JP3832275B2 - 車両の車台フレーム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の続する技術分野】
本発明は、トラック等車両の車台フレームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のトラックにおける車台フレームの構成の一例を、図11ないし図14について説明する。図11は、車台フレーム10の概略構造を示した斜視図であり、同車台フレーム10は、車両前後方向に延在し断面形状が夫々溝型をなす左右一対のサイドレール12と、夫々車幅方向に延在して配設され夫々の両端部を上記サイドレール12にリベット、ボルト等の固着手段により締結された複数個のクロスメンバ14とを備えた所謂梯子型のフレームである。
【0003】
図示の車台フレーム10では、前後端のクロスメンバ14の間に、図12ないし図14に示した2個のアリゲータ型のクロスメンバ14A(添字Aはアリゲータ型を表わす)と、夫々断面形状がコ字状をなす2個の溝型のクロスメンバ14C(添字Cは溝型を表わす)とが車両前後方向に適宜の間隔を存して配設されている。前端のクロスメンバ14と前方のアリゲータ型クロスメンバ14Aとの間のサイドレール12の外側にフロントサスペンションスプリング16が設けられ、同フロントサスペンションスプリング16は、その前後端を図示しない適宜の連結手段を介してサイドレール12に枢支されている。また、2個の溝型クロスメンバ14C間のサイドレール12外側にリヤサスペンションスプリング17が設けられ、同リヤサスペンションスプリング17は、その前後端を図示しない適宜の連結手段を介してサイドレール12に枢支されている。
【0004】
図12の正面図に示されているように、従来のアリゲータ型クロスメンバ14Aは、夫々厚さ数mm例えば4mmの鋼板をプレス成形して作られた上方メンバ18と下方メンバ20とから構成されている。上方メンバ18は、車幅方向両方の端部分18aと中間部分18bとからなり、中間部分18bは上方に凸のハット型断面を備え、端部分18aは中間部分18bより車幅方向外方に拡開した平面形状を有しその外方端は下方に屈曲されて取付フランジ18afを形成している。一方、下方メンバ20は、車幅方向両方の端部分20aと中間部分20bとからなり、中間部分20bは下方に凸のハット型断面を備え、端部分20aは中間部分20bより車幅方向外方に拡開した平面形状を有しその外方端は下方に屈曲されて取付フランジ20afを形成している。
【0005】
図示のように、上方メンバ18と下方メンバ20とは、夫々の中間部分18b及び20bのフランジ部18bf及び20bfを重ね合わせ当接したのち複数のリベット22その他適宜の固着手段により一体的に結合されて断面形状が多角形(図示の場合は矩形)の閉断面空間24が形成されている。また、上方及び下方メンバ18及び20の両端部分18a及び20aによって、正面視がV字状をなす外方に拡開した接手部26が形成され、同接手部26の外方端の取付フランジ18af及び20afは、リベット等の固着手段により上記サイドレール12のウエブ12wに固着される。なお、図12ないし図14は、図面の混雑を避けるため、便宜的に板厚を省略して単一の線で示されている。
【0006】
上記のようなアリゲータ型クロスメンバ14Aを備えた車台フレーム10の重量軽減を図るためには、車両前後方向の寸度が著しく大きい左右のサイドレール12の板厚を低減すること、例えば板厚を6mmから5.5mmに低減することが効果的であるが、サイドレール12の板厚を低減するだけで、上記アリゲータ型クロスメンバ14A及び溝型クロスメンバ14Cを従来通りの形状寸度とすると、車台フレーム10全体としての上下方向曲げ強度、横方向曲げ強度及び捩り強度・剛性が低下し、耐久性及び信頼性が損なわれる不具合がある。
【0007】
従って、上記サイドレール12の板厚を低減しながら車台フレーム10全体としての曲げ及び捩り強度・剛性を確保し、その耐久性及び信頼性を損なうことなく重量軽減を図るためには、上記車両前後方向中間のクロスメンバ14A及び14Cの重量を増大させることなく従来と同等程度に抑制すると共に、車台フレーム全体としての曲げ及び捩り強度・剛性に寄与し得るように構造上格別の工夫を施す必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記車両前後方向中間のクロスメンバ14A及び14Cのうち、前者のアリゲータ型クロスメンバ14Aの構造を改良することにより、同クロスメンバ14Aの重量を従来と同等に抑制すると共に、従来より薄肉のサイドレールを用いながら、車台フレーム全体としての強度・剛性を確保することができ、この結果、車台フレームの耐久性及び信頼性を損なうことなく、その軽量化を達成することを、主たる目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、車両前後方向に延在し断面形状が溝型をなす左右一対のサイドレールと、夫々車幅方向に延在し中間部分を互に固着された上方メンバ及び下方メンバから構成され、同上方メンバ及び下方メンバの車幅方向両端部分に、上記サイドレールのウエブ部分に締結される正面視V字状の接手部が形成されたアリゲータ型クロスメンバとを有するものにおいて、上記クロスメンバの車幅方向中間部分が上記上方メンバ及び下方メンバにより限界された閉断面構造を備えると共に、上記上方メンバ及び下方メンバの上記接手部を構成する端部が、平面視において中間の空所を挟み配設された前方腕部と後方腕部とからなる二又状に夫々形成されたことを特徴とする車両の車台フレームを提案するものである。
本発明においては、上記上方メンバの車幅方向中間部分が上方に凸で全高が大きいハット型断面を有すると共に、上記下方メンバの車幅方向中間部分が下方に凸で全高が相対的に小さいハット型断面を有し、上方及び下方メンバの中間部分におけるフランジ部を当接させ固着することにより車幅方向に延在する多角形断面の閉断面空間が形成されることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を添付図面について具体的に説明する。なお、図11ないし図14を参照して説明した従来の車台フレームと実質的に同一又は対応する部材及び部分には同一の符号を用いる。
本発明は、その一例を図11に概念的に示した車台フレーム10に設けられている従来のアリゲータ型クロスメンバに代え、図1ないし図10に示した新規な構造のアリゲータ型クロスメンバ14Aを用いることを特徴とする。
【0011】
本発明におけるアリゲータ型クロスメンバ14Aは、上方メンバ18と下方メンバ20とからなり、上方メンバ18の車幅方向中間部分18bは、高さhが大きい上方に凸のハット型断面を有し、下方メンバ20の車幅方向中間部分20bは、高さhが相対的に小さい下方に凸のハット型断面を有する。上方メンバ18の中間部分18bの車両前後方向両側縁に形成されたフランジ部18bfと、下方メンバ20の中間部分20bの車両前後方向両側縁に形成されたフランジ部20bfとを重ね合わせて当接させ複数のリベット22等の固着手段により一体的に結合することによって、車幅方向中間部分に多角形(図示の場合は矩形)断面の閉断面空間が形成される。
【0012】
また、上方メンバ18の車幅方向両端部18aと下方メンバ20の車幅方向両端部20aとによって、図2に良く示されているように、正面視において車幅方向外方に拡開したV字状の接手部26が形成される。さらに、上記接手部26の上方部材を形成する上方メンバ18の両端部18aは、図1及び図3に示されているように、平面視において略U字状をなす空所28を挟んでその前後に延びた前方腕部30aと後方腕部30bとからなる二又状に夫々形成されている。上記前方腕部30a及び後方腕部30bの車幅方向外方端には、夫々下方に屈曲した取付フランジ18afが一体的に形成され、同取付フランジ18afはサイドレール12のウエブ12wにリベット等適宜の固着手段により締結される。
【0013】
なお、図4に示されているように、上方メンバ18の前方腕部30a及び後方腕部30bの車両前後方向における最大寸度Lは、図13に示されている従来の上方及び下方メンバ18及び20の車幅方向両端部18a及び20aの車両前後方向の最大寸度Lと較べて十分大きく形成されている。また、図示の実施形態では、上記取付フランジ18afが上記前方腕部30a及び後方腕部30bの車幅方向外方端の寸度より前方及び後方に延長して形成されているが、前方腕部30a及び後方腕部30bの車幅方向外方端と実質的に同一寸度としても良い。
【0014】
また、上記接手部26の下方部材を形成する下方メンバ20の両端部20aは、図3及び図4に良く示されているように、平面視で車幅方向外方に開いた略U字状をなす空所32を挟んでその前後に配設された前方腕部34a及び後方腕部34bとからなる二又状に夫々形成されている。上記前方腕部34a及び後方腕部34bの車幅方向外方端には、夫々下方に屈曲した取付フランジ20afが一体的に形成され、同取付フランジ20afはサイドレール12のウエブ12wにリベット等適宜の固着手段により締結される。図4の側面図に示されているように、図示の実施形態では、前方及び後方腕34a及び34bの車両前後方向の最大の寸度Lは、上記上方メンバ18の両端部18aにおける同様の最大寸度Lと略同等である。なお、図3は、図面の過度の混雑を回避するため板厚を無視して示され、また図4は便宜的に上方メンバ18と下方メンバ20とを上下に分離して示しており、実際には、図中一点鎖線で示されているように、上方メンバ18のフランジ部18bfと下方メンバ20のフランジ部20bfとは重ね合わせて当接される。
【0015】
上記のように、アリゲータ型クロスメンバ14Aの車幅方向両端部をサイドレール12のウエブ12wに締結する正面視V字状をなす接手部26を形成する上方メンバ18及び下方メンバ20の両端部18a及び20aの平面形状を、中間の空所28及び32を挟んでその前後に配設された前方腕部30a、後方腕部30b及び前方腕部34a、後方腕部34bからなる二又状に形成することにより、従来のアリゲータ型クロスメンバと同一の重量であっても、重量軽減の目的で板厚を薄くしたサイドレール12(例えば、従来の板厚6mmを5.5mmに減少)と組み合わせた場合、車台フレーム10全体としての曲げ及び捩り強度・剛性を実質的に同等以上に維持することができ、車両前後方向の寸度が著しく大きいサイドレール12の板厚を低減することによって、車台フレーム10の耐久性及び信頼性を損なうことなく、重量軽減を効果的に達成することができる。
【0016】
図8ないし図10は、図11に示した車台フレーム10において、サイドレール12の板厚さ5.5mmとし、図12ないし図14に示した通常構造のアリゲータ型クロスメンバ14Aを備えたものと、図1ないし図7に示した構造を有しかつ上記従来のアリゲータ型クロスメンバと実質的に同一重量を有するアリゲータ型クロスメンバ14Aを備えた本発明に係る車台フレーム10について、捩り負荷時におけるクロスメンバ14Aの変位比及び応力比、上下方向の曲げ負荷時におけるクロスメンバ14Aの変位比及び応力比、及び横方向の曲げ負荷時におけるクロスメンバ14Aの変位比及び応力比を示したグラフである。各図において、白抜きの棒グラフで表わした変位比及び応力比は、本発明に係る車台フレームのアリゲータ型クロスメンバの各負荷時の変位量及び応力を、上記従来の車台フレームにおけるアリゲータ型クロスメンバの変位量及び応力で除した値を示す。
【0017】
本発明に係る車台フレーム10では、捩り負荷時におけるアリゲータ型クロスメンバ14Aの変位比及び応力比が何れも従来のアリゲータ型クロスメンバを表わす基準値1.0より小さく、また上下曲げ負荷時の変位比は1.0で従来のアリゲータ型クロスメンバと変らないが、応力比は小さく、更に横曲げ負荷時の変位比及び応力比は何れも基準値1.0より小さい。従って、本発明に係る車台フレーム10によれば、従来の同種車台フレームと較べ、同等以上の耐久性及び信頼性を確保しながら、サイドレール12の板厚を薄くし、重量を軽減し得る利点がある。
【0018】
【発明の効果】
叙上のように、本発明に係る車両の車台フレームは、車両前後方向に延在し断面形状が溝型をなす左右一対のサイドレールと、夫々車幅方向に延在し中間部分を互に固着された上方メンバ及び下方メンバから構成され、同上方メンバ及び下方メンバの車幅方向両端部分に、上記サイドレールのウエブ部分に締結される正面視V字状の接手部が形成されたアリゲータ型クロスメンバとを有するものにおいて、上記クロスメンバの車幅方向中間部分が上記上方メンバ及び下方メンバにより限界された閉断面構造を備えると共に、上記上方メンバ及び下方メンバの上記接手部を構成する端部が、平面視において中間の空所を挟み配設された前方腕部と後方腕部とからなる二又状に夫々形成されたことを特徴とし、上記アリゲータ型クロスメンバの構造、特にサイドレールに固着される車幅方向両端部分を二又に形成する構造によって、車台フレームの耐久性及び信頼性を損なうことなくサイドレールの板厚を低減することができ、結局車台フレームの重量を効果的に低減し得る利点がある。
【0019】
また、本発明において、上記上方メンバの車幅方向中間部分が上方に凸で全高が大きいハット型断面を有すると共に、上記下方メンバの車幅方向中間部分が下方に凸で全高が相対的に小さいハット型断面を有し、上方及び下方メンバの中間部分におけるフランジ部を当接させ固着することにより車幅方向に延在する多角形断面の閉断面空間が形成される構成とすることによって、アリゲータ型クロスメンバの車幅方向中間部分の強度・剛性を確保することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態を示す要部斜視図である。
【図2】図1に示したアリゲータ型クロスメンバ14Aの正面図である。
【図3】図2に示したアリゲータ型クロスメンバ14Aの平面図である。
【図4】図2に示したアリゲータ型クロスメンバ14Aの上方メンバ18と下方メンバ20とを分離して示した拡大側面図である。
【図5】図3のV−V線に沿い矢印方向に視た断面図である。
【図6】図3のVI−VI線に沿い矢印方向に視た断面図である。
【図7】図3のVII−VII線に沿い矢印方向に視た断面図である。
【図8】本発明に係る車台フレームにおけるアリゲータ型クロスメンバの捩り負荷時の変位量及び発生応力を従来の車台フレームにおけるアリゲータ型クロスメンバの捩り負荷時の変位量及び発生応力に対する比率で示したグラフである。
【図9】上下曲げ負荷時における本発明に係るアリゲータ型クロスメンバの変位量及び発生応力を従来の車台フレームにおけるアリゲータ型クロスメンバの変位量及び発生応力に対する比率で示したグラフである。
【図10】横曲げ負荷時における図9同様の変位比及び応力比を示したグラフである。
【図11】従来の車台フレームの一例を示した概略斜視図である。
【図12】図11に示した車台フレームに使用されている従来のアリゲータ型クロスメンバ14Aの概略正面図である。
【図13】図12に示したアリゲータ型クロスメンバ14Aの概略平面図である。
【図14】図12に示したアリゲータ型クロスメンバ14Aの概略側面図である。
【符号の説明】
10…車台フレーム、12…サイドレール、14…クロスメンバ、14A…アリゲータ型クロスメンバ、14C…溝型クロスメンバ、18…上方メンバ、18a…上方メンバの車幅方向両端部分、18b…上方メンバの中間部分、20…下方メンバ、20a…下方メンバの車幅方向両端部分、20b…下方メンバの中間部分、24…閉断面空間、26…接手部、28及び32…空所、30a及び34a…前方腕部、30b及び34b…後方腕部。

Claims (2)

  1. 車両前後方向に延在し断面形状が溝型をなす左右一対のサイドレールと、夫々車幅方向に延在し中間部分を互に固着された上方メンバ及び下方メンバから構成され、同上方メンバ及び下方メンバの車幅方向両端部分に、上記サイドレールのウエブ部分に締結される正面視V字状の接手部が形成されたアリゲータ型クロスメンバとを有するものにおいて、上記クロスメンバの車幅方向中間部分が上記上方メンバ及び下方メンバにより限界された閉断面構造を備えると共に、上記上方メンバ及び下方メンバの上記接手部を構成する端部が、平面視において中間の空所を挟み配設された前方腕部と後方腕部とからなる二又状に夫々形成されたことを特徴とする車両の車台フレーム。
  2. 上記上方メンバの車幅方向中間部分が上方に凸で全高が大きいハット型断面を有すると共に、上記下方メンバの車幅方向中間部分が下方に凸で全高が相対的に小さいハット型断面を有し、上方及び下方メンバの中間部分におけるフランジ部を当接させ固着することにより車幅方向に延在する多角形断面の閉断面空間が形成されることを特徴とする請求項1記載の車両の車台フレーム。
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