JP3835054B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、換気ファンユニットを備えた空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、上記空気調和機の従来例として、分離型空気調和機の室内機を示す概略断面図である。本体ケーシング41内には、前面側熱交換器49と背面側熱交換器50とを逆V字状に連結して構成した室内熱交換器42が設けられている。そしてこの室内熱交換器42の逆V字に挟まれるようにして、円筒状のクロスフローファン43が配置されている。さらにこのクロスフローファン43の背部には、クロスフローファン43によって発生した気流を室内へ導くスクロール部40が形成されている。
【0003】
図3は、上記室内機の透過正面図である。以下では、同図に示される右側を単に「右側」といい、同様に同図に示される左側を単に「左側」という。同図に示すように上記クロスフローファン43は、前面側熱交換器49の下部に沿って、その軸方向が左右に延びるようにして配置されている。そして室内熱交換器42の右側に、ファンモータ45が設けられている。クロスフローファン43は、このファンモータ45で回転駆動される。上記室内熱交換器42は、その右側から補助配管46が引き出されている。この補助配管46は、室外機(図示せず)との間で冷媒回路を形成する液管及びガス管から成るものである。そしてこの補助配管46をさらに断熱被覆して、連絡配管48が形成されている。この連絡配管48は、図4に示すように上記スクロール部40背面側の配管処理スペースを通じて本体ケーシング41の右側から左側へ配設されている。そして上記連絡配管48は、本体ケーシング41の左側面に設けられた貫通孔39から室外へ引き出されている。また上記室内熱交換器42の右側の空間には、マイクロコンピュータやモータ駆動用のパワーアンプ等の電装品が配置され、さらに換気ファンユニット44が設けられている。この換気ファンユニット44は、室内空気を吸い込んでこれを室外へ排出するものである。そしてそのための通気ダクト47が、上記換気ファンユニット44に接続されている。この通気ダクト47も、図4に示すように上記スクロール部40の背面側を通じて本体ケーシング41の右側から左側へ配設されている。そして上記通気ダクト47は、上記貫通孔39から室外へ引き出されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の空気調和機では、本体ケーシング41の一方の側から連絡配管48と通気ダクト47との双方を引き出すことにより、室内と室外との間に配設する必要のあるこれら連絡配管48及び通気ダクト47の処理を容易とし、これによって据付施工性の向上が図られている。ところがこのように本体ケーシング41の一方の側から補助配管46と通気ダクト47との双方を引き出そうとすると、上記室内機では、本体ケーシング41内において右側から左側へ連絡配管48と通気ダクト47との双方を並行して配設しなければならない。そのため本体ケーシング41内には大きな配管処理スペースを確保しておかなければならず、これが室内機の小型化を阻害するという問題があった。また上記のようにスクロール部40の背面側に配管処理スペースを確保してここに連絡配管48と通気ダクト47との双方を配設する構造である場合には、次のような問題が生じていた。すなわち、上記配管処理スペースが小さくてこれに通気ダクト47と連絡配管48とを完全に収納しきれないと、室内機の設置後に壁38から室内機が浮き上がってしまい、却って据付施工性が低下してしまうのである。
【0005】
他方、据付の都合で上記貫通孔39を本体ケーシング41の右側面に設けている場合には、通気ダクト47も連絡配管48もスクロール部40の背面側を通す必要がない。従って上記のような問題が生じることもない。しかしながらそのような場合でも、室内熱交換器42の右側方にファンモータ45、換気ファンユニット44、電装品が偏在している。そのため室内機の重量が右側に偏ってバランスが崩れ、これが異常振動の一因になるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、異常振動の発生を抑制することが可能であり、また機器の小型化を図ることも可能な空気調和機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の空気調和機は、本体ケーシング1内に、熱交換器2と、クロスフローファン3を回転駆動するファンモータ5と、換気ファンユニット4とを有する空気調和機において、上記ファンモータ5を上記熱交換器2の一方の側に、上記換気ファンユニット4を上記熱交換器2の他方の側に配置し、上記熱交換器2は、本体ケーシング1の内外を貫いて配置される補助配管6を有し、この補助配管6の引出側を上記ファンモータ5と同じ側に配置し、上記換気ファンユニット4は、本体ケーシング1の内外を貫いて配置される通気ダクト7を有し、この通気ダクト7を上記ファンモータ5とは反対側に配置したことを特徴としている。
【0008】
上記請求項1の空気調和機では、ファンモータ5を上記熱交換器2の一方の側に、また、換気ファンユニット4を熱交換器2の他方の側に、それぞれ配置したので、換気ファンユニット4とファンモータ5との重量のバランスをとることができる。従って重量バランス崩れによる異常振動の発生を抑制することができる。また換気ファンユニット4と補助配管6とによって、重量バランスを図ることが可能となる。
【0009】
また請求項2の空気調和機は、上記熱交換器2のいずれかの側方から上記補助配管6及び通気ダクト7の双方を本体ケーシング1の外部に引き出すようにしたことを特徴としている。
【0010】
上記請求項2の空気調和機においては、補助配管6と通気ダクト7とを熱交換器2のいずれの側方から本体ケーシング1外に引き出しても、熱交換器2の一方の側部から他方の側部へ配設されるのを、補助配管6と通気ダクト7のうちいずれかのみとすることが可能となる。すなわち、補助配管6と通気ダクト7とを熱交換器2のいずれの側方から本体ケーシング1外に引き出しても、熱交換器2の一方の側部から他方の側部へ配設されるのは、補助配管6と通気ダクト7のうちいずれかのみとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の空気調和機の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図1は、上記空気調和機の室内機を示す透過正面図である。以下では、同図に示される右側を単に「右側」といい、同様に同図に示される左側を単に「左側」という。本体ケーシング1内には室内熱交換器2が設けられているが、この室内熱交換器2は、上記従来例と同様に、前面側熱交換器9と背面側熱交換器(図示せず)とを逆V字状に連結して構成したものである。そしてこの室内熱交換器2の逆V字に挟まれるようにして、円筒状のクロスフローファン3が配置されている。さらにこのクロスフローファン3の背部には、クロスフローファン3によって発生した気流を室内へ導くスクロール部(図示せず)が形成されている。また上記クロスフローファン3は、上記前面側熱交換器9の下部に沿って、その軸方向が左右に延びるようにして配置されている。そして室内熱交換器2の右側にファンモータ5が設けられ、このファンモータ5でクロスフローファン3を回転駆動するようになっている。
【0013】
上記室内熱交換器2は、その右側から補助配管6が引き出されている。この補助配管6は、室外機(図示せず)との間で冷媒回路を形成する液管及びガス管から成るものである。そしてこの補助配管6に断熱被覆して、連絡配管8が形成されている。この連絡配管8は、上記スクロール部の背面側の配管処理スペースを通って本体ケーシング1の右側から左側へ配設される。そして本体ケーシング1の左側面に設けられた貫通孔10から室外へ引き出されている。また上記室内熱交換器2の右側の空間には、マイクロコンピュータやモータ駆動用のパワーアンプ等の電装品が配置されている。
【0014】
一方、上記室内熱交換器2の左側方には、換気ファンユニット4が設けられている。この換気ファンユニット4は、室内空気を吸い込んでこれを室外へ排出するものである。そしてそのために排気を流通させる通気ダクト7が、上記換気ファンユニット4に接続されている。この排気ダクト7は、上記貫通孔10から室外へ引き出されている。
【0015】
上記室内機では、本体ケーシング1の左側面に貫通孔10が設けられるとともに、換気ファン4を室内熱交換器2の左側方に配置している。補助配管6は室内熱交換器2の右側から引き出されるから、連絡配管8は本体ケーシング1の右側から左側へ配設されている。しかしながら排気ダクト7は本体ケーシング1内において左右に配設されることなく、換気ファン4近傍に設けられた貫通孔10から本体ケーシング1の外部に引き出される。従ってスクロール部の背面側に形成された配管処理スペースには連絡配管8だけが配設されることになる。従って本体ケーシング1内に形成された上記配管処理スペースが比較的小さい場合であっても、このスペースに連絡配管8を確実に収納でき、据付後に壁から室内機が浮き上がるなどの問題が生じることもない。従って良好な据付施工性を確保しつつ、機器の小型化を図ることができる。また換気ファン4を室内熱交換器2の左側に配置しているので、室内熱交換器2の右側に配置されたファンモータ5、補助配管6、電装品と重量のバランスをとることができる。従って重量バランス崩れによる異常振動の発生を抑制することができる。
【0016】
図2は、上記室内機の変形例である。この室内機では、貫通孔10を本体ケーシング1の右側面に設けている。そのため通気ダクト7が、スクロール部の背面側の配管処理スペースを通って本体ケーシング1の左側から右側へ配設される。その一方、連絡配管8はスクロール部の背面側に配設されず、そのまま上記貫通孔10から室外へ引き出される。この場合、本体ケーシング1内の上記配管処理スペースには通気ダクト7だけが配設されるから、このスペースが比較的小さい場合でも通気ダクト7を確実に収納でき、据付後に壁から室内機が浮き上がるなどの問題が生じることもない。従って機器の小型化を図りつつ、良好な据付施工性を害することはない。また重量バランス崩れによる異常振動の発生を抑制することができるのは、上記と同様である。
【0017】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。上記では、壁掛型の室内機に本発明を適用した。しかしながら本発明によれば、通気ダクトと連絡配管とが本体ケーシング内で重なり合って配設されるのを回避でき、これによって機器の小型化を図ることができるのであるから、他の形式の空気調和機に本発明を適用した場合にも、その優れた効果を得ることができる。また、上記では室内空気を室外へ排出する換気ファンユニットを用いたが、室内空気と室外空気とを交換するような換気ファンユニットを用いてもよい。
【0018】
【発明の効果】
上記請求項1の空気調和機では、ファンモータを上記熱交換器の一方の側に、また、換気ファンユニットを熱交換器の他方の側に、それぞれ配置したので、換気ファンユニットとファンモータとの重量のバランスをとることができる。従って重量バランス崩れによる異常振動の発生を抑制することができる。また補助配管と換気ファンユニットとで重量バランスが図られるので、重量の偏在によって生じる異常振動を抑制することが可能となる。
【0019】
また上記請求項2の空気調和機では、本体ケーシングのいずれの側部から補助配管と通気ダクトとを引き出しても、熱交換器の一方の側部から他方の側部へ配設されるのを、補助配管又は通気ダクトのいずれかのみとすることができる。従って補助配管と通気ダクトとが本体ケーシング内で重なり合って配設されることは回避され、機器の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の空気調和機の透過平面図である。
【図2】上記空気調和機の変形例の透過正面図である。
【図3】従来例の空気調和機の透過正面図である。
【図4】従来例の空気調和機の概略断面図である。
【符号の説明】
1 本体ケーシング
2 室内熱交換器
4 換気ファンユニット
6 補助配管
7 通気ダクト
Claims (2)
- 本体ケーシング(1)内に、熱交換器(2)と、クロスフローファン(3)を回転駆動するファンモータ(5)と、換気ファンユニット(4)とを有する空気調和機において、上記ファンモータ(5)を上記熱交換器(2)の一方の側に、上記換気ファンユニット(4)を上記熱交換器(2)の他方の側に配置し、上記熱交換器(2)は、本体ケーシング(1)の内外を貫いて配置される補助配管(6)を有し、この補助配管(6)の引出側を上記ファンモータ(5)と同じ側に配置し、上記換気ファンユニット(4)は、本体ケーシング(1)の内外を貫いて配置される通気ダクト(7)を有し、この通気ダクト(7)を上記ファンモータ(5)とは反対側に配置したことを特徴とする空気調和機。
- 上記熱交換器(2)のいずれかの側方から上記補助配管(6)及び通気ダクト(7)の双方を本体ケーシング(1)の外部に引き出すようにしたことを特徴とする請求項1の空気調和機。
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JP10380199A JP3835054B2 (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | 空気調和機 |
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Family Applications (1)
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JP10380199A Expired - Lifetime JP3835054B2 (ja) | 1999-04-12 | 1999-04-12 | 空気調和機 |
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Country | Link |
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-
1999
- 1999-04-12 JP JP10380199A patent/JP3835054B2/ja not_active Expired - Lifetime
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