離脱手段は、前記顎支持体に形成された孔あるいは溝と、該孔あるいは該溝にスライド可能に挿嵌される 可動部とを備えており、前記可動部を可動させることにより、前記顎模型を前記顎支持体から離脱させるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の歯科咬合器は、請求項1において、前記離脱手段の前記孔は、前記顎支持体に厚さ方向に貫通した貫通孔で構成され、かつ前記可動部は該貫通孔にスライド可能に挿嵌される離脱ピンで構成されており、該離脱ピンを推し下げることにより、前記顎模型を前記顎支持体から離脱させるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の歯科咬合器は、請求項1において、前記離脱手段の前記孔は、前記顎支持体に厚さ方向に貫通した貫通孔で構成され、かつ前記可動部は該貫通孔にスライド可能に挿嵌される離脱ピンで構成されており、前記離脱手段は、前記顎支持体に設けられた支点に付設されると共に該離脱ピンに係合されたテコを更に備えており、前記テコを推し下げることにより、前記顎模型を前記顎支持体から離脱させるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の歯科咬合器は、請求項1において、前記離脱手段の溝は、前記顎支持体の幅方向に形成されたスライド溝で構成され、かつ前記可動部は該スライド溝にスライド可能に挿嵌され、平坦部及び勾配部を有するスライド体で構成されており、前記スライド体をスライドさせることにより、前記顎模型を前記顎支持体から離脱させるように構成されていることを特徴とする。
これらの歯科咬合器は、磁力で固定保持された顎模型を咬合器から離脱させる離脱手段を設けているので、別個に工具を必要とせず、簡単かつ迅速に顎模型の着脱交換ができる。
【0015】
請求項5に記載の歯科咬合器は、請求項1から4のいずれかに記載の歯科咬合器において、前記歯科咬合器には前記磁力を発生させる磁石が設置され、前記顎模型には前記磁力により吸着される吸着体が設置されており、前記離脱手段は、前記顎模型に設置された吸着体、前記歯科咬合器に設置された磁石のいずれか一方を他方から遠ざけることにより、前記顎模型を前記歯科咬合器から離脱させるように構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の歯科咬合器は、請求項1から4のいずれかに記載の歯科咬合器において、前記顎模型には前記磁力を発生させる磁石が設置され、前記歯科咬合器には前記磁力により吸着される吸着体が設置されており、前記離脱手段は、前記顎模型に設置された磁石、前記歯科咬合器に設置された吸着体のいずれか一方を他方から遠ざけることにより、前記顎模型を前記歯科咬合器から離脱させるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
これら請求項5及び6に記載の歯科咬合器は、離脱手段が歯科咬合器に設けられている点では同じであるが、その離脱手段内容を、磁石とこの磁石に吸着される吸着体とが顎模型、咬合器のいずれに装着されているかの咬合器と顎模型の態様に合わせ、磁石あるいは吸着体のいずれか一方を動かし、他方を移動させないで、両者を遠ざけることにより、磁力を弱め、これによって、顎模型と歯科咬合器を離脱させるようにしている点で相互に異なっている。しかしながら、効果としてはいずれも請求項1から4と同様に、別個に工具を必要とせず、簡単かつ迅速に顎模型の着脱交換ができる点では共通している。
【0018】
請求項7に記載の歯科頭部模型は、請求項1から6のいずれかに記載の歯科咬合器を用いたので、これらの歯科咬合器の効果を歯科頭部模型として発揮する。
【0019】
請求項8に記載の歯科実習台は、請求項1から6のいずれかに記載の歯科咬合器を用いたので、これらの歯科咬合器の効果を歯科実習台として発揮する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の歯科咬合器、これを用いた歯科頭部模型、歯科実習台の実施の形態について、添付図面を参照しながら、説明する。
【0021】
図1(a)は本発明の歯科咬合器の一例を示す要部横断図、(b)は外観図である。この図1(a)の要部横断図は、図1(b)の歯科咬合器1の離脱手段2の取付部分の横断面図であり、また、図1(b)では見えていないが、この咬合器1に顎模型3が固定保持されている状態の横断面図である。
【0022】
この歯科咬合器1の基本的な構造は、図11の従来例の歯科咬合器101と同じであり、上顎支持体1aと下顎支持体1bとをヒンジ(図では見えていない。)で連結し、上顎支持体1aと下顎支持体1bとが相互にヒンジを中心として回動して人体の顎の開閉運動を近似的に再現できるようになっており、この支持体1a、1bに固定保持された顎模型3に植え立てられた義歯FSの咬合調整、咬合矯正をすることができる。
【0023】
この歯科咬合器1が、図11の従来例の歯科咬合器101と異なる点は、上顎支持体1aと下顎支持体1bにはそれぞれ磁石4が設けられ、これに対応して顎模型3、ここでは、上顎模型3aには、磁石4で吸着される吸着体5が設けられており、これらの磁石4と吸着体5との間の磁力により両者が固着され、これにより上顎支持体1aに上顎模型3aが固定保持されている点である。
【0024】
このような構造において、この歯科咬合器1には、磁力により固着された上顎支持体1aと上顎模型3aとのうち、上顎模型3aだけを上顎支持体1aに対して、遠ざけるように移動させる離脱手段2を設けている点を特徴とする。
【0025】
この離脱手段2は、上顎支持体1aの厚さ方向に貫通した貫通孔1aaにスライド可能に挿嵌される離脱ピン2a、この離脱ピン2aに付勢力を与える板バネ2b、この板バネ2bの一端を上顎支持体1aに固定しているビス2cから構成されている。
【0026】
離脱ピン2aは、所定形状に屈曲させた板バネ2bによって、図示するように離脱ピン2aの先端が貫通孔1aaから突出しないような位置を維持するように支えられ、この位置からずれると元に位置に戻るような付勢力が与えられている。
【0027】
このような離脱手段2は、いわゆるピン式と呼ばれるもので、離脱ピン2aを指などで推し下げるだけで、そのピンの先端が上顎模型3aの吸着板5に当接し、この吸着板5が上顎支持体1aの磁石4から離れるように、つまり、遠ざかるようにする。こうして、磁石4と吸着板5の間に隙間が生じると、双方間の磁力は急速に小さくなり、離脱ピン2aのわずかな推し下げで、上顎模型3aを上顎支持体1aから、簡単かつ迅速に離脱させることができる。また、別個に工具などを必要としないので便利である。
【0028】
なお、図1(b)では、下顎支持体1bの貫通孔1baも見えている。
【0029】
図2(a)、(b)は本発明の歯科咬合器の他例を示す要部横断図である。これより、既に説明した部分と同じ部分については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
【0030】
図2(a)の歯科咬合器1Aは、図1の歯科咬合器1に比べ、離脱手段2Aの構成だけが異なっている。
【0031】
つまり、この歯科咬合器1Aに設けられた離脱手段2Aは、テコ式と呼ぶことができるもので、上顎模型3aの貫通孔1aaに挿嵌されスライドする離脱ピン2d、この離脱ピン2dに係合し、かつ、上顎模型3a上の支点2eaを中心にテコ運動をして、この離脱ピン2dを貫通孔1aaに挿嵌された状態でスライドさせるテコ2eと、このテコ2eを図1の歯科咬合器1の離脱手段2の板バネ2bと同様に、所定位置に保持しながら付勢力を与えるバネ2fとから構成されている。
【0032】
このような構成であっても、離脱手段2Aのテコ2eを推し下げることで、上顎模型3aを上顎支持体1aから、簡単かつ迅速に離脱させることができる。また、テコ2eの支点2eaから離脱ピン2dまでの距離と、テコ2eを推し下げる力を加える位置、つまり、テコ2eの支点2eaに対する反対端までの距離とを変化させることにより、テコ2eの推し下げに必要な力と推し下げ量を適正なものに調整することができる。
【0033】
図2(b)の歯科咬合器1Bも、図1の歯科咬合器1に比べ、離脱手段2Bの構成だけが異なっている。
【0034】
つまり、この歯科咬合器1Bに設けられた離脱手段2Bは、スライド式と呼ぶことができるもので、上顎模型3aのスライド溝1abに挿嵌されスライドするスライド体2g、このスライド体2gを図1の歯科咬合器1の離脱手段2の板バネ2bと同様に、所定位置に保持しながら付勢力を与えるバネ2hとから構成されている。このスライド体2gは、その一面が上顎模型3aの吸着体5に面しており、平坦部2gaと勾配部2gbとから成り、この勾配部2gbが吸着体5に当接すると、次第に吸着体5を上顎支持体1aの磁石4から遠ざけさせるようになっている。
【0035】
このような構成であっても、離脱手段2Bのスライド体2gをスライドさせることで、上顎模型3aを上顎支持体1aから、簡単かつ迅速に離脱させることができる。また、スライド体2gの勾配部2gbの勾配を適宜調整することによって、スライド体2gをスライドさせるのに必要な力とスライド量を適正なものに調整することができる。
【0036】
図3(a)、(b)は本発明の歯科咬合器の他例を示す要部横断図、(c)は(a)の部分拡大図である。
【0037】
図3(a)の歯科咬合器1Cは、図1の歯科咬合器1に比べ、離脱手段2Cの構成だけが異なっている。
【0038】
ここで、図3(c)の部分拡大図で示すように、磁石4は、実際には、鉄製の磁石容器4bの中に、磁石体4aが収容された構造となっており、磁石容器4bの端面と吸着体5とが当接することで、磁石4と吸着体5の当接固着が達成されるようになっている。また、この際、磁石体4aの表面は、吸着体5には当接せず、わずかな隙間Sを形成するようになっている。
【0039】
このようにすると、磁石4と吸着体5の固着がより強力になると共に、通常砕けやすい性質を持つ磁性体で構成されている磁石体4aが磁石容器4bで保護され、また、磁石体4aの表面が吸着体5に当接しないので、磁石4と吸着体5の当接により、磁石体4aが損傷を受けるようなことがない。
【0040】
一方、磁石容器4bの吸着体5側を開放しているのは、磁石容器4bの端面と吸着体5とが当接した際には、これら両者で磁石体4aで励起される磁場のループを形成して、強力な磁力を発生させると共に、磁石容器4bの端面と吸着体5とがわずかでも離間した場合には、磁場のループが遮断されることにより、急激にこの磁場による磁力を低下させるからである。
【0041】
このような磁石4の構成は、既に、図1、2で説明したものでも同様である。
【0042】
この歯科咬合器1Cの離脱手段2Cは、図1、2のものと異なり、上顎模型3a側の吸着体5を移動させて遠ざけるのではなく、このような構成の磁石4の方を引っ込ませることで、上顎模型3a側の吸着体5と上顎支持体1a側の磁石4とを遠ざけるものである。
【0043】
つまり、離脱手段2Cは、上顎支持体1aの段付き貫通孔1acに収容された磁石4の磁石容器4bの底外面から延出された離脱ピン2i、この離脱ピン2iに係合し支点2jaを中心にテコ運動をするテコ2j、このテコ2jを図1の歯科咬合器1の離脱手段2の板バネ2bと同様に、所定位置に保持しながら付勢力を与えるバネ2kとから構成されている。
【0044】
このような構成であっても、離脱手段2Cのテコ2jの操作端2jbを推し下げることで、磁石4を段付き貫通孔1ac内で引き込ませ、磁石4を上顎模型3aの吸着体5に対して遠ざけることができ、上顎模型3aを上顎支持体1aから、簡単かつ迅速に離脱させることができる。
【0045】
また、この場合も、テコ2jの支点2jaから離脱ピン2iまでの距離と、テコ2jの操作端2jbまでの距離とを変化させることにより、テコ2jの推し下げに必要な力と推し下げ量を適正なものに調整することができる。
【0046】
図3(b)の歯科咬合器1Dは、図3(a)の歯科咬合器1Cに比べ、磁石4の方を引き込ませる点は同一であるが、離脱手段2Dの構成は異なり、この構成には、図2(b)の歯科咬合器1Bに設けられた離脱手段2Bのスライド式に近いものである。
【0047】
つまり、離脱手段2Dは、磁石4の磁石容器4bの底外面から延出された離脱ピン2l、上顎支持体1aのスライド溝1ad内をスライドし、この離脱ピン2lに勾配係合するスライド体2m、このスライド体2mを図1の歯科咬合器1の離脱手段2の板バネ2bと同様に、所定位置に保持しながら付勢力を与えるバネ2nとから構成されている。
【0048】
このような構成であっても、離脱手段2Dのスライド体2mをスライドさせることで、上顎模型3aを上顎支持体1aから、簡単かつ迅速に離脱させることができる。また、スライド体2mの勾配を適宜調整することによって、スライド体2mをスライドさせるのに必要な力とスライド量を適正なものに調整することができる。
【0049】
図4は、本発明の歯科咬合器と、これに固定保持される顎模型とを示す外観図である。
【0050】
この図に示した歯科咬合器1は、図1に示したものを同じものであり、上顎支持体1a、下顎支持体1bと、これらに取り付けられる上顎模型3a、下顎模型3b(それぞれ裏面、つまり、支持体1a、1bへの取付側がみえている。)が対となって示され、この部分の構造が良く解る。
【0051】
この裏面に見える複数の符号FSSは、顎模型3a,3bに植立てられる義歯FSを固定するための義歯固定ビスである。
【0052】
図5(a)、(b)は本発明の歯科咬合器の他例を示す要部横断図である。
【0053】
これらの歯科咬合器1E、1F、これらに固定保持される顎模型3A(3c)が、これまでのものに比べ、大きく異なる点は、磁石4Aが顎模型3A側に設置され、これに対応して、吸着体5Aが歯科咬合器1E、1Fの支持体1a側に設置されている点である。
【0054】
この相違点は、磁力を発生する磁石とこれに吸着される吸着体の設置側を、相互にこの磁力で固定保持される支持体と顎模型の間で入れ換えただけであり、その他の構造は、これまでのものと変わりはなく、また、同様の効果を発揮するものである。
【0055】
また、ここに示した歯科咬合器1Eは、図1の歯科咬合器1の磁石と吸着体を入れ換えたもの、歯科咬合器1Fは、図3(a)の歯科咬合器1Cの磁石と吸着体を入れ換えたものに相当するが、これら以外の歯科咬合器1A,1B,1Dについても、同様の入れ換えが可能である。
【0056】
図6は、本発明の歯科頭部模型の一例を示す外観図、図7は、図6の歯科頭部模型の顔面部を開いた状態を示す外観図である。
【0057】
この歯科頭部模型10は、図1の歯科咬合器1に、開閉式の取付ブラケット6dを用いて、頬カバー6bを備えた顔面部6aを取付け、また、後頭部6cを取付けたもので、これらの付加部を頭部模型用付加部6と称する。
【0058】
このような歯科頭部模型10は、歯科咬合器1と同様の効果を頭部模型10として発揮する。また、歯科咬合器1の替わりに、これまで説明した歯科咬合器1A、1B、1C、1D、1E、1Fのいずれも用いることができ、その場合には、それぞれの咬合器の効果を頭部模型として発揮する。
【0059】
また、顔面部6aは、随時に図7に示すように開けることができ、また、これを閉じたときには、図6に示すように、実際の人体頭部の外観に近いものとなるので、これを用いる術者、あるいは、歯科実習者は、人体頭部に近く感覚を以て、義歯の咬合調整、咬合矯正、あるいは、これらの実習を行うことができる。
【0060】
図8は、本発明の歯科実習台の一例を示す外観正面図、図9は、図8の歯科実習台の外観側面図である。
【0061】
この歯科実習台20は、実習机12に取付られた胴体模型11に、図6、7の頭部模型10を位置調整可能に取り付けたもので、診療機器13、技工機器14、診療機器13用のフートコントローラ15、技工機器14用のフートコントローラ16、照明灯17などを備え、歯科診療実習、歯科技工実習の双方を行うことができるが、その場合にも、図1の歯科咬合器1を用いているので、この咬合器1の効果を歯科実習台20として発揮する。
【0062】
また、歯科咬合器1の替わりに、これまで説明した歯科咬合器1A、1B、1C、1D、1E、1Fのいずれも用いることができ、その場合には、それぞれの咬合器の効果を歯科実習台として発揮する。
【0063】
また、この歯科実習台20は、同じ構成の実習机12を対面して、また、左右に連結して設け、これに、同様の付属機器を備えているので、実習スペースをコンパクトに利用することができる。
【0064】
図10は、本発明の歯科実習台の他例を示す外観斜視図である。
【0065】
この歯科実習台20Aは、図9の歯科実習台20と同様に、歯科咬合器1を用いた歯科頭部模型10を備えたものであるが、歯科実習台20が、歯科診療実習、歯科技工実習の双方を行うことができるものであるのに対し、歯科診療実習だけをより実地に近い感覚で行えるように構成したものである。
【0066】
このため、胴体模型11Aは、実際の歯科診療台に仰臥した患者の胴体を模したものとなっており、また、この胴体模型11Aは、実際の歯科診療台の椅子のように上下昇降可能な台座12Aに設置されている。
【0067】
また、この歯科実習台20Aには、実際の歯科診療台に備えられているトレーテーブル18が設けられ、診療機器13もより実際に近い配置で設置されている。
【0068】
こうして、この歯科実習台20Aは、診療実習をより実際に近い感覚で行うことができると共に、歯科咬合器1を用いているので、この歯科咬合器1の効果を、歯科実習台20Aとして発揮する。
【0069】
また、歯科咬合器1の替わりに、これまで説明した歯科咬合器1A、1B、1C、1D、1E、1Fのいずれも用いることができ、その場合には、それぞれの咬合器の効果を歯科実習台として発揮する。
【0070】
【発明の効果】
請求項1から4に記載の歯科咬合器によれば、磁力で固定保持された顎模型を咬合器から離脱させる離脱手段を設けているので、別個に工具を必要とせず、簡単かつ迅速に顎模型の着脱交換ができる。
【0071】
請求項5及び6に記載の歯科咬合器によれば、請求項1から4の効果に加え、離脱手段が歯科咬合器に設けられている点では同じであるが、その離脱手段内容を、磁石とこの磁石に吸着される吸着体とが顎模型、咬合器のいずれに装着されているかの咬合器と顎模型の態様に合わせ、磁石あるいは吸着体のいずれか一方を動かし、他方を移動させないで、両者を遠ざけることにより、磁力を弱め、これによって、顎模型と歯科咬合器を離脱させるようにしている点で相互に異なっている。しかしながら、効果としはいずれも請求項1から4と同様に、別個に工具を必要とせず、簡単かつ迅速に顎模型の着脱交換ができる点では共通している。
【0072】
請求項7に記載の歯科頭部模型によれば、請求項1から6のいずれかに記載の歯科咬合器を用いたので、これらの歯科咬合器の効果を歯科頭部模型として発揮する。
【0073】
請求項8に記載の歯科実習台は、請求項1から6のいずれかに記載の歯科咬合器を用いたので、これらの歯科咬合器の効果を歯科実習台として発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の歯科咬合器の一例を示す要部横断図、(b)は外観図
【図2】 (a)、(b)は本発明の歯科咬合器の他例を示す要部横断図
【図3】 (a)、(b)は本発明の歯科咬合器の他例を示す要部横断図、(c)は(a)の部分拡大図
【図4】 本発明の歯科咬合器と、これに固定保持される顎模型とを示す外観図
【図5】 (a)、(b)は本発明の歯科咬合器の他例を示す要部横断図
【図6】 本発明の歯科頭部模型の一例を示す外観図
【図7】 図6の歯科頭部模型の顔面部を開いた状態を示す外観図
【図8】 本発明の歯科実習台の一例を示す外観正面図
【図9】 図8の歯科実習台の外観側面図
【図10】 本発明の歯科実習台の他例を示す外観斜視図
【図11】 従来の歯科咬合器の一例を示す縦断面図
【符号の説明】
1 歯科咬合器
2 離脱手段
3 顎模型
4 磁石
5 吸着体
10 歯科頭部模型
20 歯科実習台
Claims (8)
- 顎模型を磁力により固定保持するようにした歯科咬合器において、
前記歯科咬合器には、顎模型を支持する顎支持体と、前記顎模型を前記磁力に抗して前記顎支持体から離脱させるための離脱手段を設けており、
前記離脱手段は、前記顎支持体に形成された孔あるいは溝と、該孔あるいは該溝にスライド可能に挿嵌される可動部とを備えており、
前記可動部を可動させることにより、前記顎模型を前記顎支持体から離脱させるように構成されていることを特徴とする歯科咬合器。 - 請求項1において、
前記離脱手段の前記孔は、前記顎支持体に厚さ方向に貫通した貫通孔で構成され、かつ前記可動部は該貫通孔にスライド可能に挿嵌される離脱ピンで構成されており、該離脱ピンを推し下げることにより、前記顎模型を前記顎支持体から離脱させるように構成されていることを特徴とする歯科咬合器。 - 請求項1において、
前記離脱手段の前記孔は、前記顎支持体に厚さ方向に貫通した貫通孔で構成され、かつ前記可動部は該貫通孔にスライド可能に挿嵌される離脱ピンで構成されており、前記離脱手段は、前記顎支持体に設けられた支点に付設されると共に該離脱ピンに係合されたテコを更に備えており、前記テコを推し下げることにより、前記顎模型を前記顎支持体から離脱させるように構成されていることを特徴とする歯科咬合器。 - 請求項1において、
前記離脱手段の溝は、前記顎支持体の幅方向に形成されたスライド溝で構成され、かつ前記可動部は該スライド溝にスライド可能に挿嵌され、平坦部及び勾配部を有するスライド体で構成されており、前記スライド体をスライドさせることにより、前記顎模型を前記顎支持体から離脱させるように構成されていることを特徴とする歯科咬合器。 - 請求項1から4のいずれかに記載の歯科咬合器において、
前記歯科咬合器には前記磁力を発生させる磁石が設置され、前記顎模型には前記磁力により吸着される吸着体が設置されており、
前記離脱手段は、前記顎模型に設置された吸着体、前記歯科咬合器に設置された磁石のいずれか一方を他方から遠ざけることにより、前記顎模型を前記歯科咬合器から離脱させるように構成されていることを特徴とする歯科咬合器。 - 請求項1から4のいずれかに記載の歯科咬合器において、
前記顎模型には前記磁力を発生させる磁石が設置され、前記歯科咬合器には前記磁力により吸着される吸着体が設置されており、
前記離脱手段は、前記顎模型に設置された磁石、前記歯科咬合器に設置された吸着体のいずれか一方を他方から遠ざけることにより、前記顎模型を前記歯科咬合器から離脱させるように構成されていることを特徴とする歯科咬合器。 - 請求項1から6のいずれかに記載の歯科咬合器を用いたことを特徴とする歯科頭部模型。
- 請求項1から6のいずれかに記載の歯科咬合器を用いたことを特徴とする歯科実習台。
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