JP3831932B2 - インバータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、GTO(ゲートターンオフ)サイリスタ等の大電力用スイッチング素子をブリッジ型に接続したインバータで定格の直流電圧を交流変換して負荷に供給するインバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
変電所に設置される無効電力補償装置等に使用される大電力用インバータ装置は、図3に示すような回路構成が一般的である。図3のインバータ装置は、直流電圧源1の定格の直流電圧をインバータ7で交流変換して負荷11に供給するもので、インバータ7と直流電圧源1の間にインバータ保護手段の電流上昇率抑制用直流リアクトル2が接続され、また、インバータ7にアーム短絡時に過電流からインバータ7を保護するインバータ過電流保護回路13が付設される。
【0003】
インバータ7は、GTOサイリスタ等の第1〜第4のスイッチング素子81 〜84 のブリッジ回路で、第1と第2のスイッチング素子81 、82 の直列回路と第3と第4のスイッチング素子83 、84 の直列回路が並列接続され、第1と第2のスイッチング素子81 、82 の接続点と第3と第4のスイッチング素子83 、84 の接続点の間に負荷11が接続される。各スイッチング素子81 〜84 の夫々に還流ダイオード9、…が逆並列接続され、各スイッチング素子81 〜84 の夫々にスナバコンデンサ10、…が並列接続される。なお、各スイッチング素子81 〜84 を特定しない場合において個々をスイッチング素子8と以下称する。
【0004】
上記直流リアクトル2には還流ダイオード3が並列接続され、この還流ダイオード3にコンデンサ5と抵抗6の直列回路であるスナバ回路4が並列接続される。インバータ過電流保護回路13は、インバータ7の任意のスイッチング素子の故障によるアーム短絡時の短絡電流を電流検出器12で検出して、他の正常なスイッチング素子を強制的にオフ動作させて保護する。直流リアクトル2は、このアーム短絡時に他の正常なスイッチング素子に流れる電流の上限を制限して他の正常なスイッチング素子が確実にオフするようにする。
【0005】
上記インバータ装置は、インバータ7の各スイッチング素子8をオンオフ制御して還流モードと力行モードを繰り返すことで動作する。この動作時において、直流リアクトル2にはその還流ダイオード3を通して負荷電流相当のバイアス電流が還流する。ここでインバータ7が還流モードから力行モードに移行すると、図2の電流波形Aで示すようにインバータ7には負荷電流と還流モード時に充電されたスナバコンデンサ10の充電電流の和のインバータ電流IINV が流れる。図2の電流波形Aの斜線部分がスナバコンデンサ充電電流で、この充電電流の分だけインバータ電流IINV が直流リアクトルバイアス電流を超えて、直流リアクトル2の両端に図2の実線電圧波形Dに示すようなスパイク状の電圧VL が発生する。この電圧VL のピーク値は、インバータ電流IINV の直流リアクトルバイアス電流を超えた電流の上昇率に比例する。
【0006】
直流リアクトル2の両端にスパイク状の電圧VL が発生すると、直流リアクトル2に流れる電流IL が図2の実線電流波形Eに示すように定常値から増加する。このとき、インバータ電流IINV は直流リアクトル2とスナバ回路4を通り、スナバ回路4を通る図2の電流波形Bに示す電流IDSでスナバ回路4のコンデンサ5を充電する。インバータ7のスナバコンデンサ10の充電電流が減少すると、スナバ回路4のコンデンサ5の充電電流が直流リアクトル2を通して放電して、直流リアクトル2のバイアス電流が増加し、その一方で直流リアクトル2とその還流ダイオード3の発熱等の損失でバイアス電流が減少し、この電流増加と電流減少が釣り合ったところでバイアス電流が一定となる。
【0007】
上記インバータ動作時において、インバータ7のスイッチング素子8の一部が故障してアーム短絡を起こした場合、インバータ過電流保護回路13が作動する。例えば、インバータ7の第1のスイッチング素子81 がオン、第2のスイッチング素子82 がオフの力行モードのときに第2のスイッチング素子82 が故障してアーム短絡を起こすと、このときの短絡電流をインバータ過電流保護回路13が検出して第1のスイッチング素子81 を強制的にオフさせて、正常な第1のスイッチング素子81 を保護する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、インバータ7の任意のスイッチング素子8が故障してアーム短絡が発生した初期段階において、直流リアクトル2と還流コンデンサ3を還流するバイアス電流がインバータ7に短絡電流として流れるが、このバイアス電流が大きくなるほど、スイッチング素子8をインバータ過電流保護回路13で強制的にオフすることが難しくなる。即ち、インバータ過電流保護回路13はGTOサイリスタ等のスイッチング素子8のゲート信号を強制的に遮断することで、スイッチング素子8を強制的にオフするように設計されているが、スイッチング素子8に規格以上の電流が流れている状態でスイッチング素子8を強制的にオフするとスイッチング素子8を破壊してしまうことがあり、このことが上記のバイアス電流の増加で図3のインバータ装置に発生して、インバータ過電流保護回路13が正常に機能しないことがあった。
【0009】
本発明の目的は、インバータ過電流保護回路がインバータのアーム短絡時に正常に機能するようにしたインバータ装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一対のスイッチング素子の直列回路と他の一対のスイッチング素子の直列回路を並列接続し、この各直列回路のスイッチング素子接続点間に負荷を接続すると共に、各スイッチング素子の夫々にスナバコンデンサとスイッチング素子用還流ダイオードを並列接続したインバータと、このインバータの直流側に接続した定格の直流電圧源と、この直流電圧源とインバータの間に接続された電流上昇率抑制用直流リアクトルと、この直流リアクトルに並列接続された直流リアクトル用還流ダイオードと、この直流リアクトル用還流ダイオードに並列接続されたスナバ回路と、前記インバータの任意のスイッチング素子故障によるアーム短絡時の短絡電流を検出して他の正常なスイッチング素子をオフ動作させるインバータ過電流保護回路を備えたインバータ装置において、前記直流リアクトルに、コンデンサとリアクトルのLC直列回路を並列接続することにより、上記目的を達成するものである。
【0011】
ここで、直流リアクトルに新たに並列接続されるLC直列回路は、インバータの還流モードから力行モードの移行時に、インバータのスナバコンデンサの充電電流の一部をバイパスさせて直流リアクトルに流れるバイアス電流の増加を抑制する直流リアクトルバイアス電流増加抑制回路として使用される。このLC直列回路でインバータの還流モードから力行モードに移行する際の直流リアクトルのバイアス電流が抑制されて、インバータに付設されるインバータ過電流保護回路の機能が安定して発揮される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図3のインバータ装置に本発明を適用した一実施例を図1に示し説明すると、図1のインバータ装置は直流リアクトル2にコンデンサ15とリアクトル16のLC直列回路14を並列接続したことを特徴とし、他の回路要素の図1の図3と同一又は相当部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0013】
LC直列回路14は、インバータ7の還流モードから力行モードの移行時に直流リアクトル2に流れるバイアス電流の増加を次のように抑制する。即ち、インバータ7の各スイッチング素子8をオンオフ制御して還流モードと力行モードを繰り返す動作時において、直流リアクトル2にはその還流ダイオード3を通して負荷電流相当のバイアス電流が還流し、この状態でインバータ7が還流モードから力行モードに移行すると、インバータ7に負荷電流とスナバコンデンサ10の充電電流の和のインバータ電流IINV が流れる。このとき、スナバコンデンサ10の充電電流が直流リアクトル用スナバ回路4に流れる図2電流波形Bの電流IDSと、LC直列回路14に流れる図2電流波形Cの電流ILCとに分流する。このスナバコンデンサ充電電流の分流によって、直流リアクトル2の両端には図2の鎖線電圧波形D' に示すようなピーク値が低く抑制されたスパイク状の電圧VL が発生する。LC直列回路14のコンデンサ15は、インバータ7のスナバコンデンサ10の充電が終わると、直流リアクトル2を通して放電される。
【0014】
上記のLC直列回路14によるスパイク状電圧VL のピーク値の抑制効果は、LC直列回路14をバイパスする電流値で決まり、このピーク値は従来比で約半分程度抑制できればよい。また、このようなスパイク状電圧VL のピーク値抑制によって、直流リアクトル2に流れる電流IL の増加が図2の鎖線電流波形E' に示すように抑制されて、直流リアクトル2のバイアス電流の増加量が従来比で半減する。その結果、インバータ過電流保護回路13が短絡電流を検出して正常なスイッチング素子8を強制オフさせる際、直流リアクトル2のバイアス電流が少なく抑制されているので、スイッチング素子8を確実に強制オフすることが可能となる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、インバータの直流側の直流リアクトルに並列接続したLC直列回路がインバータの還流モードから力行モードの移行時に、インバータのスイッチング素子用スナバコンデンサの充電電流の一部をバイパスするので、直流コンデンサを還流するバイアス電流の増加が抑制されて、インバータのスイッチング素子の故障によるアーム短絡時にインバータ過電流保護回路がより確実に機能するようになり、インバータの過電流保護対策の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すインバータ装置の回路図
【図2】本発明と従来のインバータ装置における還流モードから力行モードに移行する際の回路各部における電流・電圧波形図
【図3】従来の直流リアクトル仕様のインバータ装置の回路図
【符号の説明】
1 直流電圧源
2 直流リアクトル
3 還流ダイオード
4 スナバ回路
7 インバータ
8 スイッチング素子
9 還流ダイオード
10 スナバコンデンサ
11 負荷
13 インバータ過電流保護回路
14 LC直列回路
15 コンデンサ
16 リアクトル
Claims (1)
- 一対のスイッチング素子の直列回路と他の一対のスイッチング素子の直列回路を並列接続し、この各直列回路のスイッチング素子接続点間に負荷を接続すると共に、各スイッチング素子の夫々にスナバコンデンサとスイッチング素子用還流ダイオードを並列接続したインバータと、
このインバータの直流側に接続した定格の直流電圧源と、
この直流電圧源とインバータの間に接続された電流上昇率抑制用直流リアクトルと、
この直流リアクトルに並列接続された直流リアクトル用還流ダイオードと、
この直流リアクトル用還流ダイオードに並列接続されたスナバ回路と、
前記インバータの任意のスイッチング素子故障によるアーム短絡時の短絡電流を検出して他の正常なスイッチング素子をオフ動作させるインバータ過電流保護回路を備えたインバータ装置において、
前記直流リアクトルに、コンデンサとリアクトルのLC直列回路を並列接続して、このLC直列回路でインバータの還流モードから力行モードの移行時に直流リアクトルに流れるバイアス電流の増加を抑制したことを特徴とするインバータ装置。
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JP19147297A JP3831932B2 (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | インバータ装置 |
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