JP3834288B2 - 超伝導装置 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、回転軸線を中心として回転可能に支承され、少なくとも1つの超伝導巻線を有し、この超伝導巻線の導体が熱を伝導するように構成された巻線支持体内に配置されているロータと、超伝導巻線に熱的に結合された少なくとも1つの低温ヘッドを有する低温ユニットとを備える超伝導装置に関する。このような装置は米国特許第5,482,919号明細書から公知となっている。
【0002】
非常に低い遷移温度TCを有しているために低温(Low)TC超伝導材料またはLTS材料と呼ばれる、例えばNbTiやNb3Snのような以前から知られている金属の超伝導材料に加えて、1987年以来、77Kを超える遷移温度をもつ金属酸化物の超伝導材料が知られている。後者の材料は、高温(High)TC超伝導材料またはHTS材料とも呼ばれ、液体窒素(LN2)を用いた冷却技術を原理的に可能にするものである。
【0003】
このようなHTS材料を利用した導体によって、超伝導巻線を製作することが試みられている。しかしながら、これまで知られている導体は、テスラ領域のインダクションを備える磁場では電流容量が比較的低いことが判明している。そのためにこのような巻線の導体は、使用している材料の遷移温度自体が高いにもかかわらず、77K以下の低い温度レベル、例えば10〜50Kの間に保って、数テスラの磁界強度でかなりの電流に耐えることができるようにすることが必要になる場合が少なくない。このような温度レベルは、一方では、Nb3Snのような公知の金属超伝導材料を冷却する液体ヘリウム(LHe)の沸騰温度である4.2Kよりは明らかに高い。しかし他方では、LN2による冷却は導体損失が大きいので不経済である。沸騰温度が20.4Kの水素や、沸騰温度が27.1Kのネオンといった他の液状化ガスは、危険性があったり利用性に欠けたりしているので考慮の対象にならない。
【0004】
そこで、HTS導体を備える巻線を前述した温度領域で冷却するには、閉じたHe圧縮ガス循環路をもつ極低温冷凍機の形態の低温ユニットが好んで用いられる。このような極低温冷凍機は、特にギホード・マクマホン(Gifford−McMahon)型またはスターリング型であり、あるいは、いわゆるパルス管冷凍機として構成されている。さらにこのような冷却ユニットはいわばボタンを押すだけで冷却能力を利用することができ、利用者は極低温の液体を取り扱わなくてすむという利点がある。このような冷却ユニットを使う場合、例えば磁気コイルや変圧器巻線といった超伝導装置は、冷凍機の低温ヘッドに熱伝導することによって間接的に冷却するしかない(例えば「roc.16th Int.Cryog.Engng.Conf.(ICEC16)」,Kitakyushu,JP,20.−24.05.1996,Elsevier Science出版社、1997、1109から1129頁参照)。
【0005】
このような冷却技術は、冒頭に挙げた米国特許明細書から読み取ることができる電気機械の超伝導ロータ用としても意図されている。このロータはHTS導体からなる回転する巻線を含んでおり、この巻線は、スターリング冷凍機またはギホード・マクマホン冷凍機またはパルス管冷凍機として構成された低温ユニットによって、30〜40Kの間の所望の動作温度に保たれるのが望ましい。そのために低温ユニットは、1つの特別な実施例では、同明細書には詳しくは説明されていない一緒に回転する低温ヘッドを含んでおり、この低温ヘッドの低温側が、熱伝導部材を介して巻線に間接的に熱的に結合されている。さらに、公知の機械の低温ユニットはロータの外部にあるコンプレッサユニットを含んでおり、このコンプレッサユニットは、相応の転移ユニットの詳しくは説明されていない回転するカップラを介して、必要な作動ガスを低温ヘッドに供給する。このカップラはさらに2つのスリップリングを介して、低温ヘッドに組み込まれている低温ユニットの弁駆動部にも、必要な電気エネルギーを供給する。このような設計では、転移ユニットに少なくとも2つのガス配管を同軸線に通すとともに、少なくとも2つの電気的なスリップリングを設けることが必要になる。そのうえ、必要な保守作業のときにロータケーシングを開けなくてはならないので、低温ユニットの一緒に回転する部分への接近性、特に機械のロータ内部にある弁駆動部への接近性が妨げられる。さらに、従来の弁駆動部の機能は、同期電動機や発電機で与えられるような高速の回転時には保証されない。
【0006】
本発明の課題は、以上の従来技術を前提としたうえで、77K以下の温度領域で装置コストを比較的抑えながら、ロータの停止時にも回転時にも確実で経済的な低温ユニットの運転が保証されるように、冒頭に述べた構成要件を備える装置を構成することである。
【0007】
この課題は、本発明によれば、回転軸線を中心として回転可能に支承され、少なくとも1つの超伝導巻線を有し、この超伝導巻線の導体が熱伝導するように構成された巻線支持体内に配置されているロータと、超伝導巻線に熱的に結合された少なくとも1つの低温ヘッドを有する低温ユニットとを備え、低温ヘッドが、ロータの外部で固定配置され、そこで、冷却能力を有する低温部分を介して、ロータ内に突入する特に円筒状の熱伝達体に固定的にかつ熱伝導するように結合されている超伝導装置において、巻線支持体が、軸線方向に延びる中央の円筒状の中空室を備え、熱伝達体が、巻線支持体の中央の中空室内に中空円筒状の環状隙間を残しながら超伝導巻線の領域内にまで突入し、環状隙間が、少なくとも巻線支持体の領域で、巻線支持体と熱伝達体との間で熱伝達するための接触ガスを充填されて気密に密閉されていることによって解決される。
【0008】
このように本発明による超伝導装置の構成では、可動部分を備えている場合にはこれも含めた低温ユニット全体がロータの外部で固定配置され、従っていつでも容易に接近できる。冷却能力ないしは熱転移の準備は、低温ヘッドに良く熱を伝導するように結合された熱伝達シリンダの形態の固定配置の冷却フィンガにより、回転する巻線支持体への接触ガスのガス流によって行われる。このとき、接触ガスの強制循環運動が利用されるのではなく、接触ガスに遠心力を生じさせるロータの回転がガスの対流を引き起こすと好ましい。さらにロータの停止時にも、接触ガスに生じている対流に基づいて室温を低温へ冷却することが可能であり、もしくは、ロータ内部の低温状況を維持することが可能である。このことは、環状隙間を残しながら円筒状の中空室に挿入された熱伝達シリンダからなる構成という、選択された幾何学形態の結果である。この構成では、熱転移ないしは冷却能力の準備が格別に簡単かつ経済的であるが、その主な理由は環状隙間の比較的簡単な密閉しか必要としないことにある。
【0009】
本発明による超伝導装置の有利な実施態様は従属請求項に記載されている。
【0010】
例えば、中空室の一方の側面が巻線支持体によって閉鎖され、低温ヘッド側に位置する側面に、一緒に回転する部分をもつシール装置が設けられていると、環状隙間を格別に簡単に密閉することができる。この場合、シール装置としては、強磁性流体シール、ラビリンスシール、ダイヤフラムシールの中から少なくとも1つのシール材を選ぶのが好ましい。
【0011】
低温ユニットとしては、事前設定された温度レベルになっているべき低温ヘッドを有していれば、実質的にどの型式のものでも用いることもできる。特に、閉じたHe圧縮ガス循環路を備える極低温冷凍機が好ましい。なぜならこれは簡単な構造を有しており、本発明の超伝導装置の場合のような間接的な冷却技術に格別に適しているからである。再生式極低温冷凍機とも呼ばれるこのような冷凍機は、極低温冷凍機の通常の分類によれば、再生用熱交換器ないしは再生式の作業サイクルを有している(例えば前掲の会議録の33〜44頁を参照)。
【0012】
格別に好ましくは、低温ヘッドが多段式に構成されていてよい。この場合、その第1段では電流供給の部分または熱的な放射線シールドが比較的高い中間温度に設定される。このように設計された低温ヘッドにより、簡単に、超伝導装置の固定配置部分も、それぞれ効率的な冷却のために好都合な温度レベルで保つことができる。
【0013】
さらに、冷却されるべき巻線およびこれに伴うその超伝導材料が低温ヘッドによって77K以下の温度に保たれ、HTS材料を使用する場合には特に20〜50Kの温度に保たれると、有利であると考えられる。すなわち公知のHTS材料は、比較的限定された冷却コストで守られるべきこのような温度領域で、通常の利用に十分な臨界電流密度を有している。本発明による超伝導装置では、必要な冷却能力を容易に調達することができる。この冷却能力は、例えば機械的出力が約1〜20MWの規模の同期機については、20K〜30Kのときに数10W前後である。
【0014】
次に、本発明に基づく超伝導装置の有利な実施例について、図面を参照しながら詳しく説明する。図面はそれぞれ模式図である。
図1は、ロータおよび付設の低温ユニットを備える超伝導装置の第1実施例を示す縦断面図である。
図2および図3は、図1のロータの動作モードないしはは冷却モードを示す縦断面図ないしは横断面図である。
図4および図5は、ロータと低温ユニットとを備える超伝導装置の2通りの別の実施例を示すそれぞれ縦断面図である。
各図では、対応する部分には同一の符号が付してある。
【0015】
以下に図を参照して説明する本発明の超伝導装置の各実施例は、それぞれ特に同期電動機または発電機であってよい。超伝導装置はLTS材料またはHTS材料の使用が原理的に可能である、回転する超伝導巻線を含んでいる。以下の説明については後者の材料を選択することにする。巻線はコイルで構成されていてよく、または2極、4極、あるいは多極の構造をもつコイルシステムで構成されていてもよい。例えば同期機を構成するこのような超伝導装置の原理的な構造は図1から明らかであり、ここでは、このような機械の公知の実施例を前提としている(例えば冒頭に挙げた米国特許明細書を参照)。全体に符号2を付されている装置は、固定子巻線4を備え室温の状態にある固定配置の外側ケーシング3を含んでいる。外側ケーシングの内部で固定子巻線4によって取り囲まれるように、ロータ5が回転軸線Aを中心として回転可能に軸受6で支承されている。ロータは真空容器7を有しており、その内部には、例えば中空円筒状のトルク伝達をする懸架部材8に、HTS巻線10を備える巻線支持体9が保持されている。この巻線支持体9の中には、回転軸線Aと同心的に、軸線方向に延びる円筒状の中空室12がある。巻線支持体9はこの中空室12に対して気密に構成されている。中空室12は、外側ケーシング3の外部の領域まで軸線方向に延びているのが好ましい。その役目を果たすのが、軸線と同心的に配置された気密のネック管13であり、このネック管は、巻線支持体の領域から外方に向かって通じており、巻線支持体と反対を向いている高温の側に、長さ補正のための伸縮ベローズ14を備えている。
【0016】
さらに超伝導装置2は、熱伝導部材を介して巻線10を間接的に冷却するために低温ユニット15を有しており、そのうち低温ヘッド16だけが図示されている。この低温ユニットは、特にギホード・マクマホン型の極低温冷凍機であってよい。再生式の極低温冷凍機としては、パルス管冷凍機またはスプリット・スターリング(Split−Stirling)冷凍機を選択するのが好ましい。このとき、低温ヘッド16およびこれに伴う低温ユニット15のすべての主要な別の部品は、ロータ5および外側ケーシング3の外部にある。使用されるべき低温ヘッドを備える低温ユニットのために必要となる追加部品、例えば高温の圧力調整容器、充填毛管、加熱時の過圧に対してシステムを防護するための過圧弁などは、図には示していないが一般に周知である。図示している低温ヘッド16の低温部分は、特に円筒状の熱伝達体18に良く熱を伝導するように結合されているのが望ましい。この熱伝達体はネック管13を貫通し、巻線支持体9の中空室12まで突入しており、ネック管の壁部13aおよび中空室の壁部9aに対して中空円筒状の環状隙間19が残されている。この環状隙間は、巻線支持体の領域で、ネック管の領域よりも明らかに大きい断面積を有している。環状隙間を気密に密閉するために、巻線支持体19の中空室12の、低温ヘッド16とは反対側に位置する側面が、巻線支持体自身によって閉じられている。中空室は、ネック管13を介して外側ケーシング3を通り、外方に向かって低温ヘッド16の領域まで延びているので、そこでも環状隙間の密閉が可能であるのが好ましい。そのために、図には詳しくは図示しない、強磁性流体シールおよび/またはラビリンスシールおよび/またはダイヤフラムシールであってよい少なくとも1つのシール材を備えるシール装置20が設けられている。環状隙間19は接触ガス21、特にヘリウム、または30Kの動作温度以上の温度については例えばネオンを充填されている。その圧力は例えば10〜1000mbarの間である。この接触ガスを通じて、熱伝達体18と、中空室12を仕切っている巻線体9の壁部との間の熱接触が成立している。巻線体は十分に熱を伝導するように構成されるのが望ましく、すなわち巻線体は良く熱を伝導する部分を壁部9aと巻線10との間に有している。このようにして、巻線は巻線体9と、接触ガス21と、熱伝達体18とを介して、簡単に低温ユニットの低温ヘッド16に熱的に結合されている。熱伝達体18と巻線支持体9との間の熱伝達性を向上させるために、場合により、接触ガス21に関する熱交換面を増やすための手段、例えば、壁部9aまたはこれに対向する熱伝達体18の外面に円周方向のリブが設けられていてよい。
【0017】
円筒状の熱伝達体18の材料としては、AlやCuのような熱良導性材料が考慮の対象となる。モータないしはその外側ケーシング3の内部空間に、許容されない渦電流加熱を生じる比較的広い領域がある場合には、その対応策を講じるのが好ましい。そのために熱伝達体18は非導電性材料、例えばセラミックス、Al23、AlN、単結晶サファイア材料でできていてよい。熱伝達体は、相互に電気絶縁されて互いにプレスされて接着されほぼ一次元で軸線方向に延びる部材でできていてよい。このような部材はテープ、薄板、Cuエナメル線のような線材、編組した素線であってよい。
【0018】
図2には、熱伝達体18と巻線支持体9の内面との間の回転時の熱伝達の様子が示されている。十分に熱を伝導する巻線支持体9から出た熱は、その内側の、中空室12を仕切っている壁に、使用するHTS材料に応じて約10〜70Kで到達する。そこでは、周辺層で一緒に回転している接触ガス21への熱伝達が行われ、接触ガスが加熱される。加熱されるガスの密度が低く、遠心力が低いために、回転軸線Aに向かう方向に浮揚が行われる。そこでガスは温度の低い熱伝達体18に当り、冷やされながら熱を放出する。このときにガスは密度が高くなり、それにより遠心力が大きくなることによって再び外方に向かって送られる。図に示しているこのような対流渦23はこのとき円周方向に進む。さらに図には、発生している熱流が矢印付きの線24で示されている。
【0019】
図3には、図2に示すロータ5の切断線III−IIIに沿った横断面図が、ロータが停止状態または冷却モードの状態にあり、従って遠心力が生じていないケースについて示されている。このときには、室温の冷却またはロータのスタンバイモード時の低温維持を可能にする、図示している対流渦または対流セル25が軸線方向に接触ガス内に生成される。
【0020】
図1に準じて図4に示されている超伝導装置28は、実質的に、中央の熱伝達体が構成されていることによってのみ図1の超伝導装置2と異なっている。ここでは、全体に符号30を付されているこの熱伝達体は、軸線方向に相前後して配置された2つの部分に区分されており、中実部分31は低温ヘッド16に接するとともに、外側ケーシング3の内部空間にわずかだけ突入している。熱伝導体30は、少なくとも巻線支持体9の領域で、例えば薄壁のVA容器、真鍮容器、Cu容器、またはAl容器として実質的に内部を中空に構成され、熱輸送をするために、「ヒートパイプ」原理または「サーモサイホン」原理に基づく熱パイプ32として構成されている。そのために熱パイプ32は、例えばNeのような熱輸送ガス33を充填されている。このとき熱は、例えばネオンを使用した場合には27Kで熱輸送ガスが気化、凝結することによって運ばれ、この凝結は中実部分31と熱パイプ32との間の境界面34で行われる。パイプ32の内部における液相の送出を向上させるために、パイプは公知のように、芯の形態の内蔵部品、例えば特殊鋼の線状海綿を備えていてよい。
【0021】
つまり、図4に示すこの超伝導装置28の実施例では、接触ガス21による熱転移が、巻線支持体壁9aと、低温装置の低温ヘッド16に熱的に結合された熱伝達体の中実部分31との間で、実質的に直接的にではなく行われる。むしろ熱転移経路に熱輸送ガス33が組み込まれているので、冷たい中実部分31による接触ガス21の間接的な冷却が意図されている。
【0022】
接触ガスのこのような間接的な冷却を行う図4の超伝導装置の発展例が図5に示されている。符号35を付されているこの超伝導装置では、中空軸からなる低温ユニットの低温ヘッド16が、例えば0.5mから数メートルだけ側方に引き出されている。巻線10の領域にある熱パイプ36は、ヒートパイプ原理に基づいてNeのような熱輸送ガス33を充填されている。この熱パイプは側方で、外側ケーシング3の外部のシール装置38まで、真空絶縁された支持パイプ37によって延長されている。この支持パイプは、同心的に配置された追加のパイプとともに薄いガス隙間42を形成しており、このガス隙間42を通って接触ガス21がシール装置38まで達するので、そこでは接触ガス21を収容する環状隙間19の密閉も行われる。熱パイプ36の内部空間へ熱輸送ガス33を供給するために、シール装置38に挿通された細い固定配置の接続配管39が設けられている。この真空絶縁された接続配管は外方に向かって凝縮器40まで通じており、この凝縮器40は、熱伝達体41を介して、低温ユニットの低温ヘッド16に熱的に接触している。このようにして、熱パイプ36の中にある熱輸送ガス33の部分と、低温ヘッド16との間の熱的な結合が、熱伝達体41、凝縮器40、および接続配管39の中にある熱輸送ガスの部分とを介して成立している。図にさらに示されているように、熱パイプ36と固定的に連結された比較的長い支持パイプ37の振動を防ぐために、支持軸線受44が設けられていてよい。超伝導装置のこのような構成の利点は、低温ヘッドを任意の個所に組付け可能であり、保守作業が容易であり、シール装置38が小型に構成されるという点に見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロータおよび低温ユニットとを備える超伝導装置の第1実施例を示す縦断面図
【図2】 図1のロータの動作モードないしはは冷却モードを示す縦断面図
【図3】 図1のロータの動作モードないしはは冷却モードを示す横断面図
【図4】 ロータと低温ユニットとを備える超伝導装置の別の実施例を示す縦断面図
【図5】 ロータと低温ユニットとを備える超伝導装置の別の実施例を示す縦断面図
【符号の説明】
2 超伝導装置
3 外側ケーシング
4 固定子巻線
6 軸受
9 巻線支持体
10 HTS巻線
12 中空室
13 ネック管
14 伸縮ベローズ

Claims (13)

  1. 回転軸線(A)を中心として回転可能に支承され、少なくとも1つの超伝導巻線(10)を有し、この超伝導巻線(10)の導体が熱伝導するように構成された巻線支持体(9)内に配置されているロータ(5)と、超伝導巻線(10)に熱的に結合された少なくとも1つの低温ヘッド(16)を有する低温ユニット(15)とを備え、低温ヘッド(16)が、ロータ(5)の外部で固定配置され、そこで、冷却能力を有する低温部分を介して、ロータ(5)内に突入する特に円筒状の熱伝達体(18、30)に固定的にかつ熱伝導するように結合されている超伝導装置において、
    a)巻線支持体(9)が、軸線方向に延びる中央の円筒状の中空室(12)を備え、
    b)熱伝達体(18、30)が、巻線支持体(9)の中央の中空室(12)内に中空円筒状の環状隙間(19)を残しながら超伝導巻線(10)の領域内にまで突入し、
    c)環状隙間(19)が、少なくとも巻線支持体(9)の領域で、巻線支持体(9)と熱伝達体(18、30)との間で熱伝達するための接触ガス(21)を充填されて気密に密閉されていることを特徴とする超伝導装置。
  2. 中空室(12)の一方の側面が巻線支持体(9)によって閉鎖され、環状隙間(19)の、低温ヘッド(16、30)側に位置する側面が、一緒に回転する部分をもつシール装置(20、38)によって密閉されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. シール装置が、強磁性流体シール、ラビリンスシール、ダイヤフラムシールのうちの少なくとも1つのシール材を有していることを特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 熱伝達体(30)が少なくとも巻線支持体(9)の領域でヒートパイプの形式の熱パイプ(32、36)として構成され、この熱パイプが、低温ヘッド(16)と、環状隙間(19)の内部で巻線支持体(9)の領域にある接触ガス(21)との間の熱的な結合のために設けられた熱輸送ガス(37)を充填されていることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の装置。
  5. 熱伝達体(30)が、ロータ内に突入する中実部分(31)と、熱パイプ(32)とを有していることを特徴とする請求項4記載の装置。
  6. 熱パイプ(36)が少なくともロータの内部では熱伝達体の軸線方向の長さ全体を占め、ロータの外部には、低温ヘッド(16)と熱パイプ(36)との間に熱輸送ガス(33)のための接続配管(39)が設けられていることを特徴とする請求項4記載の装置。
  7. 熱輸送ガス(33)が、接続配管(39)の凝縮器(40)を介して低温ヘッド(16)と熱的に結合されていることを特徴とする請求項6記載の装置。
  8. 低温ユニット(15)が、少なくとも1つの特に再生式の極低温冷凍機を有していることを特徴とする請求項1乃至7の1つに記載の装置。
  9. 極低温冷凍機がパルス管冷凍機またはスプリット・スターリング冷凍機またはギホード・マクマホン冷凍機であることを特徴とする請求項8記載の装置。
  10. 低温ヘッドが多段式に構成されていることを特徴とする請求項1乃至9の1つに記載の装置。
  11. 低温ヘッドが2つの低温段を有し、第1段は電流供給部または放射線シールドに熱的に結合され、第2段は熱伝達体に熱的かつ固定的に結合されていることを特徴とする請求項10記載の装置。
  12. 超伝導巻線が低温ヘッドによって77K以下の温度に保たれることを特徴とする請求項1乃至11の1つに記載の装置。
  13. 巻線の導体が、金属の低温超伝導材料または金属酸化物の高温超伝導材料を含んでいることを特徴とする請求項1乃至12の1つに記載の装置。
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