JP3834545B2 - 送り装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は送り装置に係り、とくに伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚を備え、このような駆動脚の伸縮変形部と剪断変形部の変形を利用して可動子を送るようにした送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特公平3−81119号公報には、伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚を備え、伸縮変形部を伸長させて駆動脚の先端部を可動子または固定側に接触させた状態で剪断変形部を送り方向または逆方向に剪断変形させて可動子を送るようにした送り装置が開示されている。
【0003】
このような送り装置は、人間の足による歩行の原理と類似の方法によって可動子を送るものであって、駆動脚の先端側の部分を可動子または固定側と接触させて剪断変形を起させると、駆動脚の先端部と可動子または固定側との間に発生する摩擦力によって可動子が送られるものである。従って駆動脚が可動子または固定側との間に所定の摩擦力を発生するように、重力あるいはばねの押圧力によって駆動脚の先端部が可動子または固定側に接触するようにしている。
【0004】
【先行特許文献】 特公平3−81119号公報
【発明が解決しようとする課題】
このように特公平3−81119号公報に開示されている送り装置は、伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚の上記伸縮変形部の伸縮変形と剪断変形部の剪断変形の組合わせによって歩行の原理と類似の動作を行なうことによって可動子を送るものであって、従来公知の共振型の超音波モータとは全く別の原理によるものである。そしてこのような送り装置はその送り量の精度が高いという特徴を有している。
【0005】
ところが極めて微小であって、例えば1μm以下の送りを実現しようとする場合に、伸縮変形部の伸縮変形と剪断変形部の剪断変形とを組合わせた場合には、逆に無駄な振動を発生し、しかも複数の駆動脚の交互の送り動作によって送り精度が劣化する。従って微小量の高精度な送りを行なうのに対して限界を生ずる。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚から成る送り装置において、とくに微小な高精度の送りを達成するようにした送り装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願の主要な発明は、伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚を備え、前記伸縮変形部の伸縮変形と前記剪断変形部の剪断変形とを組合わせ、前記駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて該可動子を所定の方向に送るようにした送り装置において、
前記駆動脚の基端側が、支持ブロックを介して張力を付与された状態で張設された鋼板上に取付けられ、
しかも前記可動子の移動量を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出に応じて送り量を出力する検出回路と、を備え、
前記可動子の送り量が前記剪断変形部の最大変形量よりも少い微小送りの場合には前記伸縮変形部を伸長させて前記駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて前記剪断変形部の剪断変形動作のみによって前記可動子を送ることを特徴とする送り装置に関するものである。
【0008】
本願の別の主要な発明は、伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて該可動子を所定の方向に送るようにした装置において、
前記駆動脚の基端側が、支持ブロックを介して張力を付与された状態で張設された鋼板上に取付けられ、
しかも前記可動子の移動量を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出に応じて送り量を出力する検出回路と、
前記検出回路によって出力された送り量が所定の値よりも大きいかどうかを判断する判断手段と、を備え、
前記可動子の送り量が所定の値よりも大きいときには前記伸縮変形部の伸縮変形と前記剪断変形部の剪断変形とを組合わせて前記可動子を送り、
前記可動子の送り量が所定の値よりも小さいときには前記伸縮変形部を伸長させて前記剪断変形部の剪断変形動作のみによって前記可動子を送ることを特徴とする送り装置に関するものである。
【0009】
ここで前記可動子の送り量がほぼ1μm以下のときに前記剪断変形部の前記剪断変形動作のみによって前記可動子を送るようにすることが好ましい。またステージの所定の軸方向のアクチュエータであることが好適である。
【0010】
本願に含まれる発明の好ましい態様は、X軸方向およびY軸方向のテーブルを有するステージにおいて、X軸方向およびY軸方向のアクチュエータとして伸縮変形部と剪断変形部とを有する複数の駆動脚を有する駆動ユニットを用いるようにし、このような駆動ユニットの上記駆動脚の伸縮変形部の伸縮変形と剪断変形部の剪断変形の組合わせによってX軸方向のテーブルの可動子とY軸方向のテーブルの可動子とをそれぞれ送るようにしたものである。そしてここでとくに、送り量が微小な場合、例えば1μm以下のときには、伸縮変形部を伸長したままの状態にして駆動脚の先端を可動子に圧着し、剪断変形部の剪断変形動作のみによって可動子を送るようにしたものである。
【0011】
このような構成に係るステージによると、とくに所定の位置まで移動した後に最終的な送り量あるいはストロークの調整が、極めて高精度に行なわれるようになり、高精度な位置決めが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図示の一実施の形態によって説明する。本実施の形態は、精密送りのためのX−Yステージ装置に関するものである。このステージ装置は図1に示すようにX軸ベース8と、X軸ステージ9と、Y軸ベース10と、Y軸ステージ11とから構成されている。X軸ステージ9はX軸ベース8上においてX軸方向に移動可能に支持されている。そしてX軸ステージ9上にY軸ベース10が固定されている。そしてY軸ステージ11はY軸ベース10にY軸方向に移動可能に支持されている。このような構成によって、2軸ステージ、すなわちX−Yステージを可能にしている。
【0013】
図2〜図5はX軸ベース8とX軸ステージ9との組合わせ、すなわちX軸ベース8上においてX軸ステージ9をX軸方向に移動するための機構を示している。これに対して図6〜図9はY軸ステージ11をY軸ベース10に対してY軸方向に移動可能に支持する機構を示している。これらX軸方向の送り機構およびY軸方向の送り機構は同様の構造をなしているので、ここでは図6〜図9に示すY軸ステージ11の移動機構について説明する。
【0014】
Y軸ベース10上には、その両側に一対のレール12が設けられている。これに対してY軸ステージ11の下面にはとくに図8および図9に示すように、その両側にレール13が設けられている。なお図6においてはステージ11側のレール13を便宜上ベース10の上に重ねて示している。ベース10側のレール12とステージ11側のレール13とはとくに図9に示すように、その側面が互いに対向するように位置し、しかもこれらのレール12、13間に転動子14が介装されるようになっている。そしてレール12、13、および転動子14によっていわゆるクロスローラが構成されるようになっており、このようなクロスローラによってY軸ステージ11はY軸ベース10上をレール12、13の長さ方向すなわちY軸方向に摺動可能に支持される。
【0015】
ベース10上には図6および図9に示すように、互いに対向するように一対の駆動ユニット18が配される。これらの駆動ユニット18はその両側の部分を押え板19によってベース10に固定される。そしてこれら一対の駆動ユニット18は駆動脚21、22を有している。なおこれらの駆動脚21、22はそれぞれ図10に示すように、伸縮変形部23と剪断変形部24とを備えている。伸縮変形部23はその伸縮方向、すなわち長さ方向に分極され、これに対して剪断変形部24は横方向に分極されている。
【0016】
両側の駆動ユニット18の駆動脚21、22によって挟着されるように、ステージ11の下面には図6および図9に示す角柱状をなすセラミック板から成る可動子27が取付けられている。従ってこのような可動子27を駆動ユニット18の駆動脚21、22によって送ることにより、可動子27が取付けられているステージ11がレール12、13に案内されながら可動子27の長さ方向すなわちY軸方向に移動するようになる。
【0017】
このようなステージ11あるいは可動子27の移動を図7〜図9に示すリニアスケール28で検出するようにしている。リニアスケール28は上記可動子27の下面に固着されている。そしてこのようなリニアスケール28を検出する検出ヘッド29がベース10上に取付けられている。すなわち検出ヘッド29はヘッドベース30に保持されるとともに、このヘッドベース30がベース10の開口31に臨むように取付けられている。なおリニアスケール28に代えてレーザ干渉計によって移動量の検出を行なうようにしてもよい。
【0018】
次にこのようなステージ11のストロークを検出する検出装置について説明する。ベース10上には図6に示すように、レール12に近接する位置にリミットセンサ35が設けられている。そしてこのリミットセンサ35は図9に示すように、ステージ11の下面にブラケット36を介して取付けられている被検出板37を光学的に検出するようになっている。
【0019】
上述の如く図2〜図5に示すX軸ステージ9の移動機構もY軸ステージ11の上述の移動機構とほぼ同一の構成になっている。なおここでとくにX軸ステージ9上にはY軸ベース10とY軸ステーシ11とが載置されるために送りの際の負荷が増大する。このような負荷の増大に対応して、図2に示すように、可動子27を駆動するために、その両側にそれぞれ一対ずつの駆動ユニット18を設けるようにしている。それ以外の構成は上記Y軸ステージ11の駆動機構と同様である。
【0020】
次に駆動ユニット18の駆動脚21、22の取付け構造について図10〜図13によって説明する。駆動ユニット18をベース10上に取付けるための取付け台46が設けられている。取付け台46はその左右にそれぞれ2本ずつのボルト挿通孔47を備え、このようなボルト挿通孔47を挿通するボルトによってベース10上に固定されるようになっている。また取付け台46の前面側には凹部48が形成されており、この凹部48の部分に駆動脚21、22が配置されるようになっている。
【0021】
凹部48の表面であって前面側の部分には、例えば厚さが0.2mmのステンレス鋼板(SUS304)49が張設されている。そしてこのようなステンレス鋼板49上に支持ブロック50が固着されており、この支持ブロック50上に4本の駆動脚21と同じく4本の駆動脚22とが2列に配列されて取付けられている(図10および図11参照)。
【0022】
図12および図13に示すように支持ブロック50の背面側であってステンレス鋼板49が接合される部分には4つの円形の凹部54が形成され、これらの円形の凹部54にはそれぞれコイルばねから成る押圧ばね55が挿入されている。そしてこのような押圧ばね55は上記ステンレス鋼板49に形成された円形の開口56を挿通するようになっている。
【0023】
押圧ばね55の背面側の端部はばね受け57によって受けられるようになっている。ばね受け57は背面側へ突出するようにボルト58を備え、このボルト58が取付け台46に形成されている雌ねじ孔59に螺合されている。従って雌ねじ孔59に螺合するボルト58のねじ込み量を調整することによって、ばね受け57の軸線方向の位置が調整されるようになり、押圧ばね55による支持ブロック50の押圧力を任意に調整できるようになる。
【0024】
次に上記駆動ユニット18の駆動回路の構成を図14によって説明する。駆動ユニット18の駆動脚21、22は制御回路41および対応する駆動回路42、43を介して駆動されるようになっている。制御回路41を介して駆動回路42、43により駆動ユニット18の駆動脚21、22の伸縮変形部23および剪断変形部24にそれぞれ所定の電圧をパルス状に加えることによって、駆動脚21、22が駆動力を発生し、このような駆動力に基いて可動子27が送り方向に駆動され、この可動子27が取付けられているステージ11が送り方向に移動される。そしてこのときの移動量がリニアスケール28および検出ヘッド29によって検出され、検出回路73を通して制御回路41にフィードバックされる。従って制御回路41はステージ11の移動量をフィードバック制御しながら所定の位置へ送るようになる。
【0025】
次に以上のような構成のステージ装置のY軸ベース10上のY軸ステージ11の送り動作について説明する。図14および図15はベース10上に設けられている駆動ユニット18によってステージ11を駆動する機構を原理的に示している。ここで駆動ユニット18の駆動脚21、22の伸縮変形部23および剪断変形部24は互いに逆相でかつ交互に作動されるようになっており、これら一対の駆動脚21、22の先端部がステージ11の可動子27を蹴るようにしてステージ11をY軸方向に送るようにしている。
【0026】
ここで駆動脚21の伸縮変形部23に電圧が加えられると伸長し、この駆動脚21の先端側の部分が可動子27に接触する。そしてこの状態において剪断変形部24を剪断変形させることによって、駆動脚21の先端部が送り方向に可動子27に駆動力を与える。なおこのときに反対側の駆動脚22の伸縮変形部23が収縮しているために、駆動脚22はその先端部が可動子27から離間している。そしてこのように先端部が可動子27から離間している駆動脚22の剪断変形部24は、次の駆動に備えて逆方向に剪断変形を行なっている。
【0027】
このような動作が2本の駆動脚21、22に交互にかつ順次繰返されることによって、可動子27を有するY軸ステージ11が図14において矢印で示すY軸方向に移動される。なおこのときにレール12および転動子14によってステージ11の案内が行なわれる。
【0028】
このような駆動ユニット18の駆動脚21、22による可動子27の駆動によって、可動子27が取付けられているY軸ステージ11が図6〜図8において横方向、すなわちY軸方向に移動される。そしてこのようなステージ11の移動は、可動子27の底部に取付けられているリニアスケール28の目盛をベース10の開口31の部分にヘッドベース30を介して取付けている検出ヘッド29によって読取られるようになる。
【0029】
従ってこのことから、駆動ユニット18によって移動されるステージ11の位置がリニアスケール28および検出ヘッド29によって検出される。またこのときのステージ11の最大ストロークは、ベース10側に設けられている一対のリミットセンサ35によって検出される位置で規制される。Y軸方向にステージ11が大きく移動すると、被検出板37がリミットセンサ35によって検出され、その位置でステージ11の駆動が停止する。従ってこれにより、クロスローラを構成する一対のレール12、13間に配されている転動子14が脱落することがない。
【0030】
以上の動作はY軸ステージ11の駆動動作であるが、図2〜図5に示すX軸ステージ9も同様に駆動される。すなわちベース8上に設けられている左右一対ずつであって合計4個の駆動脚18(図2参照)によってX軸ステージ9をX軸方向に駆動することによって、X軸ステージ9がX軸方向に駆動されるようになる。従ってこのようなX軸ステージ9のX軸方向の駆動とY軸ステージ11のY軸方向の駆動とによって、X−Yステージが構成され、X軸方向およびY軸方向の任意の位置決めが行なわれる。
【0031】
このようにしてステージ11の可動子27を送る駆動ユニット18の駆動脚21、22は図10〜図13に示す支持装置によってベース10側に取付けられている。ここでとくに駆動脚21、22が支持ブロック50の前面側に固着されるとともに、支持ブロック50が取付け台46上に張設されたステンレス鋼板49に取付けられており、しかも背面側から押圧ばね55によって支持ブロック50が前面側に押圧されるようになっている。
【0032】
従ってこのような支持構造を有する駆動ユニット18によれば、とくにステンレス鋼板49の厚さ方向の微小な変形によって、駆動脚21、22と可動子27との間のギャップを任意に調整することが可能になり、駆動脚21、22が常に正しく可動子27の表面に接触することになる。従って駆動脚21、22の伸縮変形部23が伸長した状態で剪断変形部24が剪断変形を行なったときに、駆動脚21、22の先端部と可動子27との間の摩擦力によって可動子27を確実に送り方向に正しく送ることが可能になる。
【0033】
またこのように駆動脚21、22の剪断変形部24が剪断変形を起したときに駆動脚21、22が受ける反力は支持ブロック50を介してステンレス鋼板49で受けられる。ステンレス鋼板49は取付け台46の凹部48の前面側に張設されており、所定の張力をもって取付け台46上に取付けられている。従って駆動脚21、22に剪断変形部24の変形に伴う反力が発生しても、このような反力がステンレス鋼板49によって拘束される。
【0034】
従って押圧ばね55による押圧力とは直角方向の慣性モーメントをステンレス鋼板49の剛性によって受けることが可能になり、このために押圧ばね55の押圧方向と直角方向のブレを抑制し、これによって不要な振動の発生を抑えることが可能になる。従って駆動ユニット18によって可動子27を介してステージ11を円滑に送ることが可能になり、円滑でかつ正確な送り動作が達成されるステージ装置が提供される。
【0035】
このように本実施の形態のステージ9、11のX軸方向およびY軸方向の駆動ユニット18はともに図15に示すような駆動脚21、22を備え、これらの駆動脚21、22の伸縮変形部23の伸縮変形と剪断変形部24の剪断変形とを組合わせて、人間の足による歩行の原理と類似の方法によって可動子27を送るようにしている。なお伸縮変形部23と剪断変形部24の運動は図14に示す制御回路41内のとくにCPUの制御によって達成される。
【0036】
しかも本実施の形態においては、各駆動ユニット18は微小送りを行なう場合に、図16に示すような微小送りモードに切換えられる。すなわち図15に示す通常の送りモードの他に、図16に示すような微小送りモードへの切換えを可能にしている。
【0037】
図16に示す微小送りモードの特徴は、伸縮変形部23が常に伸縮した状態にあり、剪断変形部24の剪断変形のみによって可動子27を送ることを特徴とする。すなわち剪断変形部24の最大剪断変形量よりも少ない送り量の場合には、図15に示すような歩行動作を行なうことは必要でないばかりかむしろ精度を劣化させる原因になる。そこで剪断変形部24の最大変形量よりも少ない微小送りの場合には、図16に示すように伸縮変形部23を伸長させて剪断変形部24の先端部であって駆動脚21、22の先端部を可動子27に接触させた状態で、剪断変形部24の剪断変形のみによって可動子27を送る。従って運動が極めて単純であってしかも高精度な微小送りが可能になる。なお送り量は制御回路41のCPUによって制御され、制御回路41が駆動回路43を介して剪断変形部24に加える電圧を制御することによって達成される。
【0038】
図17は制御回路41内のCPUによる通常の送りモードと微小送りモードの切換えの制御動作を示している。制御装置41は検出回路73から送り量の読込みを行なうとともに、必要とする送り量が1μm以上かどうかの判断を行なう。そして送り量が1μm以上の場合には通常の非共振送りモードで送る。このときの駆動脚21、22の動作は図15に示される。これに対して送り量が1μm以下の場合には図16に示す微小送りモードとする。従って伸縮変形部23が伸長したままで剪断変形部24の剪断変形のみで微小送りが達成され、無駄な動きや振動がなくなるとともに、高精度の微小送りが達成される。従ってとくにステージ9、11の最終位置決めに図16に示す微小送りモードを使うのが好ましい。
【0039】
本実施の形態に係るX−Yステージによれば、X軸ベース8およびY軸ベース10にそれぞれ設けられている駆動ユニット18から成るアクチュエータによって粗動と微動とを行なうことが可能になり、ステージ9、11を所定の位置の近傍まで送った後に最終的な位置決めを微小送りモードで行なうことによって高精度な位置決めが達成される。しかも微小送りモードにおいては剪断変形部24の剪断変形のみによって位置決めが行なわれるために、位置決めの微動時のエネルギロスが少なくなる。また微小送りモードにおいて伸縮変形部23は伸長したままに状態に維持されるために駆動脚21、22の発熱が少なくなる。また微小送りモードにおいては剪断変形部24が可動子27に圧着した状態で剪断変形を行なうだけであるから駆動脚21、22の先端部あるいは可動子27の摩耗が低減される。
【0040】
以上本願発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願に含まれる発明の技術的思想の範囲内で各種の変更が可能である。例えば上記実施の形態は、ステージの送り装置に関するものであるが、本願発明はその他各種の送り装置に広く適用可能である。また上記実施の形態においては取付け台46の支持ブロック50に駆動脚21、22が取付けられ、その先端側であって剪断変形部24の先端部が可動子27を送るようにしているが、可動子27側に駆動脚21、22を設け、その先端部が平坦な台の上を歩行するように変形しながら送るようにしてもよい。また移動量の検出のためにリニアスケール28に代えて、レーザ干渉計等の他の検出手段を用いてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本願の主要な発明は、伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚を備え、伸縮変形部の伸縮変形と剪断変形部の剪断変形とを組合わせ、駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて該可動子を所定の方向に送るようにした送り装置において、駆動脚の基端側が、支持ブロックを介して張力を付与された状態で張設された鋼板上に取付けられ、しかも可動子の移動量を検出する検出手段と、検出手段の検出に応じて送り量を出力する検出回路と、を備え、可動子の送り量が剪断変形部の最大変形量よりも少い微小送りの場合には伸縮変形部を伸長させて駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて剪断変形部の剪断変形動作のみによって可動子を送るようにしたものである。
【0042】
従ってこのような送り装置によれば、可動子の送り量が微小な場合には伸縮変形部を伸長させて駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて剪断変形部の剪断変形動作のみによって可動子が送られるようになり、伸縮変形部が変形しないために無駄な動きや振動がなくなるとともに、剪断変形部の剪断変形量によって高精度な微小送りが達成される。
【0043】
本願の別の主要な発明は、伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて該可動子を所定の方向に送るようにした装置において、駆動脚の基端側が、支持ブロックを介して張力を付与された状態で張設された鋼板上に取付けられ、しかも可動子の移動量を検出する検出手段と、検出手段の検出に応じて送り量を出力する検出回路と、検出回路によって出力された送り量が所定の値よりも大きいかどうかを判断する判断手段と、を備え、可動子の送り量が所定の値よりも大きいときには伸縮変形部の伸縮変形と剪断変形部の剪断変形とを組合わせて可動子を送り、可動子の送り量が所定の値よりも小さいときには伸縮変形部を伸長させて剪断変形部の剪断変形動作のみによって可動子を送るようにしたものである。
【0044】
従って可動子の送り量が所定の値よりも大きい場合には伸縮変形部の伸縮変形と剪断変形部の剪断変形とを組合わせて可動子を比較的高速でしかも任意のストローク送ることが可能になる。これに対して可動子の送り量が所定の値よりも小さい場合には、伸縮変形部を伸長させて剪断変形部の剪断変形動作のみによって可動子を送ることになり、このために無駄な動きがなくなるとともに高精度の微小送りが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X−Yステージの分解斜視図である
【図2】X軸ステージ装置のベースの平面図である。
【図3】X軸ステージ装置の図2におけるA−A線断面図である。
【図4】X軸ステージの底面図である。
【図5】X軸ステージ装置の図2におけるB−B線断面図である。
【図6】Y軸ステージ装置のベースの平面図である。
【図7】Y軸ステージ装置の図6におけるC−C線断面図である。
【図8】Y軸ステージの底面図である。
【図9】Y軸ステージ装置の図6におけるD−D線断面図である。
【図10】駆動ユニットの外観斜視図である。
【図11】同駆動ユニットの正面図である。
【図12】図11におけるE〜E線断面図である。
【図13】図11におけるF〜F線断面図である。
【図14】駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図15】駆動脚による通常の送り動作の原理を示す正面図である。
【図16】微小送りモードにおける駆動脚による送り動作の原理を示す正面図である。
【図17】微小送りモードの制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
8 ベース(X軸)
9 ステージ(X軸)
10 ベース(Y軸)
11 ステージ(Y軸)
12 レール(ベース側)
13 レール(ステージ側)
14 転動子
18 駆動ユニット
19 押え板
21、22 駆動脚
23 伸縮変形部
24 剪断変形部
27 可動子(セラミック板)
28 リニアスケール
29 検出ヘッド
30 ヘッドベース
31 開口
35 リミットセンサ(ストローク検出器)
36 ブラケット
37 被検出板
41 制御回路
42、43 駆動回路
46 取付け台
47 ボルト挿通孔
48 凹部
49 ステンレス鋼板
50 支持ブロック
54 円形の凹部
55 押圧ばね
56 開口
57 ばね受け
58 ボルト
59 雌ねじ孔
73 検出回路

Claims (4)

  1. 伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚を備え、前記伸縮変形部の伸縮変形と前記剪断変形部の剪断変形とを組合わせ、前記駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて該可動子を所定の方向に送るようにした送り装置において、
    前記駆動脚の基端側が、支持ブロックを介して張力を付与された状態で張設された鋼板上に取付けられ、
    しかも前記可動子の移動量を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出に応じて送り量を出力する検出回路と、を備え、
    前記可動子の送り量が前記剪断変形部の最大変形量よりも少い微小送りの場合には前記伸縮変形部を伸長させて前記駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて前記剪断変形部の剪断変形動作のみによって前記可動子を送ることを特徴とする送り装置。
  2. 伸縮変形部と剪断変形部とを有する駆動脚の先端部を可動子または固定側と接触させて該可動子を所定の方向に送るようにした装置において、
    前記駆動脚の基端側が、支持ブロックを介して張力を付与された状態で張設された鋼板上に取付けられ、
    しかも前記可動子の移動量を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出に応じて送り量を出力する検出回路と、
    前記検出回路によって出力された送り量が所定の値よりも大きいかどうかを判断する判断手段と、を備え、
    前記可動子の送り量が所定の値よりも大きいときには前記伸縮変形部の伸縮変形と前記剪断変形部の剪断変形とを組合わせて前記可動子を送り、
    前記可動子の送り量が所定の値よりも小さいときには前記伸縮変形部を伸長させて前記剪断変形部の剪断変形動作のみによって前記可動子を送ることを特徴とする送り装置。
  3. 前記可動子の送り量がほぼ1μm以下のときに前記剪断変形部の前記剪断変形動作のみによって前記可動子を送ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送り装置。
  4. ステージの所定の軸方向のアクチュエータであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の送り装置。
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